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花のヒロイン 

 

 

 

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銀魂2 掟は破るためにこそある

人気コミック原作の第2弾

他にも似たようなマンガの実写化が立て続けに公開されていた時期の作品で、特に本作が際立って出来が良かった…と言う訳でもないような気がするのに、何故か成績は良かったと言う不思議な作品。

映画雑誌などの分析によると、興行成績が良かったのは「映画として出来の良さ」より「原作の雰囲気に近かったから」ではないかと言うものだったと思う。

原作を知らないので原作に近いかどうかの判断は出来ないが、前作に関して言えばナンセンス映画として見ても子供から大人まで幅広い層が理屈抜きに楽しめる作品だったと思うし、今作もコミック特有のナンセンス、パロディ、御都合主義、臭いセリフなど満載で、コテコテの暑苦しいマンガ好きには素直に楽しめる演出になっていたのではないかと思う。

本作も又、単純に楽しめる作品と言う事だ。

前半はほとんどギャグコント、後半は見ていて気恥ずかしくなるような臭いセリフとアクションの釣瓶打ちになっている。

内容からすると超大作のような展開なのだが、それをリーズナブルな予算でまとめている感じなので、一画面ごとを精査すれば安っぽさも見えるが、そこはギャグマンガなので…と言う事だろう。

暑苦しく臭いドラマ展開に歌舞伎出身の勘九郎さんの大仰な芝居がマッチしている…と言うより、最初からそう言う意図でのキャスティングなのだろう。

勘九郎さんもその辺の意図を汲んで外連味たっぷりの大芝居をしている印象。

その大芝居はコミックの世界に似合っており、映画初心者は案外素直に感動するのではないかと思う。

映画マニアが芸術として評価したり、映画賞を穫るようなタイプの作品ではないかも知れないが、元々歌舞伎もこう云う庶民向けの見世物だったはずで、その破天荒な世界に観客は只身を委ねれば良いのだと思う。

改めて勘九郎さんを良く見ると、お母様にそっくりな事が分かる。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2018年、映画「銀魂2」製作委員会、空知英秋原作、福田雄一脚本+監督監督。

かぶき町の便利屋「万事屋 銀ちゃん」の写真

いや〜、やりましたね〜! 「銀魂」実写版第1弾大ヒット!で、何と第2弾ですよ! 去年の実写邦画第1位ですからね!と志村新八(菅田将暉)が喜ぶと、でも日本アカデミー賞にかすりもしてないあると神楽(橋本環奈)が突っ込む。

誰なんだよ、主演男優賞穫った奴は…とおもしろくなさそうに坂田銀時(小栗旬)が聞くと、菅田将暉って奴あると神楽が教えたので、ええっ!何で!と驚く。

私服のセンスが微妙なあいつあると神楽も嫌みを言う。

CDデビューとかしてアーティスト気取りのあいつだな〜と銀時も軽んじたような感想を言う。

おやじさんが面白メガネしている…と神楽が言いかけると、それ以上言うな!良い役者さんですよ、菅田将暉!と新八が慌てて止める。

小栗旬なんてな〜、これだけやって来て日本アカデミー賞、一度もかすった事すらないあるよ…と神楽が情けなさそうに言う。

去年頑張ったのにな〜、「牛の肝臓食べたい」…と神楽が紹介すると、「君の膵臓」ね、「牛の肝臓」だとレバ刺しが食べられなくなって哀しいな的なドキュメント栄華になっちゃうからと銀時が訂正する。

良いんですよ、もう日本アカデミー賞にかすりもしなくても、たくさんの皆様に見てもらえて大ヒットしたんですからと新八が慰めると、そうだよね、日本アカデミー賞って(ピー)とか(ピー)だったりで特に(ピー)がピー)なだけの賞だもんね…と銀時が冷めたように言う。

うん、悔しいでしょうけど、今のセリフほとんど(ピー)で消され、皆さんにお届けできていないと思いますよと新八が冷静に指摘し、そんな事より!いよいよ映画始まるんだから!見て下さいとか愛想良くして下さいよ!と銀時たちに注意する。

ハ〜イ!カンヌでパルムドールを穫った今回の「銀魂」!と銀時が紹介すると、嘘つけ〜!と新八が止め、「万引きしてま〜す」と神楽が紹介すると、ダメだろう!と新八が突っ込む。

それでは「万引き万事屋」ご覧下さいと銀時が紹介したので、そんなタイトルじゃねえよ!と新八が怒ると、じゃあ「名探偵万事屋」!真実はいつも1つ!と神楽が混ぜっ返す。

だから他の人のヒットにあやかろうとするの止めろ〜!と新八は呆れ、「銀魂2 掟は破るためにこそある」ご覧下さい!と真面目にタイトルを言った後、アカデミー賞くれ〜!と未練がましく銀時が叫ぶ。

ワーナー配給ロゴ

劇場内で映画を録音、録音するのは犯罪だ、しっかり自らの目に焼き付けて心で持ち帰るのだ、機械に焼き付けるよりはるかに…と「映画泥棒』に扮した桂小太郎(岡田将生)が言うので、おい〜!と後ろの席から「やめとけ」と書かれた看板を持ったエリザベスが声をかけてくる。

もうさっき本物さん見たから!さっさと本編始めちゃえ〜!とエリザベスは注意する。

ワーナー製作ロゴ

「スター・ウォーズ」のスターデストロイヤーシーンのように、画面上部を被い尽くすように宇宙船がビル街に向かって飛んで行く。

侍の国…、僕らの国がそう呼ばれたのは今は昔の話… 20年前、この平和な江戸の街に突如、宇宙から宇宙人が舞い降りた。

僕らは彼らを“天人(あまんと)”と呼んだ。

天人は江戸の街を開発、幕府も彼らの傀儡となる中、かつて天人を排除しようと攘夷戦争が勃発。

その中には有能な攘夷志士が登場したが、多くの犠牲者を出した後に破れ、そして天人たちは更なる蜂起を恐れ廃刀令が発し、侍は衰退の一途をたどった…(と新八のナレーション)

んな事は知ったこっちゃないんだよ〜!と怒鳴ったお登勢(キムラ緑子)が、金がないなら腎臓でもタマキンでも売って金作らんか!おんどりゃ〜!と叫ぶ。

お登勢「スナックお登勢のママであり、万事屋銀ちゃんの大家」の紹介テロップが出る。

ガチンコ取りでやかましいんだよ、うんこババア!今月やりてえ、やりってえって言ってたゲームインストールしてやったじゃねえか、それでチャラだろう!と銀時が言い返すと、チャラな訳ねえだろう!そもそもそのゲームで課金したせいで金がなくなったんだ!とお登勢が言うので、知った事か~!良い年こいてババアが課金なんて知るんじゃねえ!と銀時は言い返しお登勢の襟首を掴む。

すると、キャー!皆さん見て下さい!老人虐待ですよ~!と往来の野次馬たちに呼びかけたお登勢は、いきなり銀時の原にパンチを3発食らわすと、最後には渾身のアッパーカットで銀時を空中に殴り飛ばす。

銀時は気絶して路上に落下して来る。

終わった、何もかも…と呟いたお登勢は、いきなり叫びだすと銀時の両足を持ってジャイアントスイングをする。

ああ〜!死ぬ〜!と銀時は叫ぶだけだった。 その後、ったく、たかが3ヶ月の家賃でガミガミ言いやがってよ…と「万事屋」のソファに寝そべり銀時がぼやくと、バイトしましょうと新八が提案するので、何度言ったら分かるんだよ、この万事屋がバイトみたいなものだろう?毎度毎度やる仕事が違うんだからよ〜と銀時は言い返すが、依頼を待つのとこっちからで向くのは大違いですよ、事実ここ一ヶ月何1つ仕事の依頼はない訳ですからと新八は言う。

それを聞いていた銀時は、おい!新八!おめえには男のプライドってもんがないのか!と睨みつけながらソファに起き上がった銀時は、俺たちはあくまで人に頼まれて仕事する…、それが万事屋の魂じゃないのか?と説教する。

それはそうですけど…と新八が答えると、とにかく腹が減ったら何とやらだ、飯食ってから作戦会議だ!と銀時は言う。

そこに、いや〜旨かった、旨かった…、外から秋刀魚焼いている匂いがして来てついついご飯が進んでしまったある…と言いながら、空になった炊飯器の釜を小脇に抱えしゃもじを持った神楽が部屋にやって来る。

唖然としながらその神楽を見た新八は、全部…、食べたの?と信じられないように聞く。

小脇に抱えた炊飯器の釜を覗き込んだ神楽が自分で驚いたようにおわお!と叫ぶと、匂いだけで5合いきます?と銀時が冷静に質問する。

炊き直すある、すぐに炊き直すある!と焦りながら神楽は台所へ駆け込んで行く。

すると、は!何者かが全て食い尽くしてしまった!と言いながら神楽が空になった米袋を下げて来たので、お前だよ!と新八と銀時が一緒に突っ込む。

バイト!バイトしかないですよ、銀さん!と進発がテーブルを叩くと、嫌です〜!と銀時は拒否し、ふて腐れて又ソファーに寝そべる。

分かった、昨日から私の手下になった奴にバイトさせるあると神楽が言うので、手下?と新八が聞くと、おい〜!お前ら!働け〜!と神楽が誰かを呼ぶ。

するとふすまが開き、バイト、バイト!と言う何者かが見えるが、そこにはモザイクがかかっていた。

それを見た新八と銀時は、いや〜!と恐怖で叫ぶ。

「スナック すまいる」と看板が出たキャバクラでは「フロアレディ 緊急募集 本日のみ 条件 可愛い女の子 殿方達と楽しくお喋りしながらタダで飲み食いするだけ お給料弾みます」と書かれたポスターが貼られていた。

フロアのソファには、その店でホステスのバイトをやっていた志村妙(長澤まさみ)がキャバクラ店長(佐藤二朗)と一緒におり、ご免なさいね銀さん、新ちゃんが何か良いバイトがないかって連絡くれたものだから…と、やって来た銀時、新八、神楽の3人に説明する。

すみません店長、姉弟揃ってお世話になるなんて…と新八が礼を言う。

うん、それに関してはね、何だろう?こちらこそ〜って言葉をね、お送りしたいと思いますと店長はおかしな台詞回しで返事して来る。

つまりね、何だろうな、え〜、我が店のトップキャバ嬢であるね、妙ちゃんのね、お勧めである…、つまりそれは何だろうな?つまりそれは何だろうな?間違いないだろう!とそう言う事ですと店長が言うので、しかし男を恋煩いにするはずのキャバ嬢が揃いも揃って風邪を患うって…、プロ意識の欠片もねえな、この店!と銀時はバカにする。

うん、あのね、ごめんなさい、本当にごめんなさい、それに関してはね、何だろうな?非常に何だろうな、ある種、ある種、ある種…、面目ない!面目ない〜やと言うね言葉をお贈りしたいと思います。

あのね、やはりですね、キャバ嬢1人でこの店の開店の決行、開店の決行、決行、決行、こけっこう!判断がちょっと出来かねた…とそう言う事!と店長は答える。

やっぱりお前は大したもんだな〜、バカは風邪引かないと言うのは本当の話!と銀時がたえに言うと次の瞬間電気スタンドのガラスが揺れ、銀時は鼻血を出していた。

妙は右手を痛がるように振り、ああ良いのが入った!急に良い角度で入ったね、急に良い角度で入ったね、これ非常に何だろうな?どうすかな?各自のぐらとうがまうすに向い…、あの…馬鹿野郎と言う事だよね、と店長は感心する。 僕はね、実はこう思っているんです、ようするに銀さんはね、何とかしてくれるんじゃないかと思ってるの、つまりね、銀さんてのは何だろうな?ある種、ある種、ある種、ある種、ある種、ある種、ある種顔が広いと言う事でね、まあ可愛い子の1人や2人、あるいは10人、なるいは、なるいは、なるいは、なるいは、なるいは、なるいは、なるいは50人、なるいは、なるいは、なるいは、なるいわい!なるいは100人、100人ですね…などと店長が言うので、妙も銀時も新八も神楽も笑いを堪えるのに苦労する。

100人ですよ、100人、友達100人出来るかな?…と、つまり100人じゃ足りないなと…、若干後ですね、声をかければ良いじゃねえか…と、ね、それでね、それでね、すぐ呼んでこれるべえと思って…とそんな風に思ってるのと店長が言うので、そんなのいるなら逆に紹介して欲しいよと銀時は呆れる。

すると神楽が挙手して可愛い子ならここにいるあるよと言うが全員無視し、今夜ね、うちに良く来る幕府のお偉いさんが来る事になっているのと店長が言うので、おい、無視してんじゃねえぞと神楽は怒る。

こんな上客は滅多にいない訳ですからね、ギャラも弾みますから…と店長が銀時に説明するので、おい!おい!B&フェイスこら!と神楽は突っ込むが無視させる。

後何人必要だ?と銀時が聞くと最低3人と店長は答えると、濃い化物メイクをした神楽がこれで後2人あるなと店長の背後に来て愛想を振りまくが、これもきれいに無視される。

その時突如手裏剣が飛んで来たので銀時はすばやくキャッチし、天井に向かって投げ返すと、何者かが落ちて来る。

何なんですか、突然天井から!と新八が驚くと、落ちて来たくノ一は、あ痛たたた…と言いながら起き上がるが、その紫色の頭には自分が投げた手裏剣が刺さっていたので、非常に良い、非常に良い角度で入ってると店長が論評する。

猿飛あやめ「始末屋のくのいち 銀時のストーカー」とテロップが出る。

ちょうど良い、おいおい立て!ストーカー、今夜お前はキャバ嬢だ!と言いながら銀時達が近づいて来たので、いやだ、いやだ!触らないで!とあやめが1人で手を延ばしながら抵抗するので、触ってねえぞと銀時は指摘する。

紅桜編か何だか知らないけど、実写版第一弾にはほんの一瞬も出番なし、やっとパーツ2で出番が来たと思ったらキャバ嬢になれ?くノ一の私にそんな…、そんなのって…と嘆いてみせたあやめだったが、興奮するじゃないの!どこまで私のつぼを心得ているのよ、銀さん!と急にやる気を見せる。

もはやキャバ嬢とは言いがたいけど、これはこれで良し!と店長は許可する。

これで後1人あるな…と化物メイクした神楽が店長に擦り寄って来るが、銀時が、後2人か〜と考え込んだので、真顔になった神楽は、泣くぞ、そろそろ泣くぞ…と言いながらその場を離れて行く。

その時、ごめん!表の貼り紙を見て参ったのだが…とやって来たのはエリザベスを連れた桂小太郎だった。

うんうぬんうん…、どう言う事これ?誰か表の貼り紙を貼り替えちゃったんだろうか?そんな悪戯をされちゃったんだろうか?と店長は銀時に聞く。

可愛い女の子募集と書いてあったもんでな〜と桂が言うので、合ってる、もの凄く合ってる、じゃあ何でこの人来ちゃったんだろう?と店長は戸惑う。

どうしたんですか、桂さん?と新八が聞くと、この桂小太郎、こう見えて化粧をすれば可愛い女の子に見えない事もないのだ…と桂が言い、横にエリザベスが「その通り」と書かれた札を出す。

だから?と銀時が聞くと、攘夷活動の資金が底を尽きつつある、キャバ嬢として荒稼ぎをさせてもらう…と桂が答えたので、むちゃくちゃですよ桂さん、あなたがいくら端正な顔…と新八が注意しかけた時、メイクして来なさい!と店長がいきなり命じたので、ええ!と新八は仰天する。

だめだ…タイムリミットが近づいて来て店長も正気じゃなくなっている…と銀時は呟く。

そこの泣いているちびっ子、ちびっ子も、支度良い?支度良いんじゃー?と店長が声をかけたので、ソファに寝そべり泣いてアイメイクが解けていた神楽も、店長〜!一生ついて行きます〜!と喜ぶ。

