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新感染 ファイナル・エクスプレス

韓国製ゾンビ映画

アニメ作家による実写化作品らしいが、明らかにハリウッドの影響を受けたノンストップ・トレインパニック映画になっている。

この手のハリウッド映画同様、複数の登場人物には分かりやすい役割が与えられており、話が進むうちにそれぞれの役割が見えて来るような仕掛けになっている。

VFXもなかなか巧みで、登場人物が日本人には馴染みがないと言う以外は、ドラマ部分などを見る限り日本映画を見ている感覚に近い感じもあるが、オリジナル脚本だけに話に無駄な部分がない。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2016年、韓国、パク・ジュソク脚本、ヨン・サンホ監督作品。

チニャン

「防疫中 検問」の立て札が立っており、やって来たトラックの車体を防疫服の男が洗車を始めたので、又うちのブタを殺す気か!とトラックの運転手が怒鳴ると、これは口蹄疫ではありません。この先のバイオ工場で何かが漏れたらしいので、その用心のためです。大丈夫ですから、仕事に行って下さいと防疫服の男は運転手に呼びかける。

車を発車した運転手は、何が漏れたって言うんだよ、あいつら信用できないからな…とぼやいていたが、その時スマホが鳴り出したので、片手でスマホを掴もうと焦っているとき、何かを轢いてしまったので慌ててトラックを止める。

飛び出して来た野生の鹿を轢いたらしかったので、今日は付いてないな…と、運転席から降りて背後を確認した運転手は嘆いて車に戻る。

トラックが走り去った後、路上に倒れていた鹿が急に起き上がるが、その目は白く濁っていた。

タイトル

ファンドマネージャーのソグ(コン・ユ)は、会社で顧客と、今お売りになると証券がただの紙になってしまいます。

又、ゴルフ場でお会いしましょう…と電話をしていた。

電話を切った直後、キム代理から円和が入り、魚が謎の大量死と言うニュースがあるので関連銘柄を投げろと指示するが、キム代理が個人投資家のことを案じるので、個人投資家の心配は良い、全部売却しろ!と命じる。

電話を切る直前、最近の子供は何が好きかな?とソグはキム代理に聞く。

帰宅時、車の中でソグは妻の所に電話を入れる。

スアンは俺が引き取ると言うと、あんたには無理、親子の会話をしていないと妻が答えたので、スアンは明日行くと言っているとソグが伝えると、あんたが連れて来て、明日スアンの誕生日だって知ってる?と妻は言う。

帰宅したソグがスアンの居場所を母親に聞くと、部屋にいると言うので、スアンの部屋に入ると、娘のスアン(キム・スアン)は、ベッドのケープの下に潜って、ママ、1人で電車に乗るよと電話をしていた。

ソグの帰宅に気付いたスアンは電話を切ったので、話してても良いんだぞ、釜山に行くんだって?パパはこのところ仕事忙しい。

来週まで待ってくれるか?と弁解しながら、ソグは買って来たプレゼントをスアンに渡し、誕生日だろ?忘れてないぞと伝える。

しかし、プレゼントの包みを開けたスアンは、中味が「Wii」であることを知ると顔を曇らせる。

ソグは、スアンが顔を向けた方を見ると、既に同じ「Wii」が置いてあり、子供の日にくれたよとスアンは言う。 バツが悪くなったソグは、何か他に欲しいものあるか?と聞くと、釜山…、ママのいる所に行きたい…とスアンは答える。

パパはいつもスアンのことを思ってるよと弁解すると、パパは仕事だと言っていつも嘘付いてる…、1人で行くから…とスアンが指摘して来る。

ソグは母親に、明日、スアンと一緒に釜山に行くよと教えると、ナヨンとちゃんと会って来なさい。

夫婦は簡単に分かれることないわ。

スアンのこと考えてやって、あんた今日、学芸会来なかったから…、今はスアンに撮って大事な時なのよと母親は言い聞かす。

自分の代わりに学芸会に行ったらしい母親が撮ったビデオを再生してみると、「アロハ・オエ」の歌を1人で歌っていたスアンが何故か途中で歌を止めてしまい、寂しげな表情をするのが写っていた。

