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ギャラクシー街道

三谷幸喜監督の宇宙コメディ

冒頭は、懐かしのハンナ・バーバラアニメ「宇宙家族」を思わせるようなアニメで始まるのだが、ドラマの大半は、宇宙空間に浮かぶ一軒の「ハンバーガー屋」で繰り広げられる男女の物語と言った感じになっている。

何やら、テレビヒーローもののパロディのようなものや、過去のSF映画を連想させるような描写もあるが、基本は、場末の店内を舞台にしたいくつかの人間ドラマ…と言った感じで、わざわざSF設定にするほどのこともないような印象を受けた。

SF仕立てにしているため、アニメと実写の合成とか、特殊メイクのような風変わりな要素は登場するのだが、それが笑いにも、感動にも繋がってない所が惜しまれる。

ファンタジー過ぎて、何らリアリティを感じられないからだと思う。

笑い(ユーモア)と言うのは、人間(ヒューマン)と密接な関係にあるような気がするだけに、あまりに現実離れした設定やキャラクターたちで笑わせようとするのが、土台無理があるようにも感じられる。

笑いだけではなく、感動の方も同じことである。

全体的に薄っぺらいのだ。

このような店内限定みたいな設定にしたいのなら、むしろ、地上のどこか辺鄙な田舎辺りを舞台にした方が良かったのではないかと言う気もする。

その方が、変わったキャラと言っても、基本、集まって来るのは人間なので、もっとバカバカしい面白さが生まれたのではないかと思える。

奇をてらい過ぎて、何か基本的な部分を置き忘れて来てしまったような印象もある。

のんびり暇つぶしのような気分で観る分には、これはこれで良いのかも知れないが、何か期待してしまうと、かなり肩すかしを食ってしまう気がする。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

2015年、フジテレビ、三谷幸喜脚本+監督作品。

往年のハンナバーバラ作品「宇宙家族」風アニメ

キャストロール

タイトル

西暦2265年

街道沿いの宇宙空間に浮かぶハンバーガー店「33(サンドサンドバーガー)」の店長ノア(香取慎吾)は、アースの本社宛の手紙を書いていた。

テーブルの上に寝そべっていた小型犬のような生き物の長い舌の先で、切手を湿らせ、その手紙を入れた封筒に貼付ける。

宛名は「(株)サンドサンドバーガー御中」と書かれていた。

木星と土星の間に浮かぶスペースコロニー「うず潮」と地球を結ぶスペース幹線道路・ルート246666

人はそれを「ギャラクシー街道」と呼んだ。

客がまだ少ないので、「少年ジャンプ」を窓際の客席で読んでいたノアは、窓の外に近づいて来た小さな球体の宇宙生物が、いきなり窓に粘着性のつばを吐きかけて来たので不愉快な顔になる。

かつては交通量も多く、沿道にもたくさんの飲食店が並んでいたが、開通して150年。

老朽化が著しく、そろそろ閉鎖の噂も聞こえている…

テーブルの一つに腰掛けた国土交通省の役人ハシモト(段田安則)は、えらく旧式のパープロのようなパソコンに何かを打込んでいた。

その時、パートタイマーハナ(大竹しのぶ)がポテトを揚げていた調理場に、ごめんなさい!遅くなって!と入って来たのは、ノアの妻ノエ(綾瀬はるか)だった。

しかし、不器用そうなハナは、聞こえません!油が!と言いながら、ポテトを引き上げるのが精一杯

テーブルの一隅では、客引きのゼット(山本耕史)が、地球からやって来たムタ(石丸幹二)と言う客に、お好みの女を世話すると話しかけていた。

ゼットは、SES(スーパー・エロティカル・ストレート)とやらの良さを説明していた。

カウンターにやって来たのは、クロロン人のズズ(西川貴教)だったが、ノアはノエをこっそり呼ぶと、帰ってもらえ!あいつた好きになれん!あいつが座った椅子はびしょびしょになるんだ!と注意する。

しかしノエは、クロロン人は性格も優しいし歌も巧いと擁護すると、せめてブルーシート!とノアが命じたので、椅子やテーブルにブルーシートをかぶせた上で、ノエは恐縮しながら、戸惑っているズズに座ってもらう。

その頃、ノアの方は個室に籠り、人口知能が浮かび上がらせた頭部だけのホログラムイメージ堂本博士(西田敏行)に悩み事を相談していた。

本社に、帰還要請の手紙を書いたことと、やっぱりノエに男がいる!見た事のないネックレスをしていたし、今日も買い出しに行くと言ってなかなか帰って来なかったとノアは訴える。

そんな時、店内にカップルが入って来る。

モップで濡れた床を拭いていたノエはその女性客の方を観て、レイちゃん!と驚く。

そして、パートのハナに、ちょっとこれ、お願いして良いですか?とモップを渡す。

倦怠期のような物憂い表情のノアは、又、窓ガラスにつばを外から吐く球体の宇宙生物を無表情に観ていた。

テーブル席に着いたカップルの男の方ババサヒブ(梶原善)が、ポテトのSを2人でつまみます?などと貧乏臭いことを言うので、コーヒーくらい飲みましょうよと頭が花畑になっている女性のレイが話していた。

