ゴジラシリーズの中でも前々から海外で人気が高いように感じていた「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964)と「怪獣総進撃」(1968)のハリウッド版とも言うべき作品なのだが、雰囲気的には前作ギャレス・エドワーズ版「GODZILLA ゴジラ」(2014)同様平成ガメラシリーズ、特に今回は「ガメラ3 邪神覚醒」に近いものを感じる。 何故、レジェンダリー版ハリウッドゴジラが平成ガメラに見えるのかと言うと、海外でよく知られているゴジラというのはあちらのTVなどで繰り返し放映されていたらしき「昭和ゴジラシリーズ」、特に日本ではTVを中心に第一次怪獣ブームが盛り上がった60年代半ば以降、敵怪獣と戦うヒーローとしてのゴジライメージであり、ハリウッド版は、こうした海外一般庶民の多数派イメージであるヒーローゴジラを再現しようとしているためだと思う。 元々昭和のヒーローゴジラには旧大映の「昭和ガメラ」の影響を感じていたし、かつてのちびっこ向け「正義の味方怪獣」を今風に再構築しようとすれば、どうしても「地球の守護神」みたいに発想するしかなく、それは必然的に「平成ガメラ三部作」っぽくなるだろう。 怪獣災害に巻き込まれ家族を失った者が私怨から歪んだ復讐劇を実行する…という基本設定はどう見ても「邪神覚醒」だし、今回「ゴジラの住処」のようなものが登場するが、これは「邪神覚醒」に出てきた「ガメラの墓場」を連想させる。 怪獣に阻まれ輸送機がなかなか飛び立てない場面で、正義の味方怪獣が出現し敵怪獣と戦っている間に逃げる…などと言う演出は「ガメラ2 レギオン襲来」そのものだし… 「邪神覚醒」もビジュアル面はともかくストーリー的には成功作とは言いにくく個人的には今ひとつ乗れなかったのだが、今回の「キング・オブ・モンスターズ」は正直「邪神覚醒」よりさらに出来が悪いように感じた。 この作品、事前に何本か流れた予告編の完成度が高く、否応無く期待度が上がってしまった分、いざ本編を見てみたら…、予告編以外の部分に期待外れ感が…という印象は否めない。 従来、男性が演じることが多かった「マッド・サイエンティスト」を女性が演じているのがちょっと新鮮。 ストーリー自体はずいぶん以前からネットにリークされていた通りだったが、これだけ怪獣が出てきながら、ほとんどハラハラ・ドキドキがない映画というのも珍しい。 まず、前作でゴジラそのものが人類の脅威になるように描かれてないので、ゴジラが登場しても怖くない。 さらに世界中の怪獣が目覚めてからの盛り上がりに欠けるのは残念。 一見派手なシーンの連続のように見えて、怪獣たちが大都市を破壊して、人間が逃げ惑うというパニック描写がほとんどないため、話の展開に緊迫感も生じず、人間とは無関係に数匹の怪獣たちがぶつかり合っているだけという印象で、「映画版ウルトラファイト」とでも言うような大味な展開なのだ。 偏見かもしれないが、中国が資金協力したと言われるハリウッド大作というのは、概ね派手な割に話は大味なものが多いように思えるのだが、ハリウッド側がスポンサーである中国側に忖度して意図的にそう言う味付けにするのか、それとも中国側が最初からこう言う展開を要求するのか? 実際、ハリウッド製の怪獣映画が全部つまらない訳ではなく、同じワーナー配給ながらレジェンダリーの中国マネーが絡んでいない「ランペイジ 巨獣大乱闘」(2018)などは、「ウルトラQ」の「五郎とゴロー」などを連動させる怪獣映画で、主役のゴリラにも飼育係りの人間キャラにも感情移入ができ、敵怪獣との戦いはハラハラして応援したくなる演出になっていたと思う。 ドラマの大半は、得体の知れない「科学特捜隊」のような組織「モナーク」のメンバーたちとこれ又得体の知れない環境保護名目のテロリストグループのような連中の闘争のみで成り立っており、その誰にも感情移入できないのも話に乗れない部分。 そもそも「科特隊」や「G-フォース」のような世界レベルの巨大組織を、今の大人に黙って納得しろという方が難しいだろう。 唯一の庶民代表キャラとも言うべき、科学者夫婦の娘も、日本人の目で見て親しみを感じたり、応援したくなるようなキャラとは感じなかった。 元々、怪獣が世界中に多数同時出現するという発想自体が子供向けのファンタジーで、大人にも納得させようとするには無理がある。 結局、科学者などを主人公にしてもっともらしい解説をしながら事件の推移を見守るというありがちなパターンになっているのだが、「巨大生物の研究、監視」が目的のように思えた「モナーク」が、今回なぜかすごい軍備も兼ね備えており、アメリカ政府とも距離を置いているように見える一方、世界中に基地があり各国から科学者が集まっているところを見ると宇宙人相手の「MIB」の怪獣版のような巨大組織のように見えるのだが、一体誰がこの秘密組織に資金を出しているんだ?と言う素朴な疑問がわいてくる。 昔から人類が避難するシェルターをモナークが密かに世界各地に作ってきたなどという説明もあるが、そんなことが出来る巨大組織を支えるのは一国家や一部の富豪程度では無理だろう。 