かくして妙、あやめ、女装した桂、化物メイクした神楽の4人が揃うが、ため息をつきながら銀時が案外いけた?と聞くと、案外いけた、案外いけたけど、ただ銀さん、これちょっと聞いて欲しいんだけどね、冷静に考えるとね、約2人、なるいは、なるいは、なるいは、なるいは約3人、ね?もうすぐにチェンジを言い渡される可能性があるよね、時にこの右の2人はね、ガリバーね、ガリバー旅行記の様相を呈していいるよね、やはり後2人は補充が必要だねと店長は言う。

客が来るまでもう30分もねえって言うのに2人も連れて来れる訳ねえだろう!とさすがの銀時も切れるが、かなりの乗客なんだ〜!と店長も粘るので、知ったこちゃねえや〜!と銀時も叫び返す。

その直後、何だ今日は、迎えの女少ねえじゃねえか…とぼやきながら店にやって来たのは松平片栗虎(堤真一)に、大丈夫ですよ、中にはたくさんいますから…と出迎えた妙がなだめる。

おいおい何やってんだ?おめえらも早く来いや!と入り口の方に向かって呼びかけた松平を、ほ〜ら、みんないますよ!と妙が笑顔で先導する。

松平片栗虎「徳川幕府警察庁長官」とテロップ いらっしゃいませ〜と整列して松平を迎えたのは、あやめ、桂、神楽に加え、女装した新八と銀時だったので、それに気付いた妙も、何故、お前ら?とビックリする。 仕方ねえだろ、後2人見つからなかったんだから!と銀時は顔で妙に伝える。

銀子で〜す、八恵で〜す!と挨拶した銀時と新八だったが、あれえ?今日は初めて見る子が多いな…、新人さん?と言いながら松平の後から店に入って来たのが近藤勲(中村勘九郎)と分かると、ギョエ〜!よりによって真選組?幕府のお偉いさんって言ってたじゃん、こんなのバレたらばかにされるどころか詐欺で捕まる可能性だってあるぞ、銀さんどうしよう!と慌てながら新八が銀時の方を見ると、銀時は突然顎を突き出し、しゃくれキャラになっていらっしゃいませ〜!と挨拶をするので、銀さ〜ん、まさか変装しているつもりなのか?それでいけるつもりなのか?と悩みだす。

すると銀時は、しゃっくとけ、とりあえずしゃくっとけ!しゃくっとけば間違いなくバレねえと小声で言って来たので、いやバレるよ!と新八は心の中で突っ込み、神楽ちゃん、何とか言ってくれよと反対側にいた神楽を見ると、神楽もしゃくって、グラ子で〜す!宜しくお願いしま〜すと愛想を振りまいていた。

もうやちゃってるよ、しゃくっちゃってるよ、この子!と新八が驚くが、やばいですよ桂さん、宿敵の真選組です!あなたが一番ヤバいでしょう!と更にその横に立っていた桂を思い出しパニクる。

すると、その桂までしゃくったので、しゃくった〜!と新八は驚く。

桂子です、趣味はラップですと桂が言うにを笑顔で近藤が見ているので、安堵した新八は、本当にバレないみたいだ、しゃくれ効果恐るべし!と気づくが、ちょっと〜、しゃくれる前に間違ってるよ!とあやめの扮装におののく。

いらっしゃいませと言うあやめは鼻に2本棒を突っ込む「どじょうすくい」の真似をしていたからだ。

しかし、おいおい、良い雌ブタがいるじゃねえか、姉ちゃん、俺がそんな棒よりももっと凄いもん腹にぶち込んでやろうか?とあやめの前に来た沖田総悟(吉沢亮)が話しかけたので、 おい〜!その心に火を点けちまったよ、お前らそれ以上しゃべるな!この映画、子供が見れなくなるっつうの!と新八は呆れるが、シンシュンシャンションショーなどとあやめがモゴモゴ言うと、言うじゃないかと起きたが応じたので、何で通じてるの?と新八は驚く。

おい総悟、その辺にしとけ!遊びに来たんじゃねえんだぞと注意したのは、いつも煙草を指から離さない土方十四郎(柳楽優弥)だった。

遠慮するな、おめえらも飲めや!と先にソファに座っていた松平が声をかけるが、いや、そうはいかねえと言いながら、真選組の連中は店の表に警護に出て行く。

それを見た新八は、何だ、飲みに来たんじゃないのか、この人達…、助かって…、え、でも何しに来たんだ?と首を傾げると、ごゆっくり楽しんで行って下さい、俺たちは外見張っときますので…、上様!と沖田が入り口で最敬礼して迎えて入れたのは、時の将軍徳川茂茂(勝地涼一)だった。

銀さん、今、上様って聞こえませんでした?と茂茂が目の前を通り過ぎた後、新八が銀時に聞くと、木と得たな〜、今上様って…と銀時も妙に確認する。

すると妙は、そんな訳ないでしょう、天下の将軍様がこんなキャバクラに来る分けないじゃないとバカにするので、な?上様って聞こえたよな?と神楽に聞くと、上様なんて良くある名前ある、領収書なんてほとんど上様ねなどと神楽もバカにする。

な、上様って…と銀時が桂にも聞くと、上杉さんって聞こえた…と桂も無視し、その後を、シンシュンシャション…と訳が分からない事を言いながらあやめも通り過ぎて行く。

そうだよ新八、こんな所に天下の将軍が来る訳ねえ!と銀時は片隅に新八を引っ張って来てこっそり言う。

すると松平が、お〜い、将ちゃん飲もうや!と両手をソファに広げてくつろいだように言うので、でも将ちゃんって呼ばれてますと新八も小声で銀時に答える。

可愛いあだ名ですね、将ちゃんなんて…、でも本名も教えて下さいなと茂茂にお酌をしていた妙が甘えた顔で聞くと、征夷大将軍徳川茂茂だ、将軍だから将ちゃんで良いと名乗ったので、まさか、もう、冗談がお上手なんだから!と妙は肩を叩いて喜び、ご職業は何なんですか?と聞くと、征夷大将軍だと言う。

聞いた事ない仕事あるねと神楽も理解できないように言い、よほど誠意のある将軍様なのね…などと妙は応じる。

すると店長が笑いながら、本物だ、本物だと手にしたお札と目の前の人物を交互に指して近づいて来る。

その内、ずわずわずわい!と訳の分からない事を言い出した店長は、あいからだ〜ん、あいからだ〜ん!と踊ったあげく、メガネを直して卒倒する。

それを見た銀時と新八は、店長〜!と叫んで店長に駆け寄る。

気絶した店長が右手に持っていた千円札には茂茂の顔が印刷してあったので、銀時と新八も、本物だ!とようやく理解する。

「すまいる」の店の前では整列して警護していた真選組が、2番隊、3番隊は裏を固めろ〜!などと機敏に動いていた。

お妙さ〜ん、この店は、近藤勲、命を賭けて〜、守り抜きま〜す!と近藤が戦車の上で歌舞伎の見栄を切ったので、あの人、守る人間間違ってるな…と沖田がぼやくと、将軍守るって言うよりマシだろうがと土方がぼやく。

しかし父っつぁんも困ったもんだ…、将軍に夜遊びの教授とは…と土方が言うと、江戸の町民の生活を見てみたいって聞かないらしいよと山崎退(戸塚純貴)が教える。

それでキャバクラっておかしいだろう?他にも色々あっただろう、こんなもん度々繰り返していたらたちまち攘夷浪士に狙われるぞと土方は苦言を弄する。

奴らの狙いは天人でしょうと沖田が言うと、天人も幕府も一緒だ、傀儡となった幕府も奴らの標的に過ぎないと土方は答える。

なるほどね〜、となるとこの警備はちょいと大げさじゃねえですかね?かえって目立つ…と沖田が指摘する。

だから俺は反対したんだと土方が言うので、そんなに不安なら回り見回って来て下さいよ、将軍の首を狙う輩がもうすぐそこにいるかも知れないと沖田が勧める。

舌打ちをして土方がその場を去ると、副長、俺も…と山崎も一緒に向かおうとしたので、山崎、良いから…と沖田が止め、首を横に振る。



「すまいる」の店の中では、桂が「攘夷」「JOY!」と書いた看板を持ったエリザベスとラップを披露していた。 ZURA!ZURA!やるならいましかねーZURA!攘夷がJOY!、JOYが攘夷!などと過激な歌詞を歌っていた。 ふざけたYOUに俺が天誅! 銀さん、てんぱっている、真選組はもういないのに、そして桂さん、どうして桂ップで勝負したんですか?僕には分かりません…と新八は考えていた。

すると松平が、ほい、この姉ちゃん、チェンジ!なぜなら、つまんねえから〜と言い出す。 すぐさま銀時が桂を背負ってその場から退室したので、何故だ、何故なんだ〜!ラップはおもしろい、つまらないで判断するものではないぞ!メッセージなんだ、世界へのメッセージなんだ!と桂は叫ぶ。

新八はそんな桂に、そもそもキャバクラで披露するものじゃないんです…と心の中で言い聞かす。

桂とエリザベスと楽屋裏に縛って座らせた銀時は、落ち着け、八!今度の仕事が巧く行きゃ、とんでもない大金が手に入る、家賃なんて向う10年は払えるような大金だ!しかしリスクもでけえ!粗相をしでかせば首も飛びかねねえ、だから落ち着け〜!と新八に言い聞かせるので、そう言ってるあんたが一番落ち着いてないよと新八は突っ込む。

幸い鈍い女共はこの事実に気付いてない、奴らに将軍の事は一切しゃべるな!攘夷を音に招いて必ず失敗する!と銀時は熱弁を振るう。 その時、お〜い、しゃくれ女と廃校寸前の学校に必ずいそうなお下げ髪のメガネ女!こっち来いや!と松来だが呼びかけて来る。

周りを見回した新八は、これ、僕たちの事でしょうか?と銀時に聞く。

すると縛られていた桂が、どう見てもそうだろう、それに銀時、チンコが目立ち過ぎだと、ドレスからもっこりしている銀時の下半身を見ながら注意する。 人気のない店の周辺を1人見回っていた土方は、全く面倒な話だぜ…とぼやいていたが、その時何者かに短針銃を首筋に撃ち込まれる。

いてっ!と首筋を押さえた土方はその右手に血がついていたので、何だこりゃ?と呟く。

その時、路地の暗い奥から、真選組副長土方十四郎殿とお見受けする…と言いながら浪人達が物陰から大勢姿を見せたので、さっきのやっぱり大げさ過ぎたんだよ…と土方は言う。

何を言ってるんだ貴様!侍でありながら天人に迎合し、甘い汁を吸う売国奴が!我ら攘夷の前兵が天誅を下さん!と浪人が罵倒して来たので、こっちは将軍守りに来てるんだ、すまんが、今夜は1人残らず切らせてもらうと土方は首を回しながら心の中で言い、身構える。

浪人達も刀を手に一斉に身構える中、行くぜ!と言いながら飛び込んで行くかに見えた土方は、急に浪人達の目の前に土下座をし、すみませ〜ん!と謝る。

浪人達は一瞬たじろぐが、頭を下げた当の土方自身も、あれ?何だこれ?何やってんだ俺?身体が勝手に…と戸惑う。

すみませ〜ん!命だけは、命だけは助けて下さい!草履の裏でも何でも嘗めますんで!と土方の意思とは裏腹に、身体は謝り続けるので、口が勝手に!と土方は驚く。

あっけにとられ笑い出した浪人の1人が、誰だ、このヘタレは?と嘲りながら土方の側に寄って来ると、あの土方十四郎が、あの鬼の副長として恐れられる男が、はは、何てざまだ!と別な浪人も近づいて来てバカにする。 土下座をしている土方は、どう言う事だ、意味が分からねえ…と自分の身体が言う事を聞かない事に動揺していた。

何だか知らねえが、絶好の機会だ、今まで世話になった分、きっちり返させてもらうぜと浪人が言い出し、ほらほら、草履の裏を嘗めやがれと言いながら草履を差し上げてみせたりして来る。

そして一斉に土方の頭を草履で踏みつけ始めると、てめえ!と怒った藤方が起き上がったので、浪人達は驚いて身を引くが、何が何だか分からねえが、俺がこんな事でやられる訳が…と土方は悩みながら刀を抜こうとするが抜けなかった。

浪人達も刀に手をかけ様子を伺うが、これくらいで勘弁して下さいと財布を差し出した土方は、3000円ありますんで…、TUTAYAのカードは勘弁して下さい、DVD借りれなくなっちゃうんで…と言うので、浪人達は又迫って来て土方をいたぶりだす。

だめだ…、俺は完全に抜かれちまっている…と土方は覚る。 「すまいる」では松平が、将軍様ゲーム!はじめるよ〜と嬉しそうに言い出していた。

ルールは簡単、将ちゃんが将軍だから、王様を将軍って替えただけ〜と言うので、まあ松平さんったら、またエッチな事考えて〜と茂茂と松平の間に座っていた妙が恥ずかしそうに笑う。

いや、今日は俺が視界だ、将ちゃんと若いもんだけで楽しんでくれやと鷹揚に答えた松平は、将軍と書いた割り箸を引いた者が…と言いながら束ねた割り箸を持ち上げようとしたので、松平様、その仕事は私にお任せ下さい、わざわざ手を患わせたくございませんと新八が名乗り出ると、うん?気が利くねえ!お下げちゃんに上げちゃう!と松平は喜び、割り箸を新八に渡す。

それを見ていた銀八は、良いぞ、新八!将軍の棒を将軍に!と新八と頷き合う。

新八は将軍と書かれた割り箸を意図的に目立つように持ち上げ、良〜し、将軍、行け〜!と念じながら割り箸の束を差し出す。

しかし茂茂がその割り箸を取ろうとしたその時、妙、神楽、あやめの3人が松平の頭を踏みつけながら席から飛び出し、我勝ちに割り箸を掴もうとしたので、最後の1本を握って転んだ新八は、何で?何でそんなまじなの?と叫びながら突き飛ばされるが、気付くと自分は1本しか割り箸を持っておらず、あ、ない!将軍の棒はどこに?と見渡す。

すると、私将軍だわ!と銀時が将軍と書かれた割り箸を見ながら言うので、さすが銀さん、空気を察知していち早く将軍の棒を!と新八は安堵する。

でも銀さんが将軍じゃ意味が…と新八が気付いた時、じゃあ4番引いた人、下着姿になって下さいと銀時は命じる。

それを聞いた新八は、そうか!これで将軍に楽しんでもらう事が出来るって訳だ、さすが銀さん!と新八は感心する。

しかしブリーフ一枚になったのは茂茂だった。 新八と銀時は、将軍かよ〜!と青ざめる。 松平はソファーに寝かされていた。

やべえよ、何で4番引いちゃったんだよ、バカ将軍!と銀時は心の中で恨む。

怒ってるよ、絶対怒っちゃってるよ、あれ!しかももっさりブリーフの日に…、恥の上塗りだよと銀時は嘆く。

すると、その思いが聞こえていたかのように、将軍家は代々もっさりブリーフ派だ…と茂茂が言うので、やべえよ、聞こえてたよ、なんで代々ブリーフなんだよと銀時は心の中でうろたえる。

とにかく早くあのパンツ姿を元に戻さないと打ち首獄門ですよ!と新八は銀時に囁きかける。

お前が将軍の棒を引け!と銀時は新八に命じる。 その時、やった〜!今度は私が将軍〜!とはしゃぐ妙を横目に見ながら、神楽は又外れある…とぼやいていたので、ええ!何で勝手に二回戦始めてるの!と新八は驚愕する。

どうしようかな〜?じゃあ3番の人がこの中で一番寒そうな人に着物を化してあげる〜!と妙は言いながら銀時たちの方にウィンクして来る。

姉上〜!そんな風にしてて分かってくれていたんですね!事情を全て把握していたんですね、さすがだ!と新八と銀時は感激するが、3番を引いてあやめの頭にブリーフをかけてやったのは茂茂で、将軍はすっぽんぽんの状態でソファに座っていた。

