白夜館

 

 

 

幻想館

 

破裏拳ポリマー

往年のタツノコプロの人気アニメ「破裏拳ポリマー」の実写化。

この時代のタツノコ作品は個人的には馴染みがなかっただけに特に思い入れもなく、設定も知らなかったが、どうやら映画はほとんど別設定になっているようだ。

アニメ版で二代目シャーロック・ホームズこと車探偵事務所のボス車錠と言うキャラが、来間譲一なる鎧武士の相棒刑事と言う設定になっていたり、セントバーナード犬が、武士が使っているスマホの着信音の犬の鳴き声に変わっていたりと、関連性は見受けられると言う程度か。

ただ1人、探偵事務所のビルのオーナーで、武士の押し掛け第一助手役の南波テルと言うキャラだけは、そのままの設定と名前で実写版にも登場しており、いかにも70年代風のタツノコキャラ風になっているのが楽しい。

低予算アクションもの特有のスケール感のなさは感じるものの、オリジナルのギャグタッチを意識してか、随所にユーモア表現が挿入されていて、探偵ものと言う設定もあり、気軽に楽しめるB級娯楽映画風になっている。

正直、アクションものとして見てしまうと、殴ると相手の服から埃が飛んだりと云ったようなジャッキー・チェン時代の伝統をいまだに継承しているのもどうなのかな?と感じたり、生身のアクション部分もやや動きが遅いかな?と感じたり、ポリマースーツを着た後のアクションがどうしても高価なスーツを保護するかのようにCGやワイヤー補正になるので、見慣れたお子様向けの変身ヒーロアクションにしか見えないなど、ターゲット不鮮明な印象はあるが、あくまでもそうした子供向け変身ヒーローオタク向けと割り切れば、それなりにまとまっているように感じる。

暗い低予算特撮が多い昨今、比較的からっとした本作は貴重な存在かもしれない。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2017年、「破裏拳ポリマー」製作委員会、タツノコプロ原作、大西信介脚本、坂本浩一監督作品。

南米某国、スラム街 現地人と賭けストリートファイトをして相手を蹴り倒した鎧武士(溝端淳平)は、アイアム 武士!鎧武士だ!と勝利の名乗りを上げるが、金を受け取った瞬間、2人の現地人が迫って来たので、金が惜しくなったのかよ?と呆れながら、見せてやるよ、破裏拳の奥義を、ハ・リ・ケ〜ン!と叫び相手を殴りつける。

タイトル

数年後 東京

コミュニケーションツールの発達は犯罪を増やす原因になった。

こうした犯罪に対抗するため、政府は秘密裏に機動力を備えたポリマーシステムの開発を進めていた。

世界中のバイヤーが写るモニターを前に、リンゴを持った男が椅子に座り、疑問を全てお見せしましょうと呼びかけていた。

路地を逃げる男女混合の不良グループを追いかける刑事たち。

相手は銃を発砲して来たので、気を付けろ!来間君!と先輩の加藤刑事が注意する。

警視庁の本部にいた土岐田刑事部長(長谷川初範)は、奴は必ず現れると無線で知らせて来る。

その直後、不良の前に出現したのはグリーンのポリマースーツを着た男だった。

警官たちはその男に向け発砲するが、グリーンのポリマースーツを着た男は、ポリマーブーツの蹴りで弾丸を全て弾き飛ばしてしまう。

撃て!と加藤に命じられてもどうしても引き金が引けなかった。

グリーンポリマーがそんな来間を蹴ろうとしたのに気付いた加藤は、自ら来間の前に飛び込み、自分が蹴られて壁に叩き付けられる。

加藤さん!と来間は駆け寄るが、加藤は絶命してしまう。

来間は去って行くグリーンポリマーに、待て!と叫んでまた銃を向けるが、結局引き金を引けないまま逃げられてしまう。 とある街角、武士は中年男性の前でぼったくりバーの店員を蹴り飛ばした礼を言われていた。

すると武士は、礼なら金だろう?隅谷さん…と答

興信所?と中年男が驚くと、探偵さんって言って欲しいよと武士は言う。

どうすれば見逃してもらえますか?と中年男が聞くと、それもやっぱり…と言いながら、武士は今謝礼として受け取った札束を見せて答える。

そんな武士と中年男の行動を、監視カメラ映像で見ていたのは、警視庁の土岐田部長刑事の下で働いている稗田玲(原幹恵)だった。

彼が鎧武士ですか?と玲が聞くと、こんな所にいたのか…、見つからない訳だ。4ヶ月前国外で確認しただけだったからな…、しょっぴいて欲しいと指示した土岐田は、聞いてるのか?来間君…と、同じ部屋で落ち込んでいた来間に話しかける。

