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この世界の片隅に

「二十四の瞳」や「かあちゃんと11人の子ども」などを連想させる、戦前から戦後にかけて生き抜いた女性を描くアニメ映画。

戦後とは全く違う戦前の女性の生活を中心に描いているため、戦争描写は極力間接描写程度に止め、戦闘アクションなど男性が期待するような物は登場しない。

あくまでも平々凡々と普通に生きる市井の人の姿をマンガ原作もの特有のユーモアも交え描いているため、戦争もの特有の重さはあまりない。

もし同じ素材を実写で撮ったなら、昔ながらの泥臭いお涙頂戴物か地味な映画になるような気がするが、適度に省略された柔らかいタッチの絵柄の強みもあり、かなり長い尺も気にならないくらい楽しい気分で見る事が出来る。

その前半の明るさ、楽しさが、後半の残酷さを際立たせているとも言える。

原作のストーリー性の面白さ、キャラクターの魅力だけではなく、抽象性も含んだ絵の力、アニメの力は大きいように感じる。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2016年、「この世界の片隅に」製作委員会、こうの史代原作、片渕須直脚本+監督作品。

うちはぼーっとしとると言われとって… 小舟に乗った浦野すず(声-能年玲奈)は、中島本町まで海苔を届けるんですと、正座して船頭に教える。

海苔を届けたら、兄と妹のためにお土産を買って帰るのですと丁寧に説明したすずは、目的地で船を降りると、荷物の風呂敷を背負い、年の瀬で賑わう商店街の町並みに見とれてしまう。

ベンチに座って空を眺めていたすずを背景にキャストロール

タイトル(空中を飛ぶタンポポの綿毛の絵と、悲しくてやりきれないの歌をバックに)

道に迷うたらこの化け物みたいなおじさんに出会うた… 大きな謎の人物が背負った大きな籠の中に入れられたすずは、もう1人の少年からこの男は人さらいだと教えられる。

すずは帰らんといかんとのんきに答えるが、少年も父さんと約束があるので夜までに帰らんと叱られると言う。

すずは、持っていた海苔に穴を開け、望遠鏡の玩具の先にその海苔をかぶせて、人さらいのおじさんに手渡す。

おじさんがその望遠鏡を覗くと、海苔に開けた穴が夜空みたいに見えた。

おじさんがかがんだ隙に籠から地面に降りた2人は無事解放される。

少年が森永ミルクキャラメルをくれたので、すずは、あんがとな…、うちは浦野すずと名前を教える。

家に戻って、その時の事を絵に描きながら妹のすみ(声-潘めぐみ)に聞かせていたすずは、あれは夢じゃったに違いない…と思うようになる。

16年8月

兄洋一と妹のすみと一緒に、潮が引いた海を歩いて草津のおじさん、おばさんの家に遊びに行く。

土産のスイカを持った3人兄妹は、途中でぬかるんだ地面に転んでしまい、全員頭の先から足の先までどろんこ状態になる。

おじさんとおばさんの家に着いた3人は、頭から水をかけられ泥を落としてもらうと、疲れたので、そろって昼寝をしているうちに、両親も到着していた。

途中、目ぼけて目を開けたすずは、天井裏から顔をのぞかせた見知らぬ子供の姿が見えた。

その汚らしい身なりの子は、部屋に降りて来ると、すず達のために置いてあったスイカを勝手に食べ始めたので、もっともらって来て上げようか?と声をかけ、おばさんと一緒にスイカを持って来るが、もう部屋には兄と妹以外に誰もいなかった。

帰り道、あれは座敷童に違いないとすずはおばさんから教えられた事を信じ込む。

夕食のとき、兄はすずが何かを置いて来たと知り、取って来い!と怒る。

13年2月

干していた海苔を取り込んでいた母キセノ(声-津田真澄)に、すずは2銭ちょうだい、鉛筆落としたとねだるが、また兄にぼんやりさを叱られ、母は水原哲君、毎日学校来とる?と聞くだけだった。

学校に行ったすずは、1本だけ入っていたちびた鉛筆を筆箱から取り出すと、肥後の守を取り出し削り始める。

やがて、図画の時間になると、級友達が絵の巧いすずをうらやましがる。

その後、裏の林に松葉を拾いに行ったすずは、海に向かって座っていた水原哲(声-小野大輔)を見つけ恥ずかしがる。

すずは哲の事が好きだったのだ。

しかし、哲は、課題の絵も描かず、浦野、手を出せよと言うと、兄の物だと言う絵の具セットと筆を渡し、自分は海は嫌いや、描きたきゃ、お前描け!と命じる。

海軍に入った兄を亡くした哲は、海軍入って溺れるアホよりはマシじゃなどと憎まれ口を叩く。

海面に白ウサギが飛んでいるようだというので、すずはそのイメージを描く。

完成した絵を見た哲は、こがいな絵描かれたんじゃ帰らん訳に行かんくなったと皮肉っぽく言いながら学校へ帰って行く。

15年12月 胴付き長靴を着て海の中から上がって来ておどけるすずは19になり、妹のすみは18になっていた。

2人は、ばあちゃんの家で食事している時、持つ箸の手の握りの部分の位置で、遠くの嫁に行くとか近くに行くとかをばあちゃんから聞かされ慌てるような年頃になっていたのだった。

