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TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ

クドカン映画らしいナンセンスコメディ

一見悪のり映画のように見えて、徐々に感動する内容になっている。

クサいお涙ものになってないのは、悪ふざけタッチと青春が持つ本来のさわやかさとパワフルさがあるためだろう。

長瀬智也さんと尾野真千子さんの怪演が見事。

皆川猿時さん演じるじゅんこのキャラクターの強烈さも印象に残る。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2016年、アスミック・エース、宮藤官九郎脚本+監督作品。

「HELLO KANKO」バスを使った修学旅行の休憩中、関大助(神木隆之介)から席を代わってくれと頼まれた眼鏡の松浦は、後ろ苦手なんだよと断ろうとするが、大助がスマホの映像を見せると、続きを見たい!と喜ぶ。

その甲斐あって大助は松浦と席を代わってもらうが一番前だった。

横には、憧れの手塚ひろ美(森川葵)がヘッドホンを頭に付け座っていた。

キャストロール

バスの中では同級生の男子たち数名が「地獄」と言う本を読んでいた。

その時、最後部の方から、じゅんこさんの顔色悪いですぅ!と言う女子たちの声が聞こえ、顔が悪いですぅとからかう男子の声が続く。

その後、もうすぐトイレ休憩です!との先生の声がした直後、関!どうした?具合悪いのか?と先生が心配そうに聞く中、バスは崖から飛び出し落下して行く。

ヘイ、ユー!地獄へようこそ!マザー・ファッカー!といきなり鬼のような奴から声をかけられた大助は驚いて目覚めるが、そこは、ロックバンド「ヘルズ」のステージ上だった。 演奏が始まり、バンドが乗っていたステージがせり上がり始めたので、大助は転げ落ちてしまう。

大助が周囲を見回すと、柄杓で熱湯をかけられる者がいたり、逃げ出そうとして矢を射られる者もいた。

タイトル

いや、分かんない…、全然付いて行けないんだけど…とぼやく大助は、誰かに事情を聞こうと、先ほど声をかけて来た鬼のような人物に近づこうとするが、その人物は演奏後のサインをしているらしく、列に並べとスタッフらしき男から最後尾に並ばされる。

何とか、先ほどの鬼みたいな男の前に来た大助が、ここ、どこっすか?さっきヘルって歌ってたよね?と聞いてみる。

すると鬼みたいな男は、ここは地獄で、俺たちはロックバンドの「地獄図(ヘルズ)」で、俺はキラーK(長瀬智也)と自己紹介した相手の鬼は、関大助君だよね?と指摘したので、大助は驚き、何で?と聞く。

キラーKは「鬼フォン」とやらを取り出し、「撮ったのかよ!」と聞こえるシャッター音の後、バスで谷底に落ちたんじゃと言う。

しかし、大助の目の前には、まだ落ちている最中のバスの様子が大きく広がって見えたので、落ちてる最中じゃん!と大助は突っ込む。

それを聞いたキラーKは、フライング?と戸惑う。

享年17歳、釜茹ででしょうなどとキラーKが言うので、まだ高3だし、明日自由行動だったんだよ!と納得できない大助はわめくが、今落ちた…とキラーKが言い、バスが谷底にぶつかったらしい噴煙の映像が見える。

それを見た大助が、みんな死んだんだ…と愕然とすると、あちらとは時差があるからね~とキラーKは言う。

「鬼フォン」には現世のテレビニュースが流れ、午前11時頃、福島を修学旅行中だった高校生の乗ったバスが転落し、死者39名、生存者1名…と女性アナが報道していたので、その「生存者1名」を見た大助は、まさか俺?と驚く。

ひろ美ちゃん?と大助は考え直すが、こっちに来ねえってことはもう一つのあの世に行ったんじゃねえの?天に召されたんじゃ?とキラーKは言う。

それを聞いた大助は、何で俺だけここなんだよ!と切れると、悪行の祟りじゃ?と言う「ヘルズ」のメンバーらしき鬼がいて、新曲「天誅」!などとふざけたキラーKが、紹介しよう!ドラムスのCOZY(桐谷健太)バイクで転んで死んだ!ベースの邪子(清野菜名)!生前は車上荒らしなどしたあげく、「いいちこ」と「ハイライト」の入れ墨を入れ、彼氏に刺された!とメンバーとその現世時代の悪行を教える。

俺の悪行って何だよ?と大助が素朴な疑問をぶつけると、貸しスタジオ「スタジオぱんだ」で、アンプの上に缶ジュースを置き、こぼしたよね? アンプのコード、巻かないまま返したよね?飲みかけの缶コーヒーの中にタバコの吸い殻入れたよね?トイレで小をした後、大で流して水を無駄にしたよね?などとキラーKが言うので、全部大したことなくね?と感じた大助だったが、その時初めて、キラーKの正体が「スタジオぱんだ」の経営者近藤さんであることに気づく。 やっと思い出したか!と大助を睨みつけたキラーKは突如巨大化する。

