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不良番長 一網打尽

梅宮辰夫主演「番長シリーズ」の15作目。

ダブルアンヌ(真理アンヌさんと「ウルトラセブン」の友里アンヌ隊員ことひし美ゆり子さん)が出るだけではなく、誠直也さんまでちらり登場しているし、劇中で、仮面ライダーネタを山城新伍と鈴木ヤスシが掛け合いでギャグにしていたりで、テレビヒーローもの全盛だった時代を感じさせる。

特に、ヤクザに良いように利用されたあげく、神坂達に助けられながらも足を引っ張ってばかりいる哀れなトルコ嬢を演じるひし美ゆり子さんの儚げなキャラクターと度胸の良い脱ぎっぷりは見物。

翌年の「ポルノ時代劇 忘八武士道」(1973)よりインパクトが残る役かも知れない。

東宝の新人女優でテレビの特撮ヒロインまでやった人が、ポルノ全盛だった当時、こういう仕事しかなかったという事が痛々しい。

当時の映画界に嫌気がさし引退した女優さんも多かったと思うが、臆せずチャレンジしたひし美さんの勇気に感心する。

惜しげもなく披露したひし美さんの肢体はすばらしい。

丸眼鏡に模様柄のジャケットと、どことなく名探偵コナンを連想させるようなキャラクターで登場する鈴木ヤスシさん、さらにコーヒー党のヤクザを演じている藤竜也さんの渋さなども見物。

主人公の梅宮辰夫さんとコミカルな相手役を毎回務めている山城新伍さん以外は全員あっけなく死亡する事が多いこのシリーズ、最後に楽屋落ち的なことを言っている辰兄いのセリフが自虐的で笑える。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
1972年、東映、松本功+山本英明脚本、野田幸男監督作品。

モトクロスレース

ハーレーに乗って町を走る神坂弘(梅宮辰夫)の勇姿などを背景にタイトルとキャスト,、スタッフロール

クラブで踊るアフロヘアの黒人女性

そんなクラブの中で苦しげな女の姿。 外に出たその女は路地にいた1人の売人からマリファナを買うと、高い入場券ね…、天国へのね…と言い残して戻って行ったので、何度吸っても天国に行けるか!と売人は馬鹿にしたように吐き捨てる。

そこにやって来た神坂とサブ(誠直也)は、地獄へは行けそうだがな、マリファナなんて売りやがって!と売人を脅すように近づくが、そこに助けに駆けつけたのはこの辺一帯を仕切っている大東共友会の連中だった。

形勢不利と気づいた神坂とサブはその場を逃げ出そうとするが、サブは捕まりドスで腹を突かれてしまう。

そんなサブを抱え、側に停まっていたマイクロバスに飛び乗った神坂は、車を発車させその場を逃げ出す。

人気のない草むらにやって来た神坂はバスを降り、サブを抱えて隠れるが、出血多量のサブは、兄貴、逃げてくれよ!と神坂に声をかける。

暗くなるまで我慢しろ!と神坂は励ますが、座り込んだサブに黒猫が近づいて来たので、それを抱き上げ、こいつと一緒に化けてやるぜ…と言い残したサブは息をしなくなる。

サブ!と呼びかけた神坂だったが、もう息をしてないと知ると、勘弁しろよ!とその場にサブを残し、又、追って来た共友会の連中から逃げ出す。

前方から近づいて来た車のボンネットから屋根に乗った神坂は、近づいて来たパトカーの屋根に飛び移り、そのまま交番に飛び込むと、自分は壁に貼ってあった、恐喝、婦女暴行の罪で指名手配中の神坂弘だとその場にいた警官達に名乗る。

交番の入り口まで追って来た共友会のチンピラ達も、さすがに交番の中に足を踏み入れる事は出来なかった。

かくして神坂は多摩刑務所に入所し2年が経過する。

601号こと神坂は刑期2年、601号こと力石一(藤竜也)は刑期5年のお勤めを無事勤め、同じ日に出所する事になり、所長から最後の励ましの言葉を送られていた。

しかし力石の方は、暴力を止めろと言われても暴力団と言うくらいですから約束できないなどと反抗的な返事を下ばかりに所長の逆鱗に触れ、出所を取り返す!と言われてしまう。

