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花のヒロイン 

 

 

 

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がんばれ!若大将

「資生堂MG5」などのCMで人気が出たモデル出身草刈正雄さんを起用した3代目(初代は加山雄三、二代目は大矢茂)若大将シリーズ1作目。

「東京湾炎上」の併映だったようで、いかにも二本立ての添え物と言った感じがする。

あくまでも草刈さんファン向けの作品と言った所で、一種の低予算アイドル映画としては他愛無い所も含め平均的な出来ではないかと思うが、加山雄三版の初期設定を継承している分、過去の焼き直し感が強く、さすがに70年代半ばの設定としては古過ぎるし、都内ロケが少なく見えるせいか都会派映画らしさも薄れている。

便槽の蓋で焼き肉をする所などは加山版の1作目「大学の若大将」(1961)のアイデアをそのまま借用している。

「ブルース・リーブーム」の時代背景もあるのだろうが、青大将が空手部と言うのも加山版の初期設定に忠実である。

元々加山さんが演じていた初期の頃でも当時の学生としては古くさかったのではないかと思える設定を、学生運動が終わり、若者たちは「しらけ世代」と呼ばれる時代になっていたのに、まだ東宝映画はかつての古風でおおらかな青春を謳歌していた時代を再現しようとしており、相変わらず芸者さんが絡んで来たり、その芸者が「芸者仁義」などと任侠風の歌を歌っていたりなどさすがに時代錯誤感は否めない。

いくら肩の凝らないお気軽な娯楽とは言え、部分部分に首を傾げたくなるような描写があり、特にクライマックスで競技場に向かう救急車に、途中から何故かユニフォームを持ったはなが乗り込んでいたり…と、どう考えても不自然過ぎるのではないか?

一刻を争う中、わざわざ大学に立ち寄ったと言うことなのか?

でなければ、携帯もまだない時代、どうやってはなと合流出来たのか?

途中でこのシリーズらしからぬ下品な下ネタが出て来たりするのも興ざめ。

ただこうした感想は加山版を知っているからとも言えなくはなく、シリーズそのものに馴染みがなく、この作品で初めて若大将に出会った人などは普通に楽しめるかもしれない。 

加山版の「若大将」もゴジラ映画やフランケンシュタイン映画の併映として人気が出ただけに、あわよくば往年の夢よもう一度と言った戦略だったのかもしれないが、「東京湾炎上」を懐かしがる人はいても、あまりこの作品を語る人はいないような気がする。

草刈さんは特に巧いと言う訳ではないが、歌に芝居にまずはアイドルとして健闘している方だと思う。

特に当時はまだ痩せてスマートで、その日本人離れした風貌はこのやや古風な話の中で浮いて見えなくもない。

すき焼き屋だった若大将の実家はトンカツ屋に衣替えしており、しっかり者の妹役の関根(高橋)恵子さんと頑固ながらユーモラスな父親を演じているフランキー堺さんが脇を支えているのだが、如何せん70年代の映画にしては新味に乏しい。

関根さん演じる妹が、モテモテの兄の若大将とは対照的に幸薄そうなのも素直に楽しめない部分のような気がする。

また、劇中、当時流行っていた曲が流れたりしており、音楽著作権がうるさくなった今ではテレビ放映など2次使用は難しいかもしれないと想像したりもする。 

今思うに、結果的には角川映画で草刈さんの映画人気は高まったような気がするが、このシリーズがヒットしていれば草刈さんは東宝が押す新人スターになっていたのだろうか?

東宝の「金田一シリーズ」の最後の方にも出ていたし、若大将が成功していれば、東宝との結びつきはもっと強まっていた可能性があるような気がする。

先日他界された加藤剛さんもそうなのだが、草刈さんも日本映画全体が低迷していた時期に出て来た人だけに、「復活の日」など有名な作品もないではないが、人もうらやむ美貌の割には映画スターとしては作品に恵まれたと言えるのかどうか?若干疑問がないではないが、そう言う時期をそれなりに支えたお一人だったような気もする。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

1975年、東宝映画、田波靖男脚本、小谷承靖監督作品。

配給の東宝マークに「君といつまでも」のメロディが重なり、製作の「東宝映画」の文字

アメラグのユニフォーム姿で仲間たちと円陣を組んだ若大将こと梅野正三(草刈正雄)が「さ、行こうぜ!」と呼びかける。

「Go For It! Young Guy」と言う副題に続きタイトル 試合後の帰りのバスの中、ライバル西北大に破れた京南大アメラグブのメンバー達は意気消沈し、暗い歌を車内で歌っていた。

大学の部室に戻り、全員でシャワーを浴びた後、食堂で夕食を食べようとするが、見ると白飯に沢庵、みそ汁の他にあるのは、魚の線画が描かれたサラが置いてあるだけだったので、部員たちは全員、おはなさん、おかずがないよ!と騒ぎ出す。