そんなレイをこっそり観ながら、こんな広い宇宙なのに、あの人がこの店に!レイちゃん、結婚したんだわ!旦那はアシヌス人だわ…、うちの人が知ったら何と言うだろう?…と心の中で動揺していた。

カウンターの中にいたハナは、チーズサンサンバーガーとダブルチーズサンサンバーガーを組み合わせると安くなるんですか?と聞いて来た客を前にして、無表情だったが、ケンちゃん、ちょっとややこしいい客が来てますと、戻って来たノアにそのまま丸投げする。

ノエはまだ、レイに対する対処の仕方で思い悩み、堂本博士に相談していた。

ノアとレイが会うと、又、よりを戻すことにならないか?などと悩みを訴えるが、答えはもうあなたの心の中にあるはずだと堂本博士は答える。

チーズサンサンバーガーとダブルチーズサンサンバーガーを組み合わせると安くなるんですか?とまだしつこくノアに聞いていたハナは、うるさい!とノアから叱られると、急に身体中から放電し始めたので、店内は停電してしまう。

ノアは黙って、電源室へ向かうと、電源のスイッチを入れ直す。

店内の電気が復活し、停電中、消えていた堂本博士のホログラムイメージも回復する。

店に戻って来て、皆様、ご心配をおかけしました!と挨拶したノアだったが、ノア君!と呼びかけられた相手がレイだったので驚く。

何やってんの?とレイが聞くので、ここ、俺の店とノアが答えると、驚いたわ…と言ったレイは、主人のババサヒブを紹介する。

ババサヒブの方には、ノア君、昔一緒に働いていたのとレイは教える。

ノアがババサヒブに握手をしようと手を差し伸べると、ババサヒブは急に長い舌を出してノアの鼻を舐めたので、ノアはあっけにとられ、うちにはアシヌス人に客はたまに来ますけど。ああ言う挨拶は始めてです…とノアが戸惑っていると、アシヌス人でアンナ挨拶する人いないよ…とババサヒブは平然と答える。

ここに3年いるんだとノアが教えると、良かったね、ノア君、ハンバーガー好きで、店持ちたいっていつも言ってたものね…とレイは我が事のように喜び、私、これからアースに帰るシャトルを待っているのと言う。

そこに、ノエが近づいて来たので、すっかり奥様がいたに付いたのね、感心ねとレイが挨拶すると、ババサヒブが又、舌を出してノエの鼻を舐めたので、事情を知らないノエは、自分も舐めようと舌を出しかけたので、思わずノアがそれを止める。

そして、お客様にコスモセット2つ!とノエに注文したので、困るわ、ノア君…とレイは遠慮する。

ゼットは、なかなか話に乗って来ない客のムタに、何が不安なのかと聞くと、異星人との接触が初体験のようで、病気のことを心配しているようだった。

そんなもの怖がっていたら、何も始まりませんよ、このままでは本当の会館を知らずに死んで行くことになりますよ…とゼットは言葉巧みに相手を説得する。

この機会を逃すと、あんた一生後悔することになるよ!とゼットはムタに迫る。

ババサヒブは、大学で宇宙学を教えていたんですとノアに教えていた。

それが女の子に手を出しちゃって…、しようがなく、家のパパの会社で雇ってもらうの、事務職やってもらおうと思って…とレイが補足する。

そこへ、宇宙郵便局の配達人がやって来たので、ノアはカウンターに、ミルク出してあげて!と声をかけ、先ほど書いておいた封書を手渡す。

そんな店内に、ABC宇宙保障の隊員2人が入って来る。

ハンバーガーか何か買ってきましょうか?と若い方のハトヤ隊員(小栗旬)が聞くと、年長のトチヤマ隊長(阿南健治)は、コーヒーで良いと言うので、ハナにコーヒー2つを注文すると、何故かハナは睨みつけて来る。

