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STAND BY ME ドラえもん

国民的人気コミックとアニメの3Dアニメ化映画

どうやら、原作では有名の話らしいが、そもそも原作世代ではないので、「ドラえもん」に関しては、初期作品を過去何本か観た程度の知識しかない。

それでもこの作品、過去の作品どころか、アニメやコミック自体を全く知らない初心者や子供でも理解できるように、「ドラえもんとの出会い」から丁寧に描いてあるように感じる。

つまり、予備知識など最初から必要ないように描いているのだ。

全体的に完成度は高く、隙がない出来になっている。

特に、しずかちゃんを好きなのび太のひたむきさと、しずかちゃんの健気さが大人にも羨ましいくらい伝わって来る。

おそらく原作自体も素晴らしいのだろうが、映画の方も世代を超えて愛される名作になっていると言って良いのではないかと思う。

山崎貴、八木竜一両監督コンビの前作「friends もののけ島のナキ」(2011)よりも安定度が増したような気もする。

たあい無いことだが、作品の出来とは別に、色々気になる点がないではない。

野比家は、のび太が青年になっている時、引っ越してしまって、跡地は公園になっているらしい。

あの家は一戸建てではなかったのか?

何故、あの一角が全部公園になっているんだろう?

しずかちゃんのママや、のび太の両親は、何故未来の世界で出て来ないのだろう?

まさか、死んじゃったって訳じゃないだろうな?

しずかちゃんのママは、成長期の写真にパパと一緒に写っているのに、結婚式を迎える頃はいないらしい。

原作やアニメでは説明されていることなのかも知れないが、この映画だけでは色々釈然としない部分があると言うことだ。

考えてみたら、土管が置いてある空地があるような時代に住んでいるのび太が、せいぜい20年後くらいの未来に行くと、今より高度な文明の時代になっていると言うのもおかしいのだが、子供にとっての未来は、いつの時代も「見果てぬ夢の世界」と言うことなのだろう。

エンドロールの時に流れる「NG集」も映画好きには楽しい。

本来、アニメにはないはずの「撮影中の俳優が失敗するような実写撮影感覚のNGシーン」をわざわざ作っているのだ。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

2014年、「STAND BY ME ドラえもん」製作委員会、藤子・F・不二雄原作、山崎貴脚本+監督、八木竜一監督作品。

夜中、鼻提灯を膨らませ寝ていたのび太(声-大原めぐみ)は、誰から呼ばれていると気づき目覚めると、窓の外にしずかちゃん(声-かかずゆみ)が浮かんでおり、のび太さん、こっちこっち!楽しいわよ~!と呼びかけていたので、良く分からないながら、窓から外に出てみると、自分も空を飛べたので大喜びする。

ところが、のび太!早く起きなさい!と怒鳴って来たのは、空に出現した巨大なママだった。

のび太~!遅刻するわよ~!と下からママが呼んでいるので目覚めたのび太は、夢か…と気づき、そのまま二度寝しようとする。

はっと気づいて、時計を観ると、もう遅刻ギリギリだったので、慌てて飛び起きたのび太は、何で起こしてくれなかったんだよ~!とママに文句を言い、何度も起こしたわよと呆れるママを残し、家を飛び出すと学校に急ぐが、その日も、遅刻したので廊下に立たされてしまう。

三日連続でステーキで参ったよなどと自慢しながら、授業が終わった教室から出て来たスネ夫(声-関智一)は、立たされていたのび太に気づくと、僕も一回くらい立たされたいな~などといつものようにからかい出す。

そこにやって来たジャイアン(声-木村昴)も、おいおい、そのくらいにしといてやれよ、毎日立たされてお疲れなんだから…などとからかい、のび太、今日は俺の野球に入れてやるよなどと一方的に言って来たので、のび太は、僕、今日は用事があって…と困ってしまう。

そこに近づいて来たしずかちゃんが、のび太さんが可哀想よと、ジャイアンとスネ夫に注意する。

そんなのび太たちの様子を見ている誰かが、情けないな~…と話している。

放課後、土管が置いてある空地で、草野球をやっていたのび太は、ジャイアンが打った球が取れない。

それだけじゃなく、ジャイアンの妹のジャイ子が、兄からバットを借りて打った球も取れず、転んでズボンが脱げ、パンツ丸出しになったので、ジャイ子にまで笑われてしまう。

そんなのび太を観ているらしく、かなりの運動音痴だな…と、又誰かが話している。

曾曾爺さんを何とかしてやらないと…、言う事聞かないと、鼻のスイッチ押しちゃうぞ!などと、過去の映像を観ていた未来の少年セワシから言われたドラえもん(声-水田わさび)は、分かったよ、行くよ…とふて腐れたように承知すると、タイムマシンで、未来の少年と一緒に出発する。

タイトル

夜中、のび太の勉強机の引き出しの中から光が漏れ出し、中からドラえもんが出て来て、のび太君でしょう?と呼びかけたので、布団で寝ていたのび太は寝ぼけ眼で起き、メガネをかけて引き出しの方を観る。

ドラえもんに気づいたのび太は、タヌキだ~!と驚いて部屋の入口の方へ逃げる。

タヌキじゃないよ…とぼやきながらも部屋に降り立ったドラえもんは、暗いな…と気づき、部屋の蛍光灯をつけると、やあ、僕、ドラえもん!と挨拶する。

その後から出て来た未来の少年はセワシと自己紹介し、僕らは未来から来たんだと言うので、そんな事言ったって騙されないよ!と言いながら、引き出しの中を覗き込んだのび太は、そこに浮かんでいたタイムマシンを観てびっくりする。