そして、俺の彼女に変なあだ名付けたろ!と言うので、「死神」?と大助は思い出す。 クレープの移動販売をしていたなおみ(尾野真千子)は、見るからに暗く奇妙な女だった。

死神が近藤さんと付き合っただけでしょう?と大助が指摘すると、いきなりキラーKはペンチで大助の舌を引き抜こうとする。

それより、どうやったら生き返れるんですか?明日自由行動だったんですよ!と大助はキラーKに聞くと、お前、偏差値いくつだった?とキラーKは聞き、大助が64?と返事をごまかしていると「鬼パッド」で調べたキラーKは、46じゃねえか!農業じゃねえか!と言うと、大助を地獄私立農業高校に連れて来る。

そこには学校の前に田んぼがあり、赤い牛に付いたヒモに手を縛られ、地面を引きずられている男などがいた。

教室内に連れて来られた大助は、担任の牛頭先生(烏丸せつこ)と馬頭先生(田口トモロヲ)を紹介される。

大助の死因の報告書のようなものを手にした馬頭先生が、自殺?と言うので、何かの間違いでしょう!と大助は驚く。

ラインやツイッターで自殺をほのめかしたでしょう?などとキラーKに言われた大助は、高校生くらいって誰でも死にてえくらい言うでしょう?と反論する。

死を美化して歌っていたよね?とキラーKが指摘する。

スーサイド♩頭の中は0歳♩みたいな歌を確かに大助は歌っていた。

自殺するなんて屑だ!地獄の仕組みするっと学んで行けや!とキラーKは言い、黒板の所に地獄の説明図を垂らす。

首に手かせを兼ねた板を付けている同級生から、今日、牛頭先生は整理中なので機嫌が悪いと聞かされた大助は、牛の頭の牛頭先生がメスだと知り驚く。

「不殺生戒」と書かれた文字を見た大助は、バスの中で同級生の男子が読んでいた「地獄」のことを思い出し、ついでにバスに中のこともはっきり思い出す。

思い出したんだ!自殺じゃないと思う!と大助は発言する。

手塚ひろ美さん…、1年の時からずっと好きだった…、軽音入ったのも、ひろ美さんがロック好きだったから… 「不偸盗戒」盗んではいけませんとキラーKは解説する。

ひろ美さんがいそうな所に先回りして待っていた…と大助が告白すると、それストーカーだよ!と突っ込まれる。

(回想)海岸べりの公園にたまたまチャリで通りかかったように装った大助は、小さな公園のベンチに腰掛けて1人フルートを吹いていたひろ美に声をかける。

ロック好きを装って…、太宰とかさ、生まれてすいません的な儚げな雰囲気が好きなんじゃないかって…、髪型は失敗したって自覚してますけど…と大助はあれこれ弁解する。

ギターケースを背負った振りをして近づくが、中身は入ってないので、ネックの部分がへたって折れ曲がるので、大助はそれを直そうと懸命だった。

(回想明け)風呂覗いてないか?といきなりキラーKが聞いて来たので、そんなことする分けないじゃないっすいか!と慌てて大助が否定すると、修学旅行で風呂覗かないなんて男じゃねえだろ!とキラーKが言うので、覗きましたと大助は正直に答える。

杉本と柴田に命令されて…と大助は言い訳する。

(回想)スマホで、脱衣所にいた女子たちを撮影した後、寝ているひろ美の部屋に忍び込んだ大助は、杉本と柴田から、キスしちゃえば良いじゃんとけしかけられたので、八つ墓村のように懐中電灯を二本頭の両側にはちまきで縛った姿で顔を近づける。

しかし、前田先生が来た!と声がしたので慌てて逃げ出す。

続きがしたくて、友達にバスの席代わってもらって手塚さんの横に座った大助は、昨日、ひろ美が土産屋で熱心に見ていたお守りを手渡す。

それは安産のお守りだった。

ひろ美は困惑したようだったが、お守りのお礼のつもりかバナナを1本渡して来る。

そして顔を近づけると、夕べ、部屋に来たよね…とささやきかけて来る。

その時、もうすぐトイレ休憩です!との声がして、大助、どうした?具合悪いのか?と言う前田先生の声がする。

その時、ひろ美からもらったバナナを加えていた大助は、崖から飛び出したバスの中で、バナナを喉に詰まらせていた。

(回想明け)おやつのバナナを喉に詰まらせた!とキラーKがバカにしたように驚く。

自殺じゃないんだ!と大助は訴える。

泣くなよとキラーKは慰めてくれるが、夕べしとけば良かった!高3だぜ!チューもしないでこんな所に…と大助は嘆く。

毎週金曜日、えんま様の面接がある。気に入られたら輪廻転生が出来るサービスだ。

生まれ変われるのは、人間道、餓鬼道、修羅道、畜生道…、そして地獄だ。

試験は計7回あり、7回とも人間道に戻れなかったら、角が生えて来るとキラーKは表を示しながら説明するが、1つだけ指さなかった文字があることに気づいた大助は、その天道って天国のことだよね?と質問する。

