コミックの原作映画の後編 原作を知らないものにとっては、物語の設定も登場するキャラクターも分からないことだらけで、思わせぶりな割に、さほど惹かれる部分もないと言った印象で、取っ付き難かった前編に比べると、この後編は、オタクが作った子供向け特撮ものと言った感じのチープな世界観になっており、そう言うものだと割り切って観れば、それなりに観られなくもない展開になっているものの、決して面白い訳ではなく、特撮オタクの自己満足みたいな世界に終始している。 二部作にするなど、一見大作めいた売り方だったため、それなりにスケールの大きなものを期待したが、よほど予算がなかったのか、いかにもなB級映画的、尻すぼみ的なラストになっているのが特長。 前後編を通して、ほとんど調査兵団数人グループを巡る冒険譚風展開ながら、後編になっても全く盛り上がらないのが哀しい。 壁の中の世界も外の世界も、一応説明らしきものはあるが、最後まで良く分からない部分が多く、子供が考えた空想話レベルと言うしかない。 後編は特に、前編で登場した不気味な巨人はほとんど登場しなくなり、ものすごくスケールダウンしているだけではなく、恐怖感やドラマ自体の緊張感も影を潜めている。 ラストもすっきりしない…と言うか、良く解釈すれば、観客の想像に任せる…と言う風にしたかっただろうが、世界観自体に魅力がないのであまり想像は膨らまない。 「フランケンシュタインの怪物 サンダ対ガイラ」を連想させるような戦いが見せ場の一つになっているが、現実の日本を舞台にしていたオリジナルとは違い、良く分からない空想世界設定なので、インパクトや説得力はなく、TVの変身ヒーローものの劇場版レベルと言った所だろうか。 基本的に人物描写演出に力がないので、ドラマとして最後まで乗り切れない展開だったのが残念。 あくまでも想像だが、当初、中島哲也監督で動いていた企画が、何らかの理由で頓挫。 その後、さらに時間もなくなり、不利になった条件で誰かにその後始末をしてもらわなくてはならなくなった製作側は、「ゴジラ」新作の監督をやらせる事を条件に樋口監督に頼んだのではないか? 樋口監督としては、どう考えても成功する見込みが薄かった本作の企画を、「ゴジラ」撮りたさの一心で引き受けてしまったのではないか? 前に、「日本沈没」も時間が全然なかった…と言う風な愚痴をトークショーで漏らしていた樋口監督だけに、この作品も「敗戦処理投手」のような役割を担わされてしまったのではないか? 監督の手に渡る前の企画段階で、二転三転、ごたごたがあったのではないかと想像したくなってしまうような、悲惨さ、無惨さが、この作品にはあるような気がする。 単に、監督の力量不足だけが原因とは思えないのだ。 |
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
2015年、映画「進撃の巨人」製作委員会、諫山創原作、渡辺雄介+町山智浩脚本、樋口真嗣監督作品。 100年以上前(アニメをバックに) 突然現れた巨人たちに人類の大半は喰われ、文明は崩壊した。 この巨人対戦を生き残った者は、三重の壁を作り、その中での生活を守っていた… あの鳥、海を観たことがあるのかな?…、アルミン(本郷奏多)とエレン(三浦春馬)と一緒に、壁の所に来ていたミカサ(水原希子)がつぶやく。 誰もが、そんな平和な生活がいつまでも続くと考えていた…、あの絶望の主が出現するまでは… 超大型巨人が壁の背後に顔を出し、壁の一部が破壊されると、そこから大量の巨人たちが壁の中に入り込んで来て、中の人間たちを食らい始める。 