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ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション

シリーズ最新作…と言っても、元々のTVシリーズも見ていなかったせいかも知れないが、実はこのシリーズにはあまり馴染みがない。

だから、シリーズ内での相対的な評価のようなことは出来ないが、スパイ映画、007映画の類似映画ブームの中の一本として見ると、出来は悪くないと思う。

ネタ切れ気味な007シリーズの方よりは楽しめるような気がする。

ご都合主義全開な所もこの種の映画のお約束だし、相棒ベンジーのキャラクターの面白さもあり、気軽に楽しめるアクション作品になっている。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

2015年、アメリカ、クリストファー・マッカリー脚本+監督作品。

ベラルーシ、ミンクス

飛行場横の草原に潜んでいたベンジー・ダン(サイモン・ペッグ)に、IMFのウィリアム・ブラント(ジェレミー・レナー)から、イーサンは?と通信が入る。

まだイーサンの姿は見えなかったが、飛行場に停まっていた輸送機が動き出す。

マレーシアにいるルーサー・スティッケル(ヴィング・レイムス)が、衛星回線を中継してロシアの衛星に侵入中だとブラントは説明する。

そのルーサーから繋がったとの連絡が入るが、データはロックされている上に暗号化もされていた。

その間にも、輸送機は滑走路を進み、飛行態勢につこうとしていた。

その時、丘を走って来たのがイーサン・ハント(トム・クルーズ)で、丘の突端からちょうど通過する輸送機の翼に飛び移ると、ドアの所にしがみつく。

ドアを開けろ!ベンジー!とイーサンは無線で連絡するが、その時、輸送機は浮上を始める。

ベンジーは、モバイルを操作し、何とか輸送機のドアを開けようとするが、開いたのは輸送機の後部ハッチだった。

ドアが違う!と必死に叫ぶイーサン

操縦席では、後部ハッチが開いた警告ブザーが鳴ったので、助手が様子を観に行く。

イーサンは要約開いたドアから中に入ろうとするが、輸送機の勢いに押され後部の倉庫内に転がり込む。

そこには、ミサイルの先端のようなものが大量に積み込まれていた。

そこに様子を観に来た助手が、イーサンを発見してしまう。

イーサンは、ミサイルの先端部のようなものの梱包の前に立つと、唖然とする助手に手を振り、梱包に取り付けられたパラシュートのスイッチを入れる。

梱包の背後でパラシュートが開き、そのままイーサンと荷物は、開いたままの後部ハッチから外へ飛び出して行く。

タイトル

ロンドンの街角の一軒のレコード屋に入るイーサン

もう店じまいなんですが、何かお探しですか?当ててみますと1人残っていた女店員が聞いて来たので、コルトレーン…などいくつかのキーワードをイーサンが言うと、初回プレス盤ですと言って、女店員が一枚のレコードを手渡す。

女店員は、目の前にいるのが、伝説のイーサン・ハントと知り、喜んでいるようだった。

イーサンは店の奥の視聴ルームに入ると、プレイヤーの上にイーサンは手のひらをかざし、手のひら認証を受ける。

再生されたレコード盤が言うには、輸送機に積まれていたのは神経ガスで、チェチェンの独立運動で使われる予定だったらしい。

輸送機の搭乗員の死体がその後見つかった。

どうやらその背後にはシンジケートが存在しており、そのシンジケートが狙っているのはIMFらしい。

いつもの通り、このメッセージは自動的に消滅する…と言い終え、プレイヤーの下からガスが噴出して来る。

イーサンは異常を察知し、視聴ルームのドアを開けようとするが、何故かロックされており開かない。

ガラス窓から見えた店内では、先ほどの女店員が、メガネをかけた紳士風の男から側頭部を撃たれ倒れる所だった。

メガネの男は、撃った銃をその場に残し、立ち去って行く。

その間にも、視聴ルームの中はガスで満たされ、イーサンはなす術もなく倒れ込む。

ワシントンD.C.