そんな中、すずを嫁に欲しいという人が家にやって来たので家に帰れと母のキセノが呼びに来る。

それを聞いたばあちゃんは、すずに着物を渡してやる。

自分を名指しして来る相手の心当たりなどが全くないすずは、家の方から海軍に入り水兵姿になった哲がやって来たので緊張する。

哲が自分を嫁にと望んだ相手だと思ったからだ。

しかし、哲は呆れたように否定し、自分は兄ちゃんの七回忌に粛々と帰って来ただけだと言う。

浦野家では、花嫁候補の青年とその父を前にしたすずの父親十郎(声-小山剛志)が、海苔は3年前に止めたなどと近況を打ち明けていた。

すずはまだ家に帰り着かず、口の中にキャラメルの味が広がったのは何じゃろう?と不思議がっていた。

恥ずかしさと戸惑いで着物を頭からかぶり林の中でぐずぐずしていたすずは、そこにやって来た中年男性と青年の2人組から、道に迷うて…、電停はどっちかな?と聞かれる。

その後、呉に帰った先方の父親からハガキをもらった十郎が、あの後、森の中であった珍奇な女に道を聞いて無事帰りんさったそうだと読むと、それを聞いたすずは顔を赤らめる。

いよいよすずは呉に嫁に行くことに鳴り、列車で向かう途中、軍港が近づいて来ると車の戸をお閉めくださいと車掌が行って回るので、窓の木戸を下ろすが、誰か閉め忘れた物がいたらしく、蒸気機関車のばい煙が客車に流れ込んで来る。



木炭バスでは高台にある北条家までは登って来れず、出迎えた小林の伯母(塩田朋子)を相手方の義母と間違えたすずはこれから宜しゅうお願いします…と挨拶してしまう。

伯母は笑いながら、周作の伯母の小林ですと自己紹介する。

北条家の家に上がり込んだすずは、一緒に来たすみからもんぺを脱いで着物を見せたら?と言われたので、座敷の中でもんぺを脱ぎだし、キセノらを慌てさせる。 先方は周作の兄が来れんので残念ですと言う。

結婚式の最中、すずは隣に座った夫になる北條周作(声-細谷佳正)が緊張しており、全く出された馳走に手をつけない事に気付く。

式の後、また来るけんのと言って去って行った女性を、すずは誰なのか思い出せなかった。



北条家の両親に改めて挨拶をしたすずに、周作の母のサン(声-新谷真弓)は、足を痛めとるけん宜しくな…と、布団の中から答える。

食事の支度を始めたすずに、径子に焦がすなと言うても焦がすがすもんで…とサンが言い、径子とは嫁に言った周作の姉の事だと教える。

すずは、先ほどまた来ると言って帰って行った女性がその径子だったことを知る。

そんな中、砲声が聞こえる。

軍艦の哨舎訓練じゃと周作の父北條円太郎(声-牛山茂)は呟く。

いよいよ夫の周作と同じ寝室で休む事になったすずは、母のキセノから教わっていた通り、周作が傘は持って来とるかと聞いてきたので、はい、にいなの傘を一本と緊張して答えると、ちょい貸してくれと言われる。

周作は、その傘の柄を使って、軒下に下がっていた吊るし柿を引っ張り込み、腹減ったの〜と言いながら一緒に食べ始めたので、昼間何も食べんされんかったでしょうと宴席での事を思い出しながらすずは答える。

そして、ずっと気になっていた事を聞きたくなったすずは、うちら、せんにお会いしましたか?と聞くと、覚えとらんか?昔からここにほくろがあった…と言いながら、すずの顔を自分の顔に近づけた周作は、そのままキスをする。

翌朝、早起きしたすずは、サンから下のりんぱで共同の井戸があると聞き、水汲みに出かけると、すぐに朝食の準備を始める。

朝食時、兄洋一に宛てたハガキを書きかけ、新しく嫁いだ家の住所が分からなかったすずは、ここは呉市の何番ですか?と聞き、表札に書かれている住所を円太郎から呆れたように教えられる。

すずはそれでも徐々に主婦としての仕事や近所付き合いを覚えるようになり、回覧板を受け取ったり、水汲みに言った時、担いでいた天秤棒を一緒に歩いていた主婦達に次々にぶつけ倒してしまうなどのへまもやる。

