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ヴァレリアン 千の惑星の救世主

フランスの人気コミックの映画化

圧倒的なCGIビジュアルで再現してあるが、あまりに情報量が多すぎるため、1度見ただけではとても細部の面白さは伝わって来ない上に、要所要所の見せ場は「スター・ウォーズ」や「アバター」などで既にお馴染みのシーンの再現のように見えてしまうため衝撃度は薄い。

発想はこちらの原作の方が早かったとしても、映像化では遅れをとった感は否めず、「スター・ウォーズ」シリーズが量産されている今の公開は不利としか思えない。

見世物映画としてはそれなりだと思うが、ストーリー的には感動的と言うほどでもなく、主人公たちが若く見えることもあり、めちゃくちゃ予算をかけたジュブナイル作品を見たような印象。

中国も出資している為か中国人俳優も出ているが、馴染みがないので今ひとつ感情移入もしにくく、主人公たちの生意気そうなキャラクターも日本人の好みとは少し違うような気がする。

細部へのこだわりは尋常ではなく、格好良かったりユニークなエイリアンやメカが次々に登場するので一部マニアは好きそうだけど、あまりにも非現実的過ぎて、一般の観客からは敬遠されそうな世界観のように思え、今後、ある種のカルト映画のような感じになって行くのではないかと言う気がする。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2018年、フランス、ピエール・クリスタン+ジャン=クロード・メジエール原作、リュック・ベッソン脚本+監督

地上よりトムス少佐へ♩と言う歌に合わせ、人間の宇宙旅行の歴史が紹介される。

1975年 アポロとソユーズがドッキングし、アメリカとソ連の宇宙飛行士同士が対面しあう。

2020年 宇宙ステーションに中国製のカプセルがドッキングし、宇宙飛行士同士が握手する。

2031年 別のカプセルがドッキングし、宇宙ステーションにやってきた色々な国の宇宙飛行士が出迎えた者の握手に応えるが、東洋人らしき相手だけはお辞儀する

2150年 コータン・ダフークなど様々な星から来た宇宙人と接近遭遇するようになる。

宇宙ステーションは巨大化し「アルファ」と呼ばれるようになる。 中央委員会は重力から切り離し、「アルファ」を宇宙へ放出することにする。

未知への旅立ち始まる、幸運を祈る!と委員長は挨拶する。

タイトル

400年後 惑星ミュール QN34座

ペットのいる部屋で朝目覚めたパール人のプリンセス・ミホは、真珠で顔を洗うと、外へ出る。

そこは広い海が見える砂浜で、海から真珠を救い上げている住民たちが、ピライエ!とミホに挨拶して来る。

集められた多くの真珠の中から1粒選んだミホの母親である皇后アロイ(声 - バーバラ・ウェバー・スカフ)は、それを侍女に渡し、侍女がミホにそれを持って行くと、古井戸の中に自然の恵みを自然に返しましょうと言いながら、ミホが自宅にいたペットに真珠を食べさせると、ペットは同じ真珠を多数に生み出し、その真珠は井戸の水の中に落ちる。