キラーKは慌てたようにその文字を隠そうとする。

その後、外で歌うたいの小鬼(木村充輝)が歌っていると、 側にあった大きな小山のような岩が突然崩れ、その下から巨大なえんま校長(古田新太)が出現する。

嘘付くと、ベロ抜かれるからな!とキラーkが忠告してくれる。

何かの手違いなんですよ!と大助はえんま校長に訴えかけるが、畜生道!と言いながら。えんま大王は判子を押す。

(現世)気がついた大助は、自分がトイレの中にいることに気づく。

そこに入って来たのは、あの「死神」だった。

「死神」ことなおみは便器を跨いで、パンツを降ろしながら大きくせり出したおなかを愛おしそうになでていたが、突然、トリ!と叫ぶ。

大助は夢中で「スタジオぱんだ」を飛び出して脱出する。

大助は、自分がインコに生まれ変わったことに気づく。

何とか自宅二階の自分の部屋に飛び込んだ大助だったが、そこにいた弟のタツノリは、ベッドの上でアイドルの写真集を見ながらオナニーをしている最中だった。

何してるんだよ!ま、中学生だから仕方ないか…とインコになった大助はぼやく。

大助が慌てて出て行った後、部屋に飾ってあった高校の文化祭のときの集合写真に写ったひろ美の側に寄ったインコの大助は、ひろ美さん…と呼びかけながら、気がつくと、写真をかじっていた。

そこへやって来たのは母親(坂井真紀)で、ピーちゃん!おいで!などと呼びかけながらインコの大助を捕まえると、いきなりキスして来ようとしたので、母ちゃん、俺だよ!と心の中で呼びかけながら窓から外へ飛び出して逃げる。

(回想)海岸べりの公園でひろ美と会った日、ひろ美は、お母さんいないの…、嘘、再婚したの…、良い人なんだけどね、新しいお母さん…、そう云う問題じゃないね…などと照れくさそうに言うので、ここで時間潰していたのか…と大助は気づく。

俺は大事にする!と突然大助が言い出したので、何を?と驚いたひろ美が聞くと、娘を!と大助は答える。

いるの?とひろ美が聞くと、大人になってからの話…、絶対、離婚なんかしない!婆さんと爺さんになっても大切にする!奥さんをね…、俺はね!と大助はひろ美に伝える。

(回想明け)自宅に戻ったインコ姿の大助は、自分の遺影が飾られた仏壇の鈴の中から姿を現すと、自分の遺品の形態を探す。

リビングのテーブルの上に置かれた自分のスマホを発見したインコの大作は、タッチしようと画面の上に乗るが、足で押すことに慣れてないので、つい写メのシャッター音を鳴らしてしまう。

その音で驚いたのは、隣のテーブルでせんべいを食べていた母で、スマホの方へ近づいて来るが、眼鏡を探しに戻った隙に、手塚さん、俺色々会って奇跡的に生き返ったんだ。

このメール読んだら返事くださいとんこの大助は文字を打ち込んむが、そこへ戻って来た母が突然持って来た水切り網をかぶせて捕まえてしまう。

その後、仕事から帰って来た父は、スマホの上に乗っているインコを見ると、ピーちゃんは大助の生まれ変わりだなと笑う。 弟のタツノリも、兄ちゃん、いつもスマホいじってたから…と言う。

(地獄)その直後、地獄へようこそ!と聞き慣れた声を大助は聞く。 大助はインコとしての寿命を終え、又地獄へ戻って来たのだった。

今日何曜日?と聞いた大助だったが、火曜日…、あれから7年経ったけどねとキラーKは教える。

地獄の一週間は現世の10年だと言う。 じゃ、ひろ美さんは!と大助が驚くと、死んでるよ…とぼそっと邪子が言う。

でも天国行ってるかも!と大助が希望的観測を言うと、地獄から天国行った奴、1人もいねえ!とキラーKがとどめを刺すように言う。

でも、人間に生まれ変わった奴はいるんだ、高校生が参加する地獄ロックに勝って人間になったのは篠山紀信とか…、地獄ロックの覇者だ!鬼ミュージシャンと対決するんだ!カメラマンまで審査の対象になる。

審査で生き残った奴がメジャーデビューできるんだとキラーKが突然説明する。

エレキ対決!

