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ドリフターズだよ!冒険冒険また冒険

渡辺プロが製作したドリフ映画の第二弾

学生運動、PR時代、ボディペインティング、アングラ芝居、まさしく60年代後半の風俗が色濃く反映されている所が興味深い。

世の中が豊かになり、変わった事をして有名になりたいと言う俗っぽい考えが若者たちに出て来た時代を皮肉った内容になっている。

さらに、後年現実にあった「風船おじさん事件」そのままの設定なので、ひょっとすると、この映画がヒントになっていたのではないか?と疑いたくなるような類似性を感じる。

今見ると安っぽい部分も目につくのだが、天気等に左右される外ロケなどはトラブルも多かったはずで、当時売れっ子タレントだったドリフを使い、良くここまでシリーズ映画を作っていたなと感心させられる。

ゲスト出演の内藤洋子さんや酒井和歌子さんはともかく、小山ルミさんと真理アンヌさんがほとんどセリフもないちょい役扱いと言うのも珍しい感じがする。

出来としては極平均的なプログラムピクチャーと言った感じだろうか。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
1968年、東宝+渡辺プロ、松木ひろし脚本、和田嘉訓監督作品。

真っ赤なジャケットに帽子、傘を持ち、「ズッコケちゃん」を歌いながら東京へやったチョロ(加藤茶)は、何やらわっしょい!わっしょい!と声が聞こえて来たので、あれが憧れの大学か!見に行ってみようと近づく。

そこは城東大学で、正門前にバリケードを組み、その中に立っていた守衛が、自制したまえ!学生の本分わきまえろ!と叫んでいたが、訳が分からないチョロは、何かあったんですか?私が協力しましょう!と外でデモをしていた学生たちに声をかけるが、全く相手にされないので、ものすご〜い馬鹿力!これが全学連か…と納得する。

その側の城東大学付属病院建設現場で働いていた丸角組のチュウ(荒井注)はブウ(高木ブー)に、いよいよ始まるな!まるでガキの戦争ごっこじゃないか、しっかりやれよ!などと無責任な野次を飛ばして眺めていた。

そんな2人に気付いた現場監督のアンテナ(いかりや長介)は、さぼるな、この野郎!と足場の上から怒鳴りつける。

全学連委員長(小松政夫)が演説をしていると、浪人生メガネ(仲本工事)が、ハンドスピーカーを取り上げ自分も発言しようとしてもみ合う。

そこに、赤いジャケットを前後ろ逆に着て角材を積んだリヤカーを引いて来たチョロが、1本100円だよ!と声を掛けると、あっという間に角材が売れてしまう。

メガネも買いに来るが、既に全部売れてしまったので、のぼり旗代わりに立てていた傘を渡すと、メガネが払った金は50円だったので、チョロが文句を言うと、僕は半額連の浪人だからなどとメガネはごまかす。

その後、チョロは、角材を手に入れたのと同じ建設現場にリヤカーを引っ張って行き、今度はそこに積んであった砂利をスコップで勝手に積み始める。

それに気付いて文句を言いに来たのがチュウとブウだったが、チョロが、デモなんて見物しているだけでは一文にもならないよと言うのを聞いたブウは、兄貴に見つかったらヤバいけど、やってみようか?とチュウに聞くと、どさくさに紛れてやりゃ分かりゃしねえよとチュウは商売に乗り気になる。