すると賄い係の岡本はな(賀原夏子)が出て来て、おかず?ばかもん!あんな無様な負け方をして良くそんなことが言えるね!と部員たちを叱りつける。

じゃあ、今日は沢庵とみそ汁だけかい?と部員たちがしょげる中、このみそ汁具が入ってないよと部員から愚痴が出る。

良く中を見てごらんとはなが言うのでみそ汁の中を覗き込むと、そこには自分の目玉だけが映っていた。

巧いもんが食いたかったら次の試合に勝つことだねとはなが言い聞かせると、キャプテンが立ち上がり、臥薪嘗胆、がんばろう!と部員たちに喝を入れる。

その時、どこからともなく焼き肉の旨そうな匂いが漂って来たことに部員たちは気付く。

見ると、向いにある空手部の道場で青大将こと井戸山英介(湯原昌幸)と部員たちが焼き肉を焼いているではないか。

そんな中、上機嫌の青大将はマネージャーに良い女を連れて来いよと耳打ちしていた。

アメラグ部の部員たちは空手部が焼く焼き肉の匂いをおかずに飯を食うことになる。

その時、良し!僕に任せとけ!と言うと若大将が立ち上がる。

点灯した東京タワーが見える浅草の神社側にあるトンカツ屋の「梅長」では、若大将の妹志津子(関根恵子)が甲斐甲斐しく働いていたが、実家に戻って来た若大将は、そんな志津子を外に手招き、頼みがあるんだと言うと勝手口から厨房に入り、50人前肉を都合してくれないかと頼む。

志津子はその場にいた板長の千吉(小島三児)に都合してやってと頼むと、千吉はすぐに50人前のロースを部下の板前に用意させる。

後のことは任せといてと兄に請け負った志津子はさらに父親で主人の長太郎(フランキー堺)の所へ行き、今日はサービスで厚めに切って出していた為、もうロースは売り切れたとごまかしに行く。

その頃空手部では、青大将の命令で「オバQ音頭」を部員たちが歌い出し盛り上がっていた。

一方、夕食を終えた食堂では、はなが厨房の鍵をかけて帰って行くが、そこにまだ残っていたアメラグ部員たちの元に若大将が肉を大量に持ち帰って来る。

狂喜した部員たちだったが、肉を調理しようにも厨房は鍵がかかって使えないのでがっかりし、マネージャーの松原(丹波義隆)にどうにかしろと命じる。

急に難問を押し付けられた松原は食堂を飛び出し、肉を焼く鉄板を探しに便所に行った所で、用水用のバケツにつまづいて転んでしまう。

その時、松原は何事かを思いつき、便所脇の便槽の蓋を持ち上げる。

松原が鉄板と豚汁用のバケツを持って来たので、アメラグブは全員張り切り出し、食堂と空手部道場の間の中庭で焚き火を起こし焼き肉パーティを始める。

それに気付いた青大将と空手部の面々は、こてんぱんに負けやがったくせに!と憤り、ヤケになって一つ出たホイの良さホイのホイ!と春歌を歌い出す。

そこへ戻って来た空手部のマネージャーが歌を止めさせ、大成功と青大将に耳打ちする。

見ると、見知れぬ美女を連れて来ているではないか。 ここ、空手部じゃないんですか?と道場の中の様子に戸惑ったように娘が聞くので、部員たちは一斉に飛かかり中へ連れ込もうとする。

娘は驚き、嫌ね、ニンニク臭い!と毛嫌いしながら手を振り払って外へ飛び出すと、助けて!と叫ぶ。

中庭でその声に気付いた若大将とアメラグブたちが逃げて来た娘を庇うので、追って来た青大将は、その娘をちょっとこっちへ寄越してくれと頼む。

しかし娘は、道を聞いたらここに連れて来られて…と事情を説明する。

青大将はアチョ〜!と怪鳥音と共にポーズを決めるので、若大将もセットダウン!とアメラグの指示を出し、部員たちは一斉にラグビーボールを蹴って空手部の連中の股間に命中させて行く。

乱闘が始まった中、青大将が若大将目がけて蹴りかかるが、若大将が避けるとそのまま便所の便槽の中に落ちてしまう。

くそまみれで這い上がって来た青大将は、誰だ!ここ開けといたのは!と蓋を取った奴を探し始めたので、それを聞いたアメラグの部員たちは、松原!じゃあさっきの鉄板は!と気付く。

