童話のアニメ化をベースにし、それを陰々滅々とした「女の半生記」みたいな「夢も希望もない」ストーリーにアレンジしたファンタジー作品。 一見、ハッピーエンド風のエンディングながら、見終わっても、何だかすっきりしない物が残る。 甘いだけの子供向けのおとぎ話解釈を捨て、大人のひねた発想でおとぎ話を再構築する…と言うのは別に良い。 アニメと別物になっているのも気にならない。 「男女間に真実の愛などない」「女は基本、男など求めてない」「男なんて、せいぜい友人か召使い程度に使っていれば良い」と言う女性の本音のような発想も構わない。 「女同士で自分たちが支配する国を作って、楽しく過ごしましょう」と言う「女性だけでの自己完結」みたいな世界観願望も良い。 実際、母親と娘に支配され、父親は家庭内で身の置き所がない…、結婚後、すっかり女性が男をバカにするようになり…などと言う話も良く聞くので、現実的な話なのだろう。 ただ、そう言うテーマを暗い展開で見せるのではなく、ユーモアで見せる大人の余裕が欲しかったのだ。 くすりとも笑えないような、頭の悪い女3妖精の悪ふざけ以外、ユーモア描写らしき欠片もなく、笑えるような部分は皆無と言って良い。 男に手ひどく裏切られ、自らの誇りも肉体も奪われた女性が、相手の娘に復讐をしようとし、結果的に母性愛に目覚め、その相手の娘の後見人になることで、自らを慰める…、どう観ても「女の半生記」である。 「アナ雪」との連動性もあり、日本では興行的に当たったようだが、個人的には、釈然としない物が多過ぎる印象だけが残った。 このラストでは少しもヒロインは救われておらず、ハッピーエンドに見えないからだ。 この話、骨格だけを観れば、昔の日本映画で、淡島千景辺りが演じてもおかしくないような主人公像である。 …とすると、その女主人公を裏切るひどい男は森繁辺りだろう。 森繁は、ヒロインを捨てた後も、他の女にも捨てられ、最後は孤独な死を迎える… それを伝え聞いたヒロインは、アホな人や…とか何とか言いながらも、葬式を自ら出してやるとか、遠くから合掌して涙する…と言うような「悪を憎んで人を憎まず」とか「大人としての度量」を日本人だったら見せる演出になるはず。 それでこそ、観客は男女を問わず、このヒロインの人間性に共感し、感情移入出来るはずなのだ。 この映画でも、それに近いことはやろうとしている。 ヒロインは別な愛情を得ることによって、かつての自分の怒りから発した復讐を反省し、自分を襲って来たかつての恋人も自らの手で直接殺めてない…ように見える。 しかし、そう言う日本的な終わり方では欧米人は納得しない…とでも言うのか、結局、かつての恋人は「勧善懲悪」の悪人の最期のような描かれ方で死んでいる。 アクション映画のラストならそれで良いだろうが、愛憎劇のラストとしてはあまりに殺伐とし過ぎていないか? ヒロインはそれですっきりしたのだろうか? 一応、死んだかつての恋人の死体の横に佇むヒロインの姿を遠くから捉えたショットはあるにはあるが、さらっと流して見せている感じで、日本映画のように、臭い泣かせ演出を強調したくなかったのだろうが、ヒロインが最後の最後で「裏切った相手をも許す大人としての女の度量」を魔法の形でも良いから見せてもらいたかったような気がする。 冒頭のヒロインと恋人の甘い時間を観客は覚えているだけに、この暗い顛末は救いがなさ過ぎる。 70年代に流行っていた「女性の復讐もの」のようなものと考えても、ヒロインを裏切った男は、野望を遂げた途端、人間としてはあらゆる幸せを奪われてしまっている。 最愛の娘を育てる喜びは放棄し、妃には早くに死に別れ、精神にも異常をきたしてしまっている。 そんな相手を殺して、復讐を果たしたと言う達成感や爽快感があるだろうか? かつては一時でも愛し合った相手である。 それを最大の悪のように描くことは、そんな相手を、例え一時でも愛したヒロイン側をも屈辱していると言うことなのだ。 そもそも、妖精の国の最高の魔女が、人間が差し出した眠り薬に簡単に騙されたり、羽を切られても寝覚めないなどと言うことがあるのだろうか? 魔法のイメージと矛盾しないか? 他にも、糸車の呪いをかけられたオーロラ姫を守るため、国中の糸車を燃やしたはずなのに、何故か、城の中に糸車が残っていたり、閉じ込められたオーロラ姫が簡単に抜け出してその糸車の場所に行き着いてしまうのも、おとぎ話特有のご都合主義とは分かっていても、実写だと受け入れ難い部分がある。 まあ、昔話のような物を理屈で突っ込んでも意味がないことだが、どう観ても子供向けとは思えなかったり、あまりにも夢のない展開に、ついつい突っ込みたくなってしまうのだ。 かつての恋人の娘の成長に喜びを見いだすのは、あくまでも傷ついたヒロインの代償行為であって、決して自らの過去の傷が完全に癒えたと言うことではないはず。 だから、この映画のラストが、一見ハッピーエンド風でも、少しもこちらの気持ちが晴れないのである。 ディズニーと言えば、善くも悪くも万人好みに仕上げていると言うイメージがあったため、かなり意外だった作品である。 |
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
2014年、アメリカ映画、リンダ・ウールヴァートン脚本、ロバート・ストロンバーグ監督作品。 古いお話をしましょう。 みんなが良く知っているお話… 昔々…、2つの国がありました。 2つの国は仲が悪く、1つにするのは英雄か怪物かと言われていました。 片方は人間は住んでおり、愚かな国王が支配していました。 もう一つの国は、ムーア王国と言い、不思議な生き物が暮らしていました。 木の上で、折れた枝を握りしめ、不思議な力で元通りにしてやっていたのは、背中に見事な翼がある少女マレフィセントだった。 マレフィセントは、その日も、シャントレルや他の不思議な生き物たちに挨拶していたが、そこへ、見張りが人間を観たんだよ!と1匹の生き物が知らせに来る。 それを聞いた妖精や生き物たちは、又人間が戦争を起こすわ!と恐れ出す。 宝石池で人間を観たんだってと言うので、急いでそこへ飛んでいったマレフィセントは、池にいた樹木の精が、側の林の中に隠れている何者かに向い、槍を向けていたので、怖くないわ!姿を見せて!と林の方へ声をかける。 嫌だ!できない!と言う声が聞こえたので、すぐに出て来て!と繰り返すと、どう観ても少年が出て来たので、大人なの?まだ子供みたい…とマレフィセントは怪しむが、少年は、気味も子供じゃないかと言い返して来る。 名前を聞くと、男の子はステファンと名乗ったので、マレフィセントも自己紹介する。 ステファンは、おずおずと、袋に入れていた宝石を取り出して差し出して来たので、それを受け取ったマレフィセントは、宝石を池の中に戻す。 それを観たステフェンは、せっかく返したのに捨てるなんて…と勿体ながるが、マレフィセントは、元に戻したのとと答える。 ステファンはマレフィセントと同じ年頃だったと言うこともあり、ムーア王国と人間国の境近くに来ると、僕はいつかきっとあの城に住むんだと、遠くに見えている城を指差す。 今の家は?とマレフィセントが聞くと、納屋だよ…、両親とも死んだとステファンは言う。 ステファンが、又会おうと言って人間の国に戻ろうとしたので、ここに戻って来てはダメ!とマレフィセントは警告するが、ステファンが別れの握手を求めて来たので、それに応じると、ステファンの指輪の製で火傷を負ってしまう。 