どう見ても、SF版「駅馬車」である。 環境破壊への警鐘のようなテーマ性が盛り込まれていることも分かるが、はっきり言って、その辺はどうでも良いような気がする。 そのテーマ性で評価するような作品ではないと思えるからだ。 とにかく全編、追っかけ追っかけの連続、クラッシュする車の迫力、巻き込まれる人間、登場する車やキャラクターたちの奇抜さ、そう言うものを楽しむ映画だからだ。 理屈無用、徹頭徹尾アクションを堪能する映画なのだ。 前半は、か弱い女性たちを守るため戦うと言う昔ながらの雰囲気があるものの、後半になると、老婆たちも加わり女性たちも戦い始め、戦う女性を魅せる展開になっている。 そうした中、マックスは主人公と言うより、狂言廻しに近い立場のようにさえ見える。 絶望の中でも、とにかく最後まで生き続けろ!と言うパワフルなメッセージが後に残る。 正に圧倒される映画だと思う。 |
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
2015年、アメリカ、ブレンダン・マッカーシー +ニック・ラソウリス脚本、ジョージ・ミラー脚本+監督作品。 俺の名はマックス… ここは火と血の世界… 石油も水も枯れて、人間共は水の奪い合いに明け暮れている… 俺は昔警官だった… 人間の寿命は半分になった… 狂気に取り憑かれていたのは俺の世界だ… 砂漠の丘の部分で立ち小便をしているマックス・ロカタンスキー(トム・ハーディ) 又、過去の幻影が俺の脳裏を駆け回っている… 足下を通りすぎようとした蜥蜴を靴で踏みつぶし、口に入れて食べ始めるマックス 奴らは俺を支配できない… 側に停めてあった車に乗り込んだマックスは出発する。 そのマックスの車を追いかけて来る複数の車 その追跡車から発射して来た爆弾が車の前で爆発、横転するマックスの車 俺は生者からも死者からも追いかけられている… ハイエナ共め…! 俺に残されている本能が叫んでいる…、生きろと! 賊に捕らえられたマックスは、前身を白く塗った賊のねぐらに連れて行かれ、伸び放題だった髪を切られる。 O型ハイオク血型と分析され、烙印を押されかけた時、マックスは全力で抵抗し、その場を逃げ出そうとする。 洞窟上のねぐらの中を逃亡していたマックスは、自分の車が改造されている場所に遭遇する。 そんな中、マックスなの?助けて!どこにいるの?と言う子供の幻聴を聞く。 地上が見える空気孔の鉄柵に飛び付くが、白い連中が追って来たので、水溜まりに落ちる。 それでも何とかその場を逃げ出し、洞窟の端の絶壁部分まで来たマックスは、背後から白い男たちが迫って来て、退路を断たれたので万事休すになるが、目の前にクレーンのフックが近づいて来たので、そのフックに飛び移り、追って来た白い男を蹴落としたりする。 しかし、フックはその位置を移動せず、結局、マックスは白い男たちに捕まってしまう。 タイトル 首筋に、ハンドルに髑髏を組み合わせたような烙印を押された坊主頭で、左手が義手の女インペラトル・フュリオサ(シャーリーズ・セロン)が、ねぐら内に置いてあったハンドルの一つを取ると外に停めてあったウォータンクに向かう。 ウォーターボーイ!死を恐れるな! これからガスタウンに向かう!水もたっぷりだ! 白い男たちが歓声を上げる。 ウォータンクの運転台に乗り込んだフュリオサは、ねぐらから持って来た、髑髏のマークが付いたハンドルを運転台に差し込む。 ねぐらの中では、白髪のイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)が、透明なガラス製の鎧とマスクを装着していた。 