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東京ロマンス・ウェイ

上映時間47分と言う、二本立ての添え物風中編作品

東京タワーを舞台に、貧しいウエイトレスと金持ちの御曹司が恋に落ちるシンデレラストーリー。

同年ほぼ同時期に公開され、同じく東京タワーを舞台に描いた、日活の「東京ロマンス・ウェイ」に設定が似ているため、2本まとめてみると競作だったのだろうか?と疑いたくなるほど。

こしゃまっくれた小学生が出て来たり、貧しいヒロインが東京タワーで出会った運転手風の青年の方が社長令息だったり、ヒロインが金を持っている恋人を犯罪者ではないかと疑ったり…

違いと言えば、こちらの日活作品の方が軽いコメディタッチになっているくらい。

冒頭から登場する平尾昌晃さんが主人公のようにも思えるが、平尾さんは狂言回し役であり、主人公は二谷英明さんと中村万寿子さん。

ヒロイン役の中村万寿子さんは、新人だったのか、あまり見覚えはないが、丸顔の庶民的な方である。

その友人を演じている東谷暎子さんの方も馴染みがなかったが、中村さんと似たような雰囲気で、どちらかと言えば東谷さんの方が美人ではないかと思う。

劇中に名前が大きく出て来る森永や日立はタイアップなのだろう。

森永のマスコットキャラとして、巨大な黒人少年の人形が登場したりするのが時代を感じさせる。

展望台への料金が100円だったりと、盛況だった完成当時の東京タワーの様子が良く分かるのが興味深い。

サブ役の役者も見覚えがないのだが、キネ旬データには「水木京子」などと女性名が書いてあri、これは明らかな誤植だろう。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
1959年、日活、山口純一郎+大川久男脚本、吉村廉監督作品。

(平尾昌晃が歌う主題歌と東京タワーをバックに)タイトル

全長333m、世界一の高さのテレビ塔東京タワー

総工費28億、使用総鉄鋼4000トン…

そんな東京タワーの登ろうと、今日も長い行列ができていたが、その行列の観客に、天然色の絵はがき付きパンフはいりませんか?と売り歩いていたのは平田正一(平尾昌晃)と相棒のサブだった。

タワー内の喫茶店「森永スカイキャビン」に「森永天然ジュース」の木箱を運んで来たのは、ウエイトレスの北野和子(中村万寿子)と川井道子(東谷暎子) サブは、タワーの守衛が注意しに来たので、兄貴!と叫び、一緒に慌ててタワー内に逃げ込む。

展望台に行かないか?お前いくら売った?と平田はサブに聞くが、聞くまでもなくどちらも全く売れていなかった。

コーヒーおごってやると言いながら、「森永スカイキャビン」に立ち寄った平田は、和ちゃん、ミッちゃん!展望台に行きたいんだ、100円貸して!と頼む。

しかし、借りられなかった2人は、エレベーター前に並んでいた子供の後ろに並ぶと、見知らぬ前の子を抱き上げ、付き添いですと案内係に嘘をつきエレベーターに乗り込む。

一方、和子は、コーヒーを呑み終えて外に出て行った客が紙袋を席に忘れて行ったことに気づき、急いで駐車場の所で車に乗り込もうとしていた田中二郎(二谷英明)に声をかける。

田中は、ありがとう!と礼を言い、車で帰って行く。

展望台に呼んだ道子は平田に、ドレス作ってくれるという話どうなったのよ!と文句を言って来たので、みっちゃん!そりゃないよと平田はがっかりする。

その時、兄貴、大変だよ!と望遠鏡をのぞいていたサブが呼びかけたので、何事かと思い望遠鏡を覗くと、自分のアパート前に月賦屋(伊丹慶治)が来ており、和子の母と弟のケンちゃん(藤田安男)と何か話しているのが見える。