展開が面白ければそういうトンデモな発想は気にならないものなのだが、ハリウッド映画特有の家族再生ドラマが辛気臭く、それが暗い画面作りと共に延々と続くのでそういうトンデモない部分が気になってくるのだ。 監督はかなりの怪獣オタクらしいが、オタク作家にありがちな「人間描写に興味がない」弱みが如実に出た結果のように見える。 登場する人物が説明台詞を言うだけの記号的キャラクターになりがちで、血が通った生き生きとした人間に見えにくくなるのだ。 「平成ガメラ」を連想するとは言え、オタク監督らしく一応東宝ゴジラへのオマージュもふんだんに盛り込まれており、今回の個人的なお気に入りは「モスラの歌」が登場する所。 ただ残念ながらモスラはあまり活躍しないし、小美人を連想させるものは中国人の古い写真に暗示的にちらり出てくる程度。 ラドンはモスラよりも活躍している印象で、ラドンを知っているマニアとしては嬉しいのだが、初見の観客にアピールできたかどうかは疑問。 世界中に怪獣が蘇ったといっている割に、世界中が大混乱に陥っているようなパニック映画風の描写はないし、地球空洞説とか、何やら昔の「海底軍艦」(1963)に登場する「ムウ帝国」を彷彿とさせるような地底帝国など、懐かしのSFアイデアが登場するのも嬉しいと言うよりもなんとなく面映ゆいし、環境テロリストの過激な思想などもどこか白々しく見える。 色々アイデアは盛り込まれてはいるのだが、それらが展開を面白くしていると言うよりはちゃめちゃすぎて逆に白けさせているようにも感じられ、全体的には何となく陰気な「ゴジラ FINAL WARS」と言えなくもないような気もする。 「ゴジラ FINAL WARS」(2004)も「怪獣総進撃」などを含む昭和ゴジラや東宝特撮の大パロディで決して褒めるような出来ではなかったけれど、明るいバカ映画に徹していただけまだかろうじて救いがあったような気がするが、陰気なバカ映画はいただけない。 陰気とシリアスは別物。 CGI怪獣は丁寧に作られているが、都市破壊シーンなどは黙示録と言うかダークな幻想絵画のように撮られているために、名所旧跡や都会の有名なビルが次々に破壊されていく爽快感などは薄かったとも思う。 CGIシーンに問題がないわけでもなく、大気フィルターをかけまくっているので、アナログで言うところの「フォグ効果」が強めで雰囲気は出るのだが、その分現実味に乏しくなり、現実世界に怪獣という異物が混入して来たミスマッチの面白さが希薄になっている。 キングギドラやモスラなど、太陽光の下で見たらどんな体表の色なのかさえ判然としない始末。 エメリッヒ版「GODZILLA/ゴジラ」(1998)の頃はまだCGI技術が今ほどではなかったので、陰鬱な雨のシーンや夜景でダークな雰囲気だけではなくCGIの出来をごまかす…という発想も理解できなくはなかったのだが、「ジュラシック・ワールド」シリーズや日本の「シン・ゴジラ」でさえ、デイライトシーンを普通に使うようになっている今、全編ダークトーンを強調するという手法は「初代ゴジラ」の頃のイメージやラブクラフト的な独自の世界観としては理解できるものの、万人向けなのかどうか? そういうダークトーンを使うにふさわしい深みのあるテーマなのか? 同じくダークなシーンが多かった前作「GODZILLA ゴジラ」でさえ、ムートーがラスベガスを通り過ぎるシーンなどではデイライトシーンを使ってメリハリをつけていただけに、今作の画調は好みが分かれるところではないだろうか。 この作品は「ゴジラVSコング」へと続く「モンスターヴァース」の橋渡し役的存在であり、東宝も世界進出のために資金協力している以上、興行的に何とかヒットしてもらいたいのだが、出来を見る限り結果は厳しいかも知れない。 エンドロール後のエピソードは次の「ゴジラVSコング」への伏線と思われるが、テロリストのアランがかつて天本英世が「キングコングの逆襲」(1967)で演じた「ドクターフー」になる予感も無いではない。 個人的にはキャラ的に一番好きなキングギドラが見れただけでも良しとすることにしよう。 |
▼▼▼▼▼ストーリーを途中まで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
