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花のヒロイン 

 

 

 

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深海獣雷牙 対 溶岩獣王牙

今年1月に調布で行われた田口清隆監督主催の「全国自主怪獣映画選手権東京大会」にしん平監督自ら出品され、ダイジェスト版が披露されたしん平監督久々の自主映画作品なのだが、その時には特報や予告編のようにテロップの煽り文句が画面上にやたら目についたので、大会独自の時間制限のためにわざとそういう文字を加えた編集を急遽したのだろうと解釈していたが、今回本編を実際に見てみると、本編にまでそのテロップの乱用が使われていたので驚いた。

いろいろお話を伺うと、監督ご自身が重度の糖尿病で一時失明の危機もお有りになったとかで、そういう個人的な体調面での理由と、従来の作品のようにそれなりのプロにサポートを頼むと予算がかかってしまうため、監督自らが「アフターエフェクト」を購入し、それを独学で学びながら、後半は殆ど1人で作ったため完成に手間取り、結果4~5年もかかってしまったと言う。

その結果、作品は習い覚えた「アフターエフェクト」を使いまくった「薄っぺらな素人多重合成作品」になっているだけにとどまらず、それが延々1時間26分もの長尺で展開するという、まさに落語の「寝床(長屋の隠居が下手な義太夫を使用人たちに無理やり聞かせ迷惑させる話)」を地で行くような「自主映画」が陥りがちな完全な自己満足世界になっている。

「寝床」と違うのは、観客が物好きにも自ら志願して他人の自己満足に付き合っているという点だけだろう。

人口の多い都市部などでかろうじて通用する特殊な世界かとも感じる。

素人が1人で撮っているためにどのカットにも作ったときの苦労があり強い思い入れがあるために、編集で切れなくなって、結果ダラダラとムダに長いだけの冗漫な映画になっているのだ。

かろうじて救いがあるとすれば、噺家さんやタレントさんなどなんとなく見知った顔があちこちに登場しているし、おふざけ映画特有の軽いノリがドラマ部分にあるので、コメディとして笑えないまでも、全く知らない若者同士が不器用で無駄にシリアスな芝居を演じている学生映画よりはややマシかも知れない。

今回の上映会でおまけ的に同時上映された「駕瞑羅4 真実」には「平成ガメラ三部作」と言う完成度の高い見本があり、はっきり言えばその模倣をしていればなんとなく様になる部分があり、怪奇映画っぽい雰囲気などもそれなりに再現されていたのだが、本作はオリジナル作品ということもあり手本とすべき指標がないので、怪奇パニック映画を狙っているのか、おバカ映画やコメディ映画を狙っているのか?…と言った基調も不鮮明で、なんだか落語業界の身内だけの学芸会といった様相を呈している。

怪獣やスーパーメカもあれこれ登場している割に、1つ1つの造形の完成度に問題があるとかで、ちゃんと全体像が写っているシーンがほとんどなく、それを「アフターエフェクト」で火花や光線の合成をかぶせてごまかしまくっているので、後半は実写なのに存在感が希薄なモンタージュのような画面の羅列になってしまってる。

登場するスーパー兵器類も全部「自動操縦」設定なので人間は全く絡まず、感情移入のしようがない。

おバカ映画やコメディにするにせよ、シリアスなサスペンス劇にするにせよ、人間同士のドラマがきっちり絡み合わないと成立しにくいと思うのだが、多忙な業界の人達がカットごとにゲストとして集まっているだけでは難しく、特撮も素人芸では見どころがない。

話も全体的に盛り込み過ぎな上に、冒頭から何か意味ありげなCIAの暗躍のようなドラマもあるのに、英語のセリフに字幕がついてないこともあり、観客にはその部分の意味が伝わりにくく、単なる雰囲気だけにとどまっている。

監督に言わせると、字幕でセリフを付けてしまうと観客はそれを読むのに集中してしまい演技を見なくなるから意図的に省いたらしいのだが、メカの説明などにはムダで過剰な説明テロップを付けていたりと観客への配慮はちぐはぐで、結局「自己満足の言い訳」にしかなっていない。

登場人物は基本、怪獣と戦う防衛隊員たちばかりで、全員スーパー兵器を持っていることもあり、誰もがほとんど怪獣を怖がっていない。

むしろ戦争をお祭り感覚で楽しんでいるような猛者ばかりといった印象なので、怪獣映画と言うよりは幼児向けのテレビ特撮ヒーロー番組のノリに近く、怪獣に襲撃される被害者側の描写はどこにも出てこないし、ご都合主義やパターン化された芝居のオンパレードということもあり全体的に大味なだけでサスペンス性は希薄、結果、どうなる、どうなる?と言う期待感や観客をドラマに引き込む力がほとんどない。