お父さん、元気?釣りまだやってる?とノアが聞くと、レイは、ワカサギ釣りやってますと答えていた。

そんな2人の会話をつまらなそうに聞いていたババサヒブは、席外しましょうか?と嫌味を言い、いきなりその場で息を停め、透明になってみせたりする。

しかし、すぐに苦しくなったのか、ババサヒブは元のように姿を現す。

店の隅では、何故かノエが踊りだしていたが、そこに新たな客が入って来る。

ノエは、メンデスさん!と驚く。

来てしまいました!とメンデス(遠藤憲一)が真剣な顔で迫って来たので、困ります!約束したじゃないですか!とノエは困惑するが、5分だけ!奥さん!とメンデスは頼む。

困ったノエは、ハナにこの場を頼みに行くが、匂いに気づき、あんた今、タバコ吸ってたよね?ととがめると、吸ってませんとハナは否定する。

ここお願いします。コスモセット2つをあの席に持って行ってあげて!吸い殻は捨てといて下さいね!とノエはハナに言いつけ、裏手の別の部屋にメンデスを案内して行く。

ハシモトは、まだパソコンに、午後1時時点の店内の状況を記録していた。

閑散とした店内の様子を見渡しながら、ギャラクシー街道は後1時間で役目を終える…と報告文を打っていた。

その時、ハシモトは足下にいる2Dアニメの犬に気づく。

気づくと、アニメの小鳥たちも頭上を待っているではないか。

裏の別室に案内したノエは、困るんです!と相変わらず困惑していたが、奥さん!聞いて下さい!僕たちはもうお終いなんですか?などとメンデスは聞いて来る。

ですから、始まってもいないんです!最初からずっと…とノエは言い返すが、あなたは無理をしている!言葉が僕に伝わって来ないんです!などとメンデスは言い張る。

奥さん!本当にもう終わりなんですか!とあんまりメンデスがしつこいので、だから始まってもいないんです!とノエもムキになる。

今日は新しいご提案を持って参りました…と、急にメンデスが営業口調になったので、もう結構です!とノエは断ろうとすると、でも、お店のリフォームは?とメンデスが困惑するので、他の所に頼むことにしましたから…とノエは答える。

じゃあ、僕は、奥さんと仕事、両方失うじゃないですか!奥さん!と訴えながら、とうとうメンデスは泣き出す。

その姿があまりに可哀想だったので、新しい提案?とつい話に乗ってしまったノエだったが、現在のホールの床を張り替えるのです!フローリング張りに!エリンボーンに張り替えるのです!などとメンデスが勧めたので、素敵!と、ついノエは夢中になってしまう。

さらに古くなった漆喰をピノアースに張り替えるのです!などと説明しながら、メンデスは来ていたコートを脱ぎ始めるが、その下は網タイツに黒のレザーのSMボンデージと言う女王様コスチュームを着ていた。

その姿でノエに迫って来たメンデスは、大丈夫だから…などと言って来たので、ノエは迷惑そうに押し返す。

するとメンデスは、大丈夫だよ!と悔しそうに泣きだす。

その頃、トチヤマ隊長と向かい合っていたハトヤ隊員は、僕は今月一杯で隊を離れます。期限切れなんです。生まれ故郷であるX-58大星雲に戻らなくてはいけないのです。僕は派遣されていたのです。僕は地球人じゃないんです!…と訴えていた。

僕は、キャプテンソックスなんです!本当は誰にも言わないで帰るのがルールだったんですが…、体長には話しておこうと…とハトヤ隊員が告白し終わると、お前が変身しているなんてありえん!とトチヤマ隊長は驚いたようだった。

何故だ!だけど、ハンバーガーショップでするような話じゃないだろう…と呆れたトチヤマ隊長は、何か無性に腹が減って来たな…とトチヤマは言い出す。

ハトヤは立上がると、何か買ってきますと言ってカウンターへと向かう。

サンサンバーガーセットにコーヒーを付けると、サンサンバーガー1つもらえるんですか?などとハトヤが聞くと、ハナはこんがらがってパニクり、又放電を始める。

裏手の別室では、女装のメンデスに迫られていたノエが、止めて!と抵抗していた。

またもや店内が停電し、ババサヒブは死んだ振りをしていたので、ふざけないで!とレイが叱る。

ノアは無言で発電室へ向かう。

そんな中、ハシモトは、赤い風船を持ったピエロ(浅野和之)が店の隅に立っているのに気づいたので、君!と呼びかける。

思い出して下さい!キャプテンソックスが怪獣と戦っていた時、僕はいつもどっかに行ってでしょう?僕がキャプテンソックスなんです!とハトヤが説明していたが、トチヤマがイマイチ信用していないようなので、来て下さい!とハトヤは立ち上がり、トチヤマを誘う。

トイレのとを開けた2人は、小便器で裸になって大便をしているように力んでいるババサヒブの姿が見えたので、すぐに戸を閉める。

良いんですよ、ゆっくり考えてもらっても…、チャンジも2回までなら出来ます…と言いながら、ゼットはムタに、相手をする女性の写真が載ったパンフレットを見せていた。

どれも、異形の宇宙人だったが、そんな中、イルマと言う女性は地球人にそっくりだったので、一目で気に入ったムタがどこ生まれ?と聞くと、ウエルスですとゼットは教える。

下半身が全くの別物なんてことはありませんから…と安心させたゼットは、料金を聞かれたので、ここで2万、イルマに4万渡して下さいと告げると、病気の方は大丈夫なんですね?とムタは又確認する。

連絡してきます。来るときは、胸に赤い花を挿していますから…と言いながら、2万を受け取ったゼットは店を出て行く。

ハシモトは、ピエロを捜して歩き回っていた。

その頭上には、アニメの小鳥がまとわりついていた。

やがて、ハシモトはピエロを見つける。

一方、男性用トイレの前で待っていたハトヤよトチヤマは、ババサヒブが出て来たので、ようやくトイレの中に入り、大便所の方へ先に入ったハトヤは、中にトチヤマを招き入れ、今から変身しますから…と言いながら、服を脱ぎだす。