そして3人協力してリヤカーに砂利を積み、大学の方に向かったので、それに気付いたアンテナは、てめえら何やってるんだ?貴様ら待て!と後を追って来る。

そんな城東大学前に機動隊が到着し、第一機動隊第一分隊と第二分隊が整列する。

大学内に入り込んだチョロは、さあ、砂利だよ!小石が3個で10円!と声を掛けると、たちまち学生が近づいて来て飛ぶように小石が売れ出す。

その小石をバリケードを乗り越えて構内に入り込んだ機動隊に向け投石を始める。 機動隊は、髑髏とX印の骨の海賊マークを付けた盾を並べ接近して来る。

そして学生と機動隊との大乱闘の中、メガネ、チュウ、チョロ、ブウたちは次々に学生と間違えられ逮捕される。

さらにチュウたちを連れ戻しに来たアンテナまで、俺は丸角組の現場監督なんだよ~!放せ!と抵抗するが逮捕されてしまう。

その後、チョロたちは城東警察署から出て来るがチュウたちは建設会社を首になったので、何だあのボロ会社!などと悪態をつく。

ところが、一足遅れで警察署から出て来たアンテナは、いきなり新聞記者に囲まれ、委員長!釈放の感想を!などとインタビューされているので、それを見たメガネは、全学連の委員長ともなれば、スター並みじゃないか!と驚く。

さらにその直後、軽トラの荷台に乗った全学連の女学生たちが、委員長!と呼びかけ、照れながら荷台に乗ったアンテナは、出発進行!と号令をかけそのまま軽トラに乗って去ってしまう。

唖然としてそれを見送ったチュウは、デレデレするな。この野郎!と悪態をつく。

そこに、警察署から出て来た委員長と同士2人は、誰も迎えに来てないのに気付くと、けしからんじゃないか!もう、知らない、知らない、知らない!とすねるのだった。

その後、職も当てもなくなったチョロたちは何か面白い事ないかな?有名になりたいな~などとぼやきながら駒沢公園の階段にやって来るが、メガネが現代はPR時代なんだよなどと言い出す。

元はと言えばお前のせいじゃないか!とチュウがチョロに文句を言うので、金目当てに付いて来たくせに!とチョロも言い返すが、責任を多少感じていたのか、僕に任せてくれ!全員黙って僕に付いて来い!と突然言い出す。

「チョロ画伯のボディペインティング展」と公園に看板を立て、チョロは他の3人を裸にし、その身体に絵を描いてみせる。

メガネは、これで新聞にでも載れたらしめた物なんだがな〜などと淡い期待を抱いていたが、そこにやって来たのがリズ(野川由美子)で、きれいね、あんた絵描き?と聞いて来たので、チョロは芸術家かな?等と答える。

すると、私リズと名乗ったので、チョロも名乗ると、私に描いてよ、私、全部脱いじゃうなどと言い出したので、チョロは驚きながらも鼻の下を延ばす。

しかしブウが慌てたように近づいて来て、チョロ、来たんだよ、おまわりさん!と教えたので、慌てたチョロは、逃げろ〜!と全員に声をかけ、すたこら自分も逃げ出す。

一方、リズの腕を掴んだ銀(鈴木和夫)は、こんな所にいたのか!親分に言いつけますぜ!全く若い男には目がないんだから…と睨みつけ、鉄(広瀬正一)の運転するオープンカーにリズを無理矢理乗せる。

廃屋に逃げて来たチョロたちは、追って来た2人の警官に、闘牛の真似をしながら、赤い布をかぶせて押さえ込むと、何とか追っ手を振り切って逃げる。

へとへとになったチュウがチョロに、全くお前はろくな事考えないなと文句を言っていると、やがて「子宮の祭典 または彼女は何故ベトナムであくびをしたか」と題されたアングラ芝居の看板を見つけたので、面白そうだなと立ち止まって見ていると、アングラ劇団の女優おサチ(小山ルミ)とピン子(真理アンヌ)がいきなり泡の銃をチョロに吹き付けて来て、一度見てみたら?と誘って来る。

「ごんべさんの赤ちゃん」のメロディが流れる中、ロバート・ケネディの写真が大きく描かれた舞台に奇妙な格好をした役者たちが無言で何人も立っている中、軍服姿の役者2人(コント55号)が客席の方から出て来て、訳の分からないセリフの応酬を始める。

途中から軍服を脱ぎレリスングのユニフォーム姿になった2人は、ドラム缶に入っていた泡を飛ばして、俺は蟹だ!と叫んだり、彼女のレバーが欲しい!などと意味不明なセリフを連発していたが、場内で漏電でも起きたのか、電気がショートし始めたので、慌ててチョロたちは逃げ出す。