又、将軍かよ〜!と新八と銀時は青ざめ、やべえよ、この映画、頭からモザイク映像目白押しだよ、また中国で上映される時カットされるよ…、しかも将軍、あっちの方は将軍じゃねえよ、足軽だよ…と銀時は残念がる。

将軍家は代々、あっちの方は足軽だ…と、また茂茂が銀時の心を読んだかのように発言する。

やべえよ、聞こえてたよ、これもう100%打ち首獄門だよと銀時は観念する。 その時、パンツを被せられていたあやめが、ちょっとこれ臭いから脱いで良いですか?と言いながら将軍のブリーフを頭から外したので、ちょっと〜、将軍涙目になってる!絶対泣いてるよね、あれ!と新八は心の中で売る耐える。

おのれ、こうなったら逃げるしか…と銀時も観念するが、その時、じゃ〜ん、私、将軍ある!と神楽が割り箸を差し出したので、又勝手に!と新八は怒りだす。

う〜ん…、5番の人、コンビニでブリーフ買って来るある〜!と神楽が命じたので、神楽〜!さすが万事屋の一員だ、空気を察知していたんだね、ありがとう!と新八は心の中で感謝するが、買って来るとすっぽんぽんで立ち上がったのは茂茂だったので、やっぱり将軍かよ〜!と新八と銀時は絶望する。

その頃、暗い路地裏では、土方が浪人達に徹底的に足蹴にされいたぶられていた。

浪人が刀を抜いて差し出して来た事に気付いた土方は、ダメだ…、このままじゃやられる…と覚る。

その時、おい!と声をかけ飛び込んで来た助っ人がいた。

慣れた制服、慣れた太刀筋…、お前は…と倒れていた土方が考えていると、あっという間に浪人達を一掃した男が、真選組が浪人ごときに襲われていると思い駆けつけてみれば、こんな所で何をやっている?土方…とその助っ人は刀の血を拭いながら聞いて来る。

メガネをかけていた伊東鴨太郎(三浦春馬)だった。

特別警察 真選組屯所 近藤勲が升酒を掲げ、伊東鴨太郎君の帰陣を祝して乾杯!と音頭を取ると、集まった真選組の一同が揃って乾杯と答え、歓迎会が始まる。

いや、伊東先生、せっかくの帰陣の日にばたばたとして申し訳ないと升酒を飲んだ近藤が横に座した伊東に詫びると、少し聞きましたが、将軍が何か?と伊東が聞いて来たので、いやいやいや…、松平の父っつぁんの遊びにちいと付き合わされただけですと近藤は笑ってごまかす。

全く…、地上で這いつくばって生きる我々の苦労など意にも介さぬ連中だ…と伊東は呆れたように答えるが、そんな中、土方だけはタバコを吸うだけで黙していた。

日々強大化する攘夷志士達の脅威も忘れて何をお気楽なこと…と伊東が続けるので、近藤は、まあ善意でやった事でしょうから…と笑う。

近藤さん、あのような者達が幕府にあってはいずれこの国は滅びるだろう…、我々はいつまでもこんな所でくすぶっていてはいけない…などと伊東が言い出したので、さすがに近藤も真顔になる。

進まなければならない、僕らはもっと上を目指して邁進しなければならない!と立ち上がった伊東が言うので、近藤は頷く。

そしていずれは国の中枢を担う権力に!この混迷する国を救う事こそがこの時代に生まれた武士としての使命だと僕は考えると伊東は言いながら近藤の背後に立つ。

そのためならば僕は君にこの命を捧げても構わないと思ってると近藤の両肩に手を添えて話しかける。

近藤さん、一緒に頑張りましょう!と伊東が言うので、近藤も感激したような表情で、うん!頑張る!と答える。

しかし、何で先生なんて呼ぶのかな〜?家に入って1年ちょいの新参者だよ…と酔いが回って来た山崎が伊東の事を不思議がる。

参謀なんて新しいポストまでもらいやがってよと隣りの隊員が言うので、ま、無理もないか…、頭は切れるは、仕事は出来るは、おまけに北斗一刀流免許皆伝だからな…と山崎は自分で納得する。

同じ頭が切れるのであっても副長はあくまでも戦術かとしてだ、政治方面がやれるのはあの人しかいねえよと隣りの隊員が言う。

いやあ先生、酒の方もお強くなられましたな〜と近藤がお世辞を言うと、近藤さん、そいつを先生と呼ぶのは止めてくれないか…と、急に近藤の右側に座していた土方が発言したので、沖田も山崎も他の隊員達も注目する。

教えを乞うた者を先生と呼んで何が悪い?と近藤が聞き返すと、土方は黙って立ち上がるとそのまま部屋を出て行ってしまう。

満月の夜、外廊下に出た土方を待ち受けていたのは伊東で、2人がすれ違った時、土方君と伊東は呼び止め、君に聞きたい事があった…と言うので、奇遇だな、俺もだと土方は答え立ち止まる。

君は…と伊東が言うと、俺の事嫌いだろう?と土方は言い返す。 近藤さんに気に入られ、新参者でありながら君の地位を脅かすほどのスピード出世する僕が目障りで仕方ないんだろう?問い当が言うと、それはあんただろう、さっさと出世したいのに、上にどっかり座ってる俺が目障りで仕方あるめえよ…と土方は言い返す。 すると伊東は、ふんと鼻で笑い、邪推だよ土方君…、僕はそんな事考えちゃいない…と言う。

それを背中越しに聞いた土方は、良かったな〜、お互い誤解が解けたらしい…と無表情に答える。 目障りなんで…と伊東が言うと、そんな可愛いもんじゃねえさ…と土方は答え、互いに振り向き合って、いずれ殺してやるよ!と同時に言い放つ。

銀時達は、続いて「結ってちょんまげ」と言う名の床屋でバイトを始めていた。 あのさ、おかしいだろ、主人が旅行に行くから店番してろって…と銀時が言うと、派手な仕事は危険ですから…、昨日のキャバクラで懲りたでしょう?こう言った地味な仕事でコツコツ稼いで行きましょうよと新八がのんきそうにソファに座って答える。

ううん違う、俺が言ってんのは髪を切る免許も持ってない俺たちが店を任されるっておかしいだろうって言ってんの…と銀時は反論するが、先ほどから店のマンガを読んでいた神楽が、しかしここ「ゴルゴ17」が全巻揃っているある、毎日でもいられるわ…と感激していた。

こう云う店は休むって言うイメージを付けたくないんですよ、ただいるだけで良いって言ってましたから…と新八は答える。

目の前にカリスマ美容院が出来て絶対客来ないから大丈夫だって…と新八は目の前で長蛇の列が出来ている「Bi・You・In」と言う名の人気店を見ながら言う。

すると銀時は、客来ないなら心置きなく休めよと突っ込む。

店の奥では、あれ?良く見たら「ゴルゴ17」18巻だけないある…と神楽が気づき、店長、18巻どこあるか?と聞くので、知らねえよ!他の本と混ざっているからちゃんと探しなさい!と銀時は苛立つ。

すると神楽は、新八、一緒に探してよ〜と甘えて来たので、もう…、神楽ちゃん、僕たちバイトで来てるんだからね…と新八は注意する。 その時、銀時は店の前にやって来た真選組の沖田と土方の姿を見つけ、まずい!と身を伏せる。

次の瞬間、にやついて店の中を見つめる沖田と土方の前にいたのは瞬時に変装した銀時だった。

どうもどうも、おつかれさまで〜すと愛想を振りまく新八はハゲ面をかぶっていた。

沖田達が店の前を通り過ぎて行ったので、ダメなんだよあいつら…と銀時がため息をつき、どうして床屋なんか覗き込んだんだろう?と新八も安堵して店の奥へ向かおうとした時、おい「ゴルゴ17」の18巻返しに来たぜ…と言いながら店の中に入って来たのは松平片栗虎だった。

銀時、新八、神楽達がゆっくり入り口の方を振り返ると、あれ?いねえな…と松平は困惑し、その後ろから店に入って来たのは頬かぶりを目深にかぶった男だったので、まさか!と銀時達はパニクる。

片栗虎、ここは何だ?と頬かぶりの男が聞くと、俺の行き付けの床屋だよ、俺のダチに会わせてやろうと思ったが留守らしいわ、ああ、またキャバにでも繰り出そうかなあっと…と松平は鏡を見ながら言うので、ね、何で?何で?と銀時は呟く。

すると頬かぶりの男が、どんな髷を結ってくれるのだ?と質問したので、どうして僕たちの行くとこ行くとこ…と新八も動揺する。

やっぱりこれって…と怯えていると、その場で頬かぶりを外したのは徳川茂茂で、結ってくれるか?良き髷に…と所望して来たので、将軍かよ〜!と銀時達は仰天する。

その後、松平は将軍を店に残し1人で出て行ったので、近くの茶店で床屋を監視していた沖田は、あらら…、片栗虎の父っつぁん、1人で遊びに行っちまいましたぜと呆れる。

大丈夫かい、将軍を1人であんな床屋に預けててんと言いながらも、沖田はアイマスクをかけてソファに背を持たれかけさせる。

俺らがいたんじゃ町民の本当の姿が見れねえって言われちゃ仕方あるめえよ…と土方も諦めたように答え、スマホでアイドルアニメソングを聞き入ったので、どうしちまったんですか、そんなもん見て…と沖田が聞く。

え?と答えた土方だったが、お!いつの間にこんなのが!とアニメを見て喜ぶ。

困りますぜ、あんた昨日から局中法度破りまくりだ…、土方さん、あんたが決めた取り決めですぜ…と沖田はアイマスクをかけたまま指摘する。

朝の訓示の際、携帯を鳴らして、おかしなアニメのフギュア発注するわ、攘夷浪士とアニメの話で盛り上がってそのまま解放したらしいじゃないですか?それと、もうみんな知ってますぜ、昨夜の件…と沖田が言うので、煙草を吹かした土方は、だろうな…、あの野郎がしゃべらねえ訳がねえ…、ふと気付くと別の人格に入れ替わってやがる…と答える。

いや、あれは別の人格なんかじゃねえ、人が誰でも持っているへたれた部分が何かがきっかけで目覚めてるんだ…と土方は言い出す。

するとアイマスクを外した沖田は、何言ってるんですかい?土方さん、元々ヘタレでしょう?と言って来る。

すると土方は、そうだね…、僕なんか元々ヘタレなんですよ…と土方は急に殊勝な態度になって答える。

それを見た沖田は、あらら、こいつは本当に調子がおかしいや…と感心し、するってえと何ですかい?近藤さんと夜遅くに喧嘩したのもその何かが原因と言う訳ですかね?と聞く。

いやあそれは…、まあそうだと良いんだがな…と土方は又急に真顔になって答える。

(回想)前夜、土方と二人きりになった近藤が、伊東先生が真選組を乗っ取るとでも?と聞くと、それは分からんが、あんたと対等、それ以上の振る舞いをしているのは確かだよと土方が指摘すると、十四!俺は伊東先生は真選組に必要な男だと思ってると近藤は言い返す。

それに対し土方は、近藤さん、あんたは何も分かっちゃいねえ、組織はきれいごとだけで動かせねえ!と言い聞かせる。

(回想明け)へえ、何が原因なんですかね〜?と前夜の話を聞いた沖田は興味津々聞いて来る。

強いて言えば、昨日見回りの最中、妙な虫に刺されてからずっと首が痛えと土方が言うので、どれどれ…と席を立って土方の首筋を見に来た沖田は、脹れている部位を見て、何だこりゃ?ヘタレ虫って言う新種ですかね?と無責任に言う。

そんな沖田に、護衛は俺に任せてお前は帰れ、あんまり一緒にいると人に目をつけられるぞと土方は言う。

すると沖田は、じゃあお言葉に甘えて…と言い残し店を出ようとするが、あ、土方さん、ちょいと頼みてえことがあるんですが…と立ち止まって振り返り言う。

その頃、床屋では、目を閉じて椅子に座って待つ将軍を店の奥から覗きながら、将軍の頭結う?免許もないのに?と銀時が戸惑うと、これ少しでもミスったら…と新八が言い、3人揃って打ち首獄門!と銀時が断言する。

緊張の極地になった新八は、側の桶に嘔吐する。

それを見た神楽は、情けないある、将軍か何か知らないけど、生えてる髪みんな一緒ある、私行くねと言い店に出て行ったので、え?行くの?と銀時は戸惑う。

いらっしゃいませよ〜、今日はどんな髪型にしますね?角刈りあるか?四分六あるか?それとも〜と聞きながら神楽が茂茂の背後に来るが、その途端嘔吐し始める。

慌てた銀時は神楽を店の奥へ引っ張り込み、何してるんだよてめえは!死にてえのか!と叱るが、新八のが匂って来たね、もらっちゃったあると神楽は言うので、もらっちゃうなよ、将軍にかかったらどうするつもりだよ!と銀時は注意する。

その時、待ちくたびれた茂茂が、髷を結い直してくれるか?上の所をきれいに剃って…と注文して来たので、はい〜、分かりました〜と暖簾から顔だけ出した銀時が答える。

剃るってよ、上を剃って髷を結い直しだよ、誰がやるんだよ?と銀時が言うと、僕は一向に手の震えが止まりませんので辞退させていただきます!…と新八は怯えたように答える。

するとまた神楽が、私が行くねと言いだしたので、マジで?もうゲロ吐くなよと銀時が言うと、任せるあると神楽は言って店の中に戻る。

その後、神楽が臆せず茂茂の頭を剃り始めたので、それを奥から見ていた新八が、手慣れたもんですね〜、お父さんの髪とか切ってたんですかね〜と驚くと、銀時も、おお、その可能性はあるね〜と感心する。

良いよ、良いよ…、良いね〜…と呟きながら、新八と銀時も店の中に入って来て神楽の背後に回って観察し始めたその時、神楽のカミソリが誤って、茂茂の髷を根本から切り落としてしまう。 床に落ちた髷を無言で見下ろす銀時、新八、神楽の3人。

これ何だろう?と新八が呟くと、何だろうね?と銀時も呟く。 これ、多分あれですね…、将軍の…と新八が答えを言おうとしたその時、銀時が髷をつかみあげ投球フォームから店の外に投げ捨ててしまう。

そして、八公!掃除くらいちゃんとしておけ〜!ゴールデンレトリバーのうんこが落ちていただろうが〜!と銀時は叫んでごまかす。

いや、違うだろ〜!今の完全に将軍の髷だったよね!光の早さで証拠隠滅したけど完全に髷だったよね?と言いながら新八が銀時を掴むと、違~う!今のは純然たるゴールデンデトリバーのうんこだ!色大きさその他エトセトラゴールデンデトリバーのうんこ以外の何者でもない!それ以上でもそれ以下でもな〜い!と銀時が無視しようとするので、だからゴールデンレトリバーどこにいるんだよ!と新八は聞く。

大丈夫だ、絶対大丈夫だ…と答えた銀時は、椅子で眠っている茂茂の背後に戻ると、少し短くなっただけだろう、毛先揃えただけだろう?結えるよ、まだまだ結えるよ髷…とうなされたように独り言を言う。

それでは〜、結わせていただきま〜すと茂茂に話しかけた銀時は、茂茂のほどけた髪をまとめようと握るが、横で見ていた新八は、全然長さ足りないじゃないですか!全然無理ですってえ!と泣きそうになりながら訴える。

素直に結うんだよ…と言いながら強引に髪を後方へ引っ張る銀時だったが、茂茂の顔も一緒に引っ張られ凄い形相になる。

もう少し、こうやって!と銀時は、椅子の頭乗せ部分に片足をかけて更に引っ張る。

茂茂の顔は更に後方に引っ張られ、もはや人間の顔には見えない状態までになったので、ああ、銀さ〜〜ん!将軍泣いてる〜!将軍、限界突破〜!止めてあげて、お願いだから〜!と新八はパニクる。

