かつての人気コミックの実写化だが、改めて見直してみるとどう見てもメジャー系としてはかなりの低予算作品で、一言で言えば「安っぽい作品」 制作費10億等と言う書き込みもネットにはあるが、あくまでも宣伝用の数字だと思う。 劇場版「仮面ライダー」シリーズや「ゼブラーマン」などと大差ない絵作りに見え、基本的には子供映画好きオタクターゲット向けのテレビスペシャルレベルに近い物を感じる。 宣伝目的のゲスト出演のような有名人はいても拘束時間は短そうだし、メインの役者陣にギャラの高そうな人は誰も見当たらない上に、CG部分は東映アニメが自社内で作っているので、予算がかかっているなと思えるシーンがどこにも見当たらない。 内容は、デーモン族が人間界に現れ、世界が一変し、戦争状態から世界壊滅までを描く大天変地異設定なのに、これだけ低予算では見せ場らしい見せ場を作るのも容易ではなかったはずで、人類が滅亡して行く課程をボブ・サップ演じるキャスターの報道映像と薄っぺらなCG処理でごまかしているだけ。 ドラマ部分の展開ももたつきがちで、ひ弱な青年だった明が後半成長すると言う成長物語も見えず、これでは映画的な盛り上がり等期待する方が無理だろう。 人間とデビルマンの中間体になった明が、握りしめた右手を90度に折り曲げて顔の前に突き出すポーズや、敵を倒した後、滅びろ!デーモン!と必ず言うのは、原作にもあるお約束なのか?それとも映画独特のアイデアなのか? 正直、幼児向けヒーローものレベルで、決まっているとも、格好良いともは思えない。 個人的にも正直褒めるような作品とは思わないが、ネットでヒステリックに叩かれる程目も当てられない駄作とも思えず、原作を知らないと言う事もあり、封切時にはいつもながらの安っぽい東映の現代劇と言う感じで特に違和感もなく普通に見た事は確か。 ただ見所が全くない訳ではなく、デーモンの出現で人間社会が魔女狩りや密告社会に変化する恐ろしさが描かれており、それは奇しくも、ネットの普及で炎上やネットリンチ等が蔓延するようになった現代社会に重なる部分もあり、この作品自体が、公開当時普及し始めたネット上で炎上やリンチの餌食になってしまった事と重ね合わせると興味深い。 誰かにデーモンだと言われたらそれでお終い…、恐ろしい社会になった…と言う劇中での牧村啓介の言葉が、そのままネット社会の恐ろしさの予兆だったようにも感じる。 蝶のようなデーモンに変身するキャラクター等は、最近見た「東京喰種 トーキョーグール」の同じようなキャラを想像させたりするし、小学生のススムを演じているには染谷将太さんだったりするので侮れない。 このススムと言うキャラクター、原作にも登場しているのだろうか? 永井豪先生の短編に「ススムちゃん大ショック!!」と言う恐怖譚があり、そこからエピソードとキャラクターを借りて来ているような気もする。 宇崎竜童さんご夫妻の出演もうれしく、奥様の作詞家阿木燿子さんもまだきれい。 一つ気になるのは、封切時にスクリーンで見た内容と、今見直している映像は若干違っているような気がしてならない所。 特に、ニュースキャスターとしてたびたび登場しているボブ・サップのCG処理映像は、封切時は逆三角の街頭テレビではなく、もっと奇抜な形態にマッピングしてあったと記憶しているのだが、こちらの思い違いだろうか? BL的な要素も、ファンの間では有名な事なのだろうか? |
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
2004年、「デビルマン」製作委員会、永井豪原作、那須真知子脚色、那須博之監督作品。 (回想)暖炉の炎 その前で仲良く絵本を読んでいた男の子2人は、絵本に描かれた狼男やケンタウロスと指差す了飛鳥了に、了ちゃん、怪獣好きなんだと幼い不動明が話しかける。 すると幼い了は、うん、仲間だからなと答えたので、仲間?と明は不思議がる。 あいつは昔から少し変だった。(と現代の明のモノローグ) 明、お前も仲間になれ!と幼い了は言いながら狼男のマスクをかぶるので、明も真似してモンスターのマスクをかぶる。 それでもあいつとは、いつも一緒だった…(と現代の明のモノローグ) その後も、2人の男の子は、絵本に描かれたハーピーなどのモンスターを熱心に見ていた。 そのページの中の世界にカメラが吸い込まれていく。 タイトル (現在)高校のグラウンド、コースを走る2人の青年。 その日、俺らはいつものように部活をし、俺はいつものように限界で… コースに倒れ込んだ倒れた不動明(伊崎央登)に、ぜんぜん進歩してないな、明…と、そのばでランニングしながら話しかける飛鳥了(伊崎右典)。 良いの、行けよ、了!と倒れたままの明は言う。 あいつは何をやっても学校で一番で、いつも俺のはるか先を走っていた。 俺は憧れていた… 下校時、了の運転する車に笑顔で乗り込む明だったが、了は無表情だった。 ショッピングモールのような場所に来た2人。 明くん!とセーラー服姿で駆け寄って来た牧村美樹(酒井彩名)に、美樹ちゃん!と笑顔で答える明に、お前、何で笑ってるんだ!と了が睨みつけたので、相変わらず感じ悪い!と近づいた美樹が嫌みを言う。 じゃあ、明、明日学校でな…と挨拶し去っていく了に、学校でなと明も答える。 俺たちはいつもと同じ言葉で別れた… おんなじ顔なのになんか苦手…と美樹はぼやく。 明くん、了君と他人で良かった…と美樹が言うので、あいつ、笑えないんだと明が教えると、そんな人間と付き合うの止めたら?と美樹は言う。 牧村家 俺は美樹の家に引き取られている。 俺の両親は4年前に交通事故で死んだ。 身寄りのなくなった俺を牧村家が引き取ってくれた。 お早うございますと明が挨拶したのは、庭先で新聞を読んでいた牧村啓介(宇崎竜童) 孤独だった俺に再び家族が出来た。 ケーキを焼いていたのは美樹に、ケーキ?何で朝から作ってるの?と明が聞くと、急に笑い出した牧村は、やっぱり忘れてたな、明君、自分の誕生日…と行ってしまったので、もう!あれだけサプライズパーティやるって念を押したのに!お父さんのば~か!と美樹は呆れながら抗議する。 そう云う所がね、抜けてるのよね、お父さん…、昔からそうだけど…と、テーブルの準備をしていた牧村恵美(阿木燿子)も笑いながら言う。 ごめん!と身を縮めながら、庭先から部屋に入って来る牧村。 俺の誕生パーティなんてどうでも良いいのに…、なんかいつもすみませんと明が恐縮すると、何言ってるのよ、明君、この家に来てもう4年になるのよ、家族の一員でしょう?そう言う変な気遣いは止めてと恵美は優しく明をテーブルへ誘う。 朝食を始めた明に三木が微笑みかける。 その日、明は学校で六平(田中鈴之助)、洋二(川久保拓司)、ミノル(中山貴将)の3人組にいじめられていた。 飛鳥の奴に言っとけよ、今度俺をゴミみたいに言いやがったら殺すってな…と、竹刀を肩に担いだいじめっ子が言う。 倒れていた明は、了には絶対手を出すな!俺が許さねえ!