公聴会が開かれており、CIA長官アラン・ハンレー(アレック・ボールドウィン)が、ブラントと共に出席し、 IMFのこれまでの無軌道振りを開陳していた。

それに対しブラントは、IMFの新長官の許可なしでは何もお答えできませんと言うだけ。

ハンレー長官は、 IMFの解体とCIAへの併合を提言する。

その頃、イーサンは、どこかの部屋のパイプに手錠で後ろ手に縛られていた。

そこに、薬のようなものを持った女イルサ・ファ ウスト(レベッカ・フェルグソン)が入って来る。

イーサンは、毛皮のようなアクセサリーを付けた手錠用の鍵をそのイルサがテーブルの上に置くのを見る。

イルサが腕まくりをしていると、そこに別の男たちが入って来る。

ボスが話していた奴か?とイーサンを見ながらイルサに聞いたボーン・ドクターは、いきなりイーサンを殴りつけると、根性を見てやると挑発して来る。

イーサンは、ボーン・ドクター…!3年前に死んだと聞いたが?と相手の素性を知っており、不思議がる。

痛めつけるだけよ、殺すなと言われてるわ…とイルサがボーン・ドクターに伝える。

ボーン・ドクターは執拗にイーサンを殴り始めたので、君は出て行け、目を背けるぞ…とイーサンはイルサに伝える。

すると、イルサは、手錠の鍵を手に取り、意味ありげにイーサンに合図して来る。

イーサンは、その意味を察し、足でボーン・ドクターを蹴飛ばす。

すると、イルサは、ボーン・ドクターと一緒に部屋にいた見張りと戦い始める。

イーサンは、ジャンプを繰り返しながら、ポールの上部から抜け出すと、イルサがその手錠を外してやる。

イーサンはイルサと共に奥へ逃げ出す。

気づいたボーン・ドクターは、仲間から銃を奪い取ると、その後を追って行く。

外へ繋がる逃げ道のゲートの所まで来たイルサはイーサンに、あなたが見張りを殺した、私はあなたを追いかけようとした…と伝え、イーサンをゲートの外へ逃がすと、自分は元の部屋の方へと戻って行く。

ボーン・ドクターは、逃げられた!と悔しがる芝居をするイルサとすれ違い、逃げたイーサン目がけて発砲して来る。

イーサンはブラントに公衆電話から電話を入れ、コードナンバーを言って自分と認証させると、ロンドンの連絡員が殺された。犯人の手掛かりは、自分が観た人相だけだ。シンジケートは存在すると伝える。

さらに、ヤニク・ヴェンターと言う男も生きていると伝えるが、今、CIAの介入でIMFは動けない。追うのか?地の果てまでも…とブラントは聞いて来るだけだった。

その後、ブラントに会ったアランは、これからは同僚だ、CIAの力は知ってるだろう?シンジケートなどイーサンのでっち上げだ。奴を捕まえる!それがCIAだ!と警告して来る。

それから6ヶ月

バージニア州 CIA本部

作戦開始せよ!とアランは命じる。

銃を持った潜入部隊がとある建物へ潜入し始める。

部屋では、無精髭が生えたイーサンが身体を鍛えていた。

潜入部隊が部屋に飛び込むが、そこは無人だった。

潜入部隊が部屋に入った様子をモニターで見ていたのは、どこか別の部屋にいたイーサンだった。

窓の外にはエッフェル塔が見えたので、どうやらパリのようだ。

同じように、もぬけの殻だった部屋の様子をモニターで見ていたアランは、北側の壁を見せろと命じる。

壁には大量の顔写真や世界銀行破産の新聞記事、メガネをかけた紳士風の男の似顔絵などが貼られていた。

ベンジーは、CIA本部のデスクで仕事中、自分宛ての郵便物が届いたので、中を確認してみると、オーストリアで行われるオペラの懸賞が当たったと言う当選通知だった。

その直後、ベンジーはアランと合う時間だと息づき嫌々出向く。

それは、嘘発見機を付けられた上で、色々、アランから、ハントから連絡があったのではないかなどと尋問を受ける時間だった。

アランは、イーサンの部屋で見つかった顔写真を見せ、全員死亡したことになっている人物だと教えられるが、ベンジーは、自分がここでやっているのはメタデータの解析であって、イーサンとは関係ないと言い張る。

