山崎貴監督のデビュー作 同じ監督の「STAND BY ME ドラえもん」を見た後に本作を見直してみると、両作品の骨格がほとんど同じである事に気づく。 「宇宙人の地球侵略」と言う部分が加わっているだけで、基本、未来から来たロボットと3人の男の子、1人の女の子が出会い、楽しい時間を過ごした後、ロボットとの別れが訪れ、少年は奮起して大人に成長して行く…と言う展開はそのままである。 劇中に「ドラえもん」と言う言葉も登場しているし、エンドロールにも「For Fujiko.F.Fujio」なる献辞が出てくる。 本作が「ドラえもん」にインスパイアされているのは間違いないだろう。 最初に見たときにも感じた事だが、本作では、その「STAND BY ME ドラえもん」的なシンプルな要素に、宇宙人の侵略とか巨大ロボットで戦うと言った、男の子好みの要素がいくつも加わってしまっているため、ややピントがぼやけてしまっている感は否めない。 ラストの感動はそれなりにあるのだが、よけいな要素を削ぎ落とした「STAND BY ME ドラえもん」の方がはるかに完成度は高くなっている事が分かる。 監督自身も自覚なさっているようだが、デビュー当時、映画作りを続行できるかどうかも分からない先行き不透明な状況だったので、ここぞとばかりに盛り込み過ぎたのだと思う。 松尾貴史、角替和枝と言った「平成ガメラシリーズ」と重なっているキャストや、髪が生えている(ヅラ?)高橋克実の姿などを見ると時代を感じるし、劇中に登場するパソコンなどの古めかしさを見るに付け、この作品のVFXなども今となっては驚くほどのものではなくなっているが、その先進性は揺るがないと思う。 作品としての完成度はともかく、いろいろな意味で山崎監督の原点であると同時に、日本のVFXの歴史を考える上でも外せない貴重な作品だと思う。 |
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
2000年、「ジュブナイル・プロジェクト」(フジテレビジョン+メディアファクトリー+小学館+IMAGICA+三井物産+ジェイアール東日本企画+白組+ROBOT)、山崎貴脚本+監督作品。 不思議な空間を飛ぶ金属製の球体 2000年夏 僕たちは、その夏が、どんなに特別な夏になるかなんて思っても見なかった…、あの日までは…(ユースケの独白) 草原を走る3人の少年、「ユースケ」こと坂本祐介(遠藤雄弥)、「トシ」こと松岡俊也(YUKI)、「ヒデタカ」こと大野秀隆(清水京太郎) 先に集まっていた生徒と一緒にいた先生が、走ると危ないぞ!溝になっているところがあるから!と大声で注意するが、ヒデタカが溝にはまってこけてしまう。 その夜、林間学校のキャンプファイアーがそろそろ始まると言うので、バンガローで待機していた、おでこに絆創膏を貼ったヒデタカが、普通、注意しないか?溝があるって…と他の2人に文句を言うが、俺たち、溝のところで飛んだよな、普通そこで気づくだろうなどとトシはバカにする。 そのとき、窓の外がものすごい光を放ったので、驚いたユースケとトシは外に飛び出し、少し遅れてヒデタカも後を追う。 暗い林の中に駆け込んだユースケは、懐中電灯を持ってやって来た「ミサキ」こと木下岬(鈴木杏)と衝突、互いに肝をつぶす。 互いに相手の正体に気づくと、バンガローから光が見えたのでやって来たのも同じだったと知る。 そこに、トシとヒデタカもやって来たので、ミサキはまたびっくりしてユースケの左腕に捕まったので、ユースケもそのミサキの行為をつい意識する。 彼ら4人は、森の中の地面に穴があいている箇所を発見!その中に、球形に近いかわいらしいロボットがいることを発見する。 トシが手を伸ばしてロボットに触ると、テトラ、ユースケに会った!としゃべったので、驚いたユースケは、それを連れて行って良い?と言い出す。 ロボットならユースケで大丈夫だろうと言うことになり、そのテトラと名乗った小さなロボットをユースケは持って帰ることにする。 こうして、テトラと僕たちの夏休みが始まった… 不思議なことなんだけど、テトラと僕とは昔からの友達のように思ったんだ…(ユースケの独白) 林間学校から帰って来た後、ミサキがレストランをやっているユースケの家に遊びにくる。 ユースケの母(麻木久仁子)に許可を得て、ユースケの部屋に入ったミサキは、ユースケがゲームに夢中で、押し入れの中では、テトラが何かを組み立てているのを見つけるが、呼びかけてもユースケが反応しないので、ユースケの背後で持って来た紙袋を乱暴に揺すってみせる。 すると、紙袋のそこが破けて、ミサキが持って来た部品の数々がユースケの上に落ちて来たので、ようやくユースケはミサキが来たことに気づく。 