と言いながら立ち上がり、相手に向かって行こうとするが、あっけなく叩きのめされてしまう。 あらあら弱すぎ…、女がいないとこいつ、女以下…と罵倒したいじめっ子たちがその場を立ち去ろうとしたとき、牛久雅夫(仁科克基)が立ちふさがって、中学の時、不動明をぼこぼこにした奴がいる…といじめっ子たちに話しかける。 (回想)飛鳥了は植木バサミを持ってそいつの教室に乗り込み、ものも言わずに植木バサミでそいつの指をねじ切った… 先生(布川敏和)すら縮み上がって何も出来なかった時、飛鳥を止めたのは… 止めろ!了!と叫びながら教室に入り込んで来て了を殴ったのは明だった。 弱虫でいつもいじめられていた(と牛久の独白) 先生、救急車!と明が言うと、ようやく先生は頷いて教室から出て行く。 お陰でそいつの指は助かったけどね…と言いながら、右手の指を差し出して園男の人差し指と中指の根元には傷跡があったので、思わずいじめっ子3人組はひるむ。 飛鳥了を心配していった訳じゃない、お前らのことを心配して言ったんだ!飛鳥は人を殺すことなんか平気なんだよ…と言いながら、牛久は、スケッチブックに描いた不気味な絵を見せながら言う。 不動はそれを知っているんだ! 明はその後、校舎脇でバーベルを上げながら、俺、弱すぎ…、強くなりてえ!と自分を責めていた。 そんな明は美樹の姿が見えたので、慌てて怪我をしている顔を隠しながら逃げ出す。 体操着姿の美樹は、てめえ、学校来ると暗くなるんだよ!と言われバレーボールをぶつけられいじめていたミーコこと川本巳依子(渋谷飛鳥)の所に駆け寄ると、何をされても黙ってるからよ!ダメよ、川本さん、戦わなきゃ!と叱り、いじめっ子3人組の女生徒沙織(仲程仁美)、由香(石川佳奈)、美穂(森本ゆうこ)の前に立ちふさがる。 そして美樹は、いじめっ子に思い切りバレーボールをぶつけ、ミーコを抱き起こして一緒にその場を立ち去る。 その後、授業中の教室にやって来た了はを見た教師の沼田(今井雅之)は、飛鳥、1週間も無断で学校休んで何やってたんだと説教する。 すみませんと了が素直に謝ると、良いから席に付いてと沼田は促す。 しかし、明の顔を見た了は、誰にやられたんだ?と聞いて来る。 そして、机の上の鉛筆を握ってへし折ったので、後ろの方の席に座っていたいじめっ子3人組は思わず身を引く。 すると明は立ち上がり、あの時、約束したよな?覚えているよな?と問いかけると、そうだな…、どのみち大した問題じゃなくなる…と了も答え、明、俺のオヤジが死んだ…と告げる。 下校時、了の車に乗り込みながら、おじさんが死んだってどう言うことだ?と聞く明に、親父の別荘に行けば分かる、これを見ろと了は言い、VR装置を明に渡す。 車に乗り込みVR装置を頭に装着した明に、飛鳥教授(本田博太郎)の姿が見える。 私たちは南極の地底湖のボーリングに成功し、5億年前の地層から常温地層核融合する夢のエネルギーを発見した。 その1gで石油の800万倍…、だが私たちは間違えた…、エネルギーではない。 それは他の種族の身体を乗っ取ったり食べたりしながらひたすら進化し続ける知的生命体…、恐ろしいデーモンだったんだとVRの中の飛鳥教授は説明する。 私たちはすぐに研究所を閉鎖した。 だが、遅かったんだよ…、了…、研究所に勤めていた何千人もの人間が、もう既にデーモンに合体されていた…、私の了…、VRイメージはそこで途絶えていた。 別荘に到着した了が大広間の扉を開けると、その奥には、何か不気味な生命体と合体したような飛鳥教授が蠢いていたので、思わず明は悲鳴をあげる。 何だよ、これ何だよ!と怯える明に、オヤジだよ…、デーモンに合体されたんだ…と了は無表情に教える。 飛鳥教授は明の目の前でもがき苦しんだ末、息絶える。 すると了までもが、俺も合体されたんだ…と告白する。 明、助けてくれ!俺は人間じゃなくなったんだ…としゃがみ込んだ了が訴えて来る。 死んだ方がましだ…と言いながら、壊れた額の中に入れてあった骨董のナイフを取り上げた了は、明に向かって殺してくれと頼む。 なあ、殺してくれよ!と言いながらナイフを押し付けて来たので、それを奪い取ろうとしながら、止めろ!友達だろう!俺が何でお前を殺すんだよ!と明は説得する。 了を殴り飛ばし、奪い取ったナイフを床に投げ捨てた明だったが、その時、魔物が蠢く部屋から、何かが飛び出して来て明の腹に突き刺さる。 明の身体は変形しデビルマンになると、背後から近づいたモンスターがアモンが復活したと喜ぶ。 しかしデビルマンが振り返ると、違う!アモンじゃない!殺せ!と叫んだモンスターが飛びかかって来る。 そのモンスターを殴り破壊したデビルマンは、降りろ!デーモン!と叫ぶとデーモンの形が少し残った元の明の身体に戻る。 その時、明!と呼びかけて来た方を見た明は、空中に浮かんでいる天使のような了の姿を見て、お前、きれいだな…と呟く。 そして、自分の身体を見ながら、ああ…、俺…、俺が殺したんだよな…と明は呟く。 そして、床に落ちていた鏡に映った自分の身体を見た明は、ああ…、俺…、デーモンになっちゃったよと嘆く。 そんな明に空中に浮かんだ了が、違うよ、人間の心を持つデビルマンだと言葉をかけて来る。 デビルマン?と明が問いかけると、身体はデーモンだけど、心は人間だと了は答える。 床に降り立った了は明に近づき、その左手を掴むと、ハッピーバースディ、デビルマン!と語りかける。 次の瞬間、気がついた明は、牧村家の自分の部屋にいた。 鏡台を見ると、身体に傷のようなものがあったので驚くが、良く見ると、それは鏡に付着していた花弁だった。 明は普通の身体だった。 その時、明君!と呼ばれたので、はいと返事をして服を着て外に出てみた明だったが、一日遅れのハッピーバースデイ、明!と美樹が言いながら見せたのは、新品のバイクだった。 これを!俺に?と驚く明に、明君、いつまでも免許だけじゃ可哀想なので、家族みんなからのお祝いよと恵美が言い、中古だがね、これで我慢してくれと牧村も笑顔で話しかけて来る。 おじさん、おばさん、美樹ちゃん、すみませんと明は頭を下げる。 そんな幸せな牧村一家の様子を、隣から盗み撮りしている男がいた。 明は美樹を乗せバイクを走らせる。 美樹はうれしそうに写メで自撮りをし、気持良い!とはしゃぐ。 学校に着いて、バイクから降りた美樹に、美樹ちゃん、もし俺が人間じゃなかったら…と明が聞くと、人間、何?と美樹は意味が分からない良うだったので、何でもないとごまかす明。 その直後、不動!と牛久が駆けつけて来る。 指斬られちゃ堪らないからな、こっちから来てやったの…と、校舎裏で了を取り囲んでいたのはいじめっ子3人だった。 植木バサミがないと怖いか?と木刀や拳を突き付けて来たので、本当、幼稚だな、お前ら…と了は睨みつける。 明が駆けつけて来て、了、待て!と声を掛けると、寮はその場を黙って足し去ったので、お前ら俺ら嘗めてんのかよ!といじめっ子らはいきり立つ。 しかし、3人が飛びかかろうとした明の動きはいつものものではなく、全く歯が立たないことに気付く。 