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GHOST IN THE SHELL

士郎正宗原作コミックのハリウッド実写化…と言うより、押井守監督版のアニメをベースとした実写化映画。

他の押井作品などへのリスペクトなども入っており、押井ワールド全開と言いたい所なのだが、元々のネタっぽい「ブレードランナー」などの影響なども見られる。

元々「ブレードランナー」などに影響された原作自体が古いのに、この作品はさらに古くさい60年代のヒッピー感覚のようなものを取り入れているため、かなり時代錯誤なエンディングになっている。

ハリウッド作品特有の分かりやすさを重視したためか、何やら「薄桜記」を連想させるような悲恋要素も入っており、良くも悪くも通俗さが増しているのだ。

元々押井版アニメは「ブレードランナー」や「AKIRA」などと同じく、技術的、表現的には先鋭的でも、公開当時から大衆受けが良かったとは言えず、限られたマニアが評価するカルト作品みたいな雰囲気だったと思う。

その実写化だけに、この作品も万人向けと言うよりマニア向けっぽいのだが、全体的に陰鬱なムードが漂っており、「ブレードランナー」の二番煎じみたいな印象になっている。

北野武さんが何故か1人だけ日本語でセリフを言っており、その英語字幕が出ると言う趣向なのだが、セリフ自体が聞き取りにくく、棒読み調で感心しない。

日本の作品に出ている武さんは、TVなどを通じて日頃から知っているタレントとして見ている部分があり、決し巧い役者として見ている訳ではないのでそう気にならないのだが、外国作品で1人だけセリフをしゃべっているとやはりその役者としての拙さが気になってしまう。

おそらく日本語ネイティブではないあちらのスタッフにはそうした違和感に気付かないのだろう。

公開前は、主人公を日本人が演じてない点への批判が見受けられたが、実際に見てみると、外国人がヒロインを演じていても違和感はなく、むしろ中途半端に日本要素を残した部分の方が気になってしまう。

原作も無国籍なのだが、実写化にするとその無国籍ワールドの違和感がより強調された感じになっているのだ。

作品としては、駄作と言う程ではないが、かと言って絶賛するような感じでもなく、どこかで見たイメージの寄せ集めで構築した凡庸な作品のような感じがする。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2017年、アメリカ映画、士郎正宗原作、ウィリアム・ウィーラー脚本 、ルパート・サンダース監督作品。

未来世界

ハンカロボティック社は、軍事作業員用に人間とロボの長所を兼ね備えた人間の義体化「プロジェクト2571」の研究を続けていた。

酸素量低下中…、脳の取り出し完了…

プロジェクト2571開始!

ロボは白いミルクのような液体に浸かり、外へ取り出すと、その表面上の白い膜の部分が分散し、人間のような皮膚になる。

タイトル

もう、あなたの目は開くわ…、安心して…、大丈夫よ、呼吸して…、そうよ、その調子… ミラ…、私はオウレイ博士…、襲撃のこと覚えてる?…と、オウレイ博士(ジュリエット・ビノシュ)が声をかけると、私は溺れかけた…、海で…、難民ボート…、テロリストに沈められた…?とミラ・キリアン(スカーレット・ヨハンソン)は答える。

身体の損傷が激しくて…、今のあなたの身体は義体よ…、それでもあなたの魂はゴーストに宿る。

大丈夫か?とカッター大佐が聞くと、もちろん…とミラは答える。

機械は従うだけ…、人間の心を持つミラにもそれは出来る。

公安9課に所属させる… 彼女は私の会社の未来だ。

1年後

サイバー犯罪の刑期は15年です。ハンカ社は守ります…とCMが流れる都市のビルの屋上

こちら少佐、指示待ちです…とミラ・キリアン少佐が本部に通信を送る。 どうなってる?と公安9課の荒巻(北野武)が聞く。

ビルの中の一室では、某国の大統領を招いた日本式の宴会が行われており、芸者型ロボット(福島リラ)が参加していた。

送信元を探せ、大統領のため会場の予約がされている…と荒巻が指示する。

発見!41階! 大統領とテーブル越しに対面していたオズモンド博士は、今や世界の73%は義体を受け入れていると説明するが、リスクがまだ未知数だと黒人大統領は答える。