一方、無事出所した神坂の方は1人歩いて帰っていたが、その時、背後から近づいて来た車に乗っていた狙撃手に発砲される。

一瞬早く気付いた神坂は、路肩に停めてあった車の影に隠れ難を逃れ、畜生、共友会の野郎!と神坂は、手に持っていたため銃弾で穴が開いてしまった上着を恨めしそうに見ながら悔しがる。

その後、共友会に戻って来た狙撃手から人違いした事を聞いた組幹部の三木(八名信夫)と西島(室田日出男)は激怒する。

力石を狙撃したつもりが、人違いだったと報告した子分達は三木から殴りつけられる。

そこにやって来たのが、左手を包帯で吊った神坂で、人違いだと西島が軽くあしらおうとするが、全治二か月、治療代1千万寄越せ、ムショに入る前、サツに痛めつけられたが、ムショにいる前、お前達の悪い事を一言もしゃべらなかった。

それだけでも1千万の価値はあるぜなどと言って来たので、黙って聞いていた西島はつまみ出せ!と子分達に命じ、力石の一件を会長に報告するため電話をする。

大東興業の看板がかかったビルから出て来た神坂は、大東共友会、笑わせるぜ!こうなったらとことん食らいついてやるとビルを睨みつける。

その後、三木とプールで遊んでいる女性を確認した神坂は、女性が1人になった時を見計らい、真弓ちゃん!俺だよ、弘だよ、幼なじみなんだけけどな、手間取らせるなよと勝手に話しかけ、いきなり安ホテルに誘う。

神坂は寝室に出現したゴキブリを潰すために、素っ裸でベッドの周囲を動き回る。

サブ、覚えてるだろう?あいつ、死んだよ…、3人で御医者さんごっこやったじゃないか。君が間者役で、俺が産婦人科、あいつが肛門科だったかな?などと神坂がベッドの真弓に話しかけると、忘れちゃったわと真弓は答える。

今はモデルをやっており、サンローランから声がかかっているのなどと真弓は近況を自慢げに教えて来たので共友会からも声がかかっているだろう?あそこは賭博もやっているんだよな?と聞いた神坂は、抱きついた真弓の頬に、火の点いたタバコを押し付けようとしながら聞く。

クラブでは、アパッチ(安岡力也)、シック(久保浩)、ジャブ(鈴木ヤスシ)、金庫(岡崎徹)、ケン(工藤正見)、ロッキー(車英二)ら不良グループが、見せの中で踊っていたアベックを襲い、女の方にいきなりアパッチがキスをすると、男からは見せつけ料を要求していた。

店の奥のドアの覗き窓の所に来た真弓は、中の見張りにウィンクをしてみせる。

見張りが開けてやると、真弓の後ろから入って来た神坂が見張りの背後にライターを押し付け、動くな!と銃に見せかけて威嚇し黙らせる。

部屋の中では三木などがいる中、ルーレット賭博が行われていた。 神坂は室内の電気のスイッチを切り、中の区画で着替え中だった女の衣装を奪うと、それに積んであった札束を包み込み逃げ出す。

裏口から出て、札束をゴミ集積所にあった別の袋に詰め直していた時、オイチイことやってますね、お兄さん!と笑顔で近づいて来たのがアパッチだった。 神坂が殴り掛かろうとすると、暴力は止しませんか?味方だと思うんですけどねと言っていたアパッチは、裏口から共友会の連中が飛び出して来ると、仲間を呼び寄せ、相手を殴りつけておいて一斉に逃げ出したので、神坂も一緒に逃げる事にする。

アパッチ達の根城は廃品が置いてある倉庫だったので、お前らバタ屋か?と神坂は驚くが、おじさん、古いよ、今じゃ廃品回収業て言うんだ、ポルノ解禁の世の中だよと言いながらヌードが載ったグラビア誌などサービスのつもりか神坂に見せつける。

お毛毛が見えないじゃないかと神坂が文句を言うと、アメリカの話さとアパッチは言い、ムショに2年も入ってたんだと言う神坂に、分け前をもらいたい、さっき助けてやったでしょうと言い出す。