何度も言っているが、加藤刑事のことは君の責任じゃないと土岐田が諭すと、加藤さんの分まで…と来間は決意を新たにする。

「ナンバビル」の「鎧探偵事務所」の部屋の前にやって来た来間が、ノックしながら、鎧武士!警察のものです、開けなさい!と声を掛けると、中から若い女が叱るような声が聞こえて来る。

ドアを開けると、ソファの上で早く!と何かを押さえている南波テル(柳ゆり菜)の姿が見えたので、来間は何かまずい場面に遭遇したのではないかと思いどぎまぎする。

詐欺並びに恐喝で任意同行願いますと来間が呼びかけると、女が気付き、自分は、このビルのオーナー兼第一助手でもある南波テルだと自己紹介して来る。

来間譲一が名乗ると、車鍵一と思い込んだのか、テルは、ひらめいた!車と鍵でシャーロック!などと勝手にニックネームを付けてしまう。

しかし、ブリーフ姿だった武士は、反吐が出る程嫌いなんだよ、警察は…とぼやきながら、ピザをくわえながら部屋から逃げ出そうとするが、その前に立ちはだかったのが土岐田部長刑事だった。

何の用だ?と武士が聞くと、どうしても話がしたくてね、退屈はさせんと思うよと土岐田は答える。

警視庁の土岐田の部屋に付いて来た武士は、パソコンを操っていた玲に気付き、急に嬉しそうになったので、科警研の稗田玲さんと来間が教えたので、本題に入ったら?譲一君と玲は諭す。

気を取り直した来間は、テロリズムの脅威が広がり、我が国も標的になりかねない過激な犯罪組織が増えていますと言いながら資料映像をパソコンモニターで見せる。

それらに対抗するため、防衛省と警視庁が協力し、ポリマースーツを開発したと言いながら、玲がトランクを開けると、そこには赤いポリマースーツが一式入っていた。 実は、試作用の3体のスーツが盗まれたんだ。

それでこれを君に着てもらいたい。 3体のスーツを取り戻して欲しいと土岐田が頼むと、警察のメンツ丸つぶれって訳か?と武士は呆れる。

メンツもあるが、力を貸して欲しいと土岐田は言い、このポリメットをかぶって、こう叫んで、転身ポリマー!これは音声入力がダイアログキーで起動する仕掛けになっており、あなたの声でなければ動かないのと玲が解説したので、何で俺の声なんだ?と武士は戸惑うが、玲も分かりませんと言うだけだった。

警察は嫌いなんだと武士が断り部屋を出ようとするので、引き受けてくれたらそれだけの礼はすると土岐田は呼びかける。

すると、すぐに部屋に戻って来た武士が、送ってくれないのかよ?財布忘れてきちまったんだと言う。

来間は、自動車で武士を事務所に送る途中、一度装着してくれませんか?と頼むが、あの姉ちゃん気に入ったからな…などと武士がにやけると、何故か慌て出す。

それを見た武士は、お前、あの子と付き合ってるのか?とからかって来る。

その時、曽我根町の鳥海銀行で強盗事件が発生、急行せよとの司令が入ったので、来間はそのまま銀行に向かう。

銀行内では、先日の不良グループが強盗になっていた。 銀行前で車から降りた来間は、一緒に降りようとする武士に、車の中で待っていてくださいと制し、銀行前にいた警官から、突入した警官がやられましたとの報告を受ける。

そんな中、武士は勝手に車から降りていたが、銀行の中で強盗団に捕まっているテルを見つけると、何やってるんだ、あのバカ!と叫びながら、そのまま銀行の中に飛び込んで行くと、助けたら家賃負けて!と声をかける。

強盗団に捕まっていたテルは、2ヶ月分!3ヶ月分!と答えていたが、武士が答えないので、全部!と言うと、よっしゃ!と喜んだ武士は強盗団に殴り掛かって行く。

ルも気丈に強盗相手に蹴り上げると、捕まっていた銀行員や客たち人質を外へ逃がす。

テルも一緒に逃げ出そうとするが、そこに現れたグリーンポリマーに捕まってしまう。

そのグリーンポリマーに蹴られた武士は吹っ飛び、何て蹴りだ…と呆れる。

すると、強盗をやっていた不良グループが、そいつはもう良いジン!とグリーンポリマーに呼びかけると、テルを連れて逃げて行く。

そこへトランクを下げてやって来たのが玲で、トランクを開けてポリマースーツを武士に見せる。

その頃、不良グループを追おうとした来間は痛めつけられていた。 銃を取り出して来間が構え、その子を放せ!と呼びかけると、何だ、こいつ?震えてやがると不良たちは嘲笑して来る。

