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エイリアン:コヴェナント

史実をベースにした戦争映画のようだが、勝ち負けよりも、生き続ける事、決して諦めない事、いかに困難に立ち向かって行くかの勇気を喚起させる感動作になっている。

ダンケルクから逃げようとする青年兵、そして、イギリスから救援に向かう民間の人たち双方の視点から描かれており、そこに、空から最後まで援護するパイロットの姿を加え、敵であるドイツ兵の姿は極力画面には登場しない演出になっている。

青年兵の視線は、次から次へと迫り来る危機又危機の連続と言った感じで、物語の緊張感を高める要素になっている。

一方、救援に駆けつける民間船の話では、対照的に不慮のトラブルに巻き込まれ、あっさり死を迎える不遇な青年の姿が描かれており、戦争の理不尽さを感じさせるようになっている。

派手な銃撃戦のようなものこそ少なめだが、ダンケルクの海岸に整列するイギリス兵やフランス兵の膨大なエキストラとか、空襲を受け沈み行く輸送船の姿とか、スペクタクル要素は見応え十分である。

特に、青年兵の視線は観客自身の体験のように感じられるようになっており、次から次へと迫り来るピンチの数々はジェットローラーに乗っているような緊迫感を味わえる。

さらに、多くの民間船が絶望の縁に立たされていたダンケルクに到着したときの高揚感はただ事ではなく、涙腺を刺激する事請け合い。 
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2017年、アメリカ映画、 クリストファー・ノーラン脚本+監督作品。

1940年、フランス北端の海の町ダンケルク

空から無数のビラが舞い落ちて来る中、イギリス兵トミー(フィオン・ホワイトヘッド)は仲間2人と人通りのない町中を通り抜けていた。

ビラには「英仏を海まで追いつめた」と書かれており、ドイツの宣伝ビラだったが、トミーはそのビラを数枚かき集めズボンのベルトに挟む。 その時、背後から銃声が聞こえて来たので3人は慌てて走り出すが、すぐに2人が撃ち殺される。

トミーは塀を何とか乗り越え、塀を撃ち抜き攻撃を続けて来るドイツ軍に応戦しようと、銃の激鉄を起こしかけるが、何故か引っかかってしまって撃てない事が分かったので、慌ててさらに奥へと逃げ込む。

やがて通りの奥に味方の土嚢が見えて来たので、イギリス兵だ!と呼びかけ、その中に飛び込む。

それでも、ドイツ軍が執拗に撃って来るので、さらにそこも逃げ出したトミーは、とうとう海岸に到達する。

ずっと我慢していた便意を解消するため、砂浜でズボンを脱いで排便しかけたトミーだったが、周囲を見渡すと、すぐ側で、死体に砂をかけて埋葬しているイギリス兵を見つける。

そのせいか便意も消えたので、ズボンをたくし上げながらそのイギリス兵に近づいたトミーは、同年輩くらいのそのイギリス兵ギブソン (アナイリン・バーナード)から水筒を渡されたので、中の水を飲む。

そして、2人で海岸の方へ行くと、いくつもの兵隊の列が出来ていたので、その1列の最後尾に付こうとすると、ここは近衛連隊の列だと拒否されてしまう。

防波堤からは本土へ帰る船が出る所だった。 周囲を見渡すと、次々に担架に負傷兵を乗せたイギリス兵が波止場の方へ向かっていた。

1週間

敵機が海岸に来襲して来て爆撃を加えて来たので、列をなしていたイギリスやフランス兵はなす術もなく逃げまとう中、空軍は何してる!と怒りの声が上がる。

2海 1日

イギリスでは、船の調達だって?と驚いた民間船ムーンストーン号の船長ミスター・ドーソン(マーク・ライランス)が、自分のヨットに救命具を積み込み始めていたので、波止場にいたジョージ(バリー・コーガン)も手伝う。

