白夜館

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花のヒロイン 

 

 

 

幻想館

 

犬ヶ島

日本贔負と言うより東宝映画贔負が作ったんじゃないか?と思わせるファンタジーになっている。

そのものズバリ「東宝山旅館」などと言った名称が出て来るだけではなく、小林市長はどう見ても三船敏郎だし、「七人の侍」のテーマ曲も使われている上に、芹沢教授風の渡辺教授やロボット犬や「ドッグ・ゼロ」などと言うネーミングからはゴジラシリーズを連想させる。

表向きは犬と人間の結びつきを描いた一見シンプルな寓話だが、その背後には特定の思想で世の中を洗脳してしまう権力者の恐怖政治とか、世間から見捨てられた大人、栄光から滑り落ちた元人気者の悲哀のようなものや、仕事を次の世代に繋げたりするのを犬に托して描いているような部分もあり、分かりやすい子供向けやファミリー映画と言うより客を選びそうなアート系作品に近いような気がする。

大人が見るメッセージ映画と言うにはややステレオタイプな部分が物足りないような気もする。

シンプルな冒険譚のようにも見えるが、娯楽として見ると悪役の小林市長が何故犬を嫌っているかなど不明確な部分も多く、痛快さにかける部分がある。

昔の伝説と絡めたり、小林の背中に入れ墨があったり、彼の相関図に東条英機に似た写真が使われていたり、要するに日本の悪のイメージを組み合わせたと言うことだろうが、日本人の感覚からすると現実の日本風刺とも思えずピンと来ない。

交換留学生トレイシーの意見に日本人の従順さ批判なども感じるが、この根本的な「悪」の描写が不明確と言うか記号的なので、それと戦う交換留学生や主人公の少年の動機も弱く、寓話としてのラストの感動ももう一つ盛り上がらないのだ。

日本趣味も、子供たちが終始下駄を履いているなど奇妙な昭和日本と言うか、戦前趣味だったりと表面的で奇妙なイメージが多く、いまだに中国と混同している部分もないではなく、外国人が知り得た色んな日本要素をアットランダムに組み合わせたような独特の世界観になっている。

良心的で上品な絵本でも読んでいるような印象で悪くはないが、独特の癖のような物があり、誰にでも勧めるようなタイプの作品でもないような気がする。

ただ、表現的には人形アニメに二次元アニメのような技法も併用されており、CGIなどとは一味違った味わいを楽しめる。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2018年、アメリカ映画、ロマン・コッポラ+ジェイソン・シュワルツマン+ 野村訓市原案、ウェス・アンダーソン原案+脚本+監督作品。

序幕 少年侍と首なし先祖

神社の中で神主が神棚ある。

黒犬ジュピター(声-F.マレーアブラハム)が襖絵の前に登場し、千年昔、犬たちは自由にマーキングをしていたと解説を始める。

小林一族は犬を隔離し始めた。 そこに1人の少年侍が登場し小林の首をはねる。

彼のお陰で犬たちは人間たちのペットとして重宝されるようになった。

しかし首を切られた小林はこの仇敵を許さなかった。 前置き 登場人物は母国語を話す。

(時には通訳者、交換留学生、又は電子通訳機を通じて訳される)(とテロップ)

暗闇の中央のスポットが辺り、締め込み姿の男3人が太鼓や鐘を打ち鳴らす。

タイトル

日本 20世紀

4階席まで客で埋まった巨大な劇場で最善の利益の為に」と書かれた巨大ポスターの前に立った井上市長は、犬は飽和状態になっており、ノミ、ダニ、シラミの元凶になるだけではなく、ドッグ病やトラウト病の人間感染の危険もあり、ウニ県では犬の隔離を決意し、全てゴミ島送りにすると法で決めたと発表する。

全ての犬を追放しろ!ウニ県メガ崎市に戻るのだ!と小林市長は絶叫すると、この国の法律に従い、反対意見も容認する、リスペクト!と小林市長は続ける。

壇上横に控えていた代表の科学党候補の渡辺ベン教授(声-伊藤晃)が市長に代わって演壇に立ち、犬に不公平だと切り出す。

その言葉を通訳ネルソン(声-フランシス・マクドーマンド)が英語に訳す。

犬は人間を守ってくれます、ドッグ病などの血清も6ヶ月で完成します、犬は昔から人間の友ではなかったのか?と犬擁護の意見を発表するが、徴収の一部、交換留学生トレーシー・ウォーカー(声-グレタ・ガーウィグ)を含む高校生の一部は賛成の姿勢を示したものの、市長の意見に洗脳された他の客たちは渡辺に物を投げつけたりする。

それを付き添って壇上に腰掛けていたオノ・ヨーコ(声-本人)が庇いに来る。

再び壇上に登場した小林市長は、お静かに!国民の団結を示す為に、個人的に飼っていた番犬のスポッツ(声-リーブ・シュライバー)をゴミ島送りの第一号に差し出すと宣言する。

