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RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー!略して…蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編

TVドラマの映画版らしいが、映画としての予算は明らかにかけてないし、どう見ても映画としては昔の二本立ての添え物映画レベルだろう。

良くも悪くも堤幸彦ワールドと言うべき世界観で、好意的に見れば、TVで放映される機会が減って来た2時間ドラマを映画館で復活させようとした企画なのかも。

お笑い芸人ではない役者たちの言葉のおふざけが続くだけで、特に映画らしい見せ場が用意されている訳でもないし、ナンセンスは嫌いではないが、正直笑える所もない。

時々、登場人物の顔がCG処理で大きくなっていたりするのも意味不明で、気付く人だけ気付けば良いと言ったお遊び感覚なのだろうか?

ずっと滑り続けているコントを見ているような感じに近く、冒頭部分とエンディング部分のアニメを使ったくどくど感は「真田十勇士」でもお馴染みで、それが最近の堤ワールドと言う事なのだろうが、今この手の安っぽいプログラムピクチャー風映画に需要はないと思う。

低予算でも本当に笑える要素が詰め込んであるのならまだ付いて行けるのだが、笑えない、ハラハラドキドキ要素も皆無では、ドラマのファンはそれなりに楽しめるかもしれないが、冒頭でTV版のあらすじ紹介があるだけで映画で初めて見る者にとってはつらい部分がある。

金田一パロディのようでもあるのだが、表面的なだけで横溝風とは言いがたく、何ら笑いや恐怖に繋がって来ない。

何故ミステリとして乗れないかと言うと、東北弁か何弁か分からないようなインチキ方言で、普段使っていないような特殊な専門用語のような事を言っていたり、登場人物たちの冗談発言が多く、基本、登場人物たちが何を言っているのか良く聞き取れない部分があり、これが謎解きとしては足を引っ張っている印象。

最後は何となく2時間サスペンスの定番パロディのような終わり方なのだろうか?

ミステリとしても満足感は希薄なのだが、個性の違う3人トリオで推理すると言う設定自体は悪くなく、ハマる人だけがハマる一種独特の世界なのだと思う。  
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2016年、RANMARUとゆかいな仲間たち(松竹+木下グループ+オフィスクレッシェンド)、櫻井武晴脚本、堤幸彦監督作品。

(物売りの鈴の音)はいはい、皆様、どうもお久しぶりです。(と黒を背景に宮沢寛治の声でナレーション)

皆様ご機嫌いかがでしょう?ちょっと!富士山出た〜!お世話になっております!(会社クレジット)

さあ皆様、お手元のポップコーンは置いていただきまして、お集り頂いたのは他でもなく、正に異端児扱いのドラマが、この度劇場版となって皆様の前のスクリーンに! さあ、あまりにもたくさんの方にこのドラマをご覧頂いていないので、ここで3分間お耳を… 皆さんはご存知だろうか?朝永蘭丸(向井理)を?(と、画面右下に描かれた宮沢寛治のアニメの顔が口パクで解説をする)

絶対舌感の舌を持ち主で、舌に乗せたもの全てを脳内で成分に変換してしまうこの男、伝説の三助(火野正平)を祖父に持ち、学者である父(宅麻伸)に子供の頃から奇天烈な英才教育を受け続けた事で、この能力を身につけた… 行く先々で次々と起こる殺人事件… だがしかし、蘭丸が舌で嘗めるとあら不思議… 事件を見事に解決して行く。

僕を嘗めないでもらおう!と見栄を切る蘭丸。 嘗めたのはお前だ…と指摘する宮沢寛治(佐藤二朗)。

後、このドライバーとこの刀を嘗めた結果、御住職、あなたの味がしました!と住職(石橋蓮司)に指摘する蘭丸。

そんな彼を人々はこう呼ぶ。 「神の舌」(テロップ) この旅のいきさつを説明しておこう… 爺さんの通夜に突如として現れ、キスをして蘭丸の脳に何も浮かばせなかったこの女、流浪の温泉芸者ミヤビ(広末涼子)。

蘭丸は生まれて初めてのキスでミヤビに恋をし、彼女を探す温泉場巡りの旅に出たと言う単純な理由…

そんな蘭丸の旅を手助けする助っ人格さん助さんならぬ2人組… お門違いよ!申し遅れました!東京都公安委員会に公認された甕棺墓光(木村文乃)です! 一方的に蘭丸に好意を抱くこの女、顔は良いが性格は最悪! まがい物ばかり売りつける自殺マニアの骨董屋。

コスプレする女は嫌いじゃないが、むしろ好きだが、事件が起これば勝手に推理を始めるが、この女の推理が当たった事など一度もない! 自由奔放、傍若無人、この旅にも誰の断りもなく参加した。

さて、初めてこのストーリーを見た方ご注目! 沈着冷静、眉目秀麗、宮沢賢治リスペクト! この旅のご意見番と言うのは他ならぬ俺の事… 蘭丸の舌に助けられ、恩義と興味を感じた俺はこの旅に参加する事と相成った。

2人の仲間を引き連れ、ミヤビを追い続けた旅の成果、やっとの思い出ミヤビとの再会を果たした蘭丸だったのだが… このミヤビと言う女、実は持病の薬で一時的に口内細菌が消えていただけの女だっただけと判明。

こうして蘭丸の初恋はあっけなく閉じた。 同時に我々の旅も終わり、このドラマも打ち切り… のはずだった…、あの…、ここ、笑う所です。

(笑い声重なる) 暗転

穴から這い出て来る蟻。 蛇 さそり 陽炎が立ち上る中、ふらつきながら歩いていた蘭丸は失神して倒れてしまう。

そこに通りかかったトラックが止まり、降りて来た3人の中高年男たち、丹治(矢島健)、六郎(渡辺哲)、文吾(岡本信人)が蘭丸の身体を触りながら、こりゃ、今時、行き倒れだべか?乾燥しとる…、脈はあるんだな…などと呟く。

救急車読んだ方が良いんじゃねえべか?と1人が言うと、いや、車で運んだ方が早いべとメガネの男が言い出す。

なら、いっせいのせいで行くべ!ともう1人が音頭をとり、うんとこどっこいしょ!と言いながら蘭丸の身体を車へと運ぶ。

その途中、蘭丸が落として行った袋に気付いて取りに戻った文吾が中を見て、ヘチマに軽石…、何だべ?と言うので、それってもしかして?と六郎が言い出す。

温泉に漬けられていた蘭丸が気付いて水面から顔を出すと、男たちは、戻った!戻った!と喜ぶ。

岩塩か?食塩泉?と蘭丸は温泉の成分に気付き口走ったので、なして泉質が分かるんだべ?と男たちは驚くが、又、蘭丸の顔が沈んで行ったので慌てる。

そう…、朝永蘭丸はそう云う男… 育った環境が幸いしたのか災いしたのか…(急に外国人女性とスパニッシュ風のダンスをしながらキスをする蘭丸のイメージ)

蘭丸の脳は舌に乗せたものを成分に変換する。

だから恋など出来ない…はずだった…(外国人女性を突き飛ばす蘭丸のイメージ)

写真コラージュ風のイメージにタイトル文字(幼女がタイトルを読む声付き)

晴天の空 温泉から引き上げられたらん丸に救命のため口から空気を吹き込む武田竜胆(木村多江)が胸を押しているとき、気がついた蘭丸は、美しい女性の顔と効いたんでねえか?大丈夫か?若いの!とおじさんたちが呼びかける声を聞く。

起きて!話せる?何か話してみろ!と竜胆が言うので、あなたのキス、大丈夫でした…と蘭丸は答える。

それを効いた竜胆は、やんだあ!キスじゃなくて人工呼吸でないすか!と恥じらいながら蘭丸の身体を叩く。

側にいた3人男も笑い出す中、元気そうでねえか!と声をかけて来たのは野々村龍之介(市原隼人) あ、御前さんの服、汚のうなっとったから、まずはこれ!と言いながら龍之介が着物を手渡すが、それを着てみたらん丸は、これは?と戸惑う。

男たちは、金、金…と名前を思い出そうとするが、急に「坊ちゃん」!と言うので、蘭丸は首を傾げる。

それはどう見ても「金田一耕助」の扮装だったからだ。 それでも気を取り直した蘭丸が、あの…、ここは?と聞くと、鬼灯村の露天温泉だと言う。

鬼灯村?と蘭丸が呟くと山形県だと言い、俺たちは、こん村の5人組だ!青年団だなどと竜胆も含めて自己紹介するので、女性もいるんですねと蘭丸が指摘すると、りん先生は違うべ!りん先生はこの村でただ1人の医者だと丹治が言う。

医者?それで人工呼吸…とようやく合点した蘭丸だったが、キスじゃねえぞ!と騒ぎ出した男たちに、おじゃぐな!と竜胆が注意する。

じゃあ後1人は?5人組…と蘭丸が聞くと、近頃1人抜けたで…と丹治が顔を背けて言いにくそうに答える。

そげなことより、あんた、三助さんだべ?と六郎が聞いて来たので、はいと蘭丸が答えると、やっぱり!と喜んだ六郎は、これ昔、見た事あったべ!三助の袋だべ?と言いながら、蘭丸の持っていた袋を手渡す。

大津の温泉でえ大津の三助が持っていたらした!と六郎が言うので、ああ、平助を…、僕の爺ちゃんです!と蘭丸が答えると、あんたが平助じゃねえだか!と六郎が急に怒鳴ったので、おしゃぐな!と竜胆が叱る。

申し遅れました、朝永蘭丸と言いますと自己紹介し、僕、皆さんに助けられたんですよね?と聞くと、助け方がいかんで…、急にお湯さなんかに入れて…と竜胆が言うので、さけ、三助さんならお湯に入れれば元気になる思うべ?…などと六郎が反論する。

わかめやキクラゲやカップラーメンじゃねえんだからと竜胆は呆れる。

なら、この村の温泉で三助してくれんかの?と文吾が蘭丸に頼む。 えっ?と蘭丸が戸惑うと、申し遅れた、この村の温泉管理組合の理事しとるべと言いながら肥田文吾と書かれた名刺を差し出す。

頼んます、今観光シーズンだば、全然観光客が少なくなるばかりで…と言いながら、土木課の岩月丹治も名刺を差し出して来る。

すると、龍之介がうちに泊まれば良いさと口を出して来る。

それを聞いた竜胆も、龍ちゃんちならうちの病院からも近いと賛同するので、急に笑顔になったらん丸は押せ輪になりますと言いながら竜胆に近づく。

竜胆と一緒に旅館に向かいながら野々村龍之介からもらった名刺に書かれた「温泉掘削課」と書かれた肩書きを見た蘭丸が、温泉課の方ですか?と聞くと、それ、昔の名刺だで…と龍之介は答える。

温泉掘ってたんですか?と蘭丸が聞くと、ああ、もっと温泉掘ってこの村もり立てよう思うてな点と龍之介は言うと、この村は昔鬼灯温泉て呼ばれた事もあったで…と竜胆が付け加えると、でも今じゃさっぱりだと龍之介が嘆く。

こんなに客がいないんじゃ、新たに温泉掘ってもどんげもならんけにな〜と龍之介が言うので、だから会社を辞めたんですか?と蘭丸が聞くと、親父が死んだで…と龍之介は答えるが、その時、ネックレスを落とす。

それを拾って嘗めた蘭丸がこれ銀ですね?銀の鮎…と言うと、それを急に奪い取った竜胆が、つばが付いたネックレスを龍之介の服で拭いながら、大事にしねえと…、父さんの形見なんだべ?と言いながら返す。

じゃあそれ、亡くなったお父さんが?と蘭丸が聞くと、就職したとき、お守りとして渡されたで…と龍之介は答える。

「女岩」と書かれた温泉にやって来た蘭丸が、玄武岩ですね!ああ、水晶も混じってる!と指摘すると、良く見えっぺな!と竜胆が感心したので、裸眼で0.1、矯正して6.0ですと蘭丸は答える。

こう言う土地に雨や雪解け水が浸透すると良い水になります。と蘭丸が言うと、蘭丸さん、詳しいべな〜と龍之介は感心する。

確かにこの村の水はブロンドだ!と龍之介が自慢すると、欧米か!龍ちゃん、それを言うならブランド!と竜胆が訂正してやる。

この村の水はペットボトルに詰められて売られているべなと龍之介は言うので、じゃあ工場とかあるんですか?と蘭丸が聞くと、向こうの麓に村唯一の産業だべと龍之介は嬉しそうに教える。