パソコン画面に出ている嘘発見機のグラフも異常はないようだったので、すぐにベンジーは解放されるが、デスクに戻って来たベンジーは、オペラの当選通知を取り上げる。

オーストリア、ウィーン

タキシード姿になったベンジーが地下鉄で劇場の最寄り駅に降りると、すれ違った男が突然封筒を押し付けて来る。

中を確認するとメガネが入っていたのでかけてみると、それは通信装置付きだった。

ベンジー、久しぶり!聞こえて来たのはイーサンの声だった。

君はオペラ劇場へ行くんだ、メールを見ろと言うので、スマホを確認すると、メガネの男の似顔絵だった。

その男を捜せ、今夜現れるはずだ。

君は見つけるだけ、追跡は僕がやる…とイーサンは指示して来る。

その日のオペラには、オーストリア首相夫妻も来ており、テロリストを警戒して、劇場に入る客だけではなく、楽器なども厳しい検査を受けていた。

ベンジーは、誰もいない電源室の中に入り込むと、薄いモニターを取り出し、警備用の偽映像を監視室に流す。

そんな中、オペラが始まる。

ベンジーは、観客席を写した映像を元に入場者検索を開始する。

そんな劇場内に黄色いドレスの女イルサが現れる。

正装したイーサンも劇場の二階席に来ており、オーストリア首相夫妻の席を注意深く監視する。

黄色いドレスを着たイルサは、舞台裏から機材の鉄柵を登って行く。

一方、イーサンは、別の怪しい警官を発見、そいつを尾行して行くと、照明台の上で、楽器を分解して銃として組み立て始める。

一方、検索を続けていたベンジーは、電源が不安定になったのでいら立ち、配電盤を叩いたので、イーサンが乗っていた警官の背後の照明台が急に降下し始める。

イーサンは偽警官に飛びかかり、照明台の上で格闘が始まる。

イルサも楽器を組み立てた銃を持ち、首相の方へ狙いをつけていた。

その時、又、電源が不安定になったのでベンジーが配電盤を叩き、イーサンが乗っていた照明台が急に上昇し始める。

その時、照明ブースに入って来た別のガードマンが、警棒を分解し、銃を組み立てると、サングラスをかけ首相にその銃を向ける。

それをモニターで発見したベンジーが、照明ブースだ!とイーサンに連絡する。

イーサンは照明台から落ちかけていたが、何とか這い上がると、その照明ブースの暗殺者を撃とうとするが、その時、視界の中に、もう1人の暗殺者イルサを発見、どっちを撃とうかと迷った末、イーサンは、オーストリア首相の腕を撃つ。

主要はその場に倒れてたので、照明ブースの暗殺者は驚き、イーサンの方を撃って来る。

イルサもイーサンに向け発砲して来る。

ベンジーが照明ブースに駆けつけ、偽ガードマンと戦い始めたので、イーサンはイルサの方を追うことにする。

客席に警官たちが入って来て、オペラは中止、場内封鎖となる。

右手を撃たれた首相は妻と共に車に乗り込み、劇場前を出発する。

イーサンとイルサは、劇場の屋根沿いに逃げ、国旗の掲揚棒にロープを結びつけると、イーサンはイルサを抱いて、地上に降りる。

その時、通過していた首相の車が爆発する。

2人の側で停まった車を運転していたベンジーが乗れ!と声をかける。

後部座席に滑り込んだイーサンは、イルサのバッグの中味を確認しながら、潜入捜査している英国情報部員だろ?と聞くと、イルサは名乗り、イーサン・ハントねと相手も正体に気づいていたことを教える。

暗殺する振りをしてただけ…とイルサは説明するが、私の失点は2点と、以前、イーサンを逃がしたことと今回のことを打ち明け、シンジケートを潰したいのなら、私をここで降ろしてと頼む。