フランケンシュタインのような風貌の召使いメジャー・ドウモ(声-高山明)に壇上に運ばれて来た檻の中に入ったスポッツは、何が起こったのか理解できないように舞台袖に立つ子供のシルエットの方を向く。

しかし、観客の面前で小林市長は「ゴミ島法」の書状に判を押す。

それを哀しげに見る渡辺教授と舞台袖に佇む子供のシルエット。

スポッツは檻に入れられたまま他のゴミと一緒に滑車でメガ崎市の離れにあるゴミ島へ輸送され降ろされる。

雷鳴が轟き、雨が降って来た中、檻の回りにはすぐにネズミが数匹這い出て来る。

六ヶ月後 何も入ってないスポッツの檻の周囲にはたくさんの犬の檻があった。

ゴミ島には「猛犬注意 着陸禁止」の立て看板が立っていた。

その上に留っていた黒い梟を黒い脱がしたから吼えて飛び立たせる。

ゴミ島送りになった犬は飢餓に苦しみ、75%はトラウト病に陥った。

彼らは脆弱だったが、一部は凶暴化した。

その日、メガ崎本土から滑車で送られて来たゴミ袋が落され、そこに5匹の白犬たちが集まって来る。

しかし、反対方向から別の5匹が近づいて来る。

レックス(声-エドワード・ノートン)、キング(声-ボブ・バラバン)、野球のユニフォームを着たボス(声-ビル・マーレイ)、デューク(声-ジェフ・ゴールドグラム)、そして黒犬のチーフ(声-ブライアン・クランストン)たちだった。

互いの5匹はうなり声を挙げながらゴミ袋に近づいて来るが、その時、レックスが、袋の中を確かめよう、戦う価値があるかどうか見極める為にと提案すると、白犬たちも互いに相談しあい「はい」と素直に賛成する。

袋の中味はウジが涌いていたが、一応食料らしき物が多少入っていたので、即時両グループは喧嘩を始め、負けた白犬たちに、出て行け!二度と来るな!とチーフが警告する。

片耳を食いちぎられた白犬たちはすごすごと立ち去って行く。

レックスはその落ちていた片耳を蹴飛ばすが、コンビーフやポテトチップスの残りを前にし、もうこの餌うんざりする!と犬たちは文句を言い出す。

5匹は元高校野球のマスコットだったり飼い犬たちだったので、ゴミ箱に未来はない!と嘆く。

そんな中、黒犬チーフだけは、他の4匹をバカにし、そうとも、俺は野良犬だと明かす。

その時、ゴミの崖の上に見知らぬメス犬が現れたので、チーフは見とれ、何であんなに身ぎれいにできるんだと不思議がるが、あいつはナツメグ(声-スカーレット・ヨハンソン)と言ってフィリックスと交尾したそうだと言う話をデュークから聞く

その時、上空に小型飛行機の姿が見え、それがゴミ島に墜落するのを5匹は目撃する。

操縦席から降りた子供はパラシュートが開いた状態で倒れる。

第一部 リトルパイロット

そこへ近づいてみると、レックスが開いていたパラシュートの意図を噛み切りパラシュートを飛ばす。

子供のヘルメットには機械の部品が突き刺さっており、もう助からないように見えたが、一応、頭のヘルメットを脱がして息をさせようと5匹は相談するが、その時、子供は目覚め、自分は飼い犬を探しに来た小林アタリ(声-コーユー・ランキン)と名乗る。

アタリは、ポケットから愛犬スポッツの写真を取り出し5匹に見せスポッツと名前を教える。

レックスは心当たりがあると言うが、他の犬たちはみんな知らないと言う。

起き上がったアタリはヘルメットに突き刺さっていた部品を自分で引っこ抜き、その途端又気絶する。

メガ崎相撲の千波の海対若勝龍の試合を砂かぶりで観戦していた小林市長の側にやって来たドウモが、小さな飛行機が見つかったと耳打ちする。

TVのアンカー(声-野田洋次郎)が、小林アタリが小型飛行機でメガ崎空港から飛び立ち行方不明になったとのニュースを読み上げる。

翌日 目覚めたアタリがゴミの穴から外に出て口笛を吹くと、そこにはボスたち4匹の犬たちが主人に従うように整列して待っていたが、その横で、チーフだけはしゃがんだまま建とうとしなかったので、アタリが右手を差し出してチーフに近づけようとすると、チーフは威嚇するようにうなり、俺は噛むぞと脅す。

気にするなとアタリに言ったレックスたち4匹はアタリを連れ、スポッツが入っていた檻の所に案内する。

檻の中には犬の骨だけが入っていた。 鍵がかかっていたため、スポッツは外に出られないまま死んだらしかった。

メガ崎市のTVでは、行方不明になった12歳のアタリの両親は列車事故で亡くなったので、遠縁に当たる小林市長が養子として迎えたとアンカーが紹介していた。

アタリも大怪我を追っており、右の腎臓がなくなっていた。 そんなアタリの病室にやって来たドウモは、アタリの護衛犬ボディーガードとしてスポッツを連れて来たと教える。

これからあなたの安全警護のため、ず~っとあなたをお守りしますとドウモはスポッツを見ながら言うと、あなたは私のご主人様、私はスポッツです、あなたをお守りするあなたの犬ですと挨拶したスポッツはベッドに寝ていたアタリが左手を握って差し出したので、そこに近づき手の甲を嘗めて忠誠心を示そうとしたが、それを見たドウモはアタリに、手を出してなめさせるなんてするな!と叱られる。