工場のお陰で村を出て行った人たちも戻って来て…、後は村も温泉場として栄えればね…と竜胆も言うと、この村のために蘭丸さんも三助に!と龍之介が詰め寄る。

その時、村に未来なんかねえ!と怒鳴って来たのは、カンカン帽に口ひげ姿で、キックボードに乗って来たは卜真(永瀬匡)で、ここは子殺しの村だべ?こん村に未来なんかねえ!などと睨みながら言うので、真!おめえ、まだそんな事言いに来ただか!とけんか腰で近づこうとするが、そんな龍之介にコブラツイストをかけ、龍ちゃん行くべ!と促したのは竜胆だった。

作り酒屋の息子だよ、5人組を抜けてから先、ちょっと様子がおかしいんだよと龍之介は蘭丸に教える。 じゃあ、さっき言ってた最近抜けた1人って…と言いかけた蘭丸だったが、道ばたに咲いていた鬼灯に気付く。

来月になればこん山は鬼灯で火が灯ったようになるんだわさ…と龍之介が言うので、だから鬼灯火村って言うんですねと蘭丸は合点する。

良いですね、ここ開けてて、景色も良い!…と蘭丸が眺望の良い場所で喜ぶと、昔は良くここで祭りさやってたらしいで…と竜胆が教え、上までうちの土地だったんだけど…と龍之介も付け加える。

その時、クラクションが聞こえ、丸ちゃん!と運転席から手を振って来たのは甕棺墓光だった。

光さん!と驚いた蘭丸だったが、ガス欠〜!と光が言うのでがっくりする。

運転席に近づいた蘭丸に、会いたかった〜!と抱きついて来る光。 その時、車の上に乗せたあった箱の蓋が開き、呼ばれて飛びじゃじゃじゃじゃ〜ん!と言いながら出て来たのは宮沢寛治だった。

しかしその瞬間、車の下の地面が陥没し、車が斜面に落ちかけたので、光も寛治もパニック状態になる。

陥没に巻き込まれた蘭丸も倒れたので、驚いた竜胆が、蘭丸さん!と叫びながら近づき、人工呼吸をしようとすると、龍之介は危ない!人を呼んで来るで!と止めようとし、人工呼吸なら私が!と光も焦って声をかける。

蘭丸が目を覚ますと、すぐに離れてください、こやつは特異体質故、失礼な言動をしますと寛治が忠告して来たので、特異体質?と竜胆は聞き返す。

キスをされると吐きそうになったり、吐いてしまったりですと寛治が説明すると、そうよ、私のキスでも吐くんだからと光が言うと、それは光さんの唾液が黄金虫の体液と成分が酷似しているからですと蘭丸は言い聞かす。

でも彼女のキスは僕何故か平気でしたと蘭丸が言うと、だからキスでねえって…と竜胆は訂正する。

すると光が運転席から、ああ!もしかしたらあんた医者ね?まさか口の中の細菌殺す薬使ってる?きっとミヤビが使っていたのと同じ薬ね!そうなのね!おとなしくその薬渡しなさい!などと光が逆上し始める。

この人の言ってる事、おかしくねえべか?と竜胆が戸惑うと、この女は基本おかしな事しか言いませんと寛治が説明しながら、運転席から降りる光を手助けしてやる。

ミヤビさんと違って彼女のキスは、唾液や口内細菌の味はちゃんとしましたよと蘭丸が言うので、なのに大丈夫なのか?と寛治が確認して来る。

すると蘭丸はにやけ、はい…、どう言う訳だか…と竜胆の顔を見つめて来たので、まあ、とにかく命に別状ねえから…と竜胆は引き気味に立ち上がる。

と言うか、光さんと寛治さんは何でここに?と蘭丸が改めて聞くと、何でよ?と光も聞き、寛治は、お前のスマホにアプリをダウンロードしたと寛治は答える。

光がスマホを確認してみると「山蛭」と書かれたアプリが入っていたので光は気持ち悪がる。

スマホの位置を確定するアプリだ。行く先々の駅にあるパソコンサービスでお前の車の位置を見つけ、信号待ちしている所で飛び込んだ…と幹事は説明する。

プライバシーをなんだと思ってるのよ!もはや完全なストーカーじゃない!犯罪よ!と光が抗議すると、そう云う光さんはどうしてここに?と蘭丸が聞く。

私は丸ちゃんが心配だから…、あの時、分かれるとき、抱きつく振りをしてジーパンの尻の部分に発信器を取り付けて、それをこれで確認しながら追跡しただけよとスマホの尾行ルートが出た画面を見せたので、俺に浴びせた罵詈雑言を全てお返しすると寛治は言う。

そんな2人の会話を聞いていた竜胆は気味悪そうな顔になる。

そしたら、丸ちゃん発信器が東北の方に向かっていたから、もうびっくり!などとまだ光が蘭丸に迫っていると、そうだ、滋賀に帰るはずのお前が何で山形に来たんだ?と寛治が聞いて来る。

すると蘭丸は、いや…、ヒッチハイクしてて水かけられて…と説明し出す。(「米原」と書いたダンボールを出していた蘭丸が、通りすがりの車に泥水をはねられ、「原」の字が汚れる回想シーン) お豆腐屋さんに呼ばれて…、何だろう…と蘭丸は不思議がる。

(乱暴な運転をする車の運転手に誘われて乗り込む回想シーン) 「米原」が「米沢」に見えたんだろうな…と寛治が推理する。

それを聞いていた竜胆は、確かに青年団の人たち、米沢の近くで蘭丸さん拾ったって言ってた…と言い出す。

途中で気付きそうなものだが…と寛治は呆れ、丸ちゃん車の中では大抵寝てるから…と光も指摘すると、寝過ぎだ!と寛治は言い切る。

だから車降りたら全然土地勘なかったんだ…と蘭丸も気付くが、それでやみくもに歩いて行き倒れとはお前らしい…と寛治は言う。

青年団の車で龍之介が光の車を牽引し、ここに落ちて無事だったとは…と駆けつけた青年団の文吾が感心していると、光が開きっぱなしの後部座席を見て、私のお宝は!と慌てたので、そう言えば、何かガラガラ音がしとったでな…と丹治が教える。

と言う事はお前のがらくたは今頃…し〜らんべったんゴ〜リラ…と寛治がからかう。

崖下の土砂に紛れたと知った光が駆け寄ろうとするので、後で役場に掘り出してもらえば良いだ!と六郎らが必死に止める。

しかし、逆上した光は、セクハラよ!と六郎の手を振り払うと、なら今すぐ掘り出して!とわがままを言う。

どう言うものを積んだかリスト作りますから、役場まで来てもらいますがの…、お名前は?と丹治が聞いたので、東京都公安委員会に公認された甕棺墓光!と身分証明書を取り出して自己紹介する。

変わった名前だな?とあっけにとられた青年団3人を前に、名前と美貌!天はニモノを与えましたよ!と光が叫んだので、二物だ…、母の味か?と寛治が突っ込む。

なら出来る限りの事をするから一緒に行くべ!と丹治が光を誘い、すぐにお願いします!と光も指示する。

やがて、蘭丸ら一行は、「鬼源水 鬼源水飲料水興社 鬼灯村工場」と「立入禁止」などと言う看板が立った場所にやって来る。

さらに村の入り口近くに来ると、黒水はおめえらか!と聞いて来た老人グループがいた。

そこみてえに、黒水が村のあちこちで出て、それで俺たち県に陳情に行ったんですと文吾が説明する。

んだ、水を調べてくれってな…、その帰りに米沢辺りであんたが倒れてて…と六郎が言うと、ゆんべ見た人魂もおめえらか!鬼火だ!鬼火に違いねえ!と又老人グループが文句を言って来る。

鬼火?と寛治が呟くと、おめえのせいだ!と老婆軍団が竜胆に迫って来たので、六郎が何でおめえらはいつもりん先生にこげな態度を取るべか?と叱りつける。

すると、老婆軍団は手をつないで「かごめかごめ」を歌い始める。

何ですか、この「かごめかごめ」は?と蘭丸が不思議そうに聞くと、何や、鬼灯村の観光名物と思ってもらえば…と六郎は恐縮そうに説明する。 なかなか香ばしい名物ですな…、不気味なチューチュートレインだ…と寛治が呟く。

おらの「菩辺美庵(ぼへみあん)」はこっちだで…と龍之介が自宅の宿の方へ案内する途中、蘭丸はガイド版でその位置を確認する。

宿の温泉に寛治と浸かった蘭丸は、やっぱりお風呂ですね〜と喜ぶ。

そこへ、失礼します、鬼灯村は「菩辺美庵(ぼへみあん)」にようこそ!着替えの作務衣ここに置いときますでなと野々村花乃(財前直見)が2人に声をかけて来る。

すみません、急にお邪魔したのに…と蘭丸が恐縮すると、いや〜、明日からお客さんに三助していただけるんだで、出来る限りのサービスさせてもらいますと花乃は言う。

そんな花乃に、女将さんはご存じないですかね?先ほど「かごめかごめ」をするおばあさんたちを見まして…と寛治が聞くと、そのおばあさんたちのりん先生に対する態度が何て言うか…、厳しいと言うか…、冷たいと言うか…と蘭丸も聞いてみる。

すると、それは…、りん先生に聞いてみれば良いだに!と急に花乃は起こったように答えたので、蘭丸たちは、え?と驚くが、どうぞごゆっくり!と頭を下げた花乃は、「ぼへみあん〜♩」と歌いながらその場から去って行く。

その後、蘭丸の手の怪我の治療に宿の部屋にやって来た竜胆は、うちの母の祖母も代々医者だったんですって…と蘭丸と寛治に打ち明ける。

でも村のおばあさんたちは病気したって怪我したってうちの診療所には絶対来ませんでした。

何でおばあさんたちはりん先生の病院を嫌うんです?と蘭丸が聞くと、さあ?昔母に聞いたけんど…と竜胆が言うので、お母さんは何て?と聞き返す。

(回想)お前だけには言っておかねばなんねえ事がある!おらたちが代々女の医者だった訳を…、ここさいるおらたちのあまりに恐ろしい罪ば…と言い残し、竜胆の母親は見守っていた竜胆の目の前で死ぬ。

(回想明け)りん先生、ご兄弟は?と聞くと、おりませんで…と竜胆は答える。

じゃあ、ご主人は?と聞くと、やんだ、独身だで…と言う。

へえ…、じゃあ今はお父さんと2人だけですか?と聞くと、父とは今は別々に暮らしとりますで…と竜胆は言いにくそうに答える。

そうですか…と蘭丸が質問を辞めたとき、りん先生、ちーっす!と、先ほどの花乃ら3人の女性がやって来る。

他所の町で爆走して事故って、うちで入院しとる患者さんたちですたい。

週に何遍かはこっちでお風呂借りとりますで…と竜胆は蘭丸に説明する。

じゃあ、お客さんのいないうちにお借りしますと花乃が挨拶して奥へ向かう。

では蘭丸、我々も三助するか?と寛治が言い出したその言葉に、去りかけた花乃が身体を硬直させ、蘭丸?蘭丸さんとおっしゃるんで?と突然蘭丸たちの部屋に入り込んで来る。

蘭丸は思わず正座し、すみません、ちゃんと自己紹介しないで…と詫び、朝永蘭丸と申しますと言うと、どの文字は?と花乃が聞いて来たので、阿蘭陀の蘭、つまり胡蝶蘭の蘭、伊藤蘭の蘭に、坊主丸儲けとか丸々太っているとか、真田丸の真田です、あ、丸ですなどと寛治が横から口を挟む。

それを聞いた花乃は、四つん這いで壁の所に這って行き「ぼへみあ〜ん」と叫ぶ。

その異変に気付いた蘭丸は、僕たち何かしました?と竜胆に聞くと、竜胆も、さあ?と首を傾げる。

部屋の隅で怯えていた花乃を前に、脱いで良いっすか?と暴走ギャル2人が聞いて来る。

三助とは、湯とともに身体と心を洗い流す職人の事…(と蘭丸の独白)