その時、撃ちゃ良いじゃないか?お前の銃は飾りか?と呼びかけて来たのは、赤いポリマースーツを着てポリメットを抱えた武士だった。

それを見たテルは、探偵さん?と驚く。

撃つのが怖いのか?しようがねえな…、行くぞ!と言った武士はポリメットを頭にかぶり、転身ポリマー!と叫ぶ。

すると武士の身体にスーツが装着し、ポリマーに転身する。

それを見たテルは、嘘!かっこ良いかも!と感激する。 太った不良が行け!と命じると、ジンと呼ばれたグリーンポリマーが蹴りを入れて来る。

あっけなく吹き飛ばされたポリマーが、全然だめじゃないか!と嘆くと、パワーを増やすコードがあるんだと言い、この世に悪のある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ…と伝えるが、それを聞いていたポリマーは、長過ぎるよ!と呆れる。

それでも来間の必死さに負け、言われた通りのセリフを言ってみると、ポリマースーツ全体が光り出す。

グリーンポリマーと蹴りあったポリマーは、相手が吹き飛ばされたので、凄え!と感激し、相手の額部分を蹴る。

外れる。 鎧さん!と駆けつけた来間刑事に、確かに面白いとスーツが気に入ったことを明かした武士は、解除の仕方を聞くと、解除ポリマーですと来間がお言うので、普通だな…とぼやきながらも元の姿に戻る。

そんな武士に、何なんだ、さっきの技は?と来間が聞くと、破裏拳流奥義だと教えたタケシは、メットを回収しなくて良いのかよ?と緑のポリメットのことを伝える。

慌ててポリメットを拾いに戻った来間だったが、一瞬遅く、フルメットで顔を隠した女性ライダーにメットを拾われて逃がしてしまう。

警視庁 ジンと言う男は空手か崩れだったそうですと来間が尋問の結果を伝えると、ポリメットは回収できなかったのか、回収で来たのはブーツだけなんだよな…、1セットのスーツを分割して使ったと言うことだなと土岐田は廊下で答える。

そこに近づいて来たのは八代警視総監で、ポリマースーツの開発は急務だと土岐田に告げ、取り巻きたちと去って行く。

土岐田は来間に、八代警視総監こそポリマー開発の提言者だよと教える。

部屋に戻って来た来間は、玲に言い寄っていた武士に気付いたので、慌てて間に入り、武士を遠ざけようとしたので、お前たち特別な関係か?と武士は驚くが、玲は、譲一君!と困ったように来間に注意する。

そんな武士に、どうだった、スーツは…、退屈しなかっただろう?と土岐田が聞き、知りたくないか、この秘密を…と促すが、金は?と武士が要求すると、飲める条件ならと答えた土岐田は、君は明日から動いてもらう、鎧君のパートナーとしてと来間に命じる。

武士が帰った後、来間はパートナーって何ですか?と講義するが、あいつはハチャメチャな所もあるが、根っこの所は間違うことはないと土岐田は言い聞かす。

何を証拠に?と玲が聞くと、まあ、勘みたいなものだなと土岐田は言う。

翌朝 ナンバビル前に迎えに来た来間は、車に乗り込んだ武士に、捕まったあの男が使っていた盗まれたポリマースーツは、その赤をコピーしたもので、音声入力がない分誰でも使えるのだと教える。

すると、勝手に後部座席に乗り込んで来たテルが、「ピカデール」と書かれたキャバクラのマッチを、拾ったのは私だからと言いながら来間に差し出して来る。

昨日、不良グループに捕まっていたテルが、慌てて逃げ出した不良が落としたのを拾ったらしかった

案外有能だろう?と武士も笑顔で行って来る。

そのマッチを頼りに裏町にやって来た3人だったが、肝心の「ピカデール」は、まだ開店前だったので、テルに見張りを頼むと、OK!探偵ちゃん!とテルは張り切って引き受ける。

その間、近くの中華料理屋に入った武士は来間に、プレゼントしろ、玲ちゃんに…と言いながら、ケースに入ったネックレスを渡す

自分のためにわざわざ気を使ってくれたと思い感激した来間だったが、20万!と請求されたので、ただじゃないんですか!と来間は呆れる。

その時、犬の鳴き声でスマホの受信がなったので、武士が出たので、テルさんですか

「ピカデール」にやって来て中の様子を盗み見ると、あの不良グループが集まっており、ジンが捕まるなんて…などと話していた。

連中はポリメットとブーツしか持ってないようですねと言いながら、本部に応援依頼を連絡しようとした来間だったが、武士は勝手に店の中に入り込み、締め上げて吐かせてやるなどと言いながら、来間が驚くのを前に、不良たちと喧嘩を始める。