銀さん、止めてあげて、止めてあげて!と新八は悲鳴をあげるが、銀時は容赦しないので、だめだ〜!と新八は絶望する。

それでも銀時は無理矢理に短い髷を結び、はい結えましたよと言う。 人相変わってるじゃん!人相パッツンパッツンだよ〜!と新八は茂茂の顔を見て嘆く。

椅子を起こしながら、あれ?気に入ってくれたのかな〜、笑ってるけど…と銀時がとぼけると、笑ってねえよ!吊り上げられているだけだよ!と新八は怒鳴る。

すみません、すぐ作り直しますからね、少し痛かったですよね!と銀時を突き飛ばした新八が茂茂に謝る。 直すってどうすんだよ!と銀時が逆ギレすると、さっき投げ捨てた髷を拾って来て、何らかの方法でくっつけてごまかして帰しましょうと新八は耳打ちする。

分かった〜と承知した銀時はすぐ店の前に飛び出てさっき投げ捨てた茂茂の髷を探すが見当たらない、ない、髷がもうない!と銀時が焦っていると、銀ちゃん、見つけたある!と言いながら神楽がレジ袋を下げて笑顔で戻って来る。

でかしたぞ〜神楽!と褒めた銀時は、その髷のようなものを茂茂の頭に乗せるが、何故かモザイクがかかっている。

ん?何でモザイク?そして何か臭い…と銀時が素朴な疑問を口にすると、やっと探して来た、ゴールデンデトリバーのうんこ!と神楽は満足げに言う。

事態に気づいた新八と銀時は、ナ〜〜!と絶叫する。 そんな絶叫がこだまする床屋の前から傘を飾った男が4人、そっと立ち去って行く。

真選組の屯所では、全員揃っている中、1人だけやって来ない土方に焦れた近藤が、遅いな十四の奴…、もうとっくに時間は過ぎてるぞ…、大事な会議だと言うのに…と苛立っていた。

その時伊東が、近藤さん、ちょうど良い機会だ、僕はちょうど彼の事を議題にするつもりでいた…と言い出し、立ち上がる。

昨日今日の彼の行動については既に諸君も聞き及んでいるだろう、自ら隊士たちに局中法度と言う厳しい規律を課しながら、彼は幾度もこれをやぶっている…と伊東は指摘する。

現に今も重役会議に遅刻すると言う失態を犯している…、これを野放しにしていては隊士達に示しがつかない点と言うので、聞いていた近藤は、先生待ってくれ、十四の事だ、何かなみなみならぬ事情が…と弁護しようとするが、僕はこの会議の事だけ言っているのではない!もちろん彼はこれまで真選組でどれだけの功績を上げて来たか…、彼がいなければ今の真選組はあり得なかった事も重々承知している…、だからこそ帰って苦言を呈したい…と伊東は言う。

真選組の象徴とも言うべき彼が隊士達の手本にならずにどうする?彼が法度を軽んじれば自然隊士達もそれに習う…、規律を失った群狼は烏合の衆と成り果てる…、彼にこそ厳しい処罰が必要なのだ、近藤さん、ここは英断を!と伊東が迫ったので、待ってくれ!十四は必ず…!と近藤が言いかけた時、襖が倒れ、遅れてすみませんでした沖田さん!「ドラクエ11」下町のちっさい電気屋でようやく見つけました!後「ワンピース」も最新刊ですけど〜、どこも売り切れだったんですけど〜、そこのコンビニでたまたま…と満面の笑顔で報告していたが、その時、しまった!はめられた!と真顔に戻った土方は気付く。

こいつら、組んでやがった〜!と土方は、苦笑している沖田と伊東が自分を陥れた事を覚る。

TV番組「オタクサミット 朝から生討論」の収録スタジオ ニート問題、引きこもり問題、確実に増え続ける無気力な若者たち…、その予備軍と言われるオタクと呼ばれる存在、本日集まってもらったのはオタクを自称する100人の若者たち、果たして彼らは何を思い生けるのか?果たして彼らは何を思い、引き籠るのか?その素顔に迫ります!と司会の田原総乃介が紹介する番組が流れている「万事屋」のソファーに寝そべって求人雑誌「TOWNWORK!!」の「江戸の高級バイト特集」を読んでいた銀時は、ダメだ、どこにバイト行っても将軍が来る気がしてやる気が出ねえ…とぼやいていた。

そこに、やばい!始まってしまったねと言いながら神楽がテレビの前に駆けつけて来たので、何してるの?と聞くと、新八の勇姿を録画してやらないと…と神楽はビデオをセットしながら答える。

あ、新八、今日バイト行けないって言ってたな〜、俺も行く気ないけど…と銀時は疲れ切ったように呟く。

ああ〜、家賃…、どうするかな〜…家賃…と無気力に銀時が呟いていた時、TV画面では、本日は会場に集ってもらったアニメオタク、アイドルオタク、その皆さんにとことん話あっていただこうと思っておりますと田原総乃介が進行する。

それではご意見のある方挙手願います!と田原が振ると、真っ先に手を上げたのは新八だった。

おお、では一番早く手を上げた53番さんと田原が近づくと、そもそもオタクが全てニートや引きこもりの予備軍だと言う考え方は改めて欲しいですねと新八は言う。

53:アイドルオタク 志村新八とテロップが出る。 僕たちの中にだってちゃんと働いて社会と向き合って生きているオタクだっているんですと主張すると、回りを取り囲んでいた「寺門通親衛隊」の揃いの法被を来たメンバー達が頷く。

それに気付いた銀時は、何やってんの?あいつ…と言いながらソファーの上で身を起こしTV画面に注視する。

忘れたあるか、新八はアイドル「寺門通」の親衛隊長だよと神楽が言うので、それは知ってるけど…、こんなに堂々と行く感じ?と銀時は無表情に聞く。

て言うか、俺たちは好きな者をとことん追求しているだけで別に無気力だとかじゃないんですよ…と同じ「寺門通親衛隊」のアイドルオタク秋葉大佐が発言すると、そうだ!と仲間たちが応える。

なるほど!それじゃあ31番さんの意見を!と田原が振ろうとすると、また立ち上がった新八が、オタクを槍玉に挙げて事を僕らのせいにしようとするこの番組の基本スタンスこそが今の日本の問題を…と主張し始めたので、はいはい分かった!分かりました!と田原は押さえる。

それを見ていた銀時は、おい、めっちゃ鬱陶しい奴になってるよ、間違いなく視聴者に嫌われる奴だよ、これ…と論評する。

どうですか?31番さん?53番さんの意見は…と田原が改めて聞くと、それを遮るようにまだ立ったままだった新八は、大体ね、一口にオタクって一緒にするのはおかしい!と主張したので、見ていた神楽は、おお、白熱して来たある!と喜ぶが、いやいやこれ以上止めとけって…と銀時は注意する。

早く録画してやらないと…、何してるんだ、このぽんこつ!と神楽はビデオ装置に文句を言うが、TVの中ではまだ新八が、僕たちはアイドルって言う一応現実にいる存在を愛しているけれど、意味が分からないのがアニメとかゲームとか二次元の女の子に恋をしている人達ですよね?と挑発していた。

すると、反対側のひな壇に座っていた36番、アニメオタクODA秀吉が、おい!どう言う意味だよ53番!と因縁をつけて来る。

それでも新八は、結局2次元の女の子に恋いこがれたとしても成就しないでしょう?それって時間の無駄でしょう?と挑発を繰り返す。

すると反対側の47番アニメオタククマゴローが、ふざけるな!ソノカちゃんは俺の心の中に生きてるんだ!と抱き枕を握りしめ反論する。

その時、その隣に座っていたサングラスをかけた7番アニメオタクトッシーが挙手し、ちょっと異議があるんだけども良いかな?と発言する。

つまり53番は3次元オタクは僕たち2次元オタクより現実を見てるって言いたいんだろうけれども、じゃあ聞きたいんだけども、君はアイドルを応援してるといつか結婚できる…とでも思っているのかな?とトッシーは聞く。

痛い所を突かれた新八が、ああそれは…とひるむと、出来ないよね?つまり君ら3次元オタクと僕ら2次元オタクは敵わない恋をしていると言うことに於いてさ、同じ穴の狢であって…とトッシーが言うと、いやいやいやいや いやいや!と狂ったように否定しながらステージ中央に出て来た新八は、それは違う、絶対に違う!とトッシーに歯向かう。

ぶっちゃけ、アイドルと結婚なんて100%無理だよ、でも100%じゃないじゃない、でも君たちは100%無理だけどと2次元お宅の方を指差しながら新八が嘲ると、いや…、ないよね?確実に…とトッシーが冷静に否定して来る。

いや、なくはないよ、だって現実に存在しているんだから!と新八が興奮して答えると、いや…、そう言う分不相応な考えが何よりの証拠であってさ…とトッシーが冷静に言い返して来たので、てめえ、内の体調に何生意気こいてるんだよ!と親衛隊仲間が一斉に立ち上がる。

やれ〜!と新八が号令を出すと、親衛隊がステージ中央になだれ込みアニメオタク達と乱闘を始める。

おお〜っと!2次元派も3次元派も乱闘だ〜!と嬉しそうに画面中央に出て来た田原が言う。

このトッシーって奴腹立つ、やれやれ!とテレビの前の神楽も応援するが、おいおいオタク同士の喧嘩とか見てらんねえよと銀時はうんざりする。

結局録画できなかったある…と神楽がCDデッキに押し込もうとしていたのはビデオだったので、サイズ的にどう見ても入らないだろう!どこから持って来たの?ねえ!と銀時は突っ込むが、その時、ん?あれ?もしかして?とTV画面に注目する。

そこでは大写しになった新八がトッシーを羽交い締めしていたが、トッシーはサングラスが取れていたので素顔がはっきり見えていた。

その頃、縁側で読書をしながら伊東は、意外だったよ沖田君…、君が僕の側についてくれるとは…と部屋の隅に立っていた沖田に話しかけていた。

君らは真選組結成前からの付き合いと聞いていた、君は完全に土方派だと思っていたが…と伊東が言うので、土方派?そんな派閥があるんですかい?今の今まで知りやせんでしたよ点と障子の影に立って沖田は答える。

賢い男だ、望みは何かね?と伊東が聞くと、もちろん副長の座でさあ…と沖田は言いながら部屋を出て行こうとすると、その望み果たすと約束しようと伊東は答える。 それを聞いた沖田は黙って障子を開けて部屋を出て行く。

その直後、部屋にやって来た隊士の篠原が宜しいのですか?と聞くと、構わんよ、副長の座など…と伊東が言うので、しかしそれでは土方を排した意味が…と篠原が戸惑うと、篠原君、君は僕が副長などと言う役職を得たいがために土方と下らん権力争いを繰り広げていたとでも思っているのか?と伊東は聞く。

君も僕を理解しえないか、篠原君?と伊東は迫り、武士にとって最大の不幸は何だと思う?と問いかける。

それは理解されない事さ…と伊東は吐露する。

いくら才能を持ち合わせていようが、いくら努力をしていようが、それを理解されない…、それに見合うだけの評価もされない…と伊東は自らの左手を見ながら言う。

僕も又真の理解者を得なかったら…、学問所で神童と謳われていたときも、名門北斗流で皆伝を得、塾頭に命じられたときも、遂には時流により攘夷の徒とさえ交わったが、だがどこへ行こうと僕の器が満たされる事はなかった…と伊東は言う。

それがまさかこんな所で出会えるとは…と伊東は呟く。

しかし僕にとっての最大の不幸は最大の理解者が敵だったと言うことだ…、土方は消えた…、となれば、近藤勲を暗殺し、この真選組も我が物とする…と言いながら伊東は立ち上がる。

村内等の話を盗み聞いていた山崎は、やはりあの男…、早く副長に知らせなければ…と焦るが、すぐに伊東に気配を察知され、苦笑される。

一方「万事屋」に連れて来られたトッシーこと土方は、正体がばれた銀時や新八の前でうなだれていた。

すみませんでした、まさかあんな所にあなたがいるなんて…土方さん…と新八が謝罪すると、いや良いんだよと苦笑した土方は、この限定物のフィギュア、東西園香スーパープレミアムシリーズ8分の1スケールfィギュアが無事だっただけでも良しとするさ…と言う。

え?と銀時が驚くと、え?と土方の方も戸惑うので、あの…お宅、本当に土方さんですよね?と銀時は念を押す。

何を言ってるんだよ、坂田氏!と土方が笑いながら言うので、坂田氏?と銀時は驚くが、この通り!と言いながら真選組手帳を取り出して、正真正銘の土方十四郎でござる!と土方は名乗る。

ござる?と銀時が突っ込むと、おお!神楽氏!と改めて目の前にいる神楽に気付いたかのような土方は、その中華服は「中華少女パパイヤ」のコスプレでござるな?ふ〜ん…、かなり再現度高いねと感心し、ちょっと写真撮らせてもらっても良いかな?と頼む。

じゃあここでお願いしますと部屋の一隅に神楽を立たせた土方は1眼レフカメラを手に取ると、ハイ幾代〜、撮るよ〜と声をかけながら連射し始めるが、ああ可愛い!可愛い!と絶叫しだす。

神楽は緊張しているか、まっすぐ立ってモデルを務めていたので、何であいつ照れてるんだ?と銀時が新八に聞く。

もっとパパイヤ色、パパイヤ色!と土方は注文を出すと、神楽は恥ずかしそうにポーズを取るので、パパイヤライン、ゴージャス!パパイヤスケール!イエ〜ッ!と土方は訳の分からない褒め方をする。

カメラがテンパってる、カメラがびっくりするくらい可愛い!などとお世辞を言いながら撮りまくっていた土方は、はい次は1000年に1度の奴いただいて良いですか〜、例の!と注文する。

神楽が1000年に1度の美少女として見出されたときのダンスポーズを取ると、それ〜!それ待ってました、ありがとう!ありがとう!本当にありがとう!と感謝しながら土方は興奮したように撮り続ける。

その様子を呆れた様子で見守る新八と銀時。 拙者、嬉しいでござる!などと写真を撮り終えた土方は興奮冷めやらぬような浮かれっぷりを見せる。

ソファーに座っても笑いが止まらない様子の土方に、あの〜土方さんと呼びかけた新八は、何だい志村氏と呼ばれるが、仕事はどうしたんですか?こんな昼間からぶらついて?と正攻法に突っ込む。

仕事?と土方が聞くので、はいと新八が答えると、真選組なら首になったでござると言う。

それを聞いた新八は、ええ〜!真選組辞めたの〜!と驚愕して立ち上がる。

何で?と聞くと、何かつまらない人間関係とか嫌になっちゃって…、危険な仕事だし…、今は働かずに生きていける方法を模索中?働いたら負けだと思ってるよ!などと土方はおどおどした目線で答える。

それを聞いた新八は、ニートだ、完全にニートの考え方だ!と気付き、がっくりソファーに腰を落す。

そうか、考えたら君たちもニートみたいなもんだな…と土方が言い出したので、誰がニートじゃ!今バイトしまくりの勤労兄さんじゃ!と銀時はムキになって否定する。

すると土方は、そうだ、そうだ、坂田氏、坂田氏もマンガは好きだろう?昨日から「ラブパンク」の同人誌を書き始めたんだけど、夏のコミケで一稼ぎしないか!と誘って来る。

こんなガキの絵日記みたいなもんが売れるか〜!と銀時が怒ると、どうしよう銀さん、人間って短期間にこんなに変わっちゃう物なんですかね?と新八が聞いて来る。

神楽もへらへら笑っている土方を見て、鬼の副長の面影もないある…と指摘する。

「源外庵」

土方を連れ診察依頼にやって来た銀時、新八、神楽を前に、土方のレントゲン写真を見た平賀源外(ムロツヨシ)は、なるほどじゃな、首元!首元じゃな、その首元の所にチップが埋め込まれている、うんとね、「ヘタレオタクタイプ」って書いてあると天眼鏡で拡大して伝えて来る。