すると真珠のエネルギーが大地に吸い込まれていく。

その直後、ミホは空から墜落して来る何かを見つける。

家から出て来たミホの父親で皇帝ハバン=リマイ(声- エリザベス・デビッキ)も空からの巨大落下物に気付き、墜落した巨大な残骸を調べに行く。

それは巨大な宇宙船だった。

一方ミホは1人で周辺を調べていたが、その間に巨大宇宙船が海に落下する。

墜落していた宇宙船内部を調べていた皇帝皇后と側近グループは、津波を避けるため防護扉を閉ざすが、その瞬間ロックが壊れてしまう。

そこにミホが戻って来るが、扉が開かないため中に入れない。

家の中では、皇帝と皇后がミホ!と絶叫していた。

ミホの背後に大津波が迫り、家の前で死を覚悟したミホは身体からエネルギー波を空間に出す。

西暦2740年、海の前で目覚めたのが、ラフなリゾート着を来たヴァレリアン少佐(デイン・デハーン)だった。

ジュースを持って来たローレリーヌ軍曹(カーラ・デルヴィーニュ)に、ちょっと嫌な夢を見た…と言うと、計画書を読まないと…、プロでしょう?と叱られる。

前日の記憶テストは満点だったとヴァレリアンが自慢すると、でも私の誕生日は忘れた…とローレリーヌは又嫌みを言う。

そこに、3分で降下しますと言うアレックスの声が聞こえて来る。

海のイメージルームから宇宙船の通路に戻ったローレリーヌはヴァレリアンから迫られ、落した相手のリストに乗りたくないと拒否する。

何故モノにした途端棄てるの?責任持つのが怖いのね?と操縦席に座ったローレリーヌはからかう。

30秒で外世界へ出ますと宇宙船のAIアレックスが言う。

脳に外から波動を埋め込まれたとヴァレリアンが言うと、誰か分かる?とローレリーヌは聞くが、その時、離脱!とのアレックスの声が響き、外世界にはじき出された宇宙船は惑星キリアンJR24座に接近する。

ローレリーヌ、操縦桿を握ってくれとヴァレリアンは頼むと、自分の首に小さな装置を付着させる。

通話機機動!国務大臣(ハービー・ハンコック)の映像が浮かび上がり、ミュール変換機(コンバーター)を回収してくれ、最後の生き残りだと指示する。

惑星で彼らを出迎えたのは傭兵のグループだった。

宇宙船から降りて来たヴァレリアンとローレリーヌのリゾート地でのようなラフな服装を見た傭兵は、その格好で任務を?と呆れる。

ローレリーヌ軍曹はクーパー軍曹と組めと言われたヴァレリアンは、計画書は?と聞かれ、読んだと嘘をつく。

擬装用バスに乗り込んだローレリーヌは、もう1度読んだ方が良さそうねと計画書をちゃんと読んでないヴァレリアンに話しかける。

バスを降りたヴァレリアンは、20分間、僕なしで大丈夫?言いたい事があるんだと言い出したので、何?とローレリーヌが聞くと、結婚…とヴァレリアンが言うので、笑えないとローレリーヌは無視する。

真剣なんだ、俺も責任持ちたい、式を挙げてくれる司祭が市場で見つかるかも…、キスしてなどとヴァレリアンは言うが、1人で傭兵たちのバスに乗り込んだローレリーヌはまんざらでもなさそうに微笑む。

ヴァレリアンは、ここではヘルメットをかぶって下さいと説明するガイドに従い、他の大勢の買い物客に混じり、100万近い店があると言う巨大市場の中に入って行く。

門の中は一見何もない砂漠が広がっていたが、ヘルメットをかぶるとバーチャルの巨大市場が見えるようになる。

バーチャル市場の中の人間の頭上には、緑色の「U」の文字が浮かんでいた。

別の塀の部分に泊まった傭兵のバスからローレリーヌが降りると、監視塔にシールト族の見張りがいたので、ローレリーヌは銃を撃ち込む。

その銃から発射された針は相手に刺さり、その動きと心が相棒の傭兵と同期して、全く同じ動作をするようになる。

ローレリーヌは、傭兵が壁の一部を破壊した穴から中に入ると偽装機を持ち広大な砂漠のような場所に入り込むと、監視塔の見張りに合図を送る。

見張りは特殊なヘルメットをかぶった傭兵の動き通り敬礼して返事する。

ヴァレリアンは観光客の一向に混じりバーチャル市場の中に入り込むと、そっとグループを抜け出し、町の中の様子を探り始める。

市場の中には6本足の番犬メガプトールが入り口の前にいる怪しげな店があった。

それを見つけたヴァレリアンは砂漠で土産物屋を偽装していたクーパーに会い、上層装置付きサングラス、銃と箱型偽装機を受け取ると、そこに銃を持った右手を突っ込みDNAコード認証を行なう。