ちゃんと洗ったから大丈夫だよと松原は言い訳するが、部員たちは松原を責め始める。

その時、うるさい!と怒鳴りながら出て来たのははなだった。

そのはなを見た娘は、おばあちゃん!と喜び駆け寄る。

その娘は、岡山から就職が決まって上京して来た孫の岡本鮎子(いけだももこ)だったのだ。

はなは喜び、昔、私の背中でおしっこを漏らしてたっけと懐かしがったので、鮎子は慌てて、今そんなこと言うなんて!と恥ずかしがる。

その会話を聞いていた青大将は、ありゃ鬼婆の孫娘じゃないか!と連れて来たマネージャーに文句を言うが、その後又便槽に落下してしまう。

ある日、実家の「梅長」に帰って来た若大将は妹の志津子から集金くらい手伝ってよと頼まれたので、オヤジは?と聞くと、出掛けているのだと言う。

お母さんが死んでから10年になるから女でも出来たのかしら?などと志津子は真顔で言う。

その言葉通り、長太郎は「JBC」TVスタジオで「奥さま11AM(イレブン)」と言う番組に出演中のギター芸者鹿島鈴乃(鹿島鈴乃)を見学者に混じって見に来ていた。

彼女の大ファンだった長太郎は、生CMが始まったので、歌い終えた鈴乃にいきなり近づいてプレゼントを渡そうとしたのでADたちに押さえ込まれたためCM用のテーブルに倒れ込んでしまう。

集金の途中、若大将はとあるビルのウインドウで年上の女性と一緒に飾り付けをしていた鮎子を見つける。

鮎子の方も気付いて外に出て来ると、隣のコーヒースタンドもうちでやっているの、寄っていかない?と誘うが、今集金の途中だし、帰って家の手伝いをしなきゃと言い、若大将は去って行く。

そんな若大将の姿をショーウィンドウで鮎子に手伝わせて飾り付けをしていたデザイナーの水沢百合子(浜美枝)は目にとめる。

テレビ局から帰って来た長太郎は、神社の階段に座り、新聞を読みながらハンバーガーを頬張っていた長吉に気付き、梅長の板前がそんなものを食うな!と叱りつけて店に返すと、階段下で車を停めハンバーガーを売っていた若者長谷川吾郎(渡辺篤史)に許可証は持ってるのか?と詰め寄る。

吾郎が取り出したのは運転免許書だったのでこの店の許可書は?と聞くとちゃんと持っていたので、梅長の許可は?と聞くと、お嬢さんに頂きましたと言い、吾郎は車のドアに飾ってある黄色いクロッカスの花を指してみせる。

店に入ろうとすると、志津子がバケツに汲んだ水を持って出て来たので、その水は?と長太郎が聞くと、長谷川さんの所!と答え、吾郎の側にやって来た志津子は父親の無礼を詫びる。

しかし吾郎は、こう云う商売をやっているとしょっちゅうあることなんでと笑う。

店の厨房で若大将が豚カツを揚げている時、店にやって来たのが鈴乃で、あなたが若旦那?いつもお弁当ありがとうと話しかけていると、当の長太郎が出て来て、鹿島鈴乃先生ですね?とうれしそうに言う。

すると鈴乃は、いつも差し入れをしてくれるお使いの方ね?あなたここの番頭さん?などと鈴乃が言うので、私がここの主人です!と憮然として訂正した長太郎は側にいた店員たちにあれこれ命じ始める。

ある日、京南大では各クラブや同好会の新入生勧誘がある。

チアガール部の3人娘が若大将、有望な新人入った?と聞いて来たので、若大将がさっき1人入ったと答えていると、そこにさっき入れてもらった釜本ですけど取り消して下さい、空手部に入らないといけなくなったのでと断りを言いに来る。

空手部では、青大将がブルースリーの真似をしてヌンチャクさばきを披露した後、部員たちに板を持たせてそれを次々に割っていくと言う技を見せていたが、1人部員が既に割れている板を手が当たる前に外してしまったので、板に触れる前に割れたと言うことは神通力ですと青大将は見物客の前、言い訳をする。

さらに、仕掛けのある瓦に額を打ち付けると、今度は部員が壊す前にぶつけてしまったため、額にたんこぶを作ってしまう。 そして、帰ろうとする見物客たちに、ここで見ていたと言うことは既に空手部に入部すると言うことだと言い放ち、無理に契約書にサインさせようとする。

ペテンだ!とか、僕はもう相撲部に入ることになったので…などと見物していた新入生は抗議するが、ただで帰れると思うなと青大将は脅しにかかる。

そこに駆けつけたのが若大将で、青大将のこそくな作戦を抗議し始めるが、それを物陰からチアガール部の3人が見ていた。 青大将は空手で若大将を倒そうと身構えるが、その時、若大将の足下に蛙がいるのに気付き怯える。

それに気付いた若大将が蛙の足をつかみあげて青大将に投げつけると、額に蛙が当たったので、青大将は泡を吹いて倒れる。

チアガール部の女子たちは、何とかアメラグ部に新入生見つけられないかしら?と相談する。

校舎の教室で奇妙なドイツ語のような授業をやっていた安東教授(藤村有弘)は、何やら窓の外が騒がしいのでベランダに出て見ると、大勢のバトントワラー部員たちが行進しながら校舎の横に集まって来て、新入生の皆さん!アメラグブに入りましょう!と呼びかけたので、鼻の下を延ばしてうれしそうに見ていたが、教室のいた男子学生たちがベランダに押し寄せて来たので押されて落ちそうになる。