絶壁の洞窟から姿を現したイモータン・ジョーの姿を見た地上に集まった群衆は、イモータン・ジョー!イモータン・ジョーを讃えよ!と歓声を上げる。 ウォータンクでガスタウンからガスを奪え!我こそは救世主!とイモータン・ジョーは叫ぶ。 下に集まった群衆たちは、来るぞ!と囁きあう。 やがて、巨大な排水溝のような部分から、滝のように大量の水が落下して来たので、群衆はその水を汲もうと水の下に押し寄せて来る。 良く聞け!水に心を奪われるな!生ける屍になるぞ!と、水に群がる民衆に、イモータン・ジョーは呼びかける。 そんな中、フュリオサはウォータンクを出発させる。 護衛をする白い男たちの車もその後に続く。 マックスは猿ぐつわをされ、空中に吊るされた檻の中に入れられていた。 ガス欠の奴がいる!ガスを入れてやれ!ハイオク野郎だ!と、その下にいた白い男たちが囃し立てている。 そんな中、ガスタウンに向かっていたウォータンクがいきなり方向を変えたので、警護の白い男が運転台の横にやって来て進路変更ですか?と運転していたフュリオサに聞く。 フュリオサは東に向かうと答えたので、弾薬畑ですか?と護衛の白い男ウォーターボーイが不思議そうに聞き返す。 ねぐらで、ミルク絞り用女の母乳を飲んでいたイモータン・ジョーの息子リクトュス・エレクトス(ネイサン・ジョーンズ)が、パパ、あれで良いの?行き先を変えたよ…と望遠鏡を見ながら聞くので、イモータン・ジョーも、望遠鏡を覗き込み、ウォータンクが方向を大きく変えたことを知り、あっちは敵地だ…とつぶやく。 ジョーは、その後、大金庫を開け、その奥にあった部屋に入ると、そこが無人なのを知り、スプレンディッドはいないのか!と叫ぶ。 奥の部屋に残っていた老婆は、ジョーの方へ銃を向けながら、悪い血は継がせない…と睨んで来る。 どこへ行った?とジョーは老婆に問いかける。 その直後、囲っていた子産み女たちが全員いなくなったことを知ったイモータン・ジョーは、ウォータンクで逃げ出したことを察知し、直ちに追跡を命じる。 運転担当の白い男ウォーターボーイのたちは、次々にハンドルが飾ってある場所から自分専用のハンドルを取って車の元とへと向かう。 そんな中、槍手の役目のウォーターボーイ、ニュークス(ニコラス・ホルト)が自分に運転させてくれ!とハンドルを持って行きかけていた1人に食い下がる。 お前はもう寿命なんだ…と運転手は言い聞かすが、輸血袋を連れて行く!俺が死ぬ時はデスロードで死ぬ!とニュークスが食い下がるので、仕方なく、輸血袋を車に付けろ!と運転手は命じる。 輸血袋とはマックスのことで、彼は、車の先頭部分にくくり付けられる。 火を吹くエレキ奏者コーマドーフ・ウォーリアー(イオタ)が乗った車を始め、イモータン・ジョーが乗り込んだ車も含め、ウォータンクの追跡が始まる。 尊敬するイモータン・ジョーと一緒に追跡に参加できることになったニュークスは、ハンドルを握りながら、イモータン!と興奮して叫ぶ。 追跡隊を送り出す砦から景気づけの花火が発射される。 ウォータンクを護衛していたウォーターボーイたちは、その花火に気づき不審がる。 砦の連中が追って来る!とウォーターボーイの1人が、ウォータンクを運転していたフュリオサに告げに来るが、フュリオサは気にせず突き進むが、やがて、右手の丘に敵が出現したので、戦闘態勢につけ!と護衛たちは叫ぶ。 引き返して仲間と合流するのか?とウォーターボーイが聞くと、ぶっ潰す!とフュリオサは答える。 ハリネズミのように、車の周囲を刺で固めた敵の車がウォータンクを襲って来る。 ハリネズミカーは、ウォータンクのタイヤを斬り裂き、パンクさせようとするが、フュリオサは撃ち返す。 