分け前?1人で逃げようと思えばいくらでも逃げられたんだと答えた神坂は、仲間の1人が取り出したカミソリを奪い取ると、アパッチの顔のすぐ横の壁に投げつけてみせる。

神坂がただ者じゃないと分かったアパッチは、銭だけじゃないでしょう、一緒の仲間に入りませんか?と神坂を誘う。

実は共友会は盗品商売もやっており、関西に売りさばいている。盗んだ所でもともとギった物だから、向こうも騒げないはずです是とジャブが情報を教える。

兄貴の知恵とペテンで何とかなりませんか?とアパッチがお世辞を言って来たので、神坂は乗り気になり、アパッチ達はその場で三本締めをする。

その頃、共友会の事務所に連れて来られた真弓は、三木から賭博場に連れ込んだ神坂の素性を殴られながら聞かれていたが、本当に知らないのよと真弓は泣き出す。

西島がいい加減にしろ!三木!こんなことが起きない算段をするんだなと説教をしていると、その通りと言いながら部屋に入って来たのは出所して来た力石だった。

力石は泣いていた真弓の側に来るとその顔をじっと見つめる。 長い間、ご苦労だったとそんな力石を鷹揚に出迎えたのは、共友会会長の大滝栄之助(内田朝雄)だった。

薄汚ねえ匂いがして来たな…と言いながら大滝に近づいた力石は、叔父貴のいる川北組を助ける条件で深川一家に殴り込みをかけたはずだが、出て来てみりゃ、川北組はお宅に乗っ取られ、叔父貴はムショで死んだらしい。どうなってるんだ?お前に騙されて人殺しをしたのか!と息巻く。

しかし大滝はそれには答えず、仕事を1つ任せたいんだ…、組織は大きくなると色々複雑な問題が出てくるんだ。しばらくのんびりとしていろと言うので、力石も、じゃあ、のんびりされてもらうか…と答え、マイカップを取り出すと、コーヒーでももらおうか、モカだ!ブレンドは口に合わないんだと言いながら椅子に腰を下ろす。

その頃、新宿の町の一画では、トルコを逃げ出したヨーコ(ひし美ゆり子)が、共友会のチンピラ2人に路上で捕まり殴られていた。

その後、そのチンピラの1人がアパッチ達の愚連隊グループに拉致され、身体の下半身を地面に埋められ、両手を縛られ、その上をバイクが飛ぶという拷問を受ける。

その内、チンピラの左手が轢かれ出血したので、アパッチ!殺したんじゃ元もこもねえぜと、涌きで見ていた神坂が注意すると、これでもモトクロスの選手だったんだぜと自慢したアパッチだったが、あいつらはど素人だがと、他のバイク乗り達の事を脅すように答えると、盗品が収まっている倉庫はどこだ!と地中に埋めていたチンピラに聞く。

チンピラはあっさり場所をゲロする。

大東運輸の倉庫を見張っていた3人は、大東運輸の者達に告ぐ!周囲は完全に包囲されている!と外からハンドスピーカーの声が聞こえて来たので、サツの手入れか?と思い、外に出た所を、待ち受けていたアパッチの仲間達に殴られ全員気絶してしまう。

倉庫の中の盗品の山を見つけたアパッチの仲間達は大喜びし、デパートみたいだ!と浮かれ出す。

神坂はそんな仲間達に、早く金目の物を集めろ!と命じる。 その盗品を売りさばいて得た50万で、彼らはクラブ「コンコルド」に遊びに行くと、全員女性デザイナーデザインの奇抜な衣装で歌って踊りだす。

ステージでひとしきり踊った彼らは、テーブルに座っていたデザイナーの先生に礼を言う。

席に付いて盗品で得た50万はたまらないぜ!と喜んでいた神坂に、602号!と声をかけて来たのは力石だった。

力石が連れていた女は真弓だった。 俺は一度惚れたら諦めない質なんだと、力石は真弓を連れている訳を話す。

いつ出て来たんだい?と神坂が聞くと、半日違いだ、酷え目にあったと話す力石はその時もコーヒー用のマイカップを手にしていた。

そんな力石に、組に戻ったのか?あの日、10時出所は俺とお前だけだった。狙われていたのは本当はお前だったんだな…と、出所後すぐに狙撃された事を神坂が打ち明けると、奴らのやりそうな事だと力石も納得する。

