白夜館

 

 

 

幻想館

 

やればやれるぜ 全員集合!!

ドリフターズ映画だが、当時ナベプロに所属していたタレントさんたちが出演しているナベプロ映画と言った感じで、松竹は配給をやっているだけのようで松竹色はない。

話は普通のプログラムピクチャーと言った感じで、一応喜劇仕立てだが、ものすごく笑えると言うほどでもない。

テレビでのドリフも、ドリフ自体が面白いと言うよりコントの出来次第と言った感じだったので、尺の長い映画で笑いを取るのは難しいと思う。

それでも人気絶頂の頃のドリフの面々が見られると言うだけで楽しいし、若い頃の木の実ナナさんとか水谷良重さん、高橋圭三さんと云った懐かしい顔ぶれを見られるだけでも貴重な作品だと思う。

途中、松尾嘉代さんが 藤村有弘さんといきなり結婚式を挙げており、そこにドリフの面々が潜入して…と言う辺りは、説明不足で唐突な展開にも見えるが、全体的にまずまずの出来と言った感じではないだろうか。

個人的には、東宝でコメディエンヌ風のキャラで活躍なさっていた横山道代さんが、セリフもないちょい役で出ておられるのがちょっとショックだったりする。

60年代後半の作品なので、製作から手を引き始めた東宝では仕事がなくなっておられたのだろうが、他社でこんな扱いだったと知ると哀しい気がする。

最後の演奏シーンはビートルズ映画やGS映画みたいな撮り方になっており、ドリフって元々バンドだったんだな〜と再認識できたりするのもうれしい。

劇中で移動食堂をやっている松尾嘉代さんと木の実ナナさんが「サッポロ一番」を何度も言っていると所からタイアップなのかな?とも想像するが、劇中に出て来るラーメンは普通のラーメンのようにしか見えないし、移動車でインスタントラーメン販売などするだろうか?と言う疑問もある。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
1968年、芸映プロ、森崎東+渡辺祐介脚本、渡辺祐介監督作品。

福島県日蔭村

仲本工助(仲本工事)と加藤ヒデオ(加藤茶)に見張らせ、神社の賽銭箱をひっくり返し、中に入っていた賽銭を盗み出そうとしていた碇矢長吉(いかりや長介)、荒井忠太郎(荒井注)、高木太(高木ブー)は、たった365円しか入ってない事を知ると、やっぱり東京行きか…と呟く。

彼ら5人は揃って村の鼻つまみ者で、このまま村に残っていても未来はなく、都会に出て一旗揚げるしかないと感じていたからだ。

今しがた賽銭を盗んだ神社に5人揃って祈願すると、それぞれの夢を語り出す。

工助は作曲家だと言い、太は一流のコック、忠太郎は政治家とそれぞれ言うので、ヒデオも言いかけると、お前は良い、小学校は誰のお陰で卒業したんだ?おれがテスト問題カンニングさせてやったからだろうと恩を着せた長吉は、おらが入るとしたら貿易界かな…、末は大実業家よ!と言うと、今日限り、日蔭村にもしばしの別れだ!と宣言すると、5人揃って大きくジャンプする。

タイトル

貨物列車の豚舎に潜り込んだ5人は握り飯を食う。

長吉が、全員集合!と呼びかけると、全員がオーッ!と応える。

そして1年経った… おらが入るとしたら貿易界かな…、末は大実業家よ! そう夢を語っていた長吉がやっていたのは、港湾でのクレーンの指示係だった。

不器用な長吉のリードに焦れた班長が、まともに出来ねえのか!と叱りつけると、ヒデオがやって来て、僕がやりましょうか?と班長に声をかけたので、ヒデ!お前出しゃばるな!と長吉は叱りつける。

