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パシフィック・リム:アップライジング

日本の怪獣映画や巨大ロボットものの影響を受けたような前作「パシフィック・リム」(2013)の続編。

いかにも怪獣オタクらしいギレルモ・デル・トロ監督の発想ながら、何かもう一つ、日本人が期待する怪獣映画感とのずれがあったのか、日本市場では伸び悩んだ前作を意識してか、今回は東京をクライマックスの舞台に持って来るなど前作以上に期待させた本作だが、蓋を開けてみたら、前作同様、日本人の目からすると最後まで乗り切れないし燃えない内容になっているような気がする。

期待された日本人キャストは2人とも影が薄く、特に新田真剣佑さんなんか、どこに出てた?って言うくらい登場シーンが少ない。

東京に怪獣が集結して来る理由付けも説得力に乏しく、劇中にある説明が理由なら、東京・小笠原諸島の南鳥島周辺の海底を目指すのが本当ではないか?

主役陣もマイノリティ主体の人選に加え、みんな屈折しているようなキャラばかりで、取っ付きにくいイメージがある。

中国資本なので中国人がメインを勤めるのは分かるとして、では中国人が喜ぶような展開になっているかと言うとこれも微妙で、中国市場の興行結果も前作ほどではないとの噂なのも当然かな?と言う気がする。

基本、この手の話は荒唐無稽で良いのだが、この作品での展開はあまりにも独創性が希薄と言うか、どこかで見たようなパターンの寄せ集めみたいで大味過ぎる上に、御都合主義が過ぎるような気がする。

ソルジャーレギオンみたいなのが大量に出現したり、東京でお馴染みの某人気ロボット像が出て来たりと、色々期待させている割にその後予想外でサスペンスフルな展開にならない所が残念な気がする。

前作もそうだったのだが、イェーガーも怪獣も造形は凝っているのに個性を感じられないと言うか、応援したくなるような魅力不足なのが残念。

例えばウルトラ兄弟とか怪獣軍団が東京で対峙するとして、ヒーロー側にしても怪獣側にしてもそれぞれのキャラクターを観客はテレビシリーズで大体知っている前提で戦っているが、「パシリム」の世界に出て来るイェーガーや怪獣は新顔ばかりなので、ちゃんと説明描写をしないと、形や武器だけでは感情移入しにくい。

パイロットたちもテレビシリーズの隊員たちみたいにいくつかのエピソードを重ねてキャラクターを理解させるようなことが映画では難しいので印象に残りにくいし…

では、メインのジェイクたちのキャラクターは魅力的かと言われるとこれも微妙で、落ちこぼれのジェイクが訓練や実戦を重ねることで成長すると言うお馴染みのパターンにも見えず、元々能力があったものがすねていただけ?と言う風に見えなくもない。

前作のデル・トロ監督にしても今回の監督にしても、日本のテレビ怪獣ものやロボットものを映画で再現しようとしている所に無理があるのではないかと思う。

結局、中国資本でVFXが派手になっただけの空疎で凡庸な作品と言う印象しか残らなかった。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2018年、アメリカ映画、エミリー・カーマイケル 、 スティーヴン・S・デナイト 、 T・S・ノーリン 、 キラ・スナイダー脚本、スティーヴン・S・デナイト監督作品。

