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猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)

リブートされた新「猿の惑星」三部作の最終作

前作の「猿の惑星 新世紀(ライジング)」(2014)の続きで森の中中心に話が展開するため、前作同様やや地味な印象。

ただ、憎悪に捕らわれてしまう事から殺し合いの連鎖が始まるとする前作が新三部作の頂点と言う感じで、テーマがそこに集約されているので、今回の作品は「前作の繰り返し」と言った感じがする。

人間が全滅する説明がされており、いよいよ「猿の惑星」になる展開になっている。

昔の「猿の惑星」シリーズとは別の世界観と言う設定のはずなのだが、1968年公開の最初の「猿の惑星」を知っている人は、これは死なないなとすぐに分かるキャラクターも出て来たりしており、昔のシリーズとの関連を感じる要素も出て来る。

そのため、エンディングはほぼ予測できる範囲内なのだが、全体的に地味な印象に加え、正直前作程のインパクトはない。

ただ、大団円と言った感じの物悲しい雰囲気は良く出ており、決して出来が悪いと言う事ではない。

若干、蛇足感を感じるだけである。 CGIの出来はさらに上達しており、エイプの毛の上に雪がうっすらかぶっている表現や濡れていたりする表現は見事と言うしかない。

大スクリーンにドアップになっているシーザーの顔のディテールも凄い。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2017年、アメリカ映画、ピエール・ブウル原案、マーク・ボンバック+マット・リーヴス脚本、マット・リーヴス監督作品。

お馴染みの20世紀フォックスの会社ロゴに、ファンファーレではなく空洞の木を叩くような原始的な音でメロディが重なる。

15年前、ウィルスの蔓延で人類の半数は死滅した。

実験の結果人間と同じ知能を持ったエイプのシーザーは、 同じエイプのコバの裏切りにより、人類との全面戦争に巻き込まれる。

大佐率いる人類の兵たちはシーザーを探していたが、2年経っても見つからないため、既に死んだのではないかと言う噂が広がっていた。

森の中を、「猿に血を」などと書きなぐられたヘルメットをかぶった人間の兵士の小部隊が進んでいた。

大尉!と声をかけ、進軍が止まって前方を見ると、馬に乗ったエイプたちの姿が見えた。

人間に付いて来ていたゴリラのレッドは、黒人兵の大尉の肩をそっと叩き、木の上に潜んでいるエイプの位置を教える。

塹壕か?もっといるな…と大尉は呟く。

ドンキー!と大尉から呼ばれたレッドは、屈んで背負っていたバッグの中の銃器を大尉に取らせる。

奴が倒れたら総攻撃すると大尉は言い、ボウガンの名手プリチャー(ガブリエル・チャバリア)が、馬に乗っていたエイプを狙って矢を射る。

矢が刺さったエイプが倒れると、人間の兵士たちによる火器での一斉攻撃が始まる。

馬に乗ったエイプが奥へ向かおうとすると、多くの馬に乗った仲間のエイプたちが近づいて来る。

装填!大尉に命じられたレッドが又屈み、背負ったバッグの中の弾薬を差し出すが、その時レッドは頭上の方を見やる。

エイプ群の反撃が始まり、ロープに繋いだ槍のようなものが多数降って来たので、後退しろ!と大尉は絶叫する。

そんな中、プリチャーは本部にいる大佐に無線を入れ、大尉が死にました!と報告するが、今からお前が指揮をしろ!と言われたので、指揮?もう自分しか残っていません!と反論するが、1匹でも多くエイプをやるんだ!と大尉は言って来る。

無理です!と呆然としたプリチャーだったが、すぐにエイプたちに捕まってしまう。

エイプたちが道をあける中、進んで来たのはシーザーだった。

シーザーが捕虜にした人間兵4人とレッドの前に来ると、オランウータンのモーリスが、手話で63匹死んだとシーザーに伝える。

お前か、シーザーだな?ずっと探していた…、秘密基地を探していた…、早く殺せ!とプリチャーが強がってみせる。

するとシーザーは、俺が始めた戦争ではない…、レッドなら知っている、コバが始めた。

俺を殺そうとした。今では人間に仕えている。生き残るために…と皮肉を言うと、大佐は力を持っている…、シーザーを殺した後で皆殺しにすると言ったと言い返すので、ウィンター、連れて行け!と白い毛のゴリラにレッドを連れて行かせる。