クーパーはヴァレリアンの姿を、スキャン装置のようなもので透明化し、幸運をとクーパーは言って離れていく。

その間、番犬の店にやって来たフード姿の2人の男にツウリ、又会ったな…用意したか?と宇宙海賊アイゴン・サイラスが聞き、箱のようなものを取り出すと、フードの男はミュールの真珠を出す。

素晴らしい!何百とくれてやる、これを増やすんだと言うと、俺が止める!と2人のフードの男たちが銃を取り出したので、回りを取り囲んでいた子分たちも2人に向け銃を向ける。

アイゴンは銃をフードの男2人に向けると、銃身が2つに開き、2人の男の顔を向く。

アイゴンはカウントダウンを始める。

その時、外の傭兵は、ショータイム!と呟いていた。

透明化したヴァレリアンがアイゴンたちの取引の部屋に近づく。

アイゴンが!と呟いた時、アイゴンの後頭部に透明化したヴァレリアンの右手の銃が実体化し突きつける。

ヴァレリアンだ、君ら2人には前に会った、アイゴン・サイラス、お前はミュール変換機を盗んだ!と話すヴァレリアンの本体は砂漠から話していた。

そんなヴァレリアンの背後に、同じように箱を下げたローレリーヌが近づく。

ローレリーヌが箱のスイッチを入れると、アイゴンの側に同じ箱が出現し、その中に入れろとヴァレリアンが命じると、アイゴンは置いていた自分の箱をその出現した収納箱の中に入れるが、次の瞬間、収納箱は消滅する。

壁の外のバスの側で待機していた傭兵は、気付かれていない、良い兵士だとロレリーヌのことを褒める。

必ず見つけて殺すぞ!とアイゴンが言う中、ヴァレリアンの銃を持った右手の箱だけが空中に浮いて、アイゴンの部屋から出て行こうとするが、番犬が噛み付いて来たので、撃ち合いになる。

立ち去りかけていたローレリーヌだったが、背後にいたヴァレリアンの様子に気付くと、ピンチよと傭兵に無線で知らせる。

傭兵からの連絡を受けたクーパーは、サングラスをかけ、二つの転送ボックスに両手を突っ込むと、アイゴンの部屋の前の通路に現れ、実体化した箱から出た2丁拳銃でアイゴンの見張りを撃ち、援護射撃を始める。

しかしすぐに弾切れになった所に番犬がクーパーに襲いかかって来る。

ジュースを飲んで休憩していたバーチャル市場の警官に、市場に銃を持った箱が移動しているとの連絡が入る。

ヴァレリアンとローレリーヌは砂漠では観光客を偽装してさりげなく歩いていたが、ヴァレリアンは転送ボックスが右手から外れないと伝えて来る。

そんなヴァレリアンの右手が実体化していたバーチャル市場では警官に、何してる?と呼び止められる。

そして金属球を発砲して来たので、実体化した箱に金属級が多数付着し、ヴァレリアンはその重さで動けなくなる。

しかし、倒れ込んだ場所がマンホールの真上だと気づくと、そこで無理矢理箱から右手から抜こうと力むが、その途端マンホールの蓋が外れ、ヴァレリアンはいくつもの回想を突き破り地中に落下する。

着地したのはゲームセンターらしく、そこには玩具の鉄砲を持った子供の異星人ダがいた。

ヴァレリアンがそのダに、撃ってごらんと箱に付着した金属球を1つ取って、玩具の鉄砲の中に入れてやりながら話しかけると、ダはゲームセンターの入り口に駆けつけたアイゴンの手下に発砲する。

金属球はその手下の胸に付着し、ヴァレリアンが持っていた装置のスイッチを入れると、箱に付着していた金属球全てがその手下の胸に付着し、その重さに耐えきれず、床が抜けて手下は落下してしまう。

ダは面白がるが、宿題やれよとヴァレリアンが注意するとダは泣き出しそうになり、入り口にダにそっくりの大人の異星人が怖い顔で入って来たので、マミー?と気付いたヴァレリアンは店から逃げ出す。