夜は近所の主婦達と連れ立って、寒い部屋の中、焼夷弾の説明などを受けるすず。

19年3月

タンスから見つけたシャレた洋服を見たすずは、周作の姉の黒村径子(声-尾身美詞)がモガ(モダンガール)だったことをサンから聞かされる。

周作が4年の時、軍縮で船作れんようになって…などとサンは良かった昔を思い出したようだった。

そんな中、娘の晴美(声-稲葉菜月)を連れて北条家にやって来た径子は、すずのつぎはぎだらけのもんぺを見て怒りだし、作れ、今すぐ!と命じる。

そして、すずに渡した米は、みやげではなく、自分と娘の分んじゃからね!と径子は念を押す。

すずはやむを得ず、着物を取り出し、それでもんぺを作ろうとするが、作り方が良く分からないので、ふすまの向こうの部屋にいた径子の着物ともんぺを盗み見しながら何とか仕立て直す。

そんなすずに、径子の娘の晴海は懐いて行く。

3時になったので、配給所へ出かけようとしたすずだったが、径子が自分が行くと言い出し、配給切符を要求する。

買い物から帰って来た径子はそのまま夕食も作り始めるが、夕食時、その飯を食べた周作は、姉さんにしては焦げとらんと褒める。

私がここにおれば良いだけよね、すずさん、広島に帰ったら?などと径子は嫌みを言う。

いつのまにか実家で夕食を食べていたすずは、夢を見とった…などと相変わらずとぼけたことを言うが、里帰りを勧められて帰って来た事を思い出す。

父の十郎は、兄の洋一からハガキが来たか?と聞くが、自分は出したけど返事はまだ来ないとすずが答えると、宛先が間違っていたのかも知れんし、お兄ちゃんは筆無精だから…とすみがフォローする。

久しぶりに一緒に入浴する事になったすみに、挺身隊ってどないした?などと近況を話し合うが、その時すみは、姉ちゃん、ハゲが出来とるよとすずの頭を見て指摘する。

すみは、海軍の将校に缶詰をもらったなどと嬉しそうに話す。

翌日、母は婦人会に出かけ、父もすみも勤めに出かけたので、1人家に残ったすずは、父からもらった小遣いで町に出て、ドームのある「広島県物産陳列館」の建物を絵に描いたりする。

しかし、気がついたら呉行きの最終列車の時間に乗り遅れた事に気付き、また実家に戻って来たので、家族は呆れる。

19年4月 呉の家にはずっと径子が居着くようになっていた。

一方、広島から帰って来てからのすずは塞ぎがちでかつての元気がなくなっていた。

港が見える段々畑の所に1人来たすずは、タンポポの綿毛を拭いたりして時間を過ごす。

そこに夫の周作が帰って来て、花摘みよったんか?と聞いて来たので、晩ご飯のおかずにならんかと思うて…などとすずはごまかすが、広島が恋しいんか?と周作が案じたので、なっとらんです!とすずは否定する。