その途中で、エレンはミカサを見失う。 この惨劇の後、集められた調査団たちは、外壁修復作業が課せられる。 巨人は不死身ではない! 彼らの窮地を救ったのはシキシマ(長谷川博己)だった。 さらに、死んだと思われていたミカサもシキシマと一緒に行動していた。 本当の敵は巨人ではなく、安全だよ!とシキシマはエレンに言い放つ。 エレンが駆逐してやる!と叫びながら巨人に食われた後、その巨人の口を引き裂いて出現した謎の巨人は、他の巨人と戦うようになる。 ミカサをシキシマに奪われたエレンの心の傷は癒えなかった。 エレンが巨人に同化してしまわないよう、倒れた新巨人のうなじを切開し、何とか元の姿に戻ったエレンだったが… 我々はどこに行くのか? 戦わなければ道は拓けない… 生き残るのは、人類、巨人のどっちだ? (回想)男は自分の幼い息子に注射をしようとしていた。 そこに飛び込んで来た母親が、自分の子になんてことを!と夫(草なぎ剛)を止めようとするが、良いんだ、結果は上の子で実験済みだ。爆発的に細胞が分裂するんだ…と科学者らしき夫が冷たく答えたので、それでも父親?人の親なの!と母親は責める。 先生!と科学者に呼びかけたのはソウダ(ピエール瀧)で、母親はそのソウダにエレンをお願い!と息子を託す。 とっさに、壁の裏側に、エレンと共に身を隠したソウダだったが、部屋に乱入して来た何者等かに、父親と母親はどこかに連行されて行く。 侵入して来た賊の隊長らしき人物は、火を点ける用意!と部下に命じる。 幼いエレンは、ソウダと共に、壁の隙間からその一部始終を覗き込んでいた。 (回想明け)夢だったのか? 気がついたエレンは、大きな建物の中で、調査団の仲間たちの目の前におり、自分は縛られており、猿ぐつわまではめられている事に気づく。 目の前には、クバル(國村隼)とその部下たちが、全員自分に銃口を向けていた。 調査団の仲間やミカサも、クバルの前では、ことの推移を見守る以外、何も行動できなかった。 彼らにとっても、今のエレンがどういう存在になったのか計りかねていたからだった。 かつて人間は、科学や知識で武器を作り、その武器で争いが絶えなかった。 巨人が出るようになってから、人間は限られた土地を大切に使うようになり、みな平等になった。 人は自由を縛る事で豊かになった。 科学や技術を捨て去る事で、永遠の平和を手に入れたのである…とクバルが演説していた。 しかし、巨人になる人間がいたらどうか? 君は人間なのか?巨人なのか?とクバルは、猿ぐつわのため答えることができないエレンに問いかける。 人間です!とアルミンが弁護すると、人間なら、一度ちぎれた腕が勝手に生えて来たりはしない!彼が巨人から出て来たのを全員目撃していた!とクバルは睨みつける。 巨人に食われる時、ちぎれたエレンの片腕がいつの間にか元に戻っていたからだった。 俺は人間だ!とエレンは心の中で叫んでいた。 シキシマの姿はなかった。 中の区へ戻ったと言う。 撃ちなさい!とクバルが部下に命じると、あの…、エレンは人間です!我々の味方なんです…と仲間が弁護する。 俺は巨人を倒せる!とエレンは心の中で叫ぶ。 エレンは人類最後の希望です! そんな中、ついに生体解剖できます!とハンジ(石原さとみ)は1人喜んでいた。 爆薬を全部失った今、壁を塞ぐ方法がありません…とクバルが絶望的に言うと、いや、あります!不発弾が!とアルミンが思い出す。 しかし、クバルは、君等は反乱分子だ! これは君たちの仲間のものですか? 爆薬泥棒の敵と察知していました。 