この人間たちは?と仲間から聞かれたシーザーは、プリチャーたちを馬に乗せてそのまま帰す事にする。

解放するのか?と驚くプリチャーに、大佐に、俺を見たと伝えろと命じる。

人間たちが去って行くと、彼らを生かして帰した。

俺たちが野蛮ではない証拠だ…とシーザーはモーリスたちに告げる。

その時、俺を殴ってレッドが逃げた!と仲間がシーザーに知らせる。

滝の側に戻って来たシーザーが、コバがまだ苦しんでいる…俺はあいつの苦しみが分からなかった…と呟くと、コバの心にあった闇は誰も分からないとモーリスが手話で答える。

その時、仲間の雄叫びのような声が聞こえて来たので、何事かとトンネルの方を見やったシーザーは、馬に乗った2匹のエイプが近づいて来た事に気付く。

父さん!と馬上から呼びかけて来たのは、旅に出ていた息子のブルーアイと片腕のロケットだった。

シーザーは、がっちり馬を下り近づいて来たロケットと抱き合って再会を喜ぶ。

お帰り、ロケット!とシーザーがねぎらうと、長い旅立ったよ、父さん、見つけたよ!とブルーアイが言うので、おいでとシーザーは滝の裏の秘密基地へ誘う。

そこにはシーザーの妻、つまりブルーアイの母と新たに生まれた弟のコーネリアスが兄たちを出迎える。

ほら、来たわよとブルーアイに教えた母は、レイク!とメスエイプを呼び寄せる。

ブルーアイは恋人のレイクと近づくと互いに額を寄せ合う。 父さん、ここだ!と地図を見せながらブルーアイが報告する。

新しい家ってこれねと母が感激する。

見せろ、ロケット!と言うと、ロケットが持ち帰って来た布袋を開けて、中に詰めて来た乾いた砂を父の掌に落す。

砂漠だ!とシーザーが言う。 長い道のりだが、ここに行けば人間には見つからない。

それを聞いていたウィンターは、今夜出発しよう、兵隊が来るぞ!ブルー愛は旅に出ていたので、ここがいかに危険か知らないと怯えたように言うので、怖いのはみんな同じだ、森以外で安全な道を探さないと…、ここから移動する方法を考えよう…、エイプ、力合わせる、強い!とシーザーはなだめる。

夜、エイプたちが寝静まった中、シーザーは、滝の水の向こうに青い光が3つ降りて行った事に気付き目覚めると、滝の水の中に手を突っ込み、人間のロープがあるのに気付く。

シーザーは、同じ目覚めたロケットたちに、動くな!母と弟を守れ!とジェスチャーで伝える。

3人の人間兵士がレーザー照準器付き銃を持ってエイプの住居である洞窟内に侵入していた。

ゴリラのルカに近づいたシーザーが、見張りは?と聞くと、5〜5頭と答えたので、ロケットも呼べと伝える。

見張りは侵入して来た兵士の1人を叩き殺す。 さらに、もう1人の兵士が、大佐!聞こえますか?と無線をしようとした所をロケットが襲いかかる。 ロケット!何あった?と聞くと、無線聞いたとロケットは言う。

死んだ兵士の無線を耳に当てたシーザーは、ターゲット捕獲!シーザー殺した!帰還すると言う声が聞こえたので、急いで滝の裏側の住居部分に戻ると、1人の兵士が滝の向こうに帰ろうとしている所だった。

シーザーの気配に気付いて振り返ったのは、顔を黒く迷彩した大佐(ウディ・ハレルソン)だった。

恐る恐る背後に目を向けたシーザーは、そこで死んでいる妻とブルーアイの遺体を目にする。

大佐は機関銃を撃ちながら、滝の向こうに垂らしたロープに飛び移ったので、シーザーもすぐそのソープに飛び移って大佐を追う。

しかし、大佐がナイフでロープを切断したのでシーザーは滝壺に落下する。 何とか岩場に這い上がって来たシーザーが住処に戻ると、ウィンターがいない!あいつ怯えていたから裏切ったんだとモーシスが教える。