翌朝、まだ暗いうちから、ソグはスアンを車に乗せソウル駅に向かっていた。

ソグはスアンに、学芸会のビデオを見たと明かし、途中で止めてしまうくらいなら最初からやらない方が良いなどと言い聞かしていたが、その時、消防車が数台通り過ぎるのと危うく衝突しそうになったので急ブレーキをかける。

何だ?朝っぱらから…とソグは消防車を見送りながら呟くが、スアンは窓から右手を差し出し、空から降って来た紙片のようなものを掌に受け止める。

紙切れのようなものは黒い煤になってしまう。 何かあったみたいだ…と言いながら、ソグはソウル駅に向かう。

ソウル駅のホームには、5時30分発、釜山行きKTX列車が停まっていた。

車内では、乗務員室から出て来た男性乗務員が、通路を通りかかった女性乗務員ヘアンのスカーフが曲がっていることに気づき注意する。

野球部の部員たちが乗っていた車両に女子のジニ(アン・ソヒ)がやって来たので、全員、何でここに?と驚くが、応援団長になったんだと言いながら、ジニが勝手に席に座って音楽を聴いていたヨングク(チェ・ウシク)のイヤホンの片方を抜いて自分も聞き始めたので、ヨングクは戸惑う。

女に好きって言われたんだから運命受け入れなさいとジニがヨングクに言うと、周囲の部員たちも苦笑する。

ソグにキム代理から電話が入り、列車に乗りましたか?こっちは電話が鳴りっぱなしですと困惑する連絡が入るが、昼までには戻るから…とソグは答える。

出発間際の列車に、慌てふためいた様子の女(シム・ウンギョン)が駆け込むが、その左足は出血しており少しネジ曲がっていた。

駅の入り口付近で何か混乱の様子が見られる中、列車は定刻通り出発する。

窓辺に座っていたスアンは、後方に去って行くホーム上で異変のようなものを目撃するが、隣に座ったソグが眠っていたので、話しかけることはしなかった。

デッキ部分にいた女は、泣きながら自分で左足の出血を止めようと縛りかけていた。

そんな中、1人の男性客が男性乗務員に、トイレに変な人が閉じこもっていると報告したので、男性乗務員が様子を観に行き、ドアをノックしても返事はなかった。

尿意を覚えたスアンがそのトイレの前に行くが、乗務員が外からドアを合鍵で明けると、中にはホームレスの男(チェ・グィファ)がしゃがみ込んでおり、みんな死んだ…などと意味不明なことを呟きながら怯えていた。

乗務員は、乗車券がないなら次の駅で降りてもらうよと言い聞かせるが、男は、死んじまった…と呟くだけだった。 デッキにいた足を怪我した女が突然倒れる。

スアンは次の車両のトイレに向かうと、そこには大きな男サンファ(マ・ドンソク)が立っており、中に2人入っているんだ、あっちにもトイレあるからとスアンに教え、ソンギョン、大丈夫か?とトイレの中に呼びかける。

ソグは、またキム代理から電話で目覚めており、全国レベルでデモが起きており、カンサン工業団地だけではありませんと泣きつかれる。

車内設置のテレビでも無差別暴力デモのことが流れており、ヨンソク(キム・ウィソン)ら乗客が驚いたようにその画面を凝視していた。

女性乗務員ヘアンはデッキで倒れていた女性を発見、男性乗務員にシーバーで連絡しようとするが電波の調子が悪く、通じなかった。

その時、彼女の背後で倒れていた女が急に立ち上がる。 その目は白濁しており、明らかに人間ではないような動きをしていた。

スアンは、ようやく開いたトイレを見つけ、中に入っていた。

ゾンビ化した女はヘアんに噛み付くと、野球チームがいた車両に入り込み暴れ出す。

噛まれて倒れた女性乗務員スアンもゾンビ化して起き上がり、同じように周囲の客たちを噛み付き出す。

それに気付いた男性乗務員は、皆さん、早く逃げて!と乗客たちに告げながら走り抜ける。

そんな中、まだ事情が分かってないソグは、いなくなったスアンを探し始めるが、その横を男性乗務員が走り抜ける。 トイレから出たスアンは、何故かパニックになり通路を逃げている客たちに気付く。