そして、吹き抜け部分に垂れ下がっていたロープを使い、空中を移動しながら警官2人を蹴落としたヴァレリアンは手近のエレベーターに乗り込み地上へ向かう。

地上の砂漠では、大量の買い物を終えた観光客がスキャン装置に商品を通過させ帰路につこうとしていた。

中年夫婦の夫は、妻が買い込んだムダなガラクタ類を大量に持たされていたが、バーチャル市場から逃げて来た透明化したヴァレリアンが肩にぶつかり、持っていた商品を全部落してしまう。

ヴァレリアンは箱が引っかかり、砂漠に倒れ込む。

そこにローレリーヌが近づいて来たので、腕を直してくれと頼む。

ローレリーヌはすぐさまはこの蓋を開け故障部分の修理を始めるが、バーチャル市場ではアイゴンの番犬と手下たちが箱に近づいて来ていた。

ヴァレリアンは異次元サングラスの視界を頼りに、バーチャル世界に残っていた箱から発砲して手下を倒そうとする。

アイゴンの番犬が飛びかかって来た時、ローレリーヌの修理が完了し、ヴァレリアンの右手は抜け、転送ボックスも現実世界に戻る。

ヴァレリアンは、君なしでは生きられないとローレリーヌに感謝すると、アイゴンの部屋からこっそり盗んで来た真珠が側に落ちていることを確認し、うれしそうにつまみ上げる。

アイゴンは、檻に入れていた6本足の獰猛犬メガプトールを解き放つ。

塀の外で待機していた傭兵は、探知された!とローレリーヌに伝えて来たので、ヴァレリアンとローレリーヌは走り出す。

監視役をコントロールし、迫って来るメガプトールを撃ち殺そうとするが、塀を越えて外に出て来たメガプトールはヴァレリアンとローレリーヌが乗り込み走り出したバスの屋根に飛び移って来る。

ローレリーヌは腕時計型通信機で、惑星に乗って来た円盤形宇宙船を起動させる。

傭兵たちはバスの中でメガプトールを撃ち殺そうとするが、屋根を破って車内に侵入して来たメガプトールに次々にやられる。

やがて宇宙船がバスの上空に接近したので、窓から外に逃げ出したヴァレリアンとローレリーヌは移送ボックスを持って円盤へと飛び移る。

無事搭乗口を閉じ、脱出に成功したかと思ったヴァレリアンとローレリーヌだったが、合流地点は?と指令官に連絡していたローレリーヌは、密航者がいますと言うアレックスの声を聞く。

メガプトールは円盤にしがみついていた。 国務大臣の映像に9分後に到着しますを伝えたヴァレリアンは、5秒後に外宇宙へ入ると言うと加速する。

その瞬間、メガプトールは円盤から離れ落下して行く。

その後、ロレーリーヌは、アイゴンから奪い取った小さな箱に入れられていたミュール星のペット、ミュール変換機(コンバーター)を取り出し、電子レンジのような装置に入れて上等なウランを照射してやり、元気を取り戻させる。

ヴァレリアンは、手にしたミュールの真珠には20メガトンと言うとてつもないエレルギーを秘めており、ミュール星は30年前に消滅したとアレックスに分析させ知る。

俺が夢に見たのはこれか…、興味深いとヴァレリアンは、さらにミュール星のことを調べようとするが、何故かアクセス不可になっていた。

ローレリーヌが操縦席に戻って来て1分後に外宇宙から脱出すると、目の前には巨大宇宙都市「アルファ」が浮かんでいた。

アルファは「アルファ」の説明をヴァレリアンたちにする。

「アルファ」は今では直径約20kmほどの小惑星のように巨大化しており、交流する宇宙人たちが住み着き、毎年数%ずつエリアが拡大しており、3236もの種族、約3000万人が暮らし、5000を超える言語が使われ、北部や南部、区画ごとに全く様相が違っていると言う。