びっくりしたな、もう!とチョロは驚き、まるでキ○ガイの寝言じゃないか!とチュウも呆れる。

ブウは、ネズミ!と言い出し怖がる。 メガネは、東京の奴は何でも新しい物が好きなんですからねと解説する。

やがて、あれなら俺たちでも出来るな?とチョロが言い出したので、場所はどうする?と他のメンバーが聞くと、ここならどうだろう?とマンホールを蓋を開けながらチョロが言い出す。

下水溝の中に入り込んだチョロは、汚い所、全然良いよ!とご機嫌になると、B-52にフランケンが乗るの!などとアイデアを言い出し、全員集合!今日から俺がリーダーだ!と言い出す。

そして他の3人に勝手に劇団の役目を割り振るが、自分は脚本、監督、主役などと良い所独り占めなどと勝手な事を言い出したので、女優はどうする?と他のメンバーが聞くと、募集するのさ、内藤洋子ちゃんにゃ酒井和歌子ちゃんみたいな子が来ないかな?などとチョロは1人で妄想する。

早速、地上の「東宝駐車場」の前に大きな「アングラ女優募集」の貼り紙を出してみたチョロだったが、そこにやって来た若い2人の娘(内藤洋子、酒井和歌子)が、興味深そうに貼り紙を見て立ち止まる。

背後の人の気配に気付いたチョロが、この劇団に入ると映画会社からスカウトが絶えないらしいよなどとデタラメを並べていたが、振り返って見ると、そこにいたのは通り過ぎて行った2人ではなく、前のアングラ劇団を辞めて新しい仕事を探していたおサチとピン子だった。

排水溝の中ではメガネが脚本を書いていたが、そこにチョロがおサチとピン子を連れて来る。

早速メガネが書き上げた「夕陽のアンマン」と言うアングラ劇の本読みを始めるが、漢字が苦手なチョロは、「怪しいため息」を「おかしいぜんそく」などと読む始末。

そこに、看板を見てから勝ってやろうと乗り込んで来たのが八条組の銀と鉄で、てめえら誰に断ってこんなことしてやがるんだ!と脅して来る。

邪魔するとおんもに出てもらうよ!などと対抗したチョロだったが、相手の迫力に負けすぐに謝る。

それでもメガネが、リハーサルだけでもやらせてもらえませんか?と下手に出ると、鉄が、銀兄い、どうします?と相談し始める。

そこに、ネズミを発見したブウが暴れ出し、置いてあったペンクの缶をこぼしたりするので、おサチとピン子もパニック状態になる。

鉄も慌てて、スチーム感のバルブを回したので、上記は吹き出すは、ショートは起こる派の大混乱になる。

慌ててチョロたちはマンホールから地上に逃げ出すが、そこに芝居のチラシを持った神父と尼がいて芝居は?と聞いて来たので、もう打ち上げだよ!とチョロは答える。

這々の体で渋谷駅にやってきたチョロたちは、ハチ公の像の前で、募金箱を下げ、学生服姿で演説をしていたアンテナを発見する。

それを見たチュウたちは、兄貴、うめえ商売始めたな…とうらやましがる。 ところが、そのアンテナも、地回り2人がやって来て、おめえ、誰に断ってこんな事やってるんだ!と因縁をつけて来たので、兄貴を助けるぞ!とチュウが言い出し、加勢に飛び出す。

結局、地回りを振り切り、デパートの屋上へ逃げて来たチョロたちだったが、アンテナは、お前らのお陰で仕事は首になった。

ポリは間違えたと分かったら、失礼しただって…、女子大生が迎えに来たので一緒に帰ったら最後はぽいと棄てられたと延々と愚痴を言い出したので、もうアングラ芝居はたくさん!とチョロが黙らせる。

世の中顔だよ、顔が売れれば巧く行くんだとアンテナが言うと、皆で一緒に出来るような事ないかな?とみんな頭をひねり出す。

太平洋横断は?誰かやったろう?などとごちゃごちゃアイデアを出し合っている時、アンテナがチョロを屋上の端に呼び、何が見える?と聞くので、西武のマークだろう?とチョロが答えると、もっと上だよとアンテナが言う。