服を脱ぐのか!とトチヤマが驚くと、破れちゃいますからね…とハトヤは真顔で答える。

その時、ピエロを捜していたハシモトが、アニメの犬と一緒にトイレの中に入って来るが、戸が閉まった大便所の中から、やっぱり全裸にならないと…、観てて下さいよ、見る間にでっかくなりますから!と言うハトヤの声が聞こえて来たので、何かまずい所に出くわしたと勘違いし、すぐさまトイレを出て行く。

その直後、変身!と言う声と共に、大便所のドア下から光が漏れて来る。

(回想)地球上の下町にある「ザ・スズナリ」と言う小劇場

俺はアースにいた頃、劇団のスタッフをしていた…(ノアの声が重なる)

その劇団で、レイは看板女優だった。

芝居も巧かったし、1人の女としても申し分なかった。

レイは、頭の花畑を触ると興奮するたちだった。

ところが、ある日、僕は衝撃的な事実を知ってしまったんだ。

レイは、ハンバーガーの食べ方がメチャメチャ汚かった。

子供の頃からハンバーガーが大好きだった俺にとって、それは悪夢だった。

ある日、きれいなハンバーガーの食べ方をしている女の子を見つけた。

今まで、そんなに美味しそうにハンバーガーを食べる女性を知らなかった…

それがノエだったんだ…

(回想明け)分かりますよ…と、ノアの告白を聞いていた堂本博士が答える。

それええ、あなたの悩みって言うのは?悩んでないと、俺の所には来ないはず…と堂本博士が聞くと、レイちゃんとよりを戻したいとは思わないんだけど、今の彼女は幸せそうには思えないんだ。彼女は自棄になったんだ。さすがに僕が別れた原因が食べ方が汚いことは知らないはず…、それが不憫で…とノアは言う。

その頃、裏の別室でノエと話し合っていたメンデスは、分かりました、奥さん…、出来ればもっと早く言って欲しかった…、僕は身を引きます…と言い出していた。

ただ、一生の思い出に1回だけ頼みを聞いて下さいとメンデスが言うので、困ります!とノエが身を固くすると、セッピンしてくれとかじゃないんです。アンゲルス人の別れの挨拶を…と言うので、ダメ!とノエは断ろうとするが、その両肩を掴まれ、大丈夫!大丈夫ですから…、動かないで!と言いながら、顔を近づけて来たメンデスは、自分の額とノエの額をくっつけ、こね回すように動かすと、身を放し、もう二度とお目にかからないと思います!失礼!ありがとう!と言い残し部屋を出て行く。

廊下に出たメンデスは、してやったりと言うような不敵な笑みを浮かべていた。

その直後、その部屋の前を通り過ぎたノアに出会ったハシモトは、この辺で道化師を観ませんでしたか?と聞く。

ノアは、何か思いついたのか、奥の部屋に入ると、これのことじゃありませんか?と聞くが、それは、サンサンバーガーのマスコットキャラの看板だった。

ハシモトが違うと言って去って行った後、ノエが部屋から出て来たので、それに気づいたノアは何だよ?と尋ねる。

頭痛くて寝ていた…とノエが噓を言うと、寝てて良いんだとノアは気遣う。

レイちゃん、昔と全然変わってなかったね…とノエが言うと、ちょっと老けてたけどね…とノアは答え、変に気を廻さなくて良いよ、全然引きずってないから…と言うので、ねえ、アースに帰るの?さっき、郵便屋さんに渡してたの帰国申請書でしょう?とノエが聞く。

ノアは、申請はずっと先のことさ…と弁解する。

テーブル席に戻っていたトチヤマ隊長が、ABC宇宙保障はどうなる?と案ずると、心配いりません。来週から新しい正義の味方がやって来ますから…と答えたハトヤ隊員が、隊長、1つお願いしたいことがあるんですけど…、マンモ隊員のことです…と切り出すと、え?彼女と何か?とトチヤマは言うので、付き合っていたこと知らなかったんですか?みんな知ってますよ。今、ここに来ます。残念ですが、彼女にも正体を打ち明けなければいけません。彼女は連れてってと言うかも知れないけど、隊長!彼女のこと頼みます!どうか、支えになって下さい!とハトヤは頼む。

とにかく、オレ行くわ…とトチヤマが席を立ったので、今週末には旅立つつもりです…とハトヤは最後の挨拶をする。

1度、酒でも飲もうや…と言い残し、トチヤマ隊長は店を出て行く。

その時、1人の色っぽい女が店に入って来る。

胸に花が付いていたことから、すぐに宇宙人娼婦のイルマ(田村梨果)と気づいたムタが手を振って名乗る。

ゼットさんから話は…とムタがテーブルにやって来たイルマに話しかけると、ムタさん?とイルマは了解する。

何か食べませんか?とムタが誘うと、イルマ、ナゲット食べるよ…と言うので、ナゲットですね…とムタが席を立とうとすると、80箱!弟に持って行ってあげるの。ナゲット大好きだから…とイルマは言い出す。