(回想)竈焚き、背中流し、風呂掃除、この三役をこなすさかい、わしらの仕事は三助言われとるんじゃと言う祖父平助。

(回想明け)垢すりは体中の血流を促し、新陳代謝を活発にする働きをもたらす。

そして古い角質や老廃物を取り除く事で、より美しい肌へと生まれ変わる。

肩もみは筋肉の緊張をほぐし、体中に酸素を巡らせる事で日頃の疲れから心も身体も解放する至極の心地よさ。

おじいちゃんから受け継いだ秘技「至極昇天一点反り」も又、志幸の快楽へと誘う究極の技だ…(と独白しながら、暴走ギャルの肩をもむ蘭丸)

その頃、受付にいた花乃は座布団を運んでいた龍之介を呼び止め、あん人が蘭丸って名前だと絶対に言ってはダメだぞと注意したので、なして?と龍之介が聞くと、とにかく絶対に言ってはなんねえど!と花乃は、呼び鈴を鳴らして念を押す。

風呂場では、暴走ギャルが、地震?噴火っすか?と聞き、そう言った事で地面の陥没でも起きるんで…と蘭丸は話し相手をしていた。

でもよお、最近地震はねえし、噴火とか見た事もねえ、まあ走ってると分かんねえと言うので、そうですか、じゃあ、ゆっくり浸かってください、この温泉は良質の酸性泉ですから怪我に効きますよと蘭丸は勧める。

でもこれん時って入っちゃダメなんだべな?と1人が臨月のジェスチャーをして、だってさ、鬼灯火温泉は子殺しの湯だって…と言いかけたとき、もう1人の暴走ギャルが突然大声を上げて、こら!空気見ろ!前輪240!と叱りつけて来る。

すると、先の暴走ギャルも後輪220っす!と返事をする。

ここはそこまで強酸性ではないので妊娠中でも問題ないはずですけど?と蘭丸は戸惑う。

それを効いた暴走ギャルは、ほら、迷信だべ、ばあちゃんたちの話は…と仲間に言う。

おばあちゃんたち?と蘭丸が聞くと、何でもないっすと暴走ギャルは言う。

そして、飛ばすぜ!と温泉につかってはしゃぎ始めた暴走ギャルと一緒にはしゃぎ始めた寛治は、楽しい!楽しい!と大喜びする。

夕食の時間になり、光も加わって、「ぼ」「へ」「み」「あん」!と言いながら迷い箸をしていると、このダゴ汁、良い成分ばかりですと蘭丸が褒めると、それを一般的に美味しいと言うと寛治が指摘する。

これホオズキですね?と蘭丸がつまむと、ホオズキって食べられたっけ?と寛治が聞く中、光はぺろりと口にしたので、毒があるので普通はたべちゃダメですと蘭丸が注意すると慌て、吹き出す。

その口から飛び出たホオズキが寛治の椀に見事は行ったので、光はガッツポーズをする。

すると蘭丸が、大丈夫ですよ、これは食用のホオズキですから…、うん、凄く良い成分ですと解説しながら食べる。

そこに、鬼灯村の名物だで…と言いながら花乃が食事を運んで来たので、ちょっと!何、人のホオズキ取ってるのよ!と言いながら光が吐き出したホオズキをお前がやった事であると軽くいなした寛治の椀から取り戻しに来る。

返してよ、泥棒!と罵倒しながらホオズキを自分の椀に戻した光に、情緒不安定である!と寛治は指摘する。

これだけ美味しいものと良い温泉があったら、かつて鬼灯温泉って呼ばれてたって話も分かりますと蘭丸は花乃に話しかける。

それを効いた花乃は、鬼灯温泉…、いや懐かすぃ…と感慨に耽る。

あれは確か「クイズ」っちゅうドラマが流行っている頃だった〜…と花乃は続ける。 あなたの一番大切なもの、な〜んだ?いやあ…、懐かすぃ!と花乃は1人ではしゃぐ。

大丈夫か女将…と呟い寛治、なら、子殺しの湯なんて言われていたんじゃいけませんな…と無表情に言う。

子殺しの湯?と花乃が聞くので、何かこの村の婆さんたちがそんな事を話してたって、さっきお風呂で…と蘭丸も付け加える。

すると、花乃の表情がこわばり、迷信でねえだ…と言い残し部屋を後にする。

(回想)あれは鬼火に違いねえ!黒水はおめえらか!と叫んでいた老婆たちのイメージ

「かごめかごめ」を歌う老婆たち この村は子殺しの村だで…、こん村に未来なんかねえ!と言っていた真のイメージ

ホオズキのイメージ

迷信でねえ!と言っている花乃のイメージ

死に行く直前の竜胆の母親のイメージ

陥没する道路のイメージ

(回想明け)深夜、蘭丸は悪夢から目覚めていた。

上半身を起こすと、目の前の壁に「葛城ユキ」の写真が飾ってあったので驚く。

隣室では、寛治と光が頭部を逆に並んで寝ていた。

布団の上で蘭丸は、「かごめ かごめ 駕篭の中の鳥は♩」と口ずさみ始める。

外では、花乃が白い装束を着て「かごめ」を口ずさんで祈っていたが、そのとき突如、白い光りが出現したので、鬼火!と驚く。

蘭丸は真昼のように窓が明るいのに気付き、寛治を踏みつけて隣の部屋に入り窓を開けると、まぶしい光を見る。

あれは!と老婆たちが言っていた鬼火と言う言葉を思い出した蘭丸は、又、寝ていた寛治の足を踏んで部屋を飛び出して行く。

蘭丸?と寛治は呼びかけると、隣で寝ていた光も丸ちゃん!と寝たまま呼びかけたので、さすがに起きたか…とその顔を確認すると、また光は目を開けたままいびきをかき始めたので、寝取るんかい!怖い、怖い!と突っ込む。

外に飛び出した蘭丸は、真がそこにおり、お前は何をしてたんだ!と呼びかけられる。 そのとき又、強烈な光が輝いたので、思わずその光源目がけて走り出した蘭丸だったが、すぐに光の玉は消えてしまう。

蘭丸がいつしかたどり着いたのは「立入禁止」の看板が付いている金網の場所だった。

翌朝、光と寛治も普通の服に着替えて同じ場所にいた蘭丸の側にやって来る。

確かに夕べ、この辺りから強い光りが…と蘭丸が腕組みすると、車のライトとかじゃないのか?と寛治が聞いて来る。

いえ、明らかに違いましたと蘭丸が答えると、だとすると、この穴に光を放つ何かが…と光が推理を始める。

その時、穴の下の方に何かを見つけた光が、慌てて崖を下って行くので、危ないぞ!怪我してもここにはサマーレスキューはいないぞと寛治が声をかける。

しかし光は、何かを土から掘り出し、見て!私のお宝!と上にいる蘭丸たちに見せたので、光さん、危険ですって…と蘭丸も注意する。

しかし、当の光はそんな言葉など無視して周囲を掘り始め、こっちにも!見て〜!などとはしゃぎ出したので、光さん、骨董品の救出は役場に任しましょうと蘭丸は言い聞かそうとする。

その側に地蔵が埋まっていたので、またあった!見て!と喜びながら光がその手の部分を引っ張ろうとするので、光さん、それって手…と上から蘭丸が声をかける。

その言葉に気付いた光が良く見ると、それは明らかに人間の手だったので、誰か呼んで来る!と言い残し寛治が去って行く。

崖を降りた蘭丸が土の中から伸び出たてを引っ張ってみると、卜真の上半身が出て来たので、光は悲鳴をあげる。

すぐに警察が駆けつけ、現場には老人軍団、青年団の4人、そして山形県警の柴刑事(春海四方)と若村刑事(落合モトキ)が集まる。

引き上げられた真の遺体の側にいた蘭丸が号泣しているので、何で泣いてるんだ!と柴刑事が聞くと、だって人が死んでるんですよ、悲しいじゃないですか!と蘭丸は答える。

まさか、被害者と知り合いか?と柴刑事が聞いて来たので、この人はちょっと会ったことがあるけど、全然知らない人ですと蘭丸は答え、それを聞いた柴刑事はズッコケる。

で、りん先生、死因は?と柴刑事が聞くと、すみません、こう云う検死って言うのは初めてで…、ただ硬直は凄い!と言いながら、竜胆は真の腕を動かそうとしてみて、死後8時間は経っているはずだべ…と答える。

その時蘭丸が、僕見たんです、夕べ彼を、ここに駆けつける途中…と口にする。

何時頃だで?と聞かれると、お前が宿を飛び出して行ったのは深夜2時頃だ…と寛治が横から補足する。

そんな時間に何故あんな所にいたんだべ?と柴刑事が扇を開きながら言う。

そこへ、真〜!真〜!なしてだ?と泣きながら駆けて来て真の遺体にすがりついたのは父親のようだった。

岩村刑事が死体から話そうとすると、父親は殴りつける。

それを見た竜胆が、お父さん…と呟いたので、それを聞いた蘭丸は、お父さんって真さんの?と聞く。

その父親が、先生、なして真を捨てたんだべ、あんた!と竜胆に詰め寄ったので、捨てたって?と蘭丸が呟くと、そうじゃ!りんじゃ!りんに間違えねえ!山本麟じゃ!と老婆たちも騒ぎ出す。

丑三つ時に会いに来るのはりんしかいねえ!と老婆の1人が言う。

どうしてりん先生と真さんが?と蘭丸が聞くと、真とりん先生は恋仲同士だべと文吾が教えたので、恋仲!と蘭丸はショックを受ける。

恋仲…と傘を持ってランニングシャツ姿の六郎が呟いたので、裸の大将?と寛治は驚く。

恋仲?違いますで!と龍之介が反論し、真さんに告白されましたけんど付き合うてません、ずっと断ってましたで、諦めてくれんで…と竜胆も否定する。

すると、りんは鬼子の呪いだで…と老婆が指摘する。

お肉の呪い?牛や豚が怒ってるみたいな?と光が聞き返すと、鬼子の呪いじゃ!と一斉に老婆たちが喚き出し、又輪を作って「かごめかごめ」を歌い出す。

りん先生、今日の深夜2時頃どちらに?と岩村刑事が竜胆に聞いて来たので、ちょっと!りんさんを疑うべか?と龍之介が抗議する。

しかし、2人が付き合っとったのは村中が知っとるけ!と柴刑事が言うと、ひょうきん族!と寛治が呟く。

だから付き合っとりませんって!と竜胆は否定すると、無実を証明するためですよ…と言い訳した岩村刑事が、りん先生、今日の深夜2時頃どちらへ?ともう一度竜胆に聞くと、そんな夜遅く…、家で寝てますべ…と竜胆は答える。

つまり、武田医院で?と岩村が確認すると、それを証明できる人は?と突然光が聞いて来たので、ほんな…、一人暮らしだで…と竜胆は反論する。

確かヤンキーな入院患者さんがいましたよね?と蘭丸が聞くと、さすがにそんな時間、ヤンキーな患者さんでも寝とりますと竜胆は困惑する。

つまり、アリバイはないが、殺す動機はある!と光が竜胆を指差して指摘する。

すると、横にいた龍之介が、殺す動機って何だべ!と反論する。

りん先生、ここは一つ、警察に来てもらえないべかな?と柴刑事が頼む。

そんな!と龍之介も困惑するが、こんなになって、あんたも困りよろうが!と柴刑事は混乱する現場の様子を指して言うと、そのまま竜胆の手を引いてパトカーへと向かうので、りんさん!と龍之介が追って行く。