彼はの為の犬ではない、ボディーガード・ドッグ!ノット ペット!とドウモは言い聞かせる。

そこへランニングシャツ姿の見知らぬ男が病室に入って来て、スポッツとアタリの耳にイヤホンを付け、このイヤホンでやり取りをする、話してみろとドウモが命じる。

アタリは、もしもし?ボディガードドッグ…と小声で呼びかけてみると、スポッツは聞こえますご主人様と答え、互いにそれで通話が出ことを理解する。 君が僕を守ってくれるんだね?と囁くアタリの声を聞いたスポッツは感激で涙を流す。

その頃、ゴミ島のアタリは胸ポケットに入れて持って来た鍵で檻の扉を開けるが、泣いてしまう。

それを見ていたデュークらも、鍵がなかったんだ!と嘆く。

ボスは檻の中の土に半分埋まっていた「SPO…」と書かれた名札を近づいて見る。

その頃、渡辺教授とオノ・ヨーコ助手はドッグ病の血清を完成させていた。

ドッグ病は完治でき、ゴミは軽減できることが証明できたのだった。 教授たちは完成を祝って一本締めをする。

アタリはスポッツの墓を作ってやり「七人の侍」のテーマを流す。

そして墜落していた小型飛行機を修理するが、その際、飛行機の腹の部分についていたブラックボックスから発する電話によって、小林市長はアタリの居所を掴んでいた。

アタリは何とか修理を終えた飛行機に乗り込みゴミ島から飛び立つ。

ボスたち4匹はアタリとの別れを惜しむが、チーフだけはアタリを無視するような行動をとっていた。

それを見送る5匹だったが、その時レックスはボスが首に付けている名札に気付いたが、それは何だ?と聞くと、檻の中で見つけたと言う。 驚いたレックスは、飛び立って行く小型飛行機を追いかけ、違う!死んだ犬は違う!とアタリに呼びかける。

その声に気付いたアタリは飛行機を上昇させないまま又墜落する。

操縦席から弾き飛ばされたアタリはゴミ山の上のマットレスに落ちる。

そこに駆けつけて来たレックスはアタリにボスの名札を見せる。 そこには「SPORT」と書いてあった。

その時、遠くに犬の姿が見えたので、あれは誰だ?と聞くが、チーフは匂いがしないと答えるだけだった。

入浴中だった井上市長は赤電話で連絡を受けていたが、訪問した渡辺教授から血清が完成したとの報告を受ける。

しかし、君はこれで解決したと思っているかもしれんが…と言いながら、井上市長はその報告書をその場で焼き捨て、犬はゴミ島に留め置くと告げ、背中の黒猫の入れ墨を見せながら風呂から上がり去ってしまう。

取り残された渡辺教授がその場に置いてあった「秘密事項」と書かれた書類を開いて見せると、「雇用アタックペット コバヤシ ロボティクス」と書かれたロボット犬の説明、小林一族と暴力団の関係などが書いてあったが、すぐに戻って来たドウモがその書類を持って行ってしまう。

ゴミ島には捕獲部隊のボートやドローンのような物が飛来し、アタリと犬たちを捉えようとしていた。

ボートから3人の男が上陸し、捕獲網を取り出して迫って来る。

背後からはロボット犬がアタリと犬たちに迫る。

ドローンからアタリにそこから離れて身の安全を図って下さいとアナウンスが聞こえて来るが、何故ココについて来るんだ!出て行け!とアタリは怒鳴り返し、持っていたパチンコでドローンのモニターを壊そうとする。

これに気付いたドローンのコントロールメンバーは威嚇射撃を試みる。

島に上陸していた捕獲員たちは網を広げてアタリを捕まえ、ドローンから降りて来た椅子に縛り付けようとする。

5匹の犬たちは相談しあい、アタリ救出のため4匹が捕獲員の方へ向かい、残ったチーフはロボット犬に対峙する。

ロボット犬はライオンのようなたてがみを立てて攻撃モードになるが、チーフは果敢に飛びかかって行く。

ドローンに吊り上げられていたアタリはレックスから椅子の捕縛を解かれると、自ら目隠しを外し、パチンコ玉でドローンのモニターカメラを破壊する。

椅子から飛び降りたアタリは、チーフに馬乗りに仮今にも噛み付きそうになっていたロボット犬に、捕獲員が落したコントローラーを使い、元の姿に戻すと芸をさせる。

ドローンも制御不能になり落下して爆発する。 その頃小林市長はTVのアンカーから養子のアタリに関するインタビューを受けていた。

小林市長は、アタリは5匹の犬に誘拐、拉致されたと主張する。

夜になったゴミ島では、アタリが怪我をしたデュークたちの治療をしてやっていた。

アタリはいまだに反抗的なチーフを懐かせようと、おすわり!などと命じて見るが、それを拒否したチーフは、ゴミで出来た住居部分から出て行く。

アタリは「七人の侍」のテーマ曲を流してみる。 暗い外に出て溜まり水を飲もうとしたチーフに、私なら飲まないわ、汚染されているもの…とゴミ山の上から声をかけて来たのはナツメグだった。