そんな交戦しながら走り続けているウォータンクに、マックスを先頭部分にくくり付けた追手のニュークスの車も接近して来る。 ニュークスの車も接近し、ウォータンク目がけて矢を放つが、その矢は、銭湯にくくり付けられていたマックスの頭をかすめて飛んで行く。 矢は、ウォータンクを護衛していたモーゾフと言うウォ-ターボーイの左頭部から左頬を貫通する。 死んだかに思えたモーゾフは、何とか最後の気力を奮って立上がると、俺を見ろ!と叫びながら、先端に爆弾を付けた二本の槍を持ったまま、背後から迫っていたハリネズミカーの上にダイブして自爆する。 それを観た他の護衛たちは、良く死んだ!とモーゾフの勇気を褒め讃える。 マックスが先頭にくくり付けられたニュークスの車がウォータンク車に追いつき、ぴったり横に付いて並走し始める。 ニュークスとフュリオサは、互いに相手を射止めんと銃を構えあう。 そんな緊迫したチェイスの中、フュリオサは、運転席の下部に身を潜めていた子産み女が顔を出そうと知ったのに気づき、隠れてて!と警告する。 背後から接近していたショベルカーのような車が爆破で大破する。 ウォータンクを追尾していたジョーたちは、フュリオサが前方に立ちはだかる砂嵐の中に突っ込む気だと気づく。 ニュークスが、輸血袋を後へ!と同乗者に命じる。 走りながら、マックスの身体は、車の後部に移動させられるが、その途中、抵抗したマックスは同乗者と戦い始める。 フュリオサは、迫り来る砂嵐に突っ込むため、マスクと防塵マスクを付ける。 マックスは同乗者を振り落とすと、ニュークスの車の背後にしがみつく。 やがて、ウォータンクとニュークスの車を含めた追跡車は巨大な砂嵐の中に突入する。 追跡していた車の一台が砂塵に吹き上げられ、空中で爆発する。 追っていたニュークスは、そうした砂嵐の中の異常な状況を観て、最高な日だぜ!とハイテンションになる。 フュリオサは、追尾して来る車の様子を絶えずバックミラーで確認していたが、そのバックミラーを壊されてしまう。 それでえもフュリオサは、見てろ!燃え尽きるぜ!俺を見ろ!と自らに気合いを入れて走り続ける。 そのウォータンクに接近していたニュークスは、自分の口に銀色のスプレーを吹き付け、興奮状態になる。 マックスは、ニュークスが車をウォータンクにぶつける気だと気づき、背後にしがみついていた。 ニュークスは予想通りウォータンクに車を激突させ、車は大破する。 やがて、砂漠に埋もれていたマックスが這い出て来て、自分の首筋についていた輸血チューブを抜き取る。 しかし、マックスの手首には手錠がついており、その先は、破壊した車の運転席で倒れていたニュークスの手首に繋がれていた。 そのままでは動けないので、マックスは近くに落ちていた銃を取ると、ニュークスの手首を吹き飛ばして手錠を外そうとするが、銃は不発だった。 マックスは、ニュークスが履いていた自分の靴を脱がすと、運転席のドアを外し、そのドアを持ち、手錠で繋がったニュークスの身体を背負って、停まっていたウォータンクの方へ近づいてみる。 ウォータンクの背後では、隠れていた子産み女が5人、タンクから伸びたホースから出ている水を使い、身体を洗ったり、大型ペンチを使って、自分たちの腰に付けられていた拘束具を外していた。 マックスは、不発の銃を脅しのため、彼女たちと、運転席の下に降りていたフュリオサの方に向けながら近づくと、水だ!と呼びかける。 ホースを持っていた妊婦のスプレンディッドが、怖々マックスの方へ近づきホースを渡す。 マックスは受け取ったホースから出ていた水を浴びるように飲むが、その水の飛沫は、側に置いていたニュークスの顔にもかかる。 