そこに、牛久と美樹が駆けつけて来る。 3人のいじめっ子を叩きのめしたのを目撃した牛久は、何で…と呟くが、美樹はうれしそうに、かっこ良い明君!とVサインをして来る。 海辺をバイクで走る明。 その後、海辺の岩場で絵を描いていた牛久に声をかけて近づいた明は、海女を描いている奇妙な絵を目にして絵描きになるのか?と語りかける。 なれれば良いけどな…、変なのしか描けないけど、手のリハビリのつもりが本当に絵を描くのが好くになって…、まだ時々、夢に飛鳥が出て来るんだ…と答える。 俺本当は悪魔なんだよ…、飛鳥はそう言ったよ、俺の指を切ったんだ…、不動…、飛鳥には気をつけろよと牛久は忠告すると、自分のスケッチブックに描いた奇妙な悪魔のような絵を見せる。 それを見た明は、飛鳥の姿がダブって見えめまいを覚えて立ち上がる。 俺は強くなりたくて突っ張ってた…、そしてお前をいじめていた。なのにお前は助けてくれた。 ごめんな…と牛久が詫びて来たので、もう気にしてないよと明は答える。 やっと言えた、ありがとう…と、素直になった牛久も礼を言う。 夜、風呂上がりのバスタオル姿で鏡台の前に座っていた美樹を、望遠鏡で盗み見している男。 満月の空から翼の生えた何かが降りて来る。 1人ソファに腰掛けていた明は、畜生!戦いたい!敵が欲しい!どうしてだ?と呟いていた。 そんな明の部屋の天窓に、「亜門、亜門」と呼びかける女の声と共に、白い羽根が落ちて来る。 屋上へ出てみると、そこに頭に羽根が付いたシレーヌ(冨永愛)がおり、お前が私を呼んだ…と言う。 誰だ?と聞くと、お前が生まれた場所に行けば思い出す。行こうと右手を差し出してシレーヌは誘う。 ためらいながらも、明がシレーヌの手を握った時、下の部屋で明の名を呼ぶ美樹の声が聞こえて来る。 屋上に上って来た美樹は、天窓に残っていた白い羽根を見つけ不思議がる。 飛鳥の父親の屋敷でデビルマンになりかけた姿になった明に、その姿になってもまだ私を思い出さないのか?アモン…と呼びかけたシレーヌは、お前の名だと言う。 明君?あの人間の子はお前をそう呼んだな?とシレーヌが言うので、それが何だ?お前はデーモン、それだけだ…と明が言うと、そうか…、お前はやっぱり人間なんだな…、なら滅びろ!と言うなり、シレーヌは明に挑みかかって来る。 明が手強いのを悟ったシレーヌは、頭の翼を広げ、裸体に近い死体に変身する。 それに対し、滅びるのはお前だ、デーモン!と明は呼びかけ、デビルマンに変身する。 都会の上空で壮絶なシレーヌとデビルマンの戦いが始まる。 しかしシレーヌの方が強く、又飛鳥の屋敷に墜落したデビルマンは血反吐を吐き倒れる。 だめだ…、デビルマンの力が体中から抜けて行く…と明が考えていると、そこに近づいたシレーヌが、哀れだな、アモン…と不憫そうに語りかけて来る。 人間に意識を乗っ取られたお前を見るのもこれが最後…、滅びろ!と言いながら、シレーヌは明の顔に手をかける。 その時、部屋の扉が開き、シレーヌ!と呼びかけたのは飛鳥だった。 気がついた明は屋敷の外に倒れていたが、目の前にいる飛鳥に気付き、了!と呼びかける。 大丈夫か?と飛鳥が言うので、ああ…と答えた明は、でも、腹が…と言いながら上半身を起こすと、細胞が細胞を呼び感じであっという間に治ってるんだ、お前と合体したデーモンは強靭な細胞の復元力を持つ凄い奴だったんだな…と飛鳥が言うので、アモンって言うんだと明は教える。 アモン?…、シレーヌはアモンが好きだったんだ。アモンに会いたかったんだよ…と飛鳥は言う。 立ち上がった明は、お前、どうして俺の居場所が分かったんだ?と聞くと、デーモンだからな…と飛鳥が言うので、お前はデーモンじゃない、誰も殺してないだろうと明が指摘する。 その明の頬が涙に濡れている事に飛鳥は気付く。 俺は人間じゃない…、デーモンだ…と嘆く明に、デーモンは泣かないよ、明…と飛鳥は言う。 「MONSTER CAFE」と言う店で茶を飲む事にした明が、デーモンって何で合体するんだ?と聞くと、それ自体は弱い生き物だからだよと飛鳥は教える。 生き残るために他の生物と合体し、即座にその遺伝子を取り込む能力を身につけたんだと言う飛鳥に、じゃあ、鳥と合体したデーモンは飛べるとか、そう云う事か?と明は聞くと、うんと言う お前、俺を助けてくれたんだな?俺は運命だと思う事にしたよと明が言い出すと、運命?と飛鳥は問いかける。 俺は人間を守るためにデビルマンになった…、美樹ちゃんたちを守るためにそうなった…、そう思わないと耐えられないんだよ、了…と明が言うと、ごめん…と飛鳥は詫びる。 明…と呼びかけた飛鳥に、良い…、もう俺の運命は決まったんだ…と明は決意したように言う。 自宅の屋上から自分の部屋に戻って来た明は、ベッドに座り一晩中待っていたらしき美樹から、不良!どこに行ってたのと文句を言われる。 ああ…と曖昧に答え近づいて来た明のシャツに血が付いている事に気付いた美樹が身体を確認しようとしたので、止めろ!と言いながら美樹を押し返そうとした明だったが、そのままもつれ合い、美樹をベッドに押し倒す形になる。 美樹は明君…、何か変わった…とベッドの上で呟く。 どう?と明が聞くと、分かんないけど…と美樹が言うので、美樹ちゃん、今の俺、嫌いか?と明が聞くと、好きよと言うので、本当か?と聞き返した明は、俺はもっと好きだと言った明はそのまま美樹にキスをし抱き合う。 国内のニュースです。人間の身体の一部が路上やゴミ箱で発見されるバラバラ殺人事件が東京や大阪など各地で多発、警察は大規模な捜査を始めましたとテレビのニュースキャスターモリソン(ボブ・サップ)が放送していた。 自転車で配達途中の郵便配達人(船木誠勝)が、とあるショッピングモール内で亀を売っていた露天商に、食いてえ、食いてえ…と呟きながら近づいて来る。 店の前でゼニガメを棒で弾いていた小学生の肩をつかんだ郵便屋は、生き物はな、殺すんじゃねえ、食うんだよと言うと、殺すな、食え!殺すな!食え!と言いながら、その場でゼニガメを口に入れて食い始めたので、店主も小学生も腰を抜かす。 その郵便屋は突然は虫類のような顔になり、振り向いた先のベンチに座っていたのが牛久だった。 助けて!助けて!と牛久の呼び声を、夜の海岸をバイクで飛ばしていた明は聞く。 岩場には牛久のキャンパスと絵が残っているだけだったので、必死に明は波打ち際周辺を探しまわるが、助けて!不動!と言う声だけしか聞こえない。 水の中を覗き込んだりしながら、牛久!どこだ!と呼びかける明。 海の中でデビルマンに変身した明は翼を広げ飛び立つと、近くの森に着地して人間との中間体の姿に戻る。 そこには、何かイソギンチャクの触手のような物の中に牛久の顔があるのを見つける。 俺、こいつに食われちゃったよ…と身動きしない牛久の顔が言う。 雲が晴れて空の満月が姿を現すと、牛久の周辺にも、同じように触手に食われた子供や大人の顔が出現し、僕も何だよ、私もだよ…と口々に話しかけてくる。 