やむなく、来間もテルも乱闘に加わるしかなかった。 ずらかれ!と不良たちは叫ぶが、慌てるな、楽しませろ…と言いながら、武士は赤いポリマースーツを装着する。

スマホで応援依頼をした来間は、後は警察に任せてください!と呼びかけるが、主犯格の男女2名を追ってポリマーが捕まえ、おい、!誰からメットとブーツ預かった?と締め上げようとする。

その時、どこからともなく出現した新しいグリーンポリマーが不良の男女を殺してしまう。

てめえ、口封じに来たのか!と叫んだポリマーは、グリーンポリマーと戦い始めるが、相手の顔を間近で見たポリマーは、あの傷!と思い出す。

さらに相手の動きを見たポリマーは、てめえ、こっちの技を探ろうとしているのか?なら見せてやろうじゃないかと言い、ハ・リ・ケ〜ン!と奥義の技を繰り出すが、あっさり交わされてしまう。

さらに、強烈な突き技で、側の柱に叩き付けられたポリマーは、今の技は…、まさか!まさか、お前は!と相手の正体に気付く。 すると、突然、グリーンポリマーは苦しみ出し、その場を逃げて行く。

解除ポリマー!と叫び、元の姿に戻った武士は、その後ろ姿を見ながら、あいつ…と呟く。 駆けつけて来た来間が、倒れていた男女の首筋を触って確認するが、もう無駄だと知る。

警視庁 落ち込んでいる武士に、どうした?と土岐田が聞いて来たので、知ってるんだろう?俺の失態…と武士が言うので、失態と言うには軽すぎると思うと土岐田が答えると、降りようと思う。

俺に警察の片棒を担げるはずがないと武士は言い出す。 じゃあ、ゆっくり話そうか…と土岐田は言って来る。 部屋では玲が来間に、土岐田部長、早く帰るんだってと伝えていた。

それを聞いた来間は、話あったのにな…、鎧さんには勝手なことされ、首班の2人も殺されて…、でも、ポリマースーツに頼るしかない…と仕事の愚痴を言う。


その頃、自宅に武士を連れて来た土岐田は、仏壇の鈴を鳴らすと、武士にビールを注いでやりながら、降りたいか?甘えたことを言うな!責任は全うしてもらう。

こんな自体に持ち込んだのはお前だ。君にはチャンスを与えたと思っていると語り出す。

レストランで玲と向かい合った武士は、良いパートナー?僕とあの人が?勘弁してくださいと話していた。

そして、急に真顔に鳴ると、僕たちのことだけど、婚約を前提に、この先も…と言いながら、武士から買ったネックレスを玲に見せる。

える。 それを聞いた来間は、待ってるから、気長に…と答え、ワインを飲む。

その頃、武士は、上半身裸になり拳法の練習に励んでいた。

翌日、玲は昨日来間から受け取ったネックレスをしてパソコンの前に座ると、まだ怒ってるの?譲一君?と聞いて来たので、引きずらない性格なんです、俺と言う来間に、知りたくたいの?この間のポリマーの正体、見つけたの、この人よ、バレット・フォン、本名フォン・ユーカ!とパソコンのモニターを見せる。

その後、武士と一緒にフォンが立ち回りそうな場所にやって来た来間は、フォンは俺と同じで賭けバトルで荒し回っていた…、俺の身体が証拠だと言い、グリーンポリマーから胸に受けた痣を武士から見せられる。

武士はフォントは馬があったと打ち明け始める。 破裏拳流も教えた…、必殺技以外はな…、あいつにも独自の技があった…、普通にやってりゃ世界も取れる力があったのにな…、賭けバトルにのめり込みさえしなければ…とフォンの実力を惜しむ。

その時、突如、グリーンポリマーが襲って来たので、来間は、皆さん、逃げて!と周囲にいた人間を遠ざけると、鎧さん!転身を!と呼びかける。

やむなくポリメットをかぶった武士は、正義の怒りが俺を呼ぶ!と叫びパワーアップして対戦し始めるが、相手に破裏拳流の拳法で殴られる。

次は完全に見切ってやる!と構えたポリマーだったが、その時、グリーンポリマーが、ハ・リ・ケ〜ン!と叫び出したので、何!マスターしたって言うのか、俺の技を!とポリマーは驚愕する。

しかし、次の瞬間、またフォンが苦しみ出したので、ポリマースーツを解除した武士が駆け寄り、グリーンのポリメットを脱がしてやる。

どうしちまったんだよ!と呼びかける武士の前で、武士…と呟いたフォンはそのまま息絶えてしまう。

本部に戻って来た武士に、来間が、バレット・フォンの死因が分かりました。アンフォタミン系のドーパミンが検出されました、死因は心臓発作ですと報告したので、麻薬ってことかてん、バカ野郎!そんなもんにまで手を出しやがって!普通にやってりゃ、俺が負けてた…と武士は答える。