男性乗務員もスアンに噛まれ、ゾンビ化する。

そんな中、ようやくスアンに気付いたソグは、急いでイアンを抱きかかえその場を逃げ出す。

そんな中、ようやくトイレから出て来た妊婦のソンギョン(チョン・ユミ)は、周囲で起こっている客同士のつかみ合いに気づき、早く行って!助けてあげて!と夫のサンファに声をかける。

しかし、助けようと暴れている客に近づいたソンファは、スワンを抱いたソグが逃げていったのを見て、さすがに異変に気付き、ソンギョン、早く逃げろ!と妻に呼びかける。

テレビでは、全国で暴動発生、死傷者多数と報じていたので、隣の車両からゾンビたちが近づいたことに気付いたヨンソクは、ドアを閉めろ!と怒鳴る。

それを聞いたソグは、急いでドアを閉めようとするが、接近するゾンビの群れの先頭に、まだゾンビ化してないサンファとソンギョンがいることに気付き、慌ててドアを開いて2人を中に入れると同時に再びドアを閉める。

サンファはソグと一緒にドアを必死に閉める手伝いをしながら、どうやってロックする!と喚く。

やつらは多分見えているものを襲っているだけでは?とソグが言うと、ソンギョンは近くにあったペットボトルの水をドアの窓ガラスにかけ、その上から新聞紙を貼付けて目隠しをする。

すると、ドアを叩き破る勢いで侵入しようとしていたゾンビたちの動きがぴたり止まる。

安堵してソグがその場を立ち去ろうとすると、あんちゃん、あんた、さっき何した?俺たちの目の前でドア閉めたろう?こっち来いよ!奴らの餌にしてやる!とサンファが因縁をつけて来る。

ソグは無視し、ソンギョンも夫を叱って制止する。 その時、管制室からの指示でチョナン駅を通過しますと言う社内アナウンスが流れたので、ヨンソクは、どうして停まらないんだ!と車内通話ボタンを押して運転手に抗議する。

しかし、運転手は、今は管制室の指示に従って下さい、とにかくチョナン駅は停まりませんと返事がある。

ソグに母親から電話が入り、ソグ、無事に着きそうかい?こっちではみんな喧嘩してるんだよ…と言う力ない声が聞こえて来る。

あんたとスアンが無事なら良いけど…、ソグ…、私のソグ…、スアン…、あの子だけは大事にして…、スアン…、私の可愛い孫…、あの子はいつもママに会いたがっているよ…、おかしな連中が…と母が言った所で電話が切れてしまう。

そんな通話を横の席で聞いていたスアンが、パパ、おばあちゃん平気?と聞いて来るが、ソグは何も答えようがなかった。

やがて列車はチョナン駅に入り速度を落とすが、ホームには多数ゾンビがおり、列車の窓を外から叩いて来たので、乗客たちは怯え、駅に停車しない理由を理解する。

テレビでは、大統領の国民に向けての状況説明が流れていた。

大統領は、ソウルを中心に多数の死傷者が出ており、政府は国家非常事態宣言を発布、現在事態は沈静化に向かいつつありますと説明していた。 乗客たちは全員スマホで情報を得ようとしていた。 ご自宅で冷静に待機して下さい。国民の皆様の安全は確保されていますと大統領は言って演説を終える。

その間、ソグは仕事関連の名簿をスマホで確認していた。

そんなソグに、ママが電話に出ないとスアンが話しかけて来たので、ソグは助手席を降ろし、座るように言い聞かせる。

すると、老いた姉のインギル(イェ・スジョン)が、もう一方の補助席に妹のジョンギル(パク・ミョンシン)を座らせたので、それを見たスアンは立ち上がり、インギルにも座るように勧める。

インギルは感謝して、スアンが譲ってくれた補助席に座ると、飴をスアンに渡し、なんて良い子なんだろうとインギルに話しかける。

しかし、それに気付いたソグはスアンに、譲らなくて良い、こう云うときは、人のことより自分のことを考えろと言い聞かせる。

するとスアンは、おばあちゃんが膝が痛いといつも言っている…と哀しげに答える。

その時、又社内アナウンスが始まり、テジョン駅に停まることになりました。軍隊が鎮圧しました。

速やかにお降りくださいと運転手が告げる。

それを聞いたヨンソクは、テジョンは大丈夫なのか?と疑わしそうにスマホをかける。

そんな中、お嬢ちゃん、あの男、本当のパパ?とサンファがスアンに話しかける。 ソンギョンが失礼よと注意すると、仕事は何やってるの?とサンファが聞くので、ファンドマネージャーとスアンが教えると、悪徳商人か…とサンファは吐き捨てる。