その時、ひるのサイレンが鳴り響いたので、飯!と喜んだヒデオは、いつも港湾にやって来る移動食堂車に向かう。

移動車の中で働く立花リカ(木の実ナナ)と小山みつ子(松尾嘉代)は、集まって来た労務者たちの中のサブこと竹田三郎(平尾昌晃)に最初にサッポロ一番を渡す。

ヒデオもみつ子に、ミッちゃん!と呼びかけ、みつ子は、サッポロ1番2つね?と常連客に笑顔で応える。

定男は長吉と同じ安アパートで同居しており、その日も、碇矢長吉ドケチな奴だよ、加藤ヒデオは良い男~♩などと鼻歌を歌いながら、3匹30円のメザシを七輪で焼いて夕食のおかずにしようとしていた。

そこにやって来た猫好きの管理人とめ(若水ヤエ子)は、部屋の中で火を焚いちゃいけないって言ってるでしょう!と叱り、そのメザシの値段を聞くと、豚の餌かよ!と呆れる。

長吉も部屋に戻って来て、飯の炊き方が巧くなったななどとおだてながらヒデオと一緒に夕飯を食う。

そして、今日の反省は?おめえ、みんなの前で俺の事を屁とも思ってないなんて言ったそうだな?と虐め出す。

ヒデオが口ごもっていると、嘗める気か!と長吉が凄んだので、言いました…、これからは、先輩のことは屁と思いますと妙な反省をする。

布団に入っても、誰のお陰で小学校出たと思ってるんだ!と長吉に嫌みを言われるの。

翌日、朝起きた長吉が、今日は何日だ?と聞くので、ヒデオは15日ですよと教えると、いよいよ明後日か…、全員集合するのは…、みんな何しているかな?と、長吉は村の仲間と再会する日を楽しみにする。

いよいよ再会の約束の日、銀座服部時計店前で待っていた長吉とヒデオは、やって来た太、工助、忠太郎と顔を合わせ、そろって花屋敷に向かう。

おでんを食いながら、自分たちの今の状況を話し始めるが、工助は既にレコード会社から引っ張りだこと言うし、太は今一流ホテルのマネージャーで既に料理学校の青写真までで来ていると自慢し、忠太郎は、望み通りぼちぼちやってるよと言いながら差し出した名刺には、全国青少年何とかと言う偉そうな肩書きが書かれていた。

続いて今の仕事を聞かれた長吉だが、横からヒデオが、先輩の仕事は笛吹いてピッピ!と言いかけたので、お前はおでん買って来い!と使い走りに行かせる。

3人と別れて帰って来た港に帰って来た長吉は、友達の成功を喜ぼうじゃないかとヒデオに話していたが、レストラン移動車がまだいたので、お?ミッちゃん、まだいたのか?と声をかける。