2019年、アメリカ映画、マックス・ボレンスタイン+ザック・シールズ脚本、マイケル・ドハティ脚本+監督作品。 古代の遺跡風ワーナークレジットとレジェンダリークレジット (回想)2014年 サンフランシスコ 都市が空襲を受けたかように壊滅炎上する中、幼い女の子を抱いた女性科学者エマ・ラッセル(ヴェラ・ファーミガ)と夫の科学者マーク・ラッセル(カイル・チャンドラー)は、行方がわからなくなった息子のアンドリューを必死に探し回っていた。 都市が壊滅したのは突如出現した巨大生物ゴジラがムートーと市街地で戦っていたからだった。 エマは遠ざかってゆくゴジラの巨体を見上げる。 (回想明け)ゴジラとムートーによって破壊されたサンフランシスコで2014年の悲劇の追悼集会が開かれたこと、悲劇を生み出した「モナーク」の活動に非難が起きていること、政府は巨大生物の抹殺計画を進めていることなどを知らせるテレビニュースが流れるある朝、失った息子のことを思い出していたエマ博士は涙を流していた。 キッチンにいた娘のマディソン・ラッセル(ミリー・ボビー・ブラウン)は、長らく会ってない父親からの写真が送付されたメールを見て、会いたいわ、話があるの…と返信するが、その時突如火災報知器がなり始めたので、コンロにかけっぱなしだったフライパンのベーコンが焦げているのに気づき、慌てて熱くなったフライパンをシンクの中に落とす。 そこに母親のエマがやって来て、何してるの?と聞いてきたので、朝食を作っていたのと弁解し、パパからのメールが来たことも教えるが、エマは、あなたが傷つくのを見てられないと何故かエマは表情を曇らせる。 パパは大丈夫よね?とマディソンは案ずるが、良いニュースを聞きたい?仕上げが出来たのとエマが言うので、効果あると思う?とマディソンが聞くと、もちろん!とエマは自信を見せる。 その時、室内の電灯が揺れ、地震を感じるが、マディソンはエマにきっとうまくいく!と伝える。 エマの無線にラッセル博士!隔離エリアに来てください!との呼びかけがあったので、エマはマディソンを連れ、今いる中国雲南省の洞窟の中に入ってゆく。 そこでは巨大な蛾の文様が刻まれた遺跡の発掘がモナークによって行われており、その奥の洞窟内では巨大な蛾の幼虫のような巨大生物を仲間の研究者たちが監視していた。 鎮静剤は?とエマが聞くと、効果なしと男性研究者が答えるが、生まれようとしているのよ!ついにその時がきたのよ!とエマは巨大生物を見ながら喜ぶ。 幼虫の様な巨大生物が動き出したので、ご紹介しよう、この土地での呼称はモスラ!と男性研究員が叫ぶ。 しかし計測装置が危険を呼びかけたので研究員たちはすぐに異常を察知する。 モスラの幼虫は粘液性の糸をガードマンたちに吐きかけ襲いかかってきたので、ガードマンたちは応戦しようと身構えるが、それをダメ!と制したエマは、私に任せなさいと言いながら、ガラス張りの地域の入ってゆこうとしたので、マディソンは、ママ、ダメ!と声を掛ける。 その声を無視してモスラの幼虫のいる区域に入ったエマは、荒ぶるモスラの幼虫が迫る中、完成したばかりの装置「オルカ」を起動させモスラの生体周波数を分析し始める。 マディソンはそんなエマを守ろうと自分も隔離区域の中に入る。 やがて「オルカ」が周波数を特定したので、エマは急いで「オルカ」の周波数発生スイッチを入れる。 すると暴れていた幼虫はにわかにおとなしくなったので、部屋の外から見守っていた男性研究員は、信じられない!やったぞ!と喜ぶ。 おとなしくなったモスラの幼虫を見ながら、エマとマディソンはアンドの笑みを浮かべるが、その時突然、背後の部屋で爆発音が聞こえる。 振り向くと老いたアラン・ジョナー(チャールズ・ダンス)をリーダーとする謎の武装集団が侵入し、研究員やガードマンたちを射殺していた。 その頃、ワシントンD.C.では、「モナーク」の芹沢猪四郎博士(渡辺謙)、ヴィヴィアン・グレアム博士(サリー・ホーキンス)らを招いてムートーの都市破壊映像を映写しながら当時の事件についての公聴会が開かれていた。 女性議長は、「モナーク」は巨大生物の抹殺計画が目的だったはずなのに、計画が進んでいない、なぜ?今こそ軍に任務を移すべきでしょうと説得する。 しかし芹沢博士は、怪獣を蘇らせたのは人間であり、今後は巨大生物と人間は共生しなければいけないのですと出席した議員達に申し出る。 それを聞いた議長が、ゴジラをペットにするとでも言うの?と皮肉を言うと、我々がペットになるのですと芹沢は言い返す。 その時、グレアム博士の携帯が鳴り、隣に座っていた芹沢に何事かを伝えると、2人が急に立ち上がって会場から出て行こうとしたので、議長は注意するが、博士達には急用ができたようです、皆さんには怪獣の生殖システムの映像でも見ていてくださいと言い残し、残っていたサム・コールマン(トーマス・ミドルディッチ)も席を立っていってしまう。 その頃、マーク・ラッセル博士は狼の生態を研究するため、望遠レンズでの写真撮影と声の録音中だった。 そこに突然、オスプレイ機が降下して来て、中から出て来たのは芹沢とグレアム博士、それにサムだった。 芹沢博士はマークに、雲南省の隔離地域が謎の集団に襲撃され、エマとマディソンが連れ去られたと現場から送られて来た映像の最後の部分を見せながら教える。 2人を守れなかったことを芹沢が詫びると、マークは、奴らの目的はこの「オルカ」です、その原型は私が作った…と、映像に映っていたエマが持っていた機械を指しながら答える。 初対面のサムが自己紹介した後、グレアム博士が、「オルカ」はエマがまた作り直したのですと教える。 マークは、「オルカ」は元々、鯨の群れからオルカを遠ざける目的で作っていたんだと教えると、だからこそ取り戻さないとならないのです、家族を救うには「オルカ」を見つけねばならないと芹沢が説得する。 