そんな会場に黒スーツ姿の集団が6人侵入して来る。

応援は2分後!と部下から聞いた荒巻は、待て!と伝えるが、ミラ少佐は独断でコートを脱ぎ、裸の状態になる。

これは命令だ!と荒巻は叱咤する。

オズモンド博士の相手をしていた芸者が酒を注ごうとしてこぼしてしまったので、こう言う問題がある…と黒人大統領は指摘する。

少佐!と荒巻は制止するが、少佐は屋上から身を投げる。

オズモンド博士用の芸者ロボが博士を羽交い締めにして背後に下がる。

次の瞬間、侵入して来た黒スーツの男たちが銃撃を開始する。

芸者ロボが変形し、オズモンド博士の首筋に何かを注入する。

その時、窓ガラスが割れ、透明化して部屋に飛び込んで来た少佐が、姿を現しながら黒スーツの男や芸者ロボを撃って行く。

ハンカ社と組んだら破滅だ…と芸者ロボは言うが、少佐はそんな芸者ロボにとどめを刺す。

黒スーツの男の1人が手榴弾のピンを抜いたので、室内に飛び込んで来たバトー(ピルー・アスベック)がその手首を足を踏んで射殺する。

少佐は左手を負傷していた。

お前とは違う、これはただのロボットだと、バトーは少佐を慰めるように壊れた芸者ロボのことを言う。

窓際のベッドで起き上がった少佐は、首筋に装着されたコードを自分で引き抜く。

ペット用の猫のホログラムを見た後、アンプルを首筋に投入する少佐。

町に出た少佐は、公安9課の本部に来る。

オズモンド博士が電脳化されていたと説明を受けた少佐は、お前、どっか変わったな?と荒巻から言われる。

黒人の仲間が、肝臓を義体化したと少佐に打ち明ける。

俺は人間のままの方が良いと答えた別の仲間は、ダーリン博士(アナマリア・マリンカ)が芸者を調べていると報告する。

総理に会って来た…と話した荒巻は、3人の科学者が殺された。3人めはロボットだった。 3人とも脳をハッキングされている。敵はメッセージで名を明かしている。 クゼ…だと教える。

ハンカ社と組んだら破滅だ…とメッセージは言う。

ハンカ社に行ってダリーのレポートを取って来い荒巻は指示すると、少佐、性急な行動は止せと言ったろう、9課としてお前に責任がある。 お前はただの武器じゃない。魂…、ゴーストがある。

人は自分を見つけることで安らぎを見いだせると荒巻は言い添える。

少佐と一緒に町に出たバトーは、夕べは変だったな…と少佐に話しかけると、馴染みらしい肉屋で犬用の骨をもらう。

野良犬は俺に懐くよ…、心がないな…と少佐の反応のなさを嘆きながら、路地に入ったバトーはそこにいた犬に骨を投げ与える。

バトーは、ガブリエル、少佐に挨拶しろと野良犬に話しかける。

その後、少佐を乗せ、車を運転してハンカ社へ向かう途中、バトーは少佐のことを猫派かと思ったと呟く。

話したがらないな…、過去のこと…とバトーが語りかけると、断片的な記憶しかないの。

両親はボートで死んだ…、記憶に濃い霧がかかっているのと少佐が答えると、俺は毎日、記憶に苦しむ…とバトーは言う。

少佐は通り過ぎた交差点の中央で燃える小さな祠のようなものを見るが、その幻影はすぐに消える。

ハンカロボティック社の本社ビルハンカタワー オウレイ博士は、少佐の手を治療してやる。

時々バグが…、すぐに直るけど…と少佐は日頃の体調報告をする。

今朝の出来事が再現したイメージ。

オウレイ博士は一応話を聞いてくれ、あなたは人間よと慰める。

人を決めるのは記憶だと思っているのかもしれないけど、何をするかが大事なの…とオウレイ博士は言う。

一方、少佐とともに壊れた芸者ロボの解析をしていた女性科学者の所に来たバトーが、ダーリン博士はまだか?と聞くと、数百のシミュレーションをしなくてはいけないので数日かかる言われ、基本はコンパニオンロボで、脳波がハッキングされ改造されているし、データは消去されていると説明を受ける。