どうやらマレフィセントは、金属に弱いようだった。 しかし、ステファンはその後もやって来て、2人の間の憎しみはなくなり、友情が愛情に変化するのにも時間はかかりませんでした。 彼女の16歳の誕生日 2人は真実の愛のキスをした。 数年後、ステファンが自らの野望に邁進し始めた頃、マレフィセントはムーア王国最高の妖精になりました。 大きな翼で王国中を自信満々に飛ぶマレフィセントだったが、いつも思うのは、人間界に戻ったステファンのことだった。 マレフィセントには、男がどんな野心を持っているかなど知る由もなかったのです。 ある日、ムーア王国を滅ぼそうと、老いたヘンリー王を先頭に兵士たちが責めて来る。 そこに飛んで来たのがマレフィセントで、人間共よ、引き返すが良い!と呼びかけるが、妖精ごときの命令を聞く国王か!と嘲ったヘンリー王に、お前は私の王ではない!とマレフィセントも反発する。 奴の首を掻ききれ!とヘンリー王は命じ、兵士たちは一斉に剣を抜く。 それを観たマレフィセントは、ムーアよ、共に戦え!と呼びかけると、森の奥から多数のクリーチャーたちが出現して来る。 マレフィセント自身も、大きな羽を拡げ、甲冑兵士の隊列の中に飛び込んで行く。 羽でヘンリー王をも打ち据えたマレフィセントは、ムーア王国を渡すものか!と迫るが、王が振り払おうと突き出した手に付いていた指輪のせいで、胸に火傷を負ってしまう。 傷つき国に戻ったヘンリー王は、自分は戦いに負けた王として記憶されるようになるのかと無念がり、後継者を決める。我が娘の婿になる男だ。あやつに復讐せよ!さすれば、私が死んだ後そのものが勇者となる!と、自分の廻りに集まっていた家臣たちに告げる。 その家臣の中に、あのステファン(シャルト・コプリー)も混じっていた。 ステファンは野心を実現すべく、又、ムーア王国のマレフィセントに会いに行く。 人間界の暮らしはどう?と、何も知らないマレフィセントは暖かくステファンを迎えるが、君に伝えに来た。命を狙われている。僕を信じてくれ!とステファンが情報を教えたので、マレフィセントはそれを信じ、長い間会いに来なかったステファンを許した。 2人は昔のような、暖かい抱擁を思い出したのです。 ステファンは、寄り添って座っていたマレフィセントに、自分の水筒の水を与える。 その水を飲んだマレフィセントは、何故か眠ってしまう。 水の中に眠り薬が仕込まれていたのだった。 ステファンはナイフを取り出すと、マレフィセントを刺そうとするが、さすがにどうしてもできなかった。 その後、今度は鎖を取り出すステファンは、またもや悩む。 寝覚めたマレフィセントは、何か身体の異状を感じ、恐る恐る自らの背中に手をやり、あの自慢の翼がなくなっていることに気づき泣き出す。 一方、城で臥せっていたヘンリー王の元に戻って来たステファンは、持って来た翼を差し出し、復讐したのか?奴は死んだのか!と聞かれるが、黙っていたので、マレフィセントを殺したと信じたヘンリー王は、良くやった、ステファン!と褒め、手柄に報いよう!と約束する。 それを聞いたステファンは、力を尽くします、陛下!と答える。 一方、翼を失ったばかりか体力も衰えたマレフィセントは、側に落ちていた木の枝を拾うと魔法で杖にする。 そして王国の外れの廃墟のような所に行くと、そこで身体を休めようとするが、カラスが一羽飛んで来たので追い払う。 ある日、そのカラスが人間の罠に捉えられているのを見つけたので、男になれ!と魔法を念じる。 すると、カラスを捕まえようとしていた人間の目の前でカラスは裸の男に変身したので、狩人は怯えて逃げ去る。 ディアヴァルと言う名だと答えたそのカラス男はマレフィセントにあれこれ嫌味を言って来るが、文句言わないでよ、救ってやったんだから…とマレフィセントが言うと、あなたに仕えます。何でもしますと従順になる。 あなたは翼よ。私の翼になって!とマレフィセントは頼む。 城では、新国王になったステファンの戴冠式が行われるが、その様子を窓で観ていたカラスのディアヴァルは、それをマレフィセントに報告する。 マレフィセントは、その時始めて、ステファンが王座を欲しくて自分の翼を奪った事を知り、身体中から立ち上った怒りの炎が天まで届く。 城にいたステファンは、ムーア王国から立ち上る炎の柱を眺めていた。 次はどうしますか?とディアヴァルが聞くと、黙って歩き始めたマレフィセントだったが、その怒りのパワーで、道の両脇にあった石垣が次々に崩壊して行く。 妖精たちの森に戻ったマレフィセントを観た妖精たちは、マレフィセントに翼がないことを知り驚愕する。 それでも、戻って来たマレフィセントに、みんなは敬意を示すのだった。 やがて、城の中の使い女たちが、女の子よ!と噂し合っているのを窓辺で聞いていたカラスのディアヴァルは、それをマレフィセントに伝えに行く。 話を聞いても、今一つ飲み込めない風のマレフィセントだったが、ディアヴァルが、国王と王妃の間に子供が生まれたんですと言うと愕然とするのだった。 やがて、生まれて来た赤ん坊の洗礼式が行われる事になり、近隣から招待客が大勢城に集まって来る。 そんな中に、ムーア王国からやって来た3人の妖精の姿もあった。 国王ステファンは、追い出してくれ!とムーア王国からの3妖精を迷惑がるが、3妖精は、赤い衣装のノットグラス、青い衣装のフリットル、黄色い衣装のシスルウィットが、それぞれ自己紹介し、魔法の贈り物を持って参りましたとお国王と王妃に挨拶すると、1人1人が、赤ん坊のオーロラ姫のゆりかごに近づき、美しさや悲しみのない人生などを魔法で贈ろうとしていた。 最後のフリットルが、夢のような…と魔法をかけようとしていた時、突如城内に強い風が吹いて来る。 やって来たのは、招かれざる客マレフィセントだった。 おやおや…と笑いながら国王と王妃の前にやって来たマレフィセントは、はっきり言って、招待状が来ないと寂しいわ…などと皮肉を言うが、ステファン国王が、招かれざる者め!と言って睨みつけて来たので、まあ、気まずい空気!怒ってるの?とからかうと、私も赤ちゃんに贈り物を持って来たのよと言いながらゆりかごの方へ近づこうとしたので、3人の妖精が、近寄らないで!と妨害しようとする。 しかし、マレフィセントはそんな3人を軽く吹き飛ばし、側にあった蓋付きのはこの中に閉じ込めてしまう。 そして、みんな聞くが良い!と大声を張り上げたマレフィセントは、この子は優しく美しい娘になるわ、誰からも愛されるお姫様に!と言いながら、オーロラ姫に魔法をかける。 それを観ていたステファン国王は、思わず、止めと!と制止するが、16歳の誕生日の日没前に、意図車の針に刺され、死の眠りにつくだろう!懇願するのなら跪け!と国王に命じる。 ステファン国王は大勢の招待客の見守る中、恥を忍んでマレフィセントの前に跪くと、頼む!と懇願する。 それを聞いたマレフィセントは、良いわ…と言い、プリンセスの眠りから目覚めさせるためには、真実の愛のキスがいるわ!この魔法はどんな力を持ってしても変えられない!と、強力な魔法をオーロラ姫にかけてしまう。 洗礼式は台無しになり、マレフィセントが帰って行った後、国王は国中の糸車を燃やし、破壊した糸車は、城の奥深くに隠した。 そして、オーロラ姫は、3人の妖精たちに預けられ、遠くの隠れ家に隠した。 そして、ステファン国王は、兵士たちにマレフィセント退治を命じた。 それに対し、マレフィセントは、茨の森でムーア王国と人間国の境界線を固め、人間の侵略から守った。 