3空 1時間

英空軍パイロット・ファリア(トム・ハーディ)は、隊長機と味方機のスピットファイア3機でダンケルクへ向かって飛行を続けていた。

隊長(声-マイケル・ケイン)は、敵と交戦になっても帰投できる燃料は残しておけとファリアたちに通信して来る。

膨大な数の兵隊がいる浜辺で船に乗るチャンスを待っていては助からないと察したトミーとギブソンは、急遽、上着を脱いで負傷兵を担架に乗せた救護班に化けると、他の兵隊たちの間をすり抜け、出航直前の船が接岸していた防波堤に近づこうとする。

防波堤では、フランス兵はダメだ!イギリス兵だけだ!と選別が行われており、出航する船を間近に見ながら多くの兵隊が足止め状態だった。

出航準備!舫解け!後2分だ!間に合わない!と出航準備の声が響く中、トミーとギブソンは担架を抱え、人ごみをすり抜け、何とか船に近づこうとする。 ムーンストーン号の救命具積み込みはまだ続いていた。

ファリアは、カレーの方が近い。格好の的か?などと味方機と通信し合っていた。 ダンケルクの防波堤では艀が外されかけていた。

出航したムーンストーン号に、いきなり手伝っていたジョージが乗り込んで来たので、行き先は知ってるのか?と船長のドーソンが聞くと、フランス?とジョージは言うので、戦争だぞ!とドーソンは教えてやる。

スピットファイアのファリアは、11時、敵機!との通信を受け緊張する。 トミーとギブソンは、ぎりぎり担架を運んで出航しかけていた船に乗り込む事に成功するが、担架の負傷兵を降ろしていると、お前たちは降りるんだ!と叱責されてしまう。

トミーががっかりして艀を戻りかけるが、ギブソンが防波堤の柱の影に隠れたのに気付き、自分も艀から降りて柱の影に身を潜める。

ムーンストーン号はダンケルクに向けて海を進んでいた。

ドーソンさん!とジョージが空を見ながら叫んだので、我が軍だ!とドーソン船長は教える。

スピットファイアー機が敵機と交戦中だった。 敵機を一機撃墜した直後、隊長機を呼びかけたファリアだったが、隊長からの応答はなく、周囲に隊長機も見えなかった。

防波堤の柱に隠れているトミーとギブソンの上で、ボルトン海軍中佐(ケネス・ブラナー)に部下のウィナント陸軍大佐(ジェームズ・ダーシー)が色々近況を報告していた。 敵はここで停まる訳ではない。

見える程近いのに…、本国は…と、ドーバー海峡を挟んで見えるイギリスの影を見ながらボルトン海軍中佐は言う。

チャーチルは我が軍のみ救うと言っているが、ここには40万の兵隊がいる。防波堤を死守せよ。

防波堤が防衛線か…とボルトンは呟く。

ムーンストーン号は、波間に横転した船底に1人座っている兵隊を見つけたので、泳げますか?と呼びかけるが返事がないので、ロープを投げると、そのイギリス兵(キリアン・マーフィー)は自ら海に飛び込みロープを掴んで来たので救出する。

ドーソンの息子のピーター(トム・グリリン=カーニー)が毛布を渡し、ドーソン船長が名前を尋ねるが、イギリス兵は濡れた身体を毛布で包みうずくまったまま何も答えようとしなかった。

隊長機を探して飛行中だったファリアは、海面に浮いている隊長機を発見するが、脱出したらしき落下傘も見えないので、隊長は戦死したと判断する。

そして、味方機に燃料の残量を聞くと50ガロンと言うので、自分の残量も調べようとメーターを見るが、壊れているようなので、随時知らせてくれ、こちらの計器が不調だと味方機に伝える。