その時、突然、火事だ!と店内が騒ぎ始めたので、アパッチ達は逃げるどころか、チャンス到来と気づき、金庫を探すんだ!と店の奥に侵入する。

すると見知らぬ男(山城新伍)が手提げ金庫を抱えていたので、その男共々ねぐらの倉庫に連れて行く事にする。

手提げ金庫は金庫が開けるが、中に金が詰まっていたので、さすが一流のクラブだと仲間達は感心する。

しかし、一緒に連れて来た男が、店の金を返して、俺は店のヘッドマネージャーだなどと言うので、マネージャーが何でそんな格好してるんだ?あんな状況で何で金庫をあくまで持っていたんだ?と神坂が突っ込む。

するとその男は、少年探偵団諸君!自分は大阪の鶴橋にいた頃はマシンガン五郎と言われていた男だが、あの店ではキャバレー五郎と呼ばれた男だ!と息巻き、その場を立ち去ろうとするが、あっさり仲間達が仕掛けていた罠に引っかかってしまう。

よお、鶴橋の白ブタ!もう諦めろと仲間達はからかうが、俺のおふくろはスッポン芸者やど!仮面ライダー!正義の味方だ!などとキャバレー五郎が訳の分からない事を叫びだしたので、ジャブだけは、仮面ライダー?ライダーキック見せて!などと乗り出す。

五郎が倉庫の中のトイレに逃げ込んだので、銭は金庫の中ばかりじゃないぜ、銭になるぜ、仲間に入らないかと外から神坂が呼びかける。

用便をすませた五郎は紙がない事に気付き、金庫の中の一万円札を取り出すと、それで拭いて後で洗おうと思いつくが、尻を拭いた後の1万円札が臭くないので不思議がる。

振り向くと、隣の部屋に入り込んでいたジャブが、仕切りの壁に穴が空いている所から手を突き出し、五郎の尻を拭いてやっていたのだった。

サービスするから仮面ライダー見せてよなどとジャブが声をかけて来たので、気味悪がった五郎は外へ飛び出す。

すると、倉庫内に三木達共友会が入り込んで来て、手前たち、良くもうちの倉庫に悪さしてくれたな!と因縁をつけて来たので、勝手に人の家に入りやがってでけえ面をしやがって!とアパッチも切れ大喧嘩が始まる。

しかし多勢に無勢、神坂とアパッチ達愚連隊はすぐに共友会に痛めつけられ、わいは仲間やない!わいが一番の犠牲者や!などと言い訳しながら逃げ出そうとしていた五郎も手提げ金庫を奪われてしまう。

三木達が帰った後、ジャブ、出しな!とアパッチが命じると、ジャブはケツの穴に隠していた1万円札を仲間達に取り出されてしまう。

五郎もパンツの中の股間に何か隠していたので引っ張りだすと、それは店のつけの伝票だった。

仲間達ががっかりするが、それを見た神坂は、それは銭と同じものだと教える。 教会の牧師(由利徹)の前で新婦浦島花子(藤江リカ)と結婚式を挙げていた新郎桃山太郎(渡瀬恒彦)は、突然背後から、クラブ「コンコルド」に5800円のつけがたまっていますと声をかけられたので、驚いて振り向くと、そこにいたのは神坂やアパッチだった。

つけがある事を知った花子は怒りだし、牧師に誓いを確認された新郎を認めないなどと言いだすが、アパッチたちは花子の結婚指輪を抜き取って、つけの代わりに持って行ってしまう。

腹の子供はどないするんだ!と太郎に問いつめられると、堕しゃ良いんだろう!などと花子が言うので、神の前で何て事言うんだと牧師は切れる。

一方、五郎達は、生放送のテレビスタジオに入り込み、出演中の南海開発社長(福富太郎)に、同じようにクラブのつけを払えと迫っていた。

わいはキャバレー五郎と言う者や!と五郎が見栄を張ると、五郎?わいはキャバレー太郎や!と社長が怒りだす。

その後、お蝶夫人に扮した作詞家(京唄子)の家に乗り込んだ五郎とジャブは、夫の作曲家にクラブの大口のつけを払ってくれとオペラを歌うように迫るが、作詞家は夫のことなど関係ないと突っぱねるばかり。