そんな中、赤ん坊のオーロラ姫を連れ、山小屋に到着した3妖精は、子育て用に人間サイズの農夫に変身し、魔法も封印する 窓から、家の中のゆりかごの中にいたオーロラ姫を覗いてみたマレフィセントは、皮いそうなくらい醜いわ…と悪口を言うが、赤ん坊は無邪気に笑っていた。 大嫌いよ!不細工な子!とマレフィセントは悪態をつくが、満更、赤ん坊を憎んでいる訳でもなさそうだった。 農夫になった3妖精は、直接、人参を赤ん坊に食べさせようとするなど、元々子育てなどに向いてなかったので、お腹をすかせた赤ん坊のオーロラ姫は毎日泣いてばかりだった。 その様子を見守っていたマレフィセントは、あれじゃあ、飢え死にしちゃう…と呆れ、カラスのディアヴァルが、ミルクのような密が出る花を窓際から赤ん坊に与えてやる。 赤ん坊のオーロラ姫は、その花の密を美味しそうにしゃぶる。 ディアヴァルは、オーロラ姫のゆりかごを揺らしてやったりする。 3妖精は、その後も山小屋の中で喧嘩ばかりしていたが、突然、罰を与えるように、天井から三人の頭上に水が落ちて来る。 ステファン国王はますます精神的に追い込まれ、茨の森に火を放つように命じるが、それに気づいたマレフィセントは、火の付いた茨を鞭のように動かし、逆に兵士たちを火の付いた刺で追い払う。 城に戻って来た兵士は、シバらの壁は焼き払えませんとステファン国王に報告したので、マレフィセントを弱らせろ!鍛冶職人を呼べ!と家臣に命じる。 マレフィセントは、その後も、3妖精と共に成長して行くオーロラ姫を見守っていた。 ある日、よちよち歩きができるようになっていたオーロラ姫は、3妖精が目を離している隙に、チョウチョを追いかけ、花畑から崖の方へと向かって来る。 オーロラ姫は、そのまま崖から墜落したかに思えたが、次の瞬間、崖から垂れていた植物の蔓草が魔法の力で優しくオーロラ姫を受け止め、元の花畑へと戻してやる。 マレフィセントは、横に従えていたディアヴァルに、何?と、憎んでいるはずの相手に思わぬ善行をした自分に対する照れ隠しに聞く。 ある日、森の中でマレフィセントは、歩けるようになったオーロラ姫から、こんにちわ!と声をかけられたので振り向くと、人懐っこい笑顔の幼女オーロラ姫がマレフィセントの足にしがみつき、だっこしてとおねだりする。 仕方なく、だっこしてやると、オーロラ姫は、マレフィセントの頭部から生えた大きな角を帽子かなにかだと思って脱がそうとする。 マレフィセントは、そんなオーロラ姫を下に降ろすと、もう行きなさいと言い聞かす。 予言通り、オーロラ姫は、優しく美しい姫(エル・ファニング)に育ちました。 やがて、花の季節になりました。 雪が降った森の中で、鹿に餌を与えていたオーロラ姫の姿を、側の木陰に隠れていたマレフィセントは静かに見守っていた。 そんなオーロラ姫を、茨の壁を越えようとしていた兵士たちが発見する。 それに気づいたマレフィセントは、ディアヴァルにおびき寄せて!と命じる。 そして、オーロラ姫には魔法をかけ眠らせてしまう。 ディアヴァルは、黒く邪悪なイヌに変身すると、兵士たちに吼えかかり、マレフィセントのいる場所へと追いやる。 待ち構えていたマレフィセントは、兵士たちを魔法で浮かび上げ、怯えさせる。 兵士たちが逃げ去った後、人間の姿に戻ったディアヴァルは、臭いイヌなんかにさせて!とマレフィセントに文句を言う。 そんな反抗的なディアヴァルに、今度はウジ虫に変えてやるわと嫌味を言う。 その間、眠って空中に浮かんでいたオーロラ姫を観たマレフィセントは、どこにやろう?と考え、森の奥深くに、浮かんだオーロラ姫を誘導して行く。 そこは妖精の森で、目覚めたオーロラ姫は、美しく光って空中を飛ぶ人魚たちの姿を観ると、喜んですぐに打ち解ける。 その直後、木の陰に隠れていたマレフィセントに気づいたオーロラ姫は、いるのね?怖がらないで!と話しかけて来たので、マレフィセントは、怖がるもんですか、あなたが怖がるんじゃないの?と苦笑するが、怖くないわとオーロラ姫が言うので、その前に姿を現す。 あなたね…、分かるわ!妖精のゴッドマーザーね!とオーロラ姫が言うので、マレフィセントは驚く。 私を見守る気配をいつも感じていたわ。幼い頃から影のように付き添っていたわ…と言うオーロラ姫は、側にいたカラスにも、覚えているわ、鳥さん…と呼びかける。 ディアヴァルよとマレフィセントを紹介すると、ディアヴァルは男の姿になってみせ、幼い頃から知ってるよと挨拶する。 オーロラ姫は、妖精の森が気に入ったらしく、想像していた通り、美しい所ねと感動する。 マレフィセントは、そんなオーロラ姫を又眠らせて空中に浮かべると、そのままオーロラが住む山小屋の寝室に運んでやる。 ベッドで眠っているオーロラ姫を見つめるマレフィセントは、お休みなさい、モンスターさん…と話しかける。 その頃、城の中では、ステファン国王が、あざ笑っているな!分かってるぞ!お前がどこで何をしようと!と被害妄想のような独り言を言っていた。 そんなステファンに、家臣が、王妃が危篤に陥られましたと報告に来るが、後にしろ!今、話をしているのが分からないのか!とステファンは答え、それをドアの所から観た家臣は諦めたようにドアを閉める。 ステファン王子が話しかけていたのは、マレフィセントの羽を入れた鉄の額縁にだった。 一方、その後も、妖精の森に来るようになっていたオーロラ姫は、沼の生き物から顔に泥を投げつけられ、泥投げごっこをするまで馴染んでいた。 投げられた泥は、マレフィセントやディアヴァルの顔にもかかる。 オーロラ姫はそんな生活を満喫しているようだった。 マレフィセントは、又そんなオーロラ姫を眠らせると、オーロラの山小屋の寝室に連れて帰る。 もはや、オーロラ姫への恨みなど全くないと感じたマレフィセントは、呪いよ消えろ!これっきり!と窓の外から念じるが、「この呪いは、どんな力でも永遠に止められない」と自ら呪った言葉が枷になり、マレフィセント自身にも解除することは出来なかった。 ある日、オーロラ姫は、大半の妖精が空を飛べるのに、あなたはどうして飛べないの?と聞いて来たので、翼を盗まれたの…とマレフィセントは答える。 大きいのとオーロラ姫がさらに聞くので、歩くと引きずるくらい力強い翼よ…とマレフィセントは教える。 揺るぎない翼!私の自慢の翼だったわ…と言うマレフィセントの悲しみを感じたオーロラ姫は、優しく慰めるのだった。 城の中で寝ていたステファン国王は、深夜目覚めると、やって来る…、やって来る…と呟くと、職人は!と不寝番の家臣に聞く。 寝ていますと家臣が答えると、今すぐ起こして仕事をやらせろ!と命じたので、こんな真夜中に?と家臣は驚くが、夜明けは近い!叩き起こせ!今すぐ起こして働かせろ!時間がない!と、既に精神に異常を来していたステファン億王は言う。 オーロラ姫は、その日も、妖精たちと楽しく暮らしていた。 それを見守っていたマレフィセントは、オーロラ姫を呼び寄せると、話すことがあるのと言う。 この世には悪が存在し、あなたを守りきれないとマレフィセントが言うと、オーロラ姫は、私はもうすぐ16よ、自分で守るわと答え、大人になったらあなたと暮らすわ、助け合いながら…と言う。 それを聞いたマレフィセントは、大人になる前からでも良いわ。今からでも。あなたなら妖精と友達になれると思うわと答える。 それを聞いたオーロラ姫は、明日、叔母さまたちに話してみるわ!と言いながら、喜んで帰るが、途中の森の中で、もうすぐ16歳だから独り立ちしないと…と、3妖精が化けた農夫のおばさんたちに打ち明ける別れの言葉を練習し始める。 