宇宙連邦政府職員ネザ軍曹(クリス・ウー)に案内され、ヴァレリアンたちが会ったオクト=バー将軍(サム・スプルエル)は遅刻だぞ叱る。

オクト将軍が言うには、機密事項だが、1年前からアルファの中心部に謎の放射性空間が発生し徐々にその大きさが拡大していたので、特殊部隊を送ったが生存者はなかったと言う。

大量破壊兵器ではないかと言う。

将軍は国務大臣と通信し、国務大臣はヴァレリアンがこれを解決せよと指示を出す。、では諸君、幸運を祈ると付け加える。

自分の部屋に戻ったローレリーヌは、ウランをたっぷり浴び元気になったコンバーターを取り出すと、自分のイヤリングを食べさせ、大量の同じイヤリングを生ませる。

黒いロボット兵士K-トロンを引き連れとある部屋の前に来たアルン・フィリット司令官(クライヴ・オーウェン)は、ここで待て!と命じると、自分だけ部屋の中に入る。

そこにはパール人の生き残りが1人椅子に縛られており、医者が様子を診ていた。 アルン司令官に気付いた医者は、新しい方法をやりますと言い、弱ったパール人の首筋に背後から拷問装置のようなものが装着される。

後1時間だとアルン司令官は時間を区切ると、それで吐かないなら処分しろと命じ、外に出ると、万一問題が起きたら分かっているな?とK-トロンに言い渡す。

その後、安全保障理事会に出席するアルン司令官は、宇宙服姿になったヴァレリアンとローレリーヌと会う。

あなたの安全のため、彼女が持ちますとコンバーターの容器を受け取ろうとしたアルン司令官に断ったヴァレリアン、待機しろ、俺が前に出るとヴァレリアンはアルン司令官に付き添って行ったので、それを聞いたローレリーヌは呆れたように、イエスサー!と答える。