そんな平田を尻目に道子は、お金ができたら誘ってね!と言い残し、さっさと一階の「森永スカイキャビン」へ戻って行く。

平田のアパート前に来ていた月賦屋が、今日こそもらって行きますよ。

最初の1回払っただけでもう1年も経ったんですよと説明すると、もう5〜6年待ってやってよとケンちゃんが大人のように頼む。

「森永スカイキャビン」には、松村(西村晃)と言う、自分はキャデラックに乗っていますなどと自慢話ばかりで鼻持ちなさない中年男が和子目当てに居座っており、自分ばかり指名される和子は困りきっていた。

店が終わった後、一緒に帰っていた道子が、さっきの男は何?と聞いて来たので、和子は、大変なお金持ちらしいわよと教えると、金に目がない道子は、今度一緒に遊ばない?などと誘って来たので、嫌よ!と和子は断る。

アパートでは、借金取りに大事なギターを持って行かれたケンちゃんが、こっちは女子供だけだろう?と大人のような言い訳をしていた。

サブは、ケンちゃんがいたから当てにしてたのに…、これでミッちゃんとの約束も当分お預けだな…とこぼす。

平田もがっくりうなだれるが、突然ケンちゃんが、お兄ちゃん良いことがある!と言い出し、自分の部屋に戻ると、母ちゃん、これ借りて行くよ!と言い、母親の三味線を平田とサブの部屋に持って行く。

そこに、和子が帰って来て、今夜は何?と聞くので、母親はシャケよ、あんたが何か買って来ると思っていたからと答えると、又シャケ?と和子は落胆する。

平田は、ケンちゃんが持って来た三味線を弾きながら、気晴らしに「三味線ロック」を歌いだす。

それを聞いたアパートの女性住民たちが廊下に集まり、素敵!とうっとりしていたが、部屋の窓に寄りかかり過ぎ、窓ごと外れてしまう。

翌朝、布団の上で黒田節を歌っていた平田にサブが、腹減ったよ…、商売行こうか?と誘っていた。

しかし平田は、どうせ売れやしないよ、動けば余計に腹が減るだけだ…と面倒くさそうに言うと、でも食わないと干物になっちゃうよ、俺嫌だな…、干物になるの…とサブがぼやく。

そこに和子の母が、おにぎりだよ!とたくさんのおにぎりを差し入れしてくれる。

翌日、東京タワーのビルの屋上に来ていた道子は和子に、あの人、ドレスを買ってくれないの、お金を持ってない人はつまらない。

いつかあんな車に乗ってみたいわ…などと言いながら、したの駐車場に来たキャデラックを見下ろしていると、その車から降り立ったのは松村だったので、また来たわよと和子に言う。

そして道子は、私、ちょっと誘惑して来るわねと言い残し、下に降りて松村の側に近づくと、おじ様、凄い車に乗ってらっしゃるのね?と話しかける。



和ちゃんの所へ行くんでしょう?私は彼女の友達です。

今晩和ちゃんを連れ出してやるから…、実は欲しいものがあるんですけど…、洋服よとねだると、ドレスでしょう?と松村は分かっているという風に答える。

一方、タワー内の日立の店頭に配達に来ていた二郎は、中年マダムからしつこく誘われるので、思わず、恋人と約束があるんですと言って断ろうとしていた。

しかしマダムはそれを信じようとしないので、困りきっていると、和子が通りかかるのを見つけ、昨日は失礼しました、突然のお願いで恐縮なんですが、僕の恋人になってください。品物を届けに来たら、変なのに捕まったんですとマダムの方をチラ見しながら頼む。

