白夜館

 

 

 

幻想館

 

BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント

ロアルド・ダール原作の映画化

昭和時代のノスタルジックなディズニー実写映画と言うか、動く絵本と言った雰囲気で、最新のVFXで自然な巨人表現や夢の世界の表現が楽しめるが、今風の刺激の強い表現ではないので、どちらかと言うと、今の子供が楽しむと言うより、大人が郷愁に浸るタイプの映画ではないかと言う気がする。

劇中に出て来る瓶に詰められた光の形をした夢の一つに、ギターを弾いている青年らしきシルエットが現れたりするが、おそらく「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマーフィーの姿ではないかと思うが、分かる人にしか分からないはず。

夜のイギリスの町に出現するBFGの姿には、往年の東宝フランケンシュタインもの、巨人国の恐ろしい巨人たちには「進撃の巨人」などを彷彿とさせる部分があるが、幼児向けの絵本のような世界なので表現はきわめておとなしく、刺激の強い怪奇やアクションなどを期待して見ると、やや物足りなく感じるかもしれない。

スピルバーグの往年の作品「E.T.」などよりももっとおとぎ話に近く、現実性が希薄な分、ハラハラ感も弱い。

ヒロイン主役のファンタジーと言う事もあり、男性よりも大人の女性好みの作品かもしれない。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2016年、アメリカ映画、ロアルド・ダール原作、メリッサ・マシソン脚本、スティーヴン・スピルバーグ監督作品。

タイトル

夜のロンドン 児童養護施設

その入り口のドアの下に差し込まれた郵便物の中から雑誌を拾い上げた院長先生は、正面階段の踊り場に毛布をかぶって伏せて様子を見ているソフィー(ルビー・バーンヒル)のことには気づいていなかった。

院長先生が立ち去ると、ソフィーは階段を降り正面玄関のドアに施錠をすると、きっと来るわ…、マジックの時間… 恐ろしい怪物が現れさらって行くの… 大きな柱時計は深夜の3時を指していた。

ソフィーは玄関の電気を消すと、他の孤児たちが寝ている寝室に戻って行く。

院長先生は真夜中だって言うけど私は3時だと思う… 寝室の窓から外を見ると、3人の酔っぱらいが施設前の路地の水たまりで騒いでいたので、どっかへ行ってよ!眠れないじゃないの!と文句を言うと、その声に気づいた酔っぱらいたちが、お嬢ちゃん!と呼びかけて来たので、お嬢ちゃんじゃないから!とソフィーはむくれる。

窓を閉めたソフィーには、外の建物に大きな影が映ったのに気づかなかった。

眠れないソフィーは毛布をかぶって寝室内を歩き、飾ってあるドールハウスのミニチュアベッドを眺めると、又ベッドに戻ると、眼鏡をかけて、懐中電灯の灯りで本を読みだす。

その時、外で物音がし、ソフィーの毛布に乗っていた猫が窓から外のバルコニーに出て行く。

ソフィーは、窓から外へ出て行ったりしちゃダメよ、カーテンも開けたりしちゃダメ!と言いながら、再び窓辺に近寄るソフィー。

猫は表の路地のゴミ箱を倒すと、巨大な手が出て来てそのゴミ箱を元に戻す。

その大きな手の主の巨人ビッグ・フレンドリー・ジャイアント(マーク・ライランス)とベランダから見ていたソフィーの目が合ってしまう。

ビッグ・フレンドリー・ジャイアント通称BFGは、驚いて硬直状態のソフィーを見ると、手を伸ばして来て毛布をかぶっていたソフィーを掴むと、急いで町から逃げ出す。

道路にトラックが来ると、BFGは着ていたマントを全身にかぶり闇の中に溶け込む。

そして猛スピードで走って郊外に出ると、海岸に並んだろうそくのような岩をぴょんぴょん飛んで、雷雲の中に飛び込んで行く。

そして見知らぬ場所の洞窟の中に来ると、岩の扉を閉じ、ソフィーが入った毛布をくるんだまま高い梁の釘に引っ掛けると、包丁を研ぎ始める。

ソフィーは急いで毛布から梁の上に逃げ出すと、梁を伝って窓の所へ来ると、それを押し開けようとするが、窓枠に置いてあった糸巻きをうっかり蹴飛ばしてしまい物音を立ててしまう。