さらに、トシとヒデタカも部品持参でやって来たので、ユースケはミサキと二人だけの時間を失う。 夕方になったので、みんな、テトラが欲しがっている部品をまた調達してくる約束で帰ることになる。 ユースケは、暗いから、ミサキを送って行くと言い出すが、良いよ、ミサキんちは俺んちの近くだからとトシが口を出したので、ユースケはちょっとがっかりする。 そんなトシとユースケの、ミサキを巡るライバル関係に素早く気づいたヒデタカが、マイクを持つジェスチャーを交え、ちゃかしてくる。 トシのチャリの背後に乗って帰るミサキは、見送りに出て来たユースケに手を振って来たので、ユースケも手を振り返す。 自宅のレストランに戻って椅子に座って落ち込んでいたユースケに気づいた父親(高橋克実)が、どうした?元気ないな…と聞いて来たので、人に気持を伝えるってさ…と相談しかけたユースケだったが、何でもない…と言うと自分の部屋に戻って行く。 自宅に戻ったミサキを待っていたのは、親戚の大学生木下範子(酒井美紀)で、怒ってるよ、午後は留守番するって約束でしょう?などと言って来たので、するって言ってないもんとミサキは応える。 地球上空10万km 謎の巨大宇宙船が接近していた。 翌日、畑の中のあぜ道を犬を連れて散歩していた範子は、犬がなかなか言うことを聞かないので、行くよ!いい加減にして!などと叱っていたが、そのとき、背後の空が急に光ったので、雷?なんか耳鳴りがする…と不快感を覚えその場を立ち去る。 その直後、側の畑の草がミステリサークルの言うに円形にくぼんだかと思うと、そこから急にあぜ道に不気味な生物が飛び出して出現すると、その生物は、今通り過ぎて行った範子の姿に変身し、おかしな歩き方をしながら町へと向かう。 電気屋の前に立った偽範子は、ショーウィンドーの中のTV画面を食い入るように見ていた。 そんな偽範子を不思議がりながら、閉店時間になった電気屋(小形雄二)はシャッターを閉めてしまう。 しかし、その後も店の外に立ち尽くしていた偽範子は、右手の手のひらを差し出すと、そこら奇妙な機械のようなものが飛び出て来て、シャッターを開けるとともに、また、消えていたショーウィンドーの中のTVのスイッチもみんな入れる。 TVでは、海外のSF映画のようなものを放映しており、宇宙からの侵略者が乳酸菌に弱く、自滅したと2人のエージェント(ジェラルド・トファーソン、アダム・チミー)が会話しているシーンが写っていた。 その夜、ユースケは、ミサキのことを思い出していたが、そんなユースケに、押し入れの中から、足りない部品があるとテトラが話しかけてくる。 翌朝、奥の住居部分から店に出て来た電気屋は、シャッターが勝手に開いており、夕べの少女がまだ店先に立って、勝手にショーウィンドーの中のテレビを見ていることに気づき、何やってんだよ!と文句を言う。 すると、偽範子は、はいはい、分かった、分かった!ではまた来週!と訳の分からないことを言い、奇妙な歩き方でどこかへ立ち去ってゆく。 翌日、ユースケたちは、近所の廃品置き場でテトラのための部品集めをしていたが、それに気づいた管理人(桜金造)に怒られたので、あわてて逃げ出す。 その後、みんなで海岸で遊ぶことにする。(山下達郎「アトムの子」かかる) 夕方、浴衣姿のミサキが来ると驚く男の子トリオ みんなで花火をする。 翌朝、みんなは水鉄砲を持って廃品置き場に行き、管理人に水をかけて逃げ出す。 その後、トシたちはユースケの家に遊びにくるが、何事か怪しんだユースケの母は、ジュースやお菓子を持って、たびたび部屋の中の様子を探りにくる。 ユースケはおなかが痛いと言っていたので、ジュースもお菓子もお預けと母親は釘を刺す。 母親が退散した後、押し入れの中から、身体が完成したと言い、新しい足の部分を装着したテトラが自分で歩行して出て来たので、ユースケらはうれしくなって拍手する。 しかし、テトラは、今度はインターネットが必要と言いだしたので、子供たちは困惑する。 彼らはまだパソコンなど持ってなかったし、学校のパソコンは管理が厳しく、とても彼らが自由に使える状況ではなかったからだ。 そんな中、プレステ2でネットが使えるんじゃないかとヒデタカが言い出すがやり方が分からない。 仕方ないので、そう云うことに詳しいクラスメイトの高野田に公衆電話で聞いてみることにする。 しかし、アダプターと言うものがいるらしく、高野田自身も知識があるだけで、実物を持っている訳ではなかったので、それ以上、どうすることも出来なかった。 その時、神崎さんのお兄さんが持っているよとミサキが言い出す。 