突然そんなことを言われた和子は断ろうとするが、マダムが、あの方恋人らしくないじゃないですか!などとなおもしつこく二郎に迫っているのを見ると気の毒になる。

二郎は、マダムがあんまり立派なんで遠慮してるんですよなどとごまかし、これから箱根に行きましょうなどと和子に話しかける。

その頃、松村は、大橋という人物にぺこぺこ頭を下げ、3万円を借りていた。

7ヶ月も田中精密工場を待ってやっているのも松村さんの話だからね…となどと大橋は渋るが、あのキャデだけでも80万ですから…と松村は頼み込み金を何とか貸してもらう。

その頃、アパートの表にいたケンちゃんは、平田宛の速達を郵便屋さんから渡される。

その内容は、ナイトクラブ「エッセル」からの仕事の依頼だったので、平田は大喜びする。

そのナイトクラブ「エッセル」に和子を誘った道子とテーブルに付いていたのが松村で、何とかお目当ての和子に酒を飲ませようと勧めるが、和子は全く相手にしない。

連れて来た道子の方は、迷惑がる松村を無視して遠慮もなく酒をがぶ飲みする。

あんまり呑むので、大丈夫か、君?と松村は声を掛けるが、道子はチャラよ!などと言うだけ。

松村は和子に、オードブルやサンドイッチでもと勧めるが、和子は全く相手にしなかった。

その時道子がステージを見て、マーちゃんよ!と驚き、平田が歌い始めると、こうやって見るとイカすわ〜などと道子は見直す。

しびれるみたいに良い気持だわ〜と酔った道子は喜ぶが、松村はそれを無視して、スローの曲に変わったのを見計らい、カーちゃん踊りましょうと和子を誘う。 しかしそれでも和子は断り、道子が無理矢理松村を引っ張って踊りだす。

仕方なく相手を始めた松村が、道子のお尻を触ろうとすると逆につねられてしまう。

テーブルに残っていた和子に、先ほどはどうも、来てらしたんですか?と声をかけたのは二郎だった。

そこに戻って来た松村が、和ちゃん1人で寂しかったでしょう?ロマンチックになったから踊りましょうとまた誘いに来るが、側にいた二郎が、あんまり無理しない方が良いですよと言葉をかけ、和子は立ち上がると二郎と踊りだす。

お誘いしてご迷惑じゃないですか?と踊りながら二郎が聞くと、お友達に無理に連れて来られたんですと和子は打ち明け、タワーへは良く?と聞く。

二郎が仕事の関係で…と言うと、展望台へは登られました?と和子が聞くので、まだなんです、その内連れて行っていただけませんか?と二郎は誘う。

そんな2人の横にやって来た松村は、君、1回だけ踊らせてくれ!君、お酒を飲んでくれと声を掛けるが、ブランデーグラスを受け取ったのは二郎の方で、中味を呑むと、どうもごちそうさまでしたと礼を言い、すぐにグラスを松村に返す。

道子はすっかり泥酔し、その後は平田につきまとい、さらに他の店に誘おうとするので、ミッちゃんのために今の仕事もダメになったし、もう帰ろうよ!と平田は困惑する。

翌日、二日酔いで寝込んでしまった道子のために、氷をぶら下げてやって来た平田だったが、先に来て誘惑しようとした松村に道子がどうしてドレスを持って来てくださらないの?ドレスが先よ!などと文句を言っていたので、もう諦めろよと松村に言い聞かせる。

サブは1人で1組99円のパンフレットを東京タワーに並んだ客たちに売りつけていた。

「森永スカイキャビン」にいた和子は松村から、先日の埋め合わせをしたいんだと電話を受けるが無視する。

その直後、今度は二郎から電話が入り、夕べは失礼しました、仕事でそっちに行くので、展望台に誘っていただけないかと思って…と聞くと、喜んで承知するが、そこにサブがやって来たので、守衛さんに見つかったんでしょう?とからかう。

その夜、和子は二郎を連れ、東京タワーの展望台に来ると、あれが東京湾よなどと教える。

あの灯りの1つ1つに人間の喜びや悲しみがあるんですね…と二郎は感慨深げに言う。

その後、喫茶店でテーブルに座りジュースを頼んだ和子は、ここは別世界ですわ、昼間のことを忘れますわとロマンチックなムードになる。

その時、どこからともなく鐘の音が聞こえて来たので、あの鐘は?と二郎が聞くと、愛の鐘ですわ、みんなが幸せになれるように…と教えた和子は、涙って楽しい時にも出るものなのね…と、目に涙を浮かべ呟く。