その頃、食事の改善を願い出た松原にはなは、バカにするんじゃない!老人ホームをやってるんじゃないんだよと憤り、それっぽっちの予算で良く言うよと言い返していた。

松原が、でも予算は体育部会で決まったことだから…と反論すると、それでも男かい?とはなが言うので、見せてやるよと言いながらジーパンを脱ごうとすると、切ってやるよと花は包丁を持って松原に近づいて来る。

そこに、はな!包丁なんて持ち出してどうしたの?と言いながらやって来たのが若大将で、俺も掛け合いに来たんだけどダメだったよと運動部会へ予算増加を願いに来たことを明かす。

そこにチアガール部が大勢にアメラグ新入希望者たちを引き連れて来たので、予算が出ないなら自分たちでやるしかないなと言う若大将が羽振りの良い人知らない?と聞くと、青大将のおやじさんに相談したら?とチアガール部員は答える。

早速、料亭にいた青大将とその父親井戸山英造(藤木悠)の元を訪れ、松原と寄付を頼みにいった若大将だったが、その座敷に来たのがギター芸者の鈴乃だった。

若大将に気付いた鈴乃が、いつぞやはどうもとうれしそうに挨拶したので、それを見た英造は嫉妬し、こんな奴の為に寄付なんてやってられるかと言い出したので、坊ちゃんに意地悪しないで!と鈴乃は英造に注意する。

その時、鈴乃が別の座敷に呼ばれて下がってしまったので、鈴の姉さんは売れっ子なのよと言いながら他の芸者たちが英造の相手をしようとするが、不機嫌になった英造は今すぐ連れて来い!でないと寄付しないぞなどと若大将に命じる。

別の座敷で歌っていた鈴乃を前に得意の太鼓を叩いていたのは長太郎だった。

それを知らずに部屋に顔を出した若大将はあっけにとられる。

長太郎の方も息子に思わぬ所を見られ愕然とする。

英造の部屋に鈴乃を連れて戻って来ると、君たちか!英介をここに連れて来たのは!と英造が怒っており、ちゃっかり青大将も同席していることに気付く。

それを見かねた鈴乃が、いーさん、そんな冷たいこと言わないで、寄付してくれたらあなたの好きなものあげるわと言い出す。

それを聞いた英造は、俺の好きなものを知っとるのか?と目を輝かせたので、回りは毛だらけで中が濡れているもので、「ま」で始まって「こ」で終わるもの…などと鈴乃が言うのでさらに興奮し出す。

鈴乃は英造がにやけている隙に、若大将!いくら?と聞き、若大将が指を1本出すと、100万ね?と念を押す。

その場で100万の小切手を受け取った若大将と松原が帰ると、じゃあここであげるわねと鈴乃は言い出す。

その会話を聞いていた青大将が、回りが毛だらけで中が濡れており、「ま」ではじまり「こ」で終わるものと言ったら「目(まなこ)」!と愚かな父親に教える。

それを聞いた英造はがっくりし、「○○○」かと思った…と口パクで呟く。

翌日、グラウンドで練習中の若大将の代返用の声をカセットに録音して安東教授の授業に参加した松原だったが、カセットのスイッチを入れ、若大将の声を聞かせた直後、横に座っていた青大将が、梅野はいませんよと教えたので、安東教授は松原のカセットに気付き取り上げる。

その時、ラジオのスイッチが誤って入り、第二の石油ショックに襲われるかも知れませんと言うニュースが流れたのを聞いた安東教授は、急遽生徒たちに自習を命じ、自分は教室から出て行く。

青大将は「それは先生〜♩」などと森昌子の真似をし出す。

教授部屋に戻った安東は、山村商店へ電話を入れ、中東石油だが、新しい油田を買ったらしいんだ、第二次石油ショックが起きたらどこまで上がるか…などと株の話をし始める。

それを付けて来てこっそり盗み聞いていたのが松原だった。 その時からがぜん経済に興味を持った松原は、経済新聞を率先して読むようになる。

そして、安東休みらしいな?と話しかけて来た部員たちに、どうでも良いよ、遊びにいかないか?と誘うが、若大将だけは用事があるんだと言って断る。

若大将は鮎子に会いに店に出向くが、鮎子は外出中だと言う水沢百合子から、モデルをやってみないかと誘われる。

今度、雑誌のグラビアをやるの、そのセーター脱いでみて?と言い、由利子は若大将の身体をチェックし始める。

ちょうど外出先から戻って来た鮎子は、ガラス越しにその様子を見てしまい逃げ出したので、それに気付いた若大将は慌てて後を追う。

歩道橋の上で追いついた若大将は、もちろん断ったさ、アメラグの練習もあるし…と言うと、あなた本気でモデルになれると思ってるの?あの先生、良い男を見るとすぐそんなこと言うのよと鮎子が怒ったように言うので、君、君、焼きもち焼いてるんだねと若大将は指摘する。