チップ?と銀時らが聞くと、天人が一時期研究開発しとったんじゃ、この国の民を全部支配して叛乱を起こさぬように…、何と言うかな〜、民の戦闘心を削ぐ…と言うチップ!と源外は言う。

背骨の脳神経が集中している所に埋め込んで、そいつを骨抜きにするって言う…と源外が説明するので、しとったと言う事は…と新八が聞くと、止めたと源外が即答したので、何で?と聞き返す。

う〜ん…、なんて言うのかな〜…、数多くない?って言って…と源外は苦笑する。

国民全部のチップ作るの数多いやろうと!多すぎやろと!数多!ってみんな…、おおってみんな、おおって…、だからせめて攘夷志士の分だけ作ろうって話になったんだけど、え?だったら殺した方が早くね?って…、早くねって?殺した方が…、そしたらみんながおおって!皆おおって!早くね?おおって…、おお、でもみんな、う〜んって落ち着いた話になったそうじゃなと源外は解説する。

それを聞いていた銀時達は、分かる〜と妙に納得する。 でね、その研究所からいくつかチップが盗まれたって噂は聞いてた、文春の友達から…と源外が言うので、さすが文春ある!と神楽は感心する。

その時、突然立ち上がった土方が、それはさながらルパンが若かりし頃カリオストロの城に侵入し、ゴート札を盗み出し、銃で撃たれてクラリスに助けられた事でござるか?と源外に詰め寄って来たので、おお、ああ…と相づちを打っていた源内は、何言ってんのこいつ?と銀時達に聞く。

立ち上がった銀時は土方の額を押して源内から遠ざけながら、ね、うざいでしょう?で、そのチップ、早く壊しちゃって…と頼むと、無理無理〜!どんなに腕の良い医者でも無理だよそりゃ〜、だって背骨にチップくっついてるからさ、それ取ろうとしたら近くにある神経までがつっていっちゃうからさ〜、どんなに腕の良い医者でも無理無理〜と源外は答える。

するとそこへ、やりますよとどこからともなく登場したのがブラックジャック?で、やるよと言うピノコ?を連れていた。

すると源外は、ええ、あんた高いじゃん!いくら?と聞く。

するとブラックジャックは2億円と答え、ピノコも2億円よねと答える。

ある?と源外が聞くと、ないと銀時は即答する。

じゃあダメだな〜と源内がブラックジャックの方を見ると、ダメよのさとピノコも言い、2人はそのまま帰って行く。

それを見送った銀時は、「相棒」の鑑識の人ですよね?と源外に聞く。

う〜ん…と源内がごまかすので、何か手はないの?ヘタレを直す手は?と銀時はもう一度問いかける。

う〜ん、ではあれをやるしかないな…と源外は呟く。

その頃林の中を右手を左手で押さえながら逃げていた山崎は、近藤さんが伊東にやられる!副長に!早く副長に知らせないと!副長まで奴らに…と焦っていたが、その前に立ちふさがった男を見て、お、お前は…!と驚く。

一方、エヴァンゲリオンもどきの操縦席に座らせられていた土方は、無理だ、僕にはやれない!僕はヘタレなんだ!とビビりまくっていた。

こいつじゃダメある…、パイロットを変えるある…と碇ゲンドウに化けた神楽が呟く。

トッシー、行きなさい、人類の未来は君にかかっているのよ!とミサトさんに扮した銀時が呼びかけるが、土方はダメだ〜、逃げたい!どうして僕じゃないといけないんですか?と拒否する。

やっぱりダメある、奴を呼べ…とゲンドウ神楽が言うと、ちょっと博士!あんな奴にやらせないで私にやらせて下さいよ!とアスカに扮した源外が抗議して来る。

トッシー?やっぱりダメなの?と問いかける綾波レイに扮した新八… ダメなんかじゃないわ、彼はちゃんとやれる子よ!元々鬼の副長って呼ばれていたんだから…とミサトさん銀時が言う。

ふん!鬼の副長が聞いて呆れるわ!とアスカ源外がぶりっ子演技をする。

トッシー、私が代わります…と綾波レイ新八が語りかける。

トッシー!いつまでうじうじしてるの!早く攻撃しなさい!とミサトさん銀時が叱る。

しかし土方は、攻撃の仕方なんて分からない〜!と怯えるばかり。

使徒からの攻撃を受けた土方は、ああ〜!僕は逃げる!僕には出来ない!とへたれそうなので、トッシー!諦めないで!とミサトさん銀時が励ます。

とことんダメな奴ある…とゲンドウ神楽が言う。

死んだ方が良いと綾波レイ新八が嘲り、このヘタレ〜!とアスカ源外が罵倒するが、そんなこと言ったって僕には何にも出来ないよ、僕は戦うのが怖いんだ!早くアニメが見たいよ〜!と土方は怯える。

使徒の光線を受けたエヴァンゲリオンもどきのロボは爆発し、わあ!と言いながら土方はかけていたVRゴーグルを外し現実に戻る。

う〜ん、やはりこのチップ、なかなか手強いな…、この程度の矯正では歯が立たんか…、ヘタレ治すには最適なんじゃがな〜と、VRゴーグルを外した源外も考え込む。

これ絶対、(ピー)に怒られる奴だよねと銀時が指摘する。

その時、土方がタバコを吸いだしたので、たばこ税?てことは戻った!と新八が喜び、神楽も、やった〜!ある、ジジイの治療が効いたあると喜ぶが、いや、自分でも分かる、こいつが最後の1本だ、これで土方十四郎とはおさらばだと言いながらタバコを吸う土方。

もう何分もすると俺の人格は完全いこのチップに乗っ取られる…、俺も焼きが回ったもんだ…、まあ良いと自嘲しながら立ち上がってタバコを吸う土方は、こいつが最後だ、藁だろうが何だろうがすがってやらあ、良いか、時間がねえ、一度しか言わねえ、手前らに最初で最後の頼みがある!と銀時達に言い出す。

その場に土下座した土方は、頼む!真選組を、俺の…、俺たちの真選組を守ってくれ!と言い、額を床にすりつける。

林の中で待ち伏せていた男に剣で突き刺された山崎は、お前は伝説の剣豪、河上万斉(窪田正孝)!「千人斬りの万斉」は実在したのか…と呟く、今は鬼兵隊の万斉でござる…と相手が名乗ったので、鬼兵隊!と驚きながらも、剣を抜かれた瞬間山崎は倒れる。

そこに伊東達が近づいて来たので、倒れた山崎は、伊東!お前と呻くが、おのれ、鬼兵隊と内通してたのか…と言う。

山崎君、斬り合いばかりでは世の中は変わらない、僕たちはもっと巧く付き合って行けるはずなんだ、双方の利潤を満たし、均衡を保つためのパートナーとして…、君の上司のようなやり方では真選組はこれ以上強くならない、僕の手によって真選組は生まれ変わるんだ!もっと強く、もっと大きく、そうしてこの伊東鴨太郎が器を天下に示すための箱船になってもらう…と伊東は言う。

やりたきゃやりなよ、あんたの器がどれほどの物か知らないが、士道も節度も持ち合わせない空っぽの器なんて誰も入って行かないよ…、俺はあの人達について行かせてもらうよ…最後まで…と言いながら、山崎は這って逃げようとする。

死ぬ最後の時まで土方に知らせようと前進する…、それが監察である君の士道だと?万斉様、後は頼むと言い残し、伊東は仲間たちとその場を離れて行く。

君には攘夷浪士と戦い討ち死にした名誉の殉職を与えよう…、良かったら君たちの大好きな士道とやらが通せるんだ…、上司達にもしっかり伝えておくよ…と帰って行く伊東は言う。 這って逃げる山崎に万斉が近づく。

いや必要ないか?彼らもすぐ君の所へ行くのだから…と伊東は呟く。

万斉が山崎の身体を足で押さえとどめの一撃を与えようとする。 完全にへたれオタクと化した土方と一緒に町に帰って来た新八が、真選組で何かが起きてる?おかしなチップを埋め込まれて、それで真選組を首になって…と言うと、さあな!何かが起きてようが起きてなかろうが、俺たちには関係ないだろう、深入りは止そうや…と鼻くそをほじりながら銀時は言う。

でもあの土方さんがよりによって僕らに頼み事をするなんて…、あのプライドの高い土方さんが…、銀さんとは犬猿の仲である土方さんが恥も外聞も捨てて僕らに頼み込むなんてよほどの事が…と新八は拘る。

その時、あの…坂田氏…、実は今日、レアものの「ラブパンク」フィギュアの販売会があるんだけど、1人1個しか売ってくれないんだ、しかし拙者としては保存用と観賞用…、そして実用用と3つ揃えておきたい所でねと吹き出しながら言い出す。

そこで諸君らに指令を下す!拙者と一緒に…と土方が指差して来た次の瞬間、神楽のキックが土方の顔面を襲う。

そして倒れた土方を銀時ら3人が足蹴にする。

今良い感じでお前が簡単に物頼まない話してたんだよ!と新八は悔しそうに言う。

恥と外聞捨て過ぎなんだよ!と銀時も怒りに任せ踏みつけると、3つ目の実用用って何に使うんだ?マジきもいある!と神楽も踏みつけ、心配してるこっちがバカバカしいわい!と新八はヤケになる。

そこに真選組のパトカーが駆けつけ、降り立った隊士3人が、副長、大変なんです、すぐ隊へ戻って下さいと倒れている土方に呼びかける。

な、何かあったんですか?と新八が聞くと、山崎さんが…、山崎さんが何者かに殺害されました!と言うではないか。

山崎さんが!と新八が驚くと、下手人はまだ見つかっておりません!とにかく一度屯所に戻って下さいと言いながら隊士達は土方を立たせようとするが、拙者首になった身だ…とひじかたがごねるので、そんなこと言ってる場合じゃないんですよと隊士は急かす。

隊士2人は刀を抜き、速く!とパトカーに引きずり込まれようとしていた土方を奪い返したのは銀時だった。

銀時に首筋を掴まえられ宙を引っ張られた土方は、坂田氏!食い込んでる〜!まるで戦いに追い込まれたガンダムのようにブチ切れそうだ〜!と土方は叫ぶので、うるせえ!手前は黙ってろ〜!と銀時は叱る。

神楽とともに銀時の後を追って走る新八は訳が分からず、どう言う事ですか〜!どうして真選組が土方さんを殺そうとするんですか〜!と追って来るパトカーを振り返りながら叫ぶ。

路地に追い込まれた4人はパトカーに接近されるが、神楽が1人パトカーに立ち向かい、怪力で迫って来たパトカーを受け止めると持ち上げる。

それを見た土方は、あわわ、神楽氏!凄いよ!と感激する。

さながら「Dr.スランプ」アラレちゃんの再来!としゃべり続けるので、銀時がうるせえ!と怒鳴りつけて黙らせる。

しかしさしもの神楽の怪力でもパトカーの前進は阻めないと覚ると、銀時が刀を抜いてジャンプしてパトカーに飛びかかる。

その直後、乗っ取ったぼろぼろのパトカーに乗った銀時ら4人がかぶき町の目抜き通りに出現する。

そしてクラクションを鳴らしながら走り出すと、運転する銀時は無線を使って、ああこちら3番隊、3番隊!応答願います、どうぞ!と本部に連絡する。

土方は見つかったか?と本部から返信があったので、見つかりましたが敵いませんでした、どうぞある!と神楽が答えたので、ある?と本部は怪しむ。

どんな手を使ってでも殺せ!近藤を消しても土方が来ていたら意味がない…と本部が言うので、本堂暗殺する前に不安要素は全て取り除くんだ!近藤、土方が死ねば真選組が全て伊東鴨太郎に従うと無線は言う。

それを聞いてた新八は、土方さんと近藤さんを暗殺?と驚く。 あくまで攘夷浪士の犯行に見せかけろ、この段階で伊東さんの計画が露呈すれば真選組はまっ二つに割れてしまう、近藤は予定通り伊東さんが仕込んだ列車に乗っている…と無線が言うのを銀時はじっと聞いていた。

その頃、近藤は他の隊士とともに列車の座席に座って移動中だった。

で、どの列車ですか?と銀時が無線で聞くと、お前ら話を聞いてなかったのか!松平片栗虎が将軍を連れて箱根に向かったので護衛に行くと言ってある…と本部が答えたので、また将軍!と新八が驚くと、嘘に決まってるだろう、だから近藤はまんまと騙されてくれたよ、付き従う隊士は全て伊東派の仲間、だから奴は1人、近藤は地獄へ堕ちる…と本部は言う。

その頃、近藤は、この列車は武州を通るよな?とあそこは俺や十四や総悟が生まれ育った所でね、どいつもこいつも喧嘩ばかりしている荒れた所だった…と、向いの席に座っていた伊東に話しかける。

近藤は、考えたらやってる事は今も変わらんな~と思い出したように笑いだす。

たまに不安になる、俺はあの頃よりちったあマシな人間になれたのかって…、少しは前に進めているのかって…と近藤が言うと、君は立派な侍だ、僕は君ほど清廉な人物に会ったことがない…と伊東が褒める。

無垢…とも言うのかな?君は白い布のような物だ…、何者も受け入れ、何色にも染まらない…、真選組はきっとその白い布に皆がそれぞれの思いを色で描いた御旗なのだろう…と伊東は言う。

比べて僕の色は黒だ!何者にも染まらないし、全てを黒く塗りつぶしてしまう…、近藤さん、すまないね、君たちの御旗はもう真っ黒になってしまったんだよ…と伊東が言うと同時に、乗り合わせていた伊東派の隊士達が一斉に抜刀し近藤に切っ先を向けて来る。

その儒教を見た近藤は急に哄笑しだし、さすがは先生、おもしろいことを言うな〜、俺たちが真っ黒に染まった?なるほど、俺が白い布のだとすると確かにそうかもな…、だが俺なんざ良いとこ縮れ毛だらけの褌ってとこかな?と近藤は自嘲する。

白い布に夫々の色で思いを描いた御旗…、そんな甘っちょろい物じゃねえさ、奴ら…、先生の回りにいる連中は知らんが、奴らは違う!奴らは色なんて呼べる代物じゃねえ、垢だよ、洗っても洗っても落ちねえ染み付いてしまった垢だよと近藤は言う。

しつっこくて、洗っても落ちねえから、終いには愛着まで涌いて来て困ったもんだ…、だがね先生、汚れも年季が入って見られるようになってね、いつの間にやら立派な御旗になっていやがった…、学もねえし、思想もねえ、理屈より感情で動くような連中だ、何を考えているか分からん得体の知れねえ連中だ…と近藤が話している間、1人の隊士が隣りの客車の通路を近づいて来ていた。 それは沖田だった。

先生、あんたの手には負えない…と近藤は目の前の伊東をまっすぐ見て言う。

その時、扉が開いて沖田が姿を現す。

奴らは何色にも塗りつぶせないし、何者のも染まらん!と近藤は言い切る。

席を立った伊東は、沖田君、何をやってる?君は見張りのはずだ…と問いかける。

すると沖田は、手前が何やってんだ?と呟く。 伊東が怪訝そうに振り向くと、手前が何やってんだって聞いてるんだ、クソ野郎!と沖田は繰り返す。

手を離せ!と言いながら近づく沖田に、沖田君、先生に向かって何て事を…と近づいて来た隊士を一刀の元に沖田は斬り払うと、その人からて放せって言ってんだ!と怒鳴る。

伊東派に剣を向けられ捉えられていた近藤は、総悟…と呟く。

沖田君、君はやはり土方派…、僕に近づきその動向を探るための姿…、土方を裏切ったのは僕を欺くための芝居だったか…と伊東が指摘すると、芝居じゃねえよ、言ったはずだ、俺の眼中にあるのは真選組副長の座だけだ、邪魔な奴は誰だって叩き潰す!と沖田は言いながらなおも近づく。