その時、丹治さん!女湯の所で水が涌いとるべさ!と言いに来た老人がいた。

なしてこげな所で水が?と現場に行った丹治がぼやくと、近くで陥没が起きて地下水の流れが変わったとか…と、一緒に付いて来た蘭丸が推測を話す。

丹治は岩から染み出て来た水を見て、良かった!黒水ではねえと喜ぶ。

岩場に近づき、水を口に含んでみた蘭丸は、ミネラルのバランスが絶妙です!と褒める。

多分、最も甘みを感ずるバランスなのにカルシウムとマグネシウムの量からして微妙に硬水、しかも有機物や塩素の量が圧倒的に少ない奇蹟のような水質です!と絶賛する。

これはきっと、おいしいと言う味…と言うので、聞いていた寛治は回りくどいとぼやく。

側の休憩所に戻って来て、滑って無様な所を見せた蘭丸を指差し、もしかして、あんた神の舌!と丹治は気付く。

色んな温泉場で殺人事件ば解決したって言う噂の…と丹治が指摘すると、ほしたら、りんさんば助けてけれべか?と急に龍之介が手を合わせて頼む。

えっ?とらん丸が驚くと、おめえさんの舌、殺人事件ば、十津川警部や浅見光彦や鶴丸彩みたいに解決できんだべ?と龍之介は言う。

こんな事があったら観光客が寄るどころでねえ、お願いしますで!と丹治も頭を下げる。

そんな〜、丸ちゃんに事件を解決しろだなんて…、一体私にいくら払うつもりなんですか!と光は金を要求したので、何故金を取る?しかもお前が取る?と寛治が突っ込む。

野々村さんはどうしてそんなにりん先生を?と蘭丸が聞くと、俺、りんさんと付き合ってますで…と龍之介が告白したので、蘭丸はえっ!と仰天する。

俺、りんさんと付き合ってます!と龍之介が繰り返したので、いつの間に!じゃあ、りん先生が的とと別れたのはおめえのせいだか?と丹治も聞く。

真にそそのかされて困ったりんさんに相談されて、その相談受けているうちに…と龍之介が両手の人差し指をくっつけようとしたので、そこまでだ!と口を挟んだ光が、話は全て聞かせてもらった!と温泉の岩場の所で威張って言うので、今までここにおったろう…と寛治が突っ込む。

りん先生が助かれば、野々村さんとゴールイン!丸ちゃんとはくっつかない!そうとなれば話は早い!この事件、この甕棺墓光が解決してみせる!と一方的に売り込む。

蘭丸さんは?と丹治が確認すると、僕で力になれるんなら…と不承不承に蘭丸は答える。

宜しくお願いします!と龍之介はその場で土下座して来る。

良し!戸塚に乗ったつもりで任せて!と光が言うので、大船だ、大塚は一個手前だ、てか、大船の間違い、わざと言ってるだろう!神奈川県民にしか分からん…と寛治が突っ込む。

すると光が、タイタニックに乗ったつもりで任せて!などと言い出したので、タイタニックは沈没船だ!と寛治が突っ込むと、リオデジャネイロ〜!と光が叫び返して来たので、うるさい!と寛治は呟く。

(「かごめかごめ」の歌が流れる中)鬼子って何だろう?と村に戻って来た蘭丸は考える。

すると寛治が、知ってるか?「かごめかごめ」の歌の意味…と言い出す。

そう言えば意味不明の歌ですね?と蘭丸が歌詞を思い浮かべると、「かごめかごめ:二は色んな説がある…と寛治が説明し出す。

その説の1つと言いながら近くにあったスケッチブックにマジックで「籠女」と書いて「かごめ」と寛治は言う。

「籠を抱いたような女」…つまり妊婦の事だ…と寛治は素早くイラストを描いて説明する。

よって「籠の中の鳥」は「赤子」のこと… 「いついつ出やる」は、いつ生まれて来るんだろう?と寛治はイラスト付きで言う。

「夜明けの晩」は晩のように暗い夜…、「鶴と亀」は目出たい事の象徴、この場合は妊婦と胎児…と寛治が続ける。

よって、「鶴と亀が滑った」は、妊婦と胎児が滑って転んだ。

「後ろの正面誰?」は、私の後で正面を向いていたのは誰? つまり、私を突き飛ばしてお腹の子を殺したのは誰だ〜!…と言う歌だって説があるんだ…と寛治は話し終える。

怖過ぎます…て言うか、漫画巧いですねと蘭丸は脱力したように言う。 石ノ森章太郎先生の「漫画家入門」で学んだ…と寛治は答える。

だとすると「かごめかごめ」は我が子を失った母の嘆き節…、いや、恨み節だ…と寛治は言う。

は!水子?と蘭丸は指摘すると、俺もそう思ってる、婆さんたちが言っていた鬼事は水子の意味かもしれん…と寛治も賛同する。

だとすると、あの「かごめかごめ」の輪の中に水子がいた…、じゃああれは「水子供養」?と蘭丸が指摘すると、だとすると、何故村に不吉なことが起きるたびに「水子供養」の儀式をするのだ?と寛治が疑問を問う。

さあ?でも「水子供養」だったから村の女性だけに伝わっているのかもしれませんね…と蘭丸が答えると、だとすると、りん先生も知っていたはずではないか…と寛治が言い、ああ…、でも…と蘭丸が続けようとした時、ねえ!ちょっと聞いて!と言いながらレジ袋を二つ下げた光が部屋に戻って来る。

りん先生の着替えこれに詰めてたんだけど、地味なのばっかりで欲しいの全然ないのよ…などと言うので、何故もらうつもりでいた?と寛治が聞き、なら、俺はこれを警察に届けて来るからと言いながら、そのレジ袋を龍之介が受け取りに来る。

事件の解決お願いします…と部屋を出る龍之介は頭を下げて来る。

さてどうする?と寛治が聞くと、一つだけ気になっている事がありますと蘭丸は笑顔で答える。

真の実家「酒蔵・鬼ノ蔵」 真の遺体の側に付き添っていた父親に、未来がねえと生前の真が言っていた言葉を聞きに行った蘭丸は、そげな事言ってたっけな〜と嘆く父親に、子殺しの村って言ってたもんねと同行した光も教える。

子殺しの村…、あ、妻が死ぬ時に…と言いながら真の父が妻楠子の仏壇の前に向かったので、亡くなった奥さんがそう言ってたんですか?と蘭丸が聞くと、何か村に古い言い伝えがあるって…と、鈴を鳴らして父は答える。

古い言い伝えが事件の鍵になる!と光は言い出す。

つまり今回の事件は「横溝原作の必殺」! あれは何しゃべってるんだべ?と父が光の聞くと、お気になさらず、2時間サスペンスに犯されておりますと寛治が答える。

考えも付かない程これまでに見た膨大なミステリを駆使して推理して光!事件を解決して丸ちゃんを取り戻すために!と光が自分の世界に陶酔し始める。

今、何の時間だべ?と父がまた聞くと、世界一無駄な時間故、話を進めましょうと寛治が答える。

う〜、ダメだわ!と光がしゃがみ込んだので、うるさいと寛治が注意する。

父親を、事件当夜真を見かけたしめ飾りを巻いた岩の所に案内して来た蘭丸は、側にあった「酒造鬼ノ蔵」の装置を吸水管ですね?と確認する。

父親は、うちの酒の仕込み水だべと言うので、ではここは卜さんの土地?と寛治が聞くと、ああ、江戸時代からずっと…と父は答える。

そう言えば、この村ってペットボトル水作っていると丸ちゃん、言ってたわよね?その水もここから採ってるの?と光も口を出す。

それはうちの隣で、この辺一体ですと父親が言うので、その会社って山の向こうにあるんですよね?と蘭丸が聞くと、ああ工場はありますけんど…と父が言うので、会社は?と聞くと、本社はどこだったかな?東京だったかな、大阪だったかな?と父ははっきり知らない様子だったので、この村の会社じゃなかったんですか?と蘭丸が聞くと、他所から来た会社で…と父は言う。

他所から来てここから水を汲んでいるんですか?と聞くと、ああ、5~6年前に役場が誘致した会社で…と父は言うので、役場?と蘭丸は戸惑う。

藁葺き屋根の古風な鬼灯村役場 土木課の丹治が、鬼源水を訪れた鬼丸たちに振る舞う。

すぐに光が飲み、旨い!と言うので、頂きますくらい言え!と寛治が注意する。

これです、山で飲んだわき水と同じ成分です!と蘭丸も味見して満足する。

そして、これを「鬼ノ蔵」さんの隣の土地から汲んでるんですね?と聞くと、ええ、あの土地は汲み取れる水の量が豊富な上、バブル期に整備された道路に直結されているんで…と丹治ハ言う。

では、パイプを引かずとも水をトラック輸送できる…と寛治が指摘すると、東京の哨舎からこん話ばもらった時、真っ先にそこへと思い、工場に勧めましたと丹治は言う。

じゃあ、村に工場を誘致したのは岩月さん?と蘭丸が聞くと、商社から話を持って来たんも土地売買を仲介したんも俺だよと得意げに丹治が言うので、凄いですな…、それが村唯一の産業になるとは…と寛治は持ち上げる。

すると丹治も、我ながら、村に良い貢献さ出来たと思うとりますと自慢する。

その間、ぐびぐびと水を飲み続けていた光は、ああ旨い!もう1本!などと笑顔で言い出す。

その後、「立入禁止」の看板が付いている門の所に来た蘭丸だったが、光は気にする様子もなく足で門を蹴飛ばして開けてしまう。

工場内のベルトコンベアの様子を見た光が、腹減った〜と光が言うので、回転寿しか?「スシロー」か?と寛治が突っ込む。

凄い量…と光は感心する。

熱心に製造過程を見ていた3人に、もう宜しいですか?本当は工場見学やっておりませんので…と女性社長である湯川麗子(黒谷友香)がおずおずと申し出る。

そうでしたか、すみません…と寛治が詫びると、いいえ、役場からの紹介ですから…と麗子は言う。

ちなみにかなりの量のペットボトル水が作られているようですがと蘭丸が聞くと、この手の工場としてはまだ小さい方ですよと麗子は説明する。

取水口からは一日何トン汲んでます?と蘭丸が聞くと、100トンですが?と麗子は答える。

ああ又?この村にはお茶を出すって言う文化がないの!と応接室に来た光は文句を言い出す。

「鬼源水 CEO 湯川麗子」と書かれた名刺を見る蘭丸。

ただで飲める水ばっかり!と、応接室で麗子を前にしても、光の文句は続いていた。

無視してください、傍若無人な女なんですと寛治が詫びると、水がただって言う感覚、日本人らしいですねと麗子は苦笑する。

そうですよ、世界には湧水よりペットボトルの水の方が高い国がいくらでもあるんですよと蘭丸も賛同する。

良いもん、そうなったら水道水飲むから!と光が反論すると、いやそう云う国では水道水が飲めないから…と蘭丸が説明しかけると、もう良い、ただの水とこう云う商品の区別がつかない女であると寛治が吐き捨てる。

だってこんな商品初めて見たもん!と光が膨れると、そう言えば、あまり見ないブランドですな…ともらったパンフレットを見ながら寛治が呟く。

すると麗子が日本じゃ売ってませんからと言い出したので、輸出専用ですか?と蘭丸が聞くと、はい、豊富な地下水を水不足の国輸出する、そうやってこう云う疲弊した地域を活性化しているわけですと麗子が言うので、ウィン=ウィンの関係と言う奴ですな?と寛治が言うと、その通りです!と麗子は賛同する。

しかし寛治は、村で起きた陥没がこのせいでなければ…とパンフレットを見ながら続けたので、は?と麗子は戸惑い、と考えておるんだが…蘭丸?と寛治が言い出したので、どうして?と蘭丸も聞き返す。

分かるさと寛治が言うと、村で起きた陥没がうちのせいってどう言う…と麗子が聞き返すと、地下水の汲み上げで地中空洞が出来、地盤が沈下に至る!良くある話なんですと蘭丸が説明すと、知ってます!でも…と麗子は機嫌を損ねたように答える。

やぱりそうな動機を持った美魔女が犯人なのね!と光は麗子を指差す。

無視してくださいと寛治は言うが、だってそれこそが横溝原作の真骨頂、つまり、湯川麗子、あんたが犯人よ!と光は得意げに指摘する。

犯人って何ですか?と麗子がむっとすると、往生際が悪し…、卜真を殺した犯人に決まってるでしょう!と光は笑顔で説明する。

麗子は非常ブザーを押し、すぐに部屋に入って来たガードマン2人が光を退室させようとしたので、何よ、逃走中か?丸ちゃん、警察呼んで!と光は頼むが、呼んだら、困るのはお前だと寛治は冷静に言い聞かす。