その時、マックスたちの方を見ていた女たちが、あれは蜃気楼?とつぶやく。 それは砂嵐を通過し、なおも接近して来る追手の車だった。 フュリオサたちから大型ペンチも借り、ニュークスの手首と繋がっていた手錠の鎖を切ろうとしていたマックスに、突然、フュリオサが飛びかかって来る。 フュリオサはマックスが持っていた銃を奪い取り引き金を引くが、それは不発だった。 マックスは、大型ペンチで襲いかかって来たフュリオサの攻撃を、持って来た車のドアを盾にして防ぐ。 そんな中、死んだと思っていたニュークスが突然目覚める。 フュリオサは、ウォータンクの側面に隠していた銃を取ろうとし、マックスと奪い合いになる。 銃の弾倉が飛び出し、それを取ったのは起き上がったニュークスだった。 フュリオサは諦めたように、自分は緑の地へ向かっているのだと打ち明ける。 その時、マックスは、ウォータンクの運転席に乗り込むと、1人で動かし逃げ出そうとする。 戻っても痛みが残るだけ…、みんな!荷物持って走って!と左手の義手が外れたフュリオサは、他の女たちに声をかける。 そんなフュリオサらが追って来る中、マックスが運転していたタンクローチーは停まる。 その運転席に近づいたフュリオサは、キル・スイッチよ、私がセットした。この車は私にしか動かせない。全員乗せて!とマックスに命じる。 マックスは、フュリオサの言葉に従いながらも、奴らを待つ…と答える。 義手を装着しながらフュリオサは、今なら5分稼げると言い、一生その顔で良いの?と、まだ猿ぐつわをはめたままのマックスに聞くと、他の女たちに乗り込むように言う。 フュリオサは、運転台の下部のキル・スイッチを慎重に解除して行くと、ウォータンクを発車させる。 助手席に座ったマックスの方は、運転席に隠してあった別の拳銃を見つけていた。 その間、外で気絶していたニュークスが気づき、走り出していたウォータンクの後部に飛び乗る。 マックスは、運転席に隠してあった大量の拳銃を次々に発見し、それをバックの中に集めていた。 マックスは、顔の猿ぐつわを何とか外そうとしながら、谷はダメだとフュリオサに警告する。 フュリオサは、運転席に乗り込んだ女たちに、後はどう?と追跡隊の様子を聞く。 棒飛び隊に火焔放射機、人食い男爵…と、望遠鏡で後部の窓から後を監視していた女が、追跡して来る車に乗っている連中の報告する。 そんな中、フュリオサは、何かが引っかかっている、燃料車かも知れないと言うので、マックスが、俺が行くと言い、助手席から後部へと向かう。 マックスが助手席から出て行くと、フュリオサは、ギアに仕込んだナイフをマックスが見落としたことを確認する。 ウォータンクのスピードの妨害になっていたのは、確かに、最後尾に付けていた燃料車のタイヤが廻っていないためだった。 燃料車との結合部までやって来たマックスは、タイヤのブレーキになっていた部分を解除し、燃料車のタイヤは正常に廻り始める。 タンク部分の上を戻って来る途中、ようやくマックスは、猿ぐつわを外すことに成功する。 その時、運転席の床からニュークスが這い出て来たので、フュリオサは驚くが、女たちが協力してニュークスを捕まえる。 助手席の外から戻って来たマックスもそれに気づき、又、お客だ…と呆れたようにつぶやく。 運転席に入り込んだニュークスは、イモータン・ジョーを崇拝する言葉を酔ったように叫ぶので、あんな奴人殺しよ!と怒った女たちがニュークスを車の外に突き落とす。 やがて、フュリオサが運転するウォータンクは、谷の部分に近づいたので、子産み女たちは、又、運転席の下部に身を隠す。 フュリオサは、助手席に戻ったマックスに協力を頼み、名前を聞くが、好きにしろ!