乗客の乗ってない車両に来たソグは知人に電話を入れ、今KTXに乗っていると知らせると、例の列車に乗ってるんですか!と相手は驚いたようだったが、テジョン駅に軍隊が配置されたと聞いていますと言うので、安全なんだな?とソグは一安心するが、乗客は隔離されると思いますと相手が言うので、今、娘と一緒なんだ、どうにか助けてくれないか?今度確かな銘柄を紹介するからとソグは頼む。 すると相手は、中央広場ではなく東玄関に出て下さいと指示して来る。

そんなソグの近くの座席にホームレスがうずくまっていたが、ソグは気付いていなかった。

やがてテジョン駅に停車したKTXからホームを見たヨンソクは、誰もいないと驚きながらもホームに降り立つ。

ジョンギル、ヨングクら野球部員たちも降りる。

ヨンソクはKTXの運転士と会うと、自分はバス会社の常務と名乗り、テジョンは封鎖されたんだ、逃げようと勧めるが、他の皆さんも連れて行かないと運転士は困惑する。

駅構内には「通行止め」のテープが張り巡らされていたが、列車を降り立った乗客たちは揃って中央広部の方へ進み始める。

そんな中、ソグはスアンの手を引き、列から抜け出すと東出口の方へ向かおうとする。

それに気付いたソンファは、相手にするなとソンギョンに語りかける。

ソグは自分たちについて来るホームレスに気付く。 ホームレスは、さっきの話聞いたんだ、他は全員隔離されると打ち明けたので、それを聞いたスアンは、みんなに教えて来る!と列に戻ろうとするが、それを止めたソグは、みんな勝手にやってることなんだから良いんだ!と叱る。

するとスアンは、パパは自分のことばかり!だからママは家を出て行ったんだよ!と逆に叱って来る。

その時、ホームレスが東出口の方に人影を見つけたので、ソグもそれに気付き、スアン、ここでじっとしているんだと言い聞かし、様子を観に行く。

乗客たちはエスカレーターで中央広場に降りていたが、そこに集まっていた軍隊が全員ゾンビ化しており、乗客の姿に気付くなり襲いかかって来たので、ソンファはソンギョンの身体を抱え上げ、昇りエスカレーターの方へ移動させる。

ホームレスとソグが近づいた東出口に立っていた兵士もゾンビ化しており、他のゾンビが襲いかかったので、慌ててソグはスアンの方へ駈け戻る。

そのスアンに、エスカレーターを上って来たゾンビ兵士が襲いかかろうとするが、それを阻止したのはソンファだった。

ソグもゾンビに襲われるが、床に落ちていた本を取り、ゾンビの口にねじ込んで噛まれるのを防ぐ。

その間、ソンファはガラス戸の奥に逃げ込み、襲いかかって来るゾンビたちをガラス戸で止めようとしていた。

その時、まだソグとホームレスがこっちに来ていないと気づいたソンファは、2人を招き入れ、何とかガラス戸を押さえる。

ホーム上にもゾンビが侵入しており、列車に乗り込もうとする乗客たちの襲いかかる。 運転しが乗り込んだので、ヨンソクが早く出発しろ!と命じるが、まだ乗り込んでいない乗客が多過ぎた。

その時、列車の天井にゾンビたちが連絡橋から大勢落下して来る。

インギルは、迫り来るゾンビの群れに怯えホーム上で腰を抜かしていたが、ソンギョンが抱え上げ列車に乗せ、急いでドアを閉めようとすると、ホームレスがドアの外から、俺も乗せてくれ!と頼むので引っ張り込んでやる。

これ以上待てない!とヨンソクは急かすが、まだ残っている!とジニが抗議する。

ガラス戸でゾンビを防いでいたソグとサンファは、何とかガラス戸のロックに成功してホームに向かうが、ゾンビの群れはすぐにガラス戸をぶち壊し後を追って来る。

既にKTXは動き出していたが、ソグはホーム上で腰を抜かしていたヨンソグを助け上げ、列車に飛び乗る。

ソンファは懸命にソグが待つドアに向かって来ていたが、途中で方向を変え、落ちていた警護用盾と警棒を拾い上げると、前方から迫って来たゾンビを殴りつけ、ドアで待機していたソグに引っ張り上げられる。