そんなすずに周作は、港に入っていた航空母艦や駆逐艦、Uボートなどを色々教えだす。

その時、ひときわ巨大な戦艦が近づいて来たのですずが名を聞くと、大和じゃ、東洋一の軍艦じゃ、乗員ざっと2700人と周作は自慢げに教えてくれる。

すずは感激し、立ち上がって大和を良く見ようとするが、段々畑の足下が崩れバランスを崩しかけたので、慌てて周作が支えようとするが、一緒に下まで滑り落ちてしまう。

怪我はなかったか?とすずを案じた周作だったが、気にしよったらハゲになるぞと注意する。

北条家では、晴海が径子に墨貸して、すずさんのハゲ隠すなどと言っていた。

みんな、すずのハゲの事に気付いていたのだった。

径子と晴海が帰った後、すずは配給がさらに減った事を知る。

メザシ4匹で一家4人分だった。 すずは、近所に咲いている野草の中で食べられる物を見つけ出し、何とか食事の足しにすべく工夫をするようになる。

ある日、米の量を増やすべく、楠木正成が考案したと言う「楠公飯」と言う物を作ってみる事にする。

一晩蒸らしたその飯は、確かに膨らみ量が増えたように見えたが、翌朝全員が口にしてみた所さすがに食べれた味ではない事に気付く。

サンなどは、あれを喜んで食べた楠公はほんまの豪傑なんやろうねなどと皮肉を言うくらいだった。

その夜、空襲警報が発せられる。 しかし円太郎は、哨戒は九州が良い所じゃとまるで敵機が来るのを信じていないし、周作も、建物疎開じゃのなどと言うだけだった。

ある日、径子がかまどに焚き木をくべていたすずの台所にやって来て、焚き木ならなんぼでもあるで、夫の家は建物疎開で一課ごと下関に移ったので、離縁して来たと言い出す。

北条家では、空襲に備えて防空壕を作るが、その入り口の柱を見た径子は懐かしげだった。 19年7月 すずは晴海と一緒に段々畑から港に停泊中の軍艦を見ていた。

軍艦に詳しい晴海は、あれは利根よ、お兄さんに教えてもらったのと言う。

それを聞いたすずも、うちも教わったと笑い、港に接近して来た小さな船に気付くと、あれは内河底じゃねと晴海が言い当てる。

すずはお返しのつもりか、あの大きな雲は鉄床雲と言って間もなく大雨になりますと教えるが、その後、その言葉通り大雨に降られてしまう。

すずは周作と2人で防空壕の入り口の所で雨宿りするが、軍艦が好きなんですねとすずが話しかけると、晴海に教えたのは私ではなくヒー坊じゃと言いながら、周作は入り口の柱に使った実家の柱に刻まれた傷を指差す。

子供の頃、背比べをした傷のようで、久男という名前が掘ってあるのがヒー坊なのだとすずは気付く。

その時、周作がキスして来たのですずは無言で受けるが、雨が上がったのに気付いた円太郎とサンが防空壕の闇の中から出て来たので、家までの帰り道、すずと周作は気まずい思いをする。

すずと周作の仲の良さに当てられた径子は不機嫌になる。

径子は黒村時計店の息子と結婚したのだが先方の両親と折り合いが悪く、さらに夫には早く死なれ、さらに今回建物疎開でその店までなくしたので相当答えているのだろうとサンが教える。

そしてサンは、みんなが笑って暮らせたらええのにね…と呟く。

野菜を見てきますけえと言い残し、家を出たすずは、いつもの港が見える段々畑の所に来ると、座って港に浮かんだ大和などの軍艦のスケッチを描き始める。

そこにやって来たのが2人の憲兵で、すずの背後から近づいていきなりスケッチを取り上げると、海岸線や軍艦を描いていた事から間諜の疑いがありとして家に連れて来られる。

すずの夫周作が軍法会議の下っ端という事もあり、家の中に乱数表がないか?監視の目を光らせろ、嫁と言っても所詮は他人じゃからの…などと献杯2人は、家にいたサンと径子にこんこんと注意して帰る。

その後、周作が帰宅して来て、すず達の様子がおかしい事に気付く。

サンと径子は泣いているのかと思ったが、実は笑いをかみ殺していたのであり、すずさんが間諜なんて!と大笑いする。

すずは、みんなが笑って暮らせたらええのにね…と呟いたサンの言葉を思い出す。

その後、帰宅して来た円太郎もその話を聞いて大笑いするが、すず本人は、みんなが笑えるのに、うちだけが…と、小さくなっているだけだった。

ある日、豆腐を買って帰っていたすずは、地面にかがみ込んでいた晴海に躓き、小鉢に入れていた豆腐を落としかける。

何をしているのかと聞くと、晴海はアリコさんを見ていたのだと言う。

一緒にアリの長い行列を伝って行くと、銭湯が自分の家の台所の砂糖壺に続いている事が分かり、高価な砂糖を奪われては大変と、慌ててアリコさんに見つからん所へ壺を隠そうとする。

しかし、その後、サンの前にやって来たすずと晴海は、すかりしょげた様子で、水の上なら蜜から蘭やろうと思い、砂糖壺を水瓶の中に浮かべようとして、壺ごと水に沈没させてしまった失敗談を打ち明ける。

それを聞いたサンは金をすずに渡し、これ持ってヤミで買うてきんさいと言う。

いつもと違う道を行き、初めて闇市という物を見たすずは、そこに何でも揃っている事を知りたまげる。

台湾米や絵の具もあった。 砂糖は一斤20円だというので、すずはさらに仰天する。

今月の生活費とへそくりを会わせても25円しかなかったからだ。

今に150円くらいになり、靴下も3足4円になるかも知れず、そうなったらどうやって生きて行けるのかとすずは悩む。

そうこうしているうちに、すずはここは一体どこね!と周囲を見て立ち止まる。

又、道に迷ってしまったのだ。

人に聞いても要領を得ず、いつの間にかしゃがみ込んで地面に色々落書きしていたすずだったが、その絵に興味を持ったのか、遊郭の前で水を撒いていた娘白木リン(声-岩井七世)が話しかけて来る。

すずが大人なのに迷子になった事を知ると、ここら辺の人は地元の人ではなく知らん人ばかりと説明し、遊郭の先輩から道を聞いてすずに道順を教えると、リンは小さな紙と鉛筆を渡し、すずにスイカやお菓子などの絵などを描いてくれとねだる。