とマックスが言うので、バカやろう!と呼んだら飛び出せと命じたフュリオサは、キル・スイッチの解除の仕方を教える。 マックスはそれを暗記すると、自分も床下に隠れる。 フュリオサは、黒いメークを目の回りに施すと、ウォータンクを停め、両手を上げて外に出ると、約束通りガソリン12000リットル持って来たわ!タンクを外すから、道を塞いでよ!と谷に向かって大声で叫ぶ。 谷の上で待ち受けていたバイク軍団は、追手は数台と言ってたな?大軍団じゃねえか!と文句を言って来る。 そんな中、運転席の下に踞っていた妊婦のスプレンディッドが急に産気づいたのか苦しみだす。 フュリオサは、タンクの方へ移動しながら「バカやろう!」と叫ぶ。 マックスはすぐに運転席に登り、ウォータンクを発車させる。 フュリオサも、一緒に走り始め、タンク部分に飛びつく。 そこへバイク軍団が降りて来る。 谷の入口付近が爆破され、追って来ていたイモータン・ジョーたちの車は進路を断たれるが、巨大なタイヤのモンスターカーになっているジョーの車が先に行って崖を崩すと言い出す。 すると、こいつがあの車に乗ったと言っていますと白い男たちがジョーに紹介したのが、途中で拾い上げたニュークスだった。 ニュークスは、ウォータンクから突き落とされたとき、女の衣装の切れ端を握りしめていたので、それを差し出してジョーに示す。 ジョーはニュークスも乗せて行くことにする。 崩れた岩山の斜面を昇り、ジョーのモンスターカーが向こう側に向かうと、残っていた長老たちは、痴話げんかでこの騒ぎか?赤ん坊のせいか?などとぼやき始める。 バイク軍団は、ウォータンクを追いながら爆弾を投げて来る。 その爆薬がウォータンクのエンジン部分で爆発炎上する。 炎で視界が塞がれたため、マックスは、車の前面についていたショベル部分を下に降ろし、砂漠の砂を雪かきのようにかくことで、エンジン部分の火を消し止める。 フュリオサは助手席から追って来るバイク軍団に発砲し、マックスも撃ちまくるが、バイク軍団も執拗に撃って来る。 ジョーたちの車も追撃して来る。 ジョーは、女がいる!撃つな!と仲間たちに呼びかける。 ウォータンクの運転席に近づいたジョーは、スプレンディッドを出せ!良いか、そいつは俺の女だ!と呼びかける。 その時、同乗していたニュークスが、俺なら運転席に乗り込んでみせますと運転中のジョーに提案したので、お前の魂は俺が英雄の館に運んでやると言いながら、ジョーは銃を手渡してやる。 ニュークスは感激し、ウォータンクの上に飛び移るが、移動しようとして足を踏み外し、落ちかけてしまう。 それを観たジョーは、間抜けめ!と吐き捨てる。 助手席のマックスの左腕に、チェーン付きの槍が突き刺さったので、運転していたフュリオサが何とか外そうとするが、前方に岩が迫って来たので、ハンドルを切ろうとした瞬間、スプレンディッドが車から振り落とされる。 そのスプレンディッドを避けようとしたジョーの車も横転する。 他の子産み女たちは、停めて!と叫ぶが、助手席のマックスは、轢かれた!と断定し、先に進ませる。 横転した車から降りたジョーは、死んだスプレンディッドの身体を抱き、行け!と他の仲間たちに命じる。 ウォータンクは一旦停まり、背後の様子を女たちが降りて見ていたが、その時、子産み女の1人トースト(ゾーイ・クラヴィッツ)がスプレンディッドよ!と言いながら追跡車の方へ逃げだそうとする。 フュリオサは接近していたバイクを撃つ。 赤毛の女カパーブル(ライリー・キーオ)は、ウォータンクの背後に様子を観に行った帰り、床下に隠れていたニュークスを発見する。 ここで何してるの?