土方は消えた…、次は手前の番だよ、伊東先生!と言いながら剣を突き出した沖田は、俺は手前の下にも土方の下に付くのも嫌だ、俺の対象はただ1人…、そこを退け!近藤の隣りは俺の席だ!と言い放つ。

ククク…、そんな性悪が土方を消すために僕を利用し、用済みとなれば僕をも消すか…、例のチップは随分高くついたな…、こうなると君に代金を払ってもらわないとね…と伊東は言う。 冥土の土産にいくらでも払ってやらあ…と答えた沖田の背後の入り口に、新たな伊東派の隊士が顔を見せる。

フン、良いじゃないか、僕の狙いは局長だ!と伊東は言う。

その時、沖田が隠し持っていた起爆装置のスイッチを押したので、列車の連結部分が爆発を起こす。 振動で通路に倒れた近藤に笑顔の沖田が手を差し伸べる。

そんな列車に、銀時が運転するポンコツパトカーが近づいていた。

後部座席に土方と一緒に乗っていた新八が、近藤さんが…、このままでは近藤さんが暗殺される!と言い、土方の方を見るが、土方さん!もう!しっかりして下さい、土方さん!とヘタレ土方に呼びかける。

土方は身を避け、僕は知らない…、僕は知らない…と怯えるだけだったので、このままじゃあなたの大切な人が!大切なものが!全部なくなっちゃうかもしれないんですよ!と新八は説得する。

助手席に乗っていた神楽は、銀ちゃん、どうするあるか?と聞くと、銀時は、俺たちの真選組を守ってくれ!と土下座して頭を下げた土方の姿を思い出す。 神楽、無線を全車両から本部まで繋げ!と銀時が命じると、アイアイサー!と神楽は嬉しそうに答え無線をいじる。

本部の食堂で飯を食っていた隊士達に、ア〜、ア〜、聞こえますか税金泥棒?と銀時が呼びかける無線が聞こえて来る。

伊東派だかマヨネーズ派だか知らんが、全ての税金泥棒に告ぐ!今すぐ持ち場を離れ、近藤の乗った列車を追え!もたもたしてたら手前らの大将、首盗られちゃうよ!こいつは命令だ!背いた者には士道不覚悟で切腹してもらいま~す!と言うので、聞いた隊士達はパニックになる。

何の悪戯だ!手前は誰だ?と本部から聞いて来たので、手前誰に口聞いてるんだ?誰だと?真選組副長!土方十四浪だ、この野郎!と銀時は無線に怒鳴り返しマイクを切る。

ふぬけた面は見飽きたぜ、ちょうど良い、真選組が消えるなら手前も一緒に消えるが良い、墓場まで送ってやるわ…と銀時が言うと、冗談じゃない、僕は行かない…と土方が断って来たので、思わず後部座席の土方の胸ぐらを掴む銀時。

神楽は運転者がいなくなったので慌ててハンドルを握る。

勝手にケツ巻くって、人様に厄介事押し付けてんじゃねえぞ、こら!手前が人に者を頼むタマか?手前が真選組他人に押し付けてくたばるタマか?くたばるんなら大事なもんの傍らで剣振り回してくたばりやがれ!それが土方十四郎だろうが〜!と銀時は土方に迫る。

その時、痛えな…、痛えって言ってるだろうが!と言いながら銀時の額を運転席まで押し返して来た土方を見た新八は、まさか!土方さん?と驚く。

列車の中では、伊東先生、爆発の箇所から炎が出てこれ以上は危険です!と隊士が知らせに来る。 すると伊東は、列車は停めるな、停めると近藤に逃げられる…と指示する。

この列車にはあの2人以外、我々の仲間しかいない…、列車が走り続ける限り奴らは袋の鼠だ…と伊東は言う。

その頃、逃げた近藤と沖田は別の車両に乗り移ろうとしていた。

すまねえ総悟、こんな事になっちまったのも全て俺のせいだ!何て詫びりゃ良い!俺はおめえらに…、じいしに何て詫びりゃ良いんだ!と近藤は悔しがる。

すると沖田は客車から連結部に出て扉の開閉スイッチを押して近藤を閉じ込めたので、総悟!何してる!開けろ!と客車の中から近藤が呼びかける。

近藤さん、大将の首盗られたら戦は負けだ、ここは引き下がっておくんなせえと沖田は振り向かず答える。

ふざけるな!開けろ!と近藤は扉を叩くが、近藤さん、だから何度も言ったでしょう、あんたが悪い所は人が良過ぎることだって?誰でも彼でも信じて疑おうとしねえ…、あげくあんな狐まで懐に抱え込んじまった…、ま、いずれはこうなると思ってやがしたがね…と言いながら沖田は連結器を外す。

何やってる!総悟、止めろ!総悟!と近藤が呼びかけるのを無視して、沖田は離れ始めた後部の車両に飛び移って行く。

だがそんなあんただからこそ、俺たちは集まったんだ…、そんなあんただからこそ、一緒に戦って来たんだ…、そんなあんたからこそ、命張って守る甲斐があるのさ…と後部車両に乗った沖田は呟く。 その沖田の背後に近藤が乗った車両は遠ざかって行く。

総悟!おめえに死なれたら、おらあ…、おらあ…!総悟〜!と近藤は絶叫する。

伊東先生!前方車両切り離されました!と隊士が報告に来る。 後方の動力を作動させろ!近藤を逃がすな!と伊東は命じながら後部へ移動していたが、その時後部の戸が開いて沖田が戻って来る。

沖田君、君はもっと利口な男だと思っていたが…、我々全員を1人で片付けるつもりか?と伊東は嘲るように聞く。

近藤を逃がし、1人敵陣に残り、討ち死にする事で悲壮感に浸ろうと言うのかね?と伊東が語りかけている間に、伊東派の隊士達は陣形を整えだす。

だが残念だったな、近藤は僕の計画通り死ぬ、この戦場にいるのは僕たちだけではない…と伊東は告げる。 その時、列車に接近して来る何台もの武装集団が乗った車があった。

鬼兵隊か…、悪いね、伊東さん、実は俺も1人じゃねえよと沖田は呟く。

鬼兵隊の乗った車両が爆発で吹っ飛ぶ。

後方を見た鬼兵隊は、あ、あれは!と驚く。

接近して来たのは、屋根に真選組の制服を来た銀時と土方が乗ったオンボロパトカーだった。 バカな…、あれは!と窓から後ろの様子を見た伊東が驚く。

制服姿の新八が運転し、同じく制服姿の神楽と銀時がバズーカと傘銃を抱えていた。 御用改めである〜!と神楽が叫び傘銃を撃って来る。

手前ら神妙にお縄になれや!と銀時もバズーカを発射する。 土方〜!と伊東の側近の隊士が叫ぶと、何故奴があんな所に?と伊東は不思議がる。

パトカーの上で煙草をくわえ格好をつけて来た土方に前方から飛んで来た部品が当たると、振り落とされそうになった沖田は、痛い!怖い!とヘタレながら屋根にへばりつく。

そんな土方の背中をバズーカで殴りながら、てめえ、少しは恰好付けられねえのか!と銀時が叱る。 無理無理!拙者には無理でござる〜!坂田氏、任せた〜!と土方は悲鳴をあげる。

目障りなのが付いて来やがったな〜、だが奴ら潰すには軍隊一個あっても足りねえぜ…と沖田は呟き、ふん、土方め、今更来た所で何が出来る…と窓辺にいた伊東も嘲笑する。

近藤もろとも全員消してくれる!と沖田の方を向き直って伊東が言って来たので、消えるのは手前の方だ…と沖田は言い返す。

見知った顔もいるが、伊東派に付いたからには死ぬ覚悟は出来てんだろうな?と沖田は伊東の回りを固めた隊士らにも呼びかける。

真選組局中法度21条「敵と内通せしものこれを罰する」手前ら全員、俺が粛正する…と沖田が睨むと、ふん!自分の状況が見えていないのか?今この場に於いて首領派は僕、叛乱分子は君以外の何者でもない…と伊東は笑う。

土方が作った局中法度などはもはや何の意味もなさん…、君たち真選組は消えるから…と伊東は言い放つ。

奴を粛正しろ、僕は近藤を追う…と言い残し、伊東はその場を離れて行く。

残った大使前任が剣を抜いて向かって来たので、真選組一番隊隊長として手前らに最後の教えを授けてやる、圧倒的に力の差がある敵を前にした時、その実力差を埋めるには数に頼るのが一番だ、呼吸を合わせろ!身体ともに気を練り、最も充実した瞬間、一斉に斬り掛かれ!と沖田が命じると、敵の隊士達が飛びかかって来る。

そして…と言うが否や沖田は剣を払う。 天井の行灯に血しぶきが飛び、列車の窓が割れ、両サイドから斬られた隊士が飛び出して来る。

返り血を顔に浴びた沖田が、死んじまいな…と言いながら顔を上げ、顔に付いた血を嘗めると、客車の中にはもう生きている者はいなかった。

一方、川を進む屋形船の中では、万斉、そろそろ良い頃合いだぜ…と高杉晋作(堂本剛)が話しかけていた。

分かっているでござる…と河上万斉が答える。

計画通り、江戸の警備は空っぽだ…と高杉が言うと、伊東鴨太郎…、なかなか出来る男でござるな?とヘッドホンをした万斉が言う。

絶好の機会だ、やって来い、将軍を…と左目を包帯で覆い、キセルを持った高杉が命じる。

万才はエレキのような三味線を持って紫色の照明で照らされていた淫美な部屋を出て行く。

その頃、パニクりながら運転する新八のぽんこつパトカーが、次々に銀時が撃つバズーカで大破して行く鬼兵隊の車両の中を通過していた。

屋根の上に腹這いになった神楽も傘銃を撃ちまくる。

その頃、かぶき町にタクシーでやって来た松平が、今日はいつもの所とは別のキャバ行こうやと頬かぶりをした茂茂に話しかけていた。

片栗虎、江戸の夜はキャバ以外に楽しい所はないのか?と茂茂が聞くと、ない!と松平は即答する。

その時、おいおい道塞がれておるぜと松平が前方を見て言う。

「スナック すまいる」の店の前にバイクに乗った万斉と見慣れぬ浪人達が結集していたのだった。

これじゃあキャバ行けねえな…と松平はぼやき、おい、停めろ、運ちゃんと声をかける。

車を降りた松平は、緑色の髪の万斉に気付き、これはこれは…、人斬りの河上万斉じゃねえか?と声をかける。

そんな所でぼやぼやしてると、逮捕しちゃうよ!と松平はぶりっ子の真似をするが、万斉はおかしそうに苦笑するだけだった。

銀時がバズーカを抱えたポンコツパトカーは線路に乗り、近藤を乗せた前方車両に接近していた。

この野郎!何でおめえが…、何でおめえがこんな所にいるんだよ!と、パトカーに乗っている土方に気付いた近藤が呼びかける。

俺に首にされたお前が俺のためにこんな所まで…と、近藤は感極まり涙声になる。

土方はパトカーの後部座席で又塞ぎ込んでいた。

十四〜!何で来やがった!馬鹿野郎!と近藤は閉じ込められた客車の中から絶叫するが、銀時は、そんな感傷的になっている近藤のいる客車に向かってためらわずバズーカを撃って来たので、え?止めて〜!と絶叫する。

しかし弾は車両に命中し爆発し、近藤は爆風で吹き飛ばされる。

追跡していたポンコツパトカーの中から、近藤さ〜ん、無事ですか〜?と新八が呼びかけると、ダメだ、ゴリラの死体が一体転がっているだけだと銀時は言う。

しかしその直後、壊れた客車の中で気絶していた近藤が絶叫しながら起き上がる、 あ、いた!無事かおい?何かお前暗殺されそうになってるらしいな?一丁前に…と銀時はパトカーのボンネットの上から聞くと、今されそうになったよ、たった今!と近藤は後部扉が壊れた列車から怒鳴り返して来る。

つか、何でお前らが十四と一緒にいるんだよ?と近藤が不思議がると、ありがてえ、お前らが俺らの肩持つのか?と近藤が聞くと、遺言でな…と銀時が答えるので、遺言?と近藤は繰り返す。

脳みそを操るチップに魂食われちまった、今のこいつはただのヘタレたオタク…、もう戻って来る事もあるめえ…と銀時は説明する。

脳みそを操るチップだと?と近藤が驚くと、おい、そんな状態で十四はお前らに何を頼んだんだ?と聞く。

真選組を守ってくれとよ…、面倒だから、手前でやれってここまで連れて来た次第だ…と銀時は答える。

俺たちの仕事は終わりだ、ギャラはたんまりいただくぜ…と銀時が言うと、万事屋、俺もお前らに依頼がある…、これも遺言と思ってくれて良い…と近藤が目をつぶって言って来る。

え?ギャラの件は無視?と銀時が聞き返すと、目を開けた近藤は、十四連れてこのまま逃げてくれ…と近藤は言う。

こんな事になったのは俺の責任だ、戦いを拒む今の十四を巻き込みたくはねえ、おらあ、伊東に注意しろと言う十四の助言を拒んだ…、更には些細な失態を犯した十四を伊東の言うがままに処断した…、十四が…、十四がこんな事になっているとも知らず、十四がそんな目になってまで真選組守ろうとしていたのも知らずに、プライドの高えこいつがお前らに頭下げて、真選組托したのも知らずに…、すまなかったな〜十四!すまなかったな〜、みんあ…、そらあ、俺は大バカ野郎だ…と近藤は涙を流しながら吐露する。

全車両に告げてくれ!今すぐ戦線を離脱しろと!近藤勲は戦死した…、これ以上、仲間同士でやり合うのはたくさんだ…と近藤が言った時、ア〜、ア〜、ヤマトの諸君!とパトカーの無線マイクから呼びかけたのは後部座席に乗っていた土方だった。 それに気付いた運転席の新八も驚く。

我ら局長近藤勲は無事救出した!勝機は我らの手にある!局長の顔に泥を塗り、受けた恩を仇で返す不逞な輩!あえて言おう、勝つであろうと!今こそ彼らを月に代わってお仕置きするのだ!と土方は訴える。

すると、お前誰だ!気の抜けた演説してるのは?と本部から無線が入ったので、誰だと?真選組副長、土方十四郎なり〜!と答えた土方はマイクを投げ捨てる。

土方さん?と新八が話しかけると、近藤氏!僕らは君に命を預ける!その代わり、君に課せられた義務がある!と土方は列車の近藤に呼びかける。

それは死なない事だ…、何が何でも生き残る…、どんなに恥辱にまみえようが、目の前でどんなに隊士が殺されようが…、君は生きなければならない!君がいる限り真選組は終わらないんだ!と言った土方はタバコを取り出すと一服し、近藤さん、あんたは真選組の魂だ…、俺たちはそれを守る剣なんだよ…と言い添える。

十四点と近藤も感動する。

そこに近づいて来たジープに乗っていたのは伊東で、一度折れた剣に何が出来ると言うのだ?と問いかけて来る。

大きな出費をして君にへたれオタクになってもらったが、ここまで来たからには決着を付けねばならないようだな?と伊東が言うと、てめえが…、手前が俺をこんな事に…と一服した土方は聞く。

さあ、抜けるもんなら抜いてみろ!と伊東が挑発すると、後部座席で剣を取った土方に、土方さん、オタクだって、やる時にはやるってことを見せつけてやってくださ〜いと運転しながら叫ぶ。