引き出しの中の物は、全部、僕の四次元ポケットに入れてあるから心配しないでとドラえもんは言う。

取りあえずお客様なので、麦茶とどら焼きをお盆に乗せて戻って来たのび太だったが、自分がセワシの曾曾爺さんと言う話は今ひとつ理解できていなかった。

君が僕の孫のまごって言われても…とのび太が戸惑っていると、セワシは、性格に言うと、君は僕の4世代前の先祖なんだよとセワシが説明する。

そんな中、どら焼きを食べてみたドラえもんは、美味しい!と叫び、それがどら焼きだと言うお菓子だと知り感激する。

君だっていつかは大人になり結婚するんだ。君は今から19年後に結婚するんだとセワシから言われたのび太だったが、ピンと来ておらず、僕はどんな人と結婚するの?と聞くと、セワシが取り出した写真にのび太と一緒に写っていたのは、何とジャイ子だった。

しかも、大人になったのび太は、仕事が巧くいかず、自分で作った会社も火事でなくし、その時の借金がかさんで、それ以来、子孫はずっと貧乏暮らしなのだと言う。

それを聞いたのび太は、すまないな~…、僕のために君たちにまで迷惑をかけて…、もう生きて行く自信なくなったよ…などと落ち込む。

するとセワシは、未来は変えることも出来るんだよ!そのために僕はやって来たんだよ。引き出しの中のタイムマシンを使ってと言うと、自分は引き出しに入り帰ろうとする。

ドラえもんも一緒に帰ろうとするが、しようがないな…と言いながら、その鼻のスイッチを廻したセワシは、君はのび太君を幸せにしない限り未来に帰って来れないプログラミングにしといた。

のび太君が幸せになった時、例え君が帰りたくないとい言い出しても、それは出来ないんだなどと言うので、それを聞いたドラえもんは、そんな訳ないじゃない!と言い返す。

ちょっと扱い難いロボットだけど、きっと曾曾爺さんの役に立つと思うよと言い残し、1人で未来へ帰ってしまう。

取り残されたドラえもんは、僕も未来に帰る!とだだをこねるが、すると、「未来へ帰る」と言う不正モードを確認!と音声が響き、ドラえもんの身体に電流が走る。

痺れたドラえもんは、全くセワシ君も酷いプログラムをしてくれるよ!とぼやく。

君、本当にロボットなの?とのび太が聞くと、22世紀の凄さを見せてやると言い出したドラえもんは、「タケコプター!」と言うものを取り出して見せる。

それを頭に付けたのび太は、恐る恐る窓から外へ飛び出すと、地面に落っこちそうになるが、気がつくと空中に浮かんでいる。

その後飛び上がると、近くの電柱の金具にパジャマのズボンを引っ掛けたので、ドラえもんが外してやると、そのままパチンコの球のように空に向かって飛び上がり、落ちかかったパザマのズボンを両手で掴んだままのび太が飛んでいるので、巧くなったじゃない!と話しかけながらドラえもんが近づいてみると、白目をむいて気絶していた。

それでも、徐々に慣れて来たのか、飛び方が巧くなる。

ドラえもんは、小さい子供でも飛べるようになっているんだけど…と呆れながら後から飛んで付いて来る。

やがて、のび太は、しずかちゃんの家の上だと気づくと、近づいて見るが、二階の窓が開け放たれており、しずかちゃんはもう眠っていた。

可愛いね、しずかちゃんってとドラえもんが言うと、そうだよね~、僕も大~好…と言いかけてのび太は口ごもる。

自宅に戻ったのび太は、ドラえもんが、自分としずかちゃんを結婚させてあげようか?と言い出したので興奮していた。

僕も未来に帰りたいし、のび太君に幸せにするにはそれが一番良いのかな?などと考えたらしきドラえもんは、じゃあ、止める?と念を押すと、ぜひ、お願いします!とのび太は頼む。

翌朝も寝坊したのび太は、いつものように学校へとひた走るが、そんなのび太を観たドラえもんは、「どこでもドア」を出してやる。

行きたい場所を言うとそこに行けると言うので、学校!と言うと、あっという間に校舎内に到着し、その場にいたジャイアンやスネ夫に驚かれる。

その夜、「暗記パン」を食べたのび太は、翌日テストに臨む。

がっちりグローブをドラえもんから出してもらったのび太は、ジャイアンたちとの草野球で、どんな球でも取れるようになる。

学校でうっかり花瓶を割ったのび太は、その現場をスネ夫に見つかる。

ドラえもんが出してくれた「タイム風呂敷」で花瓶を包むと、時間が元に戻り、花瓶は元通りになっていたので、スネ夫が言いつけて連れて来た先生はから、逆にスネ夫が噓をついたと叱られる。

「タイム風呂敷」は、裏で包むと、時間が進むんだとドラえもんは言う。

空地でしずかちゃんに近づこうとしたのび太は、水溜まりでこけてしまい、はねた泥水でしずかちゃんの服を汚してしまう。

「着せ替えカメラ」をドラえもんは出し、自分が描いた通りの服を出して見るが、しずかちゃんの身体に出現した服は、露出度の多いビキニのようなものだったので、のび太さんのエッチ!としずかちゃんは恥ずかしがる。