戦時中、南海の水棲怪獣が戦艦大和と遭遇して戦うという「深海獣レイゴー」(2008)も上映会で見たが、そのときも、着想の面白さ以外にはこれと言った見せ場もなく、ドラマも希薄な自主映画特有のムダに長い作品だった印象があるが、新作はそのだめな部分をさらに誇張したような無残な結果に終わっている。

見る側も監督の「自己満足趣味映画」と分かっているので本気でダメ出しする意見が出にくく、監督も基本「自己満足」なので、そういう辛辣な意見をどこか聞き流してしまって来た部分が積み重なった結果、こんな「学生のおふざけ作品」みたいなレベルにまで堕してしまったのだろう。

プロ作品とは違い「自主怪獣映画」には独自のノリや楽しい部分と退屈な部分の両面があるのだが、本作はその退屈な部分のほうが目立つ残念な結果になっているような気がする。
▼▼▼▼▼ストーリーを途中まで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2018年、林家しん平監督作品。

戦時中、戦艦大和と深海獣との戦いがあった。

トラック諸島の守り神と呼ばれた深海獣とは零號!

大日本帝国海軍対深海獣

海中から飛び上がった零號はその尻尾で大和の艦橋部分を叩きつけてくる。

その後、零號は海中に没した…

その戦いから65年後…

戦後の日本はすっかり平和ボケになっていた。

深い海の底から雷とともに浅草に上陸した深海獣の名は雷牙!

それを迎え撃つ台東防衛隊!

覚醒した悪魔は再び海へ…(過去作品映像にテロップ文字が重なる)

タイトル

雷牙出現から8年…

熱海…

台東防衛隊からこの地に左遷されていた左目にアイパッチをした、一見ニコラス・J・フューリー風の鬼頭は、熱海防衛隊本部前にいた新任の中川と宮崎という部下の2人に、何が起こるか分からんから緊張感を持って行動せよ!と檄を飛ばすが、本部に入りかけた女性隊員の中川が、なんで入り口がお手洗いなんですか?と不思議そうに聞くので、カモフラージュだよと鬼頭は得意げに答え、3人は公衆便所の中に入ってゆく。

国会ではアンベ総理が内線電話で第一秘書の半田(アゴ勇)を呼び出していた。

部屋に来た半田にアンベ首相は、例の熱海の件なんだが、大丈夫なんだね?と念を押す。

小原査察官を派遣しております、うちの派閥ではありませんが、万一失敗しても我が方に被害はありませんと半田が報告する。

アンベ首相が、熱海防衛隊には誰が行ったのかな?と隊長を聞くと、元浅草防衛隊の鬼頭という男ですと半田が教えると、鬼頭といえば、怪獣より浅草の街を破壊したと言われたあの鬼頭か!とアンベ首相は驚く。

すると半田はほくそ笑み、最近熱海の地中で異常な動きが報告されております、万一巨大生物でも出現すれば、鬼頭は又熱海の街を破壊し尽くすでしょう、そうなれば、首相の熱海再開発カジノ化に拍車がかかるというものですと笑う。

小原査察官と鬼頭とは性格的に水と油、必ず首相の思惑はうまくいくでしょうと半田は馴れ馴れしく首相と同じ長椅子の隣に腰を下ろしてささやきかける。

日本防衛隊司令部

監視地区は熱海、総理の法案を通過させるため、巨大生物が出現しても援護は無用!とCIAの2人が話し合っていた。

3人だけの熱海防衛隊本部内では、鬼頭が自分の鼻毛を切りながら、暇だな…とぼやいていた。 すると中川隊員が、今夜は花火大会がありますと言い出したので、何が花火大会だ!最近の日本の若い連中は腐っとる!と鬼頭は言い返す。

その時レーダーを監視していた宮崎隊員が、大きな熱源が動いています!と緊張しながら報告したので、これは温泉源!と中川が教え諭してやる。

その頃、車で移動中だった半田は、小原くん、熱海のカジノ化計画を成功させるために、鬼頭に好きにさせるんだと携帯で指示を与えていた。

熱海防衛隊本部内では、司令は浅草で怪獣より街を壊したんだそうですね?と中川が無邪気に聞いてきたので、怪獣と戦うと、街はむちゃくちゃになるものなんだよと鬼頭は教え諭すように答える。