チーフは、あんた、フィリックスと出来ているんだろう?と聞くが、ナツメグは、何なの?関係ないわと答える。

やり直そう、俺はチーフと、チーフが名乗ると、そう…と無関心そうにナツメグは言うので、君はナツメグだろう?と聞くと、やっぱり知ってた…とナツメグはうんざりしたように言う。

ショードッグか?と聞くと、昔はショードッグだったとナツメグは答え、あんたは野良ねとチーフに聞き返す。

でも誰でもそうだろう?とチーフが言い、芸は出来るか?と聞くと、少しねとナツメグは答えるが、見せてくれないか?もししたくなければ良いけど…、ここにには君は似合わない、又会いたい…とチーフは語りかける。

ナツメグは、見せてあげるわと言うと、4kgのボウリング玉を鼻の上に乗せてチンチンをしながらターンをする芸の動作部分だけ披露する。

そしてナツメグはその場を去り際、あの坊やを助けてやって、12歳よ…とチーフに頼む。

一方、他の4匹の犬たちはスポッツはこの辺りにはいないと結論付け、島の外れにいるんじゃないかと思われるので、あの辺に詳しいジュピターに話を聞きに行こうと相談していたが、そこにチーフも戻って来る。

高校の新聞部「デイリー・マニュフェスト」の部室 ヒロシ編集長の元、TVでの昨夜渡辺教授が関取風の暴漢たちに襲撃されたとの報道を見て、議論が行なわれていた。

その時、風船ガムを食べていた交換留学生のトレイシーが、アメリカ人はズバリ言うけど、市長は悪党よ!と言うので、ヒロシ編集長が確証はあるのか?と聞くと、私の勘だけどと発言する。 意見の一つとして聞き流そうとするヒロシ編集長にトレイシーは苛立つが、確証が得られそうもないことは自覚していた。

そんなヒロシとトレイシーは、部室の片隅にある「ハッカー・コーナー」のメガネの学生を見る。

第二章 スポッツを探せ

ゴミ島では、アタリと5匹の犬たちがスポッツを探すため島の果てに向かっていた。

火山の噴火が起こり、津波の後、ゴミ島が出来た。 一行は元ゴミ島の野球場跡にやって来る。

各犬たちはそれぞれ、懐かしい昔の思い出話をする。

そんな中、チーフも昔から俺は野良だった訳じゃない、3回だけ捕まった…と打ち明ける。

大家族だったし、2回は24時間以内に逃げ出したんだと言う。

3回目は5人家族に犬2匹の家族に1週間ほど飼われた。

ある日、男の子が俺に手を差し出して来た、悪気はないことは分かっていたが俺は彼の手を噛みちぎった。

キッチンは血の海になった。

その時何故噛んでしまったのか、今でも分からない…とチーフは言う。

婆さんがチリをくれた…と話していたチーフが、誰かが付けてると言い出す。

アタリはそちらの草むらにパチンコを構えて狙うが、草むらから出て来たのは救助犬ジュピター(声-F・マーレイ・エイブラハム)とオラクル(声-ティルダ・スウィントン)だった。

メガ崎では小林市長がご存知の通り、我々は犬が大嫌いだと映写機を使い演説をしていた。

さらに、親犬派をことごとく潰したり、メカドッグ「ロボティクス」を発明した自分の身内たちの業績を紹介し自画自賛していた。

全員猫をペットにしていた。

ゴミ島には「ゴミ島犬用シェルター」が出来ており、そこに犬たちは隔離されていた。

テレビ局は、ゴミ島で発見された、小型飛行機で墜落したアタリのヘルメットに突き刺さっていた壊れたプロペラのクラッチを発見し、そこに付着していたアタリの血液をロボティクスに嗅がせ、行方不明になったアタリの捜査を始めていた。

そんな中、分解された小型飛行機の所にいてブラックボックスを回収したのは、変装して現場に紛れ込んでいた高校生新聞「デイリー・マニュフェスト」の「ハッカー」担当学生だった。

左翼が不調、僕が死んだら遺産はスポッツに贈る、僕が死んでいたら遺灰は海に捨ててくれ、僕は犬を探す…とアタリは録音していた。

このブラックボックスに残されていたアタリの声を証拠として、トレイシーら高校生の新聞部は団結を!と呼びかけ、アタリは犬に誘拐されたのではないと訴える。 そのテレビ放映はメガ崎市民たちの多くが見ていた。