すると、それに気づいたBFGが、お前さん逃げ出す気かい?羽でもないと逃げられないぞ。わしは腹減っただけなんだ…と言いながらフライパンにソフェィーを乗せる。

ここはどこ?と聞くと、巨人の国だとBFGが答えたので、そんな国はないわ!と賢いソフィーは言い返す。

凄く遠い国でしょう?あなたの他にもまだいるの?と聞くと、ダロリン、チタラリン…などとBFGは、他の巨人の名前を次々に挙げて行く。

私の事食べるの?と聞くと、わしが?と驚いたように聞き返したBFGは、わしが巨人だから、人間豆を食べると思っているのかね?よしてくれ!と否定する。

私をさらったでしょう!と責めると、お父さんとお母さんがどんなに探しているかと思うと…とBFGが案ずるので、いない!赤ん坊の時死んだの。

今、孤児院にいるの。院長先生が変な規則を作って、たくさんの罰があるの。

規則を破ると地下室に閉じ込めるの…とソフィーは打ち明ける。

BFGも、自分の身長は7mと他の巨人に比べおチビちゃんなので、あんたをさらうしかなかった。

人間豆に見つかると巨人捕獲作戦が始まるだろう。 テレビとかラジオとかで言ってた…と、どこかおかしな言葉遣いでBFGが説明するので、もう帰りたいわ…とソフィーが言うと、ダメだ、お前さんはここで暮らすしかないんだ…、死ぬまでな…とBFGは言い聞かす。

きっと私の方が先に死ぬわ…が言うソフィーに、BFGは毛布をかけてやるBFG。

私、逃げるから…とソフィーは言うと、1人で逃げてはいかんと注意したBFGは、ソフィーから言葉がおかしいと指摘され、わしはちゃんとしゃべっとるつもりなんだが間違ってしまうんだ…と気落ちしたようだったので、失礼な事言っちゃった…とソフィーは反省する。

ソフイーは、BFGの部屋の中の棚に並べてある瓶の中で光っている不思議なものを見て、瓶の中は何なの?と聞くと、夢だよとBFGは答える。

ソフィーは、私、眠れないの…と答えるが、夢は不思議なもの…とBFGは言いながら、ソフィーを大きな帆船型ベッドの見張り台の中に置いてやる。

そしてソフィーが読みかけていた本を拾い上げ、BFGがそれを読み始めると、いつしかソフィーは、見張り台の中で眠りに落ちていた。

BFGは洞窟の片側にある大きな滝の方へ機械仕掛けの小さな橋を渡し、滝の反対側にある瓶のコレクションルームにやって来る。

そこには多くの光る夢が詰まった瓶が並べたあった。 BFGは、瓶の中の光を調合し始める。

その時、ソフィーが見張り台の中で目覚める。 下を見て見ると、帆船の中をベッドにしてBFGが眠っているので、ソフィーは窓を開け、そこから外へ逃げ出す。

すると、知らない別の巨人に捕まり、助けてお願い!と頼んだソフィーだったが、結局巨人に食べられてしまう。

目覚めたソフィーは、自分が見張り台の中で寝ていた事に気づく。

あなたの仕業ね!とBFGに文句を言うと、ひよっこちゃん、わしのような年寄りにヤンヤン言ってはいかんのよなどと言い、BFGは瓶に入ったソーダのようなものを取り出す。

ソフィーは、そのソーダの泡が上から下に降りているのに気づき、それを尋ねると、泡が下から上に昇ると下品なゲップが出るだろう?これは泡が下に行くから、プックププーが出るんじゃ、幸せの証だと嬉しそうに言いながらBFGはそれを飲む。