今帰る所よとみつ子が言うので、ヒデオに水を汲みに行かせた長吉は移動車の洗浄の手伝いなどし始める。

パシリにさせられたヒデオは、寂しいな♩と1人歌い始め、野良犬と戯れる。

みつ子が、どうだった?仲間のみんなは?と今日の集まりの事を聞くので、みんな大成功さ、中本は5~60の会社から引っ張りだこだそうだぜと教える。

しかし現実の工助は、相棒(三船謙)と2人で飲み屋を練り歩く流しに過ぎなかった。

一軒の店に入った工助は客の注文を受け「夜の絶唱」と行こうか!と相棒に歌わせる。

もう1人は、料理学校の青写真まで出来ているってと長吉はみつ子に話す。 しかし現実の太は焼芋屋をやっているだけだった。

何たってすげえのは、末は大臣かって奴だ!と長吉が忠太郎の事を自慢する。

しかし現実の忠太郎は、パチンコ屋の前で警邏中の警官(スタミナ・トリオ)に不審尋問され、池袋の大東組の者ですと挨拶していた。

ヒデオが水を汲んで来た頃には、ミッちゃん、気を付けて帰るんだぜ!と長吉が移動車を見送っている所だった。

その頃、太の焼芋屋が火事になり、野次馬が集まっていたが、その中に混じった工助と忠太郎は、泣きながら火を消そうとしている太を見て驚く。 太の方も2人に気付き驚く。

アパートの布団に入った長吉は、長さん、寝冷えしないでよ!ぽんぽん大事にね…などとみつ子の妄想を抱きながら眠りについていた。

翌日、又港で仕事をしていた長吉は、昼のサイレンが鳴り、ヒデオが移動車に向かおうとしたので、てめえ、今日の昼飯抜きだ!寝坊した罰だ!と意地悪を言う。

ヒデオはふて腐れ、自分だけ良い子になりやがって!この水虫ゴリラ!などと悪態をつくと、板の上に横になりふて寝をする。

いそいそと移動車にやって来た長吉だったが、リカ1人だったので、ミッちゃんは?と聞くと、今、出前!とリカは答える。

昼寝をしていたヒデオは、長吉に肩をもませていたり、大好きなみつ子と2人で大観覧車などに乗ってデートしている夢を見ていた。

夢の中のみつ子は、あなた、愛しています!調査んなんて何とも思ってませんなどと告白して来たみつ子とヒデオはキスをする。

そんなヒデオが寝ていた板は、クレーンの先の網の中の台だったので、昼休みが終わり、クレーンが持ち上げた後、下で待っていた長吉たち労務者の真ん中に降ろされたので、長吉は筵を抱きしめて寝ているヒデオを見て、トンチキ!と呆れる。

寝ぼけていたヒデオは、まだ夢の続きのつもりか、長吉を見ても、頭かち割って、ドライアイス詰めるぞ!などと強気に出るが、すぐの現実に戻ると、先輩、ちょっと…、僕の縁談の事なんですけどと呼びかけ、人気のない物陰に連れて行く。

しかし長吉は、笑わせやがる、まず命令から聞け!ミッちゃんは本気で俺を惚れているらしい。俺にすがろうとしている。

今日からその邪魔をしている理由を調べて欲しいんだと長吉が命じるので、ヒデオはがっくりする。

ヒデオは探検服姿になり、同じ探検服姿のミッちゃんと一緒に、ぬいぐるみのゴリラをアフリカ行きの木箱に詰め込み、ゴーバック!アフリカ!と叫ぶ白昼夢を見る。

あの子は非情に寂しがりなんだ、相談事だったら長吉さんにしろ、真心を込めて答えるって言うんだ!長年の恩に報いるんだと自分の用件を話し終えた長吉は、今度はお前の番だとヒデオに話を振るが、もう良いです、忘れましたとヒデオは答える。

1人になったヒデオは、何だ、フーテンゴリラ!俺は何であいつのお陰で小学校を卒業してしまったんだろうと嘆く。

一方、移動車の中にいたリカは、この際、サブちゃんに言った方が?とみつ子の悩みを知ってアドバイスしていたが、だってサブちゃん、いざとなったら腰引けちゃうんだもの…とみつ子は言う。

そして、運転席に乗り込もうとすると、助手席にヒデオが乗っている事に気付く。

ヒデオは、何か余ってないですか?朝から何も食べてないんですよ…と情けなさそうに声を掛けるが、今日は何もないのよ…とみつ子とリカは気の毒がる。

その後、みつ子の運転する移動車に便乗させてもらったヒデオは、昔々、ゴリラの薄ら馬鹿と、チビですがノーベル賞も取れる程頭が良くてハンサムな男がいましたと話し出したので、おとぎ話ね!と気付いたみつ子だったが、車はすぐに本社「レストラン花園」に着いてしまう。

入り口から出て来たコックの宮本(内田裕也)が、社長がお待ちかねですとみつ子に声をかけに来たので、宮本さん、この人に何か食べさせてやってと頼んだみつ子はビルの中に入って行く。

宮本は助手席に乗っていたヒデオに腹減っているのか?と聞かれ、いきなり殴ってくる。

社長室でみつ子を出迎えた北小路(藤村有弘)は、久しぶりにご飯でも食べようと思ってね…、もう一度大切な話をしたいんだよと言うので、死んだ父が500万を借りている事は分かっていますとみつ子が答えると、500万も夫婦となったら消えてしまう…と北小路が言うので、分かっておりますとみつ子は神妙に答える。