ドラえもんの出した「ハッスルねじまき」を背中に巻かれたのび太は、ものすごくやる気が出て、家の庭の片付けをあっという間にやってしまい、ママやパパに感心される。

「ガリバートンネル」を使って小さくなった、のび太、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫たちは、玩具の車に乗り、空地内をドライブする。

「アパートごっこの木」を使ったのび太たちは、地中の地下茎の中で生活することができる。

「雲かため」を使った彼らは、テケコプターで空に浮かぶ雲の上に乗って楽しむ。

学校でのび太に会ったしずかちゃんは、最近調子良いみたいね。ドラちゃんが来たからかしら?と声をかけてくれるようになる。

しかし、にやけたのび太は、しずかちゃんに声をかけて来た同じクラスの顔も良ければ運動も出来、頭も良いできすぎ君を観て、あいつがいたんだ!とがっかりする。

帰宅したのび太からその話を来たドラえもんは、未来の道具をどんなに使っても、のび太はクラスメイトのできすぎ君には敵わないと言うことを知る。

考え込んだドラえもんは、「すりこみ卵」を出すことにする。

「すりこみ」とは、ある種の動物、特に鳥類は、生まれて最初に観た物を親と思い込む習性がある。

これを利用したのが「すりこみ卵」で、しずかちゃんをこの中に入れ、15分すると、最初に観た人を好きになるのだとドラえもんは説明する。

僕だったら、こんなものは使わないけどね…とドラえもんが話しているのも聞かず、しずかちゃん!僕の物だ!と興奮したのび太は、その大きな卵を抱え、あっという間に外へ持って行ってしまう。

慌てたドラえもんが後を追って外に出ると、のび太は坂の上から「すりこみ卵」を落としてしまう。

ちょうど坂の下をやって来ていたジャイアンは、坂の上から転がって来た「すりこみ卵」にパンチを食らわす。

すると、パンチが「すりこみ卵」のスイッチに当たってしまい、蓋が開いて、そのままジャイアンは、転がる「すりこみ卵」の中に入ってしまう。

そこに何も知らずに、ラジコンカーを走らせながら近づいて来たのがスネ夫だった。

スネ夫は、エア自今カーが「すりこみ卵」にぶつかり壊れたので怒り出すが、ちょうど15分経ち、蓋が開き、「すりこみ卵」の中にいたジャイアンは、目の前にいたそのスネ夫を最初に観てしまったので、スネ夫を大好きになる。

いきなりジャイアンから抱きつかれ、離さないなどと言われたスネ夫はパニックになる。

そんな2人の様子を、透明マントを着て姿を消したのび太とドラえもんは、側で唖然と見守るしかなかった。

恐ろしい効き目だと知った「すりこみ卵」を何とかのび太の部屋に戻したドラえもんは、しずかちゃんをここで入れようと言うことになり、ちょうど、できすぎ君と別れて、自分の自宅に帰ろうとしていたしずかちゃんを「ストレートホール」でのび太の部屋の天井と繋げ、そのまま、蓋が空いていた「すりこみ卵」の中に閉じ込めることに成功する。

のび太は、15分経って、ドラえもんをしずかちゃんに観られたらまずいので、部屋から追い出して自分だけになるが、その時、下から自分を呼び声がするので、今忙しいので、後で!と下へ呼びかけるが、しつこく呼ばれたので、仕方なく降りてみることにする。

その頃、一旦、しずかちゃんと別れて帰りかけていたできすぎ君は、何かを思い出したらしく、慌てて、しずかちゃんの家に戻って来る。

玄関先に来ていたのは、ジャイアンから逃げて来たスネ夫で、ジャイアンが追って来るので、早くドラえもんを呼んでくれと言う。

そこへ近づいて来たジャイアンが、スネちゃん、見っけ!などと言ってやって来る。

できすぎ君は、しずかちゃんの家の前に開いていた「ストレートホール」に落ちてしまう。

玄関でジャイアンに抱きつかれたスネ夫を残し、部屋に戻ったのび太は、部屋に落ちたできすぎ君を、ちょうど蓋が開いた「すりこみ卵」の中で始めて観てしまったしずかちゃんが、すっかり虜になり、できすぎ君の足にしがみついているのを目撃してしまう。

結局、道具なんかに頼るのはダメで、のび太自身が何かしないとしずかちゃんには好かれないんだと分かる。

のび太は、唯一得意なあやとりの技をドラえもんに披露するが、そんなことをやっているだけじゃ今のままだよ。それええも良いの?とドラえもんは呆れたように忠告する。

その夜、のび太は1人で考え込んでいた。

翌朝、押し入れの中で寝ていたドラえもんは、のび太が勉強している声を聞いて起きる。

どうしたの?こんな朝早くから…と聞くと、色々考えたんだけど、取りあえず、次ぎのテストが0点にならないようにしようと思うと答えたのび太に感心したドラえもんは、自分ものび太の勉強の手伝いを始める。

夜遅くまで勉強し、そのまま机の前で寝てしまったのび太に、ドラえもんはそっと布団をかけてやる。

ところが、翌日のテストはまたもや0点で、のび太は、テストを返してくれた先生から、こんな成績じゃ、小学校も卒業できんぞ!と言われてしまう。

それを聞いたジャイアンは、いつもののび太だ!あいつがいる限り俺たち安心だなどと喜ぶが、先生から郷田だって10点だと言われてしまう。

がっかりして帰って来たのび太を、道で見かけたドラえもんが、テストどうだった?と聞くが、のび太は言いたくない!と無視していき過ぎたので、「取り寄せバッグ」を使い、のび太のランドセルの中のテストを取り出してみると、その日のテストは漢字のテストだったことを知る。