くっそ〜!このままでは済ませんぞ、覚えてろ〜!と光は捨て台詞を残して連れ去られて行くので、悪人のセリフであると寛治は指摘する。

話を戻すと、この工場では1日100トンの水を地下から汲み上げているんですよね?と蘭丸が聞くと、ええ、あの土地は地下水が豊富ですから、1日100トン程度なら問題ありません。そう云う協定になっております…と麗子は答える。

その協定書見せてもらえます?と蘭丸が要求すると、ホームページで公開しているのでご自由にと麗子は言い、そのまま部屋を出て行ってしまったので、感じ悪いな…と感じが言う。

しかし、宿に戻りスマホでホームページを探した光は、該当のページが見当たらないので、上場されてないはよ「鬼源水」なんて会社…と教える。

やっぱり…、株式会社が付いてなかったんで気になってたんですと蘭丸は麗子の名刺を再確認しながら言う。

上場されてないと言う事は、商品の生産量や売上の公表義務はないってことか…と感じが考え込むと、だとしたら、地下水の汲み上げ料も偽装できますと蘭丸は指摘する。

でも1日100トンの協定書はあるんだろう?と感じが聞くと、スマホで調べていた光が、うん、それは会社のホームページで見られると答える。

ただ、本社は東京の商社じゃないんだよな…と言いながら、光がスマホの画面を机においてみせる。

「会社所在地」は山形県月山郡鬼灯火村186と記載されていた。

その時、窓の外がまばゆく輝いたので、何?雷?と光が聞くと、いや違う…と言いながら立ち上がった寛治がカーテンを開いてみて、見ろ!と窓の外に浮かんでいた光の玉を示す。

それを見た蘭丸は急いで外に飛び出す。

光や寛治も後に続くと、黒装束姿の龍之介が気づき、何事かと付いて行こうとするが、白装束の花乃が、ええか、これ以上あの蘭丸と言う男に関わるんでねえ!と龍之介を止める。

なして?蘭丸さんはこの宿のため、この村のため三助してくれてるんだべ?と龍之介が抵抗すると、いきなり花乃はビンタして来て、これはそげな話ではねえだ!と叱りつける。

じゃあ、どげな話だべ?母さんは一体蘭丸さんの何に怯えているんだべ?と龍之介が聞くと、また花乃はビンタして来たので、龍之介は痛いよ…と抗議する。

どう考えてもこの辺のはずよと、女湯近くの何やら祈祷する場所のような所に蘭丸と共にやって来た光だったが、光を出すようなものはないな…と寛治は言う。

だとすると、放電プラズマ現象…と蘭丸が言い出したので、何それ?新しいお笑い芸人の名前?ど〜も、放電プラズマ現象の光で〜す!と光はおどけて来たので、仕方なく、寛治です、蘭丸ですとトリオの真似事に付き合う。

こう云う玄武岩なんかに含まれる水晶は、地震や噴火などのストレスで発光する事があるんですと、地面の岩を見ながら蘭丸が解説する。

と言う事は我々が感じないくらいの地震がここであったと言う事か…と寛治が言い添える。

地下水の汲み上げで岩盤がずれたと考えれば、そう云う局地的な地震もあり得るかもしれませんと蘭丸は言う。

てことはやはり…、犯人はあの工場の女社長!と光は断定する。 言っとくが、卜真の事件が殺人とは決まっとらんと寛治が反論すると、いいえ、卜真は地下水の汲み上げ過ぎに気付いて殺されたのよ!と光は断定する。

どうやってそんな事に気付くんだ?と寛治が聞くと、そうか…、確かに真さんなら気付けるかもしれないと蘭丸も言い出す。

工場が取水している土地は「鬼ノ蔵」の取水口の隣、一方が多く汲めばもう一方に影響が出てもおかしくない…と蘭丸が説明すると、なるほど…、例え水を汲む場所が別れていても、地下水はその名の通り地下で繋がっとるからなと寛治も納得する。

もう一度「鬼ノ蔵」の取水口へ行きましょうと言い出し先に歩き出した蘭丸は何かに躓いて転んだので、丸ちゃん!と光が叫び、こんな所で急ぐな、ほら!と寛治が手を差し出すが、その時、蘭丸の足下にあった石に刻まれた「蘭丸」と言う文字に気付く。

判子?と光が聞くと、なら文字は左右逆だと寛治は指摘する。

光はシャッター!と言いながら、フラッシュを焚きその石の写真を撮る。

これ蘭丸の墓か?と寛治が石を観察していた時、光は接近して来る松明の群れに気付き悲鳴をあげる。

松明を持った男が、誰だべ、あれ!と声を上げ、迫って来たので、とにかく逃げようと寛治が急かす。

しかし、反対側からも白装束の老婆軍団がやって来て挟み撃ちになり、おめえらたち、何してるべ!と詰め寄られてしまう。

あんたたちこそその格好は?と寛治が聞くと、これはフォーマルウエアだべ?と老婆は言う。

卜の所の息子の葬式の準備だで!と言うので、黒装束の男たちが棺桶を担いで来た事に気付く。

さらに老婆は、ここは男子禁制だべ!と言う。 確かに「男子禁制」書かれたちいちゃな貼り紙があったのに気付いた寛治だったが、光が私は女なので大丈夫!と喜んだので、こら!と叱りつける。

その時、1人の老婆が、蘭丸が抱えていた石を見て、それは鬼子の墓!と叫び出す。

蘭丸も思わず、まずい!抱えてる!と自分が無意識にやっていた事に気付く。

何故ここに蘭丸の名前があるんだ?と寛治が聞くと、何故僕の名がここに刻まれてるんです?と蘭丸も老婆たちに問いかける。

すると、老婆たちも分からないのか、どういうことだべえ!とパニックになる。

蘭丸は彼の名だよ!と光が紹介すると、おめえが蘭丸?と老婆たちは首を傾げる。

おめえが鬼子か?あいつら鬼子、やっぱり鬼子!と老婆たちは囃し出す。

黒い衣装の男たちも妙な踊りを始めたので、蘭丸は持っていた石を放り投げ、男たちがそれを拾おうとしている隙に寛治らとその場を逃げ出す。

しかし、大きな網を持って迫って来た黒装束の一団に捕まり、3人は檻に入れられ、女湯の上に引き上げられる。

これ多分、死んじゃう奴!と寛治も諦める。

助けて〜!と蘭丸は叫び、光は人殺し!と罵倒する。

クレーンで持ち上げられるおりを見上げる老婆たちは、やっぱり呪いだべ?鬼子の呪いだべ!と叫ぶと、お清めじゃ!と指示する。

すると、檻を両岸からロープで引っ張っていた黒装束の男衆らが、うんとこどっこい!とかけ声を挙げながら檻を引っ張って揺らし出す。

すると、老婆の1人が消防用のホースで水を檻に向かって放射して来て、さらに檻も温泉に浸かる程下がって来る。 老婆たちは「かごめかごめ」を踊り始める。

そこに、やめれ!こら!何してるだ!これは犯罪だべ!と叫びながら駆けつけたのが柴刑事と岩月刑事、そして龍之介と丹治ら青年団達だったが、こいつら蘭丸の呪いだべ!村を守るためだで!と老婆が言い返す。

しかし、柴刑事たちが婆ら、待て!と叫びながら近づこうとすると、老婆たちは一斉に逃げ出す。

龍之介が、蘭丸さん!大丈夫か!と柴刑事が檻に入っていた蘭丸たちに声をかける。

なしてこげな事になったんだべ?と言うので、こっちが聞きたいよ!と光が絶叫する。

武田医院 濡れた3人にタオルを渡す竜胆に、りんさん、おめえ、容疑が晴れたんか?と龍之介が手を握りしめて聞く。

そうでねえ、任意同行だから、又明日取り調べるって…と竜胆は答える。

見てください、これ僕の名前です…と言いながら、蘭丸は光が撮った素は保の画像を見せる。

そこには蘭丸と書かれた石が写っていた。

蘭丸!本当だ!何だべこの石は…と黒装束を着た丹治、六郎、文吾ら青年団達が言う。

これ見た途端、婆さんたちがおかしくなった…と神を拭きながら寛治が言う。

僕が蘭丸だと分かった途端、どうしてか…と蘭丸も不思議がると、それはこの村だけに伝えられる忌まわしい名だと言いながら、白装束姿の花乃がハサミを持ってやって来る。

それを見た龍之介が、母ちゃん、やっぱりなんか知ってるだか?と聞くと、丸ちゃんの名前が忌まわしいってどう言う意味?と光も声をかけて来る。

ぜひ説明していただきたいですなと寛治が迫り、まず、忌まわしいの意味を説明しろい!と光が喧嘩口調で聞くが、忌まわしいの意味ははしょってくれて結構と付け加える。

母ちゃん、蘭丸さんたちは殺される所だったんだぜと龍之介が言うと、かつてこの地方の月山藩の武士が…と花乃が語り出す。

(回想)国元の女を孕ませた武士(竹中直人)は、女と一緒に温泉に浸かり、蘭丸だぜと女の腹をなでながら言う。

武士は江戸詰めになる事が決まったため、その女を捨てる事にしたそうだで… それも、ある恐ろしい方法を使って流産させた。

夜、布団で寝ていた女は血を吐き、目覚めると、あなた!と呼びかけるが、隣で寝ていたはずの男の姿はなかった。

布団をめくってみた女は、股間から大量の血を流している事に気付き、さらに襖の向こうに経っている男を発見、口から血を吹き付ける。

その女は死んだ我が子の墓をこさえたが、その子の名は蘭丸…、愛した藩主が付けた名だ。(白化粧に口元を血に染めた女が、墓に名を刻む)

(回想明け)化粧が濃い…と寛治が呟くと、イメージだと花乃は言う。 その後すぐだで、その藩が改易になったんは…と花乃は言うので、改易って言うと城も領地も没収されたんべか?と丹治が聞く。

んだ…、屋敷も武士の身分も失ったそうですと花乃は続ける。

?どうして?と蘭丸が聞くと、改易の理由は世継断絶! 世継断絶って?と光が聞くと、大名に男子が生まれず養子を願い出る前に大名が死んでしまう事だ…と寛治が説明する。

(切腹する武士の回想) それも全て蘭丸の呪いとされたそうですと花乃は言う。

当の藩主はその責任を取りなすって… この村には絶対、女たちがたびたび堕胎しに来るようになったそうですと花乃は言い終える。

子殺しの湯…と寛治が呟くと、んだ!そう云う言い伝えがありますで!と花乃が力むので青年団が取り押さえる。

でもまさか、この村で流産なんて…と竜胆が驚くと、この温泉に流産するような成分はないですと蘭丸も指摘する。

ああ、うちも毎日入ってるべと竜胆も言う。

でもこの村に群生するホオズキは、この村の女たちの間で水子の魂と言うとりますでな~!と言いながら、部屋にあったホオズキを持って竜胆に迫ろうとした花乃を、母ちゃん止めろって!と龍之介が止める。

蘭丸は思わず立ち上がり、花乃が持っていたホオズキの根の部分を嘗めてみる。

丸ちゃん!と光が驚き、それ、食用じゃないだろう!と寛治も思わず立ち上がる中、酸漿根?と蘭丸は呟き、「かごめかごめ」の歌や真の言葉など一連の記憶を思い出すと、側にあった布にマジックで村の簡略図を描いてみる。

しばしの沈黙の後、どうした?と寛治が聞くと、この事件の下には水が流れている…と蘭丸が呟く。

翌日、陥没事故の現場に立った蘭丸は、事件はここから始まった…、いえ、きっとこの下で起きていた…と光や寛治に言う。

そして私のお宝もまだここにまだあるはず!と言いながら、光が「立入禁止」の札の付いた縄を跨いで仲に侵入しようとしたので蘭丸は、光さんむやみに入るのは危険です。

役場の人に頼んで…止める。 そこに、こらあ!危ねえでねえか!と車から降りて来たのは土木課の丹治で、そこは危ねえ、入っちゃいけねえっていったべ!と言いながら蘭丸の所に駆けて来る。

ちょうど良かった岩月さん、何とかこの土地を調べられませんか?重機とか使って…と蘭丸が頼むと、土地を調べるって?と丹治は戸惑う。

光さんのくだらない骨董品を回収するついでで良いので…と蘭丸は良い、おい、いつになったらサルベージするんだ!と光も喧嘩腰で聞く。

土地の使用者の許可が出たらすぐやりますで…と丹治は答えるので、ここって私有地なんですか?と蘭丸が聞くと、この道以外、こっち側もこっち側も全部「鬼源水」の土地ですけと丹治は道の両側を示して言う。