コーネリアスはいたか?と聞くと、まだ探してると言う。

仲間のエイプたちは、まだ幼いコーネリアスの行方を探すが見つからなかった。

シーザーが床に落ちていた人間の弾丸を拾い上げ睨みつけていると、岩陰から怯えたようにこちらを見ているコーネリアスの姿を発見する。

もう大丈夫だ!と抱きしめるシーザー。

翌朝、エイプたちは新しい家に向かって出発する事にするが、シーザーはレイクに、お前は息子を愛していた。コーネリアスを頼むと預ける。

レイクは驚いたように、あなたは新しい家に行かないの?と聞くと、ああ…と答えたシーザーは、コーネリアスにレイクと行けと言い聞かせる。

シーザー、兵を追うのか?とモーリスが聞くと、大佐を追うとシーザーが答えたので、お前は我々のリーダーだ、リーダーを置いては行けないとモーリスは言う。

行ってくれ、兵隊が来たら俺が相手をするから、その時が森を出るチャンスだとシーザーは言い聞かす。

かくしてシーザーは1人馬を乗って出発するが、背後から付いて来る3頭の馬に乗ったモーリス、ルカ、ロケットを振り返り、来るなと言うように首を振る。

人間のいる場所に案内させてくれ!とロケットが申し出ると、俺は生きて帰れないかもしれない…とシーザーは言う。

だから行くんだ、生きて帰らせるために…とモーリスが言う。

やがて4匹は、人間の住居らしき場所にやって来る。

ここにいるらしい…とルカが言い、モーリスが馬を下りて近づこうとすると、薪を持った男とはちあう。

男はモーリスらの姿を見て凍り付いていたが、この薪を降ろす…とモーシスに話しかけ、ゆっくり薪を置く振りをして銃を向けて来るが、その瞬間、その男の方が倒れる。

先に馬を下り、近くの小屋の中から様子を伺っていたシーザーが撃ったのだった。

1人で何してた?脱走兵か?と言いながら、シーザーは今撃った男の死体を見下ろす。

小屋の中に用心しながら入った4匹は、ベッドに寝ている人間に気付く。

シーザーは銃を向けていたが、その銃口をモーリスが降ろさせる。

何かないか?持って行くぞと言いながら、シーザーは室内を物色し始める。

ベッドの側に残ったモーリスは、ベッドで寝ている人間に顔を近づけると、床に落ちていた人形のようなものをそっと差し出す。

それを受け取ったのは少女だった。

少女はモーリスに何か言いかけるが、言葉にはならなかった。

モーリスは、少女が持った人形の頭を指でなでてやる。

奥から戻って来たシーザーに、この子は病気、口がきけないとモーリスは手話で教える。

外へ出て馬の所へ戻って来たシーザーが行くぞ!とモーリスたちに促していると、そこに小屋から、さっきの少女が出て来て、死んでいた男の死体をじっと見つめる。

このままだとあの子は死んでしまうとモーリスは言うが、連れて行けないとシーザーは答える。

しかしモーリスは、このまま見捨てられないと言い、結局、モリスの馬に一緒に乗せて連れて行く事になる。

やがて彼らは「良いコングは死んだコング」と落書きされた人間の基地を見つける。

先ほどの小屋で見つけた双眼鏡で覗いてみると、人間に混じって白ゴリラのウィンターがいるのが見えた。

テント内にいたウィンターに、ドンキー!大佐はどこだ?と乗り込んだ4匹が詰め寄ると、大佐はいない、今朝出発した。北から兵隊来る。

大佐は境界で合流するとウィンターが教えたので、何故だ?とシーザーが聞くと、知らないとウィンターは言う。

残りは明日出発する…と教えたウィンターはレッドにそそのかされたんだ、許してくれと詫びて来るが、息子と妻を殺されたとシーザーは睨みつける。

その時、テントの外に人影が映ったので、シーザーたちは慌てて、ウィンターを押さえつけ、助けを呼ばないようにする。

テントの外の人間は中の侵入者に気付かず立ち去るが、手を離したシーザーは、ウィンターが窒息死している事に気付く。

尾行すれば大佐に追いつくと言い、シーザーは又馬に乗って出発する。

シーザーは水筒の水を飲んでいた。 死んだはずのシーザーの幻影を見る エイプはエイプを殺さないとコバは言う。

気がつくと朝になっていた。

起き上がったシーザーは、人間の兵隊たちが出発したと知らせるモーリスの背後から少女が覗き込んでいる事に気付く。

出発したシーザーたちは雪の中の山の中に新たな基地のような場所を見つけるが、銃声が響いて来たので慌てて馬を下り身を隠す。

何を撃ってる?と聞かれたシーザーは、分からないと答える。

どうやら自分たちを狙ったものではない事が分かる。

やがて、殺されて並べられた3体の人間の遺体を発見する。

ロケットが遺体を被っていた布を剥がして誰なのか確認してみる。

何故撃たれた?とシーザーは不思議がる。

ロケットが二体目の布を剥いだ時、まだ死に切れていなかった男が突然蘇ったように動き出したので、ロケットたちは驚く。

その男は口と鼻から粘液のようなものを垂らしており、何か訴えかけようとするが言葉にならない。

それを見たモーリスは、この事同じ、口がきけない…、その傷では助からない…とシーザーに告げる。

シーザーは、ルカ!と声をかけ、少女を馬の所に連れて行かせると、死に切れていない男に銃を向ける。

その後、彼らは鉄塔に昇り、境界に行くと言っていた兵隊たちを見失った事を知る。

その時、少女だけは、馬と一緒に下で待っていたが、そこに近づいて来て、シーザーの馬から銃を盗み出した不審な人影があった。

鉄塔の上からその異変に気付いたルカが大声を上げると、その人物の馬に乗って逃げ出したので、シーザーたちも急いで下に降り、馬で後を追いかける。 逃げる人影は奪った銃で撃って来る。

やがて人影は廃屋に逃げ込んだので、シーザーたちも用心しながら中に入って様子を伺う。

奥まった暗闇に銃を向けていると、奥から奪った銃を放り投げて来る。

そして、闇の中から現れた人間の防寒具を来た人物は見知らぬエイプだと分かる。

バッド・エイプ!バッド・エイプ!とそのエイプは言うだけなので、ここで何をしている?とシーザーが聞くが、様子を見ていたルカが、理解してないなと気付く。 見た事がない奴だ、仲間じゃない…とロケットが指摘する。

お前だけか?とシーザーが聞くと、バッド・エイプは頷き、寒いと言いながら来ていた人間の防寒具を脱ぐ。 バッド・エイプは毛がほとんどなく、裸に近い状態である事が分かる。