夕べ、のび太が勉強していたのは算数だったのだ。

どんなに頑張っても巧くいかないのび太は泣き出してしまう。

近くの河原の土手に座り考え込むのび太は、上の道を通り過ぎる子供連れの親子の姿を羨ましそうに見上げる。

そうだ!決めた!と叫んだのび太は、途中、通りかかったしずかちゃんから声をかけられたので、逃げるように家に帰る。

そしてママに、どっかに引っ越ししない?と頼み、ママが呆れていると、僕だけでも留学させてくれない?などと言い出す。

引っ越しも無理だと知ったのび太は、こうなったら、自分の意志だけでやらなきゃ!と決意する。

突然ののび太の様子の急変に戸惑ったドラえもんが訳を聞くと、もう良いんだよ!しずかちゃんとの結婚は諦めたんだ!と言いながら、のび太は、しずかちゃんから借りていた本を、本棚から抜き取って行く。

しずかちゃんを嫌いになったの?とドラえもんが聞くと、あの子がいるから僕は生きていけるんだよ!とのび太は言う。

でも僕なんかのお嫁さんになったら、しずかちゃんは一生苦労するだけだ。本当にしずかちゃんがスキなら、僕なんかいない方が良いんだ!とのび太は言うと、そのまま、借りていた本をしずかちゃんに返しにいく。

でも、しずかちゃんは今お風呂に入っていると言って出て来たのは、しずかちゃんのお父さんだったので、本を返しに来ただけです。しずかちゃんの幸せ、ずっと祈ってますから…。さよならって、しずかちゃんに伝えて下さいと言ったのび太は、そのまま走るように帰って行く。

風呂から上がったしずかちゃんは、帰る途中だったのび太を追いかけて来る。

しかし、のび太が僕たち会わない方が良いんだなどと言うので、どうしたって言うの?としずかちゃんは戸惑う。

もっと嫌いにさせなきゃ…と思ったのび太は、いきなり、しずかちゃんのスカートをまくり、のび太さんのエッチ!嫌い!としずかちゃんは恥ずかしがって逃げてしまう。

そうしたのび太の様子を、タケコプターを使って空から監視していたドラえもんは、これはかなり本気だ…とのび太のことを案じる。

これで良いんだ…、辛いな~…と呟いたのび太は、できすぎ君に会うと、君は良い奴だ。しずかちゃんのこと宜しく頼むよ!と自ら握手して頼んだので、できすぎ君は訳が分からずあっけにとられる。

ドラえもんは、すっかり落ち込んで帰って来たのび太に、自分からどら焼きを勧めたりするが、のび太は食べようともしなかった。

一方、できすぎ君の方も、のび太君の様子が変なんだとしずかちゃんに伝えていた。

のび太は、しずかちゃんのお父さんに、さよならって、しずかちゃんに伝えて下さい!と伝えて来たことを思い出していた。

その頃、しずかちゃんは、空地でジャイアントスネ夫が、今日、テストで又0点を取ったのび太が、先生から叱られていたと言う話をして笑っているのを通りかかりに聞いてしまう。

しすかちゃんは、のび太の家に来ると、それに気づいたのび太は、何とかしてくれ!とドラえもんに頼む。

仕方がないので、ドラえもんは、「虫すかん」と言う液体を取り出し、これを飲むと、誰も寄り付かなくなるとせる瞑するが、それを受け取ったのび太は、一気に飲み込んでしまったので、ダメだ!そんなに飲んじゃ!一口で良かったのに!とドラえもんは慌てる。

しかし、時既に遅し、のび太の身体から、異様な黒い期待のようなものが発生し出し、ドラえもんも近づけなる。

下にいたママも、二階から漂って来たのび太が発するその嫌な気配に巻き込まれ家を出て行ってしまう。

玄関口に来ていたしずかちゃんも、その異様な気配に飲み込まれるが、帰るどころか、勇気を振り絞って家に上がり込むと二階への階段を登り出す。

すると、二階の廊下で倒れているのび太を発見、飲み過ぎて気持ちが悪くなっていたのび太をトイレに連れて行き吐かせる。

外へ逃げ出していたママは、のび太が放っていた嫌な気配が消えると、やだ、私、何で走っていたのかしら?と不思議がる。

のび太が吐いて元に戻ると、びっくりしたわ、毒を飲んだのかと思ったわ…と安堵したように言うので、そんなに僕のこと心配してくれたんだとのび太は感激する。

だって、あなたは私の友達だから…、何よ、先生に叱られたくらいで…、のび太さんのバカ!としずかちゃんはのび太を励ます。

窓から外へ逃げ出していたドラえもんは、戻って来て、2人の様子を見ると驚く。

その夜、屋根の上にドラえもんと登り、星空を眺めていたのび太は、しずかちゃんに叱られちゃった…と、ちょっぴり嬉しそうに呟く。

ドラえもんは、何故か嬉しそうに、今回のことで君の未来が…と意味ありげに言うので、教えてよ!とのび太はねだる。

せっかく未来が良い方向へ向かっているのに観ちゃうの?とドラえもんはじらすように言い、これが、現時点での君の未来…と言い、一枚の写真を取り出して見せると、そこに写っていたのは、大人の女性が赤ん坊のお尻をぶっていた。