ジゴロック挑戦者(野村義男)がエレキを披露すると、タンバリンを使ったジゴロック挑戦者(ゴンゾー)も登場 歯医者は拷問の末、地の釜に落とされる。

ここじゃ現世のことをメジャーと呼んでる。俺は高校生じゃないからマネージャーをやると大助に、「地獄図(ヘルズ)」に入ってジゴロックへの挑戦を勧める。

しかし大助は、1人でも無理なのに3人も現世なんて無理でしょう!俺はただひろ美さんに会いたいだけだし…とためらう。

その後、大助は田んぼでの稲作に励み、地獄米を収穫した後、不眠不休で頑張りました!とえんま校長に2度目の試験を受けるが、近づく際に転んでしまう。

えんま校長は迷わず「畜生道!」と叫んで判子を押す。

(現世)気がついた大助は、また「スタジオぱんだ」のトイレの中で今度はザリガニに生まれ変わっていた。

トイレに入って来た見知らぬ子供は、面白がって小便をかけて来る。

ドアを開けた向こうには「死神」がおり、外へ放り出されたザリガニの大助は、通りかかったおばあちゃんの買い物車に轢かれてしまう。

(地獄)やっぱ向いてないのかな~と戻って来た大助が気落ちていると、部活でもやんねえか?うちの高校には特待生制度があるんだ、ダンス、シンクロ、サッカー、野球…とキラーKがクラブをあげて行くので、軽音楽部は?と大助が聞くと、あるよと言うが、音漏れてるしね…と、既に感づいていた大助は言う。

キラーKは、軽音部の顧問もやっていると言うが、大助は、バンドなんかやらねえよと断る。

するとキラーKは、現実を見ろ、大助、手塚ひろ美ちゃんもおそらく天国にいる、二度と会えないんだよ。地獄ですら前向きにしか生きられないのが人間だ!と説得する。

側には、首と手かせを兼ねた一枚板をかませられたMOJA・MJ(みうらじゅん)が、タバコを一本恵んでもらったものの、手が口にまで届かないことに気づいていた。

鬼は何でも知っている!とキラーKが威張るので、「死神」が妊娠したことも?会ったよ、現世で…と大助が教えると、仰天して、10年前だ~!とキラーKは叫ぶ。

この間は息子にも会ったと大助が打ち明けると、なおみ~!何で?マザーファッカー!とキラーKは半狂乱になる。

泣いてるんですか?と大助が驚いて聞き、「死神」も前向きにしか生きられなかった訳ですね?と同情するように言うと、お前が会ったのは俺の息子だ…とキラーKは言う。

音楽で食って行くのが夢だった…、5歳でピアノを習い、音大で学び…、だがいかんせん俺には才能がなかった…とキラーKは打ち明け始める。

なおみは献身的に尽くしてくれた。そんな彼女の優しさに俺は甘えていたんだ。

(回想)ある日「ヘブン3」と言うゲームのパッケージを近藤に見せたなおみは、BGMの作曲家募集しているんだって、そのゲームの関係者がうちのお客さんだったの。ヨシ君の曲、聞いてみたいんだってと言い出す。

ピンチだ、才能のなさを悟られえてしまう!と焦った近藤は、邪魔にならない音楽だろ?オリジナリティ出せない奴だろ?止めとくわ、理想が高いと思われるかもしれないけど、やるからには妥協したくないから…、音楽で嘘付きたくないし…、槍もしないで文句ばかり…とごまかそうとするが、なおみは一言、何も言ってないよ!とだけ言って、それ以上は何も言わなかった。

良い訳ばかりしている俺に嫌気がさしたんだ… ある日、なおみはいなくなり、電灯のヒモに何かが付いていたので、それを確認すると、「おなかに赤ちゃんがいます」と書かれたキーホルダーだった。

その時突然、頭の中に音楽が浮かんだんだ。最悪の状況なのに明るいメロディだったんだ… だけど、ギターもキーボードもとっくに手放していたから、メロディを忘れないように歌いながらチャリを飛ばした。

あなたがいればそこが天国~♩あなたがいない、そこが地獄~♩ 「スタジオぱんだ」で俺は夢中で曲を完成させた。

その時、飲みかけていた缶コーヒーに、大助がタバコの吸い殻を入れたのだった。

30時間ぶっ通しで作った曲を届ける途中… 夕方、チャリで踏切を渡った近藤は、スマホがかかって来たので出ると、相手はなおみだったので、今どこ?出来たんだ曲!とうれしそうに伝える。

その時、警報が鳴り始めた背後の踏切から子供の泣き声が聞こえて来たので、何事かと振り返る。

そこには、直前にすれ違った自転車に乗った子供の補助輪が線路にひっかかり動けなくなっていた。

迫り来る電車 泣きながら動こうとするが補助輪が取れない子供 チャリを飛び降りた近藤は思わず子供を助けようと踏切内に飛び込むが、気がつくと、子供は補助輪が外れ、そのまま踏切の外に走って出ていた。