やがて、来たぞ〜!とBFGが言ったかと思うと、BFGの尻から緑色のジェット噴射のようなおならが吹き出し、BFGの身体が浮かび上がる。

その時、外から、おい!家にいるのか?と言いながら、いきなり扉を開けて中に入って来たのは大巨人マルノミだった。

お前、今しゃべっていただろう?誰としゃべっていたんだ?怪我したぞと言いながら、自分の指をBFGに差し出す。

ソフィーは水の入った釜の裏側にみを隠すが、BFGから指の治療をしてもらっていたマルノミは、突然鼻をひくつかせ、人間豆の匂いがすると言い出す。

ソフィーは、先ほどBFGが料理していたお化けキュウリの中に入って隠れる。

それに気づかず、お化けキュウリでもどうだい?と勧めるが、誰が腐った野菜なんか食うか!と拒否するが、見た目は酷いが、中から巧そうな匂いがするぞと言い出し、中にソフィーが入っている事に気づいたBFGは、慌てて君はお化けキュウリなんか嫌いだろう?と声をかけたので、その暗示に乗ったマルノミは、俺は腐った野菜なん大嫌いだ!と言ってキュウリを捨てる。

さらにマルノミは、お前は俺立ち仲間の恥さらしだ!と捨て台詞を残し家を出て行く。

その後、お化けキュウリの中から、全身ドロドロになったソフェィーが出て来たので、手のひらに持ったBFGは、滝の裏側のコレクションルームへ連れて行く。

そして、タンクに入った水を出してくれて、ソフィーの身体を洗ってくれた後、暖炉の前で乾かそうとしてくれるが、ソフィーにはあまりにも熱すぎた。

何か着るものある?とテーブルの上に乗ったソフィーが聞くと、BFGはどこからか大量の人間の衣装をテーブルの上に置き、部屋の中に生えていた巨木の大きなウロの一つの中を吹いてきれいにしてやると、その中にソフィーと一緒に持って来た彼女の毛布を敷いてやる。

さらに、ソフィーの眼鏡と本もその穴の中に置いてやる。

そして、新しい洋服に着替え終わったソフィーを見たBFGは、その上着、どこから見つけた!と驚いたように聞く。

赤い上着を着たソフィーは、素敵でしょう?と披露しながら、いけなかった?と聞く。

いや…、ただ…、何でもない…とBFGは口ごもり、どこかへ出かけうようとするので、どこ行くの?とソフィーが聞くと、仕事だと言う。

ソフィーは、私、誰にも言わない…と言うと、わしは、夢を捕まえに行くとBFGが教えたので、私も行きたいとねだると、だろうよ…、人間豆はクリームのかかったイチゴみたいなものだ。

鷲は夢を捕りに行く、1人でな…とBFGが言うので、私も夢捕りしたいわ!と頼んだソフィーは、眼鏡をかけ、瓶の中の夢の光を見て、何て素敵なの!と感動する。

そして、赤い上着を裏返しにして着直すと、私も連れてって!いつも1人ぽっちなの!と訴える。

しかしBFGは、その内慣れるさ…と言いながら、瓶に貼られていたラベルを貼り替える作業をする。

置いてったら食べられちゃう!だから連れてって!とソフィーが願うと、ようやくは自分の肩の上にソフィーを乗せ、山の天辺まで登る事にする。

ところが、表に出てみると、9人もの巨人たちが寝ていた。

BFGは、彼らが起きぬようにこっそり間をすり抜け通り過ぎようとするが、足を引っかけてしまい、転んだ所で、真っ昼間からどこ行く?と目覚めた巨人たちから聞かれる。

みんなで遊ぶ、ロックリー、走れ!と巨人たちが騒ぎだしたので、BFGが転んだ瞬間弾き飛ばされて草地に落下したソフィーは側にあった人間用の車の中に隠れる。

巨人たちは、その辺においてあった人間用の車をローラースケートのように足の下に敷いて、近くの丘のスロープから滑って来て、清掃車の上に乗せられたBFGと正面衝突しようとするが、BFGの頭が相手の股間にぶつかり悶絶する。