電気屋の息子で発明オタクのその人物なら、パソコンを持っているかもしれないと言うのだった。 さらにミサキは、その人物の行動パターンも大体知っていると言うので、リュックにテトラを詰めたユースケらは、早速「神崎ラジオ」なる看板がかかった店に向かう。 ユースケは、おなかの調子が悪かったので、乳酸菌の顆粒を母親から持たされていた。 やがて、神崎宗一郎(香取慎吾)が店から出て来る。 最近はクーラーの故障が多くて、大体毎日出かけるのだと、物陰から様子を見ていたミサキは言う。 神崎が出かけた後、ユースケたちは、こっそり神崎の家に忍び込む。 呼ばれて向かった駄菓子屋で神崎は、リモコンの電池が切れていただけですと店のおばさん(角替和枝)に教え帰ろうとするが、お礼のつもりなのか、おばさんからたくさんの駄菓子をお土産にもらう。 さらにおばさんは、知ってる?最近、この辺で噂されてるTV女の話?ジャージ姿で一晩中TVを見てるんだって…などと話しかけて来たので、ありふれた話ですね…と神崎は受け流すが、その答えにおばさんは不服そうだった。 帰宅した神崎が、シャワーを浴びて二階に来ると、そこで、ユースケたちが勝手にパソコンをいじっている現場に遭遇、互いにびっくりし合う。 しかし、相手は子供なので、怒ることもなく、持ち帰った駄菓子と麦茶をごちそうしながら、神崎は、何してたの?と聞く。 しかし、ユースケたちはそれには応えず、ここにあるものっていくら位したんですか?と逆に聞く。 リースだから…と言いながらも、年間1億くらいかな…と、あっさり神崎が応えたので、子供たちはびくりする。 何でも、神崎は高校時代に特許をいくつか取ったと言い、さらに、今ではゲームの基本プログラムにも携わっていると言うのだ。 「クラップス」とか「ラッピーズ」と言うゲーム名を聞いたトシたちは、知っているゲームだったので、さらに驚愕する。 さらに神崎は、最近、時空間の自在移動…、つまりタイムマシンの開発に取りかかっていると言う。 あっけにとられる子供たちを前に、もう未来に行く仕掛けは存在すると言いだし、水槽から一匹の金魚を救い上げた神崎は、それを液体窒素の中に浸してみせる。 すると金魚は一瞬にして凍り付き、こいつの時間は今停まったと神崎は説明する。 死んじゃったの?とミサキが案ずると、その金魚をもとの水槽の中に戻してやると、また泳ぎだす。 神崎は、この金魚は未来に行く訳だと神崎は説明するが、それを聞いていたトシは、タイムマシンってドラえもんみたいに機械に乗ってビューンってさ…と納得できないようだったので、するどい!と褒めた神崎は、今、すごい手品を見せてやるよと言い出す。 ミサキがピカチューの絵を描いた小さな紙片を奇妙な装置の真ん中に付けた神崎は、スイッチを入れると、その部分が光り、紙片は消え去っていた。 ここに小さなブラックホールを作ったんだ。 そこがワームホールとなり、無限に小さくなった紙片は別のワームホールから飛び出してくる…と説明した神崎は、その後、そのもう一つのホールがある場所を目指し、子供たちと一緒に電車で山の方へと向かう。 車ないの?とトシらは聞くが、店のトラックは持ってるけど、山向きじゃないんだと神崎は言い、これから行くのは、CHB!超秘密の場所!などと、トシたちが話していた略語を使ったので、神崎さん!超は止めてよ!とトシはあきれる。 目的地の山にやって来たヒデタカは、持っていたピッチ(PHS)の電波が届かない圏外であることに気づく。 ユースケは、この場所は自分たちがテトラを見つけた場所であることに気づき驚く。 ミサキは、テトラって神崎さんのかな?と小声で聞き、トシたちは、知らねえよ!とぼやく。 神崎は、子供たちは以前来たことがあると言う話を聞きながらも、山の中に設置していた装置を見せる。 こういうのが3つあり、その中心部分がもう一つのホールの場所なのだと説明すると、それを聞いて小田ユースケは、USP…、ウルトラ最低パターン…とつぶやく。 案の定、神崎が彼らを連れて来たその真ん中の場所とは、テトラを見つけた穴の場所だったからだ。 穴の中には、先ほど電気屋の二階の装置から消えたピカチューが描かれた紙片が落ちていた。 これを応用して時間転送が出きるんじゃないかと言うのが僕の研究なんだ…と神崎は説明するが、ユースケは、あの〜…、盗もうとか思ったんじゃないんです…と言いながら、背負っていたリュックからテトラを取り出して神崎に見せる。 テトラは、神崎に会った…としゃべるが、それを見た神崎は、すげえ!と驚くので、これ、神崎さんのでしょう?この穴の中で見つけたんですとユースケは教えるが、これ見たの、今が初めてだと神崎は言う。 