その後、帰宅したみつ子は、留守番していた幼い兄弟たち相手にヒデオがひょうきんな格好をして踊って見せているのに気付く。

みつ子にどうしてここが?と聞かれたヒデオは、コックのおじさんに聞いて…と答えると、おなか空いたでしょう?と聞きながら、みつ子が夕食の準備を始め、そう言えばさっきのおとぎ話の続きは?と聞いて来たので、ヒデオも手伝いながら、頭の良い二枚目の方がゴリラの恋の提灯持ちだったんです…と話し始める。

お姫様は本当は、小さい優しい方が良いって…と言いながらヒデオが泣き出したので、どうしたの?とみつ子が驚くと、この玉ねぎがしみるんです…、料理がりょうずに料理の絵を描いたなどとヒデオは言い出し、僕何をしゃべっているんだろう?としどろもどろになる。

その頃、アパートに帰っていた長吉は、又火鉢をして、ヒデオの帰りを待っていた。

みつ子の家から帰るヒデオは、途中まで送ってくれたみつ子に、ミッちゃん好きな人いる?と聞くと、その人意志が弱いの…、不平不満も言えないのよ、煮え切らないのよ… 女の気持って、優しくされたりメチャメチャにされたいの…、いつも白いヘルメットかぶって、サッポロ一番が好きな人!とみつ子が答えたので、俺だ!とヒデオは舞い上がる。

その言葉に気付かなかったみつ子は、今夜は無茶くシャする事が会ったけど、ヒデちゃんのお陰ですっきりしたわと礼を言い、家に戻って行く。

すっかり興奮状態になったヒデオは、神様!ミッちゃんは僕の事愛しているんです! 長吉のゴリラめ!あいつの提灯持ちなんてまっぴらです!と電流に抱きつきながら言う。

その夜、アパートに戻って来たヒデオは、布団に入った長吉に、自分の事を長吉の事だとごまかしながら、今日あったことを打ち明ける。

私も本当はあなたが好きなんです!とヒデオが妄想も交えて話すと、あなたって俺のことか?と長吉は戸惑いながらも、うれしそうに話に聞き入る。

エンガチョの奴が邪魔しやがって…とヒデオが邪魔者がいることを明かすと、サブの野郎だな…と長吉は勝手に勘違いし、ひがむなよ、明日からやりにくくなるからなどと自惚れる。

翌日、港でサブを呼び出したみつ子は、サブちゃん、男じゃない!社長の前で宣言して欲しいのよ!と訴えていた。

しかし、サブは、でも、500万なんて大金一生無理だよと言うので、心の問題よ!とみつ子が叱ると、分かった…、諦めたら良いんだね…などと弱音を吐く。

その頃、移動車の前に来た長吉は、俺、恥ずかしいな~などともじもじしていたが、そこにみつ子が戻って来る。

そこに、豪華な車が乗り付けて来てクラクションを鳴らすと、北小路が降りて来て、移動車の中にいたリカに、みつ子さんお借りしますよと声を掛けると、みつ子には、本社の仕事を手伝って下さいと言うので、みつ子は、私参りますわと答える。

そんなみつ子に、長吉が、ミッちゃん、どこ行ったの?と問いかけたので、君たちは何者だ?真面目にやれ!と長吉たち労務者に怒鳴りつける。

みつ子が北小路の車で去ると、誰だ?今のゲジゲジは?と長吉が不思議がると、レストラン花園、トルコ風呂の社長で、あんたたちのボロアパートやここのプータローの元締めもあいつらしいの。ミッちゃんはあいつから500万借りているらしいのよ、玉の輿よ!とリカは教える。

その話を聞いた長吉とヒデオは落ち込み、飲み屋でヒデオは、俺だってビバノンノンだろう?俺は俺の失恋哀しくって泣いてるんだ!ミッちゃん!とくだをまく。

その頃、外の道路上では、者見込んで泣いている太相手に忠太郎が、おやじが梅毒でおふくろがリューマチ?北海道から出て来たのに全部盗まれた? 思いあまって首つろうとしたが無理だった?可哀想にな~と、野次馬を同情させる芝居をやっていた。