奴等は我々の武器を狙っています。危惧した通り、反乱分子は内部に潜入していたのです。悪の芽は摘み取らねばなりません。花を咲かさないうちに…とクバルは言いはなつ。 そんな状況下でも、無言を貫いているミカサに、どうしたの?エレンを見捨てるの?とアルミンは問いかける。 自分等の方にも銃を向けられたアルミンは、撃つなら撃て!この心臓はとうに使命に捧げている!と叫ぶと、本性を現しましたね…とクバルは笑う。 俺は壁の中に生まれて、何をしても無駄だと思った…、やっと見えて来たんだ、自分に出来る事が…とアルミンは答える。 ミカサも堪り兼ねてようにサーベルを抜くが、その時、こいつは悪くない!とエレンをかばうように前に出て来たのはソウダだった。 大脳皮質で分離された本能に支配されただけなんだ…と説明しかけたソウダだったが、次の瞬間、撃たれて倒れる。 酔っぱらいの戯言だ…とクバルは、ソウダの言葉を黙殺しようとする。 エレン…、お前の兄さん…と言いかけ、ソウダは息絶える。 撃て!とクバルは部下たちに命じるが、その時、天井が崩れ、エレンが巨大化した姿と良く似た別の巨人が姿を現す。 こんなの始めて!が又出て来た〜!とハンジが叫ぶ。 クバルは、崩れた天井の瓦礫に押しつぶされたようだった。 ミカサが、サーベルを振りかざし、クバルの配下の前に立ちふさがった中、巨人はエレンの身体を掴み、外へ出て行く。 タイトル アルミンは、ソウダの墓を作り、その墓に水をかけてやっていた。 ソウダさん、何を言いたかったんだろう? 表町から門前に向かって穴を塞ぎに行こう!とハンジが言い出す。 まだ出来るのかよ?爆薬どうするんだ?とジャン(三浦貴大)は困惑するが、俺は行くぞ!とサンナギ(松尾諭)は賛同する。 無理だ!俺は降りる!と言い出したジャンに、じゃあ帰れば良い!巨人がうじゃうじゃといる中、1人で帰られるのなら…とアルミンが言うと、ジャンも同行するしかないと気づいたのか、移動車に乗り込む。 ミカサは?ミカサは門前に戻りたくない?とアルミンが、立ち尽くしているミカサにも声をかけると、戻れるの?とミカサは聞く。 戻れる!とアルミンが答えると、私がいなきゃ全滅するだろうから…と自分に言い訳をするように言いながら、ミカサも移動トラックに乗り込む。 エレンは行方知れずだった。 巨人の仲間の所へ帰ったんじゃないか?とジャンは皮肉るが、何で、あいつを食わなかったんだろう?と首を傾げる。 その頃、エレンは、ジュークボックスのレコードで「エンド・オブ・ザ・ワールド」がかかっている不思議な部屋の中で目覚めていた。 立ち上がり、曲が終わった、そのジュークボックスのスイッチに触れようとした時、鳥たちは何故、歌い続けるのか?世界の終わりだと言うのに…と言う言葉が聞こえたので、驚いて振り返ると、そこにいたのはシャンパングラスを手にしたシキシマだった。 ここは?とエレンが聞くと、君を掴んだ巨人と出くわした。そして助けた…。 巨人はどこかに逃げてしまったが…とシキシマがセル瞑するので、ありがとうございましたとエレンは礼を言う。 見たまえ、これがこの世界のからくりだ!と言い出したシキシマは、古い時代の生体実験のような映像を部屋に映し出す。 巨人の正体は人間だ。人間が作り出したものなんだ。兵器にするつもりだったのか? 最初、世界のあちこちで多くの人間が巨人になった…、誰が巨人になるのか分からない…、すると、どうなる? 人々は互いに殺し合い、そして滅んだ。 かつてここは大都市だった。 