そこに車が来たので、噂をすればですね!と丹治が喜んで駆け寄ると、車から降り立ったのは髪を翻した麗子だったので、思わず光が、欧米か!リンスか!と突っ込む。

その頃、リュックを背負った竜胆がお湯を張る前の湯船にいた龍之介に、だからこんな村、一緒に出ねえべか?と誘っていた。

旧TV山形でやってた東京の多磨プラザ見てえなハイカラな町さ住みてえ!ミルフィーユが食いてえ!こんな忌まわしい歴史の村、一緒に逃げるべ!と竜胆は力説する。

りんさん、おめえ、まさか…と龍之介が呟くと、とにかく、ちゃんと考えてみてけろ!と言い残し竜胆は帰って行く。

何故取水口から離れたこの土地を買ったんです?と蘭丸が麗子に聞くと、取水目的ではなく投資目的だからですとサングラスをガードマンに渡しながら麗子が答える。

水を汲み出さないとすると大した投資にならないはずですが?と蘭丸が疑問を口にすると、何を投資と考えるかは人それぞれなんですと麗子は答えたので、光は思わず、感じ悪!と言ってしまい、丹治は、しっ!と黙らせる。

あの工場は5〜6年前に出来たとか?と蘭丸が聞くと、5年前ですと麗子は言う。

ここはいつ購入したんです?と聞くと、今年です…野々村さんからと麗子は答えたので、野々村さんって「菩辺美庵(ぼへみあん)」の?と光が聞き返す。

私の土地からお引き取りいただけますか!と麗子が指差して指示して来たので、はっ?感じ悪〜!と光は睨み返す。

ガードマン2人が迫って来たので、蘭丸は制止し、光は、やんのか?こら〜!と挑発する。

その後、「菩辺美庵(ぼへみあん)」の龍之介と花乃に事情を聞きに戻ると、実は親父が死んだ時、あの土地を1000ヘクタールも相続したせいで、5000万以上の相続税が発生したんですと龍之介は言う。

5000万?って何万円?と光がぼけるが、そげなお金払えるはずがありません。

で、役場の岩月さんに買ってくれる人を探してもらった訳で…と花乃が言うので、それであの工場が?と蘭丸が確認すると、んだ…と花乃は頷く。

そこに、失礼します!とやって来たのが丹治で、とりあえずこれだけ掘り出しましたけと言いながら、光の骨董品を持って来る。

私のお宝〜!と喜んだ光だったが、ものを確認すると、全然足りないんだけど?と文句を言う。

そげえ言われても、重機による作業はこれ以上認められませんでしたで…と丹治が言うので、つまり許可が出なかった…と感じが呟く。

あんまり掘り返さないで欲しいって、危ねえんじゃないかって…と丹治が説明するので、あの社長さんが?と蘭丸は確認する。

ええ、で、後は地盤を確認しつつ手作業になりますのでもうちょっと待ってけろと丹治は頼む。

再び陥没現場に戻って来た蘭丸が、もう一つだな〜と言うので、何が?と寛治が聞いていた時、もう辛抱堪らん!と言った光が自らシャベルを手に崖下に降りる。

光さん、危ないですって!「鬼源水」の社長さんに話して協力してもらうべきです!と呼びかけながら光を追って崖を下ると、あのいけ好かないボディコンが協力してくれるはずないでしょう!と光は言い返して来る。

掘り出されたらまずいものがきっとこの中にあるんだから〜!と叫んだ光がシャベルを地面に突き刺すと、そのまずいものが僕の推理通りだったら…と言いながら蘭丸もその側に経つ。

すると光は、丸ちゃんも私と同じ事を考えていたのね!この地下水をあの工場が勝手に汲み取ってるって!と光は喜ぶ。

しかし、蘭丸は違いますと言うので、道に残っていた寛治も違うんかい?と聞いて来る。

仮にあの工場がここから地下水を汲み出していたとしても、それは多分違法じゃないと蘭丸は言うので、それを聞いた光はそうなの?と超えが小さくなる。

日本では地面を流れる水には河川法がありますが、地下水については法律が整備されてないんです。

大抵は自治体の条例任せになっていますが、この村にも県にも地下水に関する条例がなければ、その利用権は土地所有者…、つまりあの工場にありますと蘭丸は説明する。

じゃあ、こっから水を汲みとっているのがバレたから卜真を殺したって言う私の華麗なる推理は?と光が言うので、成り立ちませ〜ん!と蘭丸は即答する。

光ががくっとうなだれると、第一この土地から水は汲み出されていません、それは役場も認めていますと蘭丸は続ける。

じゃあ、丸ちゃんの推理って一体何なの?と光が聞くと、うん、それを話す前に、光さん、何か変じゃありませんか?と蘭丸が言い出したので、何が?と光も戸惑う。

何か足下がどんどん沈んで行って命の危険を感じているくらいしか変な事はないわよと光は言う。

気付いてたんですね、じゃあゆっくりここを出ますよ…と蘭丸が言っていると、いきなり2人の足下が陥没し、蘭丸と光は穴の中に墜落する。

痛い!と言いながら起き上がった蘭丸は、側の岩からにじみ出ている水の味を味わってみて、以前、女湯の岩からにじみ出ていた水を思い出し、違う…と気付く。

そして、すぐ隣で気絶していた光を叩いて起こす。 大丈夫!と立ち上がった光は、その場で天突き体操!などと元気にやりだし、笑えよ1とせがむ。

地下にこんな空洞があったから陥没したんですね、砂があってラッキーチャチャチャ!ウー!でしたと蘭丸はおどけるが、光は笑わないよと冷たく突き放す。 地下でも結構明るい…と光が周囲を見回すと、光はあっちからです。

きっと僕たちが落ちた穴とは別のどっかからか光が差し込んでいるんですよと蘭丸が指摘するので、そこが出口ね、行こう!と光は張り切る。

蘭丸も、出られるかどうか分かりませんが行きましょうと腰を上げかけるが、どうやら足を怪我しているようですと言い出す。

じゃあはい!と光はおんぶのポーズを取るが、足手まといになります、光さん1人で行ってくださいと蘭丸は勧める。

しかし光は、いやよ、丸ちゃん残して行くなんて…、良いから乗ってと言うので、無理ですって僕を背負って歩くなんてと蘭丸は言い聞かす。

私の事を華奢なモデル体形で、ミランダ・カーだと思ってるんでしょうけどと光がとんでもない事を言い出したので、思ってません!と蘭丸は即答するが、こう見えて力持ちなのよ〜、知らなかった?と言い、又おんぶの格好をするので、知っってた気がします…と蘭丸は言葉を濁し、では…とおんぶしてもらう。

すると、光は難なく歩き始めたので、光さんはたくましいですねと蘭丸が褒めると、たくましさと美貌…、天はにものを与えたのよ〜と又言い間違えたので、突っ込みませんよと蘭丸は冷静に答える。

そう云う光さんの男らしい所、僕ずっと前から…と言いかけた蘭丸だったが、側の岩に付着した白いものに目を止め、ずっと前から何?告白を続けて…と喜ぶ光から無理に降ろしてもらうと、どうも要所要所に不自然な箇所がありますと言い出す。

白いものを嘗めてみた蘭丸は、やっぱり…、これ自然物じゃなく人工物ですよと言い出す。

すると光が、これって「里」って書いてない?「くつろぎの里」?「庄や」?何でここに居酒屋?と白い文字のようなものを見つける。

他にも何か書いてますね〜と蘭丸も岩に書かれた文字を解読しようとするが、う〜ん詠めないと諦める。

と言う事は誰かがここに入ったと言う事ねと光が気付き、岩の間に落ちていたペンダントを拾い上げ、丸ちゃん、やっぱり誰かここにいたわよと言う。

中国語?と蘭丸が文字を見ていた時、蘭丸!と寛治が側の穴から呼びかけて来る。

その直後、空洞の天井が崩れて来たので、「思わず光をかばった蘭丸だったが、陥没が鎮まると、急に笑顔になった蘭丸が謎が全て解けましたと言い出す。

え?と光が驚く中、皆さんを集めてください!と蘭丸が頼んだので、皆さんって誰と誰と誰だ?と寛治は聞き返す。

「菩辺美庵(ぼへみあん)」の座敷に集まった村人の中、またオカマ帽に袴姿になった蘭丸を見た光は、金…、金…、金田…と名前を思い出せないでいた。

蘭丸…、何てやる気なんだ!と寛治が感心する中、村のみんな、集まってもらったのは他でもねえ、この方達に、今、この村で起きている事件の謎を説明してもらおうべかと思って…と丹治が説明すると、何が謎だ?こいつらがこの村に来てから災いばかり!と老婆が文句を言い始める。

そうだ!全部こいつらよそもんのせいだ!と他の老婆も加わる。

それを聞いた光は、何言ってるの?私たちは命を狙われたのよ!と抗議すると、ただの崩落事故だと寛治がなだめる。

蘭丸の呪いだで!と花乃も言うと、老婆たちも一斉に蘭丸の呪いだ!と賛同する。

その時、こらあ!勝手な事言ってるんでねえ!とランニング姿の六郎が怒鳴りつける。

すると、りん!それもこれもみんなお前の家のせいだで!と老婆が言い出したので、根拠のないことを言うもんでねえだべ!と柴刑事が叱る。

しかし、根拠ならあるでと老婆が言うので、なら言ってみろ!言ったら、長生きする野草やるべと文吾が口を出すが、何故か老婆たちは口をつぐんでしまう。

やっぱりおめえたち、ただりん先生が気に食わないからってそんだら事を!と文吾は指摘する。

その時、いんや、根拠ならちゃんとありますで!と畳を叩き立ち上がったのは花乃だった。

母ちゃん!と龍之介は隣で止めようとするが、ただ、それを言ったらこの村は御終いになる…と花乃は言う。

確かに忌まわしい歴史かも知れません…、でもそれに蓋をしたからこそ、今こうなっているんじゃないですか?と寛治が言い出す。

あんた、何か知ってんだか?と丹治が興味を示すと、俺の口から言って良いんですか?と寛治が花乃を見ながら続ける。

すると、言え!と暴走族コンビが命じる。 あなたが言っていた月山藩について、この女からスリ取ったこのスマホで調べました。

かつてこの地には中条流がいたそうですね?と寛治が花乃に聞くと、どこのチームだ!と暴走族コンビが聞く。

子供を堕す堕胎専門の女性の医者?…と竜胆が口を添える。

ええ、江戸時代に特に栄えた専門医ですと寛治が答える。

それを聞いた竜胆は、まさか私が…、その子孫?…と戸惑う。 だからりん先生は村の女なのに「かごめかごめ」の意味をずっと教えられなかったんです。

そう…、そう言うことだ、この村の古い女たちが武田委員に近寄らなかった理由だと花乃は指摘する。

中条流は、入院または湯治させた妊婦に、水銀を飲ませての入ったものを食べさせ流産させる仕事ですと蘭丸が話し出す。

当然妊婦は水銀中毒になったり、下手をしたら死んだりしていた…。

でも調べた所、月山藩の中条流は妊婦を死なせる事なく中絶する名医だったそうですと蘭丸が言う。

何故この村の中条流が名医だったか?それはホオズキを使っていたから…と言い、床の間に飾ってあったホオズキを指差す。

そうか!酸漿根!と竜胆が気付いたので、はい!と蘭丸は答える。

ホオズキの地下系や根に含まれる生薬ですと蘭丸が指摘すると、何だべその薬?と丹治が興味を示す。

別名ヒストニン、子宮を緊縮させるさようがあります。

よって妊娠中の女性が飲むと流産の危険があると蘭丸は説明する。 鬼灯村ならではのやり方ですと蘭丸は庭に咲いているホオズキを見ながら言う。

なら、母が言っていたあまりに恐ろしい罪とは…竜胆が呟くと、そうだ、お前の祖先に殺された鬼子たちの呪いだべと老婆たちが指摘する。

その時、そんな昔の事まで、今は関係ねえ!と龍之介が抗議するが、関係ねえ事あるか!村に黒水が出たり、地面が陥没したり、あげく酒蔵の息子が殺されただ!と老婆たちは言い返す。