そこに工助もサクラとして加わり、昨日から何も食ってない?今夜の飯代くらい恵んでやろうじゃないか!などと、周囲に集まった野次馬たちに聞こえよがしにしゃべり、カンパを徴収し始める。

そこに通りかかったのが長吉とヒデオで、可哀想に…と、野次馬たちの背後から覗き込むと、そこにいたのは忠太郎、太、工助らだったので、お前たち、何やってるんだ?と声をかける。

忠太郎たちも驚くが、その結果、3人がグルで芝居をしていることがバレ、野次馬たちから袋叩きに遭う。

ぼろぼろ状態になって公園の中を帰る5人。

何が音楽家だ!コックだ!政治家だ!俺たちを見下した奴らを見返すと言ってたはずだ!太!工助!忠太郎!と忠吉が叱ると、屋台焼いちまって、弁償しなくちゃいけなかったんだ…と工作が言い訳する。

人の道に外れてないか?どっちなんだ!と長吉が怒鳴ると、先輩のズボンのチャックが外れています!とヒデオが茶茶を煎れる。

みんな半端者なんだ!俺に付いて来い!しかし俺がリーダーである以上、俺が間違っていた…、バラバラになったのが間違いだった。

今日から再出発と行こう、今日から俺がまとめて面倒見てやる!明日から俺の仕事場に来い!と長吉は仲間たちに告げる。

ところが翌日、張り切って忠太郎、工助、太の3人が、五洋建設現場にやって来ると、事務所の中で、長吉が現場主任(左とん平)から叱られているではないか。

そんな事情は知らない忠太郎たちは、給料の前借りをしに来たんだけど?といきなり申し出たので、現場主任はあっけにとられ、碇矢、このゴミたちは何なの?と聞く。

そして、無言で事務所を出て行った長吉とヒデオは、今、首になった所なんだと現場主任は忠太郎たちに教える。

帰りすがら、てやんでえ!あんなドブ臭え所、こっちから出て行ってやらあ!と長吉は啖呵を切ると、あの子のこときっぱり諦めた!と決意する。

長吉のアパートに全員集まると、この際資金を集める!と長吉が言い出し、全員持ち金を披露するが、ヒデは47円ですと今持っている金を申告した後、棚の上の「ディズニーネクター」の空き缶をそっと見上げる。

すると、長吉が、鍋借りて来い!とヒデオに命じる。

太にも、お前も出せと長吉が命じると、太は棚の上の缶に気付き、中を改めて見ると金が入っていたので、それを自分の資金として差し出す。

その中には千円札が混じっていたので、長吉は感激し、どっか見所があると思ってたぜ!などと太をおだてる。

そこに鍋を持って戻って来たヒデオが、肉でも買ってワイルドパーティやりましょう!と提案する。

ヒデオに肉を買いに行かせた長吉は、ビバノンロックと行こうぜ!と景気良く音頭を取り、全員で歌い出す。 買い物に出かける途中、ヒデオは管理人とめの愛猫の首に付いていた鈴を外して持ち去る。

とめは、長吉たちがうるさいので、部屋代もろくすっぽ入れないで!警察に付き出すわよ!どうしようもないね、このキ○ガイ!と文句を言うが、とめが去ると又長吉たちは歌い出す。

そこに、肉を買って来たヒデオが、鍋に肉を入れると持っていた猫の鈴もさりげなく投入する。

その直後、棚の上からディズニーネクターの空き缶が転げ落ちる。

とめは愛猫ミーコを探していたが、長吉たちは鍋で煮えた肉を食べ始める。

その時、鈴が出て来たので、何だこれは?と不思議がるが、ミーコをしめて殺しちゃったんですとヒデオが告白すると全員気持ち悪がり、ヒデオ!みんな食え!と長吉は言い出す。