運転士は、101号です、他の駅で救助できますか?釜山駅まで直行できますか?と官制室に無線で呼びかけると、線路を開放しますと言う答えが返って来る。

ソンギョンがスマホで電話をしようとした時、ホームレスが無言で止め、近くの車両でゾンビが蠢いていることを知らせる。

釜山に直行しますと運転しが知らせると、全速力で走れ!さもないと釜山に着かないとヨンソクが言う。

その時、ジョンギルのスマホにインギルから連絡が入り、俺以外には乗せられなかったと泣きながら伝えて来る。

一方、ソンファのスマホには、スアンから連絡が入り、今、13号車のトイレの中にソンギョンといると知らせて来る。

今9号車の中にいると気付いたソンファは、突破するか?とソグに提案する。

するとヨンソグは、15号車にみんないるんだと言いながら、近くにあった衣装などを集めだす。

ソンファも両腕に噛まれないようにプロテクター代わりのカバーをテープで装着すると、行くぞ!4号前だ!俺が先頭、お前が真ん中とヨンソグに言うと、ソグには後ろだ、後ろから襲って来たら止めろと役割分担をする。

トンネルを抜けたらだ、行くぞ!とソンファは言う。 ソグは、ソンファがホームから持ち込んだ警護用の盾と警棒を握りしめる。

前進し始めた3人は、襲いかかって来た野球部のゾンビたちと果敢に戦い始める。

警棒を落したソグは、荷物置きにあったバットを掴む。

やがて列車がトンネルに入り車内が暗くなると、何故かゾンビたちが動きを止めたので、3人はその好きに前方へ向かうが、その直後、荷物置きのバッグから大量のボールが床に転がり落ちると、その音の方にゾンビたちは移動して行く。

ソグは、自分が持っていたバットを後ろの方に投げ、その落下音でゾンビたちを後方におびき寄せ逃げ出す。

何とかデッキ部分にやって来たソンファが、あいつら、トンネルで動き止めたな?とソグに確認して来るが、前方の車両にはさっきより多くのゾンビが蠢いていた。

ソグはソンファにスマホ持っているか?と聞く。 やがて、又トンネルに入って室内が暗くなり、前方車両のゾンビも動きを止めた時、3人はその合間をかいくぐって前方へ移動する。

ソグは、自分のスマホの電話番号を設定しておいたソンファのスマホを車両後部に投げ捨てる。

そして自分のスマホからソンファ宛に電話をかけると、床に落ちていたソンファのスマホが着信音を響かせたので、ゾンビたちは一斉にその方角に向かす。

そうやって前進して来た3人はソンギョンたちが隠れていたトイレで再会を果たす。

スアンと再会を果たし安堵したソグはソンファに、着信音幼稚だなと冗談を言う。 ソンファがヨングクに身長を聞くと181だと言う。

ソグはスマホで確認し、次のトンネルまで2分だとソンファに教える。

あんた、忙しくて娘と遊んでないだろう?もう少し経てば分かってくれるさ、男は家族の犠牲になるものだろう?今、俺、良いこと言ったよな?とソンファはソグに笑いかける。

ヨングクからのメールを受け取ったジニが、友達がこっちに来るってと同じ車両にいた乗客たちに知らせると、そこにいたヨンソクが、感染してないのか?友達か何か知らんが感染してるかどうかも分からん奴らがこっちに来るだと?何を考えているんだ!と無言になってしまったジョンギルに文句を言い出す。

ジニは助けを求めるような目つきで男性乗務員に、おじさんはそうは思わないでしょう?と問いかけるが、返事はなかった。

ソンファたちは前の車両の方へ移動し、ソグは通路にいるゾンビたちを避けるため、荷物置きを伝う方法を思いつく。

スアンもソンギョンもホームレスも、荷台を伝って無事前方までたどり着くが、最後に降りようとしたホームレスは、足がかりにしていた座席の背もたれから足を踏み外し、床に叩き付けられる。