その後「梅長」に帰って来た若大将に志津子が、松原さん待ってるわよと教える。

トンカツごちそうしてと志津子に頼み松原のいる部屋に来ると、松原は深刻な顔をしており、若大将、偉いことになったんだ!実は寄付金で株を買ったんだ、昨日までは上がってたんだけど今日がた落ちして寄付金がパーになってしまったんだ!とりあえず100万何とかならないか?と言い出したので、若大将はさすがに考え込んでしまう。

その時、店に鈴乃が来ていることに気付いた若大将は一計を案じ、長太郎に、オヤジ、鈴乃さん来ているよと教える。

長太郎が喜んで店に出て行った後、手提げ金庫の中から小切手を取り出した若大将は、勝手に100万円の数字を打ってしまう。

座敷で待っていた鮎子にトンカツを運んで来た志津子は、あの人は?と鈴乃のことを鮎子が聞くので、浅草の芸者さんと教える。

そこに若大将が戻って来ると、めざとく見つけた鈴乃が近づいて来て、あのときあんなに世話してやったのに!と若大将に詰め寄ると、そこに座っていた鮎子に、あなた誰?と聞いて来る。

気分を害した鮎子は立ち上がり、面白くないので帰りますと言い残し帰っていくので若大将が慌てて追っていく。

それを悔しそうに睨んだ鈴乃が、フン、何さ!と息巻くので、やって来た長太郎が、若いものは若い者同士に…となだめると、私は若くないって言うの?おじいの相手は座敷だけでたくさんよ!と鈴乃は吐き捨てるように言う。

タクシーを止め乗り込む鮎子に追いついた若大将は鮎ちゃん!と呼びかけるが、鮎子は気安く呼ばないでよ!そんな仲じゃないでしょう!と言い残しそのまま去って行ってしまう。

店に戻った若大将は、「有楽町で会いましょう」が流れる部屋で1人落ち込んでいた長太郎の前に一升瓶を持ち込み、オヤジ、久々に一緒に飲もうよと話しかける。

鈴乃とは何でもねえよと見栄を張る長太郎に、オヤジさん、恋してるのか?と若大将は聞く。

すると長太郎は、ちょっと待て、正三!お前なんかに俺のこと分かってたまるか!と言い出す。

戦後のモーレツ時代を歯を食いしばって踏ん張って来て、やっとゆっくり出来ると思ったとたんに、一緒に苦労して来たおふくろが亡くなり、俺は寂しんだよ…と長太郎が言うので、志津子がいるじゃないかと若大将が慰めると、あいつはどうせ何処の馬の骨とも知らない奴にくれてやる奴じゃないかと長太郎は嘆く。

その時、志津子はどうした?と長太郎が探し始めたので、閉店後の店内を探し始めた若大将は、戸を開いて外を見ると、移動ハンバーガー屋の吾郎と話している志津子の姿が見えたので、こっちにはいないよ、裏じゃない?と長太郎に嘘を教える。

いよいよ軽井沢で合宿をすることになり岩場で猛練習をしていたアメラグ部だったが、双眼鏡で周囲を警戒していた松原は、近くの道路に停めた車の脇でカメラを構えている西北の男を発見、若大将に知らせ、2人でその男の所へ押し掛け、スパイなんかするな!と言い、撮影していたカメラのフィルムを抜いてしまう。

その後、道路を部員全員でランニングしていると、1台の車が後ろから近づき、窓から顔を出したのは水沢百合子で、今近くのホテルの内装関連の仕事をしているの、遊びに来ない?と若大将を誘い、そのまま通り過ぎて行ったので、部員たちは若大将を冷やかす。

その頃「梅長」では、志津子が店の小切手を誰かが切った跡があると気づき、お父さんが芸者さんの着物でも買ってやったんじゃないの?と長太郎を疑うので、それを知らされた長太郎は正三だ!と気付く。

芸者に100万も使えないよと長太郎が言うので、やっぱりそんな事してるのね!と志津子が睨むと、おっ母さんみたいな顔するなよと呆れた長太郎は、そろそろお前も相手を見つけないとな…、実は組合の理事長さんがお前に良い相手がいるって言ってくれているんだ、相手は桜ハムって会社の息子だよと突然話を持ち出す。

私まだお嫁なんか行かないわよ…と志津子が言い返すと、婿を取るんだよと長太郎が言うので、嫌だ、結婚するなんて…と志津子は不機嫌になる。

すると長太郎は、お前は「梅長」を潰しても良いのか?資金繰りが苦しいことは知ってるだろう?と言い聞かすが、そんな2人の会話を、障子の裏の廊下で千吉が盗み聞いていた。

それともお前好きな男でもいるのか?と長太郎が聞くと、長谷川さんよと志津子が答えたので、あのハンバーグ屋か!と長太郎は吾郎のことを思い出す。

千吉は神社の階段の前にいた吾郎を呼ぶと、もうここへは来てもらいたくないんだ、お嬢さんには良い縁談があるんだ、それが決まりかけているんだ、それなのに、俺やあんたのことが気になって決められないんだ、もう来ないでくれと頼み込む。