その時、先ほどからつけて来ていた尾行車が撃って来る。

イルサは、私を探せるわね?とイーサンに言い残し、自らドアを開け、車の外に転がり落ちる。

ベンジーがオーストリアのオペラ劇場へ行ったこと、その後、オーストリア首相が暗殺されたことは、アランもすぐに気づいていた。

イーサンは、無人の舟にベンジーを案内して来ると、偽のパスポートを出して見せ、君はすぐに帰って、俺のことをちくれ。俺は暗殺者になるが、君は助かると助言する。

イーサンは、モニターに複数の顔写真を映し出しながら、今日、劇場で戦った男の顔を見つけ出す。

それらの写真の人物は、過去、色々な国の諜報関係者で、今日死亡した暗殺者もその中に含まれていた。

こうした人物を使い、シンジケートは世界中で事件を起こし、体制を揺るがしていることが分かって来る。

今日の首相暗殺はIMFへの宣戦布告だとイーサンは言う。

その話を聞いたベンジーは、どういう男だ?資金源はどこだ?おれもIMFだ!手伝わせてくれ!と聞いて来る。

お前は友達だ。俺が必要だろう?とベンジーが迫るので、イーサンは、分かった…と答える。

シンジケートの手掛かりのきっかけはイルサだった。

どうやって見つける?とベンジーが聞くと、探せるはずだ?と言いながら、イーサンは、イルサのバッグから見つけた口紅を取り出して見せる。

それを調べてみたベンジーは、その口紅がUSBメモリーだと気づく。

その頃、イルサは、メガネをかけたソロモン・レーン(ショーン・ハリス)の前に連れて来られていた。

イルサは、自分に銃を突きつけ連行して来た男にいきなり肩車すると、銃を奪い取る。

仕事は私のやり方でやらせてもらう約束だった…、ハントが邪魔したとイルサが言うと、ロンドンでも失敗したとレーンが指摘して来たので、私が逃がしたとでも?疑うなら、撃ってと言いながら、今奪い取った銃をレーンのテーブルの上に置く。

レーンはその銃を取り上げると、即座に引き金を引く。

撃たれたのはイルサではなく、背後にいた銃を奪われた子分の方だった。

奴と話したわ、モロッコの話と発電所のことを…とイルサが言うと、奴を探せとレーンは命じる。

彼は現れるわ、種を撒いておいたの…とイルサは答える。

その頃、イルサが残したUSBメモリーの中に入っていたデータを分析していたベンジーは、ハッキング不能なデジタル金庫がモロッコにあると突き止めていた。

モロッコ、カサブランカ

イーサンとベンジーは、口紅がついた紙が入口に貼ってあった家を見つけ、中に入ると、プールで潜水テストをしていたイルサを発見する。

ビキニスタイルのまま、プールから上がって来たイルサは、どうしてカサブランカに?と聞くと、イーサンは黙って、イルサの口紅を出して見せる。

その頃、ブラントは、ヘリコプターで帰還したルーサーと合流していた。

ルーサーは、オーストリア首相暗殺現場にイーサンとベンジーがいたと言う報告があったので、CIAの連中が見つけ出す前に探したいので、力を借りたいと言うブラントの話を聞き、興味ないねと素っ気なく答える。

ハンレー長官が指揮するCIAは、イーサンを殺す気だとブラントは説得するが、イーサンだけは裏切るなよ!とルーサーは言う。

ブラントは約束し、手掛かりとなるレーンとイルサの似顔絵を見せる。

一方、モロッコのイルサは、レーンはシンジケートのボスであり、元英国諜報員だった男だとイーサンとベンジーに教えていた。

組織の1人が諜報部のデータを盗み出し、金庫へ封じ込めた後殺された。

金庫は軍が管理している発電所内にあり、メインゲートを通過して建物に入ると、エレベーターで指紋認証が必要になる。

金庫はダイヤル式…と説明すると、聞いていたベンジーが、俺がマスクで変装して侵入しようと提案する。

3Dプリンターで別人の顔をマスクを作ったベンジーは、それをかぶって内部に潜入する計画を話す。

しかしイルサは、最後の難関があって、それは動作認証と言い、歩いている動作が本人と一致しないとばれてしまうと言うので、変装した自分が撃ち殺される妄想をしたベンジーは、マスクは止めようと答える。

通気口から入るのも無理だと言うので、イーサンは、その認証データを事前にすり替えようと言い出す。

イルサは、データが収められている金庫は冷却水のプールの中にあり、金属探知機が作動しているので、潜水器具は持ち込めない。さらにその金庫から脱出用のハッチまで2分かかると教える。