カネボウ水着?そのもっと上! その上と言ったらアドバルーン…?とチョロが言うと、お化け風船を使うんだよ!とアンテナが言い出したので、勝手にキ○ガイアンテナ伸ばさないでよ!とチョロは呆れる。

しかし、何か思いついたらしいアンテナは、金は入る、女にはモテる、未来は希望で一杯だ!と1人目を輝かせていた。

翌日から、おサチとピン子はボートで買い出しに出る生活が始まる。

他のメンバーが集まっていた海岸沿いの洞窟にやって来たおサチたちは、みんなお食事よ!と呼びかけ、買ってきたコーラやパン、即席ラーメンなどを配り出す。

そんな中、1人で何個もの風船を膨らませていたアンテナに、チョロがローストチキンを持って来てやると、それをかじりながら、俺、太平洋横断するんだ、風船に乗ってなとアイデアを披露したので、それを聞いたブウは、この風船でかい?とバカにすると、これから作るんだ!大気球だ!お前ら、お前らは今日から俺の奴隷である!昼夜の別なく風船を作る!とアンテナは勝手に言い出すので、メガネは出来っこないよと呆れる。

しかしアンテナは、お前たち、風船爆弾って知ってるか?と言うので、みんな知らないと答えるが、チョロだけが、日本の上空のジェット気流に乗って時速300kmなら2〜3日でアメリカに行けるって奴でしょうと知識を披露する。

そして、こう云う事はPRが必要だと言い出す。

早速、むち打ち症で首にコルセットをはめて、昼食のざるそばを啜っていた新聞社部長(上田吉二郎)を訪ねたチョロは、出資しないかと持ちかけるが、相手が感心なさそうだと知ると、じゃあ冒険日記は別の社に売り込む事にしましょうとすぐに帰る振りをする。

いくらくらい出して欲しいんだ?と部長が止めると、物が風船だけに話が膨らみ過ぎてましてね…、まあゆっくり考えて下さいと答えたチョロは、秘書に、君!カツライス!代金はこちらにつけといてねなどと部長を指し、ちゃっかり自分用の昼食を注文する。

その後、仲間たちの元へ戻って来たチョロは、やった〜!出してくれるんだって、お金を!だけど少しはこっちが努力している所を見せないといけないそうだよと報告する。

それが出来なきゃ解散か…と、みんな悲観的になるが、それを聞いたアンテナは、解散は内閣に任せといて、成功したらスターになるんだ!英雄だよ!と焚き付ける。

それを聞いたチョロは、英雄か…、悪くないな…妄想を始める。

(妄想)白いミリタリールックに身を固めたチョロが、民衆に手を振りながら行進している。

続いて、回転ベッドの上に扇子で顔を隠したチャイナドレスの女が横たわっている。

その横にチョロがやって来ると、女は扇子を外して顔を見せる。 リズだった。

(現実)リズと妄想し、チョロがキスした相手は風船だった。

海岸に試験用の風船を持って来たアンテナが、では実験を開始する!と宣言すると、チュウが風速58m!などと言うので、それじゃ台風じゃないか!と突っ込むと、ただの8mだ!と言い直し、風向きや気温もチェックしたので、そろそろ飛ばすか…と決断する。

その時、側を走っていたのが鉄が運転する車で、リズを乗せて親分の所へ連れて行く銀が、親分も取引を前に女とは…とぼやいていた。

その車がトンネルを抜けた所で、ストップ!とリズが言い出し、おトイレ!と言いながら、降りてトンネルの横の方へ向かって行く。

チュウが、10、9、8…とカウントダウンしていたが、何故かいつも途中でおかしくなるので、チョロが加勢に来るが、やっぱりチュウが途中で口を出しておかしくなる。

結局、中途半端な所で風船が飛び上がってしまい、アンテナは慌てる。

しかし、チョロは、夢にまで見たりズが駆け寄って来たのを見ると、夢じゃないでしょうね!と喜ぶ。

あんたたち何してるの?こんな所で…、風船遊びなんかしてバカみたい…とリズが聞いて来たので、あれに乗ってアメリカに行こうって考えてるのとチョロは、あらぬ方向へ飛んで行った風船を追いかけるアンテナを見ながら教えると、岩場にリズと一緒に腰を下ろし、僕リズの事大好き!と打ち明ける。