その頃、役人のハシモトは、まだピエロを追いかけていた。

待ってくれ!乱暴しないから!あなたに聞きたいことがある!とハシモトは呼びかける。

コスモセットをレイのテーブルに持って来たノアは、遅い!とババサヒブから文句を言われたので、コスモ牛100%ですと教える。

その時、ババサヒブは、急に来た!と言うと、床に踞ってしまう。

それを観たレイは、今月は早かったわね…とつぶやくと、他のお客さんに迷惑はかけません。彼は月に一度脱皮するんですとノアに伝え、何か毛布のようなものをかけてやって下さいと頼む。

その間、パートのハナはブツブツ言いながら、80箱分の大量のナゲットを揚げていた。

やがて、店にやって来たのはABC宇宙保障の女性隊員マンモ(秋元才加)だった。

待っていたハトヤ隊員のテーブルに来ると、呼び出した詫びをするハトヤに、私もちょうど話があったから…とマンモ隊員は言い、何か頼む?と聞いたハトヤに、これは?とテーブルに置きっぱなしになっていたコーヒーカップの事を聞く。

さっきまでいた隊長の…とハトヤが言うと、これで良いわと言うマンモは、で?と話を促す。

そっちの話先にして、私の方が後の方が良いと思うから…ハトヤはマンモに先に話すよう促したので、両者しばらく互いに譲り合う。

じゃあ…と言うことで、マンモ隊員の方が先に話すことになり、もう終わりにしたいの…と切り出す。

え?ちょっと待って!それって本気で言ってるの?と狼狽したのはハトヤ隊員の方だった。

全然プロポーズしてくれそうにないし、私もうすぐ30よ!それなのに両親にも会ってくれないし…とマンモははっきり答える。

俺たち、もうこれで終わり?とハトヤ隊員が情けなさそうに聞くと、もう決めたことだから!とマンモの態度は変わらない。

俺だってプロポースしたかったさ、けど、色々事情があって…とハトヤはグズグス言い出し、僕の話をする。僕は地球人じゃないんだ。僕がキャプテンソックスだったんだ!と打ち明けるが、その時、マンモのビデオシーバーがな鳴りだし、それに出たマンモは、今、彼に話した。こっちに来る?と相手に話しかける。

誰来るの?とハトヤが戸惑うと、私ね、告白されたの…、プロポーズ!

あなたがぐずぐずしているからOKしちゃったのよ。私、来月結婚するわ!などとマンモは言い出す。

カウンター内では、ノエがハナに、ハナさん、内の店がなくなったらどうする?と聞くと、早めに言って下さいね、働き口探さなくちゃいけないから…とハナはふて腐れたように答える。

うちの人、アースに帰りたいみたいなの…とノエが打ち明けると、宇宙でダメだった人が、どこへ行っても巧く行くはずないじゃない!とハナは吐き捨てるように言う。

昔はこんなじゃなっかたわ…、ギャラクシー街道は客気に溢れ、スペースエクスプレスが出来た頃は…などとハナが100年以上も前の話をしだしたので、いくつなんですか?とノエが聞くと、ハナは、パートを始めて80年!と言うので、ノエは、そうなんですか!とあっけにとられる。

ムタはイルマに、病気の方は大丈夫かな?と探りを入れたので、急にイルマの機嫌が悪くなる。

どんな病気を持っているか分からないし…、最後に検査受けたのはいつ?とムタが構わず聞くと、気分悪い!とふてくされながらも、昨日!とイルマは答える。

でも、今日のお客さん、あんたで3人目!とも付け加え、どうする?止めとく?とイルマは確認して来る。

卵を割らなきゃ、目玉焼きは作れない!ムタは、先ほどゼットが言っていた言葉を繰り返し、4万を差し出す。

確かに…と受け取ったイルマだったが、残りの分は終わった後でね…と言いだしたので、唖然としたムタは、聞いてない!全部でいくらだ!と憮然とする。

イルマはコースによるわよ…と言い、Aコース:観て楽しむ、Bコース:触って楽しむ、Cコース:行く所まで行く…とコースを紹介し、行く所まで行くと20万と言うので、ムタは仰天し、地球からここまで来るより高いじゃないか!そんなに払ったら地球に戻れなくなる!と憤慨する。

ノアは、床に踞って脱皮中のババサヒブの横の席で、、何が宇宙学の教授だよ!何であんなのと一緒になったんだ!とレイに聞くが、レイは、自分の気持ちに素直なのよと答えるので、俺のせいだ!今のお前を観ると、哀しくなってしまうんだ!お前はもっと幸せになって欲しかった!と訴える。

