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不良番長 突撃一番

シリーズ13作目

四国高松を舞台に、森の石松を思わせるキャラになった山城新伍が活躍する話になっている。

セリフは少ないながら、顔におてもやんのような赤い頬紅を付けた地井武男さんがアパッチ団の一員として登場している。

冒頭の森の石松の勇名なシーンパロディから、当時の東映の好調さやポルノブームが伺える。

今回も、ブルーフィルムと言ったエロネタ満載。

登場する女優さんは脱ぐだけが目的のような使われ方で、シリーズ後半は出る女優がいなくなったと言うエピソードも頷ける。

今回は多少、予算が多めだったのか、クライマックスの改造トラックとか壊しまくられる料亭セットなどは楽しいし、中でもマンガチックな活躍を見せる山城新伍さんのオーバーアクションは愉快。

全体的にナンセンス度が高く、バカバカしくも楽しい作品に仕上がっていると思う。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
1971年、東映、山本英明+松本功脚本、野田幸男監督作品。

四国へ向かうフェリーの船上、片目に眼帯をした林石松(山城新伍)は、甲板上で乗り合わせた桜井桃太郎(佐山俊二)ら乗客相手に、映画はどこが面白いかを聞いていた。

東映?三角マーク?と桃太郎から聞いた石松は喜び、東映映画はそんなに面白でっか?中でも特に面白いのは?と聞くと、高倉健の「網走番外地」「昭和残侠伝」「緋牡丹お竜」などいくつかの作品名が桃太郎やあぐらを組んで取り囲んでいた他の客達から出るが、石松は、他には?何か大事なのを1つ忘れてるんじゃないですか?寿司食いねえ!と念を押す。

すると桃太郎は、ようやく思い出したように「ポルノ」!と答える。

それを聞いた石松はがっくりし、この船が高松に着くまで思い出してくれよ!切れの良いバイクアクション!とヒントを出す。 そのヒントでようやく、あれか?と思い出したように桃太郎が答えたのは「不良番長」!だった。

タイトル(「ダイナマイトロック」がかかる)

新宿大ガード下を通過したバスの車内、割腹の良い中年男性谷村(藤村有弘)の側に立っていたユカリ(一の瀬玲奈)は、わざと谷村に身体を掏り寄せると、自ら相手の股間を触りだす。

さらに、谷村の横に立っていたモグラ(地井武男)が谷村の右手を握ってわざと真弓の身体にくっつけたので、真弓は痴漢よ!と騒ぎだし、俺も見たぜ!とモグラも目撃者を装う。

その側に乗っていた神坂弘(梅宮辰夫)は谷村に、ちょっと降りなさい、新宿署の保安課の者ですと声をかける。

バスを降りた谷村に、一緒に降りた神坂は、示談にするつもりはありませんか?10万円、社長さんクラスでしたら相場でしょうと持ちかけ、これにて一件落着!と勝手にまとめてしまう。

しかし、その後、谷村から受け取った手形が不渡りになったと知り、町工場を訪ねてみると、うちはドルショックで倒産なんだ!ニクソンの奴め!と谷村は怒り狂っており、残ったのはこれだ!と見せられたのは工場の製品らしい便器だけだった。

その便器をリヤカーに乗せ、ドルショックかニクソンか知らんが、こっちは首つりたくなったぜとぼやきながら新宿駅前を歩く神坂とジャブ(鈴木ヤスシ)、アパッチ(安岡力也)たち。

その後、ユカリが勤めているトルコ風呂にやって来たのは1人の学生(左とん平)で、母が行った方が良いって…、父は反対してるんですなどと緊張しているのかカチカチの姿勢で説明する。

オスペにする?ダブルにする?とユカリが聞いても、持っていた辞書を引くだけで何も学生は知らない様子。

じゃあ、本番ね!と承知したユカリは風呂に入るように勧めるが、風呂はいらないんです、銭湯に行って来たんで…と学生が言うので、じゃあ裸になって、パンツも脱いで、タオル巻いて!とユカリはテキパキと指示を出す。