その時、雲行きが怪しくなり、あのフカフカが近づくと雨ザブザブになるぞ!とBFGが叫ぶと、濡れるのが嫌いな巨人たちは、近くの岩場の下に避難する。

BFGは、落ちていたソフィーの眼鏡を拾うと、持っていた大きな鞄をソフィーが隠れていた車の側に置き、ソフィーはその鞄の中に隠れる。

一方、マルノミは、橋の裏に貼り付いていたソフィーのかぶっていた毛布を見つける。

その匂いを嗅いでみたマルノミは、豆だ!と気づく。 巨人たちのグループから逃れ、山を登っていたBFGに、あんな酷い目にあっていいの?とソフィーが聞くと、9人の人間豆食らいと比べるな、やれる事はやっとるだろう…とBFGは不満そうに答える。

山の頂上に来ると、そこには巨大な木が1本生えていた。 ようやく着いた…、お前さんは夢の国にいるんだ、秘密の場所だぞ…とソフィーに教える。

わしには空の星の声も小さなありがしゃべっている声も聞こえるし、葉っぱの上を歩くてんとう虫の足音も聞こえるんだ。 全ての事が聞こえるのは酷く恐ろしい事だ。世界中の内緒話が聞こえるんだ。

わしが嘘を言っていると思うだろうな…、信じられない話だからな…とBFGは言う。

大きな湖の畔にやって来たBFGは、お前さんは何と呼べば良い?と聞くので、ソフィーで良いわと答えると、ジャンプだ、ソフィーとBFGは呼びかけ、自分は大きくジャンプして湖の中に飛び込む。

ソフィーは驚き恐れるが、思い切ってBFGと同じようにジャンプして湖に飛び込むと、ソフィーの身体は湖の中で天地が逆転して、そこには別の空間が広がっていた。 巨木は美しく輝きだしたので、ソフィーは、凄い!と感動する。

夢は優しい音楽みたいなものさ…、こりゃびっくり!素敵な夢を見つけた!最近は滅多にお目にかかれないからなとBFGは一つの明るい光を見つけ、そっちの方へ行った!とソフィーに呼びかける。

光はBFGの鼻から入り、口から出て来た所を捕まえる。 こりゃとびきり素敵な夢だな!とBFGはご機嫌だった。

ソフィーも別の光を捕まえ、瓶に入れる。

その瓶の中身を見たBFGは、この夢はお前さんと似とるな…と言いながら、ソフィーに拾っておいた眼鏡を渡す。

その眼鏡をかけたソフィーは、自分が捕まえた夢の瓶を覗き、こんにちは、素敵な夢さんと話しかける。

その時、また新しい光が飛んで来たのを見つけたソフィーに捕まえてごらんと促したBFGは、ソフィーの夢が入った瓶のレッテルに「ソフィーの夢」と書き込む。

緑色の光はソフィーの服の中に入り込み赤い光と喧嘩を始める。

その赤い夢を捕まえて来たソフィーに、何てこった!こいつはとんでもない悪い夢だ!これは恐ろしい夢だぞと呟くと、そのまま霧の中に消えて行く。

自分の間違いを思い知れ、お前、とても許されない…と暗い表情のBFGは呟く。

ソフィーは、霧で姿が見えなくなったBFGを探しながら、どこにいるの?見えないんだけど?と呼びかけていたが、急にBFGから水面の反対側の現実世界につまみ上げられる。

ソフィーが、ビッグ・フレンドリー・ジャイアントよりBFGの方が呼びやすいわよ、次はどこ行くの?と聞くと、夢の吹き込みだ、わしに出来るせめてもの事だ…と答えたBFGは、深夜のイギリスの町中にやって来ると、二階の寝室で寝ている男の子の窓をのぞく。

何故ここなの?とソフィーが聞くと、小さなこの心の音に呼ばれた、どんな夢が良いんだろうね?みんなが幸せになれる夢… 地球と同じくらい長い時間からずっと逃げているんだとBFGが言うので、私の心の音も聞こえているの?とソフィーが聞くと、全て聞こえると言う。