すると少佐が、彼女にダイブすると言い出したので、罠が仕掛けられているかも…、心を無防備にさらけ出すことになるとバトーは忠告する。

ダーリン博士も、危険すぎるし無責任だわ!と拒否しようとする。

それでも少佐は、芸者ロボの隣のベッドに自ら横たわると、まずいときは中断して!とバトーに託す。

バトーは少佐の首筋にコードを装着すると、始めろ!とダーリン博士に命じる。

博士は、顔の目の周辺部分をメガネのように上にスライドさせると、少佐の電極を接続する!と返事する。

水の中に少佐が沈んで行くようなイメージ。

「サウンド・ビジネス」と書かれた看板 やがて、人間が崩れているのようなものが見える。

フードで顔を隠したクゼがこちらに向かって手を上げたと思うと、大量の人型が少佐を襲って来る。

きない!ハックされる!と少佐は狼狽する。

接続を切れ!と博士に命じたバトーは、大丈夫か?と意識を取り戻した少佐に聞く。

彼を見つけた…と少佐は言う。 「サウンド・ビジネス」と書かれた看板の記憶を頼りに、その店に向かった2人。

闇のパーツ屋だとバトーが教える。 中に入ってみると、クラブのようだったが、銃を持っているものが多いと少佐は気付く。

地下室への入り口を探して見ると奥へ向かった少佐は言い、バトーは客を装い目当ては女とビールだと店の者に言う。

人を探している…、友達がここで改造されたと伝え、奥の個室に向かった少佐は、一緒に遊ばないかとそこにいた男から話しかけられる。

少佐はその場でポールに手錠で繋がれるが、黙ってされるがままにする。

一方、バトーはトイレに入り、少佐から送られて来る通信に耳を傾ける。

ここで改造したそうだが、その友達は人間か?お前、踊れるように改造しているな?と少佐をポールに繋いだ男はからかって来る。

どうやら少佐を怪しんでいる風だった。

バトーは、ラドリア、銃を渡せ!少佐からの通信が途切れたので、応答しろ!無視するな!と呼びかけるが返事はない。

ラドリア!通信が遮断されている!と通信で送る。

男は少佐が何も答えないので、話さないならダンスはどうだ?と言いながら、電気棒を押し付けられ、バトーもまた、店のものから銃を突きつけられる。

少佐は、止めて!白状する…、ダンスは苦手…と下手に出て男に油断させると、いきなり相手を殴りつける。

バトーの方も、相手の銃を掴んで逆に相手を撃つと、コートの下に隠していたマシンガンを取り出し連射し始める。

少佐は、手錠をしたままポールを巧く利用し、身体を回転させながら相手を蹴りつける。

相手が倒れると手錠を外し、通信復旧!奥へ向かう!と少佐はバトーに連絡する。

少佐は奥の部屋で、また燃える祠のような幻影と、ハンカ社と組んだら破滅だ…と言うクゼらしきフードをかぶった男の姿を見たので、発砲するとクゼの映像は崩れ去る。

そこへ、少佐!と呼びかけながらバトーが背後から近づいて来たので、少佐は思わずバトーの身体を突き飛ばす。

その部屋に時限爆弾が仕掛けられていることに気付いたからだった。

次の瞬間大爆発が起き、バトーは目をやられる。

その後、少佐がハンカ社のベッドで目覚めると、バトーはどこ?と聞く。

隣の改造室にいるわ、あなたの後ろにいたから…とオウレイ博士が教えると、クゼを見たわ。彼はわざと姿を見せた…と少佐は教える。

スキャンで多くのバグを見つけた…と博士が言うと、何か意味あると思う?と少佐が聞いて来たので、ないわ…とオウレイ博士は答える。

あなたは無許可のダイブをした…、あなたは無敵ではない…、心は直せない…と案ずるようにオウレイ博士は語りかける。

私の考えが分かるなら、心も変わるはず。自分の必要性が分かれば…とオウレイ博士はこんこんと言い聞かせる。

私のことが分かるの?と少佐は立ち上がり、隣の治療室で目をレンズに交換したバトーに迂回、中指を立てて指何本?と問いかける

バトーはそれを見て笑えるよと言うと、優しい言葉を…と付け加える。

自分で望んだの?と少佐は聞き、似合うわ…、その内慣れるわ…と慰める。