マークは、エマと最後に話し合ったのは3年前だった、みんなでボストンに帰ることにしたが、エマは研究に没頭することで現実を忘れようとし、俺は酒に溺れた…とオスプレイに乗り込んで飛び立った後、芹沢らに打ち明ける。 サムが今「モナーク」が生態周波数を監視中の世界中の怪獣情報を見せると、いったい何体いるんだ?とマークは驚く。 芹沢博士は17体だと冷静に答える。 怪獣が眠っている場所はカンボジアやドクロ島などにあると教えた芹沢は、マークが息子を殺したゴジラを殺したがっていると見抜く。 やがて芹沢やマークが乗ったオスプレイは、バーミューダの海底油田基地に接近する。 そこは「モナーク」の「キャッスル・ブラボー」と呼ばれる新しい機関基地だとサムは教え、オスプレイは開閉した床扉から地下深くに降下してゆく。 ここにはゴジラがおり、僕らが見つけましたとサムが自慢する。 基地に到着したグレアム博士は、エマとマディソンを誘拐したのはアラン・ジョナー(チャールズ・ダンス)というエコテロリストだとマークに教える。 監視装置に座っていたスタントン博士(ブラッドリー・ウィットフォード)はモスラの幼虫の映像を見ながら、これは赤ちゃんだ、これからどんな成虫になるかわからないと指摘すると、マークは罠に陥るだけだ、君らがモスラに気を取られている隙にもっと大物を敵は狙っていると注意する。 そしてマークは、アドバイスがある、みんな殺せ!こいつもだ!とゴジラも指して忠告すると、エマは怪獣を憎んでいる、憎んで当然さ…とマークは付け加える。 南極の「モナーク」32前線基地 輸送機から降り立った武装したエコテロリストたちは、基地を守っていた「モナーク」のスタッフたちを次々に射殺してゆく。 それを見たマディソンが怖いよとエマに訴えると、私もよとエマは答える。 「モナーク」のスタッフが皆殺しにされた基地内に連れて行かれたエマとマディソンは、巨大な氷の中に眠っていた巨大生物を目の当たりにする。 それを見たマディソンは、モンスターゼロ!と怯える。 アランは部下に、生存者の有無を確認するが、ありませんとの答えを聞くと、作戦行動開始!と命じ、部下たちはモンスターゼロが埋まっている氷に複数の爆破用穴を開け始める。 エマは「オルカ」でモンスターゼロの生体周波数を分析し始める。 「キャッスル・ブラボー」では、マークが息子も揃っていた昔の家族写真を見ながら悲しみに暮れていた。 その時、基地内に地震のような揺れを感じ、総員戦闘態勢に入れ!との黒人女性の大佐の指示が出る。 作戦本部に来たマークが何があった?と聞くと、ゴジラ観測用のドローンが壊された、普通じゃないと聞き、スタントン博士、分かりそうか?と尋ねる。 エマがゴジラの生体周波数の分離に成功したのとアイリーン・チェン博士(チャン・ツィイー)が教える。 そこにやってきた芹沢が、攻撃は止めろ!武装解除!と命じたので、大佐もその言葉に従う。 するとアイリーンが、ゴジラの心拍数が落ちてきていると計器を見ながら言う。 マークはシールドを開けるんだ!こちらが敵じゃないと知らせるんだ!シールドを開けろ!と命じると、芹沢も開けろと同意する。 シールドを開けると、スクリーンの向こうでゴジラがこっちを向いており、背びれ部分が明るく輝いていた。 アイリーンが、あれは一種の威嚇行為よ、ゴリラのドラミングみたいなもの、ただし相手は私たちじゃないと司令室にいたマークらに教える。 その時、突如ゴジラが向きを変えどこかへ向かったので、シールドを閉めた後、ゴジラの移動方向から行動を予測し、何かを見つけたんだ、行く先は南極だ!と言うスタントン博士に、そこだ!南極には何がある?とマークが聞くと、アルゴを呼びなさい!と大佐が部下に命じる。 アルゴとはモナークの司令飛行機だった。 それに乗り込んで南極に向かうことになったマークは、エマはモンスターゼロを蘇らせるつもりだと見抜く。 スタントン博士は追尾していたゴジラを見失った、昔から地球空洞説というのがあるが、ひょっとしたらゴジラはある地点からその空洞の世界に潜り込んだのではないかと推測を述べる。 南極基地では、モナークのある語学接近してきたことに気づき、アランは氷の穴に仕込んだ爆薬を爆破するよう部下のアッシュに指示する。 爆破装置を持ったアッシュたちは一斉に基地から脱出しようとする。 そこにモナークのアルゴが到着し、基地内に隊員たちが突入してゆく。 しかし、エコテロリストの一味には、エマたちが人質として取られているので、打ち方を控えるよう大佐は命じる。 一緒に基地内に侵入したマークは、落ちていたモナークの銃を拾い上げる。 モナーク隊員ジャクソン・バーンズ(オシェア・ジャクソン・Jr)は、敵のシルエットを確認し銃を身構える。 アッシュを射殺すると、こっちへ来い!と妻と娘に呼びかける。 マークがいるのに気づいたマディソンは驚き、一瞬父親の方へ向かおうとするが、何故か夫の方へ動こうとしない母のエマに気遣い、結局エマの方へと戻ってしまう。 