夜、電気屋の二階へ帰って来た神崎は、パソコンを使ってテトラがインターネットを利用するのを見ながら、マシンスペックを超えてるよ、一体どうやってるんだ?とテトラのやっていることに驚愕しながら、自分はロボット工学は畑違いだから、全く分からないとユースケたちに言う。 しかし、テトラがユースケの名前を知っていたのは不思議だと子供たちが考え込んでいたので、直接聞いてみたら?と神崎が言い出す。 ユースケは早速、インターネットをしていたテトラに、どっから来たの?と聞いてみると、突然、テトラの様子がおかしくなる。 それを見た神崎は、これはプロテクトがかかっているんだ!応えなくて良いと言ってやれ!と指示したので、慌ててユースケがそう伝えると、テトラ、応えられない…とテトラは言う。 その時、下からこんばんわ!と声がしてやって来たのはミサキだった。 ミサキはなぜか裸足で家を抜け出して来たらしく、足を拭くものありませんか?などと神崎に聞く。 神崎は、親に黙って逃げ出して来たんじゃないだろうな?だったら、俺、まずいことになるぞ!と気づき、今晩は終わり!と子供たちに言い渡す。 ユースケが帰ることを知ったテトラも、一緒に帰ると言い出す。 ミサキは、神崎から下駄を借りて帰ろうとするが、家の前に範子が立っていることに気づく。 ばれてるよ!とミサキに注意した範子は、東京に帰るの、ゼミがあるから…と応えていたが、その時、見送りに出て来た神崎を見て、ジニアス?!と驚く。 ミサキは、あっけにとられている神崎に、親戚の姉ちゃんと範子を紹介する。 その後、神崎と一緒に近くの公園に来た範子は、以前、範子の大学の客員としてやって来た神崎が、教授の加瀬が解けなかった問題を一瞬に解いてみせたので、それ以来、ゼミのみんなが神崎のことをジニアスと呼ぶようになったのだとうれしそうに伝える。 近くの自動販売機でジュースを買い、二人がベンチで語らっている間、ユースケとテトラは自宅に戻ってくる。 やっぱり私、変なのかな〜…、ちょっと周りから浮いてるんですよね…、何か、人の話を聞いている時、パッと答えが見つかることあるじゃないですか?と範子が言うと、ある、ある!と神崎も共感し、人が色々言うのはねたみなんですよと範子を慰める。 その後、今研究中のワームホールに付いて神崎が話しはじめ、大きくすると、抜け道がつぶれちゃうんだよと巧く云っていないことを打ち明ける。 すると範子は、遠心力使うとか…と思いつきを言い、それを聞いた神崎は、何かがひらめいたようで、近くの壁に夢中で数式を書き始める。 その後、いくら呼びかけても応えなくなった神崎を前に、私、そろそろ電車がヤバいんで…、また来ますわと言い残し、夢中で数式を書き続けている神崎をその場に残し、範子は帰ることにする。 公園を出た範子は、目の前に、ジャージ姿の自分が立っているのに出会い愕然とする。 神崎さん!と範子は呼びかけるが、ちょうど電車が通っていたので、神崎の耳には届かなかった。 その頃、ユースケは、テトラが何かいじったPS2のゲーム画面が見慣れぬロボットが出てくるものだったので、何これ?と驚くが、名前付けてとテトラが言うので、考えた末、ガンゲリオンと名付ける。 そして、部屋の電気を消したユースケは、ブランケットを頭からかぶり、その見慣れぬゲームに熱中し始める。 台所からユースケの部屋の電気が消えたのを見た母親は、今日は早いじゃない…と、もうユースケが寝たと勘違いする。 一方、公園で計算を終え、我に帰った神崎は、既に範子の姿が見えなかったので、またやっちゃったかな…と、無我夢中になった自分の失敗を反省し、いつの間にか、側の自動販売機の電気が点滅していることにも気づかなかった。 範子さん!と呼びかけても答えがないので、そのまま自宅の電気屋に戻ってくる。 神崎が家に入った後、そこにやって来た偽範子は、また右手のひらから奇妙なメカを出し、テトラを探し始める。 オーバーテクノロジーは宜しくないですとつぶやいた偽範子は、大きくジャンプして、屋根をぶち抜き、神崎の部屋に入ってくると、驚く神崎の姿に変身してみせる。 一方、ゲームをしていたユースケの方は、強い敵をなかなか倒すことが出来ず、ゲームオーバーを迎えていた。 50回もやって来た甲斐があり、ユースケは少しこのゲームのコツをつかみ始めていた。 そのまま、倒れ込むように寝入ったユースケに、近づいて来たテトラは、ブランケットをかけてやる。 翌朝、寝坊したユースケを起こしに来た母親は、いきなり押し入れを明けて中を覗き込んだので、ユースケは肝をつぶすが、母親が見つけたのは、壊れたタイプライターの部品だったのでほっと安堵する。 母親が出て行った後、慌てて、押し入れの中を覗き込んだユースケは、輝ら?大丈夫だよ、出ておいで!