と聞くと、ジョーに選ばれたんだが、俺のヘマで女が…と悔むので、カバーブルは、止めて!と慰める。 門は三度開いたんだ。英雄の館に行くための…と直もニュークスが悔んでいるので、それが天命じゃなかったのよとカバーブルは言い聞かす。 しかし、ニュークスは、俺はもうすぐ死ぬ…と悲観的になったままだった。 その夜、ウォータンクは、沼地にタイヤを取られ動けなくなる。 マックスは、ウォータンクの背後に地雷を埋めて行く。 追跡車はその地雷に引っかかり、ぶっ飛ぶ。 追跡車も沼地に来ると、タイヤを取られ進めなくなる。 スプレンディッドの容態を見ていた男が、ボス、この女はもうダメだとジョーに伝えると、子供は?とジョーが聞くので、聴診器をスプレンディッドの腹に当て、何も聞えねえと答える。 するとジョーは、取り出せ!と命じ、俺が仕留めるのはフュリオサだ!と怒りを込め叫ぶ。 医者役の男が、死んだ赤ん坊を取り出し、完璧な男の子だったと知らせると、リクトュスは、弟が死んだ!赤ん坊の弟だった!完璧だった!と周囲に叫ぶ。 その後、ウォータンクに迫ったフュリオサの夫が撃って来る。 ニュークスもカパーブルと共に働くようになっていた。 そんな中、子産み女の1人が、あの光は何?と叫ぶ。 謎の光が後方から急接近していたのだ。 その光を撃っていたフュリオサは、何発か外し、もう残弾が1発しか残ってないと言う。 迫って来ていた光は、キャタピラを装着した改造車に乗せられた巨大なライトだったが、最後の一発で何とか破壊する。 その間、マックスは、ウォータンクから引っ張りだした牽引ロープを、前方にあった枯れ木に結びつけていた。 フュリオサもウォータンクを押し、牽引ロープの効果で、何とかウォータンクは動き始める。 車を操縦していたニュークスは、マジで興奮したぜ!と喜ぶ。 もう少し先で停めろとニュークスに言い残し、マックスはガソリンが入った缶を持って背後へ向かう。 何する気?と女が聞くと、目には目を…とフュリオサが教える。 ニュークスが少しウォータンクを動かし停めると、フュリオサが車に水を注入する。 その時、フュリオサは、背後の方で大爆発が起きたのを目撃する。 やがて、マックスが戻って来て、自分の靴と共に持って来たハンドルをニュークスに渡す。 身体中汚れていたマックスが、タンクの横にあった桶に入った液体を見て、これは何だ?と聞くと、フュリオサが母乳よと答えたので、その母乳で顔を洗い始めるマックス。 ウォータンクは、長い竹馬のようなものを使った四つん這いの男のようなものを見ながら、沼地を通過して行く。 助手席で眠っていたマックスが悪夢でも見たのか急に目を覚ましたので、運転していたフュリオサは、安心して寝て…と声をかける。 なぜ、緑の地へ?とマックスが聞くと、そこで生まれた…とフュリオサは答える。 子供の頃、盗賊に連れ去られた…、それ以来、何度も逃亡を企てたわ…、彼女たちは野望に賭けたとフュリオサは、子産み女たちのことも教える。 あんたは?とマックスが聞くと、過去を清算する!とフュリオサは答える。 眠っているカパーブルの横で目覚めたニュークスは、彼女の身体を張っていた虫を捕まえると、それを食べてしまう。 そんな中、トーストが、あれは?と前方に見えて来た鉄塔のようなものを指差す。 フュリオサは、見覚えがあると言うが、マックスは、罠だ!と警告する。 鉄塔の上には、裸の女が乗っており、助けを求めていた。 ウォータンクを停め、降り立ったフュリオサは、自分はここで生まれたと言いながら、子供時代の本名と親の名前を名乗る。 鉄塔の上にいた裸の女は下に降りると、服を纏う。 やがて、周囲からバイクに乗った老婆たちが近づいて来たので、私よ!