ゴミ島では救助犬ジュピターが首に下げた樽のブランデーを全犬に振る舞っていた。

オラクルが、今、犬は島にいるよと言い出したので、他の犬たちは、彼女は未来が見えるのか!と驚くが、ジュピターが言うには、オラクルは人間のTVを理解できるのだと言う。

君らが探しているのはスポッツと言う犬ではないか?とジュピターが聞くと、アタリが持っていたスポッツの写真を見せたので、ドッグ・ゼロだ!とオラクルとジュピターは確信する。

最初にこの島に来た犬で10年ほどこの辺りにいたが、今は島の果てのミドルフィンガーに生きているとオラクルは言う、もし生きていれば囚われの身だろうジュピターは教える。

その言葉に従いさらに旅を続けることにしたアタリと5匹の犬たちだったが、先住犬は共食いをしていると言う噂だとデュークは言う。

メガ崎の寿司屋ではサバらしき魚を降ろしにぎり寿司を作り、それに用意されていた毒わさびを塗ると、東宝山旅館に宿泊客として軟禁中の科学党候補の渡辺教授宛の贈り物として用意していた。

夜、その差し入れを食べた渡辺教授は毒に当たり死亡する。

アタリと犬たちは荷物運搬用のロープウェイに乗ってミドルフィンガーに向かっていた。 TVでは昨夜0時、渡辺教授が死亡したニュースを自殺として報道しており、それをトレイシーら高校の新聞部の部員たちは見ていた。

ロボット犬「ロボティクス」と補導員たちはアタリの匂いを頼りに追跡を続けていた。

渡辺教授を失ったオノ・ヨーコ助手は、これ以上研究禁止と貼られた研究所の扉の前にしゃがみ込み茫然自失の状態になっていた。

ロープウェイでレックスが前方を見ながら話していた時、背後に乗っていたアタリとチーフのロープウエイ部分は、何故か突然分離され別の路線を移動し始める。

それに気付いたレックスは、はぐれたら水路で落ち合おうとチーフとアタリに呼びかける。 ところがその直後、レックスたち4匹の犬が載ったロープウェイは「焼却・成形工場」の中に入って行く。

1時間後 「小林パーク」と書かれた廃墟のテーマパークの上を通過したチーフとアタリのロープウェイは、そこに設置された巨大ゴミ箱の上に落される。

ゴミ箱の下の扉から出て来たアタリは、五重塔ライドと呼ばれる巨大な装置の前にある侍の姿をした身長制限用の下に立ち、自分の身長が足りないことを知るが、それには乗らない、行こうと一緒にいたチーフは注意し、自分だけ先に歩き出す。

しかしアタリが動こうとしないので、みんなと水路で待ち合わせているんだ、さあ行こう!言う事を聞かないと噛むぞとチーフは戻って来て誘うが、アタリは何故かその言葉に従わずライドの階段を上って行く。

止めろ!とチーフは制止するが、そのまま天辺まで登ったアタリは滑り台を滑り降りて来る。

ところがアタリはチーフがいないことに気付き、黒犬どこだ?黒犬!とチーフを呼ぶ。

チーフは愚痴を良いながら先を歩いていたが、背後からアタリの口笛を聞き、同じ口笛を吹き返してアタリに場所を教える。

その頃、焼却・成形工場の中に入っていたボスたち4匹は、機械が既に壊れていてタイミングがずれまくっていたため、何とか無事に通り抜けていた。

これが全てまともに動いていたら死んでる…と4匹は怯える。

巨大滑り台からしばらく歩き広い場所に来た時、アタリは棒を拾い上げたので、チーフは取って来いなんて言うなと念を押すが、アタリはそれを無視して、棒を投げると取って来い!と命じたので、チーフは頑に、だからやらないって言っている!と抵抗する。

それでもアタリが取って来いと言うので、棒を走って取って来たチーフは、君が可哀想だからやってやったんだと言い訳をするが、そんなチーフを、良い子だねと良いながらアタリは抱きしめる。

そしてアタリは、持って来たボディーガード犬用の小道具とそこに捨ててあった空の酒樽を使い、野良犬になって初めてチーフを風呂に入れてて身体を洗ってやり、毛をカットしてブラッシングもしてやる。

すると今まで黒犬とばかり思っていたチーフは汚れていただけで、実は白犬で、しかもアタリが探しているスポッツと瓜二つであることが分かる。

違いはスポッツの鼻がピンクであるのに対しチーフの鼻は黒いと言うだけ。

俺は9人兄弟で妹だけ死んだ…とチーフも鏡を見て驚きながら自分の出生の秘密を打ち明けると、アタリはポケットに入れて持って来た犬用ビスケットを出したので、ビスケットはもらわないよ、君の愛犬用だとチーフは遠慮すると、二つあったら良かったのに…、もっと持ってくれば良かった…とビスケットを半分に割ったアタリが言うのに、パピースナックは初めてだ、クランチーだなどと言いながら味わい、満足したのでありがとうと礼を言う。