ベンジーは、水中では体力が消耗し易い…と指摘する。

それでもイーサンはやることにする。

ルーサーは、イルサは信用できるのか?と疑っていた。

そのイルサとイーサンは、黒いパラシュートで発電所内に降下し、監視カメラを一台停止させる。

同じく、ベンジーは、車でゲートにやって来る。

身分認証IDカードをガードマンに渡し、ガードマンはそのIDカードをセンサーにタッチするが、門は開かなかったので首を傾げる。

その間、イルサとイーサンは、クレーンに乗って、冷却水の投入孔の上に到着する。

ベンジーの方も、少し遅れてゲートが開いたので、何とか建物内に入ることができる。

イーサンは、潜水スーツの左腕の部分についていた酸素量ランプが100%になるのを待つ。

ベンジーは、指紋認証を装置でごまかし、エレベーターに乗り込んでいた。

ベンジーは、データが入った金庫は108番だとイーサンに連絡し、3人は時計を合わせる。

次の瞬間、イーサンは、冷却水投入孔の中央部分にダイブする。

イルサが、ただちに、パッドを使い、冷却水の入流を一時的に停止させる。

プール内に入ったイーサンは、目指す108番金庫を見つけるが、扉を開け、中にあった本物のカードを抜き取り、偽造カードとすり替えようとしていた時、プールの中を廻っていた金属探知機に身体を持って行かれ、二枚のカードを水の中に落としてしまう。

発電所の注水係は、冷却水が停まったことに気づき、直ちに注入を開始させたので、それに気づいたイルサは、まずいわ…と焦る。

水中のイーサンは、水の底に落ちていた2枚のカードを何とか拾い上げるが、酸素残量はほとんど残されていなかった。

ベンジーは、動作認証装置の前まで来ていた。

イーサンは、108号金庫の前に来ると、持っていた二枚のどちらが偽物か分からなくなるが、運を天に任し、一枚を捨てると、もう一枚の方を金庫に差し込む。

ベンジーは、動作認証装置を無事通過出来たが、脱出ハッチの前まで来て、その蓋を開けかけたイーサンの体力はもう限界を超えており、気を失ったイーサンは、水の中で回転し始める。

金庫を開けてデータが入ったパソコンの前に到達していたベンジーは、転送を始める。

水中を回転していたイーサンは何とか正気を取り戻し、最後の力を振り絞って、脱出ハッチの所までたどり着く。

脱出口から水と共に外へ出たイーサンは完全に気を失っていたので、駆けつけたイルサは、イーサン!と呼びかけていた。

そこに、観光客風のアロハに着替えたベンジーもやって来て、大丈夫か?何があった!と声をかけて来る。

イルサの着替えを渡したベンジーは、気がついたイーサンに、データをゲットしたと教えるが、着替えながら、それを聞いていたイルサは、突然、ベンジーの背中に、自動体外式除細動器(AED)の電気ショックを与えると、倒れたベンジーからデータの入ったメモリーを奪い取り逃げ出して行く。

そんなモロッコに、ブランドとルーサーが来ていた。

外に出て、置いてあった車に乗り込もうとしたイルサだったが、窓ガラスに押し付けた手のひら認証は拒否される。

そこに、ハントは?と言いながら近づいて来たのは、ボーン・ドクターとシンジケートの仲間たちだった。

死んだわ…と噓を教えたイルサは、ボーン・ドクターたちが用意していたバイクに乗り込むと、いきなり仲間のバイクにぶつけて倒しながら外へ飛び出して行く。

外に出たハントが、手のひら認証でドアを開けると、自分が運転すると言うので、死にかけていたお前が運転するのか?とベンジーは驚くが、何言ってる…とイーサンは言うだけだった。

車を発車したイーサンは、間もなく、イルサが乗ったバイクを見つけ追って行くと、階段を降り始めたので、車も同じ階段を降り始める。

その後を、ボーン・ドクターたちのバイク部隊が追尾して来る。

ブランドとルーサーが乗っていた4WDの前を、角から飛び出して来たイルサのバイクが通過し、慌ててブレーキをかけると、その後を追って来た車に乗っていたのがイーサンだと気づく。