踏切の中央で転んだ近藤に電車の照明灯が迫る。 線路上にはスマホを落としていた。

(回想明け)自殺と見なされ、俺は地獄へ落とされた…とキラーKが語り終えたので、さっきの「天国」って曲、町名曲じゃないですか!と大助は褒める。

こっからなんだよ、俺は7回転生した訳。

でも、俺は昭和21年暴行罪をしていたみたいなんだよ。

70年も前が俺の始まりだったらしいんだ。

ゴリラ、ムカデ、ゴリラ…と転生したらしい… 人間はずる賢いので忘れると言う能力を持った…、頭触ってみな、角が生えて来たろう? 今日からお前はキラーKとして、俺に仕えるんだ!とえんま校長から命じられてしまった…とキラーKは打ち明ける。

COZYと邪子は後1回で打ち止めとも言う。

「天国」は渾身の曲だった。

あれが世に出ていたら、俺はなおみと子供と3人で、幸せに生きられたのに…とキラーKは悔やむ。

その話を聞いた大助は、俺やるよ!目標出来た!「天国」を死神と息子に聞かせてやるよ!と言い、早速ギターを弾き始めるが、それを聞いていたキラーKは、呆れたように、お前ギター下手だろ?と指摘する。

しかし大助は、教えてくれ、キラーK!と頼む。 結局、大助の次の面接はギター演奏でチャレンジするが、えんま校長は耳を押さえ「畜生道!」と宣言する。

(現世)大助は、「スタジオぱんだ」のトイレで、オットセイに生まれ変わっていた。

トイレで見つかったので「トイ君」と名付けられ、曲芸をさせられることになった大助だったが、そこへ1人の美人が客席にやって来る。

その顔を見た瞬間、大助は、大人になったさと美ではないかと直感し、さと美ちゃ~ん!と心の中で叫びながら、客席の美人の方に大きくジャンプする。

(地獄)今の絶対そうだよね!近藤さん!と大助はキラーKに話しかけるが、側にいた邪子は、ありえない話すんな!とふてくされたように言う。

和式が洋式になってた、スタジオは焼き肉屋になっていた…と大助は、「スタジオぱんだ」のトイレと店の変化を教えると、死神は冷麺食ってたと付け加えるが、「天国」を聞かせようとしたが伝わったかどうか…と不安げに言い、やっぱ俺じゃダメなのかも…と自分の無力さに気づく。

それより、手塚さんっぽい人に会ったんだ、生きていたら37歳だろ?ちょうどそのくらいだった!と大助はキラーKに報告し、キスしようとジャンプしたら…と続けると、ベンチにチューした訳だ?とキラーKは、オットセイが死んだ理由を察する。

手塚さんは生きてる!1人生きていたのは手塚さんだったんだ!と大助は喜ぶ。

その直後、地獄へ堕ちて来たデブ女がいた。 彼女は、何故か、大助の写真が入ったペンダントを懐かしそうに開いて見つめる。

大助は高校の部室で懸命にキラーKからギターを習っていた。

そこへやって来たのが地獄最凶のガールズバンド「デビルハラスメント」で、そのボーカルがあのデブ女だった。

その顔を見た大助は、和田じゅんこさん(皆川猿時)?と気づく。

裾野市立南高の3年C組出席番号35番!和田じゅんこ!とじゅんこは答える。

その 額には、修学旅行の夜、ひろ美にキスしようと忍び込んだ部屋で、大助らがじゅんこに落書きした目玉が付いていたからだった。

ただ1人の生存者が君じゃなかったんだ…と大助がわざとらしく言うと、あんた、いっつもひろみ!あたいなんか、いっつもフレームアウト! 大助の記憶にあったひろ美が学園祭でフルートを吹いている横では、実は、じゅんこも一緒にフルートを吹いていたのだが、大助の記憶の中には存在してなかった。

ひろ美と一緒に記念写真を撮った大助の写真にも純子は入ってなかった。

これまでの恨み、今こそハラスメント!