そのトルコの中の様子が窓から見える向かい側のビルの一室にいたジャブ達は、兄貴、始まりますぜ!飛び出すポルノ!3000円!オール天然色、オールトーキー!と呼びかけ、待っていた中年客達を室内へ入れる。

ベッドに寝かせた学生はユカリが触っただけで終わったので、ユカリは慌ててブラを取り、学生の上に抱きつく。

学生は、お母さん!と叫ぶとあっけなく果ててしまう。

向かいのビルの窓からその様子を覗いていた客達に、入れ替え性になっておりますと神坂が呼びかける。 その直後、地元のヤクザたちが乱入して来て、ふざけた真似しやがって!と神坂達を殴って来る。

その後、工事現場に連れて行かれ、改めて焼きを入れられそうになった神坂達だったが、そこに黒塗りの高級車が近づいて来て、降りて来た紳士が、ドブネズミ相手に何している?関西進出の会合を始めるぞ!と笠岡大作(諸角啓二郎)に声をかけて来たので、どなたです?と神坂が側にいた子分に聞くと、関東挺身会の寺沢甲三郎会長(安部徹)だと言う。

またね!と神坂は寺沢会長に手を振ってみせたりしたので、また子分達から殴られてしまう。

解放された神坂は、土砂降りの雨の中、こんな事でへこたれていたらカポネ団が泣くぜと仲間達を励ます。 四国へ行きましょう。

ブルーフィルムの本場も四国ですからとアパッチが言い出し、それを聞いた神坂も、石も行ってる事だし、ここは1つ本場四国で旗を揚げるか!と張り切る。

四国、高松

石松は、ピンぞろの丁!などと博打をしており、負けて持ち金を全部失ってしまったので、後10万貸してくれ、目標427万!などと、地元のヤクザ都田組の親分都田久造(関山耕司)に頼み込んでいた。

その後、「レインボーガーデン」でマユミ(小林千枝)のストリップショーを見ていた石松は、マユミちゃん!などと客席から声をかける。

そんな石松の元へやって来た都田たちは、賭場の借金どうするつもりだ?都田組を嘗めると白黒付けてやるぜ!と凄んで来る。

石松は、2~3日するとダチが来るんだと泣きを入れる。

そんな中、とうとう四国に上陸した神坂、アパッチ、ジャブ、モグラの4人は、お遍路姿になって、下に~!下に~!と大通りを練り歩き、「高松アートコーヒー」に入ると、客達に、巡礼に御報謝をと言いながら金をせびり始める。

そこに地元のライダー仲間が4人やって来たので、表に出た神坂達は、ライダー達が乗っていたバイクを盗み逃げ出して行く。

その後、橋の上にバイクを停め、全員で川に向かって立ち小便をしていると、お客さん達、ここで車を停めたら500円以上のおまんじゅうを買ってくれないと困りますと声をかけて来た娘がいた。

すぐ側にある「灸まん」と言う饅頭屋の娘の花子(夏純子)だった。 店の主人で花子の父親の小川徳之助(藤原釜足)と言う元任侠の親分だったと知った神坂は、ここに林五郎石松と言うのがお世話になりませんでしたか?と聞くと、来ていたが、今は都田と言うへらこい奴の所へ行ったと言う。

「へらこい」とはずる賢い奴の事だと、花子が地元の方言を説明する。

そこはブルーフイルムの事に詳しいのじゃ?と神坂が聞くが、徳之助は何のことだ?と言うだけ。

そこに店の若い衆が帰って来て、これは石松さんの物じゃないかと警察から渡されましたと言い、靴と遺書らしき書状を花子に見せる。

その遺書を神坂が読むと、「神坂の兄貴、銭の恨みは数々あれど、海にどぶんして返します」などと書かれていたので、それを聞いていた徳之助は、バカな奴だ…、これに夜ばいをかけたりしてなかなか見所がある奴だと思っていたんだが…などと花子を見ながら言いだしたので、それを聞いていたジャブは、この辺りでは夜ばいをすると褒められるんですねと感心する。