明が近づいてみると、ずっとお前の友達になりたくて、やっとなれたと思ったら、俺死んじゃったよ…、もっと生きたかったのになあ…と牛久は嘆く。 その時、牛久らの顔の部分は甲羅で長い首の亀のようなデビルが、俺はジンメン、お前は誰だ?と振り返って聞いて来る。 俺の友達を!てめえ!と明は拳を突き上げて怒りを見せるが、甲羅に付着していた牛久は、俺らはもう死んでいる…、この顔は俺らの最後の意識だよ…、どうせ、もうじき消える…、」さそうなら不動!と話しかけて来る。 それを聞いた明は、うん、俺お前の事絶対忘れねえと頷く。 ジンメンが、食いてえと首を伸ばして来たので、滅びろ、ジンメン!と叫んだデビルマンは、デビルマンに変身し、甲羅に鉄槌を加えたので、倒れ込んだジンメンは、何で俺を殺すんだ?と聞いて来る。 お前デーモンだろう?デーモン同士は殺し合わないはずじゃねえか!と文句を言うジンメンに、俺はデーモンじゃない、デビルマンだ!と明は答える。 お前が殺した人たちと同じ人間だ!と言うと、俺は殺してねえ!食っただけだ、人間だって他の動物食うだろう?だから食っただけだ…、サタンと違う…とジンメンは言い返して来る。 サタン?と明が聞くと、あいつは人間を全部抹殺しようと考えている。 俺は違う、食っただけだ…、それだけだ…と横たわったジンメンは言うと息絶える。 サタン?…、ジンメンを倒した明は、ショッピングモールに置いていたバイクに戻っても考え込んでいたが、その時、屋外テレビで「モリソンズ・ワールド・ニュース」のキャスターモリソンが、全世界でも謎のバラバラ事件が多発…と言っているのを見る。 アメリカでは怪物化した人間が人間を襲っていると言う情報があり、FBIが捜査に乗り出しました…とモリソンは緊張気味に報道する。 翌日、学校では定期試験をやっていたが、担任の沼田(今井雅之)が悲しげな表情で牛久の遺影を机に置いていた。 その遺影を明は見て、俺本当は悪魔なんだよ…、飛鳥はそう言って、俺の指を斬ったんだ…、不動、飛鳥には気をつけろよ…と海岸で話していた牛久の姿を思い出すし、隣の飛鳥の顔を見つめる。 そんな学校にやって来たのはミーコこと川本巳依子だった。 パソコンの授業を終了したばかりの美樹の所に来たので、どうしたの?ずっと学校休んでいたから心配しちゃった?と美樹が聞くと、ちょっと私…と言いかけたミーコだったが、いじめっ子の由香が、何だ、学校辞めたんじゃないの?何私服なんか来てるんだよ!とからかって来る。 さらに、同じくいじめっ子グループの美穂も、あんた、もしかして、テレビで言っていたデーモンなんじゃないの?などと嫌がらせを言って来る。 身体、調べて上げようか?ミーコちゃん!と沙織も加わると、3人娘はいきなりミーコを捕まえ、隣の部屋に連れ込む。 そして、見せてみろよ!とミーコに詰め寄っていた沙織は押し倒されたので、何するんだよ!と怒ってミーコにつかみ掛かったので、止めなさいよ!と美樹が止めに来た時、ミーコのシャツの左袖が破れ、そこにデーモンに変化しかかっている文様の入った腕が見えたので、それを見た女生徒たちは悲鳴をあげる。 違う!とミーコは3人に近づこうとするが、怖がった沙織はデーモン!と罵倒する。 するとミーコの左腕の文様からレーザー光のような光が側の地球儀に照射され、地球儀はあっという間に燃え崩れる。 いじめっ子たちは悲鳴を上げて部屋から逃げ出し、残されたミーコは悲しげな表情になったので、唖然としながらも美樹は、川本さん…と呼びかけ近づこうとするが、ミーコは悲しげな顔のまま離れて行く。 通報を受けた静岡県警がパトカーで学校にやって来て、生徒諸君は教室にそのまま待機!一歩も外に出ないで下さいと呼びかけ、パニック状態になったパソコン教室の生徒たちは、警官に誘導され一斉に校舎から逃げ出して行く。 警察車両が集まって来るのを、ベランダから飛鳥が冷ややかに眺めていた。 いじめっ子たちが事情を聞かれていたパソコン教室に警官の制止を振り切って入り込んだ明が、現場検証していた隣室にいた美樹に、大丈夫か?と声をかける。 大丈夫よ、でも…、デーモンと言われてあの子泣いたの…、だから違うの!身体はどうでも、川本さんは人間よ、デーモンなんかじゃない!と美樹は明に訴える。 その時、明の方を叩いて来たサングラスの男がいた。 「モリソンズ・ワールド・ニュース」では、ロサンジェルスから衝撃的な映像が届きましたとモリソンが言っていた。 パトカーの警官にデーモンと化した男が銃を撃っている映像だった。 マンションの下にあるブランコに乗っている少年ススム(染谷将太)に近づいたミーコは、隣良い?と声を掛けると、ブランコを降りたススムは良いよと答え振り返る。 後ろ向きの乗ったススムに、ブランコに乗ったミーコは、家に帰らなくて良いの?と聞く。 するとススムは、ママが怖いんだよと言う。 ブランコを止め、怖い?とミーコが聞くと、最近急に変わっちゃんたんだ…、いつかきっと殺されるよ…と言いながら、ススムは自分のセーターをめくり腹を見せるが、そこには殴られたような紫色の痣がいくつもあった。 お父さんには言ったの?と聞くと、言ったよ、でも信じてくれないんだ、パパの前じゃ、ママ何もしないから…とススムは言う。 その時、ススム!遅いから心配しちゃった…、帰りましょう…と言いながら、母親らしき女(洞口依子)が階段を降りて来る。 しかしススムは怯えたように、もう少しお姉ちゃんと遊んでるとミーコの腕を掴んで来る。 すると母親は、迷惑でしょう…、パパももう帰っていて、ススム待ってるのよ…と言いながら、笑顔でブランコに乗る。 本当?と聞いたススムは笑顔になり、じゃあ帰ると言い出す。 バイバイ、お姉ちゃんとススムが言い、さ生きましょうと母親がススムを連れて行く。 ミーコは1人でブランコに乗る。 部屋に帰って来たススムは、パパ!と父親(小倉一郎)の横に近寄るが、お帰りと答えた父親の黒目はスロットのように横に回転していた。 それに気付いたススムは腰を抜かしたように飛び退く。 キッチンで真っ赤な血の色の肉を触っていた母親にすがりつこうとしたススムは、母親の口から蛇のように二股に別れた舌が出て来たのでさらに驚き悲鳴をあげる。 ススムの悲鳴がマンション中に響き渡る中、ミーコはエレベーターから降りる。 TV画面ではキャスターのモリスンが、アメリカ政府はデーモンを人間の風貌をした異生物と断定、世界各国と連携し、デーモンを人類共通の敵として戦って行く事を宣言、それを受け、日本政府もデーモン対策本部を立ち上げたが、対応の遅れに激しい非難が集中していますと報じていた。 ショッピングモール内に刃物を振り回す2人組の暴漢(ポイズン澤田JULIE、サンダー)が出現、ハンバーガーショップにいた客たちを襲い始める。 ウエイトレスも男に飛びかかり、大乱闘が繰り広げられる。 そんな中、2人組の男がデーモンに変身する。 飛鳥の運転する車でそこにやって来た明は、放っとけ、どうせあいつらクズだ!