人類同盟安全保障理事会では、過去、問題の箇所は何度か調べたが失敗だった、第一大隊全部が帰還しなかったとアルン司令官は報告する。

将軍の側に付き添っていたヴァレリアンは、廊下で待機していたローレリーヌに異常ないか?と小声で確認する。

異常なしと答えたローレリーヌだったが、その直後、3匹の小さな情報屋ドーガン=ダギーズが近づいて来る。

ミュールの情報を聞いて見ろとヴァレリアンが指示すると、1年前、ミュールの専門家が死んだ、殺人かも…などとドーガン=ダギーズは思わせぶりなこと言う。

情報が入ったら知らせて、ただで…とローレリーヌはドーガン=ダギーズに頼む。

コンバーターをみんな狙っている、その先は優良だとドーガン=ダギーズは抜け目なく答える。

その時、建物内に非常ベルが鳴り、Bセクションに異常あり、全員今すぐ退避を!とネザ軍曹がアルン司令官に連絡する。

ネザ軍曹はドアを開けて外に出ようとするがドアがロックされていることに気付く。

ローレリーヌが応援に駆け込んだ時、壁が破壊され、絶滅したはずのパール人が武器で攻撃して来る。

パール人の武器は粘液のようなものを噴出して身体を膜で覆うと気づいたヴァレリアンは、急いで小型酸素ボンベを口にくわえる。

理事会に出席していた全員を膜で覆って倒したパール人は、アルン司令官の身体だけ運び去る。

膜に覆われたヴァレリアンが加えていた小型酸素ボンベが開き、内部から小さな蜘蛛型メカが出てくると身体を覆った膜を斬り割く。

ヴァレリアンは粘膜の外に脱出し、すぐに側に倒れていたローレリーヌの粘膜も取ってやり、何とか窒息を免れる。

そしてアルン司令官が誘拐されたことを教える。

理解したローレリーナはすぐにオクト将軍らとともに、ネザ軍曹らが閉じ込められていた司令室に戻り、パール人を追跡していたヴァレリアンと通信を取る。

ヴァレリアンは、相手との最短距離を教えてくれと聞き、ヘルメットも装着するとローレリーヌが指示した方角に向かって壁を突き破って突進し始める。

アルン司令官を運ぶパール人たちは、停泊させていたくさび形の小型宇宙船に乗り込む。

水中を潜ったりしながら進むヴァレリアンは最短距離はかなりきついぞとぼやくが、進んで!もう少しよ!区画18の所!とローレリーヌは指示する。

しかし区画18の壁を破ったヴァレリアンは宇宙空間に飛び出したので、そう伝えると、81だったわ!とローレリーヌは数字を逆に読んでいたことに気付く。

宇宙空間から区画81に何とか飛び込んだヴァレリアンはハッチを閉め、ヘルメットを解除し、ビーチはどこだよとぼやく。

その後、円盤形宇宙艇に乗り込んだヴァレリアンは、逃走するパール人のくさび形宇宙船を追尾し始める。

ヴァレリアンはミサイルを発射するが、くさび形宇宙船に命中した瞬間、くさび形宇宙船がいくつも出現する。

いわば「分身の術」で目くらましして来たのだが、レーダーで監視していたローレリーナは、9時の方向よ、急いで!と本物の機体を教える。

ヴァレリアンがその機体にロックオンした時、くさび形宇宙船は「アルファ」内に侵入し、攻撃が難しくなる。

ヴァレリアンは1人乗りの「スカイジェット」で追尾するとローレリーヌに連絡して来たので、危険地区が近いとローレリーヌは警告する。

やがて「スカイジェット」はくさび形宇宙船に牽引ワイヤーを発射し、くさび形宇宙船に引っ張られる形になる。

しかし間もなく制御不能!と言う連絡の後、通信不能領域に入り応答が途絶えてしまう。

オクト将軍は、追うな、敵の縄張りだとローレリーヌに命じるが、この任務には何か裏があります、暴きます!とローレリーヌは言い返す。

将軍はそんなローレリーヌの頑固さに腹を立て、拘束しろ!と部下たちに命じる。

2人の監視役とともに廊下に出たローレリーヌは手錠をしなくて良いの?と聞き、監視役が手錠をかけようとしたとき蹴り倒して、2人に手錠をかけ逃亡する。

ちょうどそこへ情報屋ドーガン=ダギーズの3匹がおしゃべりしながら近づいて来たので、銃を突きつけ近くの部屋に連れ込むと、捜査を手伝わないと殺すと脅す。

我々は3人で情報を共有しているので1人殺されると困るとドーガン=ダギーズは言うが、電撃銃を1人に軽く当て迫ると、抵抗は諦めたのか料金を言って来たので、ローレリーヌが金を渡すと、3匹は付いて来てと言う。

一方、司令室では、オクト将軍がコンピューターからミュール星とパール星人の情報を調べようとしていたが、アクセス拒否されることが分かる。

ドーガン=ダギーズの3匹はローレリーヌを暗い沼の縁に連れて来る。

そして、ドーガン=ダギーズは持って来たシャンパンをクレーンに挟むと、そのクレーンは岸に接岸していた潜水艦に移動し、ハッチが開いて潜水艇の中から出て来た片腕の男が掴んで飲み始める。

片腕で髭もじゃのその男は左目も義眼のようだったが、ドーガン=ダギーズたちに気付くと、何が望みだ?と聞くので、クラゲを釣りたいとドーガン=ダギーズは答え、金を投げ与える。 片腕の男はローレリーヌを潜水艇に招き入れると潜水を始める。

男は、水中にいた巨大魚をブロモサウルスだと教えるので、危険?とローレリーヌが聞くと、向かっていかなけりゃ安全だと片腕の男は言い、あれはオスだと言うので、何故分かるの?と聞くと、メスよりずっと小さいと片腕の男は答える。