俺たちは戦争の最中に生まれた。

敵は突然現れた巨大怪獣だ。

奴らは時空の裂け目から出て来た。

プリカーサー、異次元知的生命体の侵略だった。

人間は怪獣に対抗する悪魔を作ったイェーガーだ、2人で操縦する。

パイロットだった父は命を賭けて世界を救った。

俺は父とは違う。

戦争が終わって10年…、世界は立ち直る途中だ。

壊れた世界は居心地が良い。

被災移住区画は賢く生きなければいけない、万引きをするのだ。

防衛軍はケチな犯罪は見逃してくれる。 イェーガーの基地に入らなければ… カリフォルニアでは部品は高く売れる。

仲間を連れプラズマ電池を盗みに来たジェイク・ペントコスト(ジョン・ボイエガ)は、だと言いながな…と連れて来た男から銃を突きつけられる。

目当ての電池が既に何者かに盗まれていたのだ。 ターゲット発見!と警報が響く。

こいつを殺せ!と連れて来た連中がジェイクを撃とうとしたので、ジェイクはその場を逃げ出す。

やがて行き止まりに追いつめられたジェイクだったが、連れて来た連中が近づいた時、足下のスイッチを踏み、その連中をおとし穴に落す。

クレーンのザイルを伝い下に降りて窓から外の様子を見ると、逃げて行くバイクを防衛軍の装甲車が追いかけていた。

どうやら先に電池を盗んだ奴ら叱った。

その証拠に、ターゲット発見!ターゲット移動中!と言う警報が聞こえたからだ。

朝方、ジェイクは盗んだ奴の小さな工場に忍び込む。 壁には「怪獣戦争終結」とか「シャオ産業」に関する記事が所狭しと貼られていた。

その工場内には、小型のイェーガーがあった。

その時、隠れていたらしき相手が飛びかかって来るが、どう見ても少女だったので、何歳だ!と振り払いながらジェイクが聞くと、もう大人よ!と少女は言う。

この玩具、お前が作ったのか?とジェイクが聞くと、玩具じゃない、スクラッパーよと少女アマーラ・ナマーニ(ケイリー・スピーニー)は答える。

その時、外に車が近づく音が聞こえたので、付けられた?とアマーラは言いながらスクラッパーに乗り込んだので、ジェイクも操縦席に乗り込む。

出て行ってよ!とアマーラが抗議するので、2人で操縦するとジェイクが申し出ると、これは小型なので1人で十分なの!とアマーラは迷惑がりながらも、工場の扉を壊し外に飛び出す。

やがて、巨大なイェーガー、ノーベンバー・エイジャックスが逃げるスクラッパーの前に立ちはだかり、ポッドから出ろ!未登録イェーガーの操縦はコード10-14違反だ!と警告して来る。

スクラッパーは両手を差し上げて降参しているようなポーズを取りながら、金属のカプセルのようなものを数本空中に投棄する。

それは煙幕カプセルで、ノーベンバーの足下に白い煙幕が張り出した中、スクラッパーは逃げ出す。

スクラッパーは丸まり、ボールのようになって逃げ、とある廃墟の中に隠れたので、見た?逃げ切ったでしょう?とアマーラは得意がるが、あっさりノーベンバーにつまみ出される。

その時ジェイクは、印音電池を操縦席で見つけ、使うのか?売るのか?と聞く。 スクラッパーはノーベンバーの身体をよじ上り、頭上でイオン電池を放り出すと、それに触れたノーベンバーは機能停止に陥る。

あいつ再起動する?とアマーラはジェイクに聞くが、その時、停止しろ、最後の警告だ!とノーベンバーは呼びかけ、電気ショックケーブルを発射して来る。

それが刺さったスクラッパーは停止し、アマーラとジェイクは逮捕される。

同じ牢の中に入れられたジェイクはアマーラに、俺に任せていたら…と愚痴ると、指令センターに勝手に乗りからよとアマーラが言い返したので、俺のせいかよ、スクラップ娘が!とジェイクは呆れる。

何故作った?売らないなら意味がない、強盗でもする気か?とジェイクが聞くと、奴らが戻ったときのため…、怪獣…、誰の助けも待たない…とアマーラは言う。 その時、ジェイクだけ出ろと監視役が声をかけに来る。

いくつかの机と椅子だけで誰もいない部屋に入ったジェイクの目の前には、義理の姉であるマコ・モリ(菊地凛子)の姿がホログラムで浮かび上がる。

又ここ?とジェイクの悪行にうんざりしたようにマコは言い、父さんは言ってたわ、道は自分で拓けって…と説教するので、俺のせいじゃない、小娘がやったことだとジェイクは反論するが、もう単なる釈放は無理よとマコがコネで解決できないことを明かすと、どう言う意味だよ?とジェイクは聞く。