するとレイは、私、幸せなの…と言うので、強がり言うな!君は自棄になっているんだ。あんな別れ方して本当に申し訳なかったと思う…とノアは詫びる。

そんなノアの一方的な態度に、バカとしか思えないわ!いつまでも別れた女が自分のことを思っているなんて男のロマンよ!とレイは嘲る。

将来、私がお婆ちゃんになって思い出すのは彼のこと!悪いけど、あんたじゃない…と、レイは、ババサヒブの方を観ながら言う。

一方、ムタは、ゼットに電話を入れ、20万ってどういうことなんです!と抗議していた。

それってCコースの話ですよね?まさか、Cコースをお望みですか?などとゼットが言うので、観るだけとか触るだけで満足できるか!とムタは怒りだす。

病気のことを気になさっていたから…とゼットはバカにしたように答え、キャンセルなさいますか?入会金は戻りませんよなどと言って来る。

ムタは、もう俺は、火が付いているんだよ!とムタが苛立つと、後は直接、イルマに話して下さい…とゼットは答え、電話を切る。

ゼットの前で踊っていた同じ星人の女は、長い!と文句を言う。

男って、哀しい生物だな…とゼットはつぶやく。

イルマが待っていた席に戻って来たムタは、イルマさん、アメックスは使えますか?と聞く。

先ほど、あれほど強気の発言をしていたレイだったが、心の中では、ノアとの楽しい過去を思い出していた。

ババサヒブはようやく脱皮を終えていた。

その時、先ほど帰ったはずのトチヤマ隊長が戻って来たので、どうなさいました?とハトヤがいぶかしがると、座って…とマンモ隊員が隊長に声をかけたので、えっ?とハトヤは戸惑う。

どんな感じ?とトチヤマが聞くと、分かってもらえたみたい…とマンモが答え、実はそう言うことなんだよ…、黙っててすまん!とトチヤマは、気まずそうにハトヤに伝える。

私たち結婚します!とマンモがハトヤに教え、娘たちにも会ってもらえたんだとトチヤマがハトヤに言うと、私、良いお母さんになる自信あるわとマンモはトチヤマに笑いかける。

ハトヤ隊員がキャプテンソックスだったんだとトチヤマがマンモ隊員に教えると、そうだったの!と始めて聞いたかのようにマンモは驚くが、寂しくなるわね…と続けただけだった。

ハトヤはそんなマンモの反応が意外だったのか、まだ決めた訳ではないんだ、君が望むなら、残っていても別に良いんだけどな〜、マンモ隊員!どうか、俺と!などと未練がましいことを言い出す。

それを聞いていたトチヤマは、オレ、身を引こうか?などと口を挟むが、良いの…、隊長、行きましょうとマンモはトチヤマに話しかけ、トチヤマも、そうだな…と言いながら席を立つと、何かすまんな…とハトヤに言い残し、マンモと2人で店を出て行く。

後に残ったハトヤ隊員は呆然としていた。

ノアに、ちょっと宜しいですか?と呼びかけて来たハシモトは、空いたテーブル席に連れて来ると、スペース国土交通省のハシモトと申しますと自己紹介する。

そんなハシモトの周囲には、アニメの小鳥と子犬がじゃれ付いており、ハシモトとノアの間には、赤い風船を持ったピエロが座る。

あなたに相談したいことがあるんですが、実は、この店に入ってから、不思議なことが立て続けに起こりました。

小鳥が飛び回っているんです。足下には子犬が私には見えるんです!

でも、私には彼らに見覚えがあるんです!小鳥のチッチ、子犬のサンディ!子供の頃、良く観ていたアニメです!とハシモトは言う。

一人っ子だったものですから…、そして道化師!

彼を見つけた瞬間思い出しました!子供の頃、遊園地で迷子になったことがあるんですが、彼が母の所に連れて行ってくれたんです。

私は狂っているんでしょうか?とハシモトはノアに聞く。

それは多分こう言うことではないでしょうか?と突然声をかけて来たのはババサヒブだった。

あなた、ここに何しに来たんですか?とハシモトに問いかけたババサヒブは、街道が近々閉鎖されると言う噂がありますが、もしあなたがそれに関わっておられる方だとしたら、街道自身があなたの記憶の中から楽しい気持ちを抽出し、気持ち良くアースへ帰ってもらおうとする接待なんです。ギャラクシー街道自体が一つの生命体として意志を持ってしまったんだと解説する。

そう言うことで宜しいですか?と言いながらノアが立上がろうとしたので、見えてるの?とハシモトがアニメやピエロのことを問いかけると、ええ、ずっと…、不思議なことには慣れてますから…とノアは平然と答える。

その間、ババサヒブが床に脱皮した皮の後始末を頼まれたハナは、ババサヒブの顔までそっくり抜け落ちていたので、ギャアアッと悲鳴を上げ放電をする。

又店内が停電したので、ノエちゃん!とレイが声をかけるが、すぐ復旧しますから…とノエは答える。

いつものように発電室へ向かったノアを見送りながら、ノア君、相変わらずマイペースね…、トンチンカンな所、昔と同じ…、でも偉いわ、夢を実現させたんだものね…、前から言ってたものね、ハンバーガーに囲まれて暮らしたいって…とレイが言うと、色々大変なんですよ、街道閉鎖されるって噂があるし…とノエが言うと、人、いないしね…とレイも納得する。

彼、リバウンドし易い体質なんで、気を付けてあげてね…とレイが言うと、ノア君とどのくらい付き合ってましたの?3年でしたよね?私たち、結婚して5年ですの!こう言うのって長さですとノエは言い返す。