ハッカやわらび餅、ウエハース付きのアイスクリームと書いて欲しい物をねだられたすずだったが、アイスクリームの事は知らなかった。

自分は子供の頃、スイカを食べた事があるとリンは言う。

その絵が完成する前に、遊郭からその娘にいつまで油を売っているのか?と叱る声がしたので、今度描いてきますけんとすずが言うと、リンは、ええよ、この辺は再三来るような所じゃないからと言い残し店に帰って行く。

何とか帰宅したすずは、径子に、ウエハースが付いたアイスクリームってどんなものでしょう?と聞く。

径子は懐かしそうにアイスの説明をし終わると、水瓶の水を飲み、甘い物の話をしていると、ただの水も甘う思えて来るね〜などとしみじみ言うので、砂糖壺を沈ませたとは言えないすずはばつが悪くなる。

ある日、近所の主婦が北条の嫁さんに電話じゃと知らせに来る。

それは夫からの呼び出しだったので、慌てておしろいを塗りたくったすずは、夫の勤め先である「呉鎮守府軍法会議」に出向く。

入り口から出て来た周作に、電話で言われた帳面を渡したすずだったが、周作はすずの顔があまりに白いので大丈夫か?と案ずる。

急ぎでもないのに帳面を持って来てもろうたんじゃ、歩こうか?と周作が言うので、後ろを向いたすずが怒ったのかと思いきや、しみじみ喜んどるんじゃと言う。

映画でもと思うたが、大きな船が帰って来たのか満員の人だかりだったので諦める事にする。

すずも、小学校の同級で海軍に入った昔知っとった人に会うたら恥ずかしいからなどと言う。

橋の上にやって来たすずは、今の生活は夢さ思とるんじゃが、今冷めたら面白うない…、今の方がええが思うんですとしみじみ語ると、すずさん、あんたを選んだのは最良の選択だったと思うとると答えた周作は、すずの身体を案じる。

するとすずは、最近は食も進まんな…などと言い出し、何事かに気付く。

それを知った径子は2人分の食事をすずに出すようになるが、どうやらその想像はすずの勘違いだったようだった。

19年12月

軍艦青葉に乗っている水原哲がある日、北條家にやって来る。 同郷のすずの様子を見に来たのだと言う。

風呂上がりの哲に周作は、マニラで負傷して帰ってきました。

死に遅れるというのも焦れる物ですねなどと話すが、周作は、父が夜勤で戻って来ない以上自分が家長なので、あなたをここに御泊めする訳にはいかんと言い、納屋に行かせる。

そして、すずには、あんたにも強気のときがあるんやな…と哲に対する態度の感想を言うと、あんかを納屋に持って行くように勧め、もう会えんかも知れんからの…と言い聞かせる。

納屋に敷かれた布団を前に、こんな所で寝かせて…と恐縮したすずだったが、哲は足を中に入れて積もる話をしようと誘う。

土産じゃと言う白い鳥の羽をもらったすずは、その根元を削って羽ペンにすると言う。

船上を飛んでいた鳥はサギに似とったが、江波じゃ立っとるもんやと思うとったと哲は言う。

羽ペンで絵を描こうとしたすずが思うように描けんというので、久しぶりなんか?絵を描くの…と案じた哲は、小学校の図画の時間、波のウサギをすずに描いてもらった後大変だったと打ち明ける。

あの絵は広島市の大会に出品され受賞したので、俺が描いた事になってしまって困ったのだと言う。

そして哲はすずとキスをし、すずはぬくいの…、すずは柔いの…、すずは甘いの…とささやいて来るが、すずはぱっと身を離し、水原さん、うちはあんたが来るのを待ちよった日があった。でもうちはこんなあんたに腹が立って仕方がないと言う。

それを聞いた哲は、あの人が好き何じゃな…、お前はたまげるくらい普通じゃの…、ほんまに連れて帰らんでもええのか? わしは今、4つ上だった死んだ兄ちゃんと同じ年じゃ。うちは貧乏だったから海軍兵学校に入った。わしはどこで道を外したんやろう?お前だけはこの世界で普通でいてくれ…とすずに言い残し、哲はそのまま泊まる事なく帰って行く。

その後、すずの兄浦野洋一の遺骨が実家に届いたというので広島の実家に周作と共に戻ったすずは、お帰りお兄ちゃんと声をかける。

骨壺の中には石が一つ入っているだけだったと言う。

帰り道、この間、水原さんと話す時間をくれてありがとうとすずが周作に話しかけると、夫婦なのに、わしにはあんな怒り顔を見せんくせにと周作は不機嫌そうに答える。

するとすずも、そいで今日はあんな穴のほげた靴下はいて来たですか!と言い返し、駅で口喧嘩が始まったので、それ、今せんといけん喧嘩ですか?と呆れたように駅員(渋谷天外)が言う。