確かに凄い相手でしたね…、鎧さんの技もマスターして…、よっぽど修練を重ねたんでしょうね…と来間が呟くと、いや、それだけじゃないと言い出した武士は、来間を相手に見立てて対面すると、この技に入る時、昔はこう入っていた…と言いながら、右足を引く構えを披露する。

だが今ではこういう風に入ると言いながら、今の右足の引き方を披露した武士は、こっちの方が力が入るからな…と説明し、あいつにはあの後、一切教えてないのに今の構えをやっていた…と不思議そうに言う。

それを側で聞いていたテルは、相手もポリマースーツを着ていたからじゃない?と謎解きをしてみせるが、スーツは単に力や早さを伝えるだけで、技や戦い方は伝えないと武士が否定する。

すると、また唇に人差し指を押し付けながら考え始めたテルは、ひらめいた!ポリマースーツが技を盗んだ!と言い出したので、あえてポリマーと戦わせて技を盗んだのでは?と来間も可能性を指摘する。

しかし、聞いていた土岐田が、そんなことが出来るのか?と聞くと、私が調べた限りではそのような機能はありません玲は否定する。

すると土岐田は、ポリマースーツ開発に携わったメンバーリスト!と要求する。

警視庁代表の堀正五郎と自衛隊代表の鬼頭剛蔵の名が出たので、2人の関係を調べた方が良い。

血縁関係も調べたら、面白い事が見つかるかもしれないと指示した土岐田は、婚約決めたんだって?と話を変え、来間と玲に聞いて来る。 家内が生きていたら、仲人をさせてもらったのに、今回は残念だと言い残し、先に帰って行く。

来間がその後も残業していると、手伝おうか?と先に帰る玲が声をかけて来たので、気持だけで良いよと答えると、来間の額にキスして来た玲が、頑張って!と励まして帰って行ったので、1人部屋に残った来間は、よっしゃ!と急に張り切り出す。

その後、堀正五郎の長男堀正彦と言う人物がいる事が分かったので、写真を探した来間は、えっ!嘘!と思わず口走る。

帰宅した土岐田は、「警視庁、自衛隊、親善空手大会」のビデオを見る。

そこへ電話がかかって来たので受話器を取り、来間君か?どうした?18時だな、分かったと答える。

来間は、その後、とある病院にやって来た武士を、車の中から監視していた。

武士は何人もの子供に囲まれた中、1人の少女から耳を貸してと言われ、耳を近づけると、わっ!と脅かされる。

もう一度耳貸して!とねだられた武士は断ろうとするが、少女がせがむのでもう一度耳を近づけると、大好き!と言われ、少女から頬にキスをされる。

その後、病院の受付で待っていた武士は、堀様!と受付から呼ばれ、竹内瑞希様のご家族ですね?と確認され、薬を渡される。

来間に気付いた武士は、姉貴の娘、瑞希って言うんだ…、生まれたときから心臓を患っているんだと照れくさそうに言うので、だから治療費を稼ぐために賭けバトルを…、お姉さんはトラックに追突されたそうですね?堀正彦さん…、調べましたよ、それを確かめるために付けてきましたと来間は打ち明ける。

お父さんは土岐田部長の直属の上司だったそうですね?気付いていたんですか、お父さんがスーツ開発に関わっていた事を…?と来間が聞くと、ガキの頃から拳法を学ばされ、嫌でしようがなかった。家を飛び出してからは二度と顔も見たくないと思っていたと武士が言うので、今でも?と来間が確認すると、そのつもりだったけどな…と急に武士は歯切れが悪くなる。

おっさんには、君のはチャンスを与えたつもりだと言われた…と、自宅に招かれたときの事を武士は打ち明ける。

(回想)君にはチャンスを与えたつもりだ、堀さんが残した仕事を引き継ぐために…と土岐田は武士に自宅で話す。

(回想明け)正義ってことが大好きだったんですねと来間が言うと、そう云うのじゃないと答えた武士は、ポリマーの開発も親父は正義だと信じていたが、それを防御力や攻撃力を増やすよう命じた奴がいる…と言う。

鬼頭ですね?と来間が頷くと、だから、ダイアログコードを設定し、封印したって言う訳だ…、よりによっておれの声だったなんてよ…と武士は呟く。

信じてたんですよ、鎧さんなら正義の為に使ってくれると…と来間が励ますと、期待を裏切るばかりだった…と武士は自嘲する。

八代総監です、開発を再開したのはと来間が教えると、おっさんも反対だったらしいな…と武士が話している時、スマホが鳴り出す。

留守電が入っていた…と言いながら、内容を聞いた武士は、鬼河原公園?お前が来ないと言っていると伝えると、そんな約束した覚えないんですが…と来間は戸惑う。

ぼけたんじゃねえか…と苦笑した武士だったが、次の瞬間、嫌な予感が頭をよぎり、鬼河原公園に向かってみると、そこに土岐田が倒れていた。 顔は血まみれで既に事切れていた。