発電室でスイッチを入れ直したノアは、部屋の中で踞って苦しんでいるメンデスを発見し驚く。

ハナは、ババサヒブの脱皮した皮を、床の一部を開き、その中に落とす。

いくらなら払えるの?とイルマはムタに問いかけていた。

Aコースで良いんだけど…と言いながら、何枚かムタが金を差し出すが、足りないんですけど…とイルマがバカにすると、観ることも出来ないのか!とムタはがっくりする。

そんなムタの様子を観ていたイルマは、しょうがないわ…、今日は特別…、あんた良い人みたいだから…、どれが良い?と聞く。

ムタは迷わず、Cコース!と答える。

了解!と答えたイルマは、それじゃ、やりましょうか?心の準備できてる?と言いながら、バッグの中からコンドームのようなものを取り出す。

あんた、地球人でしょう?どんな病気持ってるか分からないでしょう?と言いながら、イルマは、そのコンドームのようなものを自分の人差し指にはめる。

集中!と言うと、ムタにも人差し指を突き出させ、自分の人差し指の先端を接触させるイルマ

それはあねと言ってコンドームを外したイルマを観たムタは、あっけにとられ、終わりですか?と聞く。

これが私たちのやり方、あんただって気持ち良かったでしょう?不思議な達成感あったでしょう?他に何を望むんです?奥さん、大切にしてあげなさいね、じゃあね〜と言いながら立上がったイルマは、80箱のナゲットの箱を手みやげに店を後にする。

そこに、しっかりして下さい!歩けますか?と励ましながら、ノアが、苦しんでいるメンデスを抱えて来る。

ちょっと待った!私は医者です!と名乗り出て、床に横たわったメンデスに近づいて来たのはムタだった。

メンデスさん!どこにいたの?とノエが驚くと、配電室にいた。一体誰なんだ?言えないのか?とノアは苛立たしそうにノエに聞く。

後で話す…とノエは口ごもる。

この人はどこの星の人ですか?と様子を観ていたババサヒブが聞き、ヤンゲルス人だとすると両性具有で、妊ると30分くらいで生まれると言う。

それを聞いたノエは悩みだす。

床で苦しんでいるメンデスは、奥さん!これは僕と奥さんの子供です!などと言うので、介抱していたノアは、どういうことなんだよ?お前受精したのか?とノエに聞く。

ノエは訳が分からず立ち尽くしているだけだったが、その時、ババサヒブが説明しようと言い出し、ヤンゲルス人は額と額をくっつけて子供を作ると言うので、それは別れの挨拶だと…とノエは絶句する。

僕のおでことおでこが…などとメンデスが言うので、お前って奴は!とノアは怒りだす。

アンデルス人は想像豊かで、これは想像妊娠の発展系なのかもしれない!そうでもしないと子孫が発展しないんだと解説するババサヒブ

お前、あの人と一緒になるのか!あれはお前の子なんだぞ!とノエに詰め寄るノアは、ムタに、先生、無事に生まれるのか?と聞くと、私は歯医者だとムタは言うではないか。

メンデスの股間を覗き込んでいたババサヒブは、何か出て来るぞ!と叫び、奥さんも手を握って下さい!とムタはノエに呼びかける。

そんな騒動の中、奥さん、信じてあげないの?とノアを睨みつけるハナ

宇宙に出て来る時の楽しさ、忘れたの?私たちの常識はここでは通用しないのよ…と言い聞かすハナ

その時、メンデスの股間から、ソフトボール大の球形の卵が生まれて来る。

しかし、まだ苦しみ続けるメンデスの様子を観たムタは、水分が足りないんだ!と叫ぶ。

ハナに説教されたノアは思いあぐねていた。

殺してくれ!と陣痛の辛さに耐えかねたメンデスが絶叫する。

その時、昆布ありませんか?と突然ムタが言い出したので、昆布なんて家にはない!と切れるノア

おい、あんたの出産だよ?とババサヒブは責めるように言い、楽しい思い出さえあれば、ここでは実体化できるはずだと言い出す。

しかし、昆布の楽しい思い出?そんなものはない!君らには楽しい昆布の思い出があるのか!とノアは聞き返す。

その時、私はある!子供の頃、海で溺れたの!その時、昆布が助けてくれたの!お母さんがおうちにいるよって教えてくれたの!とレイが言いだしたので、良いから、集中して思い出すんだ!力むんだ!とババサヒブは指示する。

すると、レイの周囲に、昆布がニョキニョキと生えて来る。

その昆布を見た医者は、敷いてくれと頼む。

メンデスの腰の下の昆布を敷くと、アニメの子犬のサンディがオシッコを引っ掛けて来る。

出た!1個!2個!3個!と次々と卵が出て来て、とうとう8個の卵が出て来る。

あんたの卵だと渡されたノエが全部持たされるが、1個が滑り落ち床に転がって行く。

その時、ハナが無表情に床の一部を開けたので、卵は宇宙空間に落ちて行ってしまう。

あっちだ!とノアが窓の外を指差すと、卵は宇宙空間を飛び去って行っていた。

それを観かねたレイが、こんな時にキャプテンソックスがいてくれたら!と叫ぶ声が、店の隅のテーブルで落ち込んでいたハトヤ隊員の耳に届く。

ハトヤは、解いての中に駆け込むと、等身大の金髪リーゼントのキャプテンソックスに変身し出て来る。

ヘアッ!と言いながらずり落ちかけた片方のソックスを引っ張りあげながらキャプテンソックスは、裏手の扉へと向かう。

宇宙空間で巨大化したキャプテンソックスは、飛び去って行く卵に追いつこうとするが、サンサンバーガーの店の中で見守るレイたちの応援も空しく、卵が小さ過ぎるのと潰れそうなのとでなかなか巧く捕まえられず、結局、無理だと両手をクロスさせ、そのままがっくりしたように飛び去って行ってしまう。