その夜、寝ている花子の寝室に床下から忍び込んだのは神坂とジャブで、神坂は先に部屋に入り込み、花子の布団に潜り込む。

蜘蛛の巣だらけになったジャブも部屋に遅れて入り込むと花子の布団に近づこうとするが、神坂に気付くと、互いに、褒められようと思って!と指摘し合い、じゃんけんで主導権を決める事にする。

結局、パーを出した神坂が勝つが、その時、どこからともなく「うらめしや~」の声が聞こえて来る。 薄気味悪い声だなと辺りを見回した神坂が見たのは石松の幽霊だった。

怯えた神坂が助けて!と言いながら、目覚めた花子に抱きついたので、花子は殴りつける。

しかしそれでも神坂がしがみついたままなので、嫌ね、いつまで抱きついてるの?と叱りつける。

そこに徳之助がやって来て、どうした?と聞いて来たので、今、石松の幽霊が…と神坂が教えると、死んでも夜ばいに来るとは…、見直したぞと徳之助は感心する。

翌日、港にやって来た神坂達に、神坂ってのはお前か?と言いながら近づいて来たのは都田組の都田達だった。

石松の賭場の50万の貸しが残ってるぜと言いながら借用書を見せて来て、事務所まで連れて来い!と子分達に命じる。

その時、側に停まっていたジープのに乗っていた白ツーツの男の口笛が聞こえて来る。 何だお前!と都田の子分達が白スーツの男に難癖をつけに行くと、ジープを降りたその男は、子分の1人を埠頭から海に投げ込む。

その白スーツの男の顔を見た神坂は、勝!と喜ぶ。 柏木勝(渡瀬恒彦)だった。 やれっ!と都田が命じたので、子分達が勝を取り巻くと、勝は側に落ちていた棒を拾い上げ応戦する。

その時、パトカーのサイレン音が近づいて来たので、じゃあ、金が返さないうちはこの高松からは出られないからな!と幾多の捨て台詞を残し、都田組の連中は一斉に姿を消す。

ようやく勝は、アパッチやジャブ、モグラ達とも再会を喜び合うが、最後はかつての仲間達から海に放り込まれると言う手荒い歓迎を受ける。

その後、勝は神坂達を自分が板前として働いている「小料理 桃太郎」に連れて来る。

何故高松くんだりまで来たんです?と勝が聞くと、ポルノ産業をやろうと持ってたんだが、石の奴が死にやがって…と神坂が教えると、それを聞いていた主人の桃太郎が、石さんって石松さんの事ですか?フェリーで良くしてくれたんやと懐かしそうに思い出す。

しかし、奥から出て来た女将の小菊(丹下キヨ子)は、石野氏を知ると悲しむどころか、あんな人に5万もつけで飲み食いさせて!挙げ句の果てに都田はんから200万も借りなきゃ行けなくなって…と不機嫌になる。

それを聞いた勝は、石松さんの勘定は俺の給料から引いてくださいと小菊に声をかける。 そこに金刀比羅宮の石段駕篭かきの権十(潮健児)と助三(団巌)がやって来て、ニュープリントが手に入った!女学生!と桃太郎に声をかける。

小菊が何なの?と聞いて来たので、教育映画だと桃太郎はごまかすが、それを聞いていた神坂は、すぐにブルーフィルムの事だと気づき、座敷で桃太郎と一緒に見せてもらう事にする。

「文部省推薦」「芸術祭参加作品」などと言う大仰な但し書きの後、始まったのはセーラー服を着た女学生姿の女が勉強部屋で英語と書かれた本を読んでいると、突然乱入して来た花の機動隊姿の男が女学生をベッドに押し倒して乱暴しようという物で、防護フード付きヘルメットを脱いだ男は死んだ石松だった。