おっさん!と呼びかける武士に、どうしてこんな事…と来間も嘆くと、何かを掴んだんだ…、見に危険が及ぶ程の何かを…と武士は呟く。

そして、知ってたか?おっさんの若い頃、銃撃つのが苦手だったらしい。それで相棒が殺されたって落ち込んでいたらしいんだと武士は打ち明ける。 そんなおっさんを子供の頃が慰めたらしいんだ。

(回想)堀家を訪れうなだれていた土岐田の前に来た少年時代の武士は、この世に悪がある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ!とポーズをしてみせる。

(回想明け)俺が考えたオリジナルヒーローの決め台詞だったらしんだと武士は当時の事を自分は覚えてないと言いながら教える。

(回想)おじさんいじめた奴は僕が倒した!と少年武士が言う。

(回想明け)おっさんは、君は良い子だったよ。支えになったよ、あの言葉…、そう言ってくれたと武士は打ち明ける。

それを聞き終えた来間は、やっと分かりました。土岐田部長が鎧さんの事を信じていた訳を…と納得する。

その後、土岐田の自宅にやって来た武士は、家の中を調べている時、ビデオデッキに差し込まれたままの1本のビデオを発見する。

警視庁の部屋に来たテルは、メカに強いらしく、難なくビデオの映像をモニターに映るようセッティングしてやる。

内容は、20年くらい前に行われたらしい「警視庁、自衛隊、親善空手大会」で、武士の父、堀正五郎と自衛隊代表の鬼頭剛蔵が空手の試合をしている録画だった。

勝負の直前、リンゴをかじっていた鬼頭は、堀の破裏拳流空手に倒される。

その映像を見た武士は、鬼頭、死んだって言ってたよな?と確認すると、この後、追われるように退官し、その後心不全で死んでいますと来間が答える。

武士とテルが帰った後、来間の様子を見ていた玲は、何だか楽しそう…、言ったでしょう?良いパートナーになれるって、万一、譲一君が捕まったりしたら、鎧さん、必死に助けに来たりしてね…と笑顔で話しかけて来た玲の首にネックレスがなかった。

来間の視線でその事に気付いた玲は、チェーンが切れてしまって…と言い訳するが、そこに電話がかかって来て、譲一君!すぐ来てくれ!ヤバい事になったと言う武士からの電話だった。

来間はすぐに、煙が立ち上っている工場地帯へ車で向かう。

拳銃を取り出し、恐る恐る建物の中に入った来間だったが、すぐに迷彩服姿の男たちが現れ襲撃される。

そこにバイクでやって来たフルフェイスマスクの女がマスクを外す。

その顔を見た来間は、玲さん!と驚愕する。 玲は、そんな来間を殴りつける。

目覚めた来間は、どこかの部屋の中のベッドの上に手かせをはめられ、身体ごと縛り付けられていた。

何だ、ここ?と身体を動かそうとすると、無理よ、強引に動いても…と玲が話しかけて来る。

それに気付いた来間は、夢じゃなかったのか…と愕然とする。 玲は、現実の方が良かったんじゃない?と言いながら、ライダースーツの胸元を開けると、好きなんでしょう?私の事…とからかうように言いながら、胸の谷間を見せつけて来る。

どうしてこんな事を…、玲さん…と絶望した来間が問いかけると、オリジナルのポリマーのデータを盗むため…と玲は答える。

そして、傷だらけでベッドに縛られた来間の姿を写した写真をモニターに映し、ここの地図と一緒に鎧に送ったわと言う。

私はポリメットに学習機能をつけた。

全てはこの滅とに仕込んだAIに伝わる…と玲は続ける。

技を盗むため、分割して戦わせたの…と玲が言うので、そうか…、じゃああの時…と、グリーンのポリメットを盗んで行ったライダーこそ玲だったのだと来間は気付く。

暴力団を口封じさせたのも、バレットを雇ったのも私。

フォンは実力で勝負すると言っていたけど、私がヤク漬けにしてやったの…、お陰で感動の再会が出来たでしょう?と玲は苦笑する。

後はフルセットのポリマー同士戦わせる。

ダイアローグの縛りのない最強のポリマースーツでねと玲が説明している所にやって来たのは八代警視総監だった。

ご苦労!警視庁のために、そして我々のために良くやってくれたと玲をねぎらうと、八代はリンゴにかじりつく。

そんな八代に玲は馴れ馴れしく抱きつく。

その時、非常警報が鳴り響いたので、来たようだな…、お前の目論見通り…と八代は玲に言う。

工場にやってきたのは武士とテルだった。

すぐに、迷彩服の一団が襲撃して来たので、2人協力して倒した後、探偵さん、見て!カメラ!とテルが監視カメラを指差す。

聞こえてるか?どうせ撮っているんだろう?とカメラに向かって呼びかけた武士に、転身するんだ!見せるが良い、ポリマースーツの威力を! 世界中のバイヤーが見てるんだ、その性能を!と八代は呼びかける。