呉に着いたのはもう暗くなった時刻だったが、又、道を迷うたですか?と周作はすずに嫌みを言う。

その冬は雪が多かった。 20年3月 いつもの港が見える段々畑の所で、晴海と歌を歌っていたすずは、学校は怖くない。

うちもみんなから優しゅうされているし…と言い聞かせるが、うちのお母さんも?と晴海はすずを案じて聞く。

その時、突如ラッパが鳴り響き、空襲が始まる。 急な事態で動揺したすずは晴海に防空頭巾!と指示を出しただけで呆然と立ち尽くしていた。

目の前で繰り広げられる爆発を見ていたすずは、今ここに、絵の具があれば…と一瞬考えるが、すぐに、うちは何を考えとるんじゃ!と心の中で否定する。

そこに義父の円太郎が帰って来て、影に入れ!砲弾の破片が当たる!とすずと晴海に声をかける。

上空を飛ぶ戦闘機を見上げた円太郎は、わしらの4000馬力は良い音がしとる…、旧式の500馬力から始まって、ここまで来たか…と感慨深げに呟くと、守るも攻めるも鉄の〜♩と歌いだすが、敵は何馬力なん?と晴海が聞くと、円太郎は答えず、地面に倒れ込んでいた。

すずと晴海は、円太郎が死んだと思いショックを受けるが、実は、夜勤明けの疲れがたまり、倒れ込んで寝込んでしまっていただけだった。

その頃から頻繁に空襲警報が発せられるようになり、夜中でもすずたちは、火の始末をしたり、障子を外したりする事になる。

すずは4月頃、飛行機雲を初めて見る。

5月5日

洗濯物が煤で汚れているのに気付いたすずは困ったように取り込む。

周作が帰って来て、父ちゃんは?と聞くので、まだと竃の前にいたすずは答えるが、すずさん、吹いとるぞと周作は煮こぼれている釜の事を教える。

その後、縁側ですずと2人きりになった周作は、すずさんはこまいの〜、立ってもこまいの〜と、すずの身体が小さい事をからかうように言いながら、自分も一等兵曹になって戦闘に参加する事になったので、三月は戻れん。

その間、こないこまい身体でこの家を守りきれるか?と切り出す。

驚いたすずは、絶対無理です!と言うが、その直後、ごめんなさい、嘘です!と訂正し、あんたが好きです。三月も会わんと顔を忘れるかも…と言い出す。

5月14日

すずは周作の顔を忘れないようにスケッチするが、周作が見せてくれと頼むと、いけん、いけん!重要機密ですけん…とすずは恥ずかしがってみせなかった。

5月15日

いよいよ周作が軍隊に入る日が来る。

6月2日

長らく帰宅しなかった父の円太郎が、実は焼夷弾で頭を負傷し、入院していた事を知った径子は、見舞いに行った帰り、時計の修理を頼まれたので、この際、下関の黒村の家に行こうと思うと打ち明けたので、晴海は、学校は?と聞く。

円太郎の見舞いがてら、駅に着いて行ったすずは、径子が切符を買う列に並ぶので、その間、晴海を連れてってと頼まれたので、暗い表情の径子に、竹槍があるやないですかと妙な励まし方をする。

すずと手をつないで近くを散歩する事になった晴海は、下関は遠い?広島より遠い?と聞いて来る。

円太郎が入院していた円太郎を病室に見舞うと、敵性音楽のレコードがかかっており、円太郎は、海軍は陸軍に吸収されるらしいとか、大和が沈んでしもうたなどとすずに教える。

病院を出た後、晴海が船が見たいなどと言うので、遠回りしかけたすずだったが、その時、突然空襲警報が鳴り響く。

すずさん、怖い!と晴海が怯えるので、すずは見知らぬ町にも関わらず、近くの防空壕に入れてもらう。

空襲が間近で始まり、すずと晴海は怯えるが、何とか空襲を免れる事が出来た。

外に出て、家を壊された住民が呆然と家を見守っている所に来て、水を分けてもらう。

その時、半鐘が鳴りだし、火災の煙が凄く、先の方が全く見えなくなっている事に晴海は気付く。

そんな中、近くの消防団の男らが、時限爆弾の可能性があるから逃げなさいと呼びかけていたのが聞こえたので、すずは爆弾の穴のすぐ側にいる事に気付き、以前、時限爆弾の講習を受けていた事を思い出す。

思わず晴海の手を握りしめたすずだったが、次の瞬間から意識を失ってしまう。 右手に晴海さんがおったけど、反対じゃったら良かったのに…などともうろうとしていたすずは考えていた。

しかし、実家で寝かされていたすずは右手の先を失っており、晴海はいなかった。

ごめんなさい、お姉さん!と負傷したすずは側にいた径子に詫びるが、径子は娘を失ったショックから、あんたが付いていながら…、人殺し!とすずを罵倒する。

径子が部屋を出て行った後、残っていたサンは、あの子も動転しとって…、本気で言うとりゃせんよとすずを慰める。 あの時、近くの板塀の中に飛び込めば良かった…などとすずは自分を責める。