すると中川は、その結果、左遷されたんですよね?とまた言いにくいことをサラリと言って来たので、俺はまた、23区のエリート地区防衛隊に戻りたいんだ…と鬼頭は本音を明かす。

その頃、新幹線が走る東海道本線脇に謎の巨大生物が出現する。

熱海防衛隊本部でも大きな揺れを感じたので、大きな地震だと思って机の下に身を隠していた中川たちだったが、まさか怪獣?かつてはゴジラやキングコング、ガッパ、最近ではガ☆パなどがこの地に出現していますからね~と思い出すと、CGなんかより作り物のほうが興奮するんだ!と鬼頭が漏らしたので、ひょっとして司令は特撮オタクですか?と中川は気づく。

その後中川隊員は1人で花火見物に出かけてゆく。 しかし、落盤事故発生の知らせを近くにいた男の携帯で知り、本部に戻ることにする。

その時、中川隊員は頭につけていたお面を落としていったことに気づかなかったが、その面を拾い上げた近くにいた男は、背後に迫った巨大な影に気づき身を凍らす。

本部内では鬼頭がのんきにTVモニターで花火大会を見ていたが、今、怪獣が現れました!熱海駅で新幹線が脱線しました!と言いながら中川が戻ってきたので緊張する。

モニターで出現した怪獣を見た鬼頭は、浅草の雷牙じゃないな…、あいつの顔は絶対に忘れない、これは別のタイプの怪獣だと指摘する。

その頃、東京のまちなかにいたCIAの外国品2人は、熱海に怪獣が出現したとの知らせを受け善後策を話し合っていた。

怪獣はどこへ行った?と町中に出た鬼頭が聞くと、地中に潜りました!と中川隊員が答える。

底に馴染みの男も駆けつけてきてサンビームに怪獣が現れましたというので、地中に潜って海に出たのか…と鬼頭が推理するが、地中に潜ったのは四足歩行、海に現れたのは二足歩行怪獣なので別物でしょう、さらに骨の怪獣も出ましたと馴染みの男が教えたので、一旦本部に戻って体制を整えることにする。

その時、中川隊員の腕時計型通信機に青い奴の側に黒い奴が出現との新たな情報が入る。

それを知った鬼頭司令は、二頭揃えて倒してやると息巻くと、中川隊員には警察へ連絡をして、住民避難をさせるように指示する。

本部にいた宮崎隊員は髑髏型の電話が鳴ったので出ると、相手はCIAの人間で英語で話してきたので、アーユーCCB?アイライクコーヒー…などと頓珍漢な受け答えをする。

その会話を横で聞いていた鬼頭は、相手が英語で離していてちんぷんかんぷんですと言いながら宮崎が助けを乞うてきたので、こんな状況でコーヒーなんか飲んでられるか!とはねつける。

それで宮崎隊員も諦め、ハブア・ナイスデイ!などと明るく言って電話を切ると、意外と英語喋れるんだ、僕…と自画自賛する。

熱海防衛隊本部への連絡が無理だと悟ったCIAの2人は、急遽オスプレイに乗って自ら熱海へ向かうことにする。

熱海防衛隊本部では、市民の避難はまだ完了しないのか?と鬼頭司令が苛立っていた。

そんな本部にやって来たのは小原査察官(柳家喬太郎)だった。

怪訝そうな顔になった鬼頭に自己紹介をした小原は、君には浅草での一件があるので、国防大臣とアンベ総理が案じておられると伝える。

君は怪獣と聞くと過剰に反応すると言うが、この熱海をカジノ化するために更地にして欲しいんだ、そのためにはどんな手を使っても良いということだ、君にとっては渡りに船だろう?と小原は鬼頭に笑いかける。