アッシュが落とした起爆装置を拾い上げたエマは、ごめんなさい!逃げて!と言うと、自らそのスイッチを入れる。 氷の穴に入れていた発破が爆発し、モンスターゼロを封じ込めていた氷が崩壊し始める。 マークが見守る中、エマとマディソンはエレベータに乗って地上へ向かったので、マークは地下に取り残されてしまう。 地上にたどり着いたエマとマディソンは、アランたちと共に輸送機に乗り込み脱出を図る。 マディソンはパパが死んじゃう!と案じるが、アランはエマに、何をしている?奴を起こせ!と命じる。 モナークの南極基地も壊れて行く中、エマは「オルカ」のスイッチを入れ、モンスターゼロの周波数を分析させる。 基地からなんとか外に出て逃げ出していたマークとモナークの隊員たちは、氷河に地割れが起き、割れ目の中から出現したモンスターゼロを見て驚愕する。 アルゴは南極から離脱しようとするが、モンスターゼロが引力光線を吐いてきたので離陸できなくなる。 一方、アランたちの輸送機に乗り込んでいたマディソンは、ダメ!と言いながら母親のエマを妨害しようとするが、エマはそれを振り払い、「オルカ」から分析した生体周波数を発生させる。 するとモンスターゼロの3つの首は互いに仲違いし始める。 アランたちの期待が飛び立った後、南極に取り残されていたアルゴの前にモンスターゼロが立ちふさがる。 もはやこれまでか?と思われた時、乗り込んでいたマークは海面が青白く光るのを発見する。 海から出現したのはゴジラで、それに気づいたモンスターゼロは翼を広げて威嚇する。 表現に上がり、モンスターゼロに近づいたゴジラはモンスターゼロの首を表現にねじ伏せる。 アルゴから外に避難していたマークたちは、間近で戦う怪獣同士の闘いに巻き込まれそうになる。 そこにモナークの救援機が接近してくる。 マークは、モンスターゼロが吐いた引力光線が地面に当たった爆風で、近くにあったコンテナに体を叩きつけられてしまう。 やがてモンスターゼロはどこへともなく飛び立って行く。 気が付いたマークは、いつの間にかアルゴの中に収容され寝かせられていた。 作戦室では大佐が、衛星からの報告は?と聞いていたが、分からないと言う答えだった。 隊員たちは、何故エマがあの怪物を目覚めさせたのか?的に脅されてやったに違いないと話し合うが、起きて来てその会話を聞いたマークが、強制されたわけではない、エマが自分の意思でやったんだと教える。 サムはエマを捜そす、それが先決だと発言する。 ゴジラは南米を横断しているとの報告が入ったので、住民はどうする?とマークは案じる。 その時突如、アルゴ内のスクリーンにエマとマディソンの姿が映し出され、パパ、ごめんなさいとマディソンが謝ってきたので、お前が謝ることではないとマークは言い聞かせる。 スクリーンの中のエマは、あなたには分からないでしょうけど、私は世界を救いたいのと言い出したので、マークはバカなことを!と呆れる。 アンドリューを亡くした後、私はずっと答えを探している…、何か理由があると思った…、彼らを止めることを考えれば行き着く先には人類がいた。 人類が地球を支配してから環境破壊や様々な害毒を蔓延させた…、原因は私たち! 地球を元の世界に戻すの、怪獣たちのものへと… 破壊者になるのよ!とアイリーンは反論するが、人類を滅ぼしても命は再生する、サンフランシスコでもすでに生命が復活してきている、「オルカ」を使って秩序を取り戻すのよ!とエマは力説する。 何十億という人類を犠牲にする!と芹沢は警告するが、マディソンは強くなってるわとエマがマークに伝えたので、世の中には制御できないものもあるんだ!今更あの子は戻らない!とマークは呼びかける。 それでもエマは、皆さんを避難させるんです、モナークは昔から世界中にシェルターを作ってきました、急いで逃げなさいと言い終えて映像を切る。 アルゴへの連絡を終えたエマに、アランは、博士!と急かすが、エマが泣いていることに気づいたマディソンは、ママ、もう止めて!と呼びかける。 しかしエマは、あなたも納得していたはずよと逆に言い聞かせようとする。 アランは迷いを見せるエマに、君のプランだ、今やらないと全て無になる!と急かす。 エマは決意し、また「オルカ」を起動させる。 メキシコの火山島 「イソラ・デ・マーラ」 島民たちはモナークのチームGの指揮の元、避難を始めていたが、突如警告音が市外に流れ、火山が爆発し、その火口からラドンが出現する。 アルゴと軍の戦闘機が火山に接近してくる。 あの名は?と大差が聞くと、アイリーンがラドン!と教える。 スタントン博士は、巨大なハリケーンがアメリカに接近している!と計器を見ながらいうので、ただのハリケーンじゃないということ?とアイリーンが聞く 攻撃されることを予測したかのようにラドンは火口から飛び立つ。 荷物を抱えて逃げていた子どもの背後に飛来したラドンが接近する。 ラドンの飛翔が巻き起こす衝撃波に吹き飛ばされそうになった子供をチームGの隊員が掴み、近くの柱に捕まって、子供が吹き飛ばされないように踏ん張る。 