演奏を始めた「デビルハラスメント」を見たキラーKは、じゅんこのギターテクが巧いことに気づく。

ビジュアル的におとっている方が…と大助も驚くが、それを聞いた「デビルハラスメント」の修羅(シシド・カフカ)がはっきりブスって言えよ!と啖呵を切って来る。

直後、じゅんこに修羅はぶっとばされる。

その時、こいつは俺のメンバーじゃない!と大助を無視し、「地獄図(ヘルズ)」に入ってくれ!とじゅんこに土下座をしたのはキラーKだった。

それを見た大助は、そりゃないよ近藤さん…と呆れ、ギターを持っていきなり部室から逃げ出す。

その時、関君だよね?と声をかけて来た眼鏡の中年男と出会う。

それが、同級生の松浦(古舘寛治)だと気づいた大助は、すっかり中年になった相手の姿に驚く。

何、順調に年取ってるんだよ!とからかった大助だったが、次の瞬間、じゃあ、1人の生存者って!と気づく。

転落して行くバスの中、後方に弾き飛ばされた松浦は、誰かがクッションになって助かったのだと言う。

(回想)そのクッションになったのがじゅんこだった。

(回想明け)あれから30年も経ったと言う松浦の年月は、地獄で過ごした大助にとっては3週間の出来事だった。

昨日来たばっかと教えた松浦は、いつのまにか背後から近づいて来た怒りまくったじゅんこが頭に突き刺した鎌を、面倒くさそうに抜く。

不倫しちゃって、会社の金使い込んじゃってさ…、どうこっちは?と松浦は聞いて来る。

部活やったり…と大助が答えると、女は?風俗関係とか…と松浦が言うので、金持ってるの?と大助は聞き返す。

手塚さと美覚えてる?と大助が聞くと、席代わったじゃないとバスの中のことを松浦は言い、ちゃんと見てない!女湯の動画!などと今頃言い出す。

バスの中でさ、気になること言ったんだよ…と大助は、お守りをさと美に渡した後のことを思い出す。

(回想)ゆうべ、部屋に来たよね?私のこと好きでしょう?と顔をを近づきたさと美は言う。

その直後、もうすぐトイレ休憩です!と女教師の声がして、数人が私行く!と声を上げた後、なお美も私も!と言う。

(回想明け)トイレのことだったのか、それとも…と大助は気にしていた。

でも、生き残ったのが松浦ってことは…と大助があきらめ顔でつぶやくと、生きてる!と松浦は答える。

キラーKの「鬼フォン」で見た地上のテレビニュース画面に出ていたのは「亡くなった人29名、生き残った人1名」とあったが、さっき再会したじゅんこは、出席番号35番と言っていた。

大助のクラスは総勢35人だったのだ。

つまり生存者は6人おり、その内、ひろ美ら動ける5人は救助隊が来るまでに山を下りたのだと言う。

それを聞いた大助は、やった~!手塚さ~ん!と驚喜する。

その後、またしても大助はえんま校長の面接を受けるが、またしても「畜生道」の判定だった。

(現世)今度は犬に生まれ変わった大助は、いつもひろ美がフルートを吹いていた海辺の公園に行ってみる。

すると、そこにひろ美そっくりの女子高生がフルートを吹いていたので、ひろ美ちゃん?と喜びながら近づいてみるが、振り返ったのはひろ美ではなかった。

そこはひろ美ちゃんの席だろ!そこでないとダメなんだから!と大助は抗議するが、犬なので相手に通じるはずもなかった。 その時、大助の犬は、背後から近づいて来た見覚えのある美人に気づく。 来た~!と大助は心の中で叫ぶ。

大人になったひろ美(宮沢りえ)は、いきなり足にしがみつき腰を動かす犬に驚くが、すぐに、そのイヌがバナナの皮を渡そうとするので、くれるの?と笑顔で聞いて来る。

彼女が持っていたバッグには、大助が渡した安産のお守りがちゃんと今でも付いていた。

何しに来たの?とフルートを吹いていた少女が聞くと、あんたこそ、ママの思い出の場所で何してるの? ままも高校生の時、ここに良く来ていたわ。

お父さんと口聞きにくかったの。

その時、ある男の子が偶然を装って近づいて来て、嘘付いているのバレバレだった…とひろ美が言うと、もう何度も聞いてるわ、修学旅行で死んじゃったんでしょう?と娘らしき少女が言う。

爺さんと婆さんになっても奥さんを大切にするなんて言ってたけど、その1週間後に死んじゃった… でもその後、1度メールが来たのよ…と言い、ひろ美は、インコになった時、大助が送ったメールを娘に見せる。

捨てられないの…とつぶやいたひろ美は、パパのこと好き?まなみは嫌いなの?と聞く。

だって、すぐ怒るし…、話聞いてくれないし、ださいし…、何でパパと結婚したの?と娘が聞くと、普通に隣にいる人、好きになること経験したからかもしれないわね…、好きだと気づいたらもうどうしようもなかった…。 隣にいる人を大切にしようって思うようになったの…とひろ美は言う。

好きや嫌いって、気の持ちようでどうにでもなるものよと言うと、死んじゃったら喧嘩も出来ないしね…と真奈美は言う。 好きも嫌いも伝えられないしね…とひろ美も寂しげに答える。

それを聞いた犬の大助は胸がいっぱいになり、とぼとぼとその場を離れ、「スタジオぱんだ」の近所に来ていた。

何だか人が走っていたので、何事かと「スタジオぱんだ」に近づいてみると、「スタジオぱんだ」が燃えているではないか。

なおみちゃんと息子さんがまだ中にいるの!と近所の人が叫んでいる。

手塚さんに会いたい…

(地獄)助けられなかった…、死神とあんたの息子…、ごめん…と言いながら、大助は犬として飛び込んだ「スタジオぱんだ」の中で倒れていたなおみの靴下の片方を差し出す。

何とかそれを噛んで外へ引き出そうとしたが力が足りず、一緒に焼死したのだった。

静岡県の焼き肉屋で亀井なおみと亀井ひろとの2名が焼死したと言うニュースが流れる。

おーい!と空に向かって叫ぶキラーKだったが、落ちてくる気配がないので、こっちに来ないのは、もう一つのあの世なんじゃないの…、良い人だったし…、泣くなよ、行き先が変わっただけなんだ…と大助は慰めるが、キラーKは片方の靴下を口にくわえ、声を上げないように泣いていた。