BFGは、持って来た大きなラッパのようなものに、夢の入った瓶を取り付け、ベッドで寝ていた少年と、別室で寝ていたその両親の口の中に光が飛び込んでゆく。

少年の夢の中では電話が鳴り始める。

父親が起きだして電話を取ると、相手は何とアメリカ合衆国の大統領で、大統領と少年が知り合いと言う事になっていた。

父親に呼ばれた少年がその電話に出て、大統領と親しげに話し始めると、母親も起きて来て父親とともに、そんな息子の様子に驚く。

夢はまだまだ色々続くんだ、中から見るととてつもなく長い…とBFGがソフィーに教える。

森に帰って来たBFGは、悲しみが聞こえる…、誰かのパパとママが誰かを探している…、怪物たち見えない…、止めさせなきゃ…と言うので、あんな事させちゃダメよとソフィーも巨人たちの悪さを止めさせたいと思うが、その時、私の毛布はどこに行ったの?と気づく。

巨人の国で落としたんだわ!とソフィーが思い出したので、巨人の国で落とした?とBFGは暗い表情になる。

空を不気味な黒い取りが飛んで行く。

いつしかソフィーは孤児院の玄関の前にいた。

私、寝ちゃったの?何で夢なんか見せるの? お前さんは毛布を落とした…、きっとお前さんの事がばれた…、お前さんといると危険だ… 昔、男の子がいた…、本が好きだった。

わしに読み方を教えてくれた… 君が着ている上着はその子のだ… その子はわしを怖がらなかった。

今のお前さんのようにだ… でも奴らにばれて、帰そうとしたんだが手遅れだった…とBFGの声が聞こえる。

その子は怖がった?とソフィーが聞くと、ああ…、最後はね…とBFGは言う。

私は兵器!とソフィーが空元気で答えると、そりゃ勇敢だな…と言うBFGの声だけが聞こえた。

しかしBFGは走り去って行く。 馴染みの猫がソフィーの側に寄って来たので、ソフィーは諦めて寝室のベッドに戻る。

しかし、諦めきれないソフィーはBFG!星の声やてんとう虫の声が聞こえるんなら、私の声も聞こえるでしょう?と言うと、カーテンを開けてベランダに出る。

そして、近くにいるんでしょう?いるのは分かってる!と言うと、ソフィーはいきなりベランダの手すりの上から飛び降りる。 地上に墜落する寸前、ソフィーの身体はBFGに受け止められる。

結局、又、BFGと一緒に巨人の国へ戻ったソフィーは、マルノミは鼻が聞くわ、何か作戦を考えなきゃ…と提案するが、わしにはさっぱり思いつかんな…とBFGは首を捻るが、次の瞬間、おい、ソフィー、隠れろ!と叫ぶ。

またマルノミが家にやって来たのだ。 ソフィーは急いで瓶の裏側に逃げ込むが、その時、眼鏡を落としてしまう。

さらにソフィーは木のうろの中に隠れる。

BFG!見ろ、お前さん、怪我したぞ!とマルノミがまた指を差し出したので、自分で直せよとBFGが冷たく返事すると、人間豆がいるだろう?と言いながら、ソフィーが落とした毛布を取り出し、探し出せ!狩りに時間だ!と一緒に連れ的な仲間の巨人たちに命じる。