その頃、ダンケルクの防波堤には敵機が接近していた。

敵機は爆弾を投下して来たので、接岸していた赤十字の輸送船が被害を受ける。

ボルトン海軍中佐は、船を棄てろ!ここに沈めるな!沖へ出せ!と叫ぶ。

傾きかけた輸送船に乗っていた兵士たちが次々に海に飛び込み、その内の1人英国陸軍「ハイランダー」アレックス(ハリー・スタイルズ)が防波堤の方に泳いで来たので、トミーは手を差し伸べて助けてやる。

赤十字船は、何とか防波堤からはなれた地点で沈没する。

ムーンストーン号では、救出したイギリス兵に茶を渡そうとするがはねつけられてしまう。

イギリス兵は、Uーボートだ…とだけ呟く。

ファリアは目的地まで50km!高度2000!と味方機に通信する。

防波堤の柱にしがみついていたトミーたち3人は、別の船が接近して来た事に気付くと、海に浸かり、その船に乗り込む。

船には毛布を配っている女性がおり、奥へ!と声を掛けるが、何故かギブソンは船室に入らず、奥の通路の方へ向かう。

トミーは船室に入り、準備してあったジャム付きパンを取り食べ始める。

友達は?と一緒に付いて来たアレックスが聞くので、逃げ道の確認さとトミーは適当に答える。

ムーンストーン号では、イギリス兵が、目的地は?と聞いて来たので、ダンケルクだとドーソン船長が教えると、あそこへは戻らない!絶対に!行ったら全員死ぬ!と救出したイギリス兵は興奮気味に拒否する。

なるほど、海図を見ようとごまかし、イギリス兵を船室の中に入れたドーソン船長はピーターに、砲弾ショックだ、取り戻せないかもな…とイギリス兵の事を教える。

スピットファイアのパイロットは、敵のメッサーシュミットを発見、2機撃墜するが、自分も撃たれ、墜落し始めたので、一旦風防を開き脱出しようとしかけるが、途中で考えを変え、風防を閉めると海面への不時着を決断する。

夜になると、ムーンストーン号のイギリス兵が、戻ってくれ!助けてくれ!などと騒ぎ出す。

その頃、トミーが乗っていた船は、魚雷を受け、船が沈没し始め、船室内には浸水が始まる。

トミーは何とか外に脱出すると夢中で泳ぎ出す。 翌日、今度は敵のスピットファイア3機が接近して来たので、ドーソン船長は注意を促す。

イギリス兵がドアを開けて外に出ようとしたので、ジージは閂錠をかけ、外に出さないようにする。

それに気付いたドーソン船長が、閉じ込めたのか?開けてやれと指示する。

船室から出て来たイギリス兵が、何故戻らん?これはただの遊覧船だぞ!と聞いて来たので、我々の世代が戦争を始め、子供を戦地へ送った…とドーソン船長は答える。

空で飛行中だったファリアに、海面に着水した味方機から後15ガロンだと知らせて来たので、幸運を祈ると答える。

泳いでいたトミーとアレックスは、兵隊たちが乗り込んでいた小舟を見つけたので泳いで近づこうとするが、止めろ!もう無理だ!既に2回転覆している!と小舟の乗組員たちから拒否される。

浜へ戻るぞ、ハーバーへと言いロープを投げられたので、トミーとアレックスは、そのロープを握り、小舟に引かれて、元の海岸へ連れ戻される。 ムーンストーン号では、戦争からは逃れられんとドーソン船長がイギリス兵に言い聞かせていた。

しかし、爆撃機とUーボートにやられるぞ!引き返せ!とイギリス兵が暴れ始めたので、取り押さえようとしたジョージだったが、はね飛ばされ転がった際、頭を強打してしまう。