少女を見ながら、人間だと思ったんだよ、同じエイプだとは知らなかったんだとバッド・エイプが言うので、いつからいる?とシーザーが聞くと、ずっと前からだと言う。

バッド・エイプは奥から何かを持って来ると、俺の家、昔の家だと言う。

それは古い資料で「シエラ動物園」と書かれてあった。 もっといたのか?と聞くと、全部死んだ、人間が病気になり、餌がなくなったんで殺された。

俺は逃げた。

言葉は人間の話を聞いていて覚えたとバッド・エイプは打ち明けていたが、その時、少女が何かを触っていたので、触るな!俺のもの!と怒り出す。

バッド・エイプの話を聞いたルカたちは、驚いたな…、動物園にいたとは…、まだいるのか?我々のようなエイプが…と呟く。 シーザーは、バッド・エイプが奥から持って来た物に新聞が混じっており、そこに「カリフォルニア境界」と書かれている事に気付く。

それを見ていているシーザーに気付いたバッド・エイプは、ここは悪い場所、人間動物園見つけた…、病人だらけ…、悪い人間が人間を殺したと言うので、悪い人間?兵隊か?と聞き返したシーザーは、軍の施設だと察する。

境界にあるとバッド・エイプが言うので、案内できるか?とシーザーが聞くと、いやだ!あんな所に戻りたくない!とバッド・エイプは拒否するので、頼む!とシーザーは重ねて頼むが、バッド・エイプは、雪だ!と窓から見える外の様子を指差し、ここにいよう…、ほらこれをあげるとバッド・エイプは何かを少女に渡す。

それは「ノバ」と書かれた金属アクセサリーだった。

そして、この子は誰?とバッド・エイプが聞くので、知らないとシーザーは答えるが、でも一緒にいる…と不思議がるが、他に誰もいないと言うシーザーに、今、この子を見てたね?悲しい目で…とバッド・エイプは指摘し、子供いるの?と聞いて来る。

1頭…、もう1頭は殺された…とシーザーが答えると、兵隊に?とバッド・エイプが聞いたので、シーザーは頷く。

バッド・エイプは、俺にも子供がいた…と打ち明け、大佐、見つかると思う?と聞くので、多分見つかると思うとシーザーは答える。

するとバッド・エイプは、それなら案内するよと言い出す。

翌朝、廃屋の門の外に先に出ていた少女は、満開に咲き誇っていた木のピンク色の花を見上げていたので、ルカが近づいて来て、そのピンクの花を1輪取ってやり、少女の左耳にさしてやる。

そこにシーザーたちが出て来るが、バッド・エイプは寒いのか、人間のダウンベストを着て、毛糸の帽子をかぶっていた。

やがて馬で出発した一行だったが、途中、シーザーが水筒の水を飲み出すと、隣の馬にモーリスと一緒に乗っていた少女がじっと見つめる。

モーリスが手話で喉が渇いたとシーザーに伝えると、少女も真似したので、シーザーは水筒を渡してやる。

境界の人間動物園なる場所へ到達したシーザーは、双眼鏡で様子を伺いながら、ルカ、近づいてみようと声をかけ、連中は何をしている?と聞くと、分からんとルカは答える。

レッドが人間たちと一緒にいるのが見えたが、次の瞬間、シーザーたちは突然背後から兵士に襲撃される。

しかし、ロケットたちが反撃して兵士を倒すが、ルカが倒れる。

この間の借りだ、今度は守れた…と呟くルカの様子を見て涙ぐんだ少女は、自分の耳飾りのピンクの花をルカの耳に刺してやる。

その直後、ルカは息絶える。

モーリスは悲しむ少女の肩を抱いて慰めてやりながら、シーザー、殺戮はごめんだ、仲間と合流しよう、頼むから…と説得する。

しかし、ルカをも殺されたシーザーは絶対許さん!と怒りに支配されていた。

それを見たモーリスは、まるでコバみたいだ…と驚く。

俺に戦いにお前たちを巻き込んだ…、俺だけで行く。

お前たちは仲間と合流しろとシーザーはモーリスたちに言うと1匹で人間の動物園に向かって行く。

そこには、仲間のエイプの屍骸を縛り付けたX型の磔台がいくつかあった。

動物園の檻が見えて来たが、その時、背後の磔台のエイプがまだ生きている事が分かったので、手かせを外し、何があった?と聞くと、突然行く手に兵隊が現れ、襲撃して来た。

俺たちを死ぬまでこき使うためここに連れて来たと言うので、俺の息子は見たか?とシーザーが聞いた直後、背後から殴られる。

グラント、リー、ウェリントン、ナポレオン、カスター…、本は読んでいるか?だがお前はいなかった…と気付いたシーザーに話しかけて来たのは大佐だった。

この男は知っているだろう?名手だとボウガンを構えているプリチャーを大佐は紹介する。

お前に会いに来た…とシーザーが睨むと、誰を殺した?と大佐が聞いて来たので、妻と息子だ…と答えると、悪かったな…、お前の身代わりだと大佐は言う。

驚いたな…、お前の目と来たらまるで人間だ!何故ここが?と大佐は驚いたように言うので、お前がいると聞いた、北から援軍が来て合流すると…とシーザーが教えると、誰に聞いた?と大佐は質問するが、シーザーが答えないでいると、良し、行くぞ!とプリチャーやレッドに命じる。