それに気付いた神坂は、あいつ四国まで来てこんな事やってるのか!と呆れる。

その時、教育映画ってポルノのことなの?と言いながら小菊が部屋に入って来ると、そのまま桃太郎を連れ出して行く。

神坂は権十たちに、どこで作っているんだ?と聞くと、都田金融だと言う。 早速、都田金融に乗り込み、5~60本ももらいたいんだがと持ちかけた神坂だったが、応対したのは都田だったので、あっさり捕まりかける。

都田らの手を逃れ、高松東映前を裸同然のパンツ一丁姿で逃げて来る神坂達。

そのまま都田の手下達から逃れ、金比羅宮の階段まで逃げて来た神坂達は、途中で石段駕篭かきの権十と助三と再会したので、その石段駕篭かきに化けたり、宮司と巫女に化けたりして追っ手の目をごまかそうとする。

金比羅宮にやって来た神坂達は観光客に神社を説明する旅行ガイドに化け、何とか追っ手から逃れるが、疲れ切ったジャブは、もう東京に帰りましょうと弱音を吐く。

しかし神坂は、石のためにも銭を稼いでポルノの自主制作と行こうぜ!と発破をかける。 屋島スカイラウンジにやって来た神坂は、全国物産協会の会長に化けると、漆器の見本を持って来た地元の西山(大泉滉)と会い、海外への進出に興味はありませんか?これを2~300、シアトルの方へ送りたいと提案する。

そこに、業界紙の「輸出タイムス」の記者に扮したアパッチとモグラが来て、神坂と西山の記念写真を撮ろうとするので、まだ契約がすんでないので…と神坂が戸惑ってみせると、西山はすっかり騙され、私はOKよ!とあっさり契約に承知する。

その後、神坂達は酸素ボンベを背負った姿で、「サウナフェニックス」に入っていた洋品屋の主人田中(立原博)に会いに来る。

そして、サウナ室のドアを閉めると、契約書に拇印を押してもらいましょう。こっちは酸素ボンベがあるから三日は持ちますなどと脅し、商品をだまし取る。

室内の熱さと湿気にやられた田中は変になりかけ、ターザンやチータの真似をしたあげく、神坂が出した契約書に拇印を押してしまう。

ペテンが巧くいった神坂達は、クラブのステージで歌い踊ると、漆器とブラとパンティで50万はたまんねえ!と喜ぶ。

その時、神坂に会長さん、シアトルまだですか?と声をかけて来たのは漆器会社の西山だったので、もうすぐ連絡が来るでしょうと神坂はごまかそうとするが、連れを紹介しましょうと西山が呼んだのが桃太郎で、神坂さん!などと嬉しそうに桃太郎が言うので、神坂を全国物産協会会長と思っている西山にばれると思ったジョブが、奥さんが16歳の女子高生のことで怒ってましたよと口を挟み、ばれたか!と慌てた桃太郎はそそくさと帰って行く。

早いとこ、ポルノを作んないと…と神坂達は焦り始めるが、クラブの廊下に出た所で、後3軒回らないとと仕事を急いでいるマユミと、そのマユミのいレズろうとしているもう1人の女に遭遇する。

しかしマユミの方はレズっけが全くないらしく、男と20回やらないと寝付けない質なの!などと言っているので、その顔を良く見ているうちに、ブルーフイルムで石松とつるんでいたナオンだな!と神坂達は気付く。

その夜、また脅かしたろうとほくそ笑んでいた石松の幽霊は、別の幽霊が背後にいるのに気付き肝をつぶす。

さらに、猫化けやドラキュラやお岩様まで出現し、石松、うらめしや~!と迫って来たので、物干し台へ逃げ込んだ石松は、他のお化けや幽霊達がモグラ、アパッチ、ジャブらの変装と気づく。