ファリアは、敵機が味方の船に向かうのを見て追尾し撃墜するが、壊れた燃料メーターではも凝りの燃料を知る事は出来なかった。

海岸に戻って来たトミー、アレックス、ギブソンの3人は、爆撃で破壊された防波堤を修理中の様子を見る。

そんな中、海を見ていたボルトン海軍中佐が流れが変わったなと呟いたので、何故分かる?とウィナント陸軍大佐が聞くと、死体が戻って来たとボルトンは教える。

海面に浮いていた仲間の死体がどんどん浜辺に戻って来ていたのだった。

トミーたちは、ハイランダースの1隊が歩いて来たのに気付き、どうした?と声を掛けると、座礁したと言うので、その部隊の後を付いて行く事にする。

ムーンストーン号で頭を負傷したジョージは、様子を見たピーターに、君とドーソンさんの役に立てた…。海軍士官隊に入りたかったが、学校では落ちこぼれだった。

いつか俺はやりたかった…新聞にも載るような事をして…と呟くので、大丈夫さとピーターは慰めるが、無理だ…、何も見えない…とジョージは答える。

空では、帰投のための燃料が残っているかどうか、操縦席で判断に迷っていたファリアだったが、決心したようにダンケルクへ向かう。

西のフランスは劣勢ですとウィナント陸軍大佐が伝えると、駆逐艦は?ボルトンが聞くので、1隻来るとウィナントは答える。

1隻…と落胆するボルトンに、来るのは1度に1隻だ…、次の戦は本土だとウィナントが答えるので、ここが戦場だぞ!もっと輸送船がいる!と怒ると、民間の船を徴用したとウィナントが言うので、駆逐艦が必要だ!とボルトンは苛立つ。

工兵隊が桟橋を造っている、3時間で出来るとウィナントが言うので、私が海軍で良かったな…とボルトンは皮肉を言う。

トミーたちが付いて行ったハイランダーズの一行は、浜に座礁していた駆逐艦を見つける。

潮が満ちれば浮く事を期待し、全員中に乗り込んで時間を待つ事にする。

ファリアは、プロペラの回り具合から、そろそろ燃料切れが近い事に気付く。

ムーンストーン号の上では、ピーターがドーソン船長に、重症だ…、引き返す?とピーターの容体の事を知らせるが、手遅れだ…とドーソンは哀しげに答える。 やがて、ダンケルクの浜辺に潮が満ちて来る。

ちょっと駆逐艦の外に出てみたトミーだったが、ほぼ変化なし!と船底に隠れていたハイランダーズたちに知らせる。

その頃、ムーンストーン号のピーターが空を見上げ、スピットファイアだ!と叫ぶと、やった!敵が逃げて行く!とドーソン船長も喜ぶ。

しかし、そのスピットファイアも煙を吐いていた。 落下傘見はれ!とドーソン船長が命じる。

座礁している駆逐艦の中では、外の足音に気付き、ハイランダーズたちが緊張しながら銃を構える。

やがて船底に降りて来た男は、オランダだ!君たちを助けに来たんだが、船が重くなっているので浮かぶまで時間がかかると教える。

その時、銃声が響き、側面に穴が空く。

煙を上げていたスピットファイアを見ていたピーターは、脱出しない!不時着だ!と叫ぶ。

コリンズ(ジャック・ロウデン)が操縦するスピットファイアは着水に成功するが、脱出しようとして風防を開けようとするが、何故か少ししか開かないので隙間から手を伸ばして振ってみる。

そんなコリンズ気に近づくムーンストーン号だったが、ピーターは、父さん!飛ばし過ぎだ!と注意する。

しかしドーソン船長は、うるさい!まだ生きてる!助けを待ってる!と答え、不時着機へ近づく。

その間に敵機は飛び去っていた。

座礁した駆逐艦の中に隠れていたハイランダーズとトミーたちは、次々に側面に風穴が開いて行くので、いつ撃たれるかと恐怖におののいていた。

撃ちかえそうとするハイランダーズたちに、撃つな!と制止したトミーは、穴を見ろ!射撃訓練だ!と教え落ち着かせる。

しかし、やがて、その風穴から海水が浸入して来たので、慌てて塞ごうと側壁に近づいた兵隊が撃たれて倒れる。

このままでは、潮が満ちて来ても船は進水して動かないと悟ったハイランダーズたちは、塞がないと!どうする?軽くしないと!と騒ぎ出し、誰か降りろ!と言い出すようになる。