やはり、別れを切り出すには躊躇があったのだ。 そんなオーロラ姫の独り言を森の中で聞きつけたのは、城のステファン国王へ会いに行く途中で道に迷ってしまったフィリップ王子(ブレントン・スウェイツ)だった。 突然、話しかけられたオーロラ姫は、自分と同年代の男の子など生まれて始めて観たので動揺し、逃げようとして転んでしまう。 これは無礼を!とフィリップ王子は礼儀正しく詫び、相手の名前を聞いたオーロラも自己紹介する。 城への道をオーロラから聞いたフィリップ王子は、出会えて良かった。転ばしてご免と謝罪して来たので、許すわ…と答えたオーロラ姫は、帰りもこの道を?と聞く。 もちろん!とフィリップ王子が答えると、又会えるわね!と嬉しそうに言い、白馬に乗って城へ向かうフィリップ王子を見送る。 それを目撃したカラスのディアヴァルは、早速、マレフィセントに報告に行くと、運命の人だと興奮する。 しかし、マレフィセントは、違うわ!と冷静に否定する。 真実の愛のキスをするのは彼だ!と言うディアヴァルに、信じないと答えるマレフィセント。 その頃、オーロラ姫の山小屋では、3妖精が、明日、オーロラ姫の誕生日なので、いよいよステファン国王の所へ連れて行く日ねと言うものと、誕生日の翌日よと言うものが喧嘩を始めていた。 そこに戻って来たオーロラ姫が、大事な話があるの、ここを出るの!と宣言したので、誕生日用の無様なケーキを作って待っていた3妖精は唖然とする。 そして、今更何を言うの!私たちは16年間もこの山小屋で我慢して来たのよ!明日あなたを父親の元に帰す約束で!とつい妖精たちはしゃべってしまう。 そんな話は始めて聞いたオーロラ姫は驚き、私の両親は死んだんじゃなかったの!と聞き返す。 3妖精から話を聞いたオーロラ姫は、森に戻ると、ゴッドマーザー!と呼びかける。 そして、姿を現したマレフィセントに、私の父が羽を奪ったって本当?とオーロタは聞き、そうよ…とマレフィセントが答えると泣き出す。 私は、悪い妖精に呪いをかけられたんですって?その妖精の名前を思い出せない…とオーロラが言うので、マレフィセントよとマレフィセント自身が教える。 あなたなの!と驚いたオーロラ姫は又泣き出す。 そんなオーロラ姫を慰めようと、マレフィセントは近づくが、止めて!触らないで!この世の悪ね!あんまりよ!とオーロラ姫が嘆くので、さすがにマレフィセントも自分がしたことを後悔する。 ディアヴァルに、青年を見つけて!と命じるマレフィセント。 城では、ステファン国王の元へまかり出た家臣が、プリンセスと名乗る娘が門の前に来ておりますと報告する。 その直後、連れて来られたオーロラ姫は、お父さま!と言いながら、ステファン国王に抱きついて来る。 母と良く似ている!と感激して抱擁したステファン国王だったが、3人の役立たずめ!何故早く返した!と3妖精のことを恨む。 そして、マレフィセントが来るぞ、姫を閉じ込めておけ!と家臣たちに命じるのだった。 その頃、3妖精は、オーロラ姫を見つけないと私たち殺されるわ!と焦っており、元の妖精の姿に戻ると城へと飛ぶ。 部屋に閉じ込められたオーロラ姫は、カーテンの背後にあった扉が開く事を知り、そこから外へと抜け出すが、それを目撃した使い女が慌てて後を追いかける。 森の中では、マレフィセント似合ったフィリップ王子が、女の子を捜していると言うと、知っている!と言い、魔法でフィリップ王子を眠らせると、馬が必要ね…と呟き、ディアヴァルを馬に変身さすと自分はその馬に股がり、眠った王子を白馬に乗せ、一緒に城へと向かう。 オーロラ姫は、何かに惹かれるように、城の地下深くの部屋にやって来る。 そこには、たくさんの糸車が廃棄されていたが、オーロラ姫は、無意識にその中の1つの糸車の紬の先に指先を伸ばし、指を刺されて、どんな力でも止められない、死の眠りに付いてしまう。 そこに、追って来た使い女が駆けつける。 マレフィセントは馬を急がしていたが、日没時、遅かった!と気づく。 人間の姿に戻ったディアヴァルは、城では兵士を集めてあなたを待っています!と警告するが、あなたは来なくて良いわ…、私の罪ですものもの…とマレフィセントは答える。 しかし、ディアヴァルは同行することにする。 ステファン国王は、城にやって来た3妖精に、観ろ!お前らのせいだ!と、眠ってしまったオーロラ姫を前に怒り狂う。 眠っているだけです!と3妖精は弁解し、真実の愛のキスがあれば、それだけがたった一つの希望ですと国王に説明する。 しかし、ステファン国王は、真実の愛などない!と言い放ち、青いフリットルを突き飛ばす。 そんな王宮に、密かに侵入して、城に入ろうとするが、そこにはステファン国王が職人たちに作らせた鉄の茨のような柵が置いてあったので、それを通過しようとすると、刺が熱く灼熱してマレフィセントの肌を灼く。 一方、ディアヴァルは、眠って空中に浮かんだフィリップ王子を城の中に運び込んでいた。 3妖精たちは、諦めたらダメ!愛の力がきっと降ってくるわと慰め合っていた。 その時、廊下に、フィリップ王子が墜落し目覚める。 王子は戸惑い、ここはどこか?と聞くので、ステファン城の中だと衛視が教えると、僕の目的地だ!とフィリップ王子は喜び、父にここに来るように言われました。父はジョン王だ!と自己紹介すると、部屋の中で聞いていた妖精たちは、王子様だ!と喜ぶ。 フィリップ王子は、3妖精に言われるがまま、眠っていたオーロラ姫のベッドの横に立つ。 物陰からその様子を見守るディアヴァルとマレフィセント。 何故眠っている?とフィリップ王子が聞くと、魔法で眠らせられたのと妖精たちが教え、キスして!と勧める。 フィリップ王子は、良いのかな…、一度会っただけなのに…とためらうが、一目惚れなら良いのよと妖精たちに急かされ、仕方ないようにキスしてみるが、オーロラ姫は目覚めなかった。 それを観ていた3妖精とマレフィセントはがっかりする。 3妖精たちは、他を探すのよ!と言いながら部屋を出て行ってしまい、フィリップ王子もうなだれて出て行く。 そんな部屋の中に姿を現したマレフィセントは、オーロラの眠るベッドの横に来ると、真実の愛はない…と哀しむ。 許してなんて言わないわ…、許されることじゃない…、私は一時の憎しみと復讐心で心が曇っていたの…。オーロラ!やっと愛に目覚めたわ!あなたを愛してる!私が生きている限り、あなたを見守ると誓うわ…と言いながらmオーロラ姫の額にキスをする。 そして、泣きながら立ち去りかけたマレフィセントに、ハロー!ゴッドマーザーと呼びかける声がする。 オーロラ姫が目覚めたのだった。 オーロラの笑顔を観て愕然とするマレフィセント。 真実の愛だ!と側で観ていたディアヴァルが感動したように叫ぶ。 一方、ステファン国王の元に駆けつけて来た家臣が、奴らが城内にいます!と報告する。 マレフィセント、オーロラ姫、ディアヴァルの3人は、こっそり城を抜け出そうとしていたが、大広間に差し掛かった時、マレフィセントの上に、鉄でできた網が落ちて来る。 鉄の綱は、逃げようとするマレフィセントの肌を焼き、力を奪う。 止めて!とオーロラ姫が叫ぶが、甲冑を着た兵士たちが駆けつけて来て、槍でマレフィセントを突き始める。 それを観たオーロラ姫は、又も止めて!と絶叫する。 網の中から出られなくなったマレフィセントは、ディアヴァルにドラゴンになれ!と魔法をかける。 カラスの姿だったディアヴァルは巨大なドラゴンとなり、マレフィセントにかぶさっていた網を払いのける。 