とフュリオサが言うと、老婆たちは近づいて来て、目がそっくり!シャバサの娘だわ!と驚く。 ここを連れ去られて何日経った?と聞かれたので、7000日と答えたフュリオサは、母親は?と聞かれ、三日目に死んだ…と教える。 どこから来た?と聞かれると、西の砦…と教えたフュリオサは、男もいるな…と老婆たちがマックスやニュークスを警戒したので、助けてもらったと打ち明ける。 老婆たちは、降り立った子産み女を見ると、その若い肉体に驚く。 早く見たい、故郷の緑の地を…とフュリオサが言うと、西から来たのなら通ったはずよ、カラスがいた汚れた沼地を…、水は腐り、全ては毒された…と老婆は言う。 他の仲間は?と聞くと、私たちだけよ…と老婆が言うので、フュリオサは愕然とする。 緑の地はとうになくなっていたのだ。 義手を落としたフュリオサは、とぼとぼと砂地を歩くと、がっくり膝を落とし、絶望のあまり泣き出す。 夜、流れ星を見た老婆は、あれは人工衛星よ、昔は世界中が通信できたわ…と若い女に教えたので、今でもTV番組を送信しているの?と女は驚く。 ここは静寂しかない…と教えた老婆が、妊娠してるの?と聞くと、悪魔の子よ…と女は答える。 老婆はそんな若い女に、袋に入れた植物のためを見せ、あちこちに植えたけど、何一つ実らなかった…、昔は自給自足だったのよ…と教える。 マックスに近づいて来たフュリオサは、話があると切り出すと、みんなで相談した結果、自分たちはこの先に進む。 バイクに荷物を積み込んだ。一台はあんたの分…、来るなら歓迎するわと伝えるが、マックスは、俺は1人で行くと答え、希望は持たないことだ。心が壊れたら残るのは狂気だけだ…と忠告する。 どこなの?マックス!必ず助けるって言ってたのに…、翌朝、丘の上でバイクの横で立っていたマックスには、又、助けられなかった子供の幻影が見えていた。 マックスは、走っていたフュリオサたちのバイク舞台を追いかけ合流すると、地図を取り出し、良いか?ここが故郷だ!とその一点を指差す。 そこは、彼女たちが逃げて来た砦だった。 戻るの?イカレた?どういうこと?と女たちは口々に言いだす。 元に戻るのさ、溢れるほどの水と食物がある!水は地下にある!とマックスは言い聞かす。 しかし、戻るには二週間はかかるし、途中の谷は封鎖されていると女たちが言うので、谷でタンクを外し爆破するとマックスは計画を話す。 砦には子供と老人しかいない…とフュリオサは言い、希望はある!とニュークスも言い出す。 やり直すんだ、昔みたいに…、きついぞ、この先16日走っても塩しかない。一からやり直すんだ!とマックスが言って手を差し出すと、フュリオサもその手を握り返す。 途中で休んでいた追跡隊は、ウォータンクが戻って来たことに気づき驚く。 なぜ戻る?奴ら、砦に戻る気だ!と気づいた追跡隊は、その後を追い始める。 ウォータンクに乗り込んだ子産み女たちは、小さなオルゴールを廻してみたり、神に祈っていた。 そんなウォータンクに、追跡隊が追いついて来る。 釘を落としてパンクさせる気よ!と気づくフュリオサ その予想通り、ウォータンクの前に出た追跡隊の車から、大量の大きな釘が投下させる。 それを何とか酒て走るフュリオサ その間、マックスは、エンジン部分の排気口に、水を吹き付けていた。 エンジン一基が死んだ!と叫ぶフュリオサ バイクで並走していた老婆の一台が転倒させられ、後続の追跡隊に轢き殺される。 後から銛で突いて来る!とフュリオサに伝える老婆 追跡隊は、何本ものチェーン付き銛をウォータンクのタンクに打込んで止めようとしていた。 マックスは、ウォータックの背後に来て、そのチェーンを一本一本切断して行く。 