思い知ったか!石!と、マユミから事情を聞き、石松が実は生きていた事を知ってやって来た神坂はからかう。

かくして石松も合流した神崎らは、マユミを桃太郎に扮装させ、自分は助監督、カメラマンは石松で「民話ポルノ」を撮ろうとする。

そこに、青鬼と赤鬼に扮した駕篭かきの権十と助三がやって来て、桃太郎に襲いかかり、服を脱がせ始める。

すると、13号何をやっとるか?と駕篭かきの本部から無線が入ったので、2000円のギャラを渡した石松は、ぺろぺろの奴はわいがやると言い出し、自らマユミの胸をしゃぶり始める。

しかし、それでは面白くないと判断した神坂が、猿に扮していたジャブに、木に登って上からすぽんとやってミロと無茶振りをする。

しかし、想像通り気から落下しただけで失敗、マユミ1人ではタレント不足だと気づく。

神坂は急遽、花子を公園の橋の所に呼び出し、僕は一度こういう所で花子さんとデートしたかったんだとお世辞を言うと、今行き詰まっているんです。

イメージが湧かないんです。

俺はポルノ芸術を作りたいんです!その辺のずべ公を混ますのは簡単だけど…、上半身だけで結構なんですなどと出演依頼を始める。 そこに近づいて来たのが勝で、兄貴、相変わらずですねと苦笑しなが神坂に言う。

神坂はそんな勝にも、2人で出演しないか?と声を掛けると、鬼気、俺、下半身には自信がないので…と勝は笑って断る。 他を当たってみるか…と名残惜しそうに神坂は帰って行くので、本当は気の良い兄貴なんだと勝は花子に笑いかける。

高松グランドホテル前にやって来た花子は、まだ持ってるの?奥さんを殺した弾ですものね…と聞くと、奥さんなんて代物じゃないですが、2年も暮らしていて、その内愚連隊と付き合って……と勝が答えると、好きな人の身代わりになったんですものね…と花子は同情する。

私だってお花買わなくちゃ…、初めてお墓に連れて行ってくれるんですもの…と花子はちょっと嬉しそうに言う。

その頃、神坂達は、マユミにもう1人の女とレズシーンを撮っていたが、マユミは露骨に嫌がり、私はレズっ気ないんですもの!と拒否すると、弘!あんたとなら…、いつも青カンばかり!と言いながら神坂に抱きつこうとする。

それを見ていた石松は、兄貴、まさか!とマユミとの仲を疑うと、ジャブも笑って来たので、こいつらみんな病気持ちや!と石松は喚きだす。

そこに乱入して来たのが、セーラー服姿になった小菊と桃太郎で、布団の上で勝手に四十八手を披露し始めたので、しゃあない…、年取ってからの四十八手で行こう!と神坂は急遽内容を変えてしまう。

そこに乗り込んで来たのが都田たちで、都田組のシマでこんなことしやがって!と迫って来たので、アパッチ達は夜の町に逃げ出す。

そこに来合わせたのが寺沢会長で、お見苦しい所をどうも…と都田が詫びると、ドブ掃除をしろ!と寺沢は叱りつける。

その時、都田組の塚本にナイフを投げて来たのは勝だった。 塚本!2年前の仇を取らせてもらうぜ!と言いながら勝は塚本に近づいて来る。 一方、アパッチ、ジャブ、モグラ、石松、神坂達はさらに逃げ続けようとするが、行き止まりに阻まれてしまう。

やむなく5人は川に飛び込み、都田組の追っ手は十をぶっ放して来るが何とか逃れる。

徳之助の家に戻った5人は、寒中水泳をしていたなどとごまかすが、西山さんから商売物を撮るとはふてえ野郎だ!と、その西山を連れて来た徳之助は神坂達を叱りつけて来る。

西山は、お代金を頂ければ…と笑顔でなだめようとするが、わしが許さん!腐った根性を奴を泊めるわけにはいかない、出て行け!幽霊の真似なんかしやがって!と徳之助が石松も怒るので、せめてテケテケテン♩と祭りの暇で置いてくれまへんか?と石松は頼むが、あかん!と徳之助は即答する。