レッドは手かせを付けたシーザーを檻の方へ連れて行く。

すると、子供のエイプばかりが入れられていた檻から、父さん!と呼びかけるコーネリアスの姿が見えた。

大人たちの檻に放り込まれたシーザーだったが、周囲のエイプたちは何の反応も見せないのでいぶかっていると、レイプが近寄って来て、許してやって…、つらい目に遭っているのと教える。

子供の檻からは、父さん!と呼びかけるコーネリアスの姿も見えたので、俺のせいだ…とシーザーは自分を責める。

翌朝、檻の前に、人間の兵隊たちが整列し、大隊止まれ!血が草を育てる!我々が始まりで終わりだ!などと号令をかけ、兵隊たち全員が大声で唱和する。

その視線の先にある建物の上階の部屋からは、頭を剃っている大佐が見つめていた。

大佐がカミソリを持って右手で十字を切ると、アメリカ国家が大音響で鳴り響り、檻の扉が開けられ、捕まっていた大量のエイプたちが外に連れ出される。

「火気厳禁」と書かれた貨車が停まっている石切り場に連れて来られたシーザーたちは、大きな石をバケツリレーの要領で運ばされ壁を作る使役をやらされる。

シーザーの隣で石を手渡していたレイクは、食料も水もないのと言うので、何故壁を作る?とシーザーは聞くが、レイクは分からないと言うように首を振る。

その直後、老いたエイプが作業をしていた一画が崩れたので、ドンキー!捕まえろ!と命じられたレッドは、その老いたエイプを罰として鞭打ち始めたので、止めろ!とシーザーは大声を上げる。

すると、作業を続けていた他のエイプたちも持っていた石を棄てる。

現場の様子を監視していた大佐はプリチャーに命じ、レッドにシーザーを捕まえさせ近くに連れて来させる。

大佐が目で命じるまま、レッドはシーザーの背中を鞭打つ。

働くように言え!と大佐が命じると、食料と水が必要と要求、言え!と大佐はさらにシーザーに迫り、その額に拳銃を突きつける。

54!とエイプの1匹がシーザーに知らせる。

別のエイプが32!と知らせる。

レイクは持っていた石を持ち上げると、それを合図に、他のエイプたちも働き出す。

急いで仕事に戻って!とレイクが指示すると、みんなその言葉に従い出す。

それを見た大佐は拳銃を引くと、吊るしとけとプリチャーに命じる。

そんな様子を、近くの高台からロケットが双眼鏡で見ていた横にいたバッド・エイプは、ここ悪い場所と怯える。

助けないと…とロケットは呟く。

そのロケットから双眼鏡を受け取ったバッド・エイプは檻の方を覗いてみて、嘘!小さすぎる!と驚いたので、モーリスが双眼鏡を逆にしてやる。

X字型磔台に縛られていたシーザーは、近づいて来たレッドに、大佐は何を約束したんだ?ドンキーと呼ばれても、お前はエイプだと聞く。 レッドは何も答えず、大佐が会いたがっていると言いながら戒めを解く。

大佐の部屋に連れて来られたシーザーは、又邪魔をしたら殺してやると脅させるが、食料と水が必要だとシーザーは要求する。

壁が出来たらやる。

感情的になるな、お前は要求できる立場ではないと大佐は答える。

壁の外に何が来る?お前は北からの軍と合流はしないとシーザーが指摘すると、そうだ、合流はしないと大佐は認め、彼らは俺を殺しに来ると言う。 部下を殺したのか?死体を見た。

身体には異変があったとシーザーが聞くと、俺がどんな人間か分かるか?と大佐が聞いて来たので、血も涙もない人間だとシーザーは即答する。

俺を殺すんだろう?その時、情けをかけるか?と大佐が言うので、お前の仲間を助けただろう?あの時、和平が出来たはずなのに…とシーザーは睨みつける。

しかし大佐は、情けか…、その情けが命取りになる…と言う。 お前はまるで人間を見ているようだ。

結局、人間に取って代わるのだろう。人間がお前たちを作った。

それは自然に人間が介入したと言う事だ。

自然はそんな人間に天罰を与え始めた。

10ヶ月前、突然口がきけなくなる病気が始まった。

知能の遅れも見られ、暴れ出したりし出した。

入院した病院の看護婦も同じ状況になった。

人間は全てキャリアだ。

身体の中に原因を持っている。

それが突然変異したミュータントだ。

それが蔓延したら人間は滅びるだろう。

そうしたら、人間を形作っていた言語や文明は失われる。

情けがどうした?ふざけるな! 息子も口がきけなくなった… たった1人の息子を生け贄にすれば助かると思い、銃を息子に向けた。

奴は俺の事を信頼していた。 俺はあいつの愛を感じ、引き金を引くと俺は救われた。

腹が据わったんだ。

感染者は皆殺しにした。 反感を感じることもあったが同じ事だ、家族も殺せと命じた。

反対した奴も殺した… 子供が森に逃げた。

医者は治ると言ったが失望した…と大佐が打ち明けたので、上官も殺したのか?とシーザーが聞くと、首をはねたが1人だけ北へ逃がした。

力づくでやれば良い…

ここは武器庫だったが病院に変わった…と大佐が言うので、彼らはお前を恐れているとシーザーが指摘すると、これは聖戦だ!人類の存亡に関わっている!