口は自分で押さえて悲鳴は上げなかったため、ゾンビたちは気付かなかったので、ソグが戻って来てホームレスをしゃがませると、自分も反対側の席の下に身を伏せる。

そして、三つで走れ!と小声とジェスチャーでホームレスに伝え、1、2の3で一緒に立ち上がって逃げようとするが、立ち上がったホームレスは転がっていたジュースの缶を踏んでしまう。

その音に気付いたゾンビたちが振り向いたので、走れ!とソグはホームレスに命じ、2人が通り抜けた瞬間、待っていたソンファがドアを閉める。

しかし、前方のドアを開けようとしていたヨンソグは、何故か開かないことに気付く。

15号車に乗っていた乗客たちが、ドアを固定し開かないようにしていたからだった。

ジニは男性乗務員が口を塞いで抱きかかえ声を出せないようにしていた。

床にはヨンソグからのメールが光っていたジョンギルのスマホが落ちていたが、それをヨンソクが踏んで壊してしまう。

後方のドアをソグとソンファが必死に押さえている中、ダメだ、開かない!と苛立ったヨンソグはバットでドアを叩き毀そうとし始める。

その間、ドアを押さえていたソンファは、隙間から顔を出したゾンビに腕を噛まれてしまう。

ヨンソグが14号車両の前方扉を叩き毀すと、ヨンソクが15号車両の後方扉を閉めてしまう。

その時、席に座っていたジョンギルは、どこかではぐれた姉のインギルのことを思い出す。

男性乗務員の手を振りほどいたジニは、入れてあげてよ!と絶叫する。

スアンも、ソンファとともに必死に14号車の後部ドアを押さえている父の姿を見て泣き出す。

ソンギョンがソンファに近づこうとすると、来るな!来ちゃダメだ!とソンファは怒鳴る。

既に、14号車後部ドアのガラス窓は、迫り来るゾンビの力で裂けかけていた。 おいあんた!とソグに呼びかけたソンファは、あいつを降ろしてやってくれ。行けって言うんだ!俺のソンギョンのことを頼む!と言うので、分かった、すまない!と答えたソグは、その場を離れ、スアンとソンギョンを連れ前へ移動する。

ソヨン!子供の名前はソヨンだ!良いな?と叫ぶソンファの声を背後に聞きながら、ソンギョンは前方に進む。

ドアの窓ガラスが割れ、なだれ込んで来たゾンビたちと1人戦うソンファだったが、既にその目は白濁しかけていた。

インギルも、ソグたちと前の方へ移動しようとしていたが、間に合わないと悟ったのか微笑むだけだった。

ソグは15号車の後部ドアをこじ開け、スアンとホームレス、ソンギョンが中に入り込むと自分も滑り込み、ドアを閉める。

そして、ソグはその場に立ちすくんでいたヨンソクを見ると近づき殴りつける。

何でなんだ!全員入れたのに!何でだ!とソグが責めると、こいつ感染しているぞ!あの目を見ろ!早くこいつらを降ろせ!とヨンソクは喚き出す。 それを聞いた男性乗務員は、今向こうから来た人はここにかいられません。

連結部へ移動願いますと言い渡す。 他の乗客たちも、出て行け!出て行けよ!と騒ぎ出したので、やむなく、ソグたちは前方の連結部へ移動するしかなかった。

スアンやソンギョン、ホームレスも全員前へ移動すると、15号車の乗客たちは前方扉をネクタイなどできつく縛り付けてしまう。

そんな中、席に座っていたジョンギルは、馬鹿なんだから…、いつも自分のことはそっちのけで人のことばかり心配して…、そんな人生ある?と1人呟いていた。

15号車の前方では、ドアを縛るものがもっとないかと乗客たちが騒いでおり、後部ドアのガラス窓には、ゾンビ化した姉のインギルの顔が見えた。 ジョンギルは後部ドアの方へ行き、ドアを開けようとする。

それに気付いたヨンソクが、あんた!そこ明けちゃダメだ!と叫ぶ。 ソグたちは、自分たちを前方に閉じ込めた15号車の乗客たちが、後方の車両からなだれ込んで来たゾンビたちに襲撃されるシルエットを、ドアのくもりガラス越しに見つめる。