それでも数名の隊員が衝撃波で吹き飛ばされる。 ラドンはハリケーンの中にいるモンスターゼロに向っている!とスタントン博士は推測する。 ラドンはスクリュー回転飛行して翼で戦闘機を撃破してゆく。 予測通り、ラドンはハリケーンの中に雲の中に飛び込むが、そこにはモンスターゼロが待ち受けていた。 殺しあってるぞ!とスタントン博士が叫ぶ。 その時、マークも機上していた友軍機のラプターに乗っていたジャクソンから動力システムに異常が発生したとの救援要請が入る。 モンスターゼロに飛びかかって行ったラドンだったが、難なく跳ね飛ばされ海に落下する。 そんな中、軍隊の提督がアルゴ内のスクリーンに出現し、攻撃を停止しろ、開発中だった新兵器が完成した、オキシジェン・デストロイヤーというその兵器は周囲にいる全ての生物を殺すというので、芹沢博士は、殺すべきではありませんと抵抗する。 しかし提督は、ミサイルはもう発射されたと冷静に告げる 操縦席にやって来たマークは、強引に機体の中の重い観測装置をスイッチを押して外し、床を突き抜けて海上に落下させ、機体を軽くする。 そのお陰でラプターは何とかアルゴの機体の中に収容される。 モンスターゼロが来た!逃げないとミサイルが来る!とスタントン博士は全員に呼びかける。 海中でゴジラとキングギドラが取っ組み合いの戦いを始め、ゴジラがキングギドラの左首を食いちぎった時、飛来したオキシジェンデストロイヤー搭載のミサイルが突っ込んで爆発する。 アルゴは何とか爆風の届かぬ空域に避難を終えていた。 ミサイルが爆発した海面には無数の魚の死骸が浮かび上がるが、キングギドラは左首を失った姿で飛び立ってゆく。 何をやった?とマークは驚くが、スタントン博士は計器を見ながら、ゴジラの心音は弱っていると教える。 やがてその心音も微弱になり、ゴジラは死んだとスタントン博士が知らせると、望みがかなったな…マークと芹沢が皮肉を言う。 一方、モンスターゼロは溶岩が流れる火山の火口に降り立つと、溶岩のエネルギーを受けたかのように左首が生え変わる。 その麓では、ラドンが平伏すようにギドラを見上げていた。 その後、アリゾナの油田から雲のような怪獣が出現、ドイツのミュンヘンの山も持ち上がり、怪獣が出現する。 日本の富士山、スーダンなど世界各地で怪獣が目覚め始める。 それに気づいたテロリストグループのアランは、一度に一匹ずつ怪獣を目覚めさせるはずだったのでは?と詰問すると、私、やってない!とエマも困惑する。 それを聞いたアランは、王が目覚めた‥と喜ぶ。 そんなエマにマディソンは、ママこそモンスターだわ!と非難する。 中国雲南省 ドクロ島からも異常が報告されていると聞いた学者たちは、こいつが呼んでいるんだ!モンスターゼロ!と気づく。 建物の外に出ていたアイリーンにモナークとの連絡が取れません!とスタッフが報告する。 アイリーンは巨大な満月の下、滝から巨大な昆虫の足が出てくるのを嬉しそうに眺めていた。 成虫になったモスラが滝の中で羽を広げ出現する。 その頃、アランと共に行動している母親の目的が異常すぎると気づいたマディソンは、世界の調和を取り戻すためよ!と説得してきたエマに、聞きたくない!全てはアンドリューのため!そう言った!こんなことしてアンドリューが喜ぶと思うの?最低!と怒鳴りつけ、自分用の部屋に閉じこもってしまう。 マディソン!とエマはドアを叩くがマディソンは無視する。 アルゴに再び乗り込んだアイリーンは、他の学者たちが「オルカ」の秘密について考えていた中、神話の中にヒントがある、自分は母娘三代に渡ってこの種の研究をしてきたと明かすと、ドラゴンは東洋では龍と呼び、神聖なものとして崇めたてられていたとマークらに教える。 ゼロには何故オキシジェンデストロイヤーが効かなかったの?と大佐が聞くと、神話に手がかりがあるはずですと答えたアイリーンは、過去の世界の壁画などの映像をモニタリングし、地球の生物ではないからでは?と推測を言う。 宇宙生物か…、偽りの王か!マークやスタントン博士は気づく。 アイリーンは古い文献によると、モンスターゼロはギドラと呼ばれていたと伝える。 キングギドラ? その時、新たな怪獣の出現でモスクワの前線基地が襲われたとの報告が入る。 アイリーンは、彼らの行動を予測できますと言い出す。 マークも、今のボスはギドラだ!ギドラを倒せば他の怪獣たちは鎮まると指摘する。 その頃、エコテロリストのアランとエマは、次の計画について話し合っていた。 球場をアンプ代わりにして、そこから「オルカ」の周波数を流せば怪獣たちが集まってくる…という2人の話はマイクを通して、マディソンが引きこもっていた部屋のスピーカーからも流れていた。 マークは「キャッスル・ブラボー」基地のある海上油田からラプター機に乗って独自にマディソンたちを探しに行こうとしていたが、上空を光るモスラが飛び去ってゆくのを目撃し、思わず雨の降る外に出て見上げる。 芹沢もおもわず、美しい…と呟く。 モスラ…、怪獣の女王!と説明する。 その時、ゴジラの心音が微弱ながら聞こえる!