喜んで肉をヒデオが食べ始めた時、ミーコが部屋に入って来たので、騙されたと知った長吉はヒデオを殴る。

ネクターの空き缶が落ちていることに気付いたヒデオが慌てて拾い上げて中を確認すると、空っぽになっていたので愕然とする。

翌朝、とうとう覚悟を決めるときが来たか…と1人布団から起きた長吉は、おい!みんな起きろ!と寝ていた全員を起こすと、見ろ!俺たちのいく道が決まった!と言いながら朝刊に乗っていた募集記事を見せる。

「頑強な男子数名求む。現代の花形 船橋ヘルスセンター」と書かれていた。

5人は早速船橋ヘルスセンターで働き始める。

一ヶ月後、寄宿舎に全員を集めた長吉は、給料、チップ代、残業手当などを含め30万の金が貯まったことを報告すると、一ヶ月前の気持を忘れるんじゃねえ!それもこれもただ1人の男のためだ!と言う。

社長と言うゲジゲジですとヒデオが補足すると、お前らの黒幕もゲジゲジらしいじゃないか?資本を作って「コーポラス 花園」と言うヘルスセンターを作るんだ! 30万もやがては30億になるのも夢じゃない!と長吉が言うので、土地は?と忠太郎が聞くと、実はもう10万で手付金を払っておいた、本当は100万なんだ。

明日から死んだ気で働きまくるぞ!と長吉は檄を飛ばす。

それからの彼らは、ヘルスセンターの舞台で演奏したり、国定忠次の芝居を演じたり、寿司を握ったりと多忙な毎日を過ごす。

そしてとうとう、銀行に出向いた5人は預金していた100万の現金を受け取る。

感激した彼らは、銀行の床に受け取った1万円札を並べたりする。

そしてその金を持って不動産屋に出向いた5人だったが、部長の権藤(田中邦衛)が出て来て、あの土地は社の方針で売らんことにしましたと言い出す。

そんなバカな!と長吉が抗議すると、土地の値段は絶えず変動するもので、今は当時の10倍に跳ね上がりましてねなどと言うので、2ヶ月前に手付けを打ったじゃないか!と長吉が証文を出して言い返すと、これは手印がないじゃないですか?逆に偽造で訴えられますよなどと権藤が嘲るので、ペテンにかけたな!と長吉たちが怒ると、怪しげな外国人たちが威嚇するように部屋に入って来たので、ヒデオは、進駐軍だ!と怯える。

社長を出せ!と要求すると、社長は留守です、おめでたですがな…と権藤は苦笑する。

ダイヤモンドホテルでは、今正に北小路とみつ子の結婚式が執り行われていた。

ボーイやバンドマン、来客に化けて5人はその部屋に潜入する。

司会者(水谷良重)の進行で、司会者の新郎新婦のケーキの入刀が行われ、お友達からの花束贈呈になった時、女性たちに交じって和服で女装したヒデオが新郎の北小路に近づき、おめでとうございますと言いながら花を渡すと同時に、北小路のシャンパングラスにこっそり薬を投ずる。

ヒゲを付けて来賓に化けていた長吉は、戻って来たヒデオに、入れたか?睡眠薬と聞くと、ヒデオは大丈夫!と答える。

そこに他のメンバーも集まって来て、長吉は段取り通りだと伝え、百万はちゃんと自分の上着に入れてあると全員に確認させる。

衆議院議員佐藤田子作が挨拶を始め、北小路がグラヌのシャンパンを飲み干すが、30秒で利くはずの睡眠薬の効果が出て来ないので、長吉とヒデオは焦り出す。

変だな?とヒデオが取り出した薬瓶を見た長吉は、これ下剤じゃないか!もうすぐ救急車が来る手はずになってるんだよ!と狼狽する。

北小路は腹の調子が悪くなり、部屋を飛び出して行く。

どうしよう?先輩!とヒデオが聞く、俺にも分かるか!何もかもめちゃくちゃだ!このドジやろう!と長吉も呆然とするばかり。

間違ってました!としょげるヒデオ。

そこに、救急隊員に化けた忠太郎や太たちが担架を抱えて乱入して来たので、ダンドリが狂ったんだ!と小声で打ち明けた長吉は、君たち!部屋間違えたんだろう?と他の客に聞こえるように大声を出しながら忠太郎たちを部屋から追出す。