俺もお嬢さんに惚れているんだ、だけど彼女の幸せの為にじっと堪えて身を引くことにしたのよなどと千吉が悲劇の主人公のようなことを言うので、お嬢さん、本当にその人のこと好きなんですか?と念を押した吾郎は、分かりましたと承知したので、分かってくれてありがとう!と千吉は礼を言う。

そして車に戻る吾郎に、幸せになってね、私祈ってますと、どこかで聞いた歌詞のようなことを言う千吉だった。

その頃、合宿所である寺に戻って来たアメラグ部の連中は食事が貧そうなので落胆していた。 そこに松原が来て、若大将、お客さんだよ、これだよと小指を出して伝えたので、他の部員たちは又冷やかす。

客と言うのは由利子で、ホテルに連れて行かれた若大将は、庭で行なわれていたバイキング料理を見ると、大量に皿に盛り始める。

由利子は呆れて、少しずつ取れば良いじゃないと声を掛けるが、合宿所で腹をすかせている仲間のことを思った若大将はテーブルに大量の料理の皿を並べると、みんなに食べさせたいんですと言い、用意していたビニール袋にその料理を詰め替え、ジャケットの内側にそれを隠し始める。

呆れた百合子だったが、若大将の人の良さに惚れ一緒に手伝ってやる。

その頃駅に到着したのは合宿所に訪ねて行くつもりだった岡本鮎子だったが、何故か青大将が駅前で待っており、車で送ってやると言うと無理矢理車に乗せて出発する。

しかし青大将が連れて行ったのはホテルだったので、車を降りた鮎子は、大きなバッグを持って合宿所まで歩いて行こうとして、それを止めようとする青大将ともめ始めるが、そこに近づいて来たのが百合子と詰め込んだ食料でブレザーをパンパンに膨らませた若大将だった。

先生!と驚いた鮎子は、こんなにお稲荷さん持って来て損しちゃったわ!とバッグを投げ捨てて帰ろうとする。

そこに大きなコントラバスのケースを持ってやって来たのがチアガール部の3人娘で、鮎子を止めようとする青大将にそのケースを押し付けると、あまりの重さに青大将は仰向けに倒れてしまう。

するとその拍子にケースの蓋が開き、中に入っていた大量の料理が青大将に降り注いでしまう。

鮎子を追って行った若大将は途中で追いつき、笑いながら草原に腰を下ろす。

その後はあっさり鮎子と仲直りをし、鮎子と並んで2頭の白馬に乗った若大将は歌を歌い出す。

すっかりはしゃいだ若大将と鮎子は、近くにあった無人の教会で結婚式の真似事などしてみる。

鮎子と分かれ寺に戻って来た若大将は、松原たちから、どこに行ってたんだよ?今、妹さんが大量のロース肉差し入れに来てくれたんだ、最終の上野行きに乗ると言ってたと教えられたので急いで駅に向かう。

何とかホームで到着した列車に乗ろうとしていた志津子に出会えたので、若大将は志津子!差し入れサンキュー!と礼を言う。

そして今日帰るのか?と聞くと、明日ちょっと用事が…と志津子が言うので、売店でガーナクランチーチョコを買って渡してやる。

電車に乗り込んだ志津子はお見合い!相手は桜ハムの息子…と煮え切らなそうに言うので、ハンバーガー屋の彼はどうした?と聞くと、どこかに行ってしまい分からないと言う。

走行しているうちに乗車口は閉まってしまい、列車が動き出したので、若大将は列車と一緒に走り出し、乗降口に絶ったままの志津子の話を聞こうとするが、志津子は分からない…と繰り返すだけだった。

翌日、練習を始めた若大将だったが、何故か調子が出ず、キャプテンは若大将に、今日はおかしいぞ、本当にやる気あるのか!と注意する。

すると若大将は、ちょっとキャプテン、話がありますと言い、グランド脇に来ると、今日だけ休ませて下さい、家に帰りたいんですと申し出る。

しかしキャプテンはそれを甘えと捉え拒否したので、半日クォーターバックがいなくても練習の仕方はあると思うんですが?と若大将もムキになり、いつの間にか2人は取っ組み合いの喧嘩になる。

それに気付いた他の部員たちが止めに来るが、殴るなら殴れ!辞めてやる!どうしたキャプテン?殴れないのか?と若大将が挑発すると、キャプテンは若大将を殴って来たので、倒れた若大将は、これで気がすんだか?じゃあ俺はこれで退部させてもらうと言い立ち去ろうとするので、若大将!と松原は呼びかけるが、キャプテンは、松原、放っておけとそれを止める。

その頃東京では、志津子が着物姿で美容室で髪を整えていた。

「梅長」の奥座敷では、組合の小宮理事長(若宮大佑)が見合い相手の桜ハムの息子とその母親桜井社長夫人(塩沢とき)を連れて来ており、なかなか姿を見せない志津子を長太郎とともに待っていた。