運転士は、釜山駅の状況は?管制室へ無線で聞くが、通信不良で何の返答も聞こえて来なかった。

操縦席から前方を見渡すと、あちこちの都市から煙が舞い上がっていた。

連結部に閉じ込められていたソグはスアンに、誕生日なのに…、大丈夫だ、ママに愛に連れて行くからと慰めていた。

するとスアンが、パパ、怖くないの?と聞いて来たので、怖い、パパだって怖いと答えると、さっき凄く怖かった…、もうパパと会えないと思ったから…とスアンは告白する。

あの歌も、パパに聞いてもらおうとたくさん練習してたの…、だから歌えなかった…、パパ来なかったから…、ずっと一緒にいてくれる?とスアンはソグに抱きついて来る。 トイレに入ったソグは、妻のナヨンに電話して見るが応答はなかった。

電話を切った直後、キム代理から電話が入り、釜山着きましたか?釜山は初期防衛に成功したそうです。 コソンバイオだそうです。僕らが助けた…、チーム長、僕たち関係ないですよね…と言いながらキム代理が泣き出したので、違うよ、キム代理のせいじゃない…とソグは答え電話を切る。

そして、鏡に映った自分の顔に付いた血をシャツの袖口で拭き取ろうとするが、巧く行かず、蛇口で両手に付いた血を洗い始めたソグも又、いつしか泣き出していた。 やがて列車が止まる。 東テグ駅構内で脱線したような貨車が線路を塞いでいたからだった。

運転士は、皆様にお伝えします。線路が塞がっておりこのままでは進めません。救助隊が来るかどうか分かりませんが、左端の線路に付けて待機します。

生存者の皆様、移動して下さい。幸運を祈りますとアナウンスする。

15号車のトイレの中で、ヨンソクと男性乗務員は助かっていた。

運転士は運転席を降りると、4号車の連結部を通過して、反対側の構内に降りる。

救助隊来るかしらとソンギョンが案ずると、釜山は安全と聞いた、行くなら今だとソグは決意する。

ホームレスも一緒に列車を降り、構内を移動し始める。 運転士は、駅構内に残っていた先頭車両を見つけ出し、それを動かし始めるが、前方の別の線路上を車両全体が燃えながら接近して来る車両を見つける。

15号車のトイレに隠れていたヨンソクは、ドアを少し開いて、まだ通路をゾンビが動いている様子を見ると、先に行けと男性乗務員に声をかけ、乗務員が外の様子を見ようとドアから身を乗り出した瞬間、その背中を押してゾンビたちに襲わせると、その隙に自分はトイレから飛び出して逃げ出す。

抜け道を探さないととソグが周囲を見渡していた時、突如、燃え上がった車両が自分たちの方に突っ込んで来るのに気付く。

ヨンソグとジニは、別の車両の連結部を通り抜けて逃げ出そうとしていたが、何故か反対側のドアが開かない。

ヨンソグが、ガラスを割る非常用ハンマーを見つけ、ドアのガラス窓部分を割ろうとしていた時、突如、ゾンビに追われていたヨンソクが上がり込んで来て、ジニをゾンビの方へ押しやる。

ジニはゾンビに噛まれてしまう。

それに気付いたヨンソグが、ジニを助けようとドアを離れゾンビを蹴り落すと、ヨンソクが割れかけていた窓ガラスを割り、反対側へ逃げていってしまう。

何でだ!と噛まれてしまったジニを抱き上げようとしたヨンソグだったが、ゾンビ化したジニに噛み付かれてしまう。

死んじゃ嫌!と泣いてすがりつくスアンの声で気がついたソグは、突っ込んで来た車両が自分たちの方に半分横倒し状態になりながらも、別の車両にもたれかかっている隙間に自分たちがおり、半分横倒しになった車両内に大量のゾンビが窓を叩いていることに気付く。

一方、先頭車両を運転して駅構内をゆっくり進んでいた運転士は、こちらにゾンビに追われながら逃げて来るヨンソクがつまづいて倒れた姿を見つけ、助けようと飛び降りるが、逆に自分の方がゾンビに襲われ、その間に立ち上がったヨンソクは動いていた先頭車両に乗り込む。