人類が滅亡して、猿の惑星になる…、俺らは家畜になる。

俺は病んでいるのか?と大佐は問いかけて来る。 お前の息子は気の毒だったが、邪悪な王国になるくらいなら殺して正解だろうと大佐が言い放ったので、足かせ足かせが付いていたシーザーは暴れ出す。

感情的すぎるぞ!お前は矛盾している。目的が分からなくなっている。 お前は個人的な復讐に燃えている。

俺を殺したら部下がどうなると思う?と大佐は問いかける。

夜、双眼鏡で人間動物園の様子を見ていたロケットは、何とかやると言い出し、1匹で向かって行ったので、バッド・エイプが、入っちゃダメだよ!と制止するが、自分はその場から逃れようと後戻りしかけて穴に落ちてしまう。

そんなバッド・エイプを救い上げたモーリスは、その穴が人間動物園につながる地下道だと気づく。

翌朝、檻に入れられていたエイプたちは、兵隊たちが水と食料を持って来た事に気付く。

檻の前には、見せしめのため、シーザーがX字型の磔台に一晩中縛られていた。

シーザーは、向いの建物の上階の大佐の部屋を見上げる。

レイクが檻の中から餌を手に取って見せ、あなたは恩人と呼びかける。

レッドがシーザーの前にもバケツに入った水を持って来たので、シーザーは口を開けるが、レッドは頭から水をかぶせたので、シーザーはむせ返る。

モーリスとロケットが仲間たちの救出方法を考えている中、丘の上から双眼鏡で檻の方を見てい少女に何が見える?と聞いたバッド・エイプは、お友達、可哀想と、捕まったシーザーを案じる。

すると、少女が人間動物園の方へ歩いて行ったので、こっちに戻って!とバッド・エイプは呼びかけるが、少女は塀の方へどんどん近づいて行く。

X字型磔台に縛り付けられていたシーザーは寒さに凍えていた。

シーザーは又コバの幻影を見ていた。

エイプはここで死に絶えると血まみれのコバが睨んで来たので、嘘だ!とシーザーは反論するが、本当だ、こっちへ来い!と言うコバの顔は、いつしかレッドに変わっていた。

手かせを外されたシーザーは、檻に戻されるが、朝まで生きていたら働かせるも良し、殺すも良し…とレッドは告げる。

その頃、バッド・エイプがモーリスたちに、あの子が中に入ったと知らせる。

牢の中で横たわっていたシーザーに、近づいて来た少女は持っていた人形を投げてやる。

気がついたシーザーが少女に気付くと、少女は笑いかけて来る。

少女が自分の喉に手を当て、喉乾いた?とジェスチャーで聞いて来ると、バケツに入った水を抱えて持って来る。

シーザーはその水を飲むが、向かいの檻に入れられていたエイプたちにも水を持って行ってやる。

そして、シーザーの所に戻って来た少女の掌には食料が乗っていた。

向いの檻の中のエイプたちはシーザーに向い、両手を握りしめ頭上に上げて輪を描くようなポーズをしてみせる。

エイプは力を合わせれば強いと言う意味だった。

それを見た少女も同じポーズをしてみせる。

その時、兵隊が近づく気配を感じたシーザーは、少女に隠れろ!と声をかける。

その様子を丘から見ていたモーリスは、あの子が殺される!と嘆く。

俺に考えがあると言い出したロケットが人間動物園の方に近づいて行く。

愚かなエイプの振りをして、わざと兵隊に捕まり檻の前まで来たロケットは、大佐が付いて来たレッドに相手をさせようとしたので、いきなりロケットはレッドに喧嘩を挑む。

その騒動に乗じて、シーザーは檻の横にいた少女をもっと奥へと逃がす。

銃を撃って喧嘩を止めさせた大佐は、お前だけか?とロケットに聞くが、雨が降って来た中、ロケットが何も答えないので、捜索しろと部下たちに命じ、レッドがロケットを殴りつけて檻の中に閉じ込めると、さらに乱暴をして行く。