そんなチョロとリズの様子を、風船の記録を撮る予定だったブウが8mmカメラを向けて来る。

アンテナは、実験が失敗した事に落ち込んでいたが、気持を切り替え、まあ良いさ、頓田んだ!とにかく飛んだんだよ!あれが俺たちの夢なんだ!空高く飛んだんだ…と風船を見送りながら呟く。

その頃、銀と鉄は、なかなか帰って来ないリズを探しにトイレになりそうな場所を探していた。

リズは、私ってハンサムな子が好きなの!あなたは小さいけどプラモデルタイプだから好きなのと変な褒め方をするので、正直喜んで良いのか迷ったチョロだったが、思い切ってリズを抱きしめ、大きくなったら一緒の家に住もうねとプロポーズするが、2人のすぐ側で8mmを撮っていたブウが、止せよ!と声をかけて来たので、カメラに気付いたチョロは仰天する。

リズを見失い、車の所に戻って来た銀と鉄は、見知らぬ風船が運転席に乗っているのを見て驚く。

戻って来た銀たちから事情を聞いた八丁組親分宗月五郎(藤村有弘)は、馬鹿野郎!それじゃリズは来ねえのか!と怒鳴りつける。

そして、てめえら、リズに手を出しやがったな!と逆上するとライフルを持ち出して銀たちを脅すと、通りかかりのスポーツカーの若いの捕まえて、今頃、コチョコチョと…などと勝手な妄想を繰り広げ、威嚇射撃すると、今からそのガキ、捕まえて来い!と銀たちに命じるが、その時、宗月は、部屋の中に銀たちが持ち込んでいた風船に気付く。

こんな玩具持ってきたがって!と言うので、捨ててきやしょうと銀が申し出ると、待て!と言った宗月は、自らテーブルの上に横たわり、風船を足で蹴飛ばしたりして上機嫌に遊び出す。

一方、洞窟内でトランジスタラジオから聞こえて来る音楽に合わせ踊っていたおサチとピン子の所に、リズを連れたチョロたちが帰って来て紹介する。

チョロはリズに置いてあったビールをごちそうしようとするが、アンテナがチョロに文句を言って来たので口喧嘩になる。

踊っていたピン子たちが、そんな2人にも一緒に踊ろうよ!と声をかけたので、リズも仲間になって踊り出すが、やってやろうじゃないか!と息巻いたチョロとアンテナもいつしか向かい合ったままゴーゴーを踊り出していた。

その頃、宗月は外国人バイヤーのレニー(テッド・ガンツア)から、顔青の金持ちから手に入れた金塊をアメリカに持ち帰ると言う話を聞かされていた。

今、ドゴールのお陰で金の価値が上がっていると言うので、どうやって持って行くつもりだ?と宗月が聞くと、それを君に頼みたいんだとレニーは言い出す。

その以来を聞いた宗月は、危ない仕事だな…、うんと手当をもらわないと…と目配せすると、オーライ、前回の倍出すとレニーは答える。

君のお陰でアメリカで金増やせる、大統領に勲章もらいたいねなどとレニーは上機嫌だった。

一方、洞窟内のリズは、私、ここ気に入っちゃったから合宿するわと言い出していた。

喜んだチョロが、チュウしよう!とキスを迫ると、待て!ちょっと油断するとこうなんだから!とアンテナがスクリーンに向かって愚痴を言うと、俺はタレント議員に会いに行くと言うので、参議院に知り合いでも?とチョロが聞くと、あるんだよとアンテナは言う。

その後、並み消しブロックの側にあった資材置き場から塗料のドラム缶を盗み出して運ぼうとしていたチュウやブウ、メガネたちは、妨害しに来たガードマン(なべおさみ)を殴りつける。