と飛鳥から声をかけられるが、俺は牛久を助けられなかった…、人間を1人も助けられないんならデビルマンになった意味ないだろう!と答える。 飛鳥は明の腕を取って止めようとするが、話せ!と手を振り払った明は、乱闘の中に入って行くので、勝手にしろ!バカ!と飛鳥は怒鳴りつける。 上半身裸の明が右手を変身させ、2人組の1人を殴りつける。 男は顔面を潰され倒れる。 もう1人のデーモンが剣を持って飛びかかって来たので、右手で剣を受け止めた明は、その剣を奪い取り、相手の腹を刺すと、滅びろ!デーモン!と言うと蹴り倒す。 剣を棄て去って行く明を見ていた床に腰を抜かしていた高校生3人客は、不動?と気付く。 川の水で血まみれの手を洗ったミーコは、川辺で腰を下ろしていたススムに近づくと、私が怖くないの?と問いかける。 するとススムは、怖くないよ、僕を助けてくれたもん…と言い微笑む。 ネオンが点いた観覧車の下、ありがとう…とミーコが感激すると、ススムが母親にすがるように抱きついて来る。 デーモンによる死者が一万人を超え、日本政府はデーモン特別法を制定、デーモンの容疑をかけられた人間は即時拘束、抵抗するデーモンは射殺されます…とモーリスが報道する。 牧村家に夜足取りも重く帰って来た牧村啓介は、酒を飲み出したので、食事の準備をしていた妻の恵美は心配して、あなた、何かあったんですか?と聞く。 同僚がデーモン特捜隊に逮捕された…と啓介はつらそうに教える。 (回想)農業試験場で働いていた啓介は、田んぼを逃げる同僚を、トラックに乗ってやって来た白い防護服のような物を着て防護マスクをしたデーモン特捜隊が追いかけ捕まえるのを見て唇を噛み締めていた。 デーモン特捜隊への通報により、デーモン特捜法第17条により…、抵抗する場合、我らデーモン特捜隊は特別法23条によりデーモン容疑者を射殺する!とアナウンスが流れ、トラックの荷台には銃を構えた隊員が同僚に銃を向けていた。 殺すぞ〜!と特捜隊の怒声が聞こえる中、それを助けに行こうとした啓介だったが、別の同僚が、庇う人間もデーモンにさせるぞと腕を掴み小声で忠告する。 田んぼの中の同僚は、デーモンじゃねえ!と抵抗していたが、やがて掴まり引きずられて行く。 彼は変わっていたが、仕事は出来る男だった… 彼を密告したのは日頃から仲の悪かった同じ同僚だったんだ…(啓介は、掴まった同僚を見て高笑いしているメガネの同僚の姿を苦々しい思いで見つめる) (回想明け)その人、本当にデーモンなの?と話を聞いていた美樹が問うと、違う!今の状況で人間とデーモンの見分けがついているとはとても思えないんだ…と酒のグラスを持った啓介は言う。 デーモンでない人間もデーモンにされてしまうと言う事ですか?と明が聞くと、そうだ、誰かにデーモンだと言われたらそれでお終い…と美樹は答える。 恐ろしい社会になった…と啓介は言う。 翌日、デーモン特捜隊本部にミーコとススムが捕まえられており、何で僕らは掴まるの?とススムは金網が付いた窓から外を見ながら、心の中で思っていた。 美樹を乗せバイクで名門学院までやって来た明は、デーモン特捜部のマークの入った立入禁止の札と「休校」と書かれた看板が校門に貼られているのを見かけ停まる。 「川本章二、早苗、巳依子」の名札が付いたミーコの自宅にもデーモン特捜部のマーク入り立入禁止札が張られ、自宅とその横に止めてあった個人タクシーには、死ね!デーモン、出てけなどと落書きがされていた。 ここだわ、川本さんの家…と、やって来た美樹は唖然としながら、その惨状を見る。 美樹が玄関を開け中の様子を見ようとしていた時、一台の乗用車が近づいて来て、明のバイクの前に止まると、運転手が、こら!なんちゅう所に止めてるんや!と文句を言って来る。 その車から降りて来た女性(小林幸子)は、ちょっとあんたたち!と明たちに声をかけて来て、ここの家からデーモンが出たのよ!家族引っ越して誰もいないわよと教えると、おたくら、まさかデーモンの仲間じゃないでしょうね?とじろじろ見つめて来る。 そして、触んないでよ、触んないでよ!と2人を拒否するかのように車に乗り込み去って行く。 美樹は明の手を握りしめる。 その後、2人はバイクで、馴染みの神父(永井豪)のいる教会へ行く。 美樹が祈り始めると、横の椅子に座った明は悪魔のような人形の付いたアクセサリーを取り出す。 何?とそれに気付いた美樹がアクセサリーを手に取ると、美樹ちゃんの携帯に付けてもらおうと思ってさ…、可愛いだろう?と明が言うと、どこが?嫌だ、こんな気味が悪いの…と美樹は明に返す。 そうか、気味悪いか…、そうだな…と明も納得する。 明君は祈らないのと聞いた美樹は、美樹ちゃんは何を祈ったの?と明から聞かれると、いつかここで明君と結婚できますようにって…と答える。 明君と結婚して、将来子供をたくさん産んで楽しい家族が出来ますようにって…、そう祈ったのと美樹は言うので、子供…と明は考え込む。 どうしたの?と美樹か聞くと、いや…、あんまり先の事だったから…、ピンと来なかっただけだよ…と明は笑って答える。 行こうと言い、教会の外へ出て行く明の姿を美樹はうれしそうに眺めていたが、外に出た明の表情は何かを思い詰めているように見えた。 その夜、牧村家に車でやって来た飛鳥は、明、付いて来いと呼び出したので、どこへ?と聞くと、良いから来い、急ぐんだ、時間がないと飛鳥は急かす。 飛鳥の屋敷の前にはマスコミが集結しており、女性レポーターが、本日、デーモン特捜隊は、日本においてのデーモンの拠点の一つを発見、一斉捜査に入りましたと伝えていた。 デーモンを見つけ次第射殺する模様です…と言ったレポーターは、次の瞬間、デーモンに太ももに噛み付かれ悲鳴をあげる。 そのデーモンはデーモン特捜隊にその場で射殺される。 トラックから降り立った何人もの特捜隊員たちが、屋敷内から出て来た多数のデーモンや科学者たちを一斉に射殺し始める。 その様子を暗がりから見ていた飛鳥が、行くぞ!と銃を手に言うので、何をする気だ?と明が聞くと、銃の安全装置を解除しながら、奴らを皆殺しにしてやる!人間を滅ぼしてやる!付いて来い、明!と飛鳥は言うので、明は、止めろ!と制止する。 すると飛鳥は、お前はこんな人間になりたいのか!と聞いて来たので、明は自分に持たされていた銃を飛鳥に黙って返す。 飛鳥は、そうか…と言いながら銃を受け取る。 二丁の銃を小脇に抱え屋敷に向かっていた飛鳥に、側に這いつくばっていたデーモンが、助けてくれ、サタン!と呼びかけたのを聞いた明は、サタン?と驚く。 飛鳥はデーモン特捜隊の中に飛び込むと、二丁のマシンガンで次々と特捜隊員たちを射殺して行くと屋敷内の飛び込んで行く。 その屋敷から新たに出て来たのは巨漢のデーモン(KONISHIKI)で、デーモン、万歳!と叫んだ瞬間、新たに増員された特捜隊員たちによって蜂の巣にされてしまう。 翌朝、ショッピングモールのベンチに置いてあった朝刊を広げた神父は「一斉捜査でデーモン全て射殺」と言うトップ記事の見出しを見ていた。 