そして、ドラゴンは火を吐いたので、大広間は大混乱となる。 そうした中、ローラ姫は広間を逃げ出す。 しかし、兵士たちも果敢に鎖を使い、ドラゴンに向かって来る。 火避けの盾を持った兵士たちが加わり、マレフィセントを包囲する。 その頃、とある部屋に迷い込んだオーロラ姫は、そこにある不思議なものを見つける。 それは、鉄の額に入れられた大きな翼だった。 マレフィセントは、甲冑を着て近づいて来たステファン国王から、鎖で鞭打たれる。 オーロラ姫は、鉄の額を床に倒していた。 ディアヴァルが化身したドラゴンも、兵士たちの鎖に掴まりあえいでいた。 兵士たちは勝利の印に、盾を床に叩き付けリズムを取る。 それを制したステファン国王は、どんな気分だ?落ちぶれた魔女め…と、追いつめたマレフィセントに迫っていた。 人間界から葬ってやる!と言いながら近づくステファンだったが、その時、オーロラ姫が投げて来た羽とマレフィセントは合体する。 それを観て微笑むオーロラ姫。 力を復活したマレフィセントと共に、ドラゴンも力を呼び寄せたのか、鎖を引きちぎる。 ステファン国王は、死ね!と怒鳴りながら、鎖をマレフィセントに打ち付けて来る。 マレフィセントは、鎖を握ったステファン国王を引きづりながら、窓を壊し外へ飛び出すと、塔の上に降り立つ。 マレフィセントはステファン国王を打ち据えようとするが、ここまでよ…と止めてしまう。 無益な戦いに疲れたマレフィセントだったが、そんな彼女の背後から迫ったステファン国王は、マレフィセントを掴んで塔から突き落とそうとするが、2人は絡み合うように一緒に墜落する。 途中、マレフィセントは飛んで逃げ、ステファン国王だけが地上に叩き付けられる。 墜落死したステファン国王の側に佇むマレフィセント。 夜明けの城 森に戻ったオーロラ姫は、城を眺め微笑む。 マレフィセントは、人間界とムーア王国を封鎖していた茨の森を崩壊させる。 妖精が集まる森にやって来たマレフィセントは、私は今日限りその座を降ります。オーロラをムーア王国の新しい王女にしますと宣言する。 それだけではありません。2つの国は1つになりました! お馴染みの話とちょっと違うでしょう? 妖精たちや森の住人たちは、一斉に新王女のオーロラの前に跪いて忠誠を誓う。 そこに、フィリップ王子もやって来たので、オーロラ姫は微笑む。 王国を統一したのは、英雄でも魔物でもありませんでした。 その名はマレフィセント! カラスのディアヴァルと共に、取り戻した大きな翼で雲海の中をのびのびと飛ぶマレフィセントの姿があった。 2014年、アメリカ映画、リンダ・ウールヴァートン脚本、ロバート・ストロンバーグ監督作品。 古いお話をしましょう。 みんなが良く知っているお話… 昔々…、2つの国がありました。 2つの国は仲が悪く、1つにするのは英雄か怪物かと言われていました。 片方は人間は住んでおり、愚かな国王が支配していました。 もう一つの国は、ムーア王国と言い、不思議な生き物が暮らしていました。 木の上で、折れた枝を握りしめ、不思議な力で元通りにしてやっていたのは、背中に見事な翼がある少女マレフィセントだった。 マレフィセントは、その日も、シャントレルや他の不思議な生き物たちに挨拶していたが、そこへ、見張りが人間を観たんだよ!と1匹の生き物が知らせに来る。 それを聞いた妖精や生き物たちは、又人間が戦争を起こすわ!と恐れ出す。 宝石池で人間を観たんだってと言うので、急いでそこへ飛んでいったマレフィセントは、池にいた樹木の精が、側の林の中に隠れている何者かに向い、槍を向けていたので、怖くないわ!姿を見せて!と林の方へ声をかける。 嫌だ!できない!と言う声が聞こえたので、すぐに出て来て!と繰り返すと、どう観ても少年が出て来たので、大人なの?まだ子供みたい…とマレフィセントは怪しむが、少年は、気味も子供じゃないかと言い返して来る。 名前を聞くと、男の子はステファンと名乗ったので、マレフィセントも自己紹介する。 ステファンは、おずおずと、袋に入れていた宝石を取り出して差し出して来たので、それを受け取ったマレフィセントは、宝石を池の中に戻す。 それを観たステフェンは、せっかく返したのに捨てるなんて…と勿体ながるが、マレフィセントは、元に戻したのとと答える。 ステファンはマレフィセントと同じ年頃だったと言うこともあり、ムーア王国と人間国の境近くに来ると、僕はいつかきっとあの城に住むんだと、遠くに見えている城を指差す。 今の家は?とマレフィセントが聞くと、納屋だよ…、両親とも死んだとステファンは言う。 ステファンが、又会おうと言って人間の国に戻ろうとしたので、ここに戻って来てはダメ!とマレフィセントは警告するが、ステファンが別れの握手を求めて来たので、それに応じると、ステファンの指輪の製で火傷を負ってしまう。 どうやらマレフィセントは、金属に弱いようだった。 しかし、ステファンはその後もやって来て、2人の間の憎しみはなくなり、友情が愛情に変化するのにも時間はかかりませんでした。 彼女の16歳の誕生日 2人は真実の愛のキスをした。 数年後、ステファンが自らの野望に邁進し始めた頃、マレフィセントはムーア王国最高の妖精になりました。 大きな翼で王国中を自信満々に飛ぶマレフィセントだったが、いつも思うのは、人間界に戻ったステファンのことだった。 マレフィセントには、男がどんな野心を持っているかなど知る由もなかったのです。 ある日、ムーア王国を滅ぼそうと、老いたヘンリー王を先頭に兵士たちが責めて来る。 そこに飛んで来たのがマレフィセントで、人間共よ、引き返すが良い!と呼びかけるが、妖精ごときの命令を聞く国王か!と嘲ったヘンリー王に、お前は私の王ではない!とマレフィセントも反発する。 奴の首を掻ききれ!とヘンリー王は命じ、兵士たちは一斉に剣を抜く。 それを観たマレフィセントは、ムーアよ、共に戦え!と呼びかけると、森の奥から多数のクリーチャーたちが出現して来る。 マレフィセント自身も、大きな羽を拡げ、甲冑兵士の隊列の中に飛び込んで行く。 羽でヘンリー王をも打ち据えたマレフィセントは、ムーア王国を渡すものか!と迫るが、王が振り払おうと突き出した手に付いていた指輪のせいで、胸に火傷を負ってしまう。 傷つき国に戻ったヘンリー王は、自分は戦いに負けた王として記憶されるようになるのかと無念がり、後継者を決める。我が娘の婿になる男だ。あやつに復讐せよ!さすれば、私が死んだ後そのものが勇者となる!と、自分の廻りに集まっていた家臣たちに告げる。 その家臣の中に、あのステファン(シャルト・コプリー)も混じっていた。 ステファンは野心を実現すべく、又、ムーア王国のマレフィセントに会いに行く。 人間界の暮らしはどう?と、何も知らないマレフィセントは暖かくステファンを迎えるが、君に伝えに来た。命を狙われている。僕を信じてくれ!とステファンが情報を教えたので、マレフィセントはそれを信じ、長い間会いに来なかったステファンを許した。 2人は昔のような、暖かい抱擁を思い出したのです。 ステファンは、寄り添って座っていたマレフィセントに、自分の水筒の水を与える。 その水を飲んだマレフィセントは、何故か眠ってしまう。 水の中に眠り薬が仕込まれていたのだった。 ステファンはナイフを取り出すと、マレフィセントを刺そうとするが、さすがにどうしてもできなかった。 その後、今度は鎖を取り出すステファンは、またもや悩む。 