これが大人のしずかちゃん、お尻を叩かれているのは、君にそっくりだとドラえもんが言うので、つまり…、僕のお嫁さんがしずかちゃん!バンザーイ!と気づいたのび太は喜ぶ。

ありがとう!ドラえもん!君が来てくれたお陰だ!とのび太は感謝するが、それは違うよ、その空の数ほどある可能性の中から君が選んだんだ!とドラえもんは言い聞かせる。

ところが翌日、空地に行ってみたのび太は、そこで、できすぎ君がしずかちゃんにプロポースしている所を見かけ絶望する。

しかし、のび太に気づいた2人は、今度の学芸会の練習をやっているんだよと言うので、ほっとする。

その話を聞いたドラえもんは、せっかく未来が良い方になって来ているのに、そんなに心配なら…と言い、タイムテレビでのび太の未来を覗いてみることにする。

それは14年後の10月15日、テレビに写った青年こそ、のび太の未来の姿だったが、風邪でも引いたのか、大きなくしゃみをして鼻水を垂らしていたので、あんまり変わんないな~…と、観ていた今ののび太はがっかりする。

登山?そう青年ののび太が聞き返した相手は、きれいな娘に成長したしずかちゃんだった。

坂道は弱いんだ…、平らな山だったら行くんだけど…などと青年のび太がぐずぐず言うので、良いわよ!他のお友達と行くから!と怒ったしずかちゃんは去ってしまう。

テレビを少し先送りしてみて見ると、何と吹雪く雪山を歩いているのはしずかちゃん1人だった。

結局、1人で登山に行ったらしい。

青年のび太はと言えば、風邪のせいか家で寝込んでいた。

それを観た今ののび太は、そうか!これで謎が解けた!と言うと、ドラえもんにタイム風呂敷を出してもらい、じょっち側をかぶると、時間が進むんだったね?と確認し、自ら風呂敷に身体を包む。

すると、たちまち、今ののび太は成長した青年のび太に変身する。

これで、僕がタイムマシンで未来に行って、しずかちゃんを助けるんだ!と説明したのび太は、お父さんのコートを着て来て、さっさと引き出しの中のタイムマシンに乗り込もうとする。

仕方なく同行することにしたドラえもんだったが、簡単に言っているけど、タイムマシンを使うと未来が変わるんだよ。良いことばかりが起きるとは限らないんだよと言い聞かせ、タイムマシンの操縦を始めると、ここから落ちたら、時空のひずみを永遠にさまようことになるから気をつけてねと注意する。

のび太は、タイムマシンから振り落とされそうになるが、必死に掴まって耐える。

タイムマシンが到着したのは、14年後の公園のトイレだった。

のび太の家は引っ越したらしく、その周辺は公園になっていた。

ドラえもんにどこでもドアを出してもらった青年の姿ののび太は、ドアを開けた向こうに広がった雪山の中を歩いていたしずかちゃんの姿を発見したので、君は来ないで!僕だけの力で助けるんだから!とドラえもんに言い、ドアを越えて雪山に入って行く。

ドラえもんは、頑張って!と声をかけ、ドアを閉める。

しずかちゃ~ん!と呼びかけたのび太だったが、しずかちゃんは、誰かがこんな所で自分を呼んでいるなど信じられず、空耳と思ったのか、山小屋まで遠いわ…、みんなとはぐれてもう3時間も経ってる!と、腕時計型の情報端末で地図を観ながら焦っていた。

そこに近づいて来たのび太が、僕だよ、のび太だよ!と又声をかけると、信じられない顔で、のび太さん!どうしてこんな所に?としずかちゃんは驚く。

僕が来たからもう大丈夫!地図を持ってるからね、これ常識!などと言って取り出すが、それは世界地図だったので、しずかちゃんはのび太さんらしいわねと呆れ、このオートコンパスがあるから大丈夫よと自分が持っている未来の地図を見せる。

小さいことは、こういう時、いつもドラちゃんが助けてくれたわね…、ドラちゃん、どうしているかしら?としずかちゃんが言うので、昼寝でもしてるんじゃないの?と、公園に置いて来たドラえもんのことを思い出しながらのび太が言うと、嫌だわ…、子供みたい…と、しずかちゃんは呆れる。

娘になったしずかちゃんは、今目の前にいるのは、小学生時代ののび太だと気づいてなかったのだ。

やがて、洞窟を見つけたので、そこに避難した2人だったが、火を点けようと取り出したのび太のマッチは、濡れていて役に立たなかった。

慌てたのび太は、木と木をこすって火を点けようとするが、一向に点かないのでますます焦る。

じゃあ、ライター使う?と遠慮がちにしずかちゃんが、自分が持っていたライターを差し出す。

何とかそのライターでたき火を起こすが、しゃがんだしずかちゃんが咳き込むので、未来の僕がうつしたんだ!しずかちゃんが誘いに来てくれた時!と気づく。

責任を感じたのび太は、自分が着ていたコートを脱いでしずかちゃんにかけてやろうとするが、それはぐしょ濡れだと言うことにしずかちゃんは気づく。

その下に着ていたのび太の服も濡れている事に気づいたしずかちゃんは、寒くない?脱がないと凍えてしまうわよ。サバイバルシートがあるわと言って、未来の布を貸してくれたので、のび太は服を脱いで、たき火で乾かすことにする。