少佐はその後、バトーの願いを聞き、犬に餌を与えに行く。

公安9課に来たカッター大佐は、荒巻課長に、少佐にダイブさせたらしいな?と問いつめ、又何かあったら解散だぞと威圧して来る。

しかし荒巻は、私はハンカではなく総理の指示に従うまでだと切り返す。

自宅の鏡に映る自分を見た少佐は外へ出かけ、1人の黒人の街娼に出会うと、人間なの?と問いかける。

部屋に招き入れた街娼に、それを取って、素顔が見たいと要求する。

街娼はつけまつげを外す。 どんな感じ?と問いかけると、街娼は、他の使途とは違った感じがすると答え、あなたは何?と聞いて来る。

その頃、ハンカ社の中で、芸者ロボを解析作業を続けていたダーリン博士は、「プロジェクト2571」と言う人事ファイルらしきものをデータの中から見つける。

その時、彼女が口にくわえていた煙草を急に取り上げ、私を見ろと命じたのは、いつの間に侵入したのかクゼだった。

奴らは何を見つけた?とクゼに迫られたダーリン博士は、私は何も聞いてないと怯えながら答えるが、その目の部分をはぎ取られてしまう。

少佐を乗せ車を運転していたバトーは、何故薬を?と聞くと、脳が身体を拒否するのと少佐は答える。

その時本部からダーリン博士が殺されたと言う通信が入ったので、了解!とバトーは答える。

ハンカ社の研究室にやって来た少佐は、ダーリン博士が握りしめていたメモリーを取り上げると、ホログラム装置にセットして内容を再生してみる。

クゼが狙っている関係者のリストのようだった。

次に狙われているのはオウレイ博士と知った少佐は、すぐ連絡を!とバトーに頼む。

清掃車の運転席で助手と一緒に昼食を取っていた運転手は娘自慢をしていた。

その時、運転手はクゼから脳をハッキングされ、無表情になると車を発進させる。

オウレイ博士が秘書と一緒に乗っていた車の側面に、清掃車が激突し、車は横転する。

何とか後部座席からはい出したオウレイ博士だったが、マシンガンを持った運転手が清掃車から降りて来て博士に近づくと、2571のことを全て話せ!と要求する。

そこに公安の輸送車が近づいて来て、別の車で駆けつけたバトーと少佐も車から降りて発砲して来る。

運転手は身体を透明化し、その場を逃げ出す。

ラドリヤ(ダヌーシャ・サマル)がオウレイ博士を保護する一方、少佐は消えた運転手を追う。

ビル街の一画にある水たまり区域に来た運転手は、何かの気配に気付きマシンガンを撃つ。

次の瞬間、透明化して接近していた少佐が運転手を殴りつける。

運転手はナイフを取り出し少佐に歯向かおうとするが、逆に弾き飛ばされる。

なぜオウレイ博士を狙う!と少佐は聞きながらさらに殴りつけようとするが、止せ!もう良い…と駆けつけたバトーが制止する。

何度も言ったろう?人違いだ! 公安9課の取調室に連行されて来た運転手はそう言い張る。

あなたは何?と少佐から聞かれた運転手は、リー・カニンガム(ダニエル・ヘンシャル)と答えたので、車に積んでいた銃は?と聞くと知らないと言う。

これが娘?と写真を見せると、可愛いだろう?と言うので、子供いるのか?家は?と同僚が尋ねるが、思い出せないとリーは言う。

あなたに娘はいない…、独り者よと教えた少佐は、ホロキューブ終了!と部屋の中で調査に参加していた仲間から言われ、キューブ上の取調室から外へ出る。

ハッキングで別の現実を植え付けたんだとリーの脳をモニターしていたトグ(チン・ハン)が言う。

その時少佐が、クゼがいるこの中に!と言い出す。

外部とは隔絶しています。

逆探知で発信元を探れ!少佐…、奴は何をしでかすか分からんぞ…と荒巻が指示して来る。

再びホロキューブの中に入った少佐は、あなた誰?とリーに問いかけると、私は何度も殺された…、計画が在る…などとリーの口から言葉が出て来る。

その時、特定できた!とトグサがキューブの外から声をかける。

娘に会いたい…とリーは呟く。

見つけた!とバトーも言った時、リーは自ら床に頭をぶつけ自殺する。