とのスタントン博士の言葉を受け、生きていたのね!とアイリーンは喜ぶ。 ゴジラとモスラは良い仲ってことか!とジャクソンは驚く。 場所は分かるか?と芹沢が聞くと、わからない、でもモスラなら…とスタントン博士は言う。 その時、基地内に戻ってきていたマークが、核は何発残っている?と聞いてくる。 軍人たちは、お偉いさんたちは何を考えてるの?と聞くと、知らないのか?ゴジラを蘇られるんだ!とジャクソンが教える。 芹沢やマークが搭乗した潜水艦が基地を出発する。 マークは、芹沢が広島で亡くなった父の形見の懐中時計を見ているのに気づくと、何時だ?と聞くので、そろそろ買い換えなければな…と芹沢は言い訳しながら時計をしまう。 マークは、アンドリューを思い出すんだ、いつも誰かが時計を取り出すと、時間を尋ねている子だったんで…と打ち明ける。 それに対し芹沢はマークに、傷を治すには原因を受け入れるんだ…、だからここにいるんだろう?理性で受け入れられないことはたくさんある、受け入れなければいけないんだ…自然は調和させる力を持っているんだ…、我々は何をやるべきなのか?と優しく言い聞かせる。 その直後、潜水艦は大きな渦巻きに巻き込まれ海底深く沈んでいく。 一方、エコテロリストの隠れ家にいたマディソンは、母親エマの目を盗んで「オルカ」を盗み出すと、密かに外界へと逃げ出す。 そこはボストン郊外だった。 ワシントンD.C.では、軍隊も出動し、モナークと協力しあって怪獣に全面対決することになる。 アルゴに乗り込んでいた大佐は、始めるよ!と檄を飛ばす。 スタントン博士は、自分たちが乗っている潜水艦がいつの間にか見知らぬ空間にいることに気づき、やっぱり地球空洞説は正しかったんだ!と喜ぶ。 芹沢博士は、探査艇を出すよう指示する。 探査艇から送られてくる映像を潜水艦のモニターで見ていた芹沢やスタントン博士らは、突如映った巨石像の顔に驚いていた。 古代ローマか?古代ギリシャの遺跡か?と驚きの声が上がる中、いや、こいつはもっと古い!とスタントン博士は断ずる。 太古からの言い伝えは本当だった!とアイリーンも感激する。 芹沢はスタントン博士に、ゴジラの位置を特定させる。 避難民も集まっていたボストンのフェンウェイ・パーク球場にやって来たマディソンは無人の放送席に侵入し、盗んできた「オルカ」を球場内のスピーカーに接続する。 室内にはニュースが流れており、世界各地での怪獣の出現を神々の復活と例えていた。 放射線が高い地域にゴジラがいると突き止めたスタントン博士は、この先に呼吸ができるエアポケットがあると指摘すると、ここがゴジラの家だ!と芹沢が断定する。 しかし、ゴジラの自然治癒を待つには何年もかかるとアイリーンは指摘する。 さらに渦巻きに巻き込まれ衝突したせいで核ミサイルの発射ができなくなっていたという知らせも届く。 核弾頭を誰かが運んでいくしかないが、生きて戻れないな…とスタントン博士やアイリーンは苦慮する。 その時、芹沢博士が、私が行くと言いだす。 その頃、アルゴにいた大佐は、世界中の怪獣たちの動きが止まったと聞き、何が起きているっていうの?と戸惑う。 フェンウェイ・パーク球場のスピーカーから、マディソンが発信した「オルカ」の生体周波数が流れていた。 その頃、エコテロリストのアジト内では、マディソンの姿が見えなくなったことに気づいたエマが、マディソンにあてがわれていた部屋の床に落ちていたタブレットに映ったかつてアンドリューもいた頃の家族写真を見て、娘が逃亡したことを悟る。 放射能防護服を着込んだ芹沢に、ともに働けて光栄でしたとスタントン博士が握手を求める。 芹沢はマークに皆を頼んだと後を託すと、個人用潜水艇に乗り込み、潜水艦から出発する。 エアポケットの空間にやって来た芹沢は、潜水艇から神殿のような場所に降り立ち、核弾頭を抱えて大きな階段を登ってゆく。 そこにはゴジラが横たわっていたので、その目の前に置いた核弾頭の起爆スイッチを入れた芹沢は、ヘルメットを脱ぎ、ゴジラの鼻先に手を触れながらさらば友よ…と語りかける。 次の瞬間核弾頭が爆発する。 その爆発に巻き込まれまいと急速避難していた潜水艦は海上に浮上する。 艦長は救援信号を送れと命じる中、マークは甲板に出てみる。 やがて復活したゴジラがマジかの海面に姿を現し、天空を見上げて白熱光を発射する。 その後、ゴジラが潜水艦の方へ向いたので乗務員たちはビビるが、マークは落ち着いて動くんじゃないぞと声をかける。 やがてゆっくり向きを変えたゴジラがその場を離れていったので、アイリーンは、大丈夫?と問いかける。 するとマークは、そうか、分かったよ!エマたちを助ける!エマがボストンで「オルガ」を発信してゴジラを呼んだんじゃない!と答える。 その頃、娘を救出に1人で行こうとするエマをアランが制止しようとしていたが、私は既に息子を1人無くしているのよ!娘だけは助けないと!と夢中になっていたエマは、アランに銃を向ける。 テロリストたちも一斉にエマに銃を向けるが、アランは呆れて、好きにするがよいと答える。 