地獄から天国へ行った奴、いねえんだよ! 天国に「天国」なんて哀しいな…と邪子がつぶやく。

キラーKは靴下を全部飲み込むと、悲しみで巨大化する。 俺は今日から本当の鬼になる!お前を天国へ送り込むために! これが本当の地獄の特訓だ!とキラーKは大助に宣言する。

その様子をうかがっていたじゅんこは、こうしちゃいられねえ!と焦ると「鬼野楽器」へ行き、「デビルハラスメント」の仲間に自分の左手を切断させると、店に陳列してあった伝説のギタリストジミヘンの左手の1本を奪って自分の左手にくっつける。

しかし、えんま校長の面接でギターを弾こうとしたじゅんこだったが、そのジミヘンの左手が思うように動かない。

メンバーが、ジミヘンって左利きだからじゃねえ?と教えるが、時既に遅し、えんま校長は「畜生道!」と宣言し、じゅんこはカマキリの雌に生まれ変わる。

(現世)同じく、大助もまたまた「畜生道」になってしまい、同じカマキリの雄に転生する。

草むらで気がつくと、じゅんこのカマキリが追って来たので逃げようとする。 女の子に恥かかせるんじゃない!と言いながら、じゅんこが飛びかかって来る。

(地獄)「地獄図(ヘルズ)」の3人が、戻って来た大助に、童貞卒業おめでとう!と祝ってくれたので、いや!あれ、ただの後尾だし…と必死に否定しようとする。

じゅんこさんとお幸せに~と3人はからかって来る。

そこにじゅんこも落ちて来て、大助を見ると、恥ずかしそうに逃げ去ってゆく。 いい加減「天国」を教えてくれと大助がキラーKに頼むと、鍵盤で作ったんで…と言い出す。

地獄道っていつどこでやるの?と大助が困惑しながら、キラーKと高校の部室に戻って来ると、そこで軽快にキーボード弾いてたのは松浦だった。

享年47歳、松浦です!と松浦がキラーKに自己紹介すると、ジゴロックは高校生しか出場できないんだ!と、松浦の巧さに驚きながらもキラーKが悔しがる。

次の大助の面接の時、えんま校長は、「人間道だ!お前は人間として生き返るのだ」と突然言い渡すが、何故か大助が喜ばないので、不満?と聞く。

目標は天道なんで、俺だけ行っても意味ないんだ…。

彼女結婚してるし…、もう邪魔したくない。 キラーKの曲を天国へ…、それが俺の指命なんだ!と大助が言うので、それを聞いていたキラーKは、かっこいいこと言ってるんじゃねえぞ!次はスムージーも飲めるんだぞ!もっといいこと言おうと思ったんだけど…と口ごもってしまう。

十分だよ、俺、現世に行って、ただ生きている連中に、ただ生きているってことがどんなにすげえことか教えてやるよ、元気でな。俺、行って来るよ!と大助はキラーKたちに伝える。

人間界は競争社会だぞ、覚悟せいよ!とえんま校長は念を押す。 (現世)気がついた時、大助は精子に生まれ変わっていた。

え!ここから? と驚いた大助だったが、マスターベーションをしたおっさんのティッシュにくるまれ、そのままくず箱に直行する。

(地獄)再び地獄へ戻って来た大助は、キラーKから、お前ももう鬼になりかけてると言われ気づくと、歯に牙が蠅、頭には角が生えかけていた。

ラス1だぞ!もうここまで来たら、やるしかねえだろ!と何か覚悟を決めた様子のキラーKは、「鬼野楽器」に大助を連れて来ると、地獄にしかねえコードがある!Gの次はH!HELLのHをマスターするぞ!絶対勝てますから!と言い、店長の鬼野(片桐仁)に、人間には不可能なギターの弦の左指で押さえる位置を指示し始める。

鬼野は、特殊な指の形をしていたが、それでも痛そうにするのを無理矢理押さえさせ、自分の角でも弦を押さえると、良く見てな、地獄のコードHだ!と言い、力みすぎたために屁までこきながらエレキを奏でる。

すると突然地響きが置き、小山が崩れると、えんま校長が出現し、地獄のコード鳴らしたのは誰だ!と睨みつけて来る。

俺じゃない!と否定した鬼野はえんま校長の手のひらで瞬時に潰されてしまう。 その痕には、五芒星の光が地面に出来、地獄ロックバトル開催じゃ!とえんま校長が宣言する。

まずはドラム対決!とえんま校長が指定すると、地獄図(ヘルズ)のCOZYと「デビルハラスメント」の修羅の一騎打ちとなる。

勝負はつかず、次はベース対決! 邪子と鬼姫(清)の対決となる。

修羅がシンバルを投げて来てCOZYはタコに変身してしまう。

邪子は鬼姫にかかと落しを御見舞いするが、結局、白黒付けられず、蜥蜴に変身してしまう。

ギターソロ対決! じゅんこは「プチ整形だよ」などと言って登場するが、ジミ・ヘンドリックス、ランディ・ローズ、ゲイリー・ムーア、スティーヴィー・レイ・ヴォーンなどの手を全部合体した凄い姿になっていた。