6月28日

右手の先を失ったすずは、家事が満足に出来なくなり、空襲警報が鳴っても、ガラス戸を外すのはサンの仕事になる。

照明弾が落ちて来て、家の中で燃え始めた中、サンはすずに、早うお出で!と外に逃げるよう声を掛けるが、呆然と家の中で燃え続けている焼夷弾を見つめていたすずは、突如声を上げて布団をその上にかぶせ、泣きながら水をかけ始める。

径子が駆けつけ、何とかすずの興奮を鎮めるが、このすずの働きで、何とか北條家は屋根に穴が開いただけで焼けるのを免れる。

呉の皆さん、頑張ってください!広島より握り飯が届いております!と呼びかける広報車が通る。

床下の芋が焼けとったとか、旭町より、遊郭の辺りは全部焼けたなどと言った噂が聞こえる中、周作が戻って来たので、良かった!会いたかった!生きとって…と喜んだすずはそのまま気を失ってしまう。

熱にうなされていたのだった。 その後、その熱も引いたので、サンらは良かったと言ってくれるが、右手を失ったすずは、どこがどう良かったのか、良う分からなかった。

7年前、海にウサギを描いたり、色んな事をして来た右手を失った事をすずは寝床で考える。

そんなすずを見舞いにすみがやって来る。

7月2日

空襲で全滅した一画を見たすみは、酷いね…、呉は何遍も空襲受けて気の毒やわ…、すずちゃん、広島に帰って来たら?もうお兄ちゃんもおらんし、いじめる人もおらんし…、来月6日は江波のお祭りだから…と勧める。

その時、すずは、お兄ちゃんが死んで良かったと思うてる自分が歪んどる…、左手で描いた絵のように…と感じる。

その後、拭き掃除をしようとバケツの雑巾を懸命に絞ろうとしていたすずの側に来た径子が、黙ってその雑巾を取り上げ絞ってくれる。

7月28日

また空襲警報が鳴る。

その時、庭先にサギが舞い降りて来たので、それを見たすずは、来たらいけん!今ここに来たらいけん!そっちじゃ!山を越えたら広島じゃ!と呼びかけながら、サギを追い払う。

その時、敵機が迫って来て機銃掃射を受けたので、駆けつけて来た周作が、死ぬ気か!とすずの身体を押し倒しかばってくれる。

サギが飛びよりましたの…と呟いたすずは、周作さん、うち広島に帰りますと言うと、戻って来んつもりか?晴美の事気になっとるのか?などと周作は聞いて来る。 そうです!違います!と混乱するすず。 勝手にせい!と周作は切れる。

その9日後 警戒警報解除!の声が聞こえる中、サンの背中をさすってやっていたすずに、寂しいね…、すずさん、おらんようになるのは…とサンは語りかける。

で、何時からね?病院はと径子が聞いて来たので、10時頃ですとすずが答えると、その格好で拝見と言い出した径子はすずを着替えさせながら、今日なんね?あんたの里の祭り?と聞いて来る。

病院の予約が今日しかないんで、どうせ間に合いませんよ…とすずが答えると、妹さんのもんぺ、直しておいたよと土産に持たせた径子は、悪かった…、晴美の死んだのをあんたのせいにしたりして…、空いた人を早く亡くし、店も疎開でなくしたもんでな…、そいでも自分で選んだ道じゃ…と径子は言う。

すずさんにはいて欲しいけど、ここにいてもつまらん気がする。自分で決めるんじゃな…と径子が言いかけた時、外で強烈な光が炸裂する。

雷じゃないか?などと近所の住民達も山の方を見やって叫ぶ。

そんな中、すずは思いあまって、ここへおらしてください!と径子にすがりつくので、分かったから!暑いでしょう!と径子はつっけんどんに答える。

その時、何か地響きが伝わって来る。

ラジオのスイッチを入れた円太郎は、JOFKは何にも聞こえんと言い、縁側から外を見ると、こっちに来てみい!と叫ぶ。 山の向こうの広島の方角に見た事もない巨大な雲がわき上がっていた。