再入隊よ、訓練するの、モフタン基地へ送るわ、新入生たちと…と言うなり、マコのホログラムは消える。

中国 モフラン・シャッタードーム パイロット訓練所 ジェイクはアマーラとともに現地入りさせられる。

アマーラの方は自分がレンジャーとしてここへ送られたことを歓迎しているようで、イェーガーの姿を見るたびに興奮していた。

そこに、自分が作ったスクラッパーも輸送されて来たのでさらに喜ぶ。

その時、ジェイクに、まだ戻って来たのか?ここでは何も盗むなよと声をかけて来たのはかつての同僚だったネイサン・ランバート(スコット・イーストウッド)だった。

アマーラはジェイクが前にもここにいたことを知ると驚いたようで、あなたはどれに乗ってたの?と聞くと、ジプシーだと言うので、ジプシー・アベンジャー!と興奮する。

俺が相棒を見つけるまで指導するとジェイクがアマーラに声をかける。

ネイサンからジェイクを紹介されたジュールス・レジェス(アドリア・アルホナ)は、彼が教育係?実戦経験ないのに?と呆れ、同行していたアマーラはイェーガーを自作した子と聞くと、ガラクタ作るなら技師になりなと嘲る。

その後、アマーラは練習生らの部屋に案内され、男女混合のレンジャー仲間に紹介される。

オウヤン・ジナイ(ウェスレイ・ウォン)はヴィクことヴィクトリア・マリコヴァ(イヴァンナ・サクノ)の友達だと自己紹介する。

ヴィクは試験2回落ちたと愉快そうに言う。

アマーラはすぐさまイェーガー操縦シミュレーション訓練を開始する。

ジュールスはネイサンに、ネイト、ドリフト出来ないわ、小娘を怪獣と戦わせるなんて!と抗議するが、若い方が神経接続を長く継続できるとネイサンは答え、リョウイチ、見本を見せろとハタヤマリョウイチ(新田真剣佑)に命じる。

その後、無人の食堂に食料を漁りに来たジェイクに、アイスクリームは上だと声をかけて来たのはネイサンだった。

ジェイク、俺たちは訓練生にたちにとって見本だ、いがみ合っている場合か?とネイサンが話しかけると、戦争は10年前に終わった…、的の狙いを知らないと…とジェイクは言い出す。

俺たちを倒す為に送り込んだんだとネイサンが答えると、倒す為なら他にも方法はあるはずだとジェイクは指摘する。

ネイサンは、明日シャオ産業が無人機を披露する、お前が本気になれば立派な兵士になれるのに…とネイサンは、ジェイクのやる気のなさを残念がる。

翌日、シャオ社のリーウェン・シャオ社長(ジン・ティエン)とモリ・マコ事務局長らがモフランに到着したので、出迎えたマーシャル・チュアン司令官(マックス・チャン)が握手をしようとするが、社長は握手しないと言い、同行していたニュートン・ガイズラー(チャーリー・デイ)が代わって握手する。

チュアン司令官はご案内しますと社長一行を先導する。

ジェイクと会ったマコは、マシな服になったと言う。 ニュートンは互いに頭の中に入り世界を救った旧友のハーマン・ゴットリーブ(バーン・ゴーマン)と会う。

ハーマンは相談があると言い、イェーガーには配備の時間がかかるので、その隙に怪獣にやられる欠点があると指摘し、ロケット推進の必要性があるが、そのパワーを出せる燃料がないと言い出す。

地球上にはないが…と言い、ハーマンが取り出した容器の中味を見たニュートンは、怪獣の血か?と気付く。

これとレアアースを混合するんだ、君は怪獣解剖学に詳しいとハーマンは言うが、ニュートンは、そんなことをしなくても社長の無人機が成功すれば世界中に配置されると教える。 その時、ガイズラー博士時間ですとシャオ産業の社員が呼びに来る。