あったかいね、これ…、しずかちゃんから貸してもらったサバイバルシートに包まったのび太だったが、良かったわ…と答えたしずかちゃんが明らかに弱っているのに気づくと、このままじゃ、しずかちゃん、死んじゃうかも知れない!と焦る。

のび太さん、ちっとも変わらないわね…、いつもハラハラしちゃう…、良いわ、この間の返事、OKよと答えたしずかちゃんだったが、のび太が何のことか分からずぽかんとしているので、あれ?もっと喜んでくれると思ったわ…と意外そうに呟き、そのまま気絶してしまう。

それを観たのび太は、どうすりゃ良いんだ!助けて~!ドラえもん~!と呼びかけるが、どこでもドアの向うの公園では、ベンチの上でドラえもんがのんきに昼寝をしていた。

とにかく、どこでもドアの所へ連れて行かなくちゃ!と気づいたのび太は、しずかちゃんをおんぶして、吹雪く雪山を歩き始める。

やがて、脈拍が落ちています、早く医療機関に行って下さい。危険ですん!としずかちゃんの腕時計型端末が警告を発し出す。

その直後、のび太は転んで足をくじいてしまったばかりか、メガネまでなくしてしまう。

これでは一歩も前に進めなかった。

その時、のび太は、タイムマシンを使うと未来が変わるんだよ。良いことばかりが起きるとは限らないんだよと警告していたドラえもんの言葉を思い出す。

しずかちゃんが死んじゃう!勉強でも何でもしますから!心を入れ替えますから!と神頼みをしてみるが、僕がいい加減な気持ちで来たから…と反省し、自分で何とかするしかないんだ!とのび太は悟るのだった。

あいつを信じるしかない!と呟いたのび太は、しずかちゃんの腕時計で今の時間を記憶すると、未来の僕!このことを思い出してくれ!こんな一生に一度あるかないかの重要なことを忘れるはずがない!届け、この記憶!と、風邪で寝込んでいるこの時代の青年のび太に呼びかける。

その時、メガネをなくして良く見えない雪山の向うから、小さな光が近づいて来たのにのび太は気づく。

それは、この時代の青年のび太が操縦する空中バイクだった。

それを観たのび太は、助かった!と安堵する。

お~い!大丈夫か~!と呼びかけてやって来た青年のび太は、青年に変身した今ののび太と気絶したしずかちゃんをバイクの後部座席に乗せると、下界へと飛ばす。

思い出してくれたんだ!と過去からやって来たのび太が話しかけると、うちで風邪で寝込んでいたら、記憶が飛び込んで来た感じだったんだ。何でこんな大事なこと忘れていたのかって思い出したんだと青年のび太は操縦しながら答える。

怖かったよ…と過去からやって来たのび太が言うと、もう大丈夫!作戦は大成功だった。自分に言うのも変だけど、僕を信じてくれてありがとう!ありがとう、のび太君!と青年のび太は感謝する。

公園の所で待っていた少年のび太は、しずかちゃんを入院させて戻って来た青年のび太から、もう少しで危なかったよと聞かされる。

その青年のび太が公園のベンチの所にいたドラえもんに気づいたようだったので、呼んで来ようか?と少年のび太が聞くと、いや…、止めとこう。ドラえもんは君の…、僕の子供の頃の友達だったからね。ドラえもんとの時間大切にしろよと青年のび太は言うと、ありがとう、僕…と言って空中バイクに乗り込もうとする。

元気でね、僕…と、青年のび太に呼びかけた少年のび太は、そう言えば、気絶する前、しずかちゃんが、この前の返事、OKよって言ってたよと教える。

それを聞いた青年のび太は、驚いたように、空中バイクを停め、降りて来ると、もう1度言ってくれ!と確認する。

大人のしずかちゃんが、この前の話、OKだって言ってたんだと少年のび太が言うと、それって…、やった~!間違いなくそう言ったんだね!実は、この前僕、思い切って、プロポーズしたんだけど、ずっと返事をもらえなくて、もうダメだと思ってたんだと青年のび太は言うと、こうしちゃいられない!しずかちゃんの所へ行かなくちゃ!と言いながら、ふらつきながら空中バイクへ向かう。

それを見送った少年のび太は、ってことは、しずかちゃんと結婚!と気づき、自分もドラえもんの方によろけながら近づく。

それを聞いたドラえもんも喜び、観に行く?観てみたい?結婚式…と聞いて来る。

すぐにその気になったのび太は、公園のトイレの中に隠していたタイムマシンで、しずかちゃんと青年のび太の結婚式の日へと飛ぶ。

トイレから出て来たのび太は、ドラえもんと一緒にタケコプターを使って会場へ向かうが、未来の町は想像以上に発達していたので面食らう。

途中で、会場へ慌てて向かう青年のび太を発見、そん所日もいつものように遅刻したようだった。

後をつけてみると、会場のプリンスメロンホテルに青年のび太は飛び込むが、係員から、あなた様の結婚式は明日だと聞かされ、1日間違っていた事を知った青年のび太はがっかりして外に出て来る。