店内からその様子を見守っていた客たちはがっかりするが、宇宙服の用意だ!俺が行く!お前の卵は俺の卵だ!と言い出したのはノアだった。

それを聞いたノエは、あんた、頑張って!と応援する。

宇宙服を着たノアは、窓の外の宇宙空間に出ると、まずは、窓の付着していた宇宙生物の唾を取ろうとしだしたので、見ていた客たちは呆れる。

やがて、スプレー缶を二本噴射させ、ノアは背中の方に向かって飛び出す。

卵に近づいたノアは、手を伸ばして掴もうとするが、ゴムボールのように柔らかいのとぬるぬるするのとで、なかなか掴めない。

さらに、命綱が限界まで伸びてしまい、ノアの身体が引き戻されそうになる。

そんな中、何とか卵を掴んだノアは、宇宙空間でガッツポーズをしたので、窓から見守っていた客たちは全員大喜びをする。

ノアも、満足そうに微笑んでいた。

その後、店に戻って来たゼットは別の地球人(佐藤浩市)にSES(スーパー・エロティカル・ストレート)の説明をしていた。

ハシモトは、それまで書いていたパソコンデータを全て消去してしまい、これで良いんだろ?と問いかけると、アニメの小鳥と子犬は喜びだす。

あんたはずっといるの?とハシモトハ目の前にいるピエロに聞くと頷くので、私があなたを養って行くのか…とハシモトは憮然とする。

よろしくお願いしますとピエロは頭を下げる。

メンデスは、8人のメンデスと同じ顔をしたブリーフだけ着た子供たちを引き連れて帰る所だった。

あなたの星の人は、みんなその顔なんですね…とノアは驚いたように聞く。

階段で行くよとメンデスが歩き出すと、同じ顔をした子供たちは一斉に、え〜!と嫌がるような声を出す。

そう言えば聞いてなかったな…、あれは誰だ?あの人とどこで知り合ったんだ?とノアがノエに聞くと、リフォーム会社の人…、あなたには黙っていたんだけど、このお店、リフォームしない?ここに川が流れていて、カウンターの所には噴水があって、天井の所にはガラスを付けて…などとノエが言うので、いくらかかると思ってるんだ!とノアは呆れる。

そんなの、お客さんがたくさん来れば良いだけよとノエがあっけらかんと言うので、無理言うなよ…とノアは答えるが、とにかく何か始めないと…、アースに帰るなんて言わないで、宇宙でダメだった人が、どこへ行ったって巧く行くはずないのよ!とノエはハナの受け売りを言い、ノアに抱きつく。

そんなノエの首にかかっていたものに気づいたノアが、それは?と聞くと、サンバホイッスル!ここにステージ作って私が踊るの!と言いながら、ノエはちょっと踊りの真似をする。

お客さん、喜んでくれるかななって…、まだ、始めて半年だから…と、ノエは自分の踊りを弁解するように言う。

宇宙でダメだった奴が、どこへ行っても巧く行くはずがない…か…とつぶやいたノアは、もうちょっと2人で頑張ってみよう…とノエに語りかける。

でもな…、本社に、帰国申請の手が見送っちゃったしな…と公開するノア

その頃、地球上の雲の上でタイヤが埋れ、動けなくなっていた郵便局の車から降りて来た配達人が、車の後部ハッチを開けてみようとした時、風にあおられ、中に積んであった無数の手紙が宇宙に向けて飛び去ってしまう。

その中の一枚、ノアが地球の本社宛に送った、あの帰国申請が「サンサンバーガー」の窓にぴたりと貼り付いたので、それに気づいたノアは、噓だろ!と叫び驚く。

その頃、堂本博士を呼びだしていたハナは、私、この仕事向いてないと思うんですけど…、もっと頭使う仕事の方が向いていると思うのよね〜、後は結婚!などと相談したので、抱きしめたい!お前を出したい!だけど、私は頭から下はない!と堂本博士が叫びだす。

ノエは、いつものように美味しそうにハンバーガーを食べ始め、それを観た美声のズズは、嬉しそうに店内で歌いだすのだった。

色んな宇宙人の男女の顔と共にエンドロール

ニンプス人、ギガス人、パンララ人、カプト人、オキュラス人、ガスター人、サンダー人、クローロンス人(ズズ)、アンヌス人、パクヌ人、インテゲル人、ドロル人、ゲンマ人、ルヤン人、カニス人、ウンプラ人、ゲヌス人(ゼット)、オクルス人、最後、ドンナー人メスと表記されたハナは、怒ったように放電する。


 

 

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