9人の巨人たちは、毛布の匂いを嗅ぎ、BFGの家の中を一斉に探し出す。

コレクションルームの棚も次々に倒してしまったので、瓶が壊れ、中に入っていた光の夢が逃げ出してしまう。

BFGは、わしのとっても大切なもの!わしは礼儀正しくやって来たのに…と嘆くが、巨人たちは、美味しい人間豆はどこだ!と探しまわる。

ソフィーは、部屋のあちこちを逃げ回り、水が流れるトイの中に落ちる。

止めろ!みんな、出て行け!と叫び、BFGは、ソフィーを自分の背中沿いに逃がし、ソフィーはまた鞄の中に隠れる。

そのバッグをマルノミが掴んだので、慌てて逃げ出したソフィーは、又木のうろの中に逃げ込む。

巨人たちは、BFGのベッド代わりの帆船も破壊する。

ソフィーは青い光に導かれ、巨人の目をかいくぐる。

赤い上着を着た少年がBFGの手のひらに乗っている姿がソフィーには見えた。

木のうろの中にあったプップクプーを描いた絵をソフィーが見ていると、巨人の指が中に入り込み探る。

ここはわしの家だ!と叫びながら、BFGは暖炉でやけていた火箸を振り回し巨人たちを追い払い、お前たち巨人はおさらばだ! と叫ぶと滝壺の中に蹴落とす。

そんな中、ソフィーは飾ってあった女王陛下の肖像画を見つける。

BFGは、壊れてしまった瓶の中、呆然と歩き、ソフィーは赤い上着を脱ぐ。

たくさんの夢が空の向こうに消え去った…、言葉は一生の涙の種だ…、わしの言い間違いは最悪だとBFGが落ち込むので、あなたの話し方は素敵だと思うわ…とソフィーが言葉をかけると、こんなに嬉しい言葉をもらった事はない…とBFGは喜ぶ。

BFG!良い事を思いついたの!女王様の所へ行くの!何とかしてくれるわ、今なら夜までに着く!とソフィーは提案する。

早速BFGは、女王に吹き込む夢の調合を開始する。

割れずにすんだ瓶の中に入っていた赤い光がうごめく中に、ソフィーが9人の巨人たちがイギリス人の子供を食べちゃうの!などと言うので、その夢の要素の紫の光とオレンジ色の光を調合、さらに、軍隊を現す緑色の光も調合するBFGに、私の事も入れて!と頼むので、青い光も混ぜて、夢のカクテルが完成する。

女王様の夢の中で、小さな女の子が窓の所にいるのよ!そしてBFG!大きな巨人さんがお辞儀して、私は忠実な僕ですと挨拶するの…とソフィーが計画を話すと、それはあり得ん!絶対ダメな事だよ!とBFGは反対する。

しかし、その後、宮殿の中に忍び込んだBFGはソフィーに、女性の人間豆の寝息が聞こえる部屋を探しているんだとささやきかける。

やがて、女王(ペネロープ・ウィルトン)の寝室らしき部屋を見つけ出したBFGは、赤い光の夢が入った瓶を取り付けた大きなラッパを差し込むと息を吹き込む。

赤い光はラッパから飛び出し、女王の口の中に入り込む。

女王は悪夢にうなされているように、ダメよ、いけないわ!巨人たちが子供を食べるなんて!止めて!と叫んだので、お付きのメアリー(レベッカ・ホール)がどうなさいました?と言いながら入って来る。

とても恐ろしい夢を見たの…、寄宿舎から子供らが巨人にさらわれるの…と女王が起きて打ち明けると、今、お茶を…とメアリーは下がる。

その後にコーギー犬が2匹付いて行く。

朝のお茶の用意をして来たメアリーは朝刊にちらり目をやって、そんな!と顔色を変えると、どうしたの?と女王が聞くので、奇妙ですわ、陛下の夢と同じ事が…、夜さらわれたんですと言いながら、朝刊を女王に渡す。

巨人ではないかしら?カーテンを開けて!と女王が命じると、それに従ったメアリーが悲鳴を上げる。

信じられない!小さな女の子が窓の所に立っているわとメアリーが言うので、警備係のティブズ(レイフ・スポール)も慌てて入って来て、 女王も窓辺に立っていたソフィーを見ると、夢と同じ!あなた、どうやってここに来たの?巨人がそこに乗せたのね?と夢で見た事から推測して聞く。