すると体育座りをしていた蘭丸が、それは全て呪いではありませんと言い出す。 呪いでねえ?よそ者のお前に何が分かる?と老婆たちが一斉に聞き返すと、全てある人物がした事ですと蘭丸は答える。

誰だ?と柴刑事や暴走族コンビが聞くと、崩落があった洞窟で光さんがあるものを見つけましたと蘭丸は続ける。

あ?これ?と銀の鮎が2匹重なり合ったペンダントを、勝手に光が自分の首にかけていたのを持ち上げて見せる。

パクったのか?と寛治が光を睨む。

それに気付いた龍之介が回転レシーブのように光の前に来ると、見覚えがあるようですね?野々村さん?と蘭丸は聞く。

花乃も、亡くなった主人の…と近づいて来たので、ええ、彼が肌身離さず身につけていたものですと蘭丸は指摘する。

(回想)じゃあ、それ、亡くなったお父さんが?と聞いた蘭丸に、お守りみたいなものとして渡されたんで…と龍之介は答える。

(回想明け)それが何故かあの洞窟にありました。つまりあなたはあの地下洞窟に入った事がある。

つまり、崩落事故を起こしたのはあなたです!と蘭丸は龍之介を指差す。

ちょっと待ってけろ!と竜胆が立ち上がり、そんないきなり乱暴な!と花乃も驚愕する。

そんだから、俺が崩落した際、俺は破壊光線を出すポケモンか!と龍之介も抗議する。

すると、蘭丸も立ち上がり、僕を嘗めないでもらおう!と右手の人差し指を差し出す。

その指を嘗めた蘭丸は、この事件はこの舌から始まった!とメガネを取り見栄を張ると、可愛い!と暴走族コンビはうっとりする。

洞窟に落ちた時に嘗めた水は鬼源水とは成分が異なりました。

この村には2つの地下水源がある。 もしかしてあなたはこの水脈を…、やっぱりこれだ…と言いながら蘭丸は今嘗めた人差し指を差し出してみせると、それ丸ちゃんが洞窟で嘗めた奴と光が思い出す。 酸化化合物を主成分とする向き化合物ですと蘭丸が言うと、何だそれ?と文吾が聞く。 膨張剤ですと蘭丸は答える。

タンスに入れる奴!と光が指摘すると、暴走族コンビが「ゴン!」と商品名を言うが、それは防虫剤…と寛治が訂正する。

膨張剤!と寛治が言い直すと、膨張剤って何だべ?と六郎が聞く。

すると蘭丸は、岩や石を破壊する工事に今は何を使いますか?と逆に問いかける。

まあ発破と呼ばれる火薬、あっ!ダイナマイトか!と丹治が即答したので、さすが土木課長さんと蘭丸はおだてる。

そこで破壊したい場所に膨張剤を充填し、時間により膨張する力で破壊する方法があります。

静かに破壊できるのが利点ですが、破壊されるまでの時間が予測しづらいのが難点です。

よって、出来るだけ思い通りの時間で破壊するため、季節や職人によって膨張剤の調合は違います。

僕の指に付着したこの膨張剤を分析すれば、 龍之介さん、あなたがこ会社にいた時、調合したものと同じかどうか分かるかもしれませんと言い、以前龍之介からもらった名詞に書かれていた「温泉掘削課」の部分を指差す蘭丸。

警察に言えば調べてくれるだろうな…と寛治も言う。 そう、それは2サスを見ていれば常識よ!と光が指摘すると、見ていなくてもちゃんとやりますよと若村刑事が口を出す。

花乃が、龍之介…と呼びかけると、んだ…、その膨張剤は俺が仕掛けたものだ…と龍之介は答える。

こん前、真から変な話を聞いたべ。

(回想)実際減っているだべ、うちの取水口から採れる水の量が…と、男岩側の取水口前で真が言うので、だからって「鬼源水」さんを疑う言うんは…と青年団仲間が答えると、あん工場が地下水汲み過ぎてるせいだべ?と真が言うので、協定で1日100トンって決められとるはずだで…と文吾は言う。

そこに、真、真、真!と叫びながら駆けつけて来た丹治は、おめえ「鬼源水」の工場に水汲むなって言ったらしいな?と聞く。

驚く青年団仲間に、こいつ、湯川社長に、工場の操業停止を談判しただべと丹治が言うと、水の汲み上げ量と出荷量の正確な数字見せろって言ったら、あの女社長、断ったんだべ、だから…と真は言い訳するが、だから社長は協定通りやっていると言ってるぞと丹治は反論する。

でもその証拠は?と真が追求すると、龍之介が、真!ヘイ!カム・ダウン(落ち着け)と真に迫る。

「鬼元水」は村で唯一の産業だで、それを潰す気か?と丹治が聞くと、じゃあ、うちはどんげなる?と真も引かない。 お前、証拠言うたよな?その通りだで!証拠のねえおめえの話は信用できねえ!と丹治もむきになる。

じゃあ、その証拠を見つけて来るべと言い捨て、真はキックスターターで去って行く。

その直後、文吾は、蛇イチゴ…と地面にかがみ込む。

(回想明け)結局、その後、真から何も言って来なかった…と龍之介は話し終える。

真の勘違い言う事だべ?と青年団が口を出す。 その時だべ、湯川社長に呼び出されたのは…と龍之介が続ける。

洞窟で麗子と会った龍之介は、この上があなたの土地…と、天井を指差した麗子から聞いて、はあ…、こげな洞窟になっていたなんて…と驚が、ここを売っていただけませんか?と麗子から切り出され、こっからも水を汲みたいと言う事だべか?と尋ねる。

すると麗子は、これ以上無理ですからね?と麗子が言うので、まさか、協定以上の水を汲んでいるって話だべか?と龍之介が聞くと、それに気付いた人がいましてね…と麗子が言うので、真が言ってたんは本当だったんべか!と麗子に迫る。

冗談じゃねえぜ!御前さんの所に土地は売らねえや!とガードマンに捕まりながら抗議する龍之介。

放せ!とガードマンの手を振り払った龍之介は、こん事も役場に話さなければなんねえ!と言い、その場から立ち去ろうとすると、りん先生とは親しいようで…と突然麗子が話しかけて来たので龍之介は思わず立ち止まる。

その時、初めて聞いたべ…(と龍之介の独白)

(回想明け)りんさんの家がかつて、中条流だったって…と龍之介は竜胆に語りかける。

回想)胎児を殺す女の医者…、恐ろしい歴史ですね…と麗子は言う。

調査の結果、我が社の水脈とこの地下の水脈が隣り合わせになっている事が分かったの。

その流れさえ変えれば、うちの取水口からここの地下水も全部くみ出せるって訳と麗子が言うので、水の流れなんかそう簡単には変わらないべ?と龍之介が聞くと、帰るのはあなたですよ、野々村龍之介さん…、誰にも気付かれずに水脈を帰る技術があなたにはある…と麗子は指示して来る。

調べたのか?と龍之介が聞くと、あなたの手で、この流れを変えるのですと麗子は居丈高に命じる。

ここをやれ!と中国語で麗子が命じた岩には中国語で同じ言葉が書かれていた。

(回想明け)地下水脈の流れを変えたんですか?と蘭丸が聞くと、俺はリン酸の家の暗い過去ば知られたくなかった!と龍之介は言う。

婆さんたちが…、こん村の女たちがずっと隠して来た忌まわしき暦柴知られたくなかった!と龍之介は訴える。

だからこの膨張剤で?地下が壊れるたびに放電プラズマ現象が起き(空中に光る玉が出現する映像)、地面の陥没や地盤沈下が起きた(光と寛治が乗っていた車が陥没に巻き込まれる映像)…と蘭丸が指摘すると、じゃあ、黒水出たのもそのせいで?と丹治が聞く。

そん調査をみんなが県に陳情しに行った後…と龍之介が又話し始める。

(回想)そん陳情に龍之介、おめえ行かなかったんだってなあ?と真が取水口の側で真が迫っていた。

そんな話するためにこんな時間に呼び出したのか?と龍之介は聞く。

調査されたら困る事でもあんべか?と真が聞き返す。 はあ、もう帰るべ…と腰掛けていた龍之介が立ち上がろうとすると、待て!と真は制する。

何だべさ?と龍之介が少し苛立つと、こっからうちが汲んでいる水の量が少し戻ったべ…と真が言い出したので、良かったでねえべかと龍之介が答えると、おめえがあの地下に入ってからだ。

しかも、あの女社長と一緒にな…と真は言う。 (洞窟の中に入る龍之介と麗子の姿を、林の中の気の影から覗く真)

うちが「鬼源水」に売った土地の下だべ?と龍之介が言い返すと、だから聞いてるんだ、おめえ、あんな所で何してたんだべ?と真が追求して来る。

あの女社長の名前、湯川麗子でね!と言いながら、会社の書類に書かれた代表取締役の所を指しながら、これで「湯麗(たんりい)」と読むらしいべ?と真は聞いて来る。

この会社、中国との合弁企業だと真は断ずる。

村役場、こん手続きに慣れてなくて、全く気付いてねえべさ!と真は嘆く。

だからって、別に違法でねえっぺ!と龍之介が言い返すと、こん会社と一体何してるんだべ?と真は苛立たしげに聞いて来るが、その時又空中にプラズマ放電の光が発生する。

おめえにやましい事がないなら話せるはずだべ?と真は言うが、しっ!りんさんのためだべ!と龍之介が迫ると、りん?今りんの話ばしたんでねえ!と真は困惑する。

知ってるべ?俺からりんを奪ったのはおめえだべ!と真は感情的になって来たので、違う!おめえの事で相談受けたんだべと龍之介はなだめようとする。

お前がしつこくりんさんに言いよって困っとるて…と龍之介が言うと、おまえはあの女社長とうちを追いつめて俺から水を奪い、俺からりんまで奪ったんだべ!と真はさらに興奮して来る。

だから聞いてくれ!と龍之介が真の腕を掴むと、放せ!聞いてくれ!の言い争いになり、その時、又空中放電が始まる。

その光に気を取られた真は一瞬足を滑らせ、後ろに倒れると、取水口のパイプ部分に後頭部を打ち付けてしまう。

驚いて、真!大丈夫だか?と龍之介が近づくと、それを振り払おうとして立ち上がった真は、そのままよろめき、側にあったしめ縄の巻いてある男岩にぶつかって頭部を割ってしまう。

龍之介は、真?真!と呼びかけるが、空中放電で明るい中、既に真は息絶えていた。

(回想明け)事故ならその遺体を何故陥没地帯に遺棄したんだべ?と柴刑事が詰問する。

すると光が立ち上がり、鬼火の呪いのせいにしようとしたんでしょう?と指摘する。

しかし、龍之介は違うと言う。

ただ…、あんたに見られたと思うた…と言いながら、龍之介は蘭丸を指差す。

あん時あそこで真と言い争っていた時…(発光の原因を調べに宿から駆けつけた蘭丸が、ちらりと真の方を向く回想)

だから、真が死んだ後、そのままにしてたら俺のせいにされる…、そう思って…

(回想)真の遺体を背負って陥没事故の現場にやって来た龍之介は、仏像の頭が出ていた側に埋める。

あん場所で見つかれば、事故に見せかけられると知んねえと思って…

(回想明け)でもあなたは、地下を崩落させ、私たちを殺そうとしたのよ!と光が責めると、いえ、この膨張剤でそんな都合の良い事は出来ませんと、指に付いた膨張剤を見せながら蘭丸があっさり否定する。