リーウェン社長は近づいて来たニュートン博士に、ゴットリーブ博士とはどう言う関係?忠誠心を私に疑われないようにと注意する。

忠誠心を疑うとは?とニュートン博士が聞き直すと、英語で言い直したリューエン社長は、中国語をもっと訓練して!2度言わせないで!と叱る。

その後、リーウェン社長は、無人機を世界に配備すれば、世界のどこからでも1人で操縦できるし、パイロットの適合性も関係なくなると構想を発表する。

しかし、それを聞いていたパイロットたちからは、我々はパイロットだ!との抗議の声があがる。

マコはジェイクに、遠隔システムはハッキングされる恐れがあるけど、評議会の半数が賛成していると打ち明ける。

今後、評議会の警護用にジプシーを付けるようにしたわ、用心棒はシャオ産業に雇われたとマコが教えると、お前はイェーガーに乗る資格はないと言われてたんだとジェイクがやる気を見せたので、マコは、ありがとうジェイクと礼を言う。

オーストラリア シドニー 防衛軍最高評議会 そこに、ジプシーが輸送機に吊られてやって来る。

ジェイクとネイサンが操縦するジプシーは地面に投下されるが、ドリフトが不安定で、繋がっている間、ジュールスのことを考えるな!苦労しそうだとネイサンはぼやく。 そこにリーウェン社長らを乗せた輸送機が到着する。

その時、海から突然、正体不明のイェーガーが出現、司令部にいたチュアン司令官はポッドから出ろ!ミサイルだ!とジェイクたちに呼びかける。

間一髪、ジプシーはミサイルを交わすが、そのミサイルは背後のビルに命中し、屋上のヘリポートが落下しそうになったので、手で受け止める。

動力低下! ヘリで接近していたマコは、あのイェーガーは!と正体不明機を見て驚くが、通信障害が起きています!とパイロットが叫ぶ。

そのマコが乗っているヘリを謎のイェーガーが撃とうとしたとき、ジプシーの視力が回復、ジェイクたちは手に持っていたヘリポトを敵イェーガーにぶつける。

ジプシーが片手からチェーンソードを出すと、敵イェーガーは両方の腕から2本のチェーンソードを出して来たので、パクリかよ!とジェイクは驚く。

マコが危ない、重力スプリンガーだ!とジェイクは叫ぶ。 マコが乗ったヘリは墜落しかけており、パイロットはメイデー!と呼びかけて来た。

そんな中、マコはタブレット端末から何かを送信しかける。

ジプシーは墜落しているマコのヘリを掴もうとジャンプして手を延ばすが、キャッチできず、ヘリは墜落炎上する。

マコ! 救援のイェーガーたちが輸送機で運ばれて来ると、敵のイェーガーは海に戻って行く。

基地に戻ったジェイクは、マコの大きな写真の前に、自分と父親とマコが写った家族写真を供える。

その時、近くのトレーニングルームから、接続失敗!と言う音声が聞こえて来たので覗いてみると、アマーラは1人で訓練していた。

アマーラはジェイクに気付くと、人を慰めるのは巧く出来ないけど、お姉さんは気の毒でしたとお悔やみを言って来る。

彼女は家族を怪獣に殺され、父に拾われ育てられた…、だから家族だとジェイクはマコのことを教える。

何故私服を着てるの?とアマーラが聞くと、シドニーの後、この方が楽だから…とジェイクは答える。

アマーラがドリフトが出来ないと悩みを訴えると、ジェイクもヘルメットをかぶり、一緒にドリフトに付き合うことにする。

接続すると、アマーラの過去がジェイクにも見えて来る。 幼い頃、海岸の桟橋に遊びに来ていたアマーラは、父親にポラドイド写真を撮ってもらっていた。

アマーラ!過去を忘れろ!俺の声を聞け!とジェイクは呼びかけるが、アマーラは過去の記憶に囚われていた。

子供時代のアマーラは、桟橋の背後から突然怪獣が出現し、桟橋を破壊したため、父親たち家族と距離が出来てしまう。

パパ、助けて!と叫ぶアマーラに対し、飛ぶんだ!パパを信じて、さあ、アマーラ、早く!と、亀裂で避けた桟橋の向こうから父親は呼びかけるが、アマーラが恐怖で動けなくなっている目の前で、家族は怪獣の手で押しつぶされてしまう。