巨人になれなかったものたちは、壁を作ってその中に閉じこもり、支配されるものと支配せずにおれないものたちで立派な世界になった…とシキシマは説明し、この部屋は政府のものが使っている部屋だが、ここは、表向きは禁止されている過去の遺物に包まれている…と皮肉る。 同じ頃、アルミンやミカサたちは、移動トラックに乗って壁に近づいていた。 遠くに、巨人9体の姿を見つけていた。 そんな中、荷台に乗っていたサシャ(桜庭ななみ)は、隣に座っていたミカサに、シキシマ隊長とはどういう関係?と聞く。 ミカサの命の恩人で師匠よとミカサが答えると、それだけ?とサシャは疑わしそうに聞き返す。 2年前、壁が壊れたのは政府の仕業だった…と、謎の部屋の中でシキシマは話し続けていた。 調査を開始する直前、国家の統制が薄れていた。 壁の外への興味を持とうとしていた…、するとどうなった?とシキシマが問うと、巨人が出現した…とエレンが答える。 都合が良過ぎると思わんか?人々の憎しみが巨人に向けられた。外壁修復の名の下に、どれほどの数が食われて行ったか? こんな事、いつまで続くんだろう?政府が本気で壁の修復をするつもりがあると思うか? 分かるだろう?生け贄が必要な訳が…、勇敢なものを減らすため…、だったら終わらせよう!とシキシマはエレンに話しかける。 君を待っていた。巨人になっても理性を失わない。選ばれたんだ、君は…。 奴隷の時代を終わらせ、新しい時代を作るんだ!と言いながら、シキシマは、エレンのグラスにシャンパンを注いでやる。 エレンは乾杯し、そのシャンパンを飲むが、思わずむせてしまう。 俺とシキシマ隊長だけで?とエレンが聞くと、自信ないのか?と聞いたシキシマは、こっちへ来いと誘う。 壁に近づいていた移動トラックの荷台の上、ジャンは、うちにも巨人がいるよ、クソ親爺が…と身内話をしていた。 アルミンは不発弾を確認に行った後、トラックに帰ってくる。 シキシマはエレンに、警戒しろ!今から、巨人の生息域に出ると言いながら建物の外に出ると、そこには、見知らぬ男たちが集まっていた。 志を同じくする仲間だとシキシマは紹介する。 元調査兵団の連中だ。爆薬も確保した…とシキシマはエレンに教え、巨人はどうだ?と無線で仲間に聞き始める。 エレンは、シキシマが集めたと言う見知らぬ武器を観て驚く。 これは政府が保管していたものだ。これは政府が人々に向けるための銃だとシキシマは忌々しそうに教える。 俺たちは家畜じゃない!とエレンが激すると、そうだ、お前はお前自身で自由になるんだ!とシキシマは励ます。 懐かしいだろう?君の生まれ故郷だ…と言いながら、シキシマは、かつての町並みを見渡せる場所で、立体起動装置をエレンに渡すと、ところで、まだ爆弾がある時いたが…と尋ねる。 その頃、その不発弾を、アルミンたちが移動トラックに積み込んでいた。 エレンがいてくれたら…とアルミンがつぶやくと、あいつが人間の言う事なんか聞くか?とジャンが疑問を投げかける。 サシャは、ずっと寂し気だったミカサに、摘んだ野花を手渡す。 信管はどうだ?とハンジが聞くと、この起爆装置で…とアルミンは手製の装置を見せる。 走り出したトラックの荷台の上、ミカサは、かつてエレンとアルミンでこの地に来た時の事を思い出していた。 そんなミカサにサシャは、自分が持っていた芋を渡そうとし、ミカサに優しく押し戻されたので照れて喜ぶ。 やがて、彼らの移動トラックの前に、見知らぬ戦車のような車が立ちふさがる。 それを観たハンジは、巨人対専用の!と驚喜する。 戦車から降りた男たちの中にエレンがおり、ミカサ!心配かけた…と呼びかけながらトラックに近づいて来る。 