しかし、その話を横で聞いていた中川隊員たちが、そんな酷い!と文句をいうと、誰が君たちに意見を言えと言ったんだ!と小原は中川たちを睨みつけてくる。

思いがけない許可をもらった鬼頭は大いに張り切り、戦艦熱海侍からミサイルの雨を降らせろ!と叫ぶ。

そんな鬼頭の豹変ぶりを見た小原査察官は、見ものだな…、戦艦熱海侍…とほくそ笑む。

浅草での借り を返させてもらうぞ!と鬼頭司令は息巻く。

その時、新井戦車隊長がやって来たので、それに気づいた鬼頭は、新井先輩!と喜ぶ。

新井と一緒にやってきたのは吉田で、お久しぶりですと挨拶してきたので、君には謝罪の言葉もない…、浅草では…と鬼頭は絶句する。

(回想)戦車「神風」で怪獣雷牙に挑んだ吉田の兄は、雷牙の手のひらから発せられる電撃攻撃の前に倒れる。

(回想明け)自分を攻めてうなだれる鬼頭司令に対し、「神風」とともに戦ったことを兄は喜んでいるはずですと吉田の弟は慰める。

俺が「神風」の力を過信したばかりに…、すまん!と鬼頭はそれでも詫びる。

その頃、オスプレイで熱海上空までやって来たCIAのスパイ2人は機内から外界の様子を観察し始める。

暴れている1匹は浅草に現れた雷牙ではないかとスパイ2人は推測するが、その電撃パワーはより強くなっていると気づく。

改良された「神風」は浅草の時の威力の二倍になっているので、今度は倒せます!と吉田が鬼頭に教えると、小原参事官がもう一頭の黒い奴は?と聞いてくる。

鬼頭司令は新井と吉田たちに、小原を国防省国防参事官ですと紹介する。

その直後、熱海防衛軍戦車大隊が出動する。

モニターでその様子を見ていた中川隊員が、青いのが雷牙、黒いのが王牙、額に王の字があります!と嬉しそうに報告すると、特撮映画じゃないんだよ!と小原が言い聞かせる。

吉田とともに戦車「神風」で熱海の街に繰り出した新井は、熱海の街も狭いなと嘆きながら、商店街の店舗を壊しながら突き進む。

そんな新井に、小原さんから耳打ちされたんですが…と言いながら吉田が耳打ちすると、何!再開発計画?ふざけたことを抜かしやがって!と新井は怒り出す。

中川隊員らとともにモニターで雷牙に攻撃をかけようとする「神風」の様子を見ていた鬼頭司令は、「神風」を持ち上げて落とすとは大した力だと怪獣の力に感心する。

地上に落とされながら無傷だった「神風」の中では吉田が、砲撃するだけの戦車と思うなよと雷牙に対して睨みつけていた。

その時、新井は上空を飛んでいるオスプレイ機に気づく。 吉田はそんな新井に、砲撃に入り替えますと報告する。

しかし電撃攻撃をしかけた「神風」だったが、その電撃が雷牙に届く前に歪んでしまったので、それを見た新井は、吉田!あれには自由に空間を曲げる力があるようだと教える。

そんな「神風」に本部にいた小原は、「神風」は本来怪獣対策用ではなく、亡国に対する切り札なんですから破壊されないようにしてくださいと指示を出してくる。

マグナ改造砲とプラズマ砲、君の兄さんも叶えられなかった合体技だ!と新井は吉田に語りかける。

そんな新井に小原は、頼みますよと励ます。

そんな中、怪しい輸送トラックが熱海の街に来ると、防衛隊本部に新たな客が来訪する。

おい、久しぶりだな、鬼頭!と呼びかけてきた珍客を見た鬼頭司令は、安田じゃないか!来てくれたのか?と驚く。

貴様のピンチにはいつも俺がいただろう?と安田が答えると、これはトップシークレットだ、どうやって知ったんだ?と鬼頭は呆れたように聞くと、地底からの攻撃をやらせてくれないかと安田は言い出す。

鬼頭はそんな安田の隣に立っていた、不気味なマスクの男のことも聞く。

その異様な姿に中川隊員らもビビっているのに気づいた安田は、そのお面を取って安心させてやれと同行の大男に命じると、その場でマスクを取った男は、特別訓練生の西川です!と優しい眼差しで挨拶してきたので、広報担当の宮崎です!とそれまで口数が少なかった宮崎隊員も思わず挨拶を返す。