それを観てがっくりした少年のび太は、待てよ…、何でこの日に来たの?と、ドラえもんも式の日時を1日間違えていたことに気づく。

でもせっかく来たんだから、このまま式を迎える前日ののび太君を観て行こうよとドラえもんは答える。

その時、しゃがみ込んでいた青年のび太に、青年スネ夫から電話が入ったらしく、独身最後の日を祝おうぜ!と誘われていた。

ドラえもんと少年のび太は、透明マントを着て、青年のび太に付いて行くことにする。

青年のび太を待ち構えていたのは、青年になっていたジャイアンの家に集まった青年スネ夫と青年できすぎ君だった。

できすぎ君は、君がしずかちゃんと結婚するとはな~。てっきり僕が彼女を幸せにするとばかり思ってたんだけど、あなたは何でも自分でできるからですってさと、振られたことに少し悔しそうだった。

その時、静かにしてよね!締め切り前なんだから!と文句を言いに来たのは、何とマンガ家になっているらしかったジャイ子だった。

のび太とドラえもんは、結婚式前日のしずかちゃんの様子も気になり、観に行ってみることにする。

自宅にいたしずかちゃんはパパに、明日早いからもう休みますとだけ言って、自分の部屋に戻ろうとしていた。

何だか、しずかちゃんの様子が暗かったので、ドラえもんは、「正直電波」と言う道具を取り出すと、これを浴びると、照れくさくて言えなかったようなことでも言えるようになるんだとのび太に説明し、光線をしずかちゃんの背中に浴びせる。

すると、急にパパの部屋に戻ったしずかちゃんは、パパ、私、結婚止める!パパ、私がいなくなったら寂しくなるでしょう?と言い出したではないか。

これまで私、甘えてばかりで、私の方は何もしてやれなかった…としずかちゃんが哀しそうに言うと、パパは、君は十分に素晴らしい贈り物を私たちに残してくれたよ、数えきれないほどの思い出と言う形でね…と答える。

一番最初の思い出は君が生まれてくれた日だ。午前3時頃だった。病院を出た時、もう世が明けかけていたけど、この空のように満点の星が輝いていた。

こんな広い宇宙の中で、僕の血を受け継いだ命が生まれてくれたんだ!と思って感動したよとパパはベランダでしずかちゃんに言い聞かす。

しずかちゃんは、私、不安なの…と漏らす。

のび太君を信じなさい、あの青年は決して目立った存在じゃないけど、人のことを想い、人の不幸を哀しむことができる人だ。そんな彼を選んだ君を誇りに思うとパパは言う。

それを聞いていたのび太とはジンと来て、結婚式を観るの又にしない?又、僕の時代のしずかちゃんに会いたくなっちゃったとドラえもんに言う。

現在に戻って来たのび太は、翌朝しずかちゃんに会いに行くと、何?急に話って?と自宅前で戸惑うしずかちゃんに、僕、きっと君のこと幸せにしてみせるからね!と約束する。

その後、ドラえもんと土手にやって来たのび太は、タケコプターを出してもらうと、あのね…、今僕はみんなに分けたいくらい、すっごく幸せだ~!とドラえもんに耳打ちし、空中に飛び出して行く。

空を嬉しそうに飛ぶのび太を見上げていたドラえもんは、プログラム解除!48時間以内にお帰りなさいと、赤い鼻が言うので、良かった、良かった、僕も肩の荷が降りたよ…、全く君はドジでのろまで、気が弱くって、怠け者で…と、のび太の欠点を並べ始めるが、その目は涙で濡れていた。

あれっ?どうしよう…、困ったな…とドラえもんは自分でもわからない気持ちの混乱に戸惑っていた。

翌日、いつものように部屋に戻って来たのび太は、鼻からスパゲティを食べれる道具を出してよ~!とドラえもんに頼むと、いつもいつも僕を頼って!とドラえもんが怒り出したので、のび太は、一体どう下の?ドラえもん…と聞く。

ドラえもんは、実はもうここにいられなくなったんだ。明日までに帰らないと行けなくなったんだよと打ち明ける。

それを知ったパパは、たまには遊びにおいでと言ってくれるが、プログラム上、二度とこの時代には来れないんですとドラえもんは哀しそうに言う。

のび太は、そんなドラえもんの足にしがみつき、帰らないで!とだだをこねていた。

僕だって帰りたくはないんだけど…とドラえもんが言った途端、「不正ワード」確認しました!と鼻のスイッチに仕込まれたプログラムが言い、ドラえもんの身体にお仕置きの電流が走る。

火傷を負ったドラえもんは、ちゃんと未来に帰りますと約束すると、「成し遂げプログラム」には逆らえないんだとのび太たちに説明する。

そんなにくよくよしないで、君は君は未来を変えたんだ。君自身も変わったんだ。僕だって、君の側にずっといてあげたいんだ。これから、スネ夫に虐められても1人で立ち向かえる?とドラえもんが言うと、のび太は放っといて!と言いながら部屋を飛び出していく。

外に出たのび太は、ドラえもんのバカ…。1人でなんかできる訳ないじゃないか…と哀しそうに呟く。

その時、空地にやって来たジャイアンが、良い所で会ったな、もう決めたのか?鼻でスパゲティを食べるか、僕に殴られるか…と言いながら、自分のげんこつをなでながら迫って来る。

1人で立ち向かえる?と言うさっきのドラえもんの言葉を思い出したのび太は、喧嘩するなら、ドラえもん抜きでやろう!じゃあ、じゃ、始める?とのび太は震えながらも拳を構える。