隊長に助けられたんだとエレンは教え、シキシマもサシャにリンゴを投げながら姿を現す。 我々を勝利に導く武器だ。諸君!時が来た!この大型爆弾を徴用させれもらう。内地に戻るぞ!壊すべきは内側の壁なんだ!とシキシマが、アルミンたちが手に入れた不発弾を前に演説し始める。 そんな事をしたら巨人たちがなだれ込むだろう!とアルミンたちが驚くと、巨人が中央に流れ込み、2つの壁が壊れた時、人類の変革が始まるのだ!どうだ、悪くないだろう?とシキシマは呼びかける。 彼も既に一緒に働いているとシキシマに言われたエレンは、そんな話は聞いてない!普通の人は何もしてない!と否定する。 するとシキシマは、悪しき政府を支えている事は悪くないのか?とシキシマが問うと、だからと言って、殺して良い人などいない!とエレンは反論する。 きれいごとだよ…とシキシマはあざ笑う。 君は巨人も倒しているだろう?彼らだって、普通の人間なんだ!君たちはこの世界に満足なのか?生む自由もないような世界が!あの爆弾で地獄の政治を終わらせるんだ!とシキシマは、トラックの連中に呼びかける。 俺は…、もう捨てない!もう誰も捨てない!とエレンが叫び出したので、シキシマは呆れたように、何だって?と聞き返す。 そんな事に爆弾を使わせない!とエレンは言い放つ。 どうやって?とシキシマがからかうように聞くと、どうやってもだ!と言いながら、エレンはサーベルを持ってシキシマに立ち向かおうとする。 しかし、あっさりかわしたシキシマは、君には僕は倒せない…、何故だか分かるか?いつも、何かのせいにしているからだ!と言いながら、エレンを殴りつける。 いつも!いつも、言い訳ばかり!笑わせてくれるぜ!悔しかったら巨人になってみろ!と挑発しながら殴り続けるシキシマ エレンも、必死に立ち向かって殴り返す。 兵器として使えるかと思ったが、見込み違いだったな!とシキシマが嘲ると、お前に俺の何が分かる?とエレンは怒りをぶつける。 聞いたよ、君の前の恋人から!とシキシマが答えると、もう十分でしょう!とそれまで黙ってみていたミカサが叫ぶ。 哀れになったか?前の男が…と言いながら、ミカサに近づいたシキシマは強引にキスしようとする。 この恩知らずめ…と言いながらミカサから離れたシキシマは、まだ分からないのか?お前には何にもねえんだよ!と倒れていたエレンを嘲りながら手を差し伸べようとする。 するとエレンは、汚い手で触るんじゃねえ!と叫び、又殴り合いを始める。 そんな二人の喧嘩を観ていたサンナギは、何か手はないのか?とアルミンに聞くと、何事かを考えたかに見えたアルミンは、でも、無理か…とつぶやく。 もう君と遊ぶのは飽きてしまったよ…と、さんざんエレンをいたぶったシキシマが言い、サーベルで倒れたエレンを付こうと身構える。 その時、シキシマに飛んで来たのは、サシャが投げたリンゴだった。 誰だ!食べ物を粗末にするのは?とシキシマが見回すと、動くな!こいつを押せば、こいつがドカン!と吹き飛ぶ!と言いながら、アルミンが不発弾の起爆スイッチを差し出して見せる。 サシャも、弓を引こうと身構えていた。 ば〜か!誰がそんな話を信じる?とシキシマが呆れると、この不発弾を爆発する装置を作ったのは僕だ!とアルミンは答える。 何だ…、噓ですか…とシキシマが嘲っている中、サンナギは、立体起動装置のワイターを近くの教会の廃墟の上に引っ掻け、それを引っ張ろうと力んで仁王立ちしていた。 しかし、シキシマの部下たちが撃った弾丸でサンナギはたちまち血まみれになる。 