誰にする?と迷っていると、必要ない、もう決まっている、この中にドイツのスパイがいる!そいつは一言も話してない!しゃべるとドイツなまりがあるからだ!とハイランダーズの1人が指摘し、ギブソンを睨みながら、何か言ってみろ!と迫る。

それを聞いたトミーは驚き、言えよギブソン、言ってやれ!と声を掛けると、口を開いたギブソンの口から出た言葉はフランス語だった。

フランス!ギブソン!とトミーは驚くが、ようやく、浜辺で最初に会った時、ギブソンが埋葬していたイギリス兵から軍服を盗んだのだとと察する。

ギブソンは、トミーの疑惑の視線を感じ、殺してない!浜は死体だらけだ!殺してない!と必死にえん罪を晴らそうとする。

そんな中、1人降りろ!とハイランダーズが迫るが、嫌だ!僕は国に帰る!とギブソンは抵抗する。

するとハイランダーズは、じゃあお前だ、俺たちは連隊だが、お前は違う!とトミーに迫る。

トミーが緊張したそのとき、船が浮き上がったのが分かったので、浮いたぞ!エンジンだ!と叫ぶ。

その頃、ピーターは、海面に不時着していたスピットファイアのパイロットコリンズをムーンストーンズ号に引き上げていた。

その間も、敵機はイギリスの輸送船に爆弾を落とし、船は傾いていた。

ムーンストーン号に最初に救出されたイギリス兵は、少し落ち着いたのか、すまなかった、正しい処置だとピーターの行動を褒める。

潮が満ちて浮き出した駆逐艦の中では、穴を塞げ!とハイランダーズたちが叫んでいた。

桟橋の上で海を見つめていたボルトン海軍大佐は、接近して来る多くの民間船の姿に気付くと、故国だ!と感激して叫ぶ。

駆逐艦は、通過して行く民間船に感謝の意味を込めて汽笛を鳴らす。

桟橋に集まっていた兵隊たちも歓喜の雄叫びを上げる。

ムーンストーン号の上では、最初に救出されたイギリス兵が、あの子は平気か?とジョージの事を聞いて来るが、ピーターは、大丈夫じゃない…と答える。

行け!ファイア!とコリンズは上空を飛ぶスピットファイアに呼びかけるが、そんな中、海に人が!とピーターが気付く。

傾いた輸送船から海に落ちた兵隊たちが必死に泳いでいたが、全員顔は真っ黒だった。

船から漏れた重油が海面を被っていたのだった。

重油が流れ出してるぞ!とドーソン船長が叫ぶ。

上空では、既に燃料斬れ状態のファリアが、敵機に向かって攻撃を加えていた。

浸水が止まらない駆逐艦お腹にいたトミーは、船は諦めろ!ギブソン、逃げろ!と叫ぶが、ギブソンは船底に溢れた海水に飲まれ息絶えてしまう。 トミーは船から脱出すると必死に泳ぎ続ける。

そこに、敵機が接近して来る。 それに気付いたドーソン船長も、重油が萌える前に出来るだけ救うんだ!とピーターに呼びかけ、ムーンストーン号に近づいた兵隊たちを次々に引き上げてやる。