跳ね飛び隊の車がウォータンクに接近し、長い棒の先に乗った白い男たちがウォータンクに飛び移ろうとするので、運転席に乗った老婆は撃ち返そうとするが、逆に撃たれてしまう。 傷ついた老婆は、夢中で、植物の種が入ったバッグを抱きしめる。 ウォータンクに飛び乗った白い男が、チャーンソーを廻して運転席を襲おうとすると、マックスがすかさず射殺する。 トーストが、跳ね飛び隊の男に拉致され、追跡隊の車に乗せられる。 マックスが白い男たちと戦っている中、フュリオサも脇腹を刺されて大量出血していた。 老婆も白い男たちを撃ち殺していた。 フュリオサはウォータンクを並走していた追跡車に押し付け、潰す。 マックスは、「人食い」が運転していた車に飛び乗る。 フュリオサは、ギアに仕込んであったナイフを取ろうとするが、もう右手は動かなかった。 ジョーは、マックスを撃って来るが、マックスは、太った「人食い」を盾にする。 フィリオサが刺された!とウォータンクから教えられたマックスは、死んだ「人食い」の足をアクセルの上に置いたまま、自分は車から飛び降りる。 やがて、ウォータンクは谷に接近する。 ジョの運転する車が接近して来る。 エンジンが吹っ飛ぶぞ!と警告するニュークスに、運転して!とらのムフュリオサ マックスは、火を吹くエレキ奏者コーマドーフ・ウォーリアーの車に乗り込んでいた。 背後からコーマドーフ・ウォーリアーを殴って前方に出たマックスは、前の車に飛び移る。 リクトュス、来て!と呼びかけるトースト 1人の老婆が、そのリクトュスから突き飛ばされる。 フィリオサはジョーの車に近づこうとしていた。 ニュークスがジョーの車にわざとぶつかったので、フィリオサは車から振り落とされそうになり必死にしがみつく。 その時、フィリオサの義手がタイヤに引っかかり、停まってしまう。 ジョーは死んだわ!とトーストが叫ぶ。 金髪の子産み女が死んだ老婆の種子が入ったバッグを受け継ぐ。 ニュークスは、先に行け!もうすぐ砦の門だ、俺も行くと言い、カパーブルたち女を逃がし、車は自分だけで運転する。 その車のエンジン部分に乗り込んで来たのがリクトュスで、その怪力でエンジンを引き抜いてみせる。 俺を見ろ!と叫んだニュークスは、谷の入口の所で車を横転させる。 そこに、コーマドーフ・ウォーリアーの車が激突する。 ウォータンクは老婆の1人が運転していた。 横たわったフィリオサは、おかしな音を口から発していたので、気胸になっている。血液が肺を圧迫していると老婆から教えられたマックスは、恨むなよと言いながら、フィリオサの脇腹を刺して内部出血の血を抜いてやる。 フィリオサを抱きしめたマックスに、故郷へ…と囁きかけるフィリオサ このままでは失血死してしまうわ!と老婆が言うので、子産み女たちが必死にフィリオサの名を呼んで勇気づける中、マックスは、ニュークス用に繋がっていた輸血チューブをフィリオサの腕に挿してやる。 俺はマックス…、俺の名前だ…とフィリオサに教えるマックス。 やがて、ウォータンクは砦に戻って来る。 白塗りの子供たちが何ごとかと砦から車を見下ろす。 双眼鏡でウォータンクの運転席を覗いていた赤ん坊のような男は、マックスがイモータン・ジョーの死体を車の外に蹴落とすのを見る。 群衆たちが集まって来て、運転席から姿を現したフィリオサの姿を観ると、救世主だ!と讃え始める。 巨大な排水溝から大量の水が流れ出て来る。 ウォータンクは、フィリオサや子産み女、生き残った老婆たちと共に砦の上部に牽引されて行く。 フィリオサは、群衆の中を去って行くマックスの姿を見つける。 そして互いに頷きあう。 約束の地はあるのか? それを探し求め、歴史はゆっくり進んで行く… |