行こう!とバトーが、ホロキューブから出て来た少佐に声をかけて来る。

9課全員が輸送車で現場に到着する。

その建物内には、体中に入れ墨をした男たちが車座になって頭からコードを接続してまとまっていた。

そこにバトーたちメンバーたちが侵入する。

敵が手榴弾を爆発させるが、少佐は構わずさらに奥へと進む。

そこではケチャのように、大勢の人間が車座になり中央に向かって座っていた。

見つからないはずよ…、人の心を使いネットワークを作っている…と少佐はバトーに伝える。

燃える祠のような建物から女が飛び出して来るイメージ。 その時少佐は襲撃され捕まった所にクゼがやって来る。

あなたは何者?と問いかけると、君が理解しようとしているものだ…、君は今、ネットワークの中にいる…とクゼが語りかけて来たので、私に何の用が?と少佐が聞き返すと、私は君に惹かれたようだ…、ダイブした時…、コードを読み、懐かしい感じがした…、我々は同類だ…とクゼが言うので、あなたは現実の人を殺した!と少佐は指摘する。

彼らが我々を作った。脳をシェルに重ねたんだ。君が最終だと…とクゼが言うので、何の話?と少佐は聞く。

奴らが私を解体し、捨てる時、まだ私には意識があった…、脳とシェルが適合しない… 2571は失敗だと言ってた… 君は美しい…、格段に改良されてる…とクゼは少佐の頬を触りながら言う。

あなたは糸殺しよ!と少佐が言うと、奴らは俺を殺そうとした…、正当防衛だとクゼが言うのでそうじゃない!と少佐が睨むと、俺を殺す気か?連中のように…、やるが良い…と言いながらクゼは少佐に抱きついてくる。

それは何?とクゼの胸に彫られた入れ墨のことを聞くと、思い出せない…、君も同じか?とクゼは聞いて来る。

奴らが君に与える薬を止めれば、全てを思い出すかも…とクゼが言った時、少佐からは慣れろ!と銃を構えたバトーが声をかけて来る。

発砲するが、クゼはその場から逃走する。 すると少佐もその後を追って行く。

自宅に突然やって来た少佐に気付いたオウレイ博士は、何時間もどこに?みんな探してたわ…、何?と少佐が来た目的を聞く。

怖いわ…、私の前に何人が犠牲になったの?と少佐が聞くと、高度な移植はあなたが始めてよ…、失敗もあったわとオウレイ博士が答えたので、何人?と再度聞くと、大勢よ…としか博士が答えない。

焦れたように、何人なの!と少佐が迫ると、失敗したのは98人…とオウレイ博士が打ち明けたので、98人も殺したのね!と少佐が愕然とすると、その実験のお陰であなたは救われたののよと博士は言う。

じゃあ私も…と少佐は絶句し…、犠牲者はどこから集めたの?私は誰?と少佐は問いつめるが、カッター社長が…とオウレイ博士は言うだけ。

船のテロ…、親は本当に死んだの?と聞くと、違う…、偽の記憶を植え付けたの…、社長がテロと戦うために…と博士は答える。

それを聞いた少佐は、全てが嘘なのね…、クゼに会った…と少佐は打ち明ける。 彼はいつも暴力的で不安定だったから…とオウレイ博士が言うと、違うわ、見殺しにしたのよ!と少佐は指摘する。

9課で、クゼは行方不明、少佐はいまだに連絡が取れない。回線を切られたと荒巻が言うと、心当たりがあります…とバトーは答える。

クラゲが泳ぐ海の中で泳いでいた少佐がボートに上がって来ると、そこにバトーが射たので、来てと頼んだ?と少佐は無表情に聞く。

放っておけないとバトーが言うと、連れ戻す気?と少佐が聞いて来たんもで、俺は釣りに来ただけだとバトーは答える。

殺せと命令されているんなら…と少佐が言うと、冗談は止せ!水の中はどうだ?とバトーは聞く。

冷たくて暗い…、世界が遠ざかり、データの流出もない虚構よ…怖くなる…、何故だろう? 現実に思えて…と言う少佐に、何故逃がした?とバトーは聞く。

誰も信じられなくて…と少佐が言うので、俺のことも?とバトーが聞くと、信じてる…仕方なく…と答えた少佐は、船を岸に…、調べることがあるの…と船室で水着を脱ぎながら少佐はバトーに頼む。