しかしピアノをカタにもろうて行きましょうかと五郎が言い出すと、それを持って行かれたんでは仕事が出来ん!と言いながらピンカートンに扮した夫(鳳啓介)がのこのこと出て来たので、つけなんか作りやがって!頭から吸い込んだろか!と作詞家が大口を広げて空気を吸い込み始める。

その場にいた五郎やジャブも吸い込まれるコントに付き合う。 その夜、ねぐらの倉庫内では神坂がパンツに札束を突っ込んで裸で寝ていたので、五郎とジャブがベッドの両脇からその札束を抜き取ろうと手を伸ばす。

互いに気付かず、手をふれあい、慌てて両側から顔を突き出した所でキスするように顔が接近したとき、当の神坂が目を覚ましたので、慌てて、寝ぼけたんやと五郎はごまかそうとするが、寝ぼけるとカマっ気が出るのか?と神坂はからかう。

その時、誰かが倉庫内には行って来た気配に気付いた仲間達が、共友会か!と色めき立つが、おねがい!助けて!と言いながらそこにいたのは、いつか共友会に痛めつけられていたトルコ嬢ヨーコだった。

匿ってくれるなら好きなようにして!と言いながら、ヨーコはその場でオールヌードになる。

それに欲情した仲間達がヨーコに飛びつこうとするので、君たち、恥ずかしくないのか!公明正大に順番を決めるため、くじ引きしようと言い出した五郎が、全員にくじを引かせるが皆外れだったので、結局最後に残った五郎がわいの勝ちや!と言いながらヨーコを隣の部屋に連れて行ってしまう。

しかし、五郎が投げ捨てて行ったクジも外れだった事を知ったジャブが、いかさまだ!と騒ぎ出したので、こういうもんは年の順!と言い、神坂が最前列に立つと、年の順だろう?と言いながら、坊ちゃん風の格好をしていたジャブが先頭に立つ。

その直後、悲鳴を上げながら五郎が逃げて来て、あの女ガバガバな上に、メンソレ付けてビショビショや!などと報告する。

すると、飯炊きか何かで使えば良いじゃないとオカマっぽい仲間が提案する。

そんな男達の会話を聞いていたヨーコは泣きながら、タンタンタヌキのキ○タマ~♩は歌いながら外に出て行くが、そこに、おい!どっか当てでもあるのか?と声をかけたのは神坂だった。

するとヨーコは、迷惑かけても難にもお返しできないんだもの…、1日15人も客を取らされ、生きたエビを入れられたり…などと言うので、遠慮する事はねえよ、共友会に痛めつけられるだけだろう?と神坂は優しい言葉を返す。

そこに近づいて来たアパッチは神坂に笑顔で近づき感心してみせる。

昔、おめえに似た奴がいたけど、奴らにやられた…と神坂はサブの事を思い出しながらアパッチに語りかけると、さ、行こうとヨーコも誘う。

西新宿の歩道橋の上にやって来た仲間達は、手形が不渡りになったと動揺していたが、兄ちゃんがやっている事だけどよと言いながら警官(佐藤晟也)が近づいて来たので、慌てて逃げ出す。

全員、近くのストリップ小屋に入り込むと、芝居用の衣装に着替え飛び出して来たので、盗まれたストリッパー達が全裸で追って来る。

さらに、近くの公園で昼間っからレズっていた女達の痴態も覗き見る。

やがて着ていた衣装や鬘が脱げ、ほとんどパンツ一丁の姿で西新宿の駅前を逃げるアパッチ達。 とうとうへたばって倒れ込んだ彼らに追いついて来た警官は、これ、お前達の事だろう?と言いながら一枚の書状を差し出して来る。

それはクラブ「コンコルド」の失火事件の被害者達に見舞金を支払っていると言う内容だった。

警官はそれに感激したようで、善くぞ更生してくれた!近年まれに見る美談だ、警視総監賞に推薦してやるなどと言う。

その後、キャバレー王の福原と言う大物に変装した五郎とその秘書に変装したヨーコの元にやって来たのは町工場の社長前田だった。

500万を融資してくれないかと言い、担保として手形を差し出して来たので、預かっておきましょうと五郎は受け取ると、新潟の角さんとの夕食は何時からだねとヨーコに聞く。