しかし、倒れかけながらも、サンナギは最後の力を振り絞り、教会の上部が崩れ落ちて来る。 そのさんざ期の最期を見たジャンも奮い立つ。 しかし、シキシマは、良いぞ!お前たち!なかなか手応えがあるじゃないか!と、嬉しそうに褒めるだけだった。 そして、自ら握ったサーベルを、自分の心臓の上に当てたシキシマは、教えてやる、本当に心臓を捧げると言うのがどう言う事か!と言うと、いきなりサーベルを背中に突き通す。 その途端、シキシマの背中から何か肉のようなものが吹き出し、見る見るシキシマの身体は巨大化する。 最強の男が最強の災厄になる!とアルミンが驚き、知ってたのか?とジャンがミカサに聞くと、うん…とミカサは頷く。 ここは俺がやる!みんな壁を塞ぎに行くんだ!みんなでやるんだ!とジャンが叫ぶ。 立上がったエレンは、ミカサが首に巻いていたマフラーが、かつて自分がやったマフラーだと気づく。 一緒だったんだ…ずっと…とエレンは感激する。 その時、アルミンが、集まって来た!と、他の巨人たちが近づいて来た事に気づく。 巨人化したシキシマは、近づいて来た巨人の顔にパンチを食らわせ、瞬時に潰す。 みんな行くぞ!とエレンは立体起動のワイヤーを発射する。 サシャは、弓で巨人の左目を射抜く。 とどめは俺がやる!とジャンが立体起動装置で飛ぶが、逆に捕まりそうになったので、エレンが飛んで助ける。 その直後、怒りに身をまかせたエレンも巨人化、あんたを倒す!と巨人シキシマに挑む。 残念だよ、君となら、世界を救えると思ったが…、教えた通り、とどめを刺してやろう!と巨人シキシマは立ち向かうが、エレンが建物の残骸の鉄骨で殴りつけると、巨人シキシマの左肩部分を引き裂く。 遅い!お前は遅いよ!と巨人エレンは嘲るが、その言葉を聞いたジャンは、かつて自分とエレンが喧嘩した時の事を思い出す。 予想通り、巨人エレンは、ジャンプして、膝蹴りで巨人シキシマを倒したので、やりたがった!とジャンは喜ぶ。 アルミンは巨人化したエレンに、不発弾を穴が開いた壁の上層部に差し込めるか?爆破は時限装置でやるけど…と呼びかける。 巨人エレンは、不発弾を背負って壁をよじ登り始める。 上層部の亀裂に手を伸ばし、不発弾をその穴に差し込もうとしていた巨人エレンだったが、急に苦しみ出すと、突然墜落する。 ミカサは、立体起動装置で飛び上がったので、エレンを殺さず、うなじを狙うんだ!中心を外して!とアルミンが下から呼びかける。 巨人エレンは、ミサイルを抱えたまま壁を落ちかけていた。 その頃、ハンジは、シキシマたちが残していた武器の中に、軍用のバズーカ砲などを発見し、大喜びしていた。 しかし、その側で、誰かが、同じように、落ちていた銃を拾い上げて行った事に、ハンジは気づかなかった。 壁の途中で、かろうじてしがみついていた巨人エレンのうなじにたどり着いたミカサは、サーベルを巨人エレンのうなじに突き立てる。 中で、失神しかけていたエレンの顔のすぐ側に、ミカサのサーベルが突き通る。 約束!約束したでしょう?海!観に行かないか?… かつて、ミカサと壁の側で語り合った事が蘇って来たエレンは正気に戻り、又、壁をよじ登り始めると、不発弾を壁の隙間に詰め込み、又気絶してしまう。 5分後に爆発する!脱出しよう!とアルミンが下から飛びかける。 その時、塀の上から笑い声が響いて来る。 壁の上に立っていたのは、死んだと思っていたクバル師団長だった。 頑張りました。諸君等を報償しよう。 ただし、巨人のお友達を挽き割らし、今後も壁を守り仰せたらの話ですとクバルは言い、壁の上から銃を撃って来る。 