何じゃ?あの雲…と戸惑う近所の住民達。 大きい雲じゃろう?鉄床雲よ…といつか晴美に教えたときの事を思い出すすず。

何か落ちとる思うたら、広島のか…と付近に落ちていた物を見て驚く住民達。

道が溶けていたら、靴も下駄も役に立たないだろうと、婦人会では草鞋を作る事にする。

夜帰宅した周作は、広島に落ちたのは新型爆弾らしい。鎮守府からも救援が出とると教える。

翌日、木の上に引っかかっていた障子を見つけたすずは、あんたも広島から来たんね?と呼びかけながら下ろそうとする。

ユーカリの葉を集めて持って行くと、近所の主婦達は、座ったまま亡くなっていた人の服も顔もぼろぼろで…と噂していた。

8月9日

ここにおらしてください、ずっと…とすずは北條の家の者達に願い出ていた。

周作はそんなすずを、アホ!と叱りつける。 そんな周作に家の中からすずは、紙を丸めたつぶてを投げつけるが、竹刀でそれを受けようとした周作は一つも当たらなかった。

8月15日

すず達北條家の一家は、揃ってラジオの前に正座し、玉音放送を聞いていた。

戦争に負けたってことかの?広島と長崎に爆弾落とされたし、ソ連も参戦して来たし…と家族が話すのを黙って聞いたいたすずは、突然、その覚悟やなかったんですかね!と絶叫し、径子は晴美〜!と亡くした娘を思い出し泣き始める。

外へ飛び出したすずは、何もしらんと死にたかった!と叫んで泣き出す。

その後、サンは、卿は何も混ぜんと食べようと言いながら、取っておいた米を取り出す。

これからずっと食べて行かねばならなかった。

周作がまだ帰宅していないと知った円太郎だったが、先に頂こうやと言い、久しぶりの白米のご飯をおかずなしで食べる。

もう爆弾が落ちんから、魚も浮かんね…などとサンは冗談を言う。

せっかくの白い飯が見えんじゃろうと言い、立ち上がった円太郎は、電球の遮蔽膜を取り外す。

10月6日

ある日、周作を見送りに出たすずは、わしらは秩序を守るのがホームの仕事じゃ、ここはええ、早う家へ帰れ、わしは帰ってきます、すずさんの所へ…と言って出かけて行く。

その後、径子と買い物に出かけたすずは、米も塩も何もなくなっている状況を知るが、そんな中、行列ができていたので並んでみると、占領軍の残飯で作った雑炊だと知る。

椀の中には紙切れまで混じっている不潔さだったが、口にした径子とすずは、旨!と思わず叫んでしまう。

しかし、家での夕食はぜんぜん味がない物だった。 ある日、進駐軍の兵隊からチョコレートをもろうたと言いながら志津が帰って来ると、その髪型じゃ子供と間違えられてんじゃろうと径子は言う。

近所の主婦が、安保館にいた自分の息子に気付かなかったと嘆くので、残念です…とすずは同情しながらも、いつの日か、お前だけはまともでいてくれと言っていた水原哲の言葉を思い起こす。

すずは、死んで行った晴美や哲に語りかける。

うちは笑顔の入れ物なんです。

21年1月

すずは久々に広島の実家に帰る。

すみは原爆病で寝込んでいたが、気丈にも冗談を言って姉を出迎える。

すずは、哲さんは南方でワニのお嫁さんをもらったに違いないなどと冗談を言い、江波に帰っとるかねと呟く。

具合悪いん?とすずが聞くと、すみは、お母ちゃんはお祭りの日、1人で町に出たきり帰って来ないし、父ちゃんは10月に倒れた、知らせんでごめんねと言うと、変色した自分の腕を見せ、直るかなと呟く。

直るよ!直らんとおかしいよ!とすずは励ます。

帰り道、町に出て、原爆で破壊されたドームを見ていたすずは、見知らぬ人から呼び止められる。 みんな誰かを探していたのだった。

その直後、すずは自分を迎えに来た周作に出会う。

2人は初めて出会った橋の上に来る。

こんな世界の片隅で、うちを見つけてくれてありがとう…、これからもずっと側においてくださいとすずは周作に頼む。

そんな2人の背後を、いつか出会った人さらいが籠を背負って通り過ぎて行く。

その籠の中から顔を出したワニが手を振っていたが2人は気付かなかった。

人気のない焼け跡を、片手にガラスが無数に突き刺さってちぎれた母親に手を引かれ、汚いなりの女の子がベンチに座る。

やがてその母親は死んでいた。 腹をすかせたその女の子の元に一個のおにぎりが転がって来る。

それは、すずと周作が食べていた弁当の一部だった。

女の子はその握り飯を拾い上げすずに手渡そうとするが、良えんよ、食べんさいとすずから言われたのでむしゃぶるように食べる。

そして、手先のないすずの手にいつしかしがみついていた。

すずと周作は、その孤児となった女の子を連れ呉へと戻る事にする。

呉に着いた周作は、孤児の女の子に、呉の町の山々を教える。

北條家に帰り着くと、全員がかゆがりだす。 孤児の女の子がシラミを持って来たのだった。

急いで風呂を沸かし、女の子を入れてやる事にする。

女の子を着替えさせ、エンドロール

編み物を成長した女の子に教えたすずは、径子のワンピースを作り、残りの布で女の子と自分の服も作る。

白木リンが成長する姿を鉛筆画で描く。

スクリーンの端にこちらに向かって降っている片手が写る。
 


 

 

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