アタリとチーフが歩いている先にゴミが落ちて来て、そのゴミの中に混ざっていた新聞には、養子のアタリさん犬の為に戦うと、ドローンの監視カメラに向けてパチンコを狙っている姿と共にチーフら5匹の犬がアタリを誘拐した犯人として載っていた。

夜、眠ったアタリの側の木に留ったフクロウにチーフは犬は必ず探し出すと決意を告げる。

眠っていたアタリは耳に付けた通信用イヤホンのスイッチが入ったような気がして目を覚ますが、すぐにイヤホンが消えたので又眠る。

メガ崎のホームステイ先である菊池家の部屋では、トレイシーが小林市長の暗いコネクションや賄賂汚職の噂、さらに自殺されたとされる渡辺ベン教授のこと、行方不明になった小林アタリのことなども、壁に貼られた膨大な資料を前に考察していた。

すると頭にカールを巻き、お茶を持ったおばさんがもう遅いわよと苦情を言いに来て部屋の電気を消してしまう。

それでもトレイシーは懐中電灯の灯りを付けてアタリのことを照らす。

第3章ランデブー

アタリとチーフは目的地である水路に到着する。

アタリは口笛を吹き、チーフも同じように吹き始める。

すると、背後の焼却場の出口から、レックス、キング、デューク、ボスたちが乗ったロープウェイが出て来たので、無事だったか!とチーフは下から呼びかける。

ボスたちは薄汚れており、君がシャンプーをしている間、俺たちは焼却機の中にいたと愚痴を言ので、間もなく終点に近いことを知ったチーフは飛べ!今すぐだ!と叫ぶ。

しかし4匹が躊躇している間にロープウェイのゴンドラは車両終点辞典でストップする。

そこは水路の真上だった。

その時、水路の向こう側に見知らぬ犬影を見つけるが、匂いがしない…と鼻を利かせたチーフは呟く。 対岸の犬の周囲にたくさんの犬たちが姿を現す。

メガ崎市の監視センターでは、アタリの匂いから彼の居場所を突き止める。

1分45秒後

監視ドローンのカメラが上空からアタリとチーフを発見する。

アタリたちの背後には、匂いを尾行して来たメカドック「ロボティクス」と保護員たちが姿を現す。

水路の上のモノレールのゴンドラの下のランプが点灯し始める。

アタリ様!聞こえますか?と声がアタリのイヤホンから聞こえる。

その時、上空のドローンから檻が降りて来る。

さらに網を持った保護員たちがアタリが建っていた桟橋の横に梯子をかけ、そこから捕まえようとする。

秘密の歯

(回想)ゴミ島に檻ごと降ろされたスポッツは、近づいて来た犬からこの辺りにいる共食い犬について聞かされ、檻の中だと安心かもしれないが飢えと乾きで死は避けられない気がする。

夜になり、その問題の野生犬が檻の近くに集まって来たのを見る。

僕を食うつもりか?と檻の中のスポッツは睨むので、野生犬のリーダーらしきゴンド(声-ハーヴェイ・カイテル)は何のことだ?と聞くが、スポッツは口を開けて歯を見せる。

そこには「軍用」と彫り込まれた特別性の牙が生えていた。

すると野生犬のリーダーらしきゴンド(声-ハーヴェイ・カイテル)が、犬を食ったのは1度だけだと言い出す。

食ったのはファズオール、リーダーだった…、彼を苦しみから解放してやろうと思い、俺は奴を食った… ファズオールは親友だった…とゴンドは涙を流して告白すると、助けてやれと仲間に命じる。

義足を付けた野生犬はくわえた鍵で檻を開けてやりその場を去る。 あっけなく檻から出られたスポッツの上から声をかけて来たのは見知らぬ雌犬だった。

エレベーターを使い下りて来た雌犬は泣いていたので、大丈夫か、俺は小林スポッツと名乗る。

(回想明け)アタリとチーフの前に現れたのは探し求めていたスポッツだったが、彼はこんな所に来ては行けないとアタリに呼びかけながら走り寄ると、水路を飛び越え、ロボット犬「ロボティクス」に軍用牙を次々に吹き矢のように吹き付ける。

その牙が当たった「ロボテティクス」は爆発し動きが止まる。

その隙に、飛び込めと命じらスポッツが水路に身を投げたので、アタリとチーフも後を追って水路に飛び込む。

その様子を小林市長がドローンの監視カメラで目撃していた。

スポッツの仲間の野犬たちも一斉に水路に飛び込み、上空で停止していたロープウェイのゴンドラのそこが焼け落ち、ボスたちも全部水路に落下する。

君を奴らに渡すべきじゃなかった、僕は君を助けに来たんだとアタリは訴える。

何があったのか、もう忘れたい…、今や追放犬のリーダーですと水流に流されながら説明したスポッツは、君はノラだな?と同じく水に流されていたチーフに聞く。

6年前、弟と生き別れた…、久しぶりだなチーフとスポッツは言う。

メガ崎市では小林市長がアタリの葬式を執り行い、悪い犬は処分してやる!と犬の人形に火を点けるパフォーマンスをしてみせる。

陸地に上がったスポッツは、津波の後、ゴミ島に追放された犬たちの250万匹もが動物実験に使われていたと明かす。

島には身体の部分を失った障害犬が多かった。 アタリが持っていたパピースナックを犬たちに分け与えているのを見たスポッツは、既に製造中止と思っとったと感激する。 その実験棟も小林の名前がついていた。