レッドたちが立ち去った後、起き上がったレッドは、向いの檻のシーザーに、気分はどう?と手話で聞いて来て、良し!じゃあ相談だ!脱出する!と伝える。

翌朝も、朝整列した兵隊たちは、我々が始まりで終わりだ!と大声で叫ぶ。

レッドを連れシーザーの檻の前に来た大佐は、しぶといな…とシーザーに語りかけ、シーザーは足かせを付けられ外に出される。

そして、又石切り場に連れて行こうとされるが、その時大佐は、檻の中に落ちている人形に気付く。

これは何だ?どうして中に!と人形を拾い上げた大佐は詰問する。

しかしシーザーが何も答えないので、働かせろ!と命じる。

石切り場では、37!55!とエイプたちが数字を教え合っていた。

大人の檻まで37歩、子供の檻まで55歩と言う意味だった。

丘に逃げ戻っていた少女に何か伝えたモーリスは、バッド・エイプと2人で出かけて行く。

働いていたシーザーを監視していたレッドは、大佐は壁が完成したらエイプ殺すと教える。

シーザーは、考えなくても分かるだろう?お前だけ生き残る価値があるのか?と問いかける。 レッドの背中の毛は、ドンキーと言う字が剃られていた。 少女が地下通路に入ってみると、バッド・エイプとモーリスが埋まった穴を掘っていた。

みんな檻に?とバッド・エイプが聞くと、お前はとても勇敢だとモーリスは褒める。

エイプ?とそれを聞いていた少女が聞き返し、私はエイプ?と覚えたての手話で聞くと、お前は…と一瞬考えたモーリスは、前にバッド・エイプがくれた金属アクセサリーを出して見せ、ノバだと手話で教える。

こっちに来て!とバッド・エイプが奥にモーリスを読んだ直後、反対側の壁の一画から水が噴出して来る。

37!と歩数を数えて、大人のエイプたちがいる檻の場所を特定したバッド・エイプが、どうする?と聞くと、その場に四つん這いになったモーリスが急かす。

意味が分からないバッド・エイプだったが、モーリスがさらに勧めると、自分の背中に乗って穴を掘れと言っているのだと理解したバッド・エイプは、嫌だよ…と尻込みするが、すぐに、分かったよと承知すると、モーリスの背中に乗り、天井部分の付きを掘り始める。

地面の穴は、ちょうど仕事を終え帰って来たエイプを監視する兵士の足下に開いていた。

その穴から顔を覗かせ、外の様子を伺おうとしたバッド・エイプだったが、兵士の足に気付きすぐに顔を引っ込める。

しかし、その様子に気付いたエイプがいた。

そのエイプに気付いたロケットが、さりげなく穴の中に顔を覗かせていたバッド・エイプを見て、奴が例のエイプだと仲間たちに知らせる。

兵士が立ち去った後、エイプが、ありがとうと言いながら手を差し伸べて来たので、躊躇しながらも、バッド・エイプはその手を握り挨拶をする。

その時、下の地下通路にいた少女が、水が入って来た事をモーリスに知らせる。

地上にいたロケットが穴の中の異変に気付き、どうした?と聞いて来るが、モーリスは排水溝の鉄扉を閉めて何とか水を食い止めるが、もう掘れないと分かる。

子供の檻までは穴を掘れないと言う事だった。 モーリスからそれを聞いたロケットは、子供の檻までは別の方法を考えないと…と向いの檻のシーザーに手話で伝える。

しかしシーザーは、時間がないと手話で答え、考え込む。

翌日、檻の上で監視をしていた兵士の後頭部に、いきなりクソがぶつけられる。

怒った兵士は、降りて来て入り口を開けると、銃を構えながら、どいつだ?誰がやった!お前か!とエイプたちに威嚇する。

すると、又頬にクソが投げつけられる。

怒った兵士が、クソを右手でもてあそんで立ち上がったロケットに銃を向けようとしたとき、突然、足下に穴が空き、そこから伸びて来た2本の手が兵士の足を掴んで穴に引きずり込む。