「特捜隊の被害89名」とも書いてあった。 「デーモン特捜隊」のマーク入り立入禁止札が貼られ封鎖された「MONSTER CAFE」の店内で1人考え込む明。 巷では銃が外国人らの手で堂々と売られるようになり、車いすの青年等も護身用に銃を購入する。 一方、飛鳥も1人で考え込んでいた。 「MONSTER CAFE」では、太った3人組が1人の人間を押しつぶすように喧嘩をしていた。 人々はわずかな違いもデーモンと思い、見境なく襲い始めた…と、自分の部屋にいた明は考える。 3人の太ったランニング姿の男たちは、通りかかった男女ペアにもデーモンを呼びかけ襲いかかる。 そのパニックはやがて国が国を攻撃するまでに至った… 農林水産技術庁農業試験場 田んぼで稲の生育状況を見ていた牧村啓介に、弁当を持って明が近づいて来る。 おじさん!と弁当箱を見せると、おお、忘れたな!と笑顔になりながら受け取った弁当の風呂敷を広げる啓介。 母さんが持たせたんだな…と、三段重ねの豪華な重箱の中味を確かめる啓介に、1人なんですか?おばさん、心配してましたよと明は伝える。 それを聞いた啓介は、弁当を置き、田んぼの中に入ると、誰も試験場に出て来なくなったからな…と言う。 でも誰かがこいつらの面倒を見なけりゃならない…と周囲の稲を見ながら言う啓介は、最も俺なんか他にやる事なんにもないし…、こいつらの相手をしているのが一番楽しんだと負け惜しみのように続ける。 そんな啓介に、手伝いますよと声をかけ、鎌を持って田んぼの中に入った明だったが、喜んで迎え入れた啓介は、横にしゃがんだ明のシャツをまくり上げた腕に異変があるのに気付き顔色が変わる。 明は急にああ!と叫び出したので、美樹は知ってるのか?と啓介は聞く。 明が首を横に振ると、立ち上がった啓介は、俺は変わらんよ、今日は機能と一緒だ、美樹もそう育てたつもりだと言う。 お父さん!と明が呼びかけると、啓介は黙って頷き、明と一緒に仕事を始める。 仕事の帰り、商店街にやって来た明と啓介は、警官隊が逃げる主婦らを射殺している現場に遭遇する。 啓介を脇に避けた明が、止めろ!と声を掛けると、警官は銃を明に向け、急に愉快そうに笑い出したので、明はその警官隊立ちに飛びかかって行き、警官隊は退散して行く。 その直後、東映の3本立て映画館から出て来た客を、向い側の陸橋の上から射殺する警官の姿が見えたので、又、止めろ!と明は呼びかけ、大きくジャンプすると、その警官の横に降り立つ。 その明の超能力を見た啓介は驚く。 警官の制服を来ていたのは飛鳥だったので、了!生きてたのか?と明が驚いて近づくと、サタンだからな…と飛鳥は答える。 その時、町の奥の方で大爆発が起こるのが見え、飛鳥は走り去って行くが、明は何も言えなかった。 キャスターのモリソンは、日本をデーモン国家と名指し、新潟、東京、福岡等12ヶ所にミサイルが発射されました。 東京に落されたミサイルは…、新しい情報が入りました。日本、反撃です!皆さん、戦争が始まりました…と報道する。 携帯に、明がくれた気味の悪いマスコット人形を付けた美樹は、戦争、どうなるのかな?明君…とベッドに横たわりながら聞く。 分かんないよと答えた明が、どうしたの?と聞き返すと、考えてたの、ねえ明君、これからあたしが聞く事に真剣に答えてくれる?と美樹は言いながら明の側に来る。 うん、何?と明が答えると、明君は神様を信じる?と美樹が言うので、神っているのか?と明は答え、それを美樹は携帯に録音する。 いるわ、すぐ側に神様はいるのと美樹は言いながら、自分の声も録音する。 そして2人はキスをする。 窓の外から爆発の閃光と音が聞こえて来たので、明君…、私たち、生き延びられるかな…と、不安そうに美樹は言う。 俺が守るよ、世界が滅びたって俺は美樹ちゃんを守るよと明は答える。 それを聞いた美樹は明を見つめ微笑む。 翌朝、デーモン脱走!と言うアナウンスとともに、デーモン特捜隊本部から特殊なトラックが出発する。 逃げていたのはススムとミーコだった。 2人は下水溝から荒廃したショッピングモールへたどり着くと、あちこちに転がっている死体と同じように地面に横たわる。 どこへ行くの?お姉ちゃんと横たわったままのススムが聞くと、ミーコは眠ったススムをおんぶし、ススムのマンションや、美樹の言えの周辺を巡る。 その様子を、美樹を狙う盗撮犯がカメラで覗いていた。 ミーコに気付いた美樹は家を飛び出し、川本さん!と、立ち去りかけていたミーコを呼び止める。 ミーコは背負っていたススムを地面に寝かせ、ごめんなさい、他に頼る人いないの…と詫びる。 私はデーモンだからどうでも良いけど、この子は人間なの…、助けてやって…と、疲れきり道ばたにしゃがみ込んだミーコは言う。 美樹はススムを抱き起こすと、とにかく中に入って…とミーコに呼びかけ、ススムを抱いて家の中に入る。 家の中では、着替えさせた明がススムを抱いて居間に連れて来ると、そこには恵美が作ったおにぎりがあったので、ススムはむしゃぶりつく。 ミーコもおにぎりを食べていた。 美味しい!とススムが感激すると、美樹が、お父さんが作ったお米なのよと教える。 その横で、その啓介がうれしそうにススムを見ていた。 お父さん、お母さん、ちょっと…と美樹が立ち上がり、下に降りて来ると、川本さんたちを家においてあげても良い?と聞く。 当たり前だ!と啓介は即答し、放っておける訳ないでしょうと恵美も答えたので、感激した美樹はありがとう…と礼を言う。 居間では、気味はこの子を助けたんだな…と明がミーコに話しかけていた。 俺は気味を偉いと思うよと明が言うと、ありがとうとミーコは喜び、大丈夫よ、川本さん、ここにいれるわと戻って来た美樹がミーコに伝える。 それを聞いたミーコとススムは笑顔になる。 深夜、布団で寝ていたミーコは起き出し、左腕の文様にミーコの化粧水をふりかけマッサージしていたが、ふと美樹が見ているのに気付き、ごめんなさい、私人間じゃないのにバカみたい…と恥ずかしそうに詫びるが、美樹は、川本さんは人間よ、昔と同じ…とベッドから声をかける。 そして起き上がった美樹はミーコを鏡台の前に座らせ、自ら口紅を差してやる。 鏡に映った自分と美樹の顔を見ながら、牧村さん、きれいって良いね…とミーコはうれしそうに言う。 翌朝は雨だった。 門の前にやって来た近所の上田(きたろう)は、傘をさして応対した啓介と恵美に対し、それじゃあ、あんた、自警団に入らんと言うのか!みんな入るって言ってるんですよ!と興奮気味に怒鳴っていたので、部屋からその様子を見ていた美樹の表情が曇る。 町内にデーモンがいるかもしれないんで、自警団を作って探さないと…と同行の重森隆夫(大沢樹生)も言うので、だからそれは警察の仕事だと何度も言ってるでしょう!と啓介が答えると、警察内部にもデーモンがいて内部が大混乱になっているんですよ!当てにならないと上田は言い返す。 もしかして、ご家族の誰かがデーモンなのを庇っているんですか?