彼は庭に待っています。

私の親友なんですとソフィーが答えると、何故私に会う気になったの?と女王が尋ねる。

思い出したわ!計画を固めて助けが欲しいのね!と女王は夢で見た事から推測ずる。

彼を呼んで良いですか?傷つけないと約束してくれますか?とソフィーが聞き、BFG!と呼びかけるが、なかなかBFGは姿を現さない。

ティブズは無線で近衛兵を庭先に集める。 彼を檻の家に入れたりしませんよね?と再度女王に確認したソフィーは、そこから降りてらっしゃい!と庭の木に向かって呼びかける。

女王は、メアリーに朝食の用意を命じる。

怖がっているだけですと女王に言い訳したソフィーは、ティブズ!勇気を出して!ともう一度呼びかける。

するとようやく、木に隠れていたBFGが姿を現したので、衛兵たちがその周辺に集結して来る。

ティブズさん、衛兵たちに下がるように言ってくださいと女王が命じたので、ティブズは無線でその旨を衛兵たちに伝え、衛兵が下がると、女王の窓辺に近づいて来たティブズは、マントを片手に持ち、女王陛下、私は忠実な僕です。

お会いできてとても嬉しく思います。お国の主様、とっても偉いお方様、ここへは小さなソフィーと一緒に来ましたと多少おどおどしながら説明する。

それを聞いた女王は、ボリスを呼ぶようにメアリーに頼む。

電話を受け取った女王は、ナンシー?ロニーはいる?と問いかけ、なら、起こして!と頼む。

女王陛下の登場です! 女王とソフィーが並んで宮殿の中の通路を進み、大広間に入ると、後からBFGが四つん這いになって同じ大広間まで案内されて来る。

何とか広間で立ち上がって喜びかけたBFGだったが、ルイ14世紀時代の由緒あるシャンデリアに頭をぶつけ落として壊してしまう。

執事たちがマントをお預かりしますと申し出、BFGの超巨大なマントを数人掛かりで運び出し、BFGの大きなバッグも数人係で運んで来る。

どでかい部屋だ!とBFGは大広間の大きさに感激するので、いつもこんな話方なの?と女王がBFGの奇妙な話し方に付いて聞くと、学校に行った事がないんですとソフィーが教える。

BFGが、特別に用意された特大のテーブルと椅子に腰掛けると、朝食が運ばれて来るが、BFG用のはその量もとんでもないもので、フォークの代わりにシャベルが運び込まれる。

どうぞBFG、召し上がれ!と女王が勧めると、巨大なシャベルで大量の卵やベーコンを派べたBFGは、わしにはこの一言しかありません。とても美味しくてホパが落ちるです。お化けキュウリにはおさらばだ!と生まれて初めて食べたごちそうの感想を言う。

最後に、食後のコーヒーは、ジョウロで注がれる。

そうしたBFGの様子を見ていたティブズが、隣に座っていたソフィーに、素敵な巨人さんだね…と優しく語りかける。

ソフィーは、おいしいイチゴを頬張り、ほっぺが落ちるです!とBFGと同じような感想を言う。

紅茶の方が良かったかしら?と女王がBFGに聞くと、プップクプーの方が良かった。わしが作ったプップクプーです。ほんの一口…、プリプリプーが楽しめますと、バッグに入れて持って来た自家製のソーダ瓶を取り出す。