その間、トイレから戻って来た北小路は、又すぐ催し、トイレにUターンすることを繰り返していた。

俺たち雪隠詰めだ!と長吉が嘆くのを聞いたヒデオは、そうだ!と何かを思いつき長吉に耳打ちする。

その後、トイレで待ち受けていたヒデオと長吉は、大便所に入りかけた北小路を襲い、個室に閉じ込めると睡眠薬を飲ませ、北小路にブラジャーを仕込んだセーターを着せ、カツラをかぶせて女装させると、失神した女性に見せかけ、他の仲間たちとホテルの外に用意していた車に乗せる。

ホテルのガードマン(林家珍平)たちが何事ですか?と聞いて来たので、めでたい席でのご不幸です!ご内聞に!と長介がごまかし、全員車で走り去ったので、ガードマンは神妙に頭を下げて見送る。

港に着いた一行は、船荷が置いてある倉庫に車ごと乗り込む。

ヒデオがおしっこしたくなりました!と申し出るが、長吉が、お前のせいじゃないか!と叱ると、間違ってました!とヒデオは反省する。

そこにあった用意アフリカ行きの木箱の中の蓋を外し、中の藁屑を取り出した一行は、その中にまだ眠り続けている北小路を詰め込む。 すると北小路が起きそうになったので、薬!と長吉が命じる。

ヒデオは車の中で睡眠薬を入れた水を作り、そこに置いてあった上着と一緒に木箱の所へ来ると、水を北小路の口に流し込み、上着を顔にかけてそのまま蓋を打ち付けてしまう。

「FOR AFRIKA」と書かれていた表記の上に、赤いテープでバッテン印を貼った長吉は、さあ、この×が目印だぞ!と全員に確認させる。

船員が気付かないかな?と太が案ずるので、実はこいつは珍大海と言う三国人で日本に国籍はない男だから大丈夫だと教える。

その後、船から降りて観察していた5人は、ちゃんと×印を付けた木箱が船に積み込まれるのを確認する。

そして、その貨物船が出港したので5人は大喜びする。

兄貴!これであの百万はどうしようか?と工助が聞き、ヒデオは手をしめましょうと言い出したので、長吉は、ヒデ、上着を持って来い!と命じる。

車の側に近づいたヒデオは、上着がないことに気付き、さっき自分がやったことを思い返す。

百…と絶句するヒデオに、早く持ってきな!と長吉は急かすが、愕然として戻って来たヒデオは、箱の中!先輩の上着、箱の中!と震え声で報告したので、全員真っ青になり、突堤に走り、その船待て〜!と叫ぶが、船はもう遠ざかっており声が届くはずもなかった。

百万円!泥棒め!などと悔しがる5人だったが、ヒデオは着ていた和服を脱ぎ捨て裸になろうとするので、おめえ泳げるのか?と忠太郎が聞くと、ヒデオは泳げないことに気付く。

全員腰砕けになり、20万返せ〜!と口々に文句を言う。

ヒデ、俺は愛想尽き果てた…と長吉から言われたヒデオは、山で自殺します…と呟くので、全員解散!と長吉は号令を出す。

結婚式場から新郎が失踪すると言う前代未聞の事件は大きく新聞で報道される。

だがしかし、事はこれで終わらなかったのである。(とテロップ) 電光ニュースで、アフリカ行きの船で新郎が見つかると言うニュースが流れる。

保護された北小路は、小舟で日本に戻って来るが、一体これはどう言うことだ!断じて許さない!と激高していた。

その後、北海道のある工事現場で働いていた長吉は、誰だ?俺に会いたいなんてとぼやきながら待っていた長谷川(犬塚弘)の前にやって来る。

長谷川は手錠を取り出すと、誘拐容疑で逮捕する!と長吉の手を取る。

北九州のある港で仲間たちと博打をしていた忠太郎の前にやって来た関口(安田伸)も、北小路社長誘拐で逮捕する!と言いながら忠太郎に手錠をかける。

ある雪国の飲屋街では、大川(石橋エータロー)が一緒にいた工助と太を逮捕していた。

南国のある漁村、砂浜で働いていたヒデオは、やって来た駐在(殿山泰司)が手錠を出すが、輪っかが開かないのを見て、それを受け取ると砂の上に起き、足で踏んで開いてやる。