お前たちは一体何が望みだ? この世界の真実を知ったからと言って何になる? 壁は必要なんだ!壁の外は地獄だ!とクバルが呼びかけて来るが、壁の中の自由より、壁の外の自由だ!と叫び、サシャが矢を放つ。 その矢が命中したクバルは死んだかに思えたが、次の瞬間、超巨大巨人に変身する。 噓だろ?まさか、師団長が! 恐怖だよ!穴を塞がせないためなんだ! 立体起動装置を受け取ったエレンは。この日を待っていた!と叫ぶが、ジャンが、超巨大巨人が不発弾を引き抜こうとしているのに気づき、爆弾に触るな!と叫ぶがはね飛ばされてしまう。 それを観たエレンは、ふざけんな!と言いながら超巨大巨人の頭部に近づく。 その時、バズーカを肩に背負ったハンジが、あいつら、こんなの持ってないだろう!と叫びながらミサイルを発射する。 超巨大巨人が壁に嵌った不発弾を取ろうとしている背後に回ったエレンは、超巨大巨人のうなじ部分に着地する。 もう、時間が!とアルミンが下で焦り、エレン!逃げて!と叫ぶ。 立体起動装置で空中を移動していたミカサも、死んじゃうよ!とエレンの身を案ずる。 ジャンの仇!みんなの仇を取ってやる!とエレンが叫びながらうなじの中央に進みよっていると、ミカサも側に着地する。 時間だ!とアルミンは絶望したかのように叫ぶが、何故か、不発弾の時限装置は作動しなかった。 爆発しない!とミカサも絶望する。 超巨大巨人が、うなじに乗った二人をうるさそうに振り返る。 私が行く!と叫んで、ミカサが不発弾の方へ飛ぶ。 アルミンはハンジに、その武器で爆弾を撃てませんか?信管を撃てませんか?と聞く。 その時、サシャが、壁の上の不発弾に近づくミカサを発見する。 ミカサは、死んだはずのシキシマが人間大に戻っており、その場に迫って来た事に気づき戸惑う。 シキシマは、左肩部分がへこみ、身体の形が変型していた。 この場で吹っ飛ぶんだな…と嘲り去ろうとするシキシマに、お願い!置いてかないで!とミカサは哀願する。 無駄だ…と言いながら立ち去るシキシマに、あなたは…、あなたの家名は?とミカサは問いかける。 その時、超巨大巨人のうなじにへばりついていたエレンは、サーベルを突き立てる。 食らえ! エレンのサーベルは、超巨大巨人の中にいたクバルを斬り裂こうとするが、その時、エレンは、超巨大巨人に捕まってしまう。 その根性は立派だ。だが、この獲物は私のだ!お前はお前の未来を生きろ!とエレンに声をかけながら、シキシマは、不発弾に突っ込んで行く。 不発弾は大爆発を起こし、超巨大巨人とクバルも砕け散る。 ホラ来た!二度目の爆発〜!と下にいたハンジが嬉しそうに叫ぶ。 その言葉通り、大爆発が再び起こり、壊れた壁の上部の瓦礫が落下し、下に開いた穴を塞ぐ。 落下する瓦礫と共に、エレンも墜落していたが、立体起動で近づいて来たミカサが、上から手を差し伸べる。 エレンはその手を掴み、壁の上に引き上げられる。 下にいたアルミンは、穴がふさがった!と驚喜する。 やった〜!とハンジも興奮する。 観て!とサシャが叫ぶと、壁の上に立ったエレンとミカサの姿が下からも確認できた。 エレンとミカサは、壁の外に広がる広大な世界をかいま見る。 そこには、都市の残骸と海があったが、巨人はどこにもいなかった。 安堵したのか、いつものように、サシャのお腹が鳴り出す。 鳥は海の上を飛んでいた。 ここからだ!エレンとミカサは互いに見つめ合う。 タイトル エンドロール ジュークボックスのある部屋に、何者かの声が重なる。 2個体が脱出したようだ。 予想通り行かないから面白いんだよ… |