そこへ、女王から招集された将軍が到着する。

直ちに巨人国に向かってください。後10時間で巨人たちは恐ろしい行動に出ますと女王が命じる。

BFGが地図を前に、巨人国の位置を示そうとするが、その場所とは、地図の外だった。

巨人国へは1度しか行けませんとソフィーが説明する。 作戦成功を祈り、BFG持参のプップクプーをシャンペングラスにとりわけ、将軍や女王にも配られる。

バグパイプの楽団が部屋に入ってくる中、召使いたちもコーギー犬たちも全員プップクプーのご相伴にあずかる。

しかし、その直後、将軍たち、飲んだ全員がおならをし身体が持ち上がったり、コーギー犬は部屋から吹き飛ばされて外へ飛び出す。

女王陛下が座っていたテーブルクロスも大きく揺れ動く。

しかし女王陛下は何事もなかったように、さあ、巨人の国へ!と真顔で命じる。

道しるべ役のBFGが外に出て、巨人の国目指して走り出すと、それを英国軍のヘリが追走する。

雷雲の中に入ったヘリはメーターが作動しなくなる。

作戦があるの?私が捕まえた夢!とソフィーが言うと、やる時はやらんと!下がってろ、ソフィー!とBFGは呼びかけ、夢のコレクションルームに来る。

そこには、「ソフィーの夢 心から望んだ事」とラベルに書き込まれた瓶を見つける。

一方、巨人の国の上空に入り込んだ将軍たちは、さあ、巨人の国だ!攻撃開始だ!と士気を高めていた。

ソフィーが瓶の中身を知りたがるので、目の前に未来が開き、豆の子にも巡って来る…とBFGは話しだす。

正直言うと、ほんの少しがっかりする事もあるけど、楽しい事もあった。

色々あるけど、最後には良かった事だけ思い出す… ソフィー、これこそが、お前さんが望んでいる事だろう。

あの夢はお前さんに近づいて来た。

でも、夢は覚めるでしょう?と寂しげにソフィーが言うと、ここでないところでな、豆だちさんとBFGが言うので、 でも、巨人の国じゃない。

友達はずっと友達だわ…とソフィーは答える。

これ忘れとるだろ?とBFGは言い、自分の指を差し出す。 指切りだと気づいたソフィーも小指をその手に触れさせ、時間よ、BFG!とソフィーは言う。

瓶を持って外に出たBFGだったが、トランペットを陛下様の所に忘れた!お先真っ黒だ!と自分のミスに気づく。

すると、ソフィーが瓶を持って、眠っている巨人たちの方へかけて行ったので、ダメだ!ソフィー!と止めようとする。

マルノミの側で、瓶のふたを開けようとしたソフィーだったが、いつ仁摩にか目覚めていたマルノミに、こんな所にいたとはな!と捕まりそうになる。

ソフィーは、その場で瓶を地面に叩き付けて割る。

瓶から出た赤い光をマルノミの口の中に入ると、外に飛び出し、他の巨人たちの口の中にも飛び込んでゆく。

巨人たちは全員、悪夢にうなされる。  

あなた、本当に悪い巨人ね!とソフィーがなじると、だからどうした?と言いながら、マルノミはソフィーを殴ろうとする。

その時、もう終わりだ、マルノミ!止めるんだ!お前さんは間違っとる!とBFGが駆け寄って来る。

俺はいつも腹が減っとるんだ!とマルノミは言うが、次の瞬間、上空に迫ったヘリから投じられた網をかぶせられ、巨人たちは次々吊り上げられて行く。

逃げようとした巨人たちは、側にあった無人の境界を倒壊させる。

その間、BFGはソフィーを掴むと肩の上に乗せその場を逃げ出す。

こうして巨人たちは遠くへ連れて行かれたのだった。

絶対誰も近づかない場所へ… 巨人たちは、無人島の側の海中に全員投下される。

マルノミたち巨人は、近くのその無人島に上陸するしかなかった。

女王様の指示で、その巨人たちの上にお化けキュウリが大量に落とされる。

巨人たちには、お化けキュウリしか食べるものがなかったので、嫌でもそれに慣れるしかなかった。

ソフィーは宮殿のベッドで眠っていた。 そこにやって来たメアリーが、さあもう起きる時間よと優しく声をかけて来る。

ティブズも、おはよう、ソフィーと声をかけに来る。

そしてコーギー犬も部屋に入って来る。 昨日の夜、夢を見たの。あの音で目が覚めたの…とソフィーはメアリーに教える。

BFGは、1人になった巨人の国で悠々自適に生活していた。

本も執筆していたわ…とソフィーは語る。

寂しくなると、彼に話しかけるの。 だって、BFGには、世の中の内緒話が聞こえるんですもの…

おはよう!BFG!とソフィーが呼びかけると、その声が聞こえたのか、巨人の国のBFGは微笑んでいた。
 


 

 

inserted by FC2 system