そんなスポッツにメガ崎市から飛んで来たフクロウがメッセージを持って来たとゴンドが知らせに来る。

そのフクロウの言葉を聞いたスポッツは、ゴミ処理場ニュースだと理解する。

12時間前

小林市長はテレビを通じ、ゴミ島の犬たちを毒わさびを使って毒殺するつもりだと声明を出していた。

寿司屋のテレビ放送を覗き見たオラクルは驚く。

倉庫内には毒ワサビから作ったペット安楽死用のガスが大量に保管されていた。

収容所に入れられていた犬たちは、飼い主を説得して我々を助けてくれとフクロウに告げる。

フクロウのメッセージを聞いたアタリは、戻らないと、あいつらはもう正気じゃないんだと憤る。

スポッツは仲間の犬たちに、今夜川を越えろ!と命じる。

チーフはフクロウに、ナツメグに会ったらメガ崎で会おうを伝えてくれと頼む。

一方、トレイシーたちは、高校でアタリ追悼として「少年侍」の歌舞伎風の演劇を始めていた。

ゴミ島のアタリは、川を渡る船の簡単な設計図を砂地に描き、犬たちとともに船を作り出す。

船は数日で出来上がり、犬とアタリたちは数隻の船に分乗してメガ崎市へと向かう。

甲板でスポッツから新しいボディガード犬にチーフを任命したいと聞いたアタリは、哀しいけど新しいボディーガードドッグを受け取るよ、もちろん尊敬と愛情を持ってねと答え、僕もお兄さんのとき以上に君を守るつもりだとチーフに語りかける。

スポッツはチーフに、これからはお前がアタリ様をお守りするのだ、良く働けよと涙ながらに命じる。

チーフも泣きながら約束すると答えたので、良しとスポッツは納得し、アタリがスポッツの耳についていたイヤホンをチーフに付けてやる。

船内では、スポッツと仲良くなった雌犬が6匹の赤ん坊犬を生んで乳を与えていたので、その中で乳を吸いはぐれていた1匹をアタリは抱いて、哺乳瓶でミルクを飲ませてやる。

その時、他の船に乗っていた犬たちが全員口笛を吹き出す。

そんな夜中、酒を1人で飲んでいたオノ・ヨーコ助手に会うため酒場にやって来たトレイシーは、チョコノッグを注文しヨーコの隣のカウンターに座ると、持参した渡辺教授に関する資料を取り出す。

しかし、それを見ても、もう遅いわ…とヨーコは興味を示そうとしなかったので、科学等の渡辺教授は諦めなかった!とトレイシーは指摘する。 ヨーコがバーテンの方を見ると、バーテンが冷蔵庫から青い液体が入ったフラスコをカウンター上に滑らせて来る。

それが完成したドッグ病の血清で最後の1匹分なのだとヨーコは言う。 トレイシーがそれを掴んで店の外に駆け出すと、トレイシー、気を付けて!とヨーコは言う。

第4章 アタリのランタン

小林市長のポスターに、「アタリは生きている」と言う落書きをする黒めがねの少年は、新聞部のハッカー専門部員に似ていた。

その小林市長は今日も大きな会場で聴衆を前に、犬たちを殲滅すればドッグ病もスラウド病の入り込む余地はなくなると演説をして投票結果を待っていた。

山崎大将に声をかけた小林市長の前に、シーツをかけられたロボット犬が登場し、小林市長はそのシーツを取って「ロボティクス」が犬に代わるペットになることを披露する。

投票結果が発表され、98.6%の民衆が小林市長を支持すると言う結果がスクリーンに映し出されたので、小林市長はガッツポーズを取るが、その時、会場に潜り込んでいたトレイシーが、あの悪党は不正を行なっている!再集計を求める!とハンドスピーカーで会場内に呼びかける。

そして新聞部の仲間たちとともに壇上に上がり込む。

それでも小林市長は、リスペクト!と言い、側にいたドウモたちが生徒につかみ掛かろうとするのを止める。

トレイシーはハンドマイクを使い、アタリはヒーローだった、渡辺教授は殺されたなどと聴衆たちに訴え始める。

そして、解毒剤「セラム」が既に完成していることを自分たちの新聞に掲載した写真を掲げて発表する。

それをバーのテレビで見るオノ・ヨーコ助手。

この少数の愛犬家たちは…と反論し始めた小林市長は、その場でトレイシーの学生ビザを取り上げ、すぐに帰国するよう航空ケットを渡すと、メジャー・ドウモに赤いボタンを持って来るよう指示する。