その直後、穴の中から、監視役兵士が持っていた扉の鍵が地上に飛び出して来る。

さらに、穴の下にいたモーリスが、兵士が持っていた銃を地上へ差し出す。

鍵を持ったロケットは外に出るとシーザーも出してやり、一緒に子供の檻に近づき扉を開けてやる。

シーザーはコーネリアスを抱きしめ再会を喜ぶ。

子供のエイプたちは、動物園内に張ってあったロープを伝って外に脱出する。

急げ!行くぞ!とシーザーに声をかけたロケットは、動こうとしないシーザーに、どうした?と聞く。

先に行ってくれとシーザーが言うので、お前を残して?とロケットは驚く。

モーリスは正しい。俺はコバだ。コバは憎しみに捕われていた。俺も憎しみに捕われている…と言いながら、シーザーは、大佐の部屋の方をじっと見つめていた。

その時、突如、動物園内で爆発が起きる。

見ると、北の空から攻撃ヘリが接近しており、北の部隊の攻撃が始まった事を知る。

大佐!大佐はどこだ!と兵士たちも応戦を開始しながら、指揮官の姿が見えない事に気付く。

シーザーもじっと建物の上階の大佐の部屋を外から見えゲていたガ、大佐は出て来なかった。

檻の様子を見に来た兵士は、地面に穴開いており、エイプが全くいなくなっている事に気付く。

伏せろ!危ない!とバッド・エイプがコーネリアスたちに伝える。

大佐の部屋に上がって来たシーザーは、用心深く部屋の奥へと向かう。

床の落ちていた、大佐の息子と思しき男の子の写真を見つける。 さらに進むと、酒の空瓶が転がっており、ベッドの上には大佐が横たわっていた。

シーザーは、大佐の側にあるキャビネットの上に置いてあった銃を掴むと、それを大佐に向けると、それに気付いたのか、顔を上げた大佐は何かしゃべろうとする。

しかし、口と鼻から見覚えのある体液が流れ出しており、大佐はしゃべれなくなっていた。

側の床には、少女が持っていた人形も転がっていた。

大佐も感染した事が分かったシーザーだったが、大佐はシーザーの銃を掴むと、自分の額に押し当てる。

そして自分で引き金を引こうとするので、憎しみの表情で大佐を睨んでいたシーザーだったが、銃を引き離し、側のキャビネットの上に置く。 立ち去りかけたシーザーは、背後で銃声を聞く。

大佐はその銃を自分で掴み、自殺したのだった。

その頃、下では兵士たちが、撃墜しろ!とヘリに反撃をしていた。

1機を撃墜した所で、ドンキー!装填しろ!と兵士がレッドに命じる。

兵士たちは基地の外に逃げていたエイプたちに気付くと、一斉射撃し始める。

大佐の部屋から周囲の様子を見ていたシーザーは、石切り場の貨物列車のタンクから燃料が流れ出している事に気付く。

その時、部屋の戸が叩かれ、大佐!いますか!と部下が呼びに来たので、シーザーは窓から飛び降り、火が付いて燃え上がり出した、巨大なアメリカ国旗を伝って地上に逃げ出す。

ロケットも奪った銃で応戦していた。

塀の上でバッグから命じられたグレネードランチャーを取り出していたドンキーことレッドは、基地内で爆発が起きている中、近づいて来るシーザーの姿に気付く。

シーザーは手榴弾を握っており、それを貨物列車の方に投げようとしたとき、いきなり倒れ込む。

背後からプリチャーが背中を撃ったのだった。

ドンキー!早く持って来い!と兵士が急かす。

倒れたシーザーに近づいて来たプリチャー近づいて来ただったが、次ぎの瞬間爆発で吹っ飛ぶ。

シーザーは、塀の上にいたレッドがグレネードランチャーで撃った事に気付く。

兵士もそれに気付き、その場でレッドを射殺する。

シーザーは側に転がっていた手榴弾を拾い上げると、貨物列車のタンク目がけて投げつける。

大爆発が起きた中、迫って来る炎から懸命に逃げたシーザーは、穴の中に飛び込む。

モーリスや少女が心配して覗き込んでいた外部の穴からシーザーが出て来る。

外に出たシーザーは、冬用に装備した北の大群が人間動物園に向かっている様子を丘から見る。

境界の人間動物園が全滅したのを知った北の兵士たちが歓声を上げるが、その時、丘の上のシーザーに気付いた兵士がおり、周囲の兵たちもそれに気付き一斉に銃を向けて来る。

その時、轟音が山の方から聞こえて来て雪崩が迫っている事に気付いたシーザーは急いで高い方へと逃げる。

他のエイプたちも雪崩に気付き、高い方へと逃げる。

人間動物園と逃げようとした北の兵士たちは全て瞬時に雪崩に埋まってしまう。

木から木へと飛び移り、何とか木にしがみついて雪崩を逃れたシーザーは、すっかり埋まってしまった人間動物園の姿を眺める。

気がつくと、側には他のエイプたちも木によじ上って難を逃れていた。

レイクがしっかりコーネリアスを抱いてくれていた。

その後、コーネリアスを背負ったシーザー率いるエイプの群れは旅を続け、湖のある荒野にたどり着く。

エイプたちは新天地に到着した事を喜び合う。

そんな中、丘の上にしゃがみ込んだシーザーが右脇腹を気にしながら苦しげなので、横に座ったモーリスは、シーザーの右脇腹から出血している事に気付く。

ボウガンを撃たれた傷だった。 心配するなとシーザーは言う。

モーリス、みんな新しい家に着いた。

エイプは強い、俺がいてもいなくても…と呟いたシーザーの目の前では、バッド・エイプとコーネリアスと少女ノバが遺書に戯れていた。

そんなシーザーにモーリスは、息子はいずれ分かる、誰が自分の父親なのか。

そしてシーザーがエイプのために何をしたかを…と手話ではなく、口に出してしゃべっていた。

それを聞いたシーザーは、満足そうに微笑むと目を閉じ、そのまま静かに横に倒れ込む。

シーザー!と呼びかけたモーリスがシーザーの足をさすってやる。

他のエイプたちもシーザーが死んだ事に気付き、一斉にシーザーの方を向く。

カメラはそんなエイプたちから空の方へ上がって行く。
 


 

 

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