マディソンはビルの屋上から双眼鏡で周囲を伺っていたが、やがて雲のようなものが急速に接近して来たので急いで球場内に戻る。 やがて雲のようなものの中からギドラが出現する。 マディソンは、放送室にあった「オルカ」の接続ケーブルを外す。 ギドラは、急に「オルカ」の周波数が止まったので、引力光線を吐いて球場を破壊する。 外に逃げ出していたマディソンは「オルカ」を遠くに投げ捨てる。 そんなマディソンに気づいたギドラが光線を吐こうとするが、その時、突然、横からギドラに白熱光が当たりギドラは倒れる。 ゴジラがモナークのアルゴらと共に到着したのだった。 ゴジラとギドラの戦いが始まる。 アイリーンは、芹沢のために!と決意を口にする。 ジャクソンは、ゴジラ、前よりでかくなってないか?と驚く。 パワーを与えすぎたらしいとスタントン博士は見抜く。 マークはモナークの隊員たちとともにボストンの球場に到着し、ゴジラとギドラが戦っている足元でマディソンを探すが、ジャクソンが壊れた「オルカ」を見つけただけで、マディソンの姿は見つからなかった。 ギドラの三つの頭が次々にゴジラの体に噛み付く。 その時、モスラが飛来しゴジラを助けようとするが、横からラドンが襲いかかって来る。 マークらの側に駆けつけた車からエマが乗って!と声をかけてくる。 ジャクソンらと共に車に乗り込んでその場を脱出したマークだったが、エマとの口喧嘩が始まったので、後部座席の乗っていたジャクソンが、俺だって自分の親がこんなだったら家から逃げ出していたよと皮肉る。 それを聞いたエマとマークは、家だ!と気づき、急いで自宅へ向かう。 ギドラは発電所を踏み潰して電力を体内に取り入れると、つばさから空中に向かって放電を始める。 アルゴではスタントン博士が、ゴジラ体内の放射線レベルが臨界を超えそうになっていると警告する。 危険を察知したモナークたちは撤退を始める。 ラドンと戦っていたモスラは、カマキリのような前足でラドンの胸を突き刺し、ラドンは落下する。 しかしモスラも既に弱っていた。 エマとマークの自宅は倒壊していたが、必死に室内を探し、倒壊した天井に覆われていたバスタブの中で気を失っていたマディソンを発見する。 エマとマークが必死にゆり起こすと、マディソンは息を吹き返す。 地上に落ちたモスラは、倒れていたゴジラの体を乗り越えギドラに飛びかかっていくが、引力光線で焼かれてしまう。 燃え尽きたモスラの身体から青白い鱗粉が拡散し、倒れていたゴジラの体に降り注ぐ。 マークはコワレタ「オルカ」を修理し、なんとかギドラをゴジラから引き離して時間を稼ごうと考える。 応急修理した「オルカ:のスイッチをマディソンが押す。 その時、救援機が接近して来るのが見えた。 それに気づいたマークが、行くぞ、エマ!と呼びかけ、マディソンと共に救援機に乗り込もうとするが、エマは私はちょっとやることがあるから先に行ってと言い出す。 エマは「オルカ」を持って車に乗り込むとその場から離れる。 救援機の搭乗口からその様子を見ていたマディソンは、ダメ!と叫ぶが、時間がないので救援機はマークとマディソンを乗せ飛び立つ。 「オルカ」の周波数を狙ってギドラが迫って来る中、エマの車は何とか救援機の側から遠ざかろうとする。 ギドラは翼を使い四足歩行で追ってきたが、やがて飛んで迫って来る。 ギドラは車に乗って引力光線を吐き、車は横転し、エマは路上に投げ出される。 なんとか仰向けになり迫って来るギドラを見守りながら死を覚悟したエマは、目覚めよ、王よ!と呟く。 放射線レベルが臨界点に達したゴジラは、赤く輝きながら復活する。 バーニングゴジラから赤い熱戦がギドラに向かって放射される。 ゴジラが倒れたギドラを踏みつけ大爆発を起こす。 気がつくと、ゴジラはギドラの千切れた首を根本からくわえていた。 背ビレが光り、ゴジラはギドラの首をくわえたまま白熱光を吐く。 白熱光はギドラの口から放射されたかのように見えるが、次の瞬間ギドラの頭は砕け散る。 スタントン博士らは、ゴジラが生きていたことに安堵する。 アイリーンは、今はねと忠告する。 ゴジラの元に巨大なマンモス怪獣やクモンガのような怪獣が近づく。 ムートーやラドンもゴジラのそばに来ると、ラドンがゴジラにひれ伏すように頭を垂れる。 ゴジラは天に向かって吠える。 その後、巨大生物たちは元の自然に戻ったというニュースが流れエンドロール。 古代ギリシャに怪獣が存在した? アマゾンが復活した! 髑髏島に地震発生! 古代人と巨大生物は共生していた?などというニュースが流れる。 ウエットスーツを着込んでゴジラの着ぐるみを脱ぎ、笑顔を見せる在りし日の中島春雄さんの遺影と献辞。 「イソラ・デ・マーラ」 世界中が変わっちまった…、魚が死んでしまって商売上がったりだと愚痴をこぼしながら、漁師が誰かを案内して建物の奥へ案内する。 案内されてきたのはアランだった。 アランの目の前にあったのは、海中でのゴジラとの戦いの最中、オキシジェンデストロイヤーの爆発でちぎれたギドラの左首だった。 それを見たアランは、買わせてもらおう…と漁師に即答する。 |