頭の弱いヨーコは一瞬答えに窮するが、すぐに3時ですと答える。

その時、ヨーコの顔をじっと見ていた社長が、どっかで会ったことないかね?と声をかけて来たので、おっちゃん!新宿のトルコでオスペやった!とヨーコも思い出す。

それに慌てた五郎は、このこは大阪から連れて来た秘書ですと訂正し、500万は?と聞かれると、銀行手形を出しましょうと返答する。

その後、町工場にやって来た神坂達が、福原と言うキャバレー王から小切手を受け取ったが、福原などと言うキャバレー王はいないと分かったので、これを30万で買い取ってくれないかと前田社長に言葉をかける。

すると前田社長は、おい、分かっているんだぞ、お前らがパクリ屋仲間だという事は百も承知だなどと言い返し、そこに車でやって来たのは、三木や西島と共友会の連中だった。

こちらの前田さんはうちに出入りしている業者だ、ヨーコなんて使うからばれると西島は蔑むように明かすと、熱い灸を据えてやるんだ!と子分達に命じる。

神坂は、俺たちをいたぶると札に協力する事になるぜと言い返しながらとんずらするが、途中、金庫が刺されてしまう。

血まみれの金庫を抱え、何とか倉庫に帰って来た神坂達だったが、出血多量の金庫はやがて息絶えてしまう。

それを見ていたヨーコはそっと倉庫を出て行くと、泣き出す。 倉庫内では、これでパア!ヨーコを使ったのがまずかった…、使いっ走りにもならんスケだ!と五郎が吐き捨てる。

夜の町の人気がない所へやって来たヨーコは、酔客(大泉滉)相手に、股間を見せる「マッチ売りの少女」をやり始める。

そこにやって来たのが神坂で、みっともねえ真似しやがって!と酔客を追い返し、ヨーコを叱ると、せめて金庫さんのお墓くらい建ててあげないと申し訳がないじゃない…、私が来てからちっとも良い事がない…などとヨーコは言う。

金庫の墓くらい俺たちが建ててやるよ。おめえのあそこを誰に見せようがおめえの勝手だが、それでなくても泣きを見てるんだ、ちっとは大事にしなよ…、さあ行こうと神坂はヨーコを労る。

その頃、大東共友会事務所では、神戸からの役は予定通りだな?と大滝が西島らに確認していた。

神坂って奴はどうしている?いつまでのさばらしておくつもりだ?今度の神戸からのルートでも嗅ぎ付けられたら終わりだと大滝が言うので、始末しましょうと西島が返答すると、そこに入って来たのは力石だった。

その後、真弓とベッドを共にした力石は、今頃の北海道は良いだろうな…とベッドの上に寝そべり呟く。

俺は牧場を始めるつもりだ。

育てた馬をレース実況アナウンサーが呼び上げるんだ。

化粧台の前で化粧を直していた真弓は、北海道ならスモッグなどと言ったつまらない騒ぎもないでしょうね…、そんな夢みたいな日が来ればだけど…などと冷めた口調で答える。

1000万あれば、花馬くらいなら帰る。馬は人間と違って血統だ…と力石が続けると、私、ちょっと出かけて来るわと言い残し、真弓が部屋を出て行こうとするので、待て!俺の金を置き引きするとは哀しい真似をしてくれるじゃないか…と力石が声をかける。

真弓のハンドバッグに札束が入っている事を見抜いていたのだ。

それほどの悪じゃねえよな?誰に頼まれた?と力石が聞くと、どうせ死ぬ人には大金などいらないでしょう? 3時に晴海の工事現場に行くんでしょう?と真弓が言うので、連中はまとめてやろうというのか?汚えな…と力石は共友会の企みに気付き哀しいまなざしになる。