装置を外したアマーラは、あそこにいた!感じたんですと言うと、俺も感じたとジェイクは答える。

その時、ハーマン・ゴットリーブ博士がやって来て、ジェイクにラボに来てくれと言う。

そこには何かのホログラム映像が浮かんでおり、マコからのメッセージだと言う。

送信自体は失敗したが、メッセージの断片だけは残っているのだと言う。 怪獣か?と一緒に見ていたチュアン司令官は聞くが、検索の結果ヒットなしだと言う。

あの正体不明のイェーガーに乗っていた奴は誰なのか?ハーマンは考え込む。

上海 シャオ産業ビル リーウェン・シャオ社長は、無人機の許可が評議会から下りた、あの襲撃は無人機があれば防げたはずで、シドニーの襲撃事件は我々に取ってはプラスに働いたと分析していた。

その上でリーウェンはニュートンに、48時間以内に無人機全機を世界中に配備するよう命じる。

ニュートンは無茶な要求だと感じたが、反対は許されないと分かっていたので、現場にもその無茶を押し付ける。

その後帰宅したニュートン博士は、会社でのボスへの不満を誰かにぶちまけ、君とベッドで楽しみたいなどと言いながら寝室に入るとヘッドホンを装着する。

アリス…、僕は君の心が読めるんだ…とニュートンが呼びかけた先には、水槽の中に浮かんだクラゲのようなものがあった。

訓練生の部屋では、ヴィクがアマーラの作ったスクラッパーのことをバカにしていた。

大きいものの方が強いと言うのだ。 私は拾われたものとは違うなどとアマーラ本人も屈辱したので、怒ったアマーラはつかみ掛かる。

そこに来たジェイクは、俺も入隊当初は酷いチンピラだったと打ち明ける。

だが今日埋葬されたマコ・モリは、仲間は家族だと教えてくれた。前へ進め、イェーガーを信じて!と言い聞かす。

そんなジェイクに、司令官が呼んでいると使いが来る。

マコが送信したメッセージを解析の結果、これは怪獣ではなく場所の情報で、シベリアの数年前に閉鎖された動力コア工場があった場所だと分かったとハーマンは言う。

それを聞いたジェイクは、ジプシーでそこに行かせて下さいと志願する。

ネイサンとともにシベリアの氷原の中にある廃工場にやって来たジプシーだったが、ここには何もない、ただの廃墟だとネイサンは呟くが、次の瞬間、背後から何者かがミサイルを撃って来たので背中に被弾する。

シドニーに出現した謎のイェーガー、オブシディアン・フューリーだった。 敵のミサイルの連射で廃工場は全壊する。

足を狙え!とネイサンとジェイクは敵に接近しようとするが、敵は胸からレーザーを発射して来る。

まずいぞ!と叫び、ジプシーは氷原の裂け目から海に落下する。

敵イェーガーが様子を見に近づいたので、懐中から浮上したジプシーは敵を海に引きずり込む。

怒らせたぞ!と氷原に上がりネイサンが言うと、それで良いとジェイクは答える。

昔の動きだ!と2人は息が合って来たことを感じる。 チェーンソードを出し、敵の胸を斬り割く。

効いたぞ! ジプシーは強烈な左のパンチで、敵イェーガーの胸に風穴を空ける。

倒れた敵イェーガーの顔を踏みつぶし、操縦者を捜したジェイクは、何だ、あれ?と驚く。

敵イェーガーの中にいたのは人間ではなく、得体の知れない物質だったからだ。

基地に戻った2人に、ハーマンはそれを怪獣の第二の脳だと説明する。

しかも異次元から来たものではなく、昔の戦争で死んだ怪獣から取り出したものだろうと言う。

つまり、プリカーサーではなく人間の仕業だとチュアン司令官は指摘する。

その頃、基地に運ばれて来た敵イェーガーの内部に勝手に侵入していたのはアマーラだった。

あれの一部破壊中よと内部の状態を説明するアマーラに、ここに入ったらまずいよと怯えていたのは同行していたスレシュ・クラン(カラン・ブラル)だった。

システムに絡み付いている筋肉みたい…と言いながら、アマーラが配線にへばりついた怪獣の一部を剥がそうとしていた時、血液が同じく同行していたオウヤン・ジナイ(ウェスレイ・ウォン)に怪獣の血液が飛び散り負傷する。