ソグは、挟まれた車両の隙間が抜けられると判断、まずは自分がそこから外に出て見るが、次の瞬間、横倒し状態だった車両がさらに傾き、隙間が塞がれてしまう。

中にはまだ、スアン、ソンギョン、ホームレスが残されていた。

ソグは慌てて、隙間を広げようと、必死に穴を塞いでいた部品などを持ち上げようとするが、その時、横倒し状態の車両の窓を突き破り、ゾンビたちが隙間に降りて来る。

ホームレスは、自分がゾンビたちに向かって行き、おじさん!と叫ぶスアンに、良いから行け!と叫ぶ。

ソグが何とか広げた隙間から、スアンとソンギョンはかろうじて逃げ出すが、ホームレスは、さらに窓から隙間に落ちて来たゾンビたちの餌食になってしまう。

ゾンビたちが追って来る中、スアンを抱いたソグとソンギョンは、ゆっくり走っていた先頭車両に追いつこうと走る。

駅の抗内需から集まって来たような大量のゾンビが一斉に追って来る中、まずはスアンが先頭車掌の手すりにしがみつき、ソンギョンも押し上げたソグは車両に乗り込む。

それでもまだ、大量のゾンビが車両を追って来て、1人のゾンビが車両後部の手すりにしがみつくと、他のゾンビたちはそのゾンビに数珠つなぎになって行き、何百人ものゾンビの塊が先頭列車にブレーキをかける形となる。

ソグは懸命に、手すりにつかまったゾンビたちを蹴り落して行き、何とかぶら下がっていたゾンビの塊が離れる。

車両横の通路部分を運転席に向かったソグだったが、運転席から出て来たのは目が白濁し、半分ゾンビ化していたヨンソクだった。

おじさん、僕怖い…、うちに連れて行って下さい…、お母さんが待ってるから帰りたい。

うちの場所は釜山市カヤンドン・、お願いだから助けて…と、ヨンソクは子供に戻ったような口調で哀願して来る。

あなたは感染したんだとソグが言い聞かすと、嫌だ〜!と叫びながらヨンソクが襲いかかって来る。

ソグは通路部分から落ちかけるが、ヨンソクがソンギョンの方に向かったので、急いで起き上がったソグは背後からヨンソクを食い止めて引き戻すが、その時ヨンソクに右手を噛まれてしまう。

そして、手すりに巻いてあった鎖をほどき、自分の身体に巻き付けたソグは、ヨンソクの身体を外に放り投げる。

後ろの方ではスアンが怯えて泣いていた。

スアンここへお出でと運転席に招き入れたソグは、ソンギョンさん、これがブレーキだ、安全な所で引いて下さいと頼むと、スアン、パパのこと良く見てと言葉をかける。

スアン、良く聞くんだ、ソンギョンさんといて絶対諦めない…とソグが言い聞かせると、嫌だよ…、ごめんなさい、行かないで、お願いだから、行っちゃダメ!お願い!とスアンはすがりついて来る。

ソグも泣き始めていたが、スアンの手を振り払うと、運転席を後にして通路を伝って後部へ向かう。

パパ〜!と呼びかけるスアンを必死にソンギョンが引き止める。

ソグは、赤ん坊だった頃のスアンを抱いていた頃のことを思い出し微笑むが、既に目は白濁していた。

次の瞬間、ソグは車両から飛び降りる。

先頭車両は、釜山駅の前の封鎖されたトンネルの前で停止する。

列車を降りて歩き始めたソンギョンとスアンだったが、ソンギョンは時々陣痛が襲って来るのかお腹を押さえていた。

やがて2人はトンネルに入る。 トンネルの反対側には軍隊が狙撃チームをトンネルに向けて配置していた。

双眼鏡で見張っていた兵士が、先輩、トンネル内から2名接近中!と報告、無線連絡を受けた本部からは、感染かどうか確認しろ!と指示が届く。

その間、狙撃銃を構えていた先輩兵士が、さ〜て、どこから来たんだ?と小銃を見つめる。

しかし、トンネルの中を歩いて来る2人の様子は逆光で見づらく、感染の確認は出来ませんと見張りが報告すると、射殺しろ、以上!と本部は通達して来る。

狙撃兵は銃の引き金に力を込め、背の高いソンギョンの頭を狙うが、その時、トンネル内から歌声が聞こえて来たので、見張りが、生存者接近中!と急いで報告する。

それは、スアンが歌っていた、父に聞かせる「アロハ・オエ」のメロディーだった。
 


 

 

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