寝覚めたマレフィセントは、何か身体の異状を感じ、恐る恐る自らの背中に手をやり、あの自慢の翼がなくなっていることに気づき泣き出す。 一方、城で臥せっていたヘンリー王の元に戻って来たステファンは、持って来た翼を差し出し、復讐したのか?奴は死んだのか!と聞かれるが、黙っていたので、マレフィセントを殺したと信じたヘンリー王は、良くやった、ステファン!と褒め、手柄に報いよう!と約束する。 それを聞いたステファンは、力を尽くします、陛下!と答える。 一方、翼を失ったばかりか体力も衰えたマレフィセントは、側に落ちていた木の枝を拾うと魔法で杖にする。 そして王国の外れの廃墟のような所に行くと、そこで身体を休めようとするが、カラスが一羽飛んで来たので追い払う。 ある日、そのカラスが人間の罠に捉えられているのを見つけたので、男になれ!と魔法を念じる。 すると、カラスを捕まえようとしていた人間の目の前でカラスは裸の男に変身したので、狩人は怯えて逃げ去る。 ディアヴァルと言う名だと答えたそのカラス男はマレフィセントにあれこれ嫌味を言って来るが、文句言わないでよ、救ってやったんだから…とマレフィセントが言うと、あなたに仕えます。何でもしますと従順になる。 あなたは翼よ。私の翼になって!とマレフィセントは頼む。 城では、新国王になったステファンの戴冠式が行われるが、その様子を窓で観ていたカラスのディアヴァルは、それをマレフィセントに報告する。 マレフィセントは、その時始めて、ステファンが王座を欲しくて自分の翼を奪った事を知り、身体中から立ち上った怒りの炎が天まで届く。 城にいたステファンは、ムーア王国から立ち上る炎の柱を眺めていた。 次はどうしますか?とディアヴァルが聞くと、黙って歩き始めたマレフィセントだったが、その怒りのパワーで、道の両脇にあった石垣が次々に崩壊して行く。 妖精たちの森に戻ったマレフィセントを観た妖精たちは、マレフィセントに翼がないことを知り驚愕する。 それでも、戻って来たマレフィセントに、みんなは敬意を示すのだった。 やがて、城の中の使い女たちが、女の子よ!と噂し合っているのを窓辺で聞いていたカラスのディアヴァルは、それをマレフィセントに伝えに行く。 話を聞いても、今一つ飲み込めない風のマレフィセントだったが、ディアヴァルが、国王と王妃の間に子供が生まれたんですと言うと愕然とするのだった。 やがて、生まれて来た赤ん坊の洗礼式が行われる事になり、近隣から招待客が大勢城に集まって来る。 そんな中に、ムーア王国からやって来た3人の妖精の姿もあった。 国王ステファンは、追い出してくれ!とムーア王国からの3妖精を迷惑がるが、3妖精は、赤い衣装のノットグラス、青い衣装のフリットル、黄色い衣装のシスルウィットが、それぞれ自己紹介し、魔法の贈り物を持って参りましたとお国王と王妃に挨拶すると、1人1人が、赤ん坊のオーロラ姫のゆりかごに近づき、美しさや悲しみのない人生などを魔法で贈ろうとしていた。 最後のフリットルが、夢のような…と魔法をかけようとしていた時、突如城内に強い風が吹いて来る。 やって来たのは、招かれざる客マレフィセントだった。 おやおや…と笑いながら国王と王妃の前にやって来たマレフィセントは、はっきり言って、招待状が来ないと寂しいわ…などと皮肉を言うが、ステファン国王が、招かれざる者め!と言って睨みつけて来たので、まあ、気まずい空気!怒ってるの?とからかうと、私も赤ちゃんに贈り物を持って来たのよと言いながらゆりかごの方へ近づこうとしたので、3人の妖精が、近寄らないで!と妨害しようとする。 しかし、マレフィセントはそんな3人を軽く吹き飛ばし、側にあった蓋付きのはこの中に閉じ込めてしまう。 そして、みんな聞くが良い!と大声を張り上げたマレフィセントは、この子は優しく美しい娘になるわ、誰からも愛されるお姫様に!と言いながら、オーロラ姫に魔法をかける。 それを観ていたステファン国王は、思わず、止めと!と制止するが、16歳の誕生日の日没前に、意図車の針に刺され、死の眠りにつくだろう!懇願するのなら跪け!と国王に命じる。 ステファン国王は大勢の招待客の見守る中、恥を忍んでマレフィセントの前に跪くと、頼む!と懇願する。 それを聞いたマレフィセントは、良いわ…と言い、プリンセスの眠りから目覚めさせるためには、真実の愛のキスがいるわ!この魔法はどんな力を持ってしても変えられない!と、強力な魔法をオーロラ姫にかけてしまう。 洗礼式は台無しになり、マレフィセントが帰って行った後、国王は国中の糸車を燃やし、破壊した糸車は、城の奥深くに隠した。 そして、オーロラ姫は、3人の妖精たちに預けられ、遠くの隠れ家に隠した。 そして、ステファン国王は、兵士たちにマレフィセント退治を命じた。 それに対し、マレフィセントは、茨の森でムーア王国と人間国の境界線を固め、人間の侵略から守った。 そんな中、赤ん坊のオーロラ姫を連れ、山小屋に到着した3妖精は、子育て用に人間サイズの農夫に変身し、魔法も封印する 窓から、家の中のゆりかごの中にいたオーロラ姫を覗いてみたマレフィセントは、皮いそうなくらい醜いわ…と悪口を言うが、赤ん坊は無邪気に笑っていた。 大嫌いよ!不細工な子!とマレフィセントは悪態をつくが、満更、赤ん坊を憎んでいる訳でもなさそうだった。 農夫になった3妖精は、直接、人参を赤ん坊に食べさせようとするなど、元々子育てなどに向いてなかったので、お腹をすかせた赤ん坊のオーロラ姫は毎日泣いてばかりだった。 その様子を見守っていたマレフィセントは、あれじゃあ、飢え死にしちゃう…と呆れ、カラスのディアヴァルが、ミルクのような密が出る花を窓際から赤ん坊に与えてやる。 赤ん坊のオーロラ姫は、その花の密を美味しそうにしゃぶる。 ディアヴァルは、オーロラ姫のゆりかごを揺らしてやったりする。 3妖精は、その後も山小屋の中で喧嘩ばかりしていたが、突然、罰を与えるように、天井から三人の頭上に水が落ちて来る。 ステファン国王はますます精神的に追い込まれ、茨の森に火を放つように命じるが、それに気づいたマレフィセントは、火の付いた茨を鞭のように動かし、逆に兵士たちを火の付いた刺で追い払う。 城に戻って来た兵士は、シバらの壁は焼き払えませんとステファン国王に報告したので、マレフィセントを弱らせろ!鍛冶職人を呼べ!と家臣に命じる。 マレフィセントは、その後も、3妖精と共に成長して行くオーロラ姫を見守っていた。 ある日、よちよち歩きができるようになっていたオーロラ姫は、3妖精が目を離している隙に、チョウチョを追いかけ、花畑から崖の方へと向かって来る。 オーロラ姫は、そのまま崖から墜落したかに思えたが、次の瞬間、崖から垂れていた植物の蔓草が魔法の力で優しくオーロラ姫を受け止め、元の花畑へと戻してやる。 マレフィセントは、横に従えていたディアヴァルに、何?と、憎んでいるはずの相手に思わぬ善行をした自分に対する照れ隠しに聞く。 ある日、森の中でマレフィセントは、歩けるようになったオーロラ姫から、こんにちわ!と声をかけられたので振り向くと、人懐っこい笑顔の幼女オーロラ姫がマレフィセントの足にしがみつき、だっこしてとおねだりする。 仕方なく、だっこしてやると、オーロラ姫は、マレフィセントの頭部から生えた大きな角を帽子かなにかだと思って脱がそうとする。 マレフィセントは、そんなオーロラ姫を下に降ろすと、もう行きなさいと言い聞かす。 予言通り、オーロラ姫は、優しく美しい姫(エル・ファニング)に育ちました。 