しかし、積んであったブロックでロープを引っ張り、ドラム缶の塗料を持ち出そうとしていたらブロックから落してしまい、原色のペンキまみれになる。

そこに女と通りかかったオカマっぽい衣装の男(志村康徳=志村けん)は、そんなチュウたちを見て、まあサイケだこと!と驚く。

洞窟では、ゴンドラの代わりになる箱を作っていたが、そこにやって来た銀と鉄はリズを見つけると、こんな所にいた!リズ、来るんだ!と連れ出そうとするので、おめえらどこの組の者だ!とチョロが聞くと、親分連れて来るぜ!このリズは、村月五郎親分のレコよと銀は言いながら小指を立ててみせると、さんざん世話になっときながら!とリズを睨みつける。

人の女房を盗んだらどうなるか分かってるんだろうな?と銀がチョロを睨みつけると、あの人、キ○ガイみたいな焼き餅焼きなの!もう5人もやられたの!などとリズも教え、チョロの頬にキスして、銀たちと出て行く。

チュウたちが、危うく6人目の犠牲者になる所だったな…と声をかけると、まるで不発弾を拾ったような感じだよ、まだひざが震えてるよとチョロは心底ビビっていた。

宗月の屋敷に来たリズは、だってあの人、可愛かったからよ…、でもあんたが一番好きなんだから!もう忘れましょう、げんまんするから許して!などと甘え、ソファに座っていた宗月に抱きつく。

その時、部屋の隅におかれていた風船に気付いたリザは、これ、どうしてここに?と驚く。

銀と鉄が、おめえの代わりに持って来たんだと宗付きが教えると、これの親玉作って、アメリカに渡ろうって奴がいるわ、ウルトラバカよねなどとリズが話すと、それを聞いた宗月は、そのウルトラバカはどこにいる?と急に興味を持ったように聞く。

その頃、新聞社に風船の記録フィルムを店に行ったチョロだったが、写した映像には、自分とリズのイチャイチャしているシーンばかりが写っていたので、これは乗務員の訓練の様子を撮った物で…などとごまかそうとするが、ふざけやがって!これじゃ、お前主役のピンク映画じゃないか!みそ汁で顔を洗って出直して来い!と部長は激怒する。

その頃、洞窟にリズがやって来て、チョロは?と聞くが、そこにチョロが帰って来たので、チョロ!と抱きつこうとすると、チョロは怖がって逃げ回る。

ね、私の事嫌い?とリズが聞くと、チョロはとんでもレバーだよ、でも変なの付いてるからカックラキンだよと困ったように答える。

するとリズは、あの人といると町で何でもただになるのよ、私もおサチやピン子みたいに遊びたいのよ〜などと甘えて来るが、チョロは、30cm以内は立入禁止!などとリズを拒否して怯える。

そんな2人の様子を見ていたチュウは、イチャイチャしやがってもう!と膨れる。

そこへ、銀と鉄が大きなゴンドラを運んで来て、お嬢さん、持って参りやしたと声をかける。 リズはほんの手みやげよと微笑む。

チョロは急に張り切り、我々は飛行訓練をやらなければいけない!前進!…、これは前の作品だったな…、冒険あるのみ!と号令をかける。

「ズッコケちゃん」を謳いながら、チョロ、チュウ、メガネ、ブウの4人がやって来たのは「よみうりランド」だった。

今日はアンテナの代わりに私が訓練する!と言い出したチョロは、今は亡きガガーリンのような宇宙飛行士になるんだ!と他のメンバー達に言い聞かす。

一方、洞窟にアンテナが連れて来たのは政治家、大河内庄吉(藤田まこと)だった。

留守番していたリズたちが驚くと、ゴリラが馬を連れて来たと言いたいんだろう!とアンテナが言うので、それを聞いた大河内は、わしの欠点をストレートに言い寄るな、帰るぞ!と怒り出したので、馬がゴリラを連れて来たって言いたかったんですよとアンテナが言い直すと、それなら良いかと納得する。

そして、リズがほんの手みやげと言ったゴンドラを見ると、その下にわしの名前を書いた垂れ幕を貼れば大宣伝になると考えた大河内は、わしがスポンサーになろう!大気球を寄付してやると言い出す。