その頃、和子の母親を尋ねていた松村は、買って着たドレスを母親に渡そうとしていた。

さらにおしゃべりなケンちゃんにも小遣いを渡したので、受け取ったケンちゃんは、賄賂?と聞く。

母親は、和子がまだ帰ってませんので…と受け取りをためらっていたが、お母さんにも似合いますよなどと松村はドレスを母親に押し付けて来る。 その頃、和子は二郎の来るまで送ってもらっていた。

お陰でとても楽しかった…と二郎は運転しながら礼を言う。 アパートに平田とサブが帰って来ると、和子の母が忘れ物!と廊下に出た松村にドレスを返している所だった。

サブは松村を知っているようだったので、サブちゃん、知ってるの?と母親が聞くと、昔の仲間ですよ、手が早くてね…とサブは教える。

アパートの前に着いた和子は車を降り、お寄りになりません?と誘うが、遅いですから失礼しますと答えた二郎は、これ指輪ですが、僕のほんの気持です。今夜の記念に…、イミテーションなんですよなどと言って渡して来る。

じゃあおやすみなさい!と別れた和子だったが、その様子を側の垣根越しに松村が見ていた。

翌朝、出かける和子は、母さんにもあって欲しいと二郎のことを話、今夜でもお招きするのよと答えた母は、ちょっとその指輪見せてごらんと言うと、きれいだね、本物みたいだけどね、その運ちゃんに良く買えたねなどと感心する。

母さん、何か用意しといてね?と頼んで和子は出かけて行く。

道子の家に来た松村は、3百万の宝石泥棒の記事が載った新聞を見ながら、和子に渡せなかったドレスを道子に見せながら、考えてみたらあなたの方が好きだったんだな…と言いながら抱きつこうとするが、ドレスくらいでキスするなんて!と道子は拒否する。

すると松村が、一旦渡したドレスを取り戻そうとするので、道子は必死に引っ張り、ドレスは破れてしまう。

もったいない!と道子は怒り、松村の方はまだ払ってないんだよと嘆く。

その頃、平田はサブに、めでたいなと話していた。

人を当てにしないで自分で稼いだらどうだい?とケンちゃんがませたことを言うと、アルバイトはしくじるし…と平田は頭を抱える。

平田は、近所の子供たちを前にギターを弾きながら「月の砂漠」を歌うようになる。

「森永スカイキャビン」では、道子が和子に、その人、宝石泥棒難じゃない?中肉中背の二枚目って新聞に書いてある通りだし、絶対犯人よ、イミテーションにしては出来すぎよなどと、指輪をプレゼントしたと言う二郎のことを悪く言っていた。

念のため、帰りに宝石店で指輪を鑑定してもらった所、30万はする本物だと教えられた和子は驚く。

和子の部屋には既に二郎が来ており、ジェット機の玩具をケンちゃんに渡していた。

母親に会った二郎は、実は僕、暮らしのことは大丈夫なんですと言うので、共稼ぎなら大丈夫ですよと母親も太鼓判を押し、ケンちゃんも、姉ちゃんは経済観念しっかりしているから巧くやるよなどとませたことを言う。

そこに帰って来た和子は、お邪魔してますと挨拶して来た二郎を、ちょっと!と外へ呼び出し、屋上へ上がる。

どうしたんですか?と二郎が聞くと、これ持って自首してちょうだい!と和子は真剣な顔で、二郎からもらった指輪を差し出すと、30万もする本物じゃない!と指摘する。

二郎が、そうですよと答えると、あんなに高いものを運転手に買えるはずないわ!泥棒まですることなかったのよ、バカね…と嘆く。

しかし二郎は、心配ないよと平然と答えるので、すんでしまったことは仕方ないわ、自首して!と和子は頼む。

その時、近づいてくるパトカーのサイレン音が聞こえて来る。

自首して!と再度頼んだ和子を二郎は抱きしめる。

やがてサイレンは遠ざかって行く。

和ちゃん、宝石泥棒が入った時刻、僕たち2人とも展望台にいたじゃないかと二郎が冷静に教え、怒った?と言うと、あんまり心配させるんですもの…と言いながら和子は泣き出す。