2時15分 晴海の工事現場 停まっていた大型トラックの荷台に乗っていた神坂やアパッチ達は立ち小便をしていた。

彼らは力石から呼びつけられていたのだ。

しかし、そこにジープでやって来た力石は、神坂!やばい!ずらかれ!と叫ぶ。

その直後、車で乗り付けて来た共友会の連中が銃撃してきて、力石は撃たれてしまう。

車から降りた力石に駆け寄った神坂は大した事ないぞ!と勇気づける。

俺にお前たちをやらせるつもりだったんだ。

俺は金だけ受け取って北海道へ逃げるつもりだったんだと打ち明ける。

その時、ジャブが、力石のジープから落ちた札束に気付く。

力石は手に入れた500万だ、好きに使ってくれ!と神坂達に伝える。

しかしそこへ共友会の車が突っ込んで来たのでアパッチが撃ちかえすと、車は積んであったドラム缶に突っ込み大爆発してしまう。

その側に落ちていた札束は、その火の中で燃えてしまう。

土曜日、神戸から5kgのヤクを運んで来る。大東のトラックだと力石は神坂に教える。

その時、三木達が発砲しながら近づいて来て、力石は撃たれて死亡する。

形勢不利と悟ったアパッチが、兄貴!ここはずらかった方が…と力石の側で見とっていた神坂に声をかける。 力石、おめえの事は忘れねえぜ!と声をかけ、神坂はアパッチ達とその場を逃げ出す。

倉庫に戻った彼らは、土砂降りの雨の中、ヨーコと一緒にヤケになったように踊りまくっていた。

そんな中、どないするつもりや?と五郎が言うので、力石がせっかく言い残してくれたんだ、ヤクをかっさらうのが筋だろう、トラック一台かっさらうくらいできねえ事もないだろうと神坂は答える。

それを聞いたアパッチは、俺もやるぜ!汗を流し、血を流さなけりゃ貧乏から抜け出せないんだと言う。

五郎も、5kgのヤク言うたら何億やと目を輝かすが、ジャブが止めようと尻込みするので、仮面ライダーみたいに偉いもんにはならんぞと言い聞かせると、ミラーマンもいるもん…とジャブはすねたように答える。

その時、あたいは何をすれば良いの?とヨーコが声をかけて来たので、ヨーコは俺たちと別れた方が良いと神坂が答えると、どこに行けば良いのよ…とヨーコは悲しむ。

そんなヨーコに、今まで良い事なかったろう?がっぽり銭掴んで、奴らを見返してやろうと神坂が声をかける。

共友会は組織!俺たちはペテンと体力で勝負だ!まずは身体作りでやってやるぜ!と神坂は仲間達にも檄を飛ばす。

その後、神坂をトレーナー役に、山に海にアパッチ達の体力作りは始まる。 山での特訓には食料も含まれており、山で穫れたウサギや蛇、ネズミなどが持ち込まれたので、ジャブなどは蛇を食べ鼻血を出してしまう。

さらに、金網で作ったトンネルの中を、外にいる神坂が火炎放射してくる中、匍匐前進するという過酷な物までやるので、堪り兼ねたジャブは、さよならキ○ガイ共!と言い残し、途中でとんずらしてしまう。

一緒にとんずらを誘われた五郎は、我慢しとったら5億円の金になるわ!と言い訓練に残るのだった。 やがて土曜日になり、神坂達はバイクに乗り出発する。

目的のヤクを積んだ大東運輸のトラックの通り道に、次々と工事中の立て札を起き、わざとトラックの進路を山奥へ変更させて行く。

やがて狭い道に入り込んだトラックは、バイクが停まって道を塞いでいるのでやむなく停まる。

背後に付いて来た共友会の連中が乗った車も何事かとトラックと共に停まる。

そこにガスマスクをかぶった神坂達が一斉に現れ、催涙ガス弾を撃って来る。

五郎はトラックを降りた運転手に棒を突き、血反吐を吐かせる。

何!トラックを取られた!と事務所で知らせを受けた西島は、徹底的に探し出せ!と電話して来た子分に怒鳴りつけると、三木に若い奴らを集めるんだ!と命じる。

その頃、トラックの荷物を調べていたアパッチ達だったが、荷物は全部衣類のようだった。 しかし、やがてアタッシュケースに入ったヤクを見つけ出したので、これでスウェーデンに行って本物のポルノを買えるとはしゃぎだす。