それを聞いたジャイアンは、もう始まっているんだよ!と言いながら、パンチをのび太に見舞って来る。

一方、家に残っていたドラえもんは、のび太がなかなか帰って来ないので、早く戻って来ないかな〜…、最後の夜だって言うのに…と心配していた。

空地では、のび太を殴りつけたジャイアンが、二度と俺様に逆らうな!と命じていたが、倒れていたのび太は、参ったと言わず立上がったので、又ジャイアンから殴られていた。

まだ、帰って来ない…とドラえもんはいら立って来る。

空地では、まだ伸びたが参ったと言わず、まだまだ…と言いながら、ジャイアンの足にしがみついていた。

さすがに変だと感じたドラえもんが外に探しに行くと、空地でジャイアンと戦っていたのび太を発見する。

僕だけの力で…とのび太は呻き、ジャイアンに抵抗し続けていた。

それを観たドラえもんは、感激して動けなくなる。

フラフラの状態になりながらも何度も立ち上がり、ジャイアンに向かっていったのび太から鼻を捻られたジャイアンは、俺の負けだ!と言い、帰って行く。

のび太君!と駆け寄って来たドラえもんと抱き合うのび太は、勝ったんだよ!僕1人で!もう安心して帰れるだろう?とドラえもんに言う。

その夜、ドラえもんは、寝ているのび太の寝顔を目に焼き付けるようにじっと側に座っていたが、朝にはいなくなっていた。

ドラえもん…、君が帰ったら、部屋ががらんとしちゃったよ…と、のび太は自分の部屋を観ながら考える。

でも、すぐに慣れると思う!だから、心配するなよ、ドラえもん!

のび太の引き出しの中には、母親になったしずかちゃんが、のび太そっくりの子供のお尻を叩いている写真が入っていた。

ツチノコ!大発見じゃないか!ある日、スネ夫から、空地の土管の中にいると教えられたのび太はすっかり信用し、土管の中を覗き込むと、中にいたのは野良犬で、飛び出して来たので慌ててのび太は逃げ回る。

スネ夫は良い気味だ!とそれを笑いながら観ていた。

イヌに噛まれて、ズボンのお尻が破けてしまったンもで、酷い目に遭ったな〜…と帰りかけていたのび太は、大変だ~!と言いながら、そこにやって来たジャイアンから、今そこで誰に会ったと思う?ドラえもん!と聞かされたので、大喜びで家に飛んでかえってママに聞くが、知らないと言う。

分かった!そうか!恥ずかしくってどこかに隠れているんだな…と気づいたのび太は、さて、どら焼きを買って来るか…。その間にドラえもんが帰ってくるかも…とわざと人に聞かせるように言い、貯金箱から小銭を出して外に出かける。

空地の前を通りかかると、今日はエイプリル・フールなんだよ!と愉快そうに言い合っていたジャイアンとスネ夫から言われ、悔しかったらお前も噓をついてみろ!と挑発されたので、騙されたと知った悔しさで、後にお化けがいるぞ!とのび太は叫ぶが、ジャイアンとスネ夫は、子供か?と大笑いするだけだった。

部屋に戻って来たのび太は、悔し泣きをしていたが、ドラえもんが最後に言い残していった言葉を思い出す。

どうしても我慢できないことがあったら、この鼻のスイッチを押しな。その時一番必要なものが一度だけ出て来るからと言っていたのだった。

押し入れの中に置いてあったそのスイッチを押してみると「噓800」と言う道具が出て来て、説明書を読むと、これを飲むと、しゃべったことが全部噓になると書かれてあった。

あいつら許せない!と怒ったのび太は、その道具の中の液体を飲む。

空地にいたジャイアンは、戻って来たのび太を観ると、今度はどんな噓をつくかな?とバカにして来る。

僕に謝る気ない?じゃ、仕方がない…と言いながら、土管の中に潜り込んだのび太は、今日はよい天気だ!と言う。

それを聞いたジャイアンとスネ夫は笑うが、急に二人の上に雨が降って来たので驚く。

スネ夫はイヌに噛まれない!とのび太が言うと、急に野良犬がやって来て、スネ夫に迫って来たので、スネ夫は慌てて逃げて行く。

ジャイアン、気味はお母さんに凄く可愛がられるねとのび太が言うと、急にジャイアンのお母さんがやって来て、武!いつも家の手伝いをしないで遊んでばかり!今日と言う今日は許さないよ!とジャイアンを叱って連れて帰る。

それを見送るのび太は愉快そうに笑う。

局所的な夕立が降りましたのでご注意を…と呼びかけるニュースをママが聞いている自宅に帰って来たのび太は、二階の部屋に入りながら、ドラえもんがいる訳ないよ。もう二度と会えないんdから…と呟く。

すると、机の引き出しが開き、中からドラえもんが出て来たではないか!

それを観たのび太が、何故!どうして!と驚いていると、実に不思議なんだけど、急に着て良いことになっちゃったんだ…と、ドラえもんも困惑しているようだった。

その時、「噓800」の容器を見つけたドラえもんは、そうか!これ飲んで、僕が帰って来ないと言ったんだね!と気づく。

ドラえもんに再会したのび太は、嬉しくない!ちっとも嬉しくない!これからもずっとドラえもんと一緒に暮らさない!とわざと反対のことを言いながら、ドラえもんと抱き合うのだった。

カメラは、そんな二人の部屋から窓を出て、空へと向かう。

タイトル

あり得ないCGアニメのNG集と共にエンドロール


 

 

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