鞘と柄に手をかけた土方は抜こうとして抜けない事に苦悩する。

何もたくさしてやがる?さっさと抜きやがれ!とボンネット上の銀時も励ます。

黙りやがれ!俺はやる!俺は抜く!世界中の元気玉よ〜!おらに力を〜!と絶叫すると、土方は後部窓を破壊し後部トランクに身を乗り出すと、万事屋!と呼びかけたので、何でしょう?と銀時は答える。

それをジープから苦笑しながら見守る伊東。

聞こえたぜ、貴様の腐れ説教!偉そうにべらべら語りやがって!手前に一言言っておく!ありがとうよ〜!と後部トランクの上に立って刀を握りしめた土方は絶叫する。

おい、又トッシー出たのか?又、トッシーなのかな〜?と銀時が聞くと、俺は…、俺は土方十四郎だ!近藤の首を取りたければこの俺を倒してからにしろ! 何人達もここを通さねえ!何人たりも俺たちの魂は穢させねえ!俺は近藤勲を守る最後の砦!真選組副長土方十四郎だ〜!と言いながら、とうとう土方は剣を抜く。

おのれ〜、最後の決着のときだ〜!と叫び伊東も剣を抜く。

ポンコツパトカーの後部トランクからジープに大きくジャンプした時、土方の首筋のチップは消滅する。

一方、かぶき町で万斉と浪人達に対峙していた松平は、警察庁長官松平片栗虎に喧嘩売るたあ大したもんだ、その度胸だけは認めるぜ…、しかしな、俺の鶴の一声で真選組がどっと来ちゃうのよと松平が脅すと、腰に付けていたマイクを取り出し、ああ、真選組全体に告ぐ、かぶき町で将ちゃんと遊んでいるんだけど、鬼兵隊に囲まれちゃいました!速攻出動せよ!と伝える。

マイクのスイッチを切った松平は、はい、すぐにサイレンが鳴る!と脅すが、烏の鳴き声が聞こえて来ただけ。

鳴らないね?と松平が言うと、真選組は箱根に温泉旅行のようだな…と万斉が教える。

マジか?なら俺が相手してやろうかな?とぼやきながらトランクの方へ向かった松平は、バズーカを取り出すと、もうちょっと真ん中寄って!真ん中!と記念写真を撮るように浪人達に声をかける。

それでも浪人達が動かないので、固い!もっと笑顔!と言いながら狙いを定める松平は、はい、チーズ!と言うと発射する。

弾は万斉の横を通過し、背後の「スナック すまいる」の看板に命中する。

よっしゃ!と言うと、はい交代!とタクシーの運転手に言い、自分が運転席に座るといきなりバックして逃亡を図る。

すまんな、面倒な事に鳴っててんと茂茂がねぎらうと、いつの世も男の火遊びには危険が付き物なのよ…と言いながら松平は運転する。

しかし万斉は、逃げてもムダでござるよと言うと、バイクをスタートさせる。

その背後を浪士達が走っておって来る。

列車の中では沖田が孤軍奮闘の活躍を見せていた。

仲間の隊士達を斬っていた沖田は、お前ら良く鍛錬して来たな、なかなか良いぜと褒める。

その時、背後から駆け寄り、沖田に剣を向けていた3人の隊士達の後頭部を蹴り飛ばして来た者がいた。

それに気付いた沖田は、おいおい、女子供が遊びに来る所じゃないぜと呆れる。

その程度でばてているようじゃ、お前の体質も大した事ないあるなと答えたのは、隊士服を着た神楽だった。

かつての仲間相手についつい優しさが出ちまってね…と疲労感が浮き出た沖田は答える。

席の上に乗っていた神楽は床に飛び降り、まあその傷、箱根の温泉で治してもらえよと沖田に話しかける。

余計なお世話だ…と沖田が答えた時、また新手の隊士達が斬り込んで来たので、神楽と沖田は再び戦いだす。

神楽はアクロバチックな動きと怪力で、椅子を持ち上げ敵に投げつけると言う荒技を見せるので、危うく自分がぶつかりそうになった沖田は一刀両断し、危ねえじゃないかと変顔で注意するが、負けじと神楽も鼻をほじってみせる。

その後も神楽と沖田は絶妙のコンビネーションで敵を駆逐して行く。

その頃、パトに乗っていた銀時や新八は、鬼兵隊に囲まれちゃいました〜!速攻出動せよ!と言う松平の無線をキャッチしていた。

銀さん…、将軍が!と新八がピンチを覚ると、おおい、そう言う事かよ…、高杉のやろう…と銀時もこの計画の裏に気付く。

銀さん、江戸が!将軍が危ない!と新八が焦ると、でもさ、でもさ、俺が将軍守んなきゃ行けないってそんな義理ある?と銀時は聞くが、将軍死んだら高杉晋助の侵略が始まりますよと新八は言い聞かす。

ああ…、そんなこと言われてもさ〜と銀時が嘆いていると、パトカーの外を飛び超えて行く「おまた」と書かれた看板を持ったエリザベスに乗った桂の姿が見える。

あ、桂小太郎!と近藤は驚くと、桂は笑顔を見せ、銀時、決して真選組に加担する訳じゃないが、鬼兵隊を野放しにする事は出来ん!加勢するぞ、江戸を根絶やしにせんとするは高杉…と言いかけた時、急にエリザベスが方今転換して逃げ出したので桂は良い所だったんだぞ!エリザベス〜!と文句を言う。

ここは真選組と桂さんに任せて江戸に取って返さないと!と新八は言うが、銀時は、いやいや、そんなに速攻戻れないでしょう?もうここ結構田舎よと答える。

その時、銀時!銀時〜!これに乗れ!風の如く江戸に戻れるぞ!と前方から近づき声をかけて来たのは平賀源外だった。

銀時〜!これに乗れ〜!とパトカーと並走して来た動物乗り物の行き先が「銀時」から「江戸城」に変わる。 わあ〜!と銀時は怯える。

ねえ、これ大丈夫なんですか?と新八がその乗り物を見ながら聞くと、え?何がじゃ?これはアライグマじゃ、見ろ!リンゴを洗っとるじゃろ?絶妙な塩梅と尊敬を込めて!と源外は答える。

いつの間にか乗り込んでいた銀時は、早く!早くメイちゃんの所へ!と命じたので、メイちゃんって言っちゃったよと源外は苦笑する。

方向転換したアライグマバスは江戸を目指すが、パトカーに残っていた新八は後部から迫って来た客車を見て、これはダメだろう!こっちもダメ〜!とパニクる。

しかし、後部車両はそんな新八が運転するパトカーを押しつぶして近藤の乗った前方車両に迫る。

新八は近藤と同じ前方車両の客室の中に振り飛ばされるが、2人が目を上げると、目の前に広がっていた後部車両の客席には隊士達が累々と倒れていたので、これは?と新八は驚く。

その時、倒れていたかに思えた1人が剣を片手に立ち上がるとそれは沖田だった。

ちょいと働き過ぎちまった…、残業代出ますよね、これ?と言いながら近づいた沖田に気付いた近藤は総悟!と驚く。

その頃、江戸城の門が爆破され、万斉の乗ったバイクと鬼兵隊たちが城内になだれ込んで来る。 そこで1人待っていた松平が、いらっしゃいませ〜と挨拶する。

いやあ、ここん所、将軍暗殺を目論む輩がいるって噂でな、そいつら引っ張りだすために影武者連れてぶらぶらしてたんだ、良くぞ網にかかってくれたな〜と松平は言う。

真選組のいないこの城でそんな大口を叩いて宜しいのでござるか?と万斉が聞くと、ああ、どうやら局長が拉致られたらしいわ、あいつは優秀なんだけどよ、そりゃ局長がやられてとありゃ…もう何もいなくなっちまうな〜と松平はモゴモゴと言い訳する。

スンバらしい作戦組んだじゃねえか?褒めてやるよ!と急に話題を替えて来た松平の背後に大勢のお庭番達が降り立つ。

鬼兵隊達は緊張するが、バイクを降りながら万斉は、主人からの言いつけは将軍の暗殺…、そいつらを皆殺しにしても将軍の首持ち帰るでござるよと言う。

それを聞いた松平は、さすが千人斬りの万斉だと感心し、楽しもうじゃねえか!と声をかける。

万斉は背中に背負ったエレキ三味線に仕込んだ剣を抜き、鬼兵隊共々迫って来る。

しかし松平の所に到着する前に仕掛けられた地雷が爆発する。

鬼兵隊達は全滅するが、1人生き残った万斉は、ほおおもしろいと笑って更に迫って来る。 城内に入り込んだ万斉は、次々に襲い来るお庭番を1人で倒して行く。

お庭番が投げて来る手裏剣もアクロバチックな身のこなしで避ける万斉。

一方、列車の中では元に戻った土方と伊東の一騎打ちが行なわれていた。

列車の周辺では、鬼兵隊と桂が斬り合いの死闘を演じていた。

エリザベスも斬り合いに参加しており、突然、口の中から機関銃が飛び出して来ると、武装兵達を撃ち殺して行く。

江戸城内では、まだまだ万斉がお庭番と戦っていた。 走る列車内でつばぜり合いする土方と伊東の剣の腕はほぼ互角だった。

斬り込んだ土方の刀を伊東が弾き飛ばす。

江戸城内では、手から離れた剣を握り直した万斉がお庭番を斬って行く。 剣を倒れたお庭番お留めに刺した万斉は、袖口から三味線糸を発射に、残りのお庭番を搦め捕って行く。

刺していた剣を抜き、通路の奥の扉を開けると、そこは天人のビルと繋がる広い回廊のようになっており、そこに松平と頬かぶりをした茂茂が待ち構えていたので、ほほお、江戸城の中はこうなっておったでござるか…、天人達のビルと繋がり、傀儡政治の成れの果てでござるな…と万斉は嫌みを言う。

良〜し、最後はこのダンディおじさんが相手だ…と松平は言い、刀を抜くとバットの構えのようなポーズになり、来いや!と挑む。

そなたも実権なき幕府に未練はないでござろう、心置きなく地獄に堕ちるが良いと言うと、万斉は松平に向かって行くが、その時、万斉の刀は何者かに撥ね飛ばされる。 どんだけ強いか知らねえが、おじさんの敵う相手じゃねえよ…と言って松平の横にいつの間にか立っていたのは銀時だった。

その銀時が渡した制服を受け取った松平は、あれ?うちの制服じゃねえかと驚く。

あんたんところの奴に散々働かされたから…と良いながらメモを書き始めた銀時は、家賃払わなけりゃいけないんだと言いながらそれを松平に渡す。 松平がそのメモを遠ざけて見えないような素振りをするので、それ絶対に見えてるよね、いや老眼がな〜と松平はごまかす。

結構大きく書いてるから…と銀時は言うが、俺が若い頃は2.0あったんだけどなと松平は負け惜しみを言う。

45くらいかな?あれ?兄ちゃん、キャバレーにいたしゃくれ女に似てるな?と急に松平が銀時の顔に気付いたので、人違いだと銀時は否定する。

さらに、床屋の…と松平が言うので、人違いだ!と再度否定した銀時は、退いてな、人斬りさんは俺が片付けると松平に言う。

そう目の色変えてムキになるんじゃねえや、影武者だと松平が茂茂の方を頭で指して言うと、だろうな、本物を連れて町をぶらぶらする警察署長なんて即刻首だろう…と銀時は言う。

本物さんどうぞ!と良いながら松平が持っていたスイッチを入れると、空中に温泉に浸かっている茂茂の映像が浮かび上がる。

箱根の温泉から生中継!と松平が言うので、あわわわわ…と銀時は驚き、我々の動きを見越して本当に箱根に逃がしてやったとは…、粋な事をするでござる…と立ち上がった万斉も感心する。

温泉に入っている茂茂は落ち武者カット姿で、どうかな?イメチェンとやらをしてみたんだが…と言うので、やっぱり本物だったんじゃないか!と銀時は突っ込む。

映像の中の茂茂は、茂茂の秘湯巡り…と看板を片手に言うと、温泉名「宮ノ上温泉」、種別「露天風呂」…などと紹介し始めたので、映像を消した松平は、悪いな兄ちゃん、任せた!それじゃキャバ行こうやと言い残し、かたじけない、キャバ以降と言う影武者の茂茂と共にその場を去って行く。

銀時は、こんな状況でもキャバ行くの?ねえ!と松平に呼びかけるが返事はなかった。

万斉の方に向き直った銀時は、手前、高杉の所にいるのか?と聞くと、ノリとリズムが狂った…、将軍暗殺は取り止めでござる…と良いながら、床に刺さっていた剣を取り上げた万斉は、しかし御主の事は消して帰るでござよと言うので、おい!人が話しているときはヘッドホンを取りなさい!と銀時は注意する。

どう言う教育受けてるんだ、手前、チャラチャラしやがって!と銀時が叱ると、坂田銀時…、いや白夜叉!御主が何故真選組にいるのでござるか?と万斉が聞いて来たので、手前、聞こえてるんじゃねえか!と銀時は突っ込む。

あの伊東って男、真選組の実権握らせてどうするつもりだよ?将軍暗殺まで企てて…、手前ら一体何がしてえんだ?と銀時が聞くと、背信行為を平然とやってのける者を仲間にするほど拙者達は寛容にござらん、又、信義に背く者の下に人が集まらぬ事も拙者達は知っている…と万斉が答えたので、じゃあ伊東は真選組をこの江戸から遠ざけるためだけに使った道具って訳かい?と銀時は納得する。

哀れな男でござるよ、おのれが器量を知る時はもう遅い…、真選組と共に眠る運命だ…と万斉は言うので、手前ら何しやがった?と銀時は問いかける。

その頃、鉄橋を渡っていた列車は、突然鉄橋が爆破されたので谷底に落下する。

斬り合いを始めた銀時は、奴ら、手前らの罠で死ぬような奴らじゃねえと言うと、そう願いたい所でござるな〜と万斉も答える。

列車の中で気絶していた伊東は、天才とはいつも孤独な者だ…、僕には理解者がいない…と夢想していた。

(回想)僕はこんな所でくすぶっている男ではない…、誰もそれを理解できない…、誰も僕の真の価値に気付かない…、ならば自らで己が器を天下に示すしかあるまい…、と伊東は淫美な照明の屋形船の中で高杉に話していた。 真選組を我が物にする!それを地盤に天下に躍進する!この伊東鴨太郎が生きた証しを天下に、人々の心に刻むようにする…と伊東が野心を語ると、悪名でも構わねえぜ、そのためなら恩を受けた近藤を課す事も厭わないか?と高杉は聞く。

恩?恩ならば近藤の方にあるはずだ、あのような無能な男の下に僕が仕えてやったんだ…、感謝されても不満を言われる覚えはない…と伊東は言う。


ふん、伊東よ、自分以外の人間はみんな馬鹿だと思ってるのか?と窓辺に腰掛け雨の降る川縁を見ていた高杉が聞く。

そんなバカ共に認められねえのを不満に思っているのか?自が器を知らしめたい…、そんな大層なもんじゃあるめえよ、おめえはただ1人だっただけだ…とキセルをくゆらせながら高杉が指摘する。

俺にはおめえが本当に求めている物が分かるぜ…と高杉が言う。

(回想明け)列車の通路で気絶していた伊東が目覚める。 メガネは弾け飛んでいたが、周囲を見渡すと今いる車両の背後は大破しており、その前の車両は谷底に落ちかけていた。

そうか…、僕が勝った…、僕が遂に土方に勝った!と咳き込みながら伊東は喜ぶが、次の瞬間、自分の左腕が根本からない事に気付き悲鳴をあげる。

さらに、その伊東と土方が倒れていた車両も破壊された橋から墜落寸前の状態だった。 江戸城外の通路中央ではまだ銀時と万斉の死闘が繰り広げられていた。

伊東は…、伊東は手前らの将軍暗殺の道具にされた事を知っているのかい?と銀時が聞くと、知る訳がないでござる、奴は幕府での出世を望んでいたのでござる、奴の自尊心と自己顕示欲を利用したまでよ…と万斉は教える。