ハンカ社では、オウレイ博士、何を話した?とカッター社長が聞いていた。

彼女は知ったわとオウレイ博士が答えると、連れ戻すとカッターは言う。 しかし、少佐は通信装置を水から海中に投げ捨てていた。

ハンカ社には少佐を捕まえろ!と言う警備からの通達がある。

そんなハンカ社に侵入した少佐は、ベッドに横たわり、義体化される前、苦しんでいる人間たちの様子を見ながら奥へと進む。

2571は後一歩だったと言うカッター社長に、オウレイ博士は彼女を再プログラミングさせてと頼むが、ダメだ!ミラを廃棄処分にしろ!とカッターは命じる。

彼女は私の契約者だ。別のに変えてもゴーストは残る、君がやれ!とカッター社長は言う。

オウレイ博士の実験室に立った少佐は何をするの?と聞く。

オウレイ博士は、そんな少佐の首筋からデータを取り出しながら、何と聞いたか知りたいのと言う。

彼は真実を話してくれた…、全てを消去するの?私は何もかも忘れる…、あなたのことも… 私、キリアン少佐は、このデータを消去することに同意しないと宣言する。

子を見ていたカッター社長は、ガラス越しにオウレイ博士を射殺する。 バイクを奪った少佐は、ハンカ社から町へ逃げ出す。

少佐の記録を見せろと荒巻が指示する。

抹殺だ!とホログラムの姿を借りて命じて来たカッター社長に、彼を黙らせろ!と荒巻は言う。

テロリストに操られている!とカッターは言うが、少佐を殺せば、我々も終わると荒巻は答える。

カッターのホログラムが消えたので、荒巻は引き出しから銃を取り出す。

「アヴァロン・アパート」1911号室の前にやってきた少佐は、部屋のドアから逃げ出して来た猫を抱き上げる。

パンプキン!と呼びかけて部屋から顔を見せたのはハイリ(桃井かおり)だった。

人を探していて…と少佐が言うと、お茶でも?とハイリが誘う。

もらうわ…と答え部屋の中に入った少佐は、誰かの部屋を発見する。

素子の部屋よ…、彼女は1年前に死んだ…とハイリが教える。

家出したの…、困った子でね…、良く喧嘩したわ…、誰でも親と喧嘩するでしょう?とハイリが言うので、娘さんに何が?と少佐は聞く。

役人が位牌を届けに来たわ。自殺したと…。

でも、素子が自殺するなんて… 仲間達と無法地に行くと言ってたわ… テクノロジーが世界を滅ぼして行くと声明を出して… 警察が来て恋人と逃げた…、うわさ話だけど…とハイリは言う。

若い娘を見ると娘に見える… まだ生きている気が… 彼女は怖いもの知らずだった… あなたは娘に見える…、ごめんなさい…、どこか似てるの…、私を見ている感じが…、あなた誰?と、少佐を見つめたハイリは言う。

分からない…と言い残し、茶を出しかけたハイリを残し少佐は部屋を出ようとする。

待って!又来てくれる?とハイリが声をかけて来たので、来るわ…と少佐は答えて帰る。 9課の荒巻に通信を送った少佐は、自分がテロリストの犠牲者ではなかった…とハンカ社の裏事情を打ち明ける。

それを聞いた荒巻は、証明できるか?オウレイは死んだ…、カッターはお前の仕業だと言っていたと荒巻は教える。

私に回線を繋いでいるとカッターも見つけるぞ。総理に会おう…と荒巻は言う。

その後、車に乗り込んだ荒巻は、いきなり銃撃を受ける。 雨の中、車に近づく暗殺者たち。

次の瞬間、荒巻は車から降り、防弾ケースを広げ敵の銃弾を防ぎながら反撃する。

暗殺者を全員殺した荒巻は、狐を殺すのにウサギを寄越すな!と吐き捨て、我々ははめられた!繰り返す、我々ははめられた!と9課全員に通信を送る。

それを聞いたバトーやトグサらは、自分に近づいて来た暗殺者に撃ちかえす。

バトーは車で逃げ出す。

少佐を無法地帯で発見!ヘリを向かわせますとの連絡を受けたカッターは、多脚戦車は?と聞く。

意しますと部下は答える。 廃墟と化した無法地帯に来る少佐。

そこには何度も幻覚で見た祠のような建物があった。

(回想)乱入して来た警官たちに襲撃される若者たちのイメージ。

ヒデオ!素子!