と言いながら、家の中を覗き込み、美樹の姿を見た重森は愛想笑いをする。 やがて、水をけたてながらデーモン特捜隊のトラックがやって来る。 二階へ戻って来た啓介は、通報されたかもしれん、すぐに逃げた方が良いと、そこにいたミーコとススムに声をかける。 恵美は果物を包みに行き、明は2人分の雨具を持って来る。 啓介は、農業試験場の鍵だ、あそこなら今誰もいない…、きっと迎えに行くからしばらく隠れていなさいと言い鍵をミーコに渡す。 ミーコは、皆さんのご恩決して忘れません!と礼を言い、雨具を着込んだススムと一緒に行こうとすると、美樹は口紅をミーコに渡し、恵美は、有り合わせだけどと果物や食料を入れたバッグを手渡す。 おにぎり、美味しかった…、ありがとうとススムも恵美に礼を言う。 ミーコとススムが牧村家から逃げた直後、特捜隊のトラックも牧村家に近づいていた。 ちょっと外の様子を見てきますと言い残し、明が家を出ようと扉を開けた瞬間、動くな!と威嚇しながらデーモン特捜隊のメンバーが銃を突きつけて来る。 屋敷内にも乱入して来たので、何だ君たちは!と啓介は怒鳴りつけるが、確保!と言う号令とともに、恵美と共に特捜隊に掴まってしまう。 貴様!デーモンだろう!デーモン容疑で確保する!と特捜隊員たちが両親を捕まえている最中、美樹は何かをゴミ箱に棄てに行く。 その直後、美樹も掴まり、床に押し倒されるとビンタされる。 庭先に手を頭の後ろに組まされ正座させられた牧村一家を前に、ダメです、この家にはいません!と家宅捜査した隊員が報告する。 どこだ?脱走デーモンをどこに隠した?と銃を突きつけ尋問して来た隊員に、何の話か分かりませんよと啓介は答えると、デーモンを庇うな!と隊員は威嚇して来る。 そうか、分かった…、お前らもデーモンなんだな…と言い出した隊員は美樹に銃口を向け、睨み返して来た美樹に、何だその目は!お前だな?お前がデーモンなんだ!殺すぞ!と断定する。 すると、隣にいた恵美が、違う!この子じゃない!私です!と言いながら美樹を庇う当に抱く。 すると啓介も、違う!デーモンは俺だ!と言い出したので、離れろ!全員撃つぞ!と隊員は怒鳴りつける。 美樹に向けた銃口の引き金を引こうとしたとき、違う!人間じゃないのは俺なんだ…と明が告白する。 そして立ち上がって、美樹に隊員が突きつけていた銃口を掴んで下を向かせると、明はデビルマンに変身する。 そして人間との中間体に戻った明は、右手を前に出しポーズを決める。 隊員たちや啓介は怯え、隊員がマシンガンを暴発させる中、唖然としながらも美樹は明に飛びつき争いを止めようとする。 そして一緒に立ち上がると、違う!明君は人間よ!人間なのよ!と絶叫し、明とキスをする。 そして、愛おしそうに明の腕のとげ等をさするので、ありがとう美樹ちゃん…、俺は絶対に美樹ちゃんの所に戻ると明は約束すると、だから離れろ!と言い聞かす。 しかし明に抱きつき押し倒した美樹は、もう会えない気がする…と悲しげに言う。 そんな美樹はデーモン特捜隊員から引き離され、半分デーモン化した明は、トラックの荷台のX字型磔台に縛り付けられ連行されて行く。 それを泣きながら追いかけようとする美樹を両親が必死に止める。 その後、明は、工場地帯の横の広場でトラックの荷台に磔されたまま背中を銃撃され、死亡を確認される。 夜、自警団の一行が牧村家に近づいて来て、あの家はデーモンの巣だ!家族全員デーモンだ!殺せ!殺せ!デーモンを抹殺しろ!などと気勢を上げる。 玄関先で待っていた重森は、知らない奴ばかりだ!どうしよう、上田さん!デーモンは小僧だけで美樹ちゃんは違いますよ、こいつら、美樹ちゃんまで殺してしまいますよ!と狼狽していた。 上田は、あまりの異常事態に対処しきれず、知らん!わしは関係ないと言い残し、さっさと逃げ帰ってしまう。 自警団の連中は、勝手に塀を乗り越え、屋敷内に侵入する中、家の中にいた美樹は、形態で警察に通報するも通じない事に気付く。 重森は自警団に押し倒されながら、俺は小僧だけが邪魔だっただけだ!と叫ぶ。 妻の恵美共々、包丁を持った啓介は、美樹、二階に隠れてなさいと言いながら包丁を渡すが、嫌!私もここで一緒に戦う!と美樹は拒否する。 恵美は、私たちは親よ、あなたのためなら鬼になれると言い、啓介も、明君がきっとお前を助けに来てくれると言い聞かせる。 屋敷内に入り込んだ自警団達が、デーモンを殺すぞ!と息巻く中、重森は這々の体で逃げ出していた。 二階に逃れた美樹は包丁を握ったままベッドに倒れ込む。 啓介と恵美のいる部屋の外に迫る自警団の面々たち。 それを見て怯えた2人は、壁の背後に隠れ、マッチを擦った恵美が、一つ聞いても良い?あなた、浮気した事ある?と聞くので、こんな時に…、浮気した事ないよ、お前だけだったよと啓介が答えると、嘘でもありがとう…と恵美は感謝する。 その直後、窓ガラスを突き破り、室内に乱入して来た自警団の一行は隠れていた2人を見つけ出し、暴行の末斬殺する。 二階では、美樹が、明君…と呟いていた。 その頃、地下鉄に乗り込んだミーコとススムは、デーモン特捜隊に見つかり追いつめられていた。 車両から逃げ出しホームを逃げ回る2人だったが、すぐに追いつめられるが、その時、地上への怪談を見つけたので駆け上がる。 啓介と恵美を殺害した自警団のリーダー格、タクシーの運転手は、もう1人いるぞと言い、二階へ上がる。 押し入れの中に隠れていた美樹は、ここよ、あなたたちは人間なら、私は魔女になる…と思い、運転手が押し入れを開けた途端、持っていた包丁を突き出す。 いたな…と言いながら、美樹を押し倒した運転手が懐中電灯の灯りを向けると、私は魔女!嘗めるな!と美樹は言い放つ。 その瞬間、美樹が写っていた鏡が割れる。 ミーコとススムも、デーモン特捜隊にまだ追いかけられていた。 建物の屋上に追い込まれたミーコは、ススム君、ごめんと言うと、建物の端から突き落とし、自分も一緒に飛び降りる。 落下の途中、ススムが手を伸ばし、それを握ったミーコの背中に蝶のような光の羽根が出現する。 それがクッションになったのか、地上に落下しても無傷だったススムが、誰?と聞くと、光の羽根が生えたミーコは、私よ、ミーコ!と笑顔で応える。 きれいだね、お姉ちゃん…とススムは正直に言う。 ミーコは側のリサイクルショップ内に置いてあった日本刀を抜くと、空中に飛び上がって行く。 建物の屋上にいた特捜隊の前に降り立ったミーコは、羽根が消滅するが、私たちじゃない!悪魔はお前たち人間だ!と叫ぶと、立ち向かって来た隊員たちを日本刀で斬り割き、奪った機銃で撃ち殺して行く。 隊員に刺さっていた日本刀を抜いたミーコが立ち去りかけた時、まだ息のあった隊員が、腰の拳銃を抜いてうとうとするが、それに気付いたミーコが日本刀を投げつけ、背中に突き刺さったその隊員は、引き金を引く間もなく血反吐を吐いて息絶える。 リサイクルショップの中をうろついていたススムは、割れた窓から外の爆発を見る。 世界中で戦争が始まりました…と、キャスターのモリソンが街頭テレビで言っていた。 