オウヤンは何とか無事だったが、勝手な行動をして仲間を傷つけたことがバレたアマーラは、ジェイクから追放と伝えられる。

それを効いたアマーラは、元から無理だった…と諦めるので、そうか?俺も昔はそうだった、ここにいたくなかっただけだと分かったとジェイクが言うと、何故入隊を?とアマーラは聞く。

戦争だったから…、父に会えると思った…、父は英雄になり、1年後に死んだ…とジェイクは打ち明け、自分が何者かを決めるのは自分自身なんだ、分かるか?とアマーラに問いかける。

そして、落ち込むなよ、元気出せとジェイクは励ます。

するとアマーラは、オブシディアン・フューリーの秘密はシャオ産業が持っていると言い出す。

絶縁体の巻き方が通常とは逆になっており、それはシャオ産業の特長なのだと言う。

間違いないわ、散々盗んで来たんだからとアマーラが自信のほどを打ち明けると、そうだな…とジェイクも納得する。

それを聞いたハーマンは、バイオ産業もないのに…、もっと調べるべきだった…と自分のうかつさを反省する。

彼に会いに行けとジェイクはハーマンに頼む。

シャオ産業の本社内では、リーウェン社長が、部外者を入れないようにとニュートン博士に命じていた。

その頃、アマーラは荷物をまとめ基地を退去しようとしていた。

そんなアマーラに、次に作るイェーガーはでかいのにしな…とヴィクが話しかける。

ニュートン博士は期限内に何とか無人機を世界中に配備できたと安堵していたが、375号が反応なしと部下が連絡して来る。

それを知ったチュアン司令官は、配備中止を訴える。

そして、ジプシー以下、全パイロットはイェーガーに登場し対応しろと指示する。

世界に配備された無人機は突如制御不能になり狂い出す。

ハーマンがシャオ産業の本社に来たことを知ったニュートンは、何故君が?と驚くが、無人機が暴走したとハーマンは知らせる。

基地を出ようとしていたマーラは、突然基地が攻撃を受けるのを目の当たりにする。

君は金と肩書きを利用されて間違った仕事をやらされたんだとハーマンはニュートンに教え、世界を救うのを君に手伝って欲しいんだと懇願するが、すぐにシャオ産業のガードマンたちに銃を突きつけられてしまう。

ジェイクは呆然としているアマーラに、基地の中に戻れと命じる。 エレベーターにガードマン数名に囲まれ乗せられたハーマンとニュートンだったが、途中、咳き込み出したかの見えたハーマンは突如持っていた杖で周囲のガードマンを叩き始め、その隙を付いてニュートンもガードマンの銃を握りしめる。

ガードマン全員を叩きのめし、エレベーターが停まると外に出たハーマンはニュートンに抱きつく。

しかしニュートンの様子はおかしかった。

狂った無人の一部は、太平洋上の裂け目の上に集結し、胸からのレーザー砲で海底の裂け目を解放し始める。

やがて、ホノルル、香港、アラスカなどに海底から怪獣が出現したとの報告が次々に入る。

チュアン司令官は、無人機が裂け目を解放した!と全パイロットに送信するが、その直後、無人機のミサイルで爆死する。

何故こんなことを?とハーマンが問うと、普通はこんなことはしない点、みんなに軽く見られたから…、最近の僕は普通じゃない…と答えるニュートンの表情を見たハーマンは、まさかプリカーサーに!と気付く。 良く分かったな…とニュートンが笑うと、ニュートン、君は操られているんだ!とハーマンは指摘する。

するとニュートンは開き直ったように、僕は弱い!人間は全員弱い!と叫びハーマンの首を絞めて来る。

その時、放して!と銃をニュートンに突きつけたのはリーウェン社長だった。 何故無人機を?とリーウェンが聞くと、今、社の38%はオートマだ、乗っ取るのは簡単だったとニュートンは笑う。