そんな和子に、今度の休みの時、家に来てくれる?と二郎は誘う。

休日、「田中」と表札が出た屋敷にやって来た和子は、あまりに立派な家なので信じられない気分でブザーを押す。

応対に出て来た女中に、二郎さんいますか?と恐る恐る聞くと、北野和子さんですね?と女中は承知しているようで奥へ下がる。

玄関にはミロのビーナスのレプリカが置いてあったり、明らかに大富豪の家だった。

二郎が出て来たので、ここご親戚?あんまり立派なお家なんですものと和子が聞くと、僕の家です。

車の運転手もやってますが、いずれ親爺の仕事を手伝うんです。みんな待ってますからどうぞと二郎は上がるよう勧めるが、唖然とした和子は、私、帰ります!と言いだし家を飛び出して行く。

二郎はその後を追い、家老とする和子を捕まえようとするが、離してよ!と和子がその手を振り払うので、どうしたんです?と聞くと、からかったんでしょう?と和子は睨んで来る。

どうしてお家のこと隠していたの?と和子が責めると、僕たちの間でそんなことはなす必要ないと思ったんですと二郎は打ち明ける。

今まで僕が付き合った女性たちはみんなお金目的だったんですと二郎は言うが、例え悪意がなくても、私たちを傷つけると思わなかったんですか? 貧乏人がどんな惨めな気持になるか… 金持ちのくせに貧乏人の娘と結婚しようとするなんて図々しい!こんな指輪いらないわ!と言い放ち、和子は指輪を道に投げ捨て帰って行く。

アパートの和子の部屋で、その話を聞いたサブは、身分違いが不幸になる話は良く聞く…と言い、母親は、和子を可愛がってくれれば良いわと言うので、猫じゃないわ!と和子は膨れる。

ケンちゃんは、本人同士で話し合うのが良いよといつものように生意気なことを言う。

その内、サブと遊びに来ていた道子が言い争いを始めたので、止めて!と叫んだ和子は部屋を飛び出して行く。

平田は、和ちゃん、怒らせちゃったじゃないか!とサブと道子を睨むと善後策を考え始める。

その後、二郎に会いに来た道子が、和ちゃんってちゃっかりしてるわ。もう新しい恋人が出来たのよ、今晩8時に展望台で会うのよなどと吹き込むが、デスク仕事をしていた二郎は、そんな話、僕には関係ありません。もう良いです、聞きたくないですと無視する。

そこへ秘書が、自動車屋さんですと伝えに来て、後からは行って来たのは松村だったので、松村は社長室に座っている二郎を見て腰を抜かす。

一方、平田の方はアパートにいた和子に、あの男、もうお見合いをしようとしてしるらしいぜ、和ちゃんが今晩8時に展望台に押し掛けるんじゃないかと心配してるらしいぜと嘘を言い、サブは、兄貴、和ちゃんがそんなことする気あるはずないじゃないかとわざとらしく芝居をする。

その夜8時、気が気ではない和子がやって来ると、案の定そこには二郎がいたので、別に邪魔しに来たんじゃないから安心したねと嫌みを言うと、君こそ8時に恋人に会おうとしてるんだろう?僕は聞いたぞ!と言い返して来たので、あなただって!と和子はむきになる。

その時、「愛の鐘」が聞こえて来る。

それを聞いた和子は思わず泣き出したので、そっと近づいた二郎は、和ちゃん、お互い意地になるのは止そうと声をかけ抱きしめると、もう泣かないで…と慰める。

そして、今度は受け取ってくれるね?と言いながら、和子が捨てた指輪をまた取り出して和子に渡す。

そこへ、松村、和子の母、平田、サブ、道子らが全員揃ってやって来ると、すぐにエレベーターに乗って立ち去る。

二郎は和子を車に乗せ、出発するのだった。

東京タワーと平尾昌晃の主題歌が重なる。
 


 

 

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