(回想明け)壁のレリーフを触る少佐。 現実だ…、ここで起きたことだ…と語りかけて来たのはクゼだった。

思い出したわ!ここで寝てた…、町を逃げた若者は家族と同じだった。 頼りになるのは彼ら仲間たちだった…と少佐は呟く。

ヒデオ!素子! あなたはヒデオ!と少佐がクゼに呼びかけると、素子!それが君の名だ…、素子、一緒に来い。 私のネットワークへ、私たちを虐げていたものに復讐するのだ…とクゼが説得していた直後、爆発が起き、吹き飛ばされる少佐。

祠のような建物が壊れる。

私に任せろ!手動コマンドへ!とカッターが命じる。

カッターが捜査する多脚戦車が出現し発砲して来る。

廃墟の上階へ駆け上がる少佐。 壁にもたれかかっ座り込んでいたクゼことヒデオの側に多脚戦車が近づく。

何も武器を持たないヒデオは、戦車の大砲に向け、指で銃を形を作抵抗する真似をする。 少佐が上から掩護射撃する。

ターゲット確認!と戦車が言うと、ターゲット抹殺とカッターは笑い、惜しかったな、化け物め…と言うと、ヒデオの頭部をタンクから伸びたアームで掴み持ち上げる。

透明化した少佐が多脚戦車の上に出現する。

少佐はパンチで多脚戦車の上部を殴り始める。 駆動中枢破損!と多脚戦車が言う。

少佐は渾身の力を込め多脚戦車の搭乗口の蓋を持ち上げるが、自らの左手も破損し取れてしまう

多脚戦車は壊れるが、少佐も弾き飛ばされる。 地面に倒れた少佐の側に、クゼことヒデオが這い寄る。

狙撃班はまだか!とカッターが苛立つ。

廃墟上空にヘリが接近する。

一緒に来い、ここは我々の世界じゃない…とクゼが隣で並んで横たわっている少佐に語りかける。

しかし少佐は、嫌よ、この世界を離れない。私はここで生きる!と答える。

私は永遠に君と一緒だ…、ゴーストの中で…とクゼは呟き、少佐の隣で死ぬ。

荒巻がサイトウにヘリの狙撃を命じる。

サイトウがホバリングしていたヘリを撃墜する。

横たわった少佐の側にやって来たバトーがヘイ!と声をかける。

優しい言葉を…と横たわったままの少佐が言うと、名前は?とバトーが聞く。

素子…と少佐が答えるが、今は少佐だろう?とバトーが確認すると、そうよ…と言いながら少佐は立ち上がる。

その頃、カッター社長ととある廃墟内で会った荒巻は、総理と会って来た。 君は殺人と国家反逆罪だ。

無駄な抵抗は止せと荒巻は告げ、銃を突きつける。

止めてくれ!とカッターは命乞いをするが、少佐!今、カッターと一緒だと荒巻が少佐に連絡し、私は少佐、同意する!と少佐が答えた瞬間、荒巻は発砲する。

カッターは水が貯まった小さな池のような所に仰向けに倒れ込む。

バトーと帰る少佐。

後日、少佐は1人で「草薙素子」の墓の前に来ていた。

立ち去りかけた時、墓参りに来ていたハイリと出会う。 もう来なくて良いと少佐が語りかけると、頷きながら分かった…と答えたハイリは少佐を抱きしめる。

私の心は人間…、身体は人工組織… 私は1号だけど仲間はいる。

人は記憶に証を求めるけど、何をするかで決まる。

私の中で生き残ったゴーストが人間性の大切さを教えてくれる。

私が何なのか教えてくれる…(と、少佐のモノローグ)

ビルの屋上でコートを脱ぐ少佐がビルから落下する。

お前に任せると荒巻が指示した瞬間、少佐の身体は空中で消えて行く。
 


 

 

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