イーサンの方も、ブランドたちに気づくが、そのままイルサを追って行く。

さらに、その後を、ボーン・ドクターたちのバイク部隊が追いかけて行くので、何でこんな時に俺たちの車は4WDなんだ!とルーサーはぼやく。

バイク部隊は、先行するイーサンたちの車に発砲して来る。

イーサンは、バイク部隊の一台を転倒させると、バックのまま川を飛び越え、向こう岸に着地した車は横転する。

転倒した運転席でシートベルトをしたまま逆さまの状態で気がついたイーサンは、バイクが一台近づいて来て、そこから銃を持った敵が降りて来たのを横目で確認するが、その男は、突然横から飛び込んで来た4WDに跳ね飛ばされる。

やがて、無事か?と4WDを降りたルーサーが中を覗き込んで来る。

横転した車から外に出たイーサンは、川向こうを逃げて行くイルサのバイクと、それを追って行くボーン・ドクターたちのバイク軍団を見つけ、今撥ねられた男が乗っていたバイクに股がり、サングラスをかけると、アロハ姿のまま発進する。

高速道路内に侵入したバイク部隊を追尾するイーサン

バイク部隊を追い抜くと、背後のバイクが撃って来たのでイーサンは跳ね飛ばす。

さらに車の間を抜け、先に逃げるイルサのバイクに追いつこうとしたイーサンだったが、カーブを曲がった所で、突然、道路中央にイルサが立っているのを発見、それを避けようとしてイーサンは転倒してしまう。

路肩に跳ね飛ばされたイーサンの目の前を、再びバイクに乗ったイルサが逃げ去って行く。

その後、とある建物内で、ベンジーやブランドと合流したイーサンは、どうする?とルーサーから聞かれたので、データのコピーは取ってあるな?とベンジーに確認する。

ベンジーはもちろんだと答える。

次はどこへ?とブランドンが聞く。

ロンドン

通路沿いのベンチで待っていたMI6のアトリー長官(サイモン・マク バーニー)に近づいたイルサは、奪って来たUSBメモリーをアトリーが膝に於いていた雑誌の上に乗せる。

アトリーはイルサに、君はこれを持ってレーンの元へ戻れと命じるが、レーンは自分を疑っているのでもう戻れません、とイルサは拒絶し、英国人に戻して!と訴えるが、もう君のことを知るものも少ない…と長官は冷たく言い放つ。

もはや、元へは戻れないと察したイルサは、黙ってメモリーを取り上げるとその場を立ち去って行く。

その頃、コピーしていたメモリを解析していたベンジーは、これは誰にも解除できないレッド・ボックスで、暗号を解除して中身を読むためには英国首相の声でないと無理だと言う。

それを聞いていたルーサーは、奴らは英国首相を拉致するつもりだ!と気づく。

ブランドは、本気でそんな計画を立てているのか!とおののく。

奴らを見つけよう!レーンが首相をさらう前に捕まえるんだ!とイーサンは決意する。

4人はその作戦に乗って来るが、どうやって見つけるかと言うことになると、女を見つければ良いだろうとルーサーが言い出す。

イルサは、人気のない墓地でレーンに会うと、一緒にいたボーン・ドクターに、自分の銃と奪って来たUSBメモリーを渡す。

どういうデータなの?とイルサはレーンに聞くが、中味を知れば、君も助からなかった…とレーンは言う。

罪もない人々を犠牲にして…とイルサが批判すると、私は世の中をチェンジしたいんだとレーンは言う。

その間、メモリーを解析していたボーン・ドクターは、こいつは空だと言う。

レーンはイルサの頬を撫でながら、メモリーを奪い、イーサンを殺せと脅して来る。

空港のロビーで、イーサンは呼びだされたイルサと再会し、テーブルで対峙する。

その周辺には、ベンジー、ルーサー、ブラントも、旅行客に紛れて、イーサンとイルサの様子を監視していた。

イルサから、メモリーが空だったことを聞いたイーサンは、メモリーを一度も手放さなかったか?と聞くと、イルサは、MI6のアトリー長官に会った時、雑誌の上にメモリーを置いたことを思い出す。