それを受け取った駐在は、ヒデオの手に手錠をはめ、逮捕すると伝える。

港南警察署の牢に入れられた5人を前に、福島県辺地郡日蔭村…と5人の出身地を確認した関口ら3刑事は、どいつもこいつも手を焼かせやがって!どうだ居心地は?長吉よ、ネタはみんな分かってるんだ…と鉄格子越しに睨みつける。

旦那、そっちから見ると自然動物園でしょう?などとヒデオは自分たちの様子を自嘲する。

裁判次第では無期懲役か死刑だ!と関口が脅していた時、やって来た婦警(横山道代)が何事かを3人の刑事に耳打ちする。

それを聞いた3刑事は、えっ?と驚き、その場から去って行く。 取り残された5人は、死刑は嫌だよ〜と嘆き出すが、刑事部屋に戻って来た関口は、ドアの前に貼られていた箱詰め誘拐事件の貼り紙を破り捨てる。

署内に集まっていた記者たちは、東洋の麻薬王!瓢箪から出た駒か!あいつら一躍英雄か…などと噂し合っていた。

牢の中では長吉が、泣くな、みっともない!全員集合!と声をかけていた。

北小路社長の正体が、実は麻薬王珍大海であることを知った関口は、記者たちから事情の説明を求められ、本庁から来た脇田刑事に聞いてくれよ!と追い返す。

その頃、牢の中の5人は、高い所にある窓から逃げ出そうと、スクラムを組んでヒデオを持ち上げていた。

そこへ、本人たちを刺激するような記事は禁止するよと釘を刺しながら、記者たちを関口刑事が連れて来るが、牢の中の5人の様子を見て、何やってるんだ?と驚く。

外は雪じゃないのか?とヒデオはとぼけるが、まだ知らないの?あんたたちは釈放だよと記者たちが教える。

晴れて釈放された5人との合同記者会見が始まり、代表(高橋圭三)が、あの百万はあなたたちのものなんですね?あの男が食うのに困らないように入れたとすると近来の美談ですね?などと褒めて来る。

珍が見つかった船は警察が追っていた、珍が取引に使っていた船だったのだとも代表は教え、用意周到で見事なお手柄でしたねと絶賛する。

誰のご発案ですか?と聞かれたヒデオは真っ先に手をあげ、あなたが北小路社長が珍大海と気づいたのはいつですか?と代表が聞くと、今ですと答えたので、場内にいた記者たちは大笑いする。

翌日の新聞には、珍大海自白!の記事と、一躍英雄になった5人の写真が掲載される。

港でそれを見た長吉が、ヒデ、見ろよ!と自慢げに話しかけるが、嫌な思い出ばかり…とヒデオが嘆くので、何を!と長吉は怒り出し、またヒデオは、間違ってました…と反省する。

そこに、長さん!ヒデちゃん!とみつ子が近づいて来て、本当に良かったわ、おめでとう!と声をかけて来たので、ありがとうと長吉が言うと、お礼を言うのは私の方よ、命の恩人よと答えたみつ子は、本当のことを言いに来たの。

結婚したい人がいるの…と言い、コンテナの間にみんなを案内する。 そこにいたのはサブだった。

みつ子とサブの結婚式が港のトラックの荷台で行われ、2人はキスをする。

めそめそするなよ、高砂やロックと行こうぜ!と呼びかけた長吉たち5人は全員スーツ姿で参列していたが、トラックの荷台の上で演奏を始める。

その後、たくさんの缶を引きずりながらトラックが新婚旅行に出発すると、5人の仲間たちは港で踊り、やがては船の上に乗って演奏を続ける。

やればやれるぜ何事も〜♩

演奏を終えた長吉が、全員集合!と号令をかける。


 


 

 

inserted by FC2 system