やがて、目指すクラゲを発見したので、潜水艇のマジックハンドでクラゲを持ち上げ帰ろうとしたとき、ブロモサウルスがオスもさらに巨大なメスも襲いかかって来る。

艇内を転げ回ったローレリーヌは片腕の男がシートベルトをと指示して来たので、安全だって言ったじゃない!と文句を言うと、クラゲを捕るときは別だと平然と答える。

間一髪、潜水艇は鉄柵付きの通路に逃げ込み、ローレリーヌは無事クラゲを持って沼岸に降り立つ。

降りる際、ようやく片手の男はボブ(アラン・シャバ)と名乗る。

ローレリーヌは持ち帰ったコーテックスクラゲを、待っていたドーガン=ダギーズの指示に従い、嫌々ながら頭からかぶる。

かぶる制限時間は1分間だけだと言う。

ローレリーヌはヴァレリアンの記憶と接触でき、ヴァレリアンが最後に見た風景を見極めようとする。

制限時間の1分が10秒過ぎた時、「L.630.E SUL」の表示が見えたので、急いでクラゲを頭から外したローレリーヌは、その記号で位置が分かるかドーガン=ダギーズに聞く。

その後、オクト将軍とネザ軍曹のいる司令室にやって来たドーガン=ダギーズの3匹は、ローレリーヌが少佐の位置を確認したと密告する。

ローレリーヌは1人で「L.630.E SUL」と書かれた扉の所に来て、墜落した「スカイジェット」の側に投げ出され気絶していたヴァレリアンを発見しに行き、強壮剤を注射し目覚めさせる。

立ち上がったヴァレリアンはローレリーヌに礼も言わずアレン司令官を探しに行こうとするだけではなく、頬にキスしてごまかそうとしたのでローレリーヌは切れ、任務に戻って良いですか?と他人行儀に切り出す。

その頃、ドーガン=ダギーズの情報で、パール人を拷問していた医療チームの部屋にやって来たオクト=バー将軍は、何事だ?逮捕しろ!と部下に命じる。

医師たちが連れ去られると、パーツ人の捕虜に近づいたオクト将軍に、我々を助けてくれ!とパール人は腕を掴んで頼む。

なら、知っていることを話せ!何故攻撃する?とオクト将軍が聞くと、それは我々はあなた方が必要な物を持っているから…と答えたパール人の捕虜は、身体が青く光り出し、次の瞬間青いエネルギー波を放射し息絶える。

ヴァレリアンは、故障した「スカイジェット」の通信機を修理していたが、ローレリーヌは、側の暗い谷間に飛び交っている光る蝶に興味を持ち、夢の娘もコンバーター持ってた?などとヴァレリアンに話しかけていた。

そして何気なく飛んでいたヒカル蝶の1頭を手の甲で捕まえ、きれいな蝶…と呟くが、それを聞いていたヴァレリアンはそれに触れるなと修理を続けながら言う。

何故?とローレリーヌが聞いて、ヴァレリアンが、それは…と説明しながら振り返った瞬間、手の甲の蝶が吸着したローレリーヌの身体は谷の上に引き上げられる。

そのヒカル蝶は、崖の上で釣りをしていたゴアラ星出身のブーラン・バソールたちの餌だったのだ。

驚いたヴァレリアンは谷に飛び込むと、手当り次第に近くを飛ぶ光る蝶を掴もうとする。

ようやく1頭を掴み自分もブーラン・バソールに吊り上げられる。

ローレリーヌは、ブーラン・バソールの背負った籠に入れられ運ばれていたが、ヴァレリアンは吊られた相手の顔を銃撃ち、身を隠しながらローレリーヌの後を追う。

ローレリーヌを背負ったブーラン・バソールは、「レストラン アレア 部外者立入禁止」と大きな看板が出た宮殿のような建物の中に入って行く。

その頃司令室ではネザ軍曹がオクト将軍とは、DNAを調べてていたが、ネザ軍曹は、誰かがデータベースから探りを入れているようだと気付く。

ヴァレリアンはレストランの側にある歓楽街の「天国地域」へ入ってみる。

警官を見つけたので麻酔銃で眠らせ、銃はベルトの背中側に差し込み、透明化して隠す。 次々に女たちがヴァレリアンを路上で誘って来る。

「グラム・クラブ」と言う店の前に来た時、カウボーイ姿の客引きがヴァレリアンを誘い込む。