手同士の仲は凄く悪そうだったので、分身の術!と言うと3人に分かれたので、そんなのありかよ?と大助は戸惑う。

一旦整理します!とえんま校長は言い、ハーフタイムショー!と宣言する。

松浦がピアノを弾き、キラーKが歌うが、畜生道!と言い渡され、松浦はネズミに変身してしまう。

大助がソロギターを披露すると、キラーKが、顔で弾け!違う、こうだ!と言いながら巨大化して行く。

えんま校長の目から光線が出て、修羅とじゅんこはハンバーグと豚に変身してしまう。

氷結地獄!とえんま校長が言うと、大助に火を吹きかける。

頞听陀(あただ)地獄はあまりの寒さに「あたた」と悲鳴を上げる!

臛臛婆(かかば)地獄は、寒さのあまり「はばば」と悲鳴を上げる!

虎々婆(ここば)地獄では、寒さのあまり「ふふば」と悲鳴を上げる!

そうした拷問に耐えている大助に、キラーKが自分のエレキを投げて寄越す。

大助は、地獄のコードHを弾こうとするが指が届かない。

すると、蜥蜴になった邪子が雄場所に留り、豚になったじゅんこも別の箇所をひずめで押す。 鳴らせ〜!とキラーKが叫んだので、大助がギターをかき鳴らすが、違う!Hマイナー!とキラーKは無念がる。

しかし、えんま校長は「天道!」と言い渡す。

地面に落ちていた骸骨から花が開き、キラーKが歌いながら、行って来い大助!天国がどんな所か!俺の歌が正しいのか、答え合わせして来い!と声をかけ、大助とギターを交換する。

「地獄図(ヘルズ)」が歌う中、大助の身体は光の中に浮き上がって行く。

キラーKがメロイックサインをすると、大助も同じメロイックサインで返す。

「TENGOKU」と書かれた場所に来た大助を出迎えたのは、レイア姫のようなヘッドホン部屋に月代があるような奇妙な髪型とおかしな片言日本語で話す神(瑛蓮)だった。

大助の名前を聞いた神は、御静かに願います、ベッドを用意が出来ました。

ご案内しますと言うと、大きな和式トイレ型のベッドが左右2列にベルトコンベアのように移動している場所に案内する。

杉本!柴田君!小池さんも!と流れて行くベッドの中にいた顔なじみを発見した大助は呼びかけ、みんなずっとここにいたの?と喜ぶ。

仏(荒川良々)から自分用の便器型ベッドに案内された大助は、脇に付いていたスイッチの牛マークボタンを押し、牛肉を食って喜ぶが、違う、違う!人を探して欲しい!手塚ひろ美さん、俺と同じ年だから87歳!と仏に頼むが、まだお越しになっていません。現世の1週間がここでの10年ですからと仏は言う。

あまりに退屈なので、地獄だよと大助がぼやくと、天国ですよと仏は答える。

その時、向かい側の列を流れて行くベッドの中に、片方しか靴下をはいてない人物を見つける。

なおみさん?と気づいた大助は、起き上がって、「天国」の歌を歌い出す。

すると、慌てたように仏が止めに来る。

関さん、ダメですよと、神と仏にベッドの中に押し戻された大助は、ビーフの横!セックスの上!と無理矢理「骸骨マーク」のスイッチを押させようとさせられる。

その時、拍手の音が聞こえて来る。

拍手をしていたのは、半身を起こした「死神」ことなおみと、隣のベッドのひろとだった。

遠ざかって行くベッドの中から、なおみは片方の靴下を脱いで振っていた。

それを見た大助は、自ら「骸骨マーク」のスイッチを押す。

再び地獄に返って来た大助を見たキラーKは、何故帰って来たんだ?と聞くので、つまんねんんだよ、地獄より地獄だったと大助は答える。

それを聞いたキラーKは、やっぱりおめえ、かっこいいから地獄に堕ちたんじゃねえの?とうれしそうに言う。

その時、最後に1つチャンスをやろうと言って来たのは、ちっちゃくなったえんま校長だった。

(現世)再びインコに生まれ変わった大助は、海岸べりの公園でフルートを吹いていた高校生時代のひろ美と再会し、そのフルートの先端に留る。

関君、私のこと好きでしょう?私も! 夕日をバックにキスする二人。

インコが飛んでゆき、エンドロール

地獄では、すっかり鬼になった大助が「地獄図(ヘルズ)」の一員として歌っていた。
 


 

 

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