住処を失った神坂達はバイクで放浪するはめになり、マリンパークにやって来たとき、ここに泊まろうよとジャブがせがむが、銭を拾ってから言えよ!と神坂がバカにする。 その頃、笠岡金融の地下室ではモデルガンを改良した拳銃の試射を地下室で行っていた。

寺沢会長も大量生産させてくれ、頼むよ都田君、もうブルーフィルムなんて作っている時代じゃない。

必ず血で血を洗う時が来ると将来を見据えたように指示する。 その場には、都田と東京の関東挺身会笠岡組の笠岡大作も同席していた。

神坂達と合流した勝が、挺身会が相手には付いている!と報告すると、女の仇を討つんだろ?このまま黙っている訳ないだろう?と神坂も意気投合して来たので、ちっとも変わらないなと勝は嬉しそうに笑う。

そこにやって来たアパッチが、兄貴!大変だ!桃太郎の家が乗っ取られるそうだ!と報告する。

驚いて「小料理屋 桃太郎」に帰った勝は、今月一杯に払えなければこの家を取られるんやと桃太郎から事情を聞き、あんたが甲斐性ないから…と小菊が悔しがっている愚痴も聞くと、ここは200万で買えるもんじゃないんだと一緒に付いて来た神坂らに説明する。

神坂は気落ちしている小菊達に。こんな時はドヒャー!と気晴らしにレジャーなどと勧め、一緒に協定に出かける事にする。

レース場に来た神坂は、隣に座った小菊に、いくつですか?53?と聞くと、43!などと小菊が答えたので、53でも43でも一緒のババアでしょう?と呆れ、4-3と5-3買って来いとアパッチに命じる。

レースが始まると、4番3番頼むで!わいの小遣い洗いざらい出したんだから!と祈り始める。

結果、レースは5-3だったので、あたいの年が来たんや!と小菊は大喜びする。

それを聞いた神坂は、やっぱりババアじゃないか!とバカにする。 連勝5-3は18600円付き、カミサからは186万手にする事が出来る。

それを知った小菊は嬉しさのあまり失神してしまう。

その金を元に200万を都田金融に返しに行った桃太郎達だったが、元利合計360万になる。

契約書にも10日で1割と書いてあったはずだなどとその場に居合わせた笠岡が言い出したので、桃太郎達は驚き、そっちで勝手に書き換えたな!と憤慨するが、どうしようもなかった。

笠岡商会のビルの前で工事人に化けて見張っていたジャブ達は、車からダンボール箱をビル内に運び入れていた子分が中に入っていたモデルガンを落として慌てて拾い集めた所を目撃、子分がビルに入った後、車の下に1丁残っていたモデルガンを拾い、神坂達に報告に行く。

兄貴!睨んだ通り、奴らモデルガンを運んでいたぜとジャブ達が言うのを効いた石松は、笠岡金融の地下室が臭いぞとにらむ。

それを聞いた勝が1人で去ろうとするので、神坂は、殴り込む事には早いぜと勝を制する。

笠岡金融では、町中から聞こえて来る笛太鼓の音に気付くと、明日は金比羅の大祭か…と呟いていた。

そんな笠岡金融のビルの手前にある小料理屋に、水道工事人を装ったジャブ達がやって来る。 神坂、モグラ、石松組とアパッチとジャブ組が二手に分かれて穴を掘り始める。

元井戸掘りだったモグラに先頭を掘らせていた神坂組の穴のすぐ下をジャブとアパッチがもう一本の穴を掘り進んでいた。

途中、警察署前のマンホールに落ちかけた警官の足が神坂達の穴に突っ込んで来たり、石松が小便がしたくなったと言い出したので、神坂も一緒に穴の中で連れションを始めると、すぐ下の穴を掘っていたアパッチ達が喉が乾き、地下水だ!と上の小便が漏れて来たのを喜び飲み始めたりする。