リーウェンは発砲するが、ニュートンは逃げ出したので、ニュートンを見つけて撃って!とリーウェンは全社に指示を出す。

ハーマンはジェイクに、ニュートンが操られていた、奴は逃げたと連絡して来たので、何とかしろ!早く考えてくれと答える。

さらに3体の怪獣が出現、日本へ向かっていると言う連絡が入ったので、基地へ戻れ!とジェイクは全員に呼びかける。

残ったイェーガーは?と確認すると、ジプシーだけ、パイロットも死んだわとジュールスが言うので、チビ、来るんだ!とジェイクはアマーラに声をかける。

修理を手伝えるか?とアマーラに確認したジェイクは、隊へ戻すと命じる。

その時、敵が来た!とリョウイチが叫ぶ。 しかしそれは、リーウェン社長とともに戻って来たハーマン博士だった。

ハクジャら3体の怪獣が同じ方向へ向かっていると知ったジェイクは、東シナ海に何かあるのかも?敵に勝つ為には敵の狙いを知れだと言いながら、司令部で怪獣が目指す先を考えていたが、日本の富士山だ!と気付く。

どうして富士山?とリーウェン社長が聞くと、レアアースだ!富士山は火山だからレアアースが豊富、怪獣の血とレアアースが触れると、環太平洋中の火山が爆発を起こし、世界は壊滅する!とハーマンが指摘する。

阻止しないと!とジェイクは叫ぶが、今出動しても間に合わないとリーウェン社長は言う。

しかしハーマンは、少しでも可能性があればツクッレことだ!と言い出し、リーウェン社長も協力を申し出る。

イェーガーに推進機が装着され、ネイサンが、全機、出動させろ!と指示を出すと、ジュールスがネイサンとジェイクに交互にキスをして去って行ったので、どっちに気がある?とジェイクはネイサンに聞くので、任務に集中しろとネイサンは答える。

修理が完了した4機で攻撃することになるが、パイロットは?とネイサンが案じると、いるさとジェイクはアマーラを見て答える。

ユニフォームを着て整列したレンジャーたちを前に、ジェイクは演説する。

オヤジは命を賭けて世界を救ったが俺は違う、英雄じゃない! ローリーやマコは力を合わせて英雄になったんだ、親とか過去は関係ない!俺たち自身の力を証明するチャンスだ! パイロット、分かったか?一緒に世界を救うぞ!と呼びかける。