やがて、花の季節になりました。 雪が降った森の中で、鹿に餌を与えていたオーロラ姫の姿を、側の木陰に隠れていたマレフィセントは静かに見守っていた。 そんなオーロラ姫を、茨の壁を越えようとしていた兵士たちが発見する。 それに気づいたマレフィセントは、ディアヴァルにおびき寄せて!と命じる。 そして、オーロラ姫には魔法をかけ眠らせてしまう。 ディアヴァルは、黒く邪悪なイヌに変身すると、兵士たちに吼えかかり、マレフィセントのいる場所へと追いやる。 待ち構えていたマレフィセントは、兵士たちを魔法で浮かび上げ、怯えさせる。 兵士たちが逃げ去った後、人間の姿に戻ったディアヴァルは、臭いイヌなんかにさせて!とマレフィセントに文句を言う。 そんな反抗的なディアヴァルに、今度はウジ虫に変えてやるわと嫌味を言う。 その間、眠って空中に浮かんでいたオーロラ姫を観たマレフィセントは、どこにやろう?と考え、森の奥深くに、浮かんだオーロラ姫を誘導して行く。 そこは妖精の森で、目覚めたオーロラ姫は、美しく光って空中を飛ぶ人魚たちの姿を観ると、喜んですぐに打ち解ける。 その直後、木の陰に隠れていたマレフィセントに気づいたオーロラ姫は、いるのね?怖がらないで!と話しかけて来たので、マレフィセントは、怖がるもんですか、あなたが怖がるんじゃないの?と苦笑するが、怖くないわとオーロラ姫が言うので、その前に姿を現す。 あなたね…、分かるわ!妖精のゴッドマーザーね!とオーロラ姫が言うので、マレフィセントは驚く。 私を見守る気配をいつも感じていたわ。幼い頃から影のように付き添っていたわ…と言うオーロラ姫は、側にいたカラスにも、覚えているわ、鳥さん…と呼びかける。 ディアヴァルよとマレフィセントを紹介すると、ディアヴァルは男の姿になってみせ、幼い頃から知ってるよと挨拶する。 オーロラ姫は、妖精の森が気に入ったらしく、想像していた通り、美しい所ねと感動する。 マレフィセントは、そんなオーロラ姫を又眠らせて空中に浮かべると、そのままオーロラが住む山小屋の寝室に運んでやる。 ベッドで眠っているオーロラ姫を見つめるマレフィセントは、お休みなさい、モンスターさん…と話しかける。 その頃、城の中では、ステファン国王が、あざ笑っているな!分かってるぞ!お前がどこで何をしようと!と被害妄想のような独り言を言っていた。 そんなステファンに、家臣が、王妃が危篤に陥られましたと報告に来るが、後にしろ!今、話をしているのが分からないのか!とステファンは答え、それをドアの所から観た家臣は諦めたようにドアを閉める。 ステファン王子が話しかけていたのは、マレフィセントの羽を入れた鉄の額縁にだった。 一方、その後も、妖精の森に来るようになっていたオーロラ姫は、沼の生き物から顔に泥を投げつけられ、泥投げごっこをするまで馴染んでいた。 投げられた泥は、マレフィセントやディアヴァルの顔にもかかる。 オーロラ姫はそんな生活を満喫しているようだった。 マレフィセントは、又そんなオーロラ姫を眠らせると、オーロラの山小屋の寝室に連れて帰る。 もはや、オーロラ姫への恨みなど全くないと感じたマレフィセントは、呪いよ消えろ!これっきり!と窓の外から念じるが、「この呪いは、どんな力でも永遠に止められない」と自ら呪った言葉が枷になり、マレフィセント自身にも解除することは出来なかった。 ある日、オーロラ姫は、大半の妖精が空を飛べるのに、あなたはどうして飛べないの?と聞いて来たので、翼を盗まれたの…とマレフィセントは答える。 大きいのとオーロラ姫がさらに聞くので、歩くと引きずるくらい力強い翼よ…とマレフィセントは教える。 揺るぎない翼!私の自慢の翼だったわ…と言うマレフィセントの悲しみを感じたオーロラ姫は、優しく慰めるのだった。 城の中で寝ていたステファン国王は、深夜目覚めると、やって来る…、やって来る…と呟くと、職人は!と不寝番の家臣に聞く。 寝ていますと家臣が答えると、今すぐ起こして仕事をやらせろ!と命じたので、こんな真夜中に?と家臣は驚くが、夜明けは近い!叩き起こせ!今すぐ起こして働かせろ!時間がない!と、既に精神に異常を来していたステファン億王は言う。 オーロラ姫は、その日も、妖精たちと楽しく暮らしていた。 それを見守っていたマレフィセントは、オーロラ姫を呼び寄せると、話すことがあるのと言う。 この世には悪が存在し、あなたを守りきれないとマレフィセントが言うと、オーロラ姫は、私はもうすぐ16よ、自分で守るわと答え、大人になったらあなたと暮らすわ、助け合いながら…と言う。 それを聞いたマレフィセントは、大人になる前からでも良いわ。今からでも。あなたなら妖精と友達になれると思うわと答える。 それを聞いたオーロラ姫は、明日、叔母さまたちに話してみるわ!と言いながら、喜んで帰るが、途中の森の中で、もうすぐ16歳だから独り立ちしないと…と、3妖精が化けた農夫のおばさんたちに打ち明ける別れの言葉を練習し始める。 やはり、別れを切り出すには躊躇があったのだ。 そんなオーロラ姫の独り言を森の中で聞きつけたのは、城のステファン国王へ会いに行く途中で道に迷ってしまったフィリップ王子(ブレントン・スウェイツ)だった。 突然、話しかけられたオーロラ姫は、自分と同年代の男の子など生まれて始めて観たので動揺し、逃げようとして転んでしまう。 これは無礼を!とフィリップ王子は礼儀正しく詫び、相手の名前を聞いたオーロラも自己紹介する。 城への道をオーロラから聞いたフィリップ王子は、出会えて良かった。転ばしてご免と謝罪して来たので、許すわ…と答えたオーロラ姫は、帰りもこの道を?と聞く。 もちろん!とフィリップ王子が答えると、又会えるわね!と嬉しそうに言い、白馬に乗って城へ向かうフィリップ王子を見送る。 それを目撃したカラスのディアヴァルは、早速、マレフィセントに報告に行くと、運命の人だと興奮する。 しかし、マレフィセントは、違うわ!と冷静に否定する。 真実の愛のキスをするのは彼だ!と言うディアヴァルに、信じないと答えるマレフィセント。 その頃、オーロラ姫の山小屋では、3妖精が、明日、オーロラ姫の誕生日なので、いよいよステファン国王の所へ連れて行く日ねと言うものと、誕生日の翌日よと言うものが喧嘩を始めていた。 そこに戻って来たオーロラ姫が、大事な話があるの、ここを出るの!と宣言したので、誕生日用の無様なケーキを作って待っていた3妖精は唖然とする。 そして、今更何を言うの!私たちは16年間もこの山小屋で我慢して来たのよ!明日あなたを父親の元に帰す約束で!とつい妖精たちはしゃべってしまう。 そんな話は始めて聞いたオーロラ姫は驚き、私の両親は死んだんじゃなかったの!と聞き返す。 3妖精から話を聞いたオーロラ姫は、森に戻ると、ゴッドマーザー!と呼びかける。 そして、姿を現したマレフィセントに、私の父が羽を奪ったって本当?とオーロタは聞き、そうよ…とマレフィセントが答えると泣き出す。 私は、悪い妖精に呪いをかけられたんですって?その妖精の名前を思い出せない…とオーロラが言うので、マレフィセントよとマレフィセント自身が教える。 あなたなの!と驚いたオーロラ姫は又泣き出す。 そんなオーロラ姫を慰めようと、マレフィセントは近づくが、止めて!触らないで!この世の悪ね!あんまりよ!とオーロラ姫が嘆くので、さすがにマレフィセントも自分がしたことを後悔する。 ディアヴァルに、青年を見つけて!と命じるマレフィセント。 