破壊するまでの時間は予期できないからな…と寛治も納得する。

彼が仕掛けた膨張剤が地下に残っていただけでしょう。きっとそれがたまたま…と蘭丸は言う。

その時、柴刑事が、あんたがした事は…と柴刑事が話しかけると、過失致死と死体遺棄ですねと若村刑事が六法全書を読みながら続ける。

龍之介の前に歩み寄った柴刑事は手錠を取り出すと、逮捕だと告げる。

連行されようとする龍之介を呼び止める花乃、龍ちゃん!と呼びかけた竜胆は、子供がいますと突然打ち明ける。

ここに龍ちゃんの子供が…と自分のおなかを触って竜胆が言うので、隣に立っていた花乃は唖然として竜胆を見つめる。

その事は龍之介は知ってるのか?と花乃が聞くと、首を横に振る竜胆。

だからだね、だから守りたかったんだね…と龍之介が泣きながら振り返ったので、知ってたんべか?と竜胆が驚くと、りんさんと俺の子を…と龍之介は言い泣きじゃくる。

刑事2人に龍之介が連行されて行くと、龍ちゃん!と竜胆が泣き崩れ、花乃もそれに寄り添う。

老婆や暴走族コンビの女たちも一斉に泣き始める。 さあ〜眠…と光がエンドソングを歌い出そうとしたので、歌うな!と寛治が止める。

蘭丸さんのお陰で事件は解決しましたで!車もしっかり直ってるべ?と丹治と青年団のトリオは、車の前にやって来た蘭丸たちに礼を言う。

ガソリンも満タンにしておきましたで!旨え野草食え!…と野草を差し出しながら文吾が言うので、寛治が仕方なさそうに受け取る。

骨董品もこんリスト通り回収しましたでと丹治が伝えると、良し!良くやった!と光が上から目線で言うので、丹治はむっとする。

あの…龍之介さんは?と蘭丸が聞くと、まあ事故が証明されれば執行猶予が付きそうだって警察が言ってたってよと六郎が教える。

あのペットボトル水の会社は?摘発するんでしょう?と光が聞くと、あの地下が崩落したで証拠がのうなったそうですでと文吾は言うと、あの会社が龍之介を脅迫したのも証明できないらしい。

多少書類に不手際があっただけにそうなるそうだべと丹治が付け加える。 それを聞いた光は、そんな!と憤慨する。

でも、お陰で龍之介が地下水の流れ変えた罪も立証できねえそうだと丹治は言う。

今世界中で水が不足しているから…、いやこれからはもっと不足するから…、日本の水は引く手数多でしょう…と蘭丸は言う。

日本の山河が生んだ水の安全性は世界屈指だからな…と寛治が付け加える。

だからこそ、このまま地下水の法整備を怠ればこの村のようなケースは増えるかもしれません…と蘭丸は嘆息する。

こん村に未来はない…、そう言ってたんべな…、死んだ真が…と六郎が言うので、はいと蘭丸が頷くと、そうならないようせねばいかんなあ…と六郎が問いかけるので、蘭丸も笑顔で頷く。

そんためにも蘭丸さん、このまま村さ残って三助をしてくれませんか?と声をかけて来たのはリュックを背負った竜胆だった。

りん先生…、好きです!と蘭丸が言い出したので、光は思わず、丸!と注意するが、きっとあなたのような人には二度と会えないと…と言いかけた蘭丸だったが、肝心の竜胆は背中を向けていたし、丹治と握り飯を食べた六郎は顔が大きくなっていた。

りん先生は龍之介さんを待つんですよね?時を取り直して蘭丸が問いかけると、龍ちゃんは私のために罪を犯したんですね?だらば、私が待ってねえと…と竜胆は答える。

うちも龍ちゃんも、この忌まわしい村から逃げようとした…、でもそれが今回の事件を起こしたんだね?ならば、その歴史を背負って行かんと…、こん村で…と竜胆は言う。

先生は毎日、この村の温泉に入っているんでしたな?と寛治が聞くので、ええと竜胆が答えると、だったら子殺しの湯なんかじゃない…と寛治が言うと、ええ、そんな成分はこの温泉にはありませんと蘭丸も賛同する。

なら、子宝の湯だ!と寛治が言う。

それを聞いた竜胆は駆け寄って来て、青年団トリオを突き飛ばす。

それならまた鬼灯温泉の名が良い意味で広がるかもしれない…と寛治は野草にかじりつきながら言う。

すると光が、結婚式は呼んでよね!と声をかけて来る。

そんときには蘭丸さんにも来て欲しいと竜胆は頼むが、蘭丸は、僕は…と照れたのか後ろを向いてしまう。

そして父にも…と竜胆が言うので、別々に暮らしているんでしたな?と寛治が聞くと、父には別の家庭がありますで…と竜胆は言う。

うちの両親、離婚してるんだべ、うちが小さい頃に…、あ、でも…、今でも年に一回は会ってるから…、これ、米沢のイオンでナポリタン食べた時!と言いながら、竜胆は自分のスマホ画面を見せる。

これがお父さん?と蘭丸は戸惑う。

そこに竜胆と写っていたには、蘭丸の父朝永竜助だったので、あ、丸ちゃんパ…と言いかけた光は自分で口を封じる。

うぉ〜!うぉ〜!なるほど!遺伝的に口内細菌が近く、蘭丸が違和感を抱かなかったか!でないといつも自分の口の中の最近で苦しんでないとおかしいからな…と寛治も意味がようやく分かる。

何だ、これじゃいくら好きでも一緒にいられないじゃん!と光も上機嫌になる。

蘭丸が思わず逃げ出そうとしたので、竜胆は分けが分からず蘭丸さん!と呼びかけるが、その時寛治が、ああけふのうちにとほくへさろうとするいもうとよ ほんたうにおまへはひとりでいかうとするか…と賢司の一節を暗唱し出す。

何です?と竜胆があっけにとられると、宮沢何ちゃら言う何か…と光が混ぜっ返して来たので、寛治はかっ!と怒り、賢治が妹との別れに詠んだ歌だと教える。

妹って…と竜胆が戸惑うと、そして多分、今の蘭丸の今のあなたへの気持…と寛治は伝える。

ただ蘭丸にとってあなたは妹ではなく…と寛治が言いかけたので、スマホの父親の画像を見た竜胆は、まさか!と驚く。 すると蘭丸が会釈して来たので、弟?と竜胆は聞いて来る。

あなたのような人には二度と会えない、蘭丸はそう言って…、だからお前はこの二ヶ月ちょっとの間に、運命の人に2人も出会えたではないか!と寛治は蘭丸に言い聞かす。

もしかするとこの世には、お前の口に合う女は意外に多いのかもしれんぞと寛治は言う。

そうよ、例えば私とか!ねえ!と光がはしゃぎ出したので、お前じゃないのはとっくに証明されとると寛治は断定する。

証明?と「蘭丸が呟くと、そう、それこそがお前が父親に生まれて初めて逆らって世に飛び出した理由なのかもしれんぞと寛治はまとめる。

なら、ならそれを証明してから父さんに会いたい!と蘭丸は言い出す。 では善は急げだ、さあ早速次なる女を探しに行こう!と寛治は勧める。

ちょっと〜、女なら私がいるでしょう?寛治!寛治!と光は寛治の後を追って車に向かう。

りん先生…、いや…、りん姉さん…、龍之介さんとこの素晴らしい村で、お幸せに!と蘭丸は伝える。

竜胆は頷き、坂本冬美の歌が重なる中、車は出発するが、やがてすぐに止まってしまう。

え?また停まりましたよ?と蘭丸が驚くと、いや、ガソリンは満タンのはずだが?と寛治も戸惑い、壊れた!JAFは聞くと、もちろん借りよと光が言うので、それでも呼ぼうと思えば呼べるが、金は?と聞くと、もちろんない!と光が答えたので、押すか?と寛治は決断し、ええ!と驚く蘭丸や光も車を降り、寛治とともに、うんとこどっこいしょとかけ声を出しながら車を押し始める。

もう、こんな目に遭うなんて!と光が愚痴を言い、これって結構きついですねと蘭丸が言うので、これをいつも俺1人でやっていたと寛治が嘆くと、そうだったんですか?と蘭丸が言うので、今気付いたのか!と寛治は唖然とする。

もしかして、これも呪いじゃない?(とアニメになった光が言う)

何の呪いですか?(とアニメになった蘭丸が言う)

新しい女探しなんか止めろ!きっともっと身近に良い女がいるはず!そう云う呪い!(とアニメになった光が言う)

だとするとそれはお前の呪いだ、今すぐ解け!(とアニメになった寛治が言う)

何でこの車こんなに重いのよ(とアニメになった光が言う)

お前の無駄な骨董品のせいである!(とアニメになった寛治が言う)

骨董品て役に立った事ないですよね?(とアニメになった蘭丸が言う)

何言ってるのよ、私の骨董品のお陰で解決した事件だってあったはずよ!(とアニメになった光が言う)

う〜ん…、なかったと思います(とアニメになった蘭丸が言う)

なかったな(とアニメになった寛治が言う)

そんな重り捨てたくなりますね?(とアニメになった蘭丸が言う)

ちょっと!(とアニメになった光が言う)

確かにこの重りのせいですぐにエンストするは、押すときだってこんなに重い…(とアニメになった寛治が言う)

ええ、頑張って押そうと言う気持になれません!(とアニメになった蘭丸が言う)

うん、モチベーションが上がらんと言う奴だな(とアニメになった寛治が言う)

ちょっと!黙って聞いてたら何?(とアニメになった光が言う)

本心を話していただけである。(とアニメになった寛治が言う)

こんな時に食べ物の話なんかして!(とアニメになった光が言う)

食べ物の話などしとらん!(とアニメになった寛治が言う)

今、餅ベーコンの話してたでしょう?(とアニメになった光が言う)

餅ベーコンって何だ?(とアニメになった寛治が言う)

確か、郷土料理?(とアニメになった光が言う)

どこの?(とアニメになった寛治が言う)

餅の天ぷらだから鹿児島!(とアニメになった光が言う)

何故天ぷらだと思う?(とアニメになった寛治が言う)

だって、餅ベーコンを揚げるって言ったじゃない!(とアニメになった光が言う)

あかん(とアニメになった寛治が言う)

ああ食べ物の話してたら眠くなっちゃいました(とアニメになった蘭丸が言う)

せめて食欲が涌け!(とアニメになった寛治が言う)

ああ、今すぐ女子会がしたい!(とアニメになった光が言う)

今一番無理なことを言う出ない!(とアニメになった寛治が言う)

だって最近、ぜんぜん男いないし…、丸ちゃん振り向いてくれるには、少し時間がかかりそうだし?(とアニメになった光が言う)

まだ諦めとらんのか?(とアニメになった寛治が言う)

そう云うあんたはどうなのよ?(とアニメになった光が言う) 何が?(とアニメになった寛治が言う)

一体いつから彼氏いないのよ?(とアニメになった光が言う)

彼氏はあんまり…、いやずっとおりません!(とアニメになった寛治が言う)

ああ、光さんの骨董のせいで車が重い!(とアニメになった蘭丸が言う)

じゃあ、もう全部売っちゃおう!(とアニメになった光が言う)

そんな事が出来るならとっくにそうしてました!(とアニメになった蘭丸が言う)

よ〜し、そうと決まれば話は早い!(とアニメになった光が言う)

何するんだ?(とアニメになった寛治が言う)

あ、ここで店開きよ!(とアニメになった光が言う)

こんなに誰も来ない所で?(とアニメになった寛治が言う)

そんな事してたら日が暮れちゃいますよ!(とアニメになった蘭丸が言う)

それ以上に今日中には無理!(とアニメになった寛治が言う)

もう無理無理って、男って屁理屈ばっかり!(とアニメになった光が言う)

現実の話をしておる(とアニメになった寛治が言う)

だったら平成生まれって嫌い!(とアニメになった光が言う)

ガチガチの昭和生まれである(とアニメになった寛治が言う)

年齢で差別する人はもっと嫌い!(とアニメになった光が言う)

不安定か?(とアニメになった寛治が言う)

良いから早く押してください!(とアニメになった蘭丸が言う)

何よ!せっかく休んでたのに!(とアニメになった光が言う)

だと思ったから言ってるんです〜!(とアニメになった蘭が言う)

1年後、生まれた赤ん坊を抱き合う竜胆、龍之介、花乃の姿があった。

戻って現在

道が陥没してなくなっている場所にやってきた蘭丸は、ここ通れないんだと呟き、光はああ忘れてた!バカ!と叫ぶ。

やっぱりここ気持よいですね、ちょっと休憩して行きましょうか?と蘭丸が車を離れると、あそこに近道って書いてあるぞと寛治が背後の方を見ている時、車が勝手に動き出したので振り返った3人は落ちる車を見ながら絶叫する。
 


 

 

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