そこに襖を開けて入って来たのは、普段着姿で髪も降ろした志津子だったので長太郎は仰天するが、桜井社長夫人は飾らないありのままの姿で現れた志津子に感心し、気に入りました!うちのはこの通り、私に似て口答え一つしないので、この娘さんなら打ってつけです!とべらべら1人でしゃべり始める。

うちのは本当に無口で…と桜井社長夫人が横に座った息子を謙遜するので、長太郎は、わんぱくでも良い、元気に育てば良いなどと言いますからと助け舟を出すと、それを聞いていた小宮理事長が、それは桜ハムとは違いますぞと注意する。

その時、庭先に現れたのが、ハンチングにヤクザ風の出で立ちの若大将で、何か俺のこと言ったかい?あんた、俺の弟になるってな?などと桜ハムの息子に因縁を吹きかけるように話しかける。

あんた自身の意思で見合いをする気になったのかい?それとも「梅長」ののれんを当てにして親が仕組んだことなのかい?等と若大将が言い出したので、聞いていた桜井社長夫人は何ですって!と絶句する。

別室に若大将を連れて来た長太郎が、志津子が可哀想じゃないのか!と叱りつけていたが、そこに当の志津子が、お客様はお帰りになりましたと知らせに来る。

これで「梅長」我ダメになったら俺が食わしてやるさと若大将は大口を叩くが、それを聞いた長太郎は、店の金をごまかす奴の世話になるって訳だと皮肉を言い、今日限り勘当だ!と若大将に言い渡す。

分かったよ…と答えた若大将は店を出て行くので、兄貴!と後を追って来た志津子がどこへ行くの?と案ずるが、心配するな、オヤジを頼むと言い残し、若大将は去って行く。

その後、若大将は、百合子の言う通りモデルの仕事を始める。

百合子が若大将のポーズなどをあれこれ指示する横で手伝うことになった鮎子は複雑な表情だった。

若大将が写った「アフレックス」のポスターが町に貼られるようになる。

ある日、若大将がCM撮りをしている浜辺で、ランニング中のアメラグ部が遭遇したので、松原たちは若大将!と驚くが、キャプテンは、放っとけ!あんな奴…と吐き捨てる。

TVで若大将のCMが流れているに気付いた長太郎は、あいつ、TVなんかに出やがって!スポーツマンのすることか!と悪態をつくが、一緒に見た志津子は辛い仕事みたいよと庇う。

軽井沢合宿を終え、アメラグ部の食堂で「フットボールシーズン開幕」と言う見出しが載った新聞を読んでいた松原は、若大将がいてくれたらな…とぼやいていたが、新聞記事の中に「中東石油新油田発見」と言うのを見つけ、ひょっとするとひょっとするかも!と呟くと飛び出して行く。

するとはなが、火打石を打って送り出してやる。

「梅長」に株券を持って訪ねて来た松原は使って下さいと言い長太郎に差し出す。

自分がアメラグブへの寄付金で勝手に株を買い、損をしたのを若大将に助けてもらった事情を打ち明けた松原は、今この株券1枚1500円なので全部で1500万になり、これは全部若大将のものなのですと説明する。

それを聞いた長太郎は、1500万!と驚き、かんどうだ!と叫んだので、横で聞いていた志津子が又勘当するの?と聞くと、そうじゃない!俺は感動しているんだ!と長太郎は喜ぶ。

松原は若大将に会おうと鮎子の店に行くが、若大将は仕事で箱根に行っていると言う。

勘当が解けたことを何とか連絡できないだろうかと松原が鮎子に相談している所にやって来たのが青大将で、パパに買ってもらったんだ、今度の休みドライブに行かない?と新車を見せびらかしながら鮎子を誘う。

それを聞いた鮎子は、今すぐ行かない?箱根まで行きましょうと言い出し、間に合うかどうか、若大将に相談してみるわと松原に告げると、自分から青大将の車に乗り込む。

事情を聞いた青大将は、間に合うかどうか?とぼやきながらも箱根に向かう。

その日、ライバル西北大との試合が始まろうとしていた。

その頃、箱根の湖畔では、大きな聖火台のセットの横でギリシャ風の衣装をまとった若大将がCM撮りの最中だったが、その様子を物陰から偵察していた西北大のスパイは、若大将は箱根で撮影中なので、今日の試合に間に合う恐れはないと無線で連絡していた。

何とか箱根に到着し、若大将のいる場所へ向かおうとした鮎子だったが、車を降りた青大将が抱きついて来たので、助けて!若大将!と叫ぶ。

その声に気付いた若大将は、CM監督にちょっとすみませんと詫びながら、衣装のまま鮎子の声の方へと走り出す。

現場にいた百合子が、私、見て来るわと監督に声をかけ後を追う。

途中でギリシャ風の衣装を脱いだ若大将は青大将に飛びかかる。

青大将はいつもの癖で、おい林!指輪!と自分の指輪を外して空手部のマネージャーに渡そうとするが、そこには林がいないことに気付く。 2人が取っ組み合っている中、駆けつけて来た百合子に気付いた鮎子が、先生!こっちです!と呼びかける。