毒ワサビガス発射ボタンの赤いボタンが小林市長の前に置かれる。

毒ガスを積んだドローンが犬の収容所の上空に飛び上がる。

トレイシーは思わず、自分の愛犬だったナツメグの名を叫ぶ。

その時、会場の入り口から入って来たのは、死んだと思われていたアタリとスポッツ、チーフだった。

壇上に上がって来た亜立ちを見て驚愕する小林市長だったが、トレイシーは持っていた血清をその場でスポッツに注入してやる。

スポッツはすぐに効果が現れ、肺はすっきりし、感覚も頭脳も以前と同じように研ぎすまされた!凄い血清だ!と喜ぶ。

マイクの前に立ったアタリは、メガ崎高等学校の協力で、小林市長の悪事を知ることが出来た、すぐにもゴミ島の犬たちを解放したい、本当に苦しんでいる君たちの為に…と訴え、自作の俳句を披露する。

このアタリの演説はテレビを通じてメガ崎中の人達が見ていた。

何故故に、人類の友、春に散る花… この俳句を聞いた通訳者ネルソンは思わず泣き出し、聴衆も感激する。

この句をおじさんに捧げますとアタリは言う。

この演説を背後で後ろ向きになって聞いていた小林市長は内心激怒していたが、表向き冷静を装い、少年に不公平だ、犬に不公平だ…、不名誉なことをしたと言うと、ゴミ島法案を持って来いと命じる。

そして、法令撤回の判子を書状に押したので、怒ったドウモが、今すぐ毒ガスボタンを押すよう迫るが、俺はどうなる!俺には出来ないと小林市長が抵抗すると、ドウモがスイッチを押してしまい、その場にいた「ロボティクス」は戦闘モードに変形し、毒ガスの起動スイッチも点滅を始める。

壇上でその起動スイッチの奪い合いが始まったので、すぐ戻るとチーフに告げたスポッツがその喧嘩の前に立つと、軍用牙を1本喧嘩のただ中に吐き出す。

すると爆発が起こり、「ロボティクス」は倒れるが、何故かスポッツもその場に倒れる。

それを見たアタリもショックで突然倒れてしまう。

壇上では、赤い起動スイッチを押そうとするドウモの手を小林市長が掴んで邪魔しようとするが、スイッチは押されてしまう。

犬収容所にいた係員がガス銃を発射しようと引き金を引くが何故かガスは出て来ず、毒ガスは係員の防毒マスク内に噴出する。

「ロボティクス」も監視用ドローンも全部誤作動してしまう。

収容所に入れられていたジュピター、ナツメグ、オラクルたちは一斉に脱走を始める。

収容所内の男性トイレの中でコンピューターをハッキングしていたのは新聞部のハッカー係だった。

アタリはすぐに病院へ運ばれ緊急手術をするが、手術の負担で左の腎臓がやられたと医者が発表する。

一緒に駆けつけたトレイシーから右の腎臓のことを聞かれた医者は、3年前の電車事故で既に失っていると言う。

その時、病院に付いて来た小林市長が、私の左の腎臓を使え、アタリ君に移植しろと言い出す。

すぐに小林市長の腎臓の移植手術が開始される。

隣の病室では負傷したスポッツもベッドに横たわっていた。

この事態を知った市民たちは、アタリとスポッツの為に灯りを点けようと呼びかけ出す。

小林市長の公職選挙法違反が証明され、無事手術が成功し生還した小林アタリが再選挙の結果新市長に選ばれる。

1ヶ月後 ボスは、ウニ県メガ崎ドラゴンズのマスコット犬になっていた。

キングも新しい飼い主を見つけていた。

そしてポピースナックが復活した。

小林元市長とその仲間たちは全員刑務所暮らしをしていた

オノ・ヨーコ助手は、その後量産された血清で犬たちを次々に救助していた。

新市長になったアタリは、トレイシーたちメガ崎高校新聞部の生徒をアドバイザーとし、それぞれの愛犬とともに新しいメガ崎の展望を語る。

アタリとトレイシーは子犬にミルクを与えながら、ロープウエイで移動するが、その護衛をしていた新ボディガード犬チーフは兄同様、歯に軍用牙を仕込んでいた。

その横には同じくトレイシーのボディガード犬になったナツメグがおり、片手で逆立ちをしながら足で火の点いたピンを回す芸のポーズをしてみせる。

ナツメグは、チーフの鼻の上についていた桜の花びらを吹き飛ばしてやったので、チーフはありがとうと礼を言う。

神社には、檻に入ったスポッツを象った銅像が建っており、台座には小林スポッツ専用と銘が彫られていた。

その地下には生きていたスポッツとその妻犬と子供たちが暮らしており、そこへ神主が食事を運んで来る。

スポッツは左目を失い義眼を付けていた。

食事を始めたスポッツとその妻の前に、神主がポピースナックも持って来てやる。

神社の赤い鳥居の上に留っていたフクロウが飛び立って行く。

3人の男たちが太鼓、鐘などを打ち鳴らす中、エンドロール
 


 

 

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