その時、雑誌のページの下に、メモリー消去装置が挟まれていたのだった。

イルサは、1、メモリーを自分に渡し、自分はそれをCIAに渡す。2.自分を運命共同体と考え、メモリーでレーンをおびき出す。3.今すぐ2人とも姿を消し、レーンのことは忘れ、普通の人間として行き始めるの3つのどれかをイーサンに迫る。

それがレーンの伝言か?とイーサンは聞く。

その直後、ベンジーの姿が消えたことに気づいたイーサンは、君は残れ!とイルサに命じ、周囲を探すが、その間、イルサは消えてしまう。

はめられた!とイーサンは気づくが、電話が鳴ったので、スマホを確認すると、今夜0時までにメモリーを持って来い、来なければベンジーは殺されると言うレーンからの指示だった。

それを聞いたブラントは、みすみすレーンの罠に嵌るのか?と警戒する。

ロンドン

専用ジェット機で移動中だったCIAのハンレー長官は、ブラントからイーサンの計画を伝えられると、行く先をロンドンに変更させる。

絵のオークション会場前にやって来たCIAのハンレー長官は、待ち構えていたブラントから、首相誘拐計画が進行中であると聞き、首相に警告したのか?と確認し、その後出会ったアトリーに伝える。

やがて、その日のオークションに参加する英国首相が到着したので、首相が狙われていますとアトリーは警告する。

オークション会場に着席した英国首相だったが、アトリー長官が呼んでいますとの伝言を受けたので、席を立ち、別室にいたアトリー長官と出会う。

待っていたアトリー長官は、国の安全に関わる事態です…と切り出すと、お命が狙われていますと伝え、ソロモン・レーンと言う名をご存知ですかと聞く。

首相は、知っている…と即答する。

そのレーンの資金源のデータが「レッド・ボックス」に収まっています。シンジケートは存在しませんとアトリーは説明する。

それを聞いた首相は、公聴会で言いたまえと提案する。

どんな人物だったんです?とアトリー長官は、レーンのことを聞くと、いきなり首相に自白剤の入った弾を撃ち込む。

アトリーはその場でルーサーに連絡、ルーサーは、映像で送って来た椅子に腰を降ろした首相の網膜認証と指紋認証を確認、さらに、アトリーから言われるがまま首相が暗唱し始めたキプリングの詩の一節が送られて来る。

ルーサーは「レッド・ボックス」が解除されたので、ばっちりだ!と喜ぶ。

その時、オークション会場にやって来たのは、もう1人のアトレー長官だった。

そのアトレーは、首相がいると言う部屋に入ろうとするが、ドアの前にいたガードマンたちに入るなと言われていると言われたので、誰にだ?と聞くと、あなたにだと言うではないか。

そこに、ハンレーもやって来て、どうした?とアトリーに聞く。

2人で部屋の中に入ると、そこにもう1人のアトリーがおり、ハンレーと共に唖然とするアトリーに自白剤の銃弾を撃って来る。

この私を誰だと思っているんだ…と薄れいく意識のアトリーが言うと、シンジケートを作ったのはあなただ!メモリーを空にしたのもそれがバレるのを防ぐためだと、アトリーの仮面を脱ぎ捨てたイーサンが言う。

解毒剤をハンレーに渡し、あなたが救ったことにするはどうかな?と言いながら、銃も手渡すイーサン。

レーンに電話をすると、ベンジーの命は後15分だと言う。

イーサンは隠れ家に戻ると、メモリーの内容を暗記した後、メモリーを撃ち、壊してしまう。

ルーサーは危険だ!と警告するが、イーサンは指定された夜のオープンカフェの椅子に座っていたイルサとベンジーのテーブルにやって来る。

幕切れだ、ハント君…と言うベンジーの身体には1kg爆薬と500個のボールベアリングが仕掛けられており、彼の右目が網膜カメラになっており、ベンジーの口を通じてしゃべっているのはレーンだと気づく。

テーブルの周囲には、ボーン・ドクターと仲間たちが監視していた。

イルサがメモリーをもらい、2人を殺す。時間がない…、私は人間の性格を利用するんだ…、イルサは私を裏切った…、彼女はモロッッコで君を逃がした…とベンジーの口を通じ、レーンは言う。