そんな中、神坂は、はしゃいでいる場合じゃねえ!共友会が来るぞ!と叱りつける。

そこへバイクで近づいて来たのはとんずらしたはずのジャブだった。 お前は脱落者だろう?と五郎が怒ると、飯場からかっぱらって来たんだと言いながらジャブが取り出してみせたのはダイナマイトだった。

それを仲間達が喜んだので、ジャブは無事復帰という事になる。

そんな中、タンタンタヌキのキ○タマは〜♩と歌っていたヨーコは、草原の先から迫ってくる三木達の車を発見する。

五郎達も迫って来た共友会の車に気付くが、そんな中、あたいがやってやる!と叫ぶと、ジャブの持って来たダイナナイトに着火し、ヨーコが単身向かって行く。

ダイナマイトを振り回しながら三木達の車に迫ったヨーコは車から射殺され、倒れた瞬間大爆発を起こす。 それを合図に、三木は、撃て!皆殺しにしろ!と子分達に命じる。

五郎は形勢不利と感じ、1人でマイクロバスに乗って逃げ出そうとするが、ジャブが、風小僧のおじさん!僕も一緒に連れてって!と乗り込もうとするので、知らん!知らん!と追い返すが、ジャブは、進め、隠密剣士!などと訳の分からないことを言いながらなおも追いすがる。

アパッチ達は、ダイナマイトを次々に投げつけて応戦する。 神坂も、殺せ〜!と絶叫しながら機関銃をぶっ放す。

真っ赤な太陽まっぷたつ♩ゲゲゲゲロゲロゲ♩と歌が重なる。

側にあった小屋に逃げ込んだ神坂だったが、その直後、共友会の奴がダイナマイトを中に放り込んだので、小屋は爆発で倒壊する。

俺は40まで番長だから、それまでは死なない事になっているんだ!と叫びながら神坂が飛び出して来る。

体力的に持つかどうか…とぼやきながら、真っ黒になった五郎も金の詰まったアタッシュケースを背中に背負って小屋の中から出て来ると、竹槍を使って共友会の連中と戦い始める。

三木の車に近づいたジャブは、こっそりダイナマイトを三木が外に降りている隙に車の後部座席に投げ入れる。 しかし、その直後、敵に気付かれ左手を根元から切断されたジャブは、頭が爆発しショック死してしまう。

アパッチは三木から、このチンピラめ!と罵られながら針金で首を絞められるが、口から血反吐を吐き、倒れたと思った次の瞬間、日本刀で三木を叩き切って相打ちになる。

共友会がほぼ全滅したのを見届けた五郎は、これでわいもキャバレー王やと喜び、火の点いたタバコを三木の車の後部座席に投げ入れると、自分はその運転席に乗り込み、現場から脱出しようとしていた西島と大滝が乗った車にぶつけて行く。

その間、後部座席に落ちていた火の点いたタバコと、先ほどジャブが投げ入れたダイナマイトの導火線が転がってくっついたり離れたりする。

とうとう西島と大滝の車は崖から落ち炎上する。 負傷しながらも何とか炎上する車から脱出した西島と大滝だったが、そこに駆けつけて来た神坂が、日本刀でまずは西島を斬り殺す。

そして大滝に迫ると、お初にお目にかかるぜと挨拶した後、日本刀を突き刺す。

そんな神坂に、兄貴!早く行こ!と声をかけた五郎だったが、後部座席のダイナマイトの導火線にタバコに日が着火してしまう。

それに気付かず去ろうとした五郎に気付いた神坂は、待て!泥棒!と叫ぶが、

次の瞬間、五郎の乗った車は大爆発を起こし、運転していた五郎はハンドルを握ったまま吹き飛ばされてしまう。

それを見た神坂はアホか…と呟く。 地上に落下した五郎は、ラリってブッブー!と言いながらハンドルを持って走り出す。

この通りどうしようもない2人ですが、次は○○(ロケ予定地)です、宜しく!と画面に向かって近づいて来た神坂と五郎は、画面両脇から迫って来た「終」の分割文字が中央で合体すると、その文字の両脇に開いた穴の中から顔をのぞかせるのだった。
 


 

 

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