安田、頼むぞ!と鬼頭が声を掛けると安田は西川とともにでかけてゆく。

ドリル戦車に乗り込んだ安田に小原が密かに連絡してきて、2000度の高温にも耐えるその兵器のことは最高機密なので黙ってろと指示してくる。

しかし安田は、査察官と言うと事務方の偉いさんでしょう?余計なことを言うとてめえの腹にドリルを叩き込むぞ!と電話に言い返すと、行くぞ!と西川に声を掛ける。

そんな様子を上空を飛んでいたオスプレイからCIAのスパイ2人が監視続けていた。

削岩レーザーで岩を砕き、地底にドリルで進行し始めた特殊地底戦車「こくめい」の中では、西川が安田に、サーチ終了後削岩レーザーで攻撃しますと報告する。

その直後、西川!奴も俺たちも見つけたらしいぞ!と安田は緊張する。

地底にいた王牙がドリル戦車「こくめい」に向かってきたのだ。

削岩レーザー発射! その頃、日本防衛隊本部内では、熱海を見捨てると言う作戦を聞き、会議参加者(フィギュア)たちがおののいていた。

削岩レーザーが命中した王牙はひるんで後退したように見えたが、ミサイル攻撃を加えようにも邪魔な岩が多く次の攻撃に移れなかった。

モニターでその様子を監視していた本部の中川隊員は、王牙反転!「こくめい」地上に出ます!と報告する。

半田に熱海の状況を電話で報告していた小原に対し、半田秘書は、日本に切り札が破れたら、君1人の責任ではすまんぞ!と叱責する。

奴らは猿なんですよと小原が鬼頭たちを馬鹿にすると、何!総理と私が猿と言うのか!君にはがっかりしたよ、これが済んだら、霞が関に君の席はないと思い給え!と半田は聞き違え激高しだす。

これを聞いた小原は、すべての責任をおっかぶせるんだから…と落胆し、本部を去ってゆく。

これに気づいた鬼頭司令は、嫌味な参事官は左遷させたぞ!と喜ぶ。

そんな鬼頭司令に、再開発計画が挫折しそうです、日本の秘密兵器が怪獣に通用しない事がわかり、23区防衛隊も困っているそうです、宮崎さんも辞めたいと言っています…と中川隊員が現状を報告する。

奴の両親が死んだんだ、察してやれ…と鬼頭司令は答えるが、その時、中川隊員の腕時計型通信機が鳴る。

中川隊員は、鬼頭司令、港防衛隊の女司令官から連絡ですと伝えたので、鬼頭は首をかしげる。

日本防衛隊司令部では、総理は野心を忘れはしない!総理の女たちも立ち上がったようだと会議で報告が上がる。(フィギュア描写)

さらに、気になることがある、2大怪獣のDNAを調べてもらいたいとの指示が出る。

港防衛隊の女司令官に合うため東京に戻ってきた鬼頭司令と中川隊員は、東京タワーの下にあるという港防衛隊本部を訪ねる。

そこは派手なイルミネーションに飾られた通路があったので、ここってクラブですか?ここが港防衛隊?と中川隊員は目を丸くする。

出迎えた女司令エミは、やっと来たわねと鬼頭に上から目線で話しかけてきたので、むっとした鬼頭司令は、全くチャラい奴だ!と吐き捨て、都会の真ん中に呼び寄せ、何の用だ?と不機嫌そうに問いかける。

そんな鬼頭の無礼な態度に、直線的なバカねと切り替えした女司令エミは、私達には実戦経験がないので、鬼頭さんにここの防衛をお任せできないかと思って…と用件を切り出す。

その時、エミ隊長、私達もやっつけましょう!と若手の女隊員たちが具申する。 港防衛隊は隊長以下、全員女性隊員ばかりだった。

そんな女性隊員に、お姉ちゃんたち威勢が良いな、怪獣がどんなに怖いか知っているのかい?とからかう。

するとエミ司令は、私が知っているのは、浅草をめちゃめちゃにしたのは鬼頭司令ということだけ…と逆に笑いかけてくる。

さらに私の彼が誰だか知らない?と挑むように聞いてきたエミ司令は、日本で一番偉いのよと自慢するので、エミ司令はアンベ首相の愛人だと知れる。

さらに、その横に立っていた副司令の彼氏はアンベ首相の第一秘書半田だというので、あのアゴか!と鬼頭は驚愕するが、頼まれれば戦うしかない!どうせ熱海は再開発でカジノになるんだ…と依頼を了承する。

そんな鬼頭司令にエミ司令は、六本木には無人戦闘メカ「オクトパス」があることを教える。

それを聞いた鬼頭司令は、「愛人とタコ?」とつぶやく。

そんな鬼頭司令は一緒に上京したはずの宮崎隊員の姿が見えないことに気づき、中川隊員に宮崎はどこに行った?と聞くが答えがないと知ると、都会に来て迷いやがったのか…と呆れる。

「ガトリングロボ」と「オクトパス」は自動操縦だとエミ司令から聞いた中川隊員は、「ガトリングロボ」は熱海にもあったけど壊されました…と、無人戦闘メカの限界を訴える。

それでもエミ司令と副隊長は、私達は日本のために死ぬ訳にはいかないのよと言い残し本部から出ていったので、大人の事情?大人って?とカマトト気味の春川隊員が不思議そうにつぶやく。