楽しいです、皆さん。人間が人間を殺しているんですよ。私たちじゃない!と言ったモリスンは、急に苦しそうに背広を破り捨てると、三つの頭のデーモンに変身し、これからは私たちの時代です!さよなら皆さんと笑いながらうれしそうに発言する。 死んだはずの明は息を吹き返し、口から血反吐とともに、撃ち込まれた銃弾を全て体外に排出する。 這って前進した明は、目の前の大きな窪みに棄てられていた大勢の人間の死体を発見する。 夜明けの道路を1人歩いて、周辺道路に争乱の死体や残骸が生々しく残る牧村家に帰って来た明は、玄関を開けると、おじさん!おばさん!と笑顔で呼びかけるが、お帰り!明君!と笑顔で迎えてくれる啓介と恵美の幻影を見るが、気がつくと、包丁を腹に刺され絶命している啓介と恵美の死体を見つける。 上着のフードをかぶり、おじさん、おばさん…と呟いた明の目の前に携帯が吊り下がって来て、その割れたモニターには、私は魔女!嘗めるな!と叫ぶ美樹の姿が写っていた。 (回想)ナイフを取り出した運転手は、くたばれと言うと、包丁で再び突きかかって来た美樹を交わし、その背中を斬りつける。 ベッドに倒れ込んだ美樹は、血が…、私、魔女じゃ…ない…、父さん、母さん、ごめんなさい、私、生きられませんでした…、明君…と呼びかける。 (回想明け)明は、美樹ちゃん…と呟くと、あああ!と叫び出していた。 彼の目の前にあったのは美樹の切断された美樹の首だった。 美樹は目を開いたままだった。 美樹の生首を持ち廃墟の町をさまよう明。 その先には無傷の教会があった。 神の前の台の上に生首を置いた明は、美樹ちゃん、着いたよ…と語りかけ、そっとその唇に触れる。 そして、椅子に座り込んだ明は、将来明君と結婚して、子供をたくさん産んで、楽しい家族が出来ますようにって…、そう願ったのと以前美樹がが言っていた言葉を思い出し泣き出す。 そこに神父姿でやって来たのが飛鳥だった。 気配に気付き振り返った明に、神はいたか!と問いかけた飛鳥は、その場で神父の服を脱ぎ捨てると下にはスーツを着込んでいた。 人間は守る価値はあったか?明!と言いながら近づく飛鳥。 フードを向いて対峙した明は、了!お前は最初からサタンだったんだな!俺を騙していたんだな!と睨みつける。 すると、ポケットに手を突っ込んだ飛鳥は、騙した訳じゃない、俺は人間は嫌いだ。 でも、お前だけは好きだったんだ…と答える。 生きて欲しかった…、だからデーモンにしたんだ。なあ明…、俺と一緒に新しい世界に生きてくれと飛鳥は言う。 新しい世界?とアキ裏が聞くと、再びデーモンの世界を俺は目指したと飛鳥は言う。 しかし、人間の数は異常に多かった。 いくらデーモンを蘇らせても人間を滅ぼす事は不可能だった。 ところが俺の考えつかないことが起こった…と飛鳥は続ける。 人間同士が殺し合い自滅し始めた。 人間は愚かな動物だ、人間同士で滅びて行ったんだ。 笑えたね…と飛鳥は無表情に言う。 美樹の生首を振り返った明は、俺を殺せ!と叫ぶ。 俺だけ生かして何になる! 俺は美樹ちゃんが、牧村のお父さんが、お母さん、皆がいてくれて初めて生きていられるんだ…、人間は1人じゃ生きられないんだ!と明は訴える。 分からないなあと言う飛鳥に、そうだろうな〜、愚かな動物はお前なんだ!サタン!と明は嘲る。 人間はもうすぐ滅びる。 新しい世界の俺と一緒に来い!と飛鳥は手を差し伸べる。 しかし明は、嫌だ!俺はデーモンじゃない!デビルマンだからなと答えると、お前を殺す!と言う。 そうか…、ならお前を俺が殺す!と明日かも言い返す。 変身するデビルマンとサタン。 そのパワーで教会の椅子は破壊され、教会の中から強い閃光が窓から周囲に広がる。 教会の屋根に大きな穴が空き、地下の神殿のような部分に降り立ったデビルマンは、滅びろ、サタン!と呼びかける。 するとサタンも、滅びるのはお前だ!と答える。 殴り掛かって来たデビルマンに、掌から発した光で遠くへ吹き飛ばし、壁に激突させるサタン。 しかし、大きくジャンプし、キックを浴びせようとしたデビルマンだったが、サタンが右手だけでそれを受け止める。 さらに、デビルマンの足を掴んだ右手先から電撃を加えて来る。 苦しむデビルマンは一旦サタンの手から逃れる。 サタンは右手の先からエネルギー波を送り、地割れを起こし廃墟が崩壊する。 空中でぶつかり合うデビルマンとサタン。 地上では都会に核が落ちたのか、大爆発が起きビル群が消滅して行く。 崩壊したパリの凱旋門、自由の女神とマンハッタンの惨状、ネジ曲がった東京タワーと東京の廃墟後 大勢の人間が塊り、その塊が空に向かって伸び上がって行く赤い世界の様を見るデビルマン。 デビルマンに飛んで接近して来る無数のデーモンたち。 俺は負けない!そう叫んだデビルマンの身体から青白いエネルギーが上空に集結し巨大な悪魔の姿になる。 それを見上げるサタンは何故か涙を流していた。 滅びろ、サタン! 巨大なデーモンがサタンに襲いかかり、飛びかかってきたサタンの胸にパンチを見舞うデビルマン。 衝撃で足場が崩れる中、サタンは胸の痛みに耐えるかのように顔をしかめる。 一方、落下するデビルマンは途中で明の姿に戻る。 新世界の山が、いつしか海岸に作られたバベルの塔のような砂の山に変化する。 できた!でも明日誰かに壊されちゃうのかな…と言っていたのは、幼い明だった。 ずっとあると良いな…と幼い飛鳥が言うと、うん、ずっと、ずっと…と明も答える。 その時雨が降って来たので、2人は砂山が崩れないように身体で庇う。 目覚める明。 そこは、亀裂が入った満月が浮かぶ、赤い世界の海辺だった。 そこに寄り添って来たのはスーツ姿に戻った飛鳥で、明、なあ、明!と呼びかけるので、了!と答えた明は、咳き込んで血反吐を吐く。 何だ、お前死ぬなよ…、デビルマンだろう?生き残れよと飛鳥は励ます。 口から血を流した折れていた明は、お前が生き残れば良い…、俺はそれで良いと答え、静かに目を閉じる。 明!と呼びかける飛鳥だったが、明の身体の下半身はなかった。 次の瞬間、明日かも大量の血反吐を吐くと、お前が逝けば、俺もすぐ逝くからな…、待ってろ、明!と語りかけると、明の口元が笑ったようになったので、笑った!明が笑った…と飛鳥は喜ぶ。 2人は海の中の小さな岩場にいた。 廃墟の中で呆然と上を向いていたミーコに、お姉ちゃん!と呼びかけながら近づいて来たススムは、何を見ているの?と聞く。 するとミーコは、心の中を見ていたの…、青い空があって、海がきれいで、緑の森がどこまでも…と笑顔で答えていたが、急に悲しげな顔になる。 そんな所、もうないよ…とススムは言う。 涙を流したミーコは、生き延びるのよ、私たちだけでも生き延びるのよと言い、握りしめていた右手を開くと、そこには美樹からもらった口紅があった。 牧村さんと約束したんだから…と言い、」その唇を握りしめるミーコ。 うんと答えたススムはミーコと手をつないで廃墟の中に立つ。 エンドロール |