と呼びかける。 しかし、テトラはいなかったので、ふと気づいたユースケが、窓から庭先を見ると、そこにテトラのものとおぼしき足跡がついていた。 慌てたユースケは、チャリでヒデタカとともに神崎のところへ向かう。 店先にトシと先に来ていたミサキが、テトちゃん、帰っちゃったのかな〜、未来に…などと言うので、勝手に帰るわけないだろ!などとユースケはついむきになる。 しかし、話を聞こうとやって来た神崎は、読んでも出て来ないのだとトシは言う。 ミサキは、とにかく、私、行くよと言い出し、勝手に店の中に入ると、テトラがいなくなっちゃったんですけど…と良いながら二階に上る。 すると、そこにいた神崎は、興味深い…、テトラって言うのかね?とミサキらに聞いてくる。 神崎の様子がおかしいことに子供らが気づくと、どうやら私の正体に気づいたようだね…と神崎は苦笑する。 その時、ミサキは、側の押し入れから転がり落ちて来た繭のようなものに包まれた本物の神崎を発見する。 宇宙人が化けた神崎は、その場で変形しかけるが、その時、ミサキが側に会った液体窒息をかけたので、宇宙人は凍り付いてしまう。 ミサキは、敵とったよ…と神崎に言うが、神崎は無事で、身体を覆った繭を取ってやると、液体窒素を使うとは…と、ミサキたちの機転に感心する。 宇宙人はロープで縛り、その頭にはずっと液体窒素を流し続けるような仕掛けを作った後、ヒデタカがTVのドラマを再生してみると、今、変身しようとしかけた宇宙人がとっていた奇妙なポーズと同じ事をやっていたので、あいつら多分、言葉とか、テレビを見て覚えたんだな…と神崎は推理する。 一体、何が起きてるんだ?と神崎がつぶやいている時、床に落ちていた奇妙なピラミッド型の装置を発見したトシが、それを拾い上げ、ついスイッチを押してしまう。 すると、その装置が点滅を始めたので、爆発する!とパニクった子供たちは、それを窓から外へ捨てようとするが、店の前には人がいた。 神崎が、別の窓を開けると、増築で隣の家が間近に迫っておりこちらも捨てられない。 やむなく最後の窓を開け、学校のプールの方へ装置を投げると、プールの上で光った装置は、プールの水を一瞬にして吸い上げてしまう。 爆弾じゃなかったんだ!と子供たちは安堵で笑い出すが、一人神崎だけは何かに気づいて黙り込む。 太平洋沖200海里 操縦席にいた船員が、魚群探査機に何か写った!ともう一人の船員に知らせる。 それは、1辺が6kmもある巨大なピラミッドのようなシルエットだったが、不思議な事にレーダーの方には何も写っていなかった。 その後、片方の船員が新婚の妻に、甲板上での自分の写真を撮って衛星通信で送ると言うので、もう一人の船員がカメラを構えるが、その時、ポーズをとっていた船員の背後の海上に、巨大なシルエットが浮き上がった事に気づく。 その頃、プールから持ち帰って来たピラミッド型の装置を調べていた神崎は、まさかな…と自分で自分の仮説を信じかねていた。 翌朝、前日船員が偶然撮った海上の巨大なピラミッドの写真はTVニュースで報道されており、ミサキも自宅のテレビで見ていた。 ロボット工学研究所 仕事机の前で居眠りをしていた三沢 松尾貴史)は、突然、こんばんわ!と背後から声をかけられたので、寝ぼけ眼で振り向くと、そこには小さなテトラがいたので、私も君みたいなロボットがそのうち作りたいよなどと応える。 するとテトラは、テトラ、部品いる、部品くれ!と言うので、夢だとばかり思っていた三沢は、テトラが運転席に座ったトラックに、部品を全部積み込んでやる。 するとテトラはトラックを操縦して研究所を立ち去る。 翌朝、出社して来た女性社員から起こされた三沢は、夕べ良い夢見たよ、かわいいロボットが訪ねて来たので、死罪や部品全部やったんだ…と教えるが、そこに駆け込んで来た若い社員が、大変です!倉庫の資材、ごっそりやられました!と報告したので、三沢は唖然となる。 神崎は、やって来た子供たちと一緒にTVのニュース映像を見、奴らは地球の海を丸ごと持って行く気だ。 進化した海を丸ごと持って行くのは惑星改造なんかに好都合なんだろうと仮説を説明し、海がなくなったら地球の大型生物は絶滅する、人間とかね…、砂漠化、食料危機、異常気象…、生きて行けるのはバクテリアくらいかな〜…と嘆息した神崎だったが、それを聞いていたユースケらは、なぜ肝心なときに、テトラがいないんだろう?といらつく。 神崎は、俺はこいつから何か聞き出してみると、凍っていた宇宙人の化けた神崎を見ると、お前たちは手分けしてテトラを探せ!と子供たちに指示する。 ユースケたちはただちにテトラを探しに町へ出かける。 「探してます。