城では、ステファン国王の元へまかり出た家臣が、プリンセスと名乗る娘が門の前に来ておりますと報告する。 その直後、連れて来られたオーロラ姫は、お父さま!と言いながら、ステファン国王に抱きついて来る。 母と良く似ている!と感激して抱擁したステファン国王だったが、3人の役立たずめ!何故早く返した!と3妖精のことを恨む。 そして、マレフィセントが来るぞ、姫を閉じ込めておけ!と家臣たちに命じるのだった。 その頃、3妖精は、オーロラ姫を見つけないと私たち殺されるわ!と焦っており、元の妖精の姿に戻ると城へと飛ぶ。 部屋に閉じ込められたオーロラ姫は、カーテンの背後にあった扉が開く事を知り、そこから外へと抜け出すが、それを目撃した使い女が慌てて後を追いかける。 森の中では、マレフィセント似合ったフィリップ王子が、女の子を捜していると言うと、知っている!と言い、魔法でフィリップ王子を眠らせると、馬が必要ね…と呟き、ディアヴァルを馬に変身さすと自分はその馬に股がり、眠った王子を白馬に乗せ、一緒に城へと向かう。 オーロラ姫は、何かに惹かれるように、城の地下深くの部屋にやって来る。 そこには、たくさんの糸車が廃棄されていたが、オーロラ姫は、無意識にその中の1つの糸車の紬の先に指先を伸ばし、指を刺されて、どんな力でも止められない、死の眠りに付いてしまう。 そこに、追って来た使い女が駆けつける。 マレフィセントは馬を急がしていたが、日没時、遅かった!と気づく。 人間の姿に戻ったディアヴァルは、城では兵士を集めてあなたを待っています!と警告するが、あなたは来なくて良いわ…、私の罪ですものもの…とマレフィセントは答える。 しかし、ディアヴァルは同行することにする。 ステファン国王は、城にやって来た3妖精に、観ろ!お前らのせいだ!と、眠ってしまったオーロラ姫を前に怒り狂う。 眠っているだけです!と3妖精は弁解し、真実の愛のキスがあれば、それだけがたった一つの希望ですと国王に説明する。 しかし、ステファン国王は、真実の愛などない!と言い放ち、青いフリットルを突き飛ばす。 そんな王宮に、密かに侵入して、城に入ろうとするが、そこにはステファン国王が職人たちに作らせた鉄の茨のような柵が置いてあったので、それを通過しようとすると、刺が熱く灼熱してマレフィセントの肌を灼く。 一方、ディアヴァルは、眠って空中に浮かんだフィリップ王子を城の中に運び込んでいた。 3妖精たちは、諦めたらダメ!愛の力がきっと降ってくるわと慰め合っていた。 その時、廊下に、フィリップ王子が墜落し目覚める。 王子は戸惑い、ここはどこか?と聞くので、ステファン城の中だと衛視が教えると、僕の目的地だ!とフィリップ王子は喜び、父にここに来るように言われました。父はジョン王だ!と自己紹介すると、部屋の中で聞いていた妖精たちは、王子様だ!と喜ぶ。 フィリップ王子は、3妖精に言われるがまま、眠っていたオーロラ姫のベッドの横に立つ。 物陰からその様子を見守るディアヴァルとマレフィセント。 何故眠っている?とフィリップ王子が聞くと、魔法で眠らせられたのと妖精たちが教え、キスして!と勧める。 フィリップ王子は、良いのかな…、一度会っただけなのに…とためらうが、一目惚れなら良いのよと妖精たちに急かされ、仕方ないようにキスしてみるが、オーロラ姫は目覚めなかった。 それを観ていた3妖精とマレフィセントはがっかりする。 3妖精たちは、他を探すのよ!と言いながら部屋を出て行ってしまい、フィリップ王子もうなだれて出て行く。 そんな部屋の中に姿を現したマレフィセントは、オーロラの眠るベッドの横に来ると、真実の愛はない…と哀しむ。 許してなんて言わないわ…、許されることじゃない…、私は一時の憎しみと復讐心で心が曇っていたの…。オーロラ!やっと愛に目覚めたわ!あなたを愛してる!私が生きている限り、あなたを見守ると誓うわ…と言いながらmオーロラ姫の額にキスをする。 そして、泣きながら立ち去りかけたマレフィセントに、ハロー!ゴッドマーザーと呼びかける声がする。 オーロラ姫が目覚めたのだった。 オーロラの笑顔を観て愕然とするマレフィセント。 真実の愛だ!と側で観ていたディアヴァルが感動したように叫ぶ。 一方、ステファン国王の元に駆けつけて来た家臣が、奴らが城内にいます!と報告する。 マレフィセント、オーロラ姫、ディアヴァルの3人は、こっそり城を抜け出そうとしていたが、大広間に差し掛かった時、マレフィセントの上に、鉄でできた網が落ちて来る。 鉄の綱は、逃げようとするマレフィセントの肌を焼き、力を奪う。 止めて!とオーロラ姫が叫ぶが、甲冑を着た兵士たちが駆けつけて来て、槍でマレフィセントを突き始める。 それを観たオーロラ姫は、又も止めて!と絶叫する。 網の中から出られなくなったマレフィセントは、ディアヴァルにドラゴンになれ!と魔法をかける。 カラスの姿だったディアヴァルは巨大なドラゴンとなり、マレフィセントにかぶさっていた網を払いのける。 そして、ドラゴンは火を吐いたので、大広間は大混乱となる。 そうした中、ローラ姫は広間を逃げ出す。 しかし、兵士たちも果敢に鎖を使い、ドラゴンに向かって来る。 火避けの盾を持った兵士たちが加わり、マレフィセントを包囲する。 その頃、とある部屋に迷い込んだオーロラ姫は、そこにある不思議なものを見つける。 それは、鉄の額に入れられた大きな翼だった。 マレフィセントは、甲冑を着て近づいて来たステファン国王から、鎖で鞭打たれる。 オーロラ姫は、鉄の額を床に倒していた。 ディアヴァルが化身したドラゴンも、兵士たちの鎖に掴まりあえいでいた。 兵士たちは勝利の印に、盾を床に叩き付けリズムを取る。 それを制したステファン国王は、どんな気分だ?落ちぶれた魔女め…と、追いつめたマレフィセントに迫っていた。 人間界から葬ってやる!と言いながら近づくステファンだったが、その時、オーロラ姫が投げて来た羽とマレフィセントは合体する。 それを観て微笑むオーロラ姫。 力を復活したマレフィセントと共に、ドラゴンも力を呼び寄せたのか、鎖を引きちぎる。 ステファン国王は、死ね!と怒鳴りながら、鎖をマレフィセントに打ち付けて来る。 マレフィセントは、鎖を握ったステファン国王を引きづりながら、窓を壊し外へ飛び出すと、塔の上に降り立つ。 マレフィセントはステファン国王を打ち据えようとするが、ここまでよ…と止めてしまう。 無益な戦いに疲れたマレフィセントだったが、そんな彼女の背後から迫ったステファン国王は、マレフィセントを掴んで塔から突き落とそうとするが、2人は絡み合うように一緒に墜落する。 途中、マレフィセントは飛んで逃げ、ステファン国王だけが地上に叩き付けられる。 墜落死したステファン国王の側に佇むマレフィセント。 夜明けの城 森に戻ったオーロラ姫は、城を眺め微笑む。 マレフィセントは、人間界とムーア王国を封鎖していた茨の森を崩壊させる。 妖精が集まる森にやって来たマレフィセントは、私は今日限りその座を降ります。オーロラをムーア王国の新しい王女にしますと宣言する。 それだけではありません。2つの国は1つになりました! お馴染みの話とちょっと違うでしょう? 妖精たちや森の住人たちは、一斉に新王女のオーロラの前に跪いて忠誠を誓う。 そこに、フィリップ王子もやって来たので、オーロラ姫は微笑む。 王国を統一したのは、英雄でも魔物でもありませんでした。 その名はマレフィセント! カラスのディアヴァルと共に、取り戻した大きな翼で雲海の中をのびのびと飛ぶマレフィセントの姿があった。 |