次々に奥の船室内に送り込んでいたピーターが、けが人だと、床に寝かせていたジョージの事を教えるが、もう死んでいると兵隊が教える。

それを聞いたピーターは、丁重に扱ってくれと兵隊たちに頼む。

最初に救助したイギリス兵が、あの子は大丈夫か?とまた聞いて来たので、ああ…とピーターは答え父親ドーソン船長を見ると、ドーソンも黙って頷いて答える。

海を泳ぎ、近くにあった船に接近していたトミーだったが、その目の前で船は沈没してしまう。

戻って来るぞ!と叫ぶ中、敵機が又戻って来る。 ファリア、頼む! 次々と沈没して行く輸送船から海に飛び込む兵士たち。

ファリア!撃ち落とせ!とコリンズがムーンストーン号の上から叫ぶ。

離れろ! ファリアから撃墜された敵機が海に落下し、海面を被っていた重油に引火する。

それを見たドーソン船長は、国に帰るとピーターに伝える。

最後まで飛んでいたファリオのスピットファイア機のプロペラはもう完全に止まっていた。

それを桟橋から見ていたボルトン」陸軍大佐が、ありがとうと感謝する。

グライダーのように滑空して行くファリアのスピットファイア。 その時、ムーンストーン号のピーターが、メッサーシュミットだ!南へ!と叫ぶ。

しかし、ドーソン船長はぜんそくでそのままだ!敵は急降下するぞ!ぎりぎりまで待て!と指示する。

今だ!とドーソン船長が叫んだ時、迫っていた敵機が墜落する。 滑空状態だったファリアが撃墜したのだった。

浜辺でそれを見ていた兵士たちが歓声を上げる。 それを見たピーターは、兄だ!ハリケーンで出航した…と呟く。

最初に救出した兵士が甲板上にいるのに気付いたピーターが、下へ降りて!と指示すると、ドーバー海峡が見たいと言うので、ドーセットだ、祖国だとピーターは教える。

上陸した兵士たちは、皆を失望させた…と悔やんでおり、空軍は何をしてる!と言うヤジが群衆から起きるが、我々は知っているとドーソン船長は励ます。

兵士たちは、駅に泊まっていた列車に向かう。 生き残っただけで十分だと良いながら、毛布を兵士に配る盲目の老人がいた。

列車に乗り込んだアレックスはもらった毛布をかぶって座席ですぐに寝入る。

ダンケルクの桟橋に立っていたボルトン海軍中佐は、民間の船に乗り込んで次々に兵士が帰って行く中、私は残る、フランス兵がまだいると、船に乗り込んだウィナント陸軍大佐に告げる。

ウィナント陸軍大佐は、桟橋に残ったボルトン海軍中佐に敬礼をする。

列車に乗っていたトミーは、停まった見知らぬ駅にいた少年に、ここはどこかと訪ねると、ウォーキングと言うので、積んであった新聞を一部くれと頼む。

窓から受け取った新聞には、33万5仙人を救出したと大見出しで書かれていた。

トミーは、向いの席で起きたアレックスに、お前読め!と言いながらその新聞を渡す。

通りに人がいたらつばを吐きかけられるぞとトミーは自嘲する。

一方、ドーソン船長とピーターは、地元のウィルマス・ヘラルド新聞社を訪ねて、ジョージが写っている古い学校の集合写真を記者に見せる。

その頃、まだダンケルクの海岸で滑空を続けていたスピットファイアのファリアは、手動で車輪を降ろしていた。

次の駅に停まった列車に駆け寄って来て、トミーの座席の窓を外から叩いた民衆は、ビールを窓から差し入れてくれる。

奇跡の脱出…とアレックスは新聞記事を音読していた。

フランスとベルギーの失敗の後、次の嵐が待っている。 我々は諦めない。フランスで戦う。

地元紙の表紙には、ジョージの写真と一緒に、ダンケルクの英雄と言う文字が掲載される。

ファリアのスピットファイアは、浜辺に不時着する。

いかなる犠牲を払おうと我々は戦う。 決して降伏はしない。

ファリアが降りた途端、スピットファイアは炎上する。

ファリアの背後に近づいたナチスドイツ兵が銃を向け、ファリアは手を挙げ捕虜になる。

大英帝国は戦い続ける! 古き世界が解放されるまで!とアレックスは新聞記事を読む。

炎上するスピットファイア。
 


 

 

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