来間が悲しそうに、どうして悪事に加担したんだ?と玲に呼びかけると、悪事?悪いのはそっちじゃない。ポリマースーツの力を無駄にしたのはと玲は答える。

そんな玲に、ポリマースーツの最後のデータを集めるのだ!と八代は命じる。

武士とテルの前に出現したのは、青いポリマーだった。

それを見た武士が、やっぱりお前か…、稗田玲…、いや、鬼頭玲!と呼びかけると、気付いていたようね…と玲は笑う。

お前がおっさんを殺したのもな…と言いながら、武士はネックレスの破片を取り出してみせる。

それは、鬼河原公園で玲に襲撃された土岐田が、無我夢中で引きちぎったネックレスの一部だった。

さらに、最初は気付かなかったけど、テープを何度も見てて気付いたんだ、お前が鬼頭の娘だってな…と首筋を指して武士は指摘する。

(回想)堀正五郎との試合で敗れた鬼頭に、パパ!と駆け寄った幼い少女の首には、今の玲と同じような痣があった。

(回想明け)違う!パパは誰よりも私が強いと思って…と叫んだ玲は、青いポリメットをかぶると、転身ポリマーと叫ぶ。

ブルーポリマーに転身した玲は、武士を殴って来る。 吹き飛ばされ、血反吐を吐く武士。

さらに片手の関節を取られた武士は、玲から、転身するの!と迫られ、ポリマーのデータを売り込もうって言うんだろう?テロリストたちに…。

接近戦のデータも!と言うと、玲は苛立ち、早く転身しなさい!どこまで我慢できるかしらと嘲りながらと迫る。

すると武士は、元々俺は我慢ってのが大嫌いなんだ!テル!と呼びかける。

テルは持っていた赤いポリメットを武士に投げ渡す。

それをかぶった武士は、転身!ポリマー!と叫び、さらに、この世に悪のある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ!と続け、パワーアップする。

それに対し玲は、パパは私の事、とても可愛がってくれたわ!と言うので、ベッドからだ出して来た来間が、もう止めてくれ!これ以上罪を重ねるな、玲さん!自首してくれ!と飛びかかって来る。

ブルーポリマーは、邪魔しないで!と叫び、来間を蹴飛ばす。

それでも、止めろ!と血反吐を吐きながら、ブルーポリマーの足に飛びついた来間は、何でこんな事をするんだ!と問いかける。

パパのためよ!と言いながら、なおも蹴り付けて来るブルーポリマー。 その時、来間が建物から逃げ出したので、シャーロック!とテルが呼びかける。 ブルーポリマーは、データ取れたわよ、パパ!と八代に呼びかける。

完全ポリマーが完成するのよ!とブルーポリマーが嬉しげに叫んだので、自爆する気か!とポリマーは気付く。

その時、止めろ、玲さん!と叫びながら、玲のバイクに乗って突っ込んで来た来間は、そのままブルーポリマーを引っ掛けたまま建物の外へ走って行く。

玲さん、1人で死なせないからな!と来間が叫ぶと、玲は微笑み、来間をバイクから弾き飛ばし、そのまま走るバイクと共に自爆する。

玲さん!と絶叫する来間。

ポリマーが近づくと来間は、もう関係ないと言われないな…、お前を巻き込みたくない…その気持があの娘には残ってた…とポリマーは慰める。

そうでしょうか?と来間が問いかけると、そう思えと八代が答えたので、思わず来間は泣き出す。

そんな来間をテルに任せたポリマーは、まだ終わっちゃいねえぜ!彼女の親父を倒すまではと言う。

それを聞いた来間は、親?でも鬼頭は死んで…?と不思議がる。 モニタールームにいたや白は、全てのデータは揃った。スーツが完成次第、世界に広げる!と喜びながらリンゴをかじる。