それを聞いたアンテナは、俺の夢に乗るなんて、先生は日本一の大バカやろう…と言いかけ、慌てて、こっちの事…と口を閉じると、これは純粋な男と男の約束ですよ!と大河内に念を押す。

その頃、チョロたちは、よみうりランドの乗り物に乗って訓練を続けていた。

しかし、あんまりチョロが無茶な事ばかりさせるので、いい加減にしろ!と怒ったチュウは、これから俺がコーチする!と言い出す。

するとチョロも回転遊具等でへろへろになり、コーラと煙草で一服していたブウと、途中で逃げ出そうとするが捕まってしまい、最後は垂直に昇る球体の遊具に1人閉じ込められ!地球から離れて行く!落っこったらドス〜ンだ!などと大騒ぎしながら上がって行く。

その後、洞窟に戻ったメンバーとおサチやピン子も加わって垂れ幕作りをしていた。

それを見学していた大河内は、これでわしも人気馬になれるななどと喜んでいた。

そこに、銀と鉄を従え宗月がやって来たので、君は君は一体誰や?と大河内が聞くと、八丁組の宗月五郎でゴンドラの提供者だと名乗ったので、大河内の方も名乗りスポンサーだと自己紹介すると、このちりめんスイカの?と宗月は呆れ、君たちの歓送会くらいやってやろうと言い出す。

大河内は、わしは彼らの純粋な熱意に感動したんだなどときれいごとを並べると、アンテナも、僕たちは純粋な気持でやっているんですよ!と強調する。

それを聞いた宗月は、どうやら純情で儲かるのは俺1人らしいな…と苦笑する。

やがて、「太平洋横断大気球冒険旅行」と書かれた大看板を前に花火があがり、おサチとピン子らバトントワラーが先導するパレードで盛大な歓送会が始める。

そこに車でやって来たリズは、ご機嫌じゃない!と喜ぶが、同乗していた宗月は、実はあのゴンドラの底が二重になっていて、砂金を積んどるんだ、時価5億塩分くらいの、あれなら税金を通らずにアメリカに渡せる、冴えてるだろう?と自慢する。

その後、その宗月と共にテントの貴賓席に座った白いタキシード姿の大河内が挨拶に立つと、大冒険旅行に旅立つ5人の若者の純情振りを誉め称え、5人を紹介する。

全員黄色、チョロだけはピンクのユニフォームにヘルメットをかぶった5人が登場したので、代表してアンテナ君より一言!と大河内が促すと、アンテナは本当に一言、行ってきますとだけ言う。

それを聞いて、鶴は一声、ゴリラは一言だ…と呆れたチョロがマイクの前に立ち、宇宙のちょっとした辺りをプカリプカリと旅行してきます。

絶大なるご支援を頂いた大河内先生と宗月先生には感謝致しますときちんと挨拶をする。

テントの中では宗月が銀に、レニーとは連絡取ったか?と確認していた。

この気球は「ちりめんスイカ1号」と命名されました!とチョロが発表した瞬間、周囲に爆発が起きる。

そこは自衛隊の演習地内だったため、砲撃演習が始まったのだった。 それを知らない大河内は、空襲だ!とパニック状態になり、ゴンドラの中に逃げ込む。

リズもチョロに、2人でこれで逃げ出さない?あんたの事好きになったのよ!などと耳打ちしたので、その気になったチョロはリズと一緒にゴンドラに乗り込む。

双眼鏡で歓送会の場所を発見した自衛隊の指揮官(田中淳一)は、ありゃ何だ!と驚き、撃ち方止め〜!と号令をかけると、射爆場で風船遊びをするなんてどこの馬鹿野郎だ、バカヤロー!と怒鳴りつける。

予定より早く気球が浮き上がったので、5億円待て!と宗月は慌てて追いかけ始めたので、それを聞いたアンテナは、5億円って何だ?あの気球、そんなに高かったんだ…と妙な感心をする。