僕たちの友だち」とテトラの写真付きポスターも作る。 廃品置き場の管理人にも協力を頼む子供たち 結局、徹らを見つけ出せないまま神崎の家に戻って来た子供たちだったが、家に電話しないと心配するぞと言われたミサキは、ヒデタカからピッチ(PHS)を借りる。 二階に上がると、二人の神崎がビールを飲んで酔っているではないか。 こいつはボイド人とは思えないほど良い奴…などと神崎が言うので、どうやら宇宙人はボイド人と言うらしい事が子供らにも分かる。 ミサキはヨーグルトを飲みながら話を聞いていたが、神崎から範子に変身したボイド人を見て驚く。 範子に化けたボイド人は、自分の任務は、進みすぎた技術。オーバーテクノロジーを調査するためで、そう云うものを持っていると邪魔になる事があるからだ。俺が何を探しているか分かるな?と言うので、範子さんに何をした!と神崎はようやく気づく。 すると、ボイド人は、処理したと応え、あれは冷たかったぞ…と、また液体窒素をかけようとする子供たちを牽制しながら、頬から飛び出した触手でミサキを捕まえ引き寄せたボイド人は、範子の顔が割れて宇宙人の本性を現す。 返して欲しかったらそいつを連れてこい!9時までだ!と言い残し、ミサキを抱えたまま、天井の穴から空へと飛び上がって行く。 ミサキを抱えたまま、大きく住宅地をジャンプしながら移動していたボイド人は、高野田の自宅の庭先に着地したので、ミサキは居間にいたクラスメイトの高野田光春(水上潤)と目が合う。 その後、ボイド人とミサキは、港の空間の中に消えて行く。 時刻は8時49分だった。 宇宙船の中に捉えられたミサキは、お前、口の中に何を入れてる?とボイド人から聞かれ、汚染された口の中を消毒したと言われる。 知ってるぞ、お前ら、宇宙人と見ると、最近を使うのを…と、ボイド人は、いつか見たテレビのSF映画の事を信じ込んでいるようだった。 ミサキは、その時、ヒデタカから借りたピッチ(PHS)(PHS)をまだポケットに入れている事に気づき、それに触ろうとする。 神崎の二階にいた子供たちもミサキがピッチを持っている事を思い出すが、その時突然、電話が鳴りだしたので驚く。 ユースケが出ると、電話して来たのは何とテトラだった。 テトラ、完成した!テトラ、準備できた。テトラ、身体作った!と言うので、ユースケは訳が分からなかったが、次の瞬間、窓の外がまばゆく光る。 ボイド人か!と警戒した子供らだったが、恐る恐る表側の窓を開けてみると、そこには、ユースケが以前ゲームの中で見たロボット「ガンゲリオン」の実物が出現しており、その操縦席にはテトラが乗っていた。 これに乗って戦うのか!とユースケが驚いていると、トシが突然、俺が行く…と言い出し、長い髪を後ろで束ね、風防メガネを撮りに行く。 しかし、ユースケは、俺が行くんだ!と我を張ったので、これはゲームじゃないんだぞ!本物なんだ!お前じゃ無理に決まっている…、出来るのか?とトシは言い聞かせようとする。 ミサキは俺が必ず取り戻す!とユースケが真顔で応えたので、仕方ないと言う風に、トシは自分用の風貌をユースケに渡す。 操縦席に乗ったユースケは、モニターに見知らぬ大人の姿が映ったのでびっくりする。 その見知らぬ大人は、やあユースケ!君が今これを見ていると言う事はこれからミサキのところへ救いに行くところだなと話しかけてくる。 これから先、びっくりするような事があると思うけど、がんばってくれ!FIDだ!ファイト一発どんと行け!と言うので、あんたは誰なんだ?とユースケは聞くが、モニターはそこで勝手に切れてしまう。 ユースケは慣れないガンゲリオンを操り、すぐさま移動開始しようとするが、神崎の家の前にいた若者二人(鈴木祥二郎、則友謙司)は、目の前を飛び立って行った巨大ロボットに唖然となる。 それを窓から見守っていたトシとヒデタカは、でも、おいしいよな〜…とユースケの立場をうらやむ。 トシはすぐ、俺たちはバックアップだ!と気持を切り替えるが、その時、電話がかかって来たので、ファックスを確認する。 ミサキが、今自分がいる飯岡漁港の位置情報を知らせて来たのだった。 トシたちから電話をもらって、飯岡漁港へ向かうユースケだったが、操縦がいまいち巧く行かず、またもやガンゲリオンは、高田野の家の庭先に着地してしまう。 両親(小松和重、海原ローラ)と共に居間で寝ていた高野田は、ふと目覚めて庭先を見ると、そこに巨大なガンゲリオンが立っていたので固まってしまう。 その時、電気屋の二階で気絶していた神崎がようやく目覚める。 トシは、ミサキをユースケが助けに行った事を教え、お姉ちゃんの方を頼む!と神崎に指示すると、自分とヒデタカは、漁港へ向かおうと電気屋の前に出て来るが、その時、ボイド人の残して行ったピラミッド型の装置を忘れた事に気づき、また電気屋へと戻る。 