そこへ、リンゴ好きは鬼頭だと思った…、鬼頭剛蔵!顔を変え、本物の八代にすり替わった!と言いながらポリマーが部屋に入って来る。

確かに、警視総監に化けるのが一番間違いないからな…、最強のポリマーが世界でどう勝てるか?とポリマーが指摘すると、さすがは堀の息子だと苦笑した八代…、実は鬼頭剛蔵は、自分の娘は美しい散り様だった。愛し合っていた…。私と娘は強い絆で結ばれていた。そして彼女は自らの死で示してみせた…、その証を…、これほど幸せな娘はいない…などと言い笑う。

それを聞いていたポリマーは、ふざけるな!俺でも親か!全部を娘に任せやがって!許せねえ!行くぞ!と構える。

すると鬼頭も、望む所だ!転身ポリマーと叫び、シルバーポリマーに転身すると、この世に悪のある限り、正義の怒りが俺を呼ぶ!破裏拳ポリマー!ここに参上!と叫んだ武士はシルバーポリマーと戦い始める。(アニメ「破裏拳ポリマー」のテーマに乗せて)

ハ・リ・ケ〜ン!と武士が叫ぶと、鬼頭も同じくハ・リ・ケ~ン!と叫び、破裏拳流の技は全て私のものだ!と言い放つ。

三段蹴り!とシルバーポリマーが技をかけて来て、ポリマーは弾き飛ばされる。

それを見た鬼頭は、終わりだな…、見せてやりたかったな、お前の親父に…、殺すのを早まったと口にしたので、今、何と言った!と武士が聞くと、お前の親父堀正五郎を事故に見せかけ殺したのはこの私だ!と徳気に来とうは打ち明ける。

武士は立ち上がりながら、正義が何か分からねえ…、絶対的な正義があるのかどうかも…、だが鬼頭!お前は悪だ!絶対的な悪だ!と叫ぶと、シルバーポリマーの足を掴む。

この世が光り輝く限り、俺の怒りが悪を絶つ!と武士が叫ぶと、赤いポリマースーツ前進が燃え始め、回転し始める。

しかし鬼頭は、馬鹿め!この技は通用しないと言ったろう!とあざけり、自分も同じ技をかけて来る。

両者は互角のぶつかり合いに見えたが、次の瞬間、武士のレッドポリマーは回転が3つに分身する。

スーツが弾き飛ばされ、倒れた鬼頭は、何だったんだ…、今の技…と問いかけるが、教えねえよ、お前には…と武士は答える。

そこに拳銃を手にやって来た来間は、その銃口を倒れていた鬼頭の額に付け、加藤さんの…、部長の…、玲さんの…と言うと、1…、2…カウントし始めるが、やはり引き金は引けなかった。

泣き出した来間に、それで良い…、お前はずっと撃てなくて良い。お前を苦しめた奴は俺が倒したから…とポリマーが慰める。

その時、突然笑いながら立ち上がった鬼頭は、俺を捕まえる事は誰にも出来ん!と言いながら、左手のブレスレッド部分を右手で押そうとする。

危ない!と叫んだポリマーは、来間とテルを両手で抱えるように背中を向ける。

次の瞬間、鬼頭は自爆する。

ポリマーの背中に、フェイックスの羽根のような翼が伸び、大爆発を起こす工場から外へ飛び出す。

外に無事に脱出したテルは、凄い!空を飛べるなんて!と感激する。

まだこのスーツにはどんな仕掛けが秘められているか分からないぞ…と武士も答え、やっぱり最強のポリマーは、本家本元の俺のポリマーってことさと自慢する。

その後、父親の墓参りに来た武士は、偉い目に遭ったぜ…、あんたのお陰で…、親父の教えは気付いてみりゃ、俺の身に染みていたとは…、見てくれよな、気に入らなかったら、また怒鳴っても良いんだぜと語りかけると、墓の前で破裏拳流の構えを披露し始める。

その後、小児病院にやって来た武士は、そこで瑞希と仲良くなっていたテルと来間の姿を見る。

海辺に来た武士は、公にはされていませんが本物の八代さん…と一緒に付いて来た来間が言うので、遺体で発見されたそうだな…と答えると、何で知ってるんですか?と驚かれたので、これでも探偵さんだぜと自慢し、しばらく閉店するけどな…と切り出す。

テルにはテナント契約解除しないと言われていると教えると、寂しいんですよ、テルさんも…と来間は言い、又言って良いですか、瑞希ちゃんのお見舞い?と聞くので、頼むわと武士は答える。

いつ帰って来るんです、今度は?と来間が聞くと、さぁ〜?ポリマーが必要になった時かな?と曖昧に答えた武士は、それまでお前が頑張れ!と励ますので、来間は、はい!武士さん!と答える。

それまでポリメットの保管頼むぞ、じゃあな…と言い残し、武士は砂浜を遠ざかって行く。

その背中に向かい、来間はいつまでも敬礼して見送っていた。
 


 

 

inserted by FC2 system