この水しょっぱいなとジョブが不思議がると、塩が溶け込んでいるんだ、身体に良いのなどとアパッチは解説する。

その内、小判か温泉でも出たら楽しいんだがな…と神坂がのんきに言っていると、本当に大量のお湯が溢れて来たので、温泉を掘り当てた!これで道後温泉の向こうを張れる!などと神坂達は大喜びする。

しかしそれは、銭湯の女風呂のそこを壊しただけで、穴から顔を出した石松と神坂は、素っ裸で入浴中の女達を目の当たりにする。

神坂は、女風呂の湯船の底に開いた穴から一緒に立ち上がった石松の口に、何かガムテープのような物が貼り付いているので取ってやるが、何や臭いんや…と石松はぼやく。

穴に戻った神坂は、石、温泉が諦め、今度こそ小判や!と張り切る。 一方、アパッチ達は、女の匂いがするなどと不思議がっていた。 やがて、笠岡金融の地下室にツルハシの先が貫通し、見張りの3人が音で気付く。

先に地下室に入り込んだジャブとアパッチは、誰もいない…、見張りも置いとかんとは…と呆れていたが、見張りが横から銃を突きつけている事に気付く。

しかし、その見張り達の背後から近づいた神坂達がドラム缶で頭を殴りつけ気絶させる。

同じ頃、笠岡金融に桃太郎を連れやって来た小川徳之助は、寺沢会長や笠岡らを前にして、あこぎな真似しやがって!堅気の桃太郎さんの家を返してやるんだ!と文句を言っていた。

これでも昔は四国一円で名を知られた男だ!と言い残し、徳之助が帰って行くと、老いぼれが血迷いやがって…と寺沢会長は睨みつけるが、だが名が知られている事は確かだから、下手に回状でも回されては…と笠岡が案ずるので、あの老いぼれも邪魔になるな…と寺沢は呟く。

帰り道、神社の境内にやって来た徳之助と桃太郎は、いよいよ明日はお祭りですななどと話していたが、その前に立ちふさがった都田組の子分達から徳之助が撃たれてしまう。

同じ神社に来ていた勝と花子も銃声に気付き駆けつけて来て、倒れている徳之助とその側にうずくまって震えていた桃太郎を発見する。

親爺さん!親分!と勝が徳之助に呼びかけ、花子もお父さん!と絶叫する。

一方、海岸近くの休憩所ではモデルガンを無事入手して帰還した石松にマユミが抱きつき、アパッチやモグラ、ジャブ達は、奪ったモデルガンで拳銃ごっこをしてはしゃいでいた。

神坂は呆れ、奴らに嗅ぎ付けられるぞ!と注意するが、その最中、遊んでいたはずのモグラは口から血を噴き出し倒れる。

逃げろ!とモグラは呻き、アパッチとジャブは、神坂や石松の所に慌てて戻って来て、兄貴!モグラがやられた!と知らせる。

車が迫って来ると同時に、海からは二隻のモーターボートに乗った組員達が休憩所に接近する。 都田一家と挺身会の合同チームだった。

神坂達は一斉に逃げ出すが、逃げ後れたマユミに、隠れろ!と呼びかけるが、モデルガンを手にしたマユミは、それを構えたままヤクザたちに近づき引き金を引く。

もちろんモデルガンから弾が出るはずもなく、マユミはその場でヤクザたちから射殺されてしまう。

神坂達4人は、近くで展示中だった花人形に化け、追っ手の目をごまかす。 ヤクザたちは奪われたモデルガンを全部回収して去って行く。

マユミの死体の所へ戻って来た石松は、兄貴、こいつ、あの世に行って閻魔さんとやりたがる気や!と冗談で悲しみを紛らわせる。

その後、進軍ラッパが鳴り、兄貴、行くか!と波止場でデコトラとバイクを前にした石松が神坂に声をかける。

血の雨を降らせるんだ!と神坂が答えると、血液銀行より儲かりますぜとジャブも不敵に笑う。

そこに桃太郎に扮した桃太郎がチャリでやって来て、わしも手伝わせてくれ、これでも若い頃は横綱だったんだと言って来るが、背後に立っていた石松が桃太郎の後頭部を殴り気絶させる。