その頃、トラックで高速を走っていた廃品置き場の管理人は、ガンゲリオンが目の前をジャンプして行ったので愕然とする。 漁港の埠頭には、ミサキのホログラムが出現する。 その側の海上には、ボイド人の宇宙船が姿を消して待機してた。 宇宙船の中では、ボイド人が、罠だ…と、得意げにミサキに教えていた。 その直後、ボイド人は、接近してくる高エネルギー反応を探知する。 ガンゲリオンが港に立っていたミサキのホログラムの前に到着し、操縦席が開いてユースケが、もう大丈夫だよと声をかける。 その時、側の海上からボイド人が攻撃して来て、ガンゲリオンの位置で大爆発が起きる。 しかし、破壊されたかに思えたガンゲリオンは無事だった。 ガンゲリオンは、姿を現したボイド人の宇宙船と戦い始める。 デートで港に来ていたカップル(北林実季、谷畑聡)が停めていた赤い車を破壊しながら、戦いは続く。 その頃、夜の公園にやって来た神崎は、範子さん!いるなら返事してくれ!と呼びかけるが返事はない。 港のクラゲのようなボイド人の宇宙船は、港に停泊中だった船舶を持ち上げ、ガンゲリオンの方へ投げつけてくる。 公園では、点滅を続けている自動販売機に気づいた神崎が、そのカバー部分を開けてみる。 すると、その中に繭に包まれた範子が入っていた。 気を失っているようだったので、息を吸って!と呼びかけた神崎だったが、その言葉が聞こえたのか、大きく息を吸い範子は気がつく。 君は何時間も眠っていたんだよと優しく神崎が言い聞かせると、なんで助けに来てくれなかったの!一生懸命呼んだのに!と範子は泣き出す。 そんな範子をなだめた神崎は、ミサキちゃんが危ないんだと伝える。 港では、ボイド人の宇宙船に接近したガンゲリオンの中で、ユースケ、飛び移るんだ!とテトラが指示を出していた。 チャリで港に向かっていたトシとヒデタカは、トラックに乗って追って来た神崎と範子に合流する。 まだ心の準備が整ってないとビビっていたユースケだったが、思い切ってガンゲリオンの操縦席から、側にあったボイド人の宇宙船に飛び移る。 掴まっていたミサキは、ユースケが助けにやって来た事発見すると、口パクで何かを伝えようとするが、ユースケには意味が分からない。 業を煮やしたミサキは、飲むヨーグルトか乳酸菌関係持ってない?と声に出してしまう。 その言葉で、ユースケは、自分が乳酸菌の顆粒を持っている事を思い出し取り出すが、ミサキの声で侵入者に気づいていたボイド人によって、あっさり乳酸菌を奪い取られてしまう。 ボイド人は子供らをあざけるように笑う。 港にいたガンゲリオンに、トシとヒデタカ、神崎と範子がやってくると、テトラは、ユースケはあの中!と側にあった宇宙船を教える。 それを聞いたトシは、宇宙船の方へと駆け出し、宇宙船に乗っていたユースケに向かい、これを使え!と呼びかけながら、持って来たピラミッド型の装置を投げる。 その装置は、ユースケの手が届かず、そのまま奥へと飛んで行くが、そこにいたミサキがキャッチする。 ユースケが、向かって来ようとしたボイド人に向かい、止めろ!爆発するぞ!プール一杯の水が入っている!逆流させるぞ!と脅すと、ボイド人は、知ってるさと言うので、まずこれを外せ!とミサキを捉えているサークル装置のことを言う。 しかし、ボイド人は、黙って俺たちに返せと言うと、ミサキを解放すると見せかけて、あっさり装置を奪い取り、本部に転送しようと、もう一人の乗組員と話し合う。 転送装置の中にピラミッド型装置を入れた時、ミサキは、びっくりしてスイッチ押しちゃったとユースケにささやきかける。 海中にあった巨大なピラミッド型の本部に転送途中だったピラミッド型装置から、プール一杯の水が逆流し、本部はあっという間に破壊してしまう。 大失態を悟ったボイド人は、マザーシップへ帰還命令が出たと仲間に告げる。 それを聞いていたユースケは、どこに行く気だ?と身構える。 空中に飛び立った宇宙船から背後を見やると、ガンゲリオンが追尾して来ていた。 ユースケはミサキを連れ、宇宙船の扉の外へ出ると、飛ぼう!と提案、ミサキは無理だよと臆するが、信じて!とユースケは言い、ミサキの手を握ると、セーノ!のかけ声とともに、ガンゲリオンに向かってジャンプする。 ガンゲリオンに二人がしがみつくと、ガンゲリオンはそのまま漁港に降りる。 テトラが助けてくれたんだよ!危ないところだったんだよとユースケとミサキは、下で待っていたトシやヒデタカたちに伝え、テトラも、一緒に戦って、勝ったね!と喜ぶ。 宇宙船の中の操縦者ボイド人は発信時刻が迫っていますと言っていたが、お前だけは許さん!