とある建物内のパソコンモニターで、ベンジーの網膜カメラ越しのイーサンを見ていたレーンは、5000万ドルをADJS銀行に送金する。

イーサンは、メモリーの中味はシンジケートへの資金源2000億ポンドの口座名で、自分が全部暗記して、メモリーは破壊した。俺を殺せば全部失われる。ベンジーを解放しろ!と伝える。

それを聞いたレーンは、迷いながらも、ベンジーの自爆タイマーを、後19秒の所で停止させる。

ボーン・ドクターたちが迫って来たので、イーサンは、奴らが近づいたら僕を撃て!と、銃を向けているイルサに伝える。

決着をつけよう、1対1だ!ベンジーを解放しろ!とイーサンは、ベンジーのもうマクカメラを通じ、レーンに挑戦する。

レーンは、1-39-99…と、ベンジーの自爆装置の解除コードを教える。

自分の口が教えた番号を聞いていたベンジーは、自分で、チョッキ式の自爆装置を停め、身体から外す。

イーサンは、行け!仲間が待っていると言いながら、スマホをベンジーに持たせる。

レーンはボーン・ドクターに、女を殺せ!ハントは殺すな!と無線で命じる。

ボーン・ドクターと仲間たちが、近づいて来ると、イルサは、目でイーサンに合図し、いきなり振り向いてドクターたちに発砲する。

同時に、イーサンも発砲し、2人はその場を逃げ出す。

ベンジーはスマホでブラントに連絡する。

何かを準備中だったルーサーは、まだだ!とブラントに告げる。

夜の裏町に逃げ込んだイルサとイーサンは、追って来たボーン・ドクターたちの仲間と戦い始める。

車に乗っていた敵を射殺したイーサンだったが、弾切れになる。

ボーン・ドクターは、執拗にイルサを追っていた。

イルサも既に弾切れだったので、ナイフを取り出し、ボーン・ドクターに斬り掛かる。

すると、ボーン・ドクターもナイフを取り出し、根性を見せてもらうと告げる。

イーサンの方も敵と戦っていた。

イルサは、ナイフ勝負をしていたが、最後は得意技である肩車で、ボーン・ドクターの肩に飛びつき、相手の首を刺す。

車でその現場にやって来たレーンは、イーサンを見つけると、車を降り、発砲して来る。

イーサンは、近くにあった床の穴に飛び込む。

レーンも、その穴から地下に降りて来ると、1対1だ…と言いながらイーサンに銃を向ける。

その時、レーンが立っていた床の四方からガラスが起き上がり、レーンはガラスの檻に封じ込められてしまう。

見渡すと、ルーサー、ベンジー、ブラントらが周囲に立っていた。

悔しいだろう?とレーンに呼びかけたイーサンは、紹介しよう、彼はソロモン・レーンだ。シンジケートに我々は勝ったんだ…と仲間に伝える。

次の瞬間、ベンジーがスイッチを押すと、ガラス内に下からガスが噴出して来る。

レーンは、目の前に立っていたイーサンに向け発砲するが、防弾ガラスは割れなかった。

やがて、白い麻酔ガスがガラス内を満たし、レーンは倒れる。

イーサンは、そのガラスの檻を横倒しにすると、ルーサーらと共に、近くに用意していた警察の護衛車に詰め込む。

イルサに会ったイーサンが、君は自由だ。どこへ行くつもり?と聞くと、分からない…、役目は終わった…とイルサは答える。

そこに、パトカーが駆けつけて来る。

イーサンとイルサは抱き合い、早く行って…、私を探せるわね?とイーサンに伝えると、車に乗り込みその場を立ち去って行く。

その後、アメリカの公聴会にブラントと共に出席したハンレー長官は、唖然とする審議官たちを前に、以前、IMFの解散を提言したのは、シンジケートがアメリカに中枢部まで侵入していたための、彼らの目をごまかすため、ハントを反逆者に仕立て上げる必要があったからです…。緊急の場合の緊急の措置だったのです…と説明していた。

意見を求められたブラントは、又しても、何も申せません…と言うだけだった。

公聴会を終え、会場を後にしたブラントは、並んで歩くハンレーに、IMFへようこそ、長官…と挨拶をする。


 

 

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