すまねえ、おっさん!公式戦にアマチュアが入るとやりにくくて仕方ねえと神坂が倒れた桃太郎に詫びバイクにまたがる。

石松は大きな鬼の顔を正面に飾り付けた改造トラックを運転し後に続く。

町では阿波踊りをはじめとする祭りが始まっていた。

そんな中、寺沢会長ら都田と挺身会は料亭に芸者を上げて騒いでいた。

寺沢会長はレジャーセンターの起工式の事を笠岡と打ち合わせし、香港の連中と組んで頂上作戦と行くかなどと上機嫌だった。

そんな料亭の座敷にバイクごと突っ込んで来たのが神沢達カポネ団だった。

トラックに乗った石松は、良い身分や、ドルショックや言うのに、こんなに飲み食いしやがって!と悪態をつくと、鬼の顔の上からロケット砲を連射し、鬼の目からは放水を始める。

アパッチはマシンガンを撃ちまくり、ジャブはダイナマイトを投げつける。

ヤクザたちも応戦して来て、外ではダイナマイトが大爆発する。 神坂も機関銃を撃ち始める。 その時、勝もジープでやって来る。

そんな勝に、このケリ付いたら仲人やってやるからな!と神沢は声を掛けるが、そんな中、アパッチがヤクザの弾を受け倒れる。

しかし、最後の力を振り絞って立ち上がり様、背後にいたヤクザの首をへし折って一緒に死ぬ。

ジャブも撃たれるが、ダイナマイトを振り回しながら、ヤクザのグループの中に飛び込んで行き自爆する。

一方、柔道着姿で料亭内に乗り込んだ石松は、得意の槍で次々とヤクザたちを突き殺して行く。

ヤクザたちは石松に発砲して来るが、石松は「畳替えし」で銃弾を防ぎ、その直後、ふすまを背に立っていたヤクザを突くと、ふすまの背後に立っていたヤクザも一緒に串刺しになっている事に気付く。

その後、忍者のように天井に飛び貼り付いた石松は、部屋に降りると、今度は空手の技を繰り出し、ヤクザの腹から腸を引っ張りだす。

ジープで料亭内を壊しまくっていた勝は、都田の機関銃に撃たれるが、ドスで都田を刺し、相打ちになって果てる。

それを見て駆けつけた神坂は、勝つ!しっかりしろ!花子と一緒になるんだろう!俺に任しただろう?と呼びかけるが、勝はそのまま息を引き取る。

やけになった神坂はダイナマイトを投げるが、その直後、寺沢のマシンガンで撃たれてしまう。

しかし、血まみれになりながらも、寺沢!てめえ、この野郎!ドブネズミなんてバカにしやがって!と言うと神坂は相打ちになる。

そこに石松が駆けつけて来る。 神坂は又しても命拾いしたのだった。

本州へ戻るフェリーの船上

神坂が乗客に勝手にガイドをし、側にいた石松が1人100円のガイド料を受け取っていた。

神坂は側にいたセーラー服の女学生を見つけると、東京で1日10万差し上げます。

契約の判子下さいと迫るが相手にされなかった。 そこに船内見回りの警官がやって来たので、慌てた神坂と石松は、側に置いてあった獅子舞を見つけその中に隠れる。

警官をやり過ごした直後、獅子舞の中から顔を出した石松が手の前で手を振りながら臭そうにする。

どうやら神坂が衣装の中で屁をこいたようだった。

かくしてフェリーは進んで行く。
 


 

 

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