アマーラ、飛べ!と言う最後の父親の声がアマーラの脳裏に蘇る。

本物のイェーガーはどう?とヴィクが聞くと、でかいのも良い…とアマーラは答える。

やがて基地に設置された発射台から4機のイェーガーが飛び立って行く。

スレシュは、突然操縦席に歌手が歌うMVがでて来たので、何これ?と驚くが、じいさんが好きだったんだ、ノリノリだろう?と同乗のイリヤが答える。

しかしスラシュは、僕は乗らないよと困惑する。

東京

降りて来る4体のイェーガーは3体の怪獣ターゲット確認する。

地上では逃げ待とう都民が避難所に駆け込んでいた。

東京のビルの屋上に来ていたニュートン博士は、ライジン、攻撃破壊しろ!と命じる。

ジプシーは牽引光線でビルをなぎ倒し怪獣を潰そうとするが、リョウイチが乗るセイバー・アテナは怪獣シュライクソーンから押され気味になり救援を求める。

ヴィクは、ブレーサー・フェニックスの銃座に座り、前後に移動しながら機関銃を撃ちまくる。

ガーディアン・ブラーボは2本の鞭アークウィップで応戦する。

そんな戦い振りをビルの上から見ていたニュートンは、全く安心できないと笑う。

南東に新たな敵! それを知ったリーウェン社長は、東京にいるニュートンの仕業よと気付く。

小型の大量の虫のような怪獣が傷ついたシュライクソーンら怪獣の傷口に集結し、直し始めると同時に、怪獣三体を合体させる。

ライジン、ハクジャ、シュライクソーンの3体の怪獣は合体し超巨大怪獣に変化する。

それを見て、巨大化したぞ!とネイサンが驚くと、俺が合図したら突撃する!とジェイクが他のイェーガーのパイロットたちに命じる。

行け!と号令をかけるが、巨大怪獣が地面を踏みつけると振動で倒される。

ジプシーも吸引光線で逆に怪獣に振り回されてしまう始末。

イリヤ、スラシュ!とジェイクが呼びかけると、スラシュはやられました…と悔しそうにイリアが応答する。

ブレーサー・フェニックスもセイバー・アテナも既に戦えない状態のようだった。

遅れるなよ!とネイサンが呼びかけると、第二の脳は?フューリーの武器使うとジェイクが言い出したので、心を読んでるなとネイサンは苦笑する。

アマーナは脱出ポッドでガンダム記念像のすぐ横に着地していた。

その時、ネイサンが負傷して動けなくなって言うのに気付いたジェイクは、ネイト、しっかりしろ!と呼びかけ、1名負傷!と基地に報告する。

基地内では、リーウェン、何かないか?敵が富士山に着いたら終わりだ!と聞く。

1人じゃ動かせないよ!とジェイクが悔しがっていると、アマーラが手伝いに来たわ!と呼びかけながら駆けつけて来る。

無理だ!止めろ!とジェイクは呼びかけるが、アマーラはそれを無視して倒れたジプシー目がけて瓦礫の上からジャンプする。

次の瞬間、アマーラはジプシーの掌に乗っており、逆らったな?と言うジェイクの言葉を無視し、顔面が破壊されたジプシーから操縦席へ入り込む。

それに気付いたネイサンは、俺は邪魔だろうと言い、自ら脱出ポッドでジプシーから降りる。

敵、富士山まで後2km! 推進ロケットで大気圏外まで飛び上がれるか?とどめを刺すとジェイクはハーマンに聞き、脱出ポッドは俺のが1つ残っているとジェイクは言うが、推進ロケットを取りに行くことが出来なかった。

その時、リーウェン社長がジプシーの上空からスクラッパーを落す。

スクラッパーは丸まって着地すると、推進機を見つけた!とリーウェンが連絡して来る。

リーウェン社長はスクラッパーを使い、ジプシーの右手に推進ロケットを溶接し始める。

チャンスは1回よ!と呼びかけたリーウェン社長だったが、推進ロケットが噴射し始めると、ジプシーはそれに引きずられるが、スクラッパーも推進ロケットに引っかかってしまう。

機体が壊れる!とアマーラは叫ぶ。

それでもジプシーの機体は大気圏に向かって上昇し始める。

そして落下を始めるが、富士山を登っていた敵怪獣よりコースがずれていることに気付く。

プラズマキャノン起動! その様子を基地から見守っていたハーマンは、2人とも脱出しろ!と叫ぶ。

ジェイクはアマーラの手を掴み脱出しようとするが、脱出ポッド故障!と警告が出たので、すまないなとアマーラに詫びる。

何が?と聞いたアマーラは、世界を救いたい…、お父さんが喜ぶわと答える。

その時、スクラッパーが背中から操縦室に接近、こっちだ!とリーウェン社長が呼びかける。

ジェイクとアマーラはスクラッパーの中に逃げ込む。 富士山頂の火口近く、スクラッパーはジプシーから飛び降り、雪山を転がって着地する。

火口に近づいていた超巨大怪獣にジプシーが激突する。

それを知ったニュートンは、バカな…と驚きながらも、それなら次の作戦がある…と言った時、突然何者かに殴られる。

ネイサンだった。

レンジャーランバートだ、ニュートンを捕まえたと基地に報告を入れる。

壊れたスクラッパーから外にはい出したアマーラは、雪は初めて…とはしゃぎ出し、一緒に降りて来たジェイクに雪玉をぶつけて来る。

エンドロール

世界を救えたと思っているのか?今後も地球を襲い続ける…と基地に連れ帰られ縛られていたニュートンは呟く。

すると、部屋の扉が開き顔を見せたジェイクが、次は地球に来なくて良い、こちらから行く!と言い放つ。
 


 

 

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