若大将から投げ飛ばされた青大将は、側にいた蛙を間近に見て気絶してしまう。

駆けつけた百合子は鮎子から事情を聞くと、私の車で送ってやるからと申し出るが、青大将を見た若大将は、それより青大将の為に救急車を呼んで下さいと頼む。

一体どうしちゃったのよ?と、一緒に救急車に乗り込んだ鮎子から聞かれた若大将は、打ち所が悪かったみたいだと青大将を案ずるので、申し合いに間に合わないわねと落胆する。

若大将は、とっくに諦めているよと答え、こいつのことが心配なんだと答えるが、そうした会話を救急車内に寝かせられていた青大将は聞いていた。 箱根高原病院に到着し、待ち受けていた医者たちが青大将を降ろそうとしていたとき、急に救急車が走り出す。

救急隊員が降りた運転席に乗り込んだ青大将が運転していたのだった。

おい、大丈夫か?と乗っていた若大将が声を掛けると、任せとけ!と青大将は張り切る。

しばらく走ったとき、突然若大将が患者用の枕で青大将の顔の前を隠そうとしたので青大将は前が見えなくなりハンドルを切り損ねそうになる。

実は道路脇にたくさんの蛙の置物が並んでいたので、若大将は青大将にそれを見せまいとしていたのだった。

その頃、競技場にやって来た志津子は、停まっていた吾郎のハンバーグ屋の車で、見知らぬ女性が甲斐甲斐しく水汲みの手伝いをしているのを目撃する。

その女性が車を離れたとき、吾郎に近づいた志津子は、吾郎さん、しばらく!と声をかける。 振り返った吾郎も志津子に驚き、お嬢さん!と絶句する。

結婚なさったのね、おめでとうと志津子が話しかけると、お嬢さんも…と吾郎が言うので、私は当分無理よ、手にかかる兄貴が2人いるようなものだから…と志津子が言うので、吾郎は驚く。

お幸せにね…と言い残し、志津子は競技場へ入って行く。

競技場では「レモンボウル」と銘打たれた西北対京南の試合が始まる。

京南のキャプテンは、みんな!描いた魚は食いたくないよな!やっぱりトンカツだよな!と部員たちに喝を入れる。

「梅長」で従業員と一緒にTV中継を見ていた長太郎は、正三の奴、出てないじゃないか!あの野郎!来なきゃ又勘当だ!と不機嫌になる。 若大将が来ないと又負けですねと千吉も落胆する。

その予想通り、始まった試合は西北の一方的な攻撃で8対0と差が開く。

同じく、大学の食堂でテレビを見ていたはなは、先代の若大将ならこんな時駆けつけるんだけどね!と悔しがる。

応援していたチアガール部の3人娘たちも、若大将がいないとダメねと落胆していた。

座敷で見かねた長太郎は、もう我慢できん!と叫ぶと、手近にあったキャベツを丸ごとTV画面にぶつけたので、テレビが壊れてしまったので、そこら中のTVをかき集めて来い!と従業員たちに命じる。

その頃、青大将が運転していた救急車は緊急車両と思われて高速の料金所もあっさり通過でき、いよいよ世田谷に近づいていた。 試合は20対14と京南が追い上げていた。

いつの間にか救急車に乗り込んで来たはなが、走っている車内で若大将にユニフォームを着させる。

ようやく競技場前に到着した救急車には白バイが付いて来ていた。

若大将が車からおり競技場へ向かうと、これが男の友情ってものよ…と呟いた青大将は、降りて来た白バイ警官に、旦那、お縄を頂戴しますと言いながら両手を差し出す。

するとサングラスを外した白バイ警官(なべおさみ)が、可愛いの〜と苦笑し、盗んだ車と知らずに護衛して来たと思ってたのか?俺は京南大OB、なべ山おさむ!と明かしたので、先輩でしたか!じゃあ無罪放免ってことでしょうか?と青大将は喜ぶが、そうはいかん、窃盗容疑で逮捕だとなべ山は笑う。

百合子と鮎子、そして志津子も応援席で見ていた競技場に入って来た若大将に、後40秒だ!とキャプテンは言うので、頭貸して下さい!と応じた若大将は、キャプテンのヘルメットに自分の頭を数回ぶつけて気合いを入れる。

興奮しながら又キャベツを手にしたので、旦那、良い加減にして下さい!と千吉が文句を言う。

その直後、若大将のミラクルタッチダウンが又しても決まり、京南が逆転勝利を収める。

帰りのバスの中、1人の部員が負けたような暗い歌を歌い出したので、部員たちがそれを辞めさせ、代わりに若大将が自分の歌を歌うが、それじゃ格好良過ぎだろう!と部員たちは又文句を言う。

若大将は切れて、じゃあ最初からやりなおそうか?どうせ同じになるんだから!とふて腐れる。

画面は最初の円陣のシーンに戻る。

THE END

 


 

 

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