そんな女性隊員たちも、司令がいなくなると急に怖気づいたのか、うちの兵器はパソコンで一発で操作できるから、私、明日お見合いなんで…などと口々に言い訳を言い始め逃げ出そうとし始めたので、中川隊員は呆れながらも、一緒に戦いましょうと勧める。

そんな時、雷牙が上陸し、いよいよ最終決戦になったので、ミサイル全弾発射よ!とカマトトの春川隊員が叫ぶが、怪獣って強いものなのね…と怖がる。

いよいよ無人放電自動戦車「オクトパス」が出動し88万キロワットの電磁パルス放電を開始するが、雷牙には通用せず、さらに2号機が援護に来る。

電撃開始!早くやっつけちゃって!と春川隊員は興奮状態になる。

1号機最終兵器「デスハンド」!ミッションコンプリート!

しかしビルは壊れるが、肝心の雷牙は死なないので、「オクトパス」は危険!危険!と警報を出し始める。

雷牙は手のひらから雷撃攻撃をし始め、さらにそこに地底から王牙が出現し、新幹線を襲撃する。

「ガトリングロボ」起動せよ!と鬼頭司令は命じるが、無人兵器の限界を悟っているので、こうなれば俺が自分でやるしかない!と決意、防護マスクを自ら装着すると外に出る。

そこに、水臭いですよ、僕たちを置いていくなんて…と言いながら2人の防護服姿の人間が近づいてくる。

宮崎と中川隊員だった。

さらにかつての仲間鮫島とその部隊が駆けつけてくる。

鬼頭司令はそんな仲間たちに、自分がこれからやるのは成功率0の危険なミッションであり、光子プラズマ爆弾を持っている自分を2大怪獣の真ん中まで連れて行ってくれと頼む。

しかし…とその後口ごもる鬼頭司令から事情を聞いた宮崎隊員は、結果、怪獣だけではなく自分たちも死ぬと分かると流石に身をすくませる。

そんな宮崎たちに、みんなできるだけ遠くに逃げるんだ!と鬼頭司令は指示する。

鮫島は、鬼頭を援護しろ!と部下たちに命じる。

ミッションを開始しようとした隊員の1人は自分の父親が近くにいることに気づき、お父さん!と驚く。

父親(ダンカン)は、お前のことが心配だ!絶対に逃げるな!と隊員に声を掛ける。

鮫島部隊攻撃開始! 爆弾を抱えて怪獣の方へ向かい始めた鬼頭司令だったが、途中で負傷して動けなくなってしまう。

その時、同行していた宮崎隊員がその爆弾を取り上げ、僕が行きます!と言い出したので、それを見た中川隊員も、宮崎さん!私も行きます!と声を掛ける。

感激した宮崎隊員は中川隊員と口づけしようと顔を近づけるが、それに応じるかに見えた中川隊員は、何か勘違いしないでください!と釘を差し顔を遠ざける。

そんな2人に、頼む!日本を救ってくれ!と動けなくなった鬼頭司令が託す。

宮崎さん、行きましょう!と中川隊員が言い、2人が出発したので、それを見送った鬼頭司令は、成長したもんだぜ…と感激する。

しかし、その直後、宮崎が戻ってきたので、何しに戻った?と鬼頭が聞くと、怪獣が怖くて足が動かなくなったんですと宮崎は答える。

鬼頭はそんな宮崎に早く逃げろと命じる。

事態を見かねたアンベ総理は「L4-S5」を発射しろ!と指示を出す。

最終ミサイルが発射され!組み合った2大怪獣に命中する。

その瞬間、宮崎隊員が地面に落としていた光子プラズマ爆弾も爆発する。

こうして東京は壊滅する。

日本防衛隊司令本部に来たCIAのスパイは、解析の結果、2大怪獣のDNAが一致したと総司令に報告する。

エンドロール(原色をバックに「ウルトラシリーズ」風の切り絵が登場)

雷牙と王牙は消滅した。

そのDNAは同種のものだと認定された。

そのDNAが、光子プラズマ爆弾とミサイルの高熱により新たな悪魔を生み出してしまった。

雷獣空牙!

日本全土に破壊をもたらす獣王!

ハワイ

ダイヤモンドヘッドにある高級ホテルに突如破壊光線が命中し、現地人や観光客は阿鼻叫喚の騒ぎになる。

新怪獣出現!(とテロップ)


 


 

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