相変わらず糞野郎ですね、お前らは!と銀時が罵倒すると、奴らしい死に方でござる、裏切り者は裏切り者…と万斉は言う。

右腕一本になった伊東は椅子にしがみつき必死にあがいていたが、その時、大破した車両後方部分から攻撃ヘリが近づいて来たのが見える。

あの野郎!と呟いた伊東は、攻撃ヘリが横向きになり機銃掃射をして来たので、止めろ!止めてくれ!と恐怖に駆られ叫ぶ。

伊東の周囲に銃弾が辺り、乗っていた車両は更に落ちかける。 その時、釘に引っかかっていた服が外れた伊東は大破した後方部分に落ちて行く。

止めてくれ!僕はこんな所で死ぬ男じゃない!止めてくれ!僕はもっと出来る男なんだ!もっと!もっと!と心で叫びながら、伊東は右手で壊れた車両の床板を掴んでぶら下がる。

(回想)母上!見て下さい、僕学問所の試験で満点を!と言いながら答案用紙を持って来た幼い伊東に、寝たきりの長男を見ていた母親は、鴨太郎!静かにしなさい、兄上の身体に触るでしょう!と叱り、障子を閉めてしまう。

廊下に取り残された加茂太郎は、申し訳ございません…と詫びる。 もっともっと頑張らなければ!もっと頑張ればきっと僕を見てくれる! 学問所で級友達から苛められていた鴨太郎は、外で足蹴にされ、お前なんか大嫌いだ!と言われてしまう。

いじめっ子達が立ち去った後、起き上がった鴨太郎は、もっと、もっと頑張らなければ…、もっと頑張ればみんなきっと認めてくれる!と自らに言い聞かす。

剣道の練習をして相手に勝った時、1本!お見事!大した者だ、鴨!子の齢にしてこの剣筋!努力したな、鴨!江戸へ行け、私が名門北斗一刀流に推挙してやると師範は褒めてくれる。

しかし、自慢げに見回した鴨の仲間たちは何も言わずその場から去ってしまう。

推薦状を手に帰宅した鴨太郎だったが、双子の弟?鴨太郎はあんなに元気に育ったと言うのにな〜、次男がどれほどの才覚を持っていようと宝の持ち腐れ…、鷹久は鴨太郎に全て奪われて生まれて来たのに、私のおなかの中にいる時に、鴨太郎が鷹久の全てを奪って行ったに違いないわ…、あの子、生まれて来なければ良かったのに…、これ、鴨太郎に聞かれたらどうするんだ!どうかしてるぞ、だって…と、部屋の中で両親が話合っている会話を聞いてしまう。

何で…、何でみんな僕を見てくれない?

(回想明け)僕を1人にしないでくれ…、隣りにいてくれ!僕の隣りでこの手を握ってくれ…と願いながら、伊東は大破した車両後方から谷底に落下して行く。

その時、落ちて行く伊東の右手を車両から身を乗り出して握って来たのは近藤だった。

近藤!何してる?手前は今何してるのか分かってるのか?僕は君を殺そうとした裏切り者!…と伊東は呼びかける。

車両の中で近藤の足を引っ張っていたのは沖田、その沖田の足を新八が引っぱり、その新八の足を怪力の神楽が満身の力で引いていた。

謀反を起こされるのは大将の罪だ、無能な大将に付けば兵は命を失う、これを斬るのは罪じゃねえ!と近藤は言う。 すまねえ、俺はあんたの上に立つには足らねえ大将だった…、すまねえ先生!と近藤は詫びる。

俺は兵隊なんかじゃねえ、ただ、ただ付き合わせて酒の見交わして付き合う友達として、あんたに側にいて欲しかったんだ…、まだまだたくさん色んな事を教えて欲しかったんだ…、先生!と呼びかける近藤に、僕の欲しかったのは…と伊東は考える。

(回想)幼年時代勉学や剣道に励む己の姿… こんなに頑張ってるのに、僕は何も悪くないのに、もっと僕を見てくれ!もっと僕を褒めてくれ!

(回想明け)鬼兵隊の攻撃ヘリからの機銃掃射が再び始まるが、近藤は手を離そうとはしなかった。

地位や名誉、成功でも才能でも、自分を認めてくれる見返しでもない… その時、何してやがる~!と言いながら列車から攻撃ヘリにジャンプしてプロベラを切断したのは土方だった。

僕が欲しかったのは…

(回想)酒宴で盛り上がる真選組 1人ぼっちでしゃがみ込んでいた幼年時代の伊東の肩を叩いたのは真選組の制服だった。

振り返った伊東は大人になっていた。 伊東の背後に立っていたのは真選組の仲間たちだった。

(回想明け)苦もなくそこにあった… 僕の絆は… 先生と呼びかける近藤の姿が霞んで来る。

絆だ!絆が欲しいだけだった!と気づく伊東。

先生!と呼びかけた近藤は渾身の力で伊東の手を握りしめ、神楽が怪力で4人分の身体を持ち上げる。

プロペラを失い落下するヘリが空中爆発する中、土方も落ちかけた客車にジャンプして飛び移る。

客車に持ち上げられていた伊東がその土方の手を掴む。

土方君、君に1つ言いたい事があったんだ! すると伊東の右手だけでぶら下がった土方も、奇遇だな、俺もだ…と言い返す。

僕は君が嫌いだ!と伊東が言うと、土方も俺はお前が嫌いだと言い返す。

いつか殺してやる、だから!と2人一緒に言い合うと、こんな所で死ぬな!と同時に言い合う。

その頃江戸の空中通路では、まだ銀時と万斉が戦っていた。

さすが白夜叉…、千人斬りの万斉も簡単には斬らせてもらいないでござるな…と万斉は嘆息する。

すると銀時は、勘違いするなよ!弱え奴なら何人でも斬れるんだよ、そろそろ行くぜ、俺は手前みてえなタコスケぶった斬って、奴らの所に戻らなくてはならねえ…と言う。

すると刀の血を拭きながら、もう手遅れでござるよと万斉が言うので、さあ、どうかな?と銀時は笑う。

土方も何とか列車内に持ち上げた近藤達だったが、新たな鬼兵隊の攻撃ヘリの銃撃を受けていた。

伏せろ!と呼びかける中、攻撃ヘリの側面に飛んで来て、一刀の元にヘリを切断したのは、エリザベスに乗った桂だった。

床に伏せていた近藤が背後を見ると、左手を失った伊東が大破した部分に立ちふさがり銃弾を防いでいた。

血反吐を吐き倒れる伊東に、先生!と近藤が駆け寄り、土方も伊東!と助け起こす。

血まみれになった伊東は、何をぼやぼやしてる?副長、指揮を!見ての通り、敵は大将を失った、討つなら今だ!と土方に命じる。

江戸では万斉が三味線糸を袖口から発射し、銀時を追いつめていた。

万斉の三味線糸は、通路の柱をも簡単に切断する優れものだった。

その切断した柱の破片をぶつけようとするが、銀時はその破片を蹴り飛ばし、破片に巻き付いた糸に繋がった万斉も一緒に吹き飛ぶ。

その時、銀時の背後に鬼兵隊の攻撃ヘリが出現する。

すると、起き上がった万斉はそのヘリにジャンプしながら三味線糸を何本も銀時の身体に絡めて行く。

さあ白夜叉、このヘリで地獄にお連れするでござる…と糸の根本を握ったままヘリに乗り込んだ万斉は言う。

銀時の身体に巻き付いて糸はヘリの万斉から引っ張られていた。

ふざけんな〜!と叫びながら銀時はその糸を渾身の力で引っぱり返す。

白夜叉!貴様は何がために戦う?何がために命をかける?もはや侍の世界の崩壊は免れぬ!晋助が手を下さずともこの国はいずれ崩れ落ちる!主人があがいた所で変わりはせん!この国に守る価値などもはやない!と言いながら、万斉は両手から放った糸の根本を握りしめる。

天人達に食い尽くされ醜く腐るこの国に、潔く引導を渡してやるのが侍の役目!この国は腹を斬らねばならぬ!と叫ぶ万斉。 必死に持ちこたえていた銀時の手首が巻き付いた糸で斬れそうになる。

死にたきゃ、1人でひっそり死にやがれ!と銀時が言い放ったので、坂田銀時、御主は亡霊でござる、かつて侍の国を守ろうと晋助と桂と戦った想い、それを捨てきれず、無視して生きた亡霊でござる!と万斉は呆れる。

武士の守る者などもうありはしない、亡霊は帰るべき所へ帰れ!と万斉は叫び更に糸を引く。

しかし銀時の抵抗力は糸を切断してしまったので、鋼鉄の強度を持つ弦を!と万斉は驚愕し、無理は線方が良いぞ、手足が引きちぎれる!と警告し、操縦席の仲間に撃て!と命じる。

操縦席から機銃を掃射して来たので、耳の穴ほじって良〜く聞け!俺は安い国のために戦った事は一度たりともねえ!国は滅ぼうが侍が滅ぼうがどうでも良いんだよ!と叫びながら身をかわして行く。

今やヘリに乗った万斉と銀時を繋いでいるのは剣に絡んだ1本の弦だけになっていた。

今も昔も俺の守るもんは何1つ…、何1つ!(過去の仲間たちの映像が走馬灯のように蘇る)変わっちゃいねえ!と言いながら剣を振りかぶると、弦に繋がったヘリが振り飛ばされる。

ヘリは江戸城の天守閣に衝突し爆発する。

線路脇で鬼兵隊と真選組が激突した車の残骸 列車の中では、腐れ縁…、そんな形の絆もあるんだな…、知らなかった…、いつだって気づいた時には遅いんだ…、ようやく見つけた大切な絆でさえ自ら壊してしまった…と瀕死の伊東が呟いていた。

それを見守る近藤、起きた、土方、新八、神楽達の所に、そいつをこっちに渡してもらえるか?と真選組仲間がやって来る。

お願いです、この人はもう…と新八が頼むと、万事屋…、今回はお前らには世話になった…、だがその頼みだけは聞けない…、伊東のために何人が犠牲になったと思っている?と禿頭の隊士は言う。

裏切り者は俺たちで処分しなけりゃならねえと言うので、お前、何言ってる?と神楽が突っかかろうとするが、それを止めた近藤は滂沱の涙を流していたので、近藤さん…と新八は驚く。

満月の夜、地面に倒れた伊東の回りを真選組の仲間たちが円陣に取り巻いていた。

放っといたって奴はもう死ぬ…、だからこそ…、だからこそ…斬らなきゃならねえ…と、江戸から戻って来た銀時が呆然と処刑を見守る新八と神楽に話しかける。

倒れた伊東の前に剣を投げつけた土方も剣を抜き、立て、伊東!決着付けようじゃないか!と呼びかける。

こいつら、奴を薄汚え裏切り者のまま死なせたくねえんだよ…と銀時は呟く。 頭をもたげた伊東は目の前に落ちていた剣を残った右手で掴み、必死に起き上がる。

伊東が剣を構えると土方も剣を構える。

最後は武士として、仲間として、奴を死なせてやりてえんだよ…と銀時は言う。

伊東!と土方が叫ぶと、伊東も土方!と怒鳴り返し、両者は走り寄って斬り結ぶ。

近藤や沖田が見守る中、土方と伊東には光の絆が繋がっていた。

それを唖然と見守る伊東。

絆の光の粒子が浮上する。 気づくと、周囲を取り巻く真選組全員の胸から絆の光が伊東に繋がっていた。

もちろん、沖田と近藤の胸からも光の絆は繋がっていた。 あり…がとう…呟き、笑顔で倒れて行く伊東。

それを静かに側から見守る万事屋の3人。

川を進む屋形船の窓辺で三味線をつま弾く高杉は、存外、幕府もまだまだ丈夫じゃねえか…と呟く。

いや…、伊東が脆かったのか、それとも…、万斉、おめえが弱かったのか?と問いかけると、思わぬ邪魔が入ったでござる…、あれさえなければ…、何事にも重要なのはノリとリズムでござる…、これを欠けば何事も巧く行かぬ…、乗れぬとあれば即座に引くのが拙者のやり方…と膳を前に一杯やっていた万斉は答え、立ち上がる。

万斉!と呼びかけた高杉は、俺の歌には乗れねえか?と聞くと、いや、奴らの歌に聞き惚れた…と山崎や松平の事を思い出しながら万斉は、拙者の負けでござる…と答え、部屋を出て行く。

その後、真選組では殉職した山崎の葬式が始まっていた。

そこへ障子を開けて覗き込んだのは死んだはずの山崎で、自分の供養が行われていると知ると愕然とする。

ええ!やばい〜!完全に死んだ事になってる〜!と山崎は嘆く。

(回想)気が変わったでござる…、山崎のとどめを刺したはずの万斉は、剣を倒れた山崎の頭の横に突き刺し言う。

主の歌、もう少し聞きたくなった…と言う万斉は剣を抜き、生き延びてその続きを聞かせてくれるのを楽しみにしているでござるよと言い残し立ち去って行く。

…などと言うやり取りがあり、俺が生存していたなんて誰も思っていまい…、まずいぞ〜と山崎は焦る。

急に部屋に入り込み、喪服姿のみんなの前で、すみませ〜ん、やっぱり生きてたよ〜!と笑ってごまかす手も考えた山崎だったが、なんつって出て行ったりしたらもう間違いなく粛正される…と想像して怯える山崎。

わっ、どうしよう…、しかし申し訳ないな、こんな状況なのに…、みんなを泣かせてしまって…と反省しながら部屋を後にしかけた山崎は、もう一度障子を開けて部屋の中の様子を伺うと、って、寝てる〜!と気づく。

沖田などはアイマスクをして熟睡していた。

「ジャンプ」読んでる奴いる〜!携帯でしゃべっている奴いる〜!と山崎はがっかりする。

その頃、着物姿になって万事屋とだんご屋の店先で会っていた土方から事情を聞いた新八は、謹慎処分の延長を申し出た?と驚く。

ああ、今回の不所持の責任は重いからな…とくわえ煙草の土方は答える。

でももうヘタレオタクは直ったんだろう?と神楽が聞き、土方さん、もし奥底に素質があるのなら、いつでも仲間に迎えますよ!と新八も声をかける。

世話になったな…と土方が立ち上がったので、どこ行くねん?と神楽が聞くと、まあ、全部背負って前に進まなきゃならねえ、地獄で奴らに笑われねえようにな…と言いながら土方は去って行く。

それを笑顔で見送った銀時は、あ、ギャラもらうの忘れたと言い出したので、新八も、ああ!どうするんですか、今朝銀行に行ったらまだ1円も入ってませんでしたよと慌てる。

それを聞いた銀時は、それまずいじゃん、家賃どうすんの?と聞いていると、「家賃払え!」と書いた看板を片手にしたお登勢が何か怒鳴りながら迫って来たので、やばい!逃げろ!と銀時は叫ぶ。

おんどりゃ〜!と迫るお登勢。

一方、死に衣装に着替えた山崎は、良し、こうなったら、お化けとなってみんなを脅かしてやる…と呟き、障子を開こうとしていると、ほらっ!と部屋の中に蹴り込んだのは土方だったので、副長!と部屋の中に入った山崎は振り返って驚く。

近藤は土方を見て笑いかけ、寝ていた沖田もアイマスクをずらして土方を確認すると安堵したように又アイマスクをかぶる。

隊士達は山崎よりも土方の帰還の方に驚き、みんな土方に近づいて来て、副長コールを始めたので、すっかり無視された山崎も、仕方なく一緒になって副長コールに参加するのだった。

かぶき町一番街の目抜き通りをお登勢から必死に逃げる万事屋3人

タイトル

「踊る大捜査線」のラスト風のエンドロール(銀時がコートを羽織ってお台場風の場所を歩く)

だから、そう言うの止めなさいって!と新八のツッコミ

エンドロール
 


 

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