とモニターに映ったユースケを睨みつけていたボイド人は、光線中のスイッチを押す。 その光線がユースケに当たる直前、操縦席から飛び出したテトラが光線に身を挺して当たり、地面に叩き付けられる。 驚いたユースケは、テトラ!と転がっていたテトラに駆け寄り、必死に呼びかけるが、ユースケ…、大丈夫?と言ったきり、テトラは眠りについてしまう。 僕の身代わりになったんだ!と嘆くユースケは、テトラを触っている神崎に直せますか?と聞くが、下手にいじるとメディアの記憶が消えてしまう。 そしたらテトラは君たちの事を忘れてしまう…と言いながら、慎重にテトラを観察していた神崎だったが、ダメだ!テトラの記憶装置はまだ発明されていない。 今はまだ手が出せない…と沈痛な面持ちで言う。 側にいた範子は、きっとそいつは、君を守るためにやって来たのよ、だから今は幸せなんだと思うと慰める。 その時、哀しむユースケに、ユースケ君、直してあげれば良いじゃない!勉強して直してあげれば良いじゃない!とミサキが言い出す。 その言葉を聞いたユースケは、直してやるよ!直してやるさ、絶対!と誓う。 僕はその後、色々勉強して行ったけど、時とともに、テトラとの事は子供の頃の思い出として徐々に薄れて行った。(ユースケの独白が、大人声に変化して行く) 一応、ロボット工学には進んだけど、僕の興味は宇宙作業用の大型ロボットへと移っていた。 2020年 大人になったミサキ(緒川たまき)に急かされ、庭先でネット情報を見ながら食事をしていた大人のユースケ(吉岡秀隆)は、何かの記事を見つけると、興奮したように、発表された!35mmディスク!来たぜ、来たぜ!テトラと同じタイプのディスクが作られたんだ!と喜ぶ。 今にテトラタイプのロボットが作られる。そいつにこいつを入れると…とユースケは、テトラの中に入っていたディスクを取り出す。 それを聞いたミサキは、ユースケ君じゃなかったのね…、私ね、ユースケ君がテトラを作ると思ってた…と言うので、僕もそう思った、けど、でかいの専門になったからね…とユースケも苦笑する。 もうすぐ新しいテトラに会えるんだ…、でも、どうしてテトラはあの時、俺の事、すぐに分かったんだろう?説明できないだろ?とユースケはミサキに問いかける。 ユースケは、ガンゲリオンのモニターに映って、FIDだ!と呼びかけて来た謎の大人の事を思い返していた。 そして、近くにあった鏡に映った自分の姿を改めて見たユースケは、あのときの大人が今の自分である事を知る。 (回想)なんで知ってるんだ?びっくりするようなことが起こると思うけど… (回想開け)あれって俺じゃん!とユースケは気づく。 その時、ボイスメールが届いたので開いてみると、それは神崎からで、タイムマシンの研究が完成したが、ワームホールが不安定なので、6ヶ月以内にテトラを作って欲しいと言う依頼だった。 それを聞いたユースケは笑い出す。 6ヶ月後、神崎重力宇宙ステーション この時代の事を知っているテトラはそれを言わないようにしよう。知ってたら、俺は絶対怠ける…とやって来たユースケが言うと、言えてる…と同伴して来たミサキも同意する。 ワームホールが移動してるわと神崎に報告に来たのは範子だった。 それを見たミサキは、相変わらずだね〜…と範子と神崎の関係を笑う。 メッセージを撮らなきゃ!と気づいたユースケは、過去の自分に向けたメッセージを録画し始める。 君がこれを見ていると言う事は、今正に、ミサキを救いに行くところだね? …、かつて、自分が聞いた大人がの自分が言っていた言葉を繰り返すユースケ。 そこに、大人になったトシ(高杉亘)とヒデタカ(川平慈英)がやって来て、きれいになったミサキと、ひげ面になった神崎の変貌ぶりに驚く。 そんなかつての仲間たちの前で、修理したんだと言いながらテトラを取り出したユースケは、メディアを挿入する。 しかし、テトラは起動しないので、古いからかな…と、一瞬ユースケは不安がるが、次の瞬間、目覚めたテトラは、ユースケ!大丈夫か?と口をきく。 お前のおかげで助かったよと涙ぐみながらユースケが応えると、痛いところなかったか?と聞くテトラは、ユースケ、大きいユースケに戻ったな…と言う。 お前、ずっと眠っていたからな…、お前に会うため、頑張って来たんだ。結構無理もしたんだぞとユースケは打ち明ける。 その時、さて…、そろそろ時間だ…と神崎が声をかけてくる。 部屋の窓のカーテンが上がると、奥には巨大なタイムマシンが完成していた。 その装置にテトラを乗せる。 もうすぐ小さいユースケに出会う… ここからみんな始まったんだね…、ちょっとうらやましいな… 球体のテトラは、時空を越え、過去に戻って行く… |