気球が飛び上がった事を知った大河内は、わしゃまだ、臨時国会があるんだ!と泣き言を言い始める。

そんな3人しか乗ってない割に、高く浮上しない気球を見たアンテナは不思議がる。

リズがチョロに、このしたに時価5億円の砂金が入ってるのと教えると、それを聞いた大河内は、どおりであいつは臭い奴だと思ってたと宗月の事を悪く言う。

そんな気球を宗月の乗る白い車と、アンテナたちが乗る赤い車が追って行くのを見た自衛隊員たちは面白がる。

もっと上がんないの?金で重いのなら…と言い出したリズは、ゴンドラの中の重り袋を落し始め、あんた悪いけど降りてもらうわ、飛び降りて頂戴と大河内に無茶な事を要求する。

大河内は怯え、ゴンドラと気球を繋ぐ綱によじ上ってしがみつく。

追って来た宗月は、あの悪党野郎!撃ち落としてやる!と言いながら、ライフルを車から撃って来る。

それを見たアンテナは、あのままだと殺されちゃうぞとチョロたちの事を案じたので、どんどん逃げろ〜!とメガネが気球に呼びかける。

重いのは5億円の砂金だ!とチョロはリズに教える。

追って来る車のメガネは、今度は、待て〜!逃げるな〜!と呼びかけていた。

その時、銀が、親分、自衛隊が出動しましたぜと背後を見ながら教える。

指揮官らが乗ったジープが追って来たのだった。

指揮官が、そっちは危ない!地雷が設置してあるぞ!と叫ぶが、先頭を走っていた宗月の車は大爆発を起こす。

その現場に駆けつけた指揮官は、バラバラに吹っ飛んだ車の残骸の中に埋もれていた旨月を見つけ、だから言わんこっちゃない!と呆れる。

それでも宗月はライフルで遠ざかって行く気球のゴンドラを撃ったので、ゴンドラの外に穴が開き、砂金がこぼれ落ち始める。

それに気付いたチョロは、5億円がパーになったじゃないか!と怒る。

気球はどんどん飛び続け、やがて湖が見えて来たので、リズがそれを教えると、あそこに不時着しよう!とチョロは言い出す。

気球の真下の綱にしがみついていた大河内は命の危険を感じ、有権者の皆様!全国の皆様、さようなら〜!と挨拶する。

ゴンドラ、どこに行ったんだ?と探していたアンテナは、気球が湖に落ちるのを目撃する。

沈んで行くゴンドラから湖面に浮き上がったリズは、溺れかけていたチョロを岸まで引っ張って行き、だらしないわね、もう!と呆れる。

アンテナは、5億円!とうわごとのように言いながら、山道を1人走っていた。

岸辺にたどり着いたアンテナは、溺れたチョロのお腹を押し水を吐き出させていたリズを発見する。

5億円が水の泡か…、もったいない!有名になり損なったし、金持ちにもなり損ねた!死にたいよ〜!とアンテナは湖を見ながら叫ぶ。

40年後の今は21世紀 若者が遊ぶ湖畔に、草むらの中から原始人のようになった白髪の老人5人組が、月日流れて40年♩と歌い踊りながらやって来る。

何が何でも一発勝負! 冒険冒険又冒険♩

湖の真ん中に木で作った粗末な採掘船を浮かべ、すっかり老いたチョロたち5人は、いまだに湖中に沈んだ砂金の引き上げ作業を続けていたのだった。

メガネの爺ちゃん、湖、どのくらい減った?とアンテナが聞くと、半分くらいかな?と言うので、わしゃ疲れたよ…と置いたチョロが弱音を吐くと、辞めたって良いんだぜとアンテナジイさんは嫌みを言う。

その時、岸辺に駆けて来たリズそっくりの孫(野川由美子=二役)が、チョロ爺ちゃん!おばあちゃんが2〜3日留守にするって又出かけたよ〜!と知らせに来る。

それを聞いたアンテナジイさんは、つまみ食いの癖は治らないんじゃろう…、ああいうのをサイケ婆って言うんだと呆れる。

そして、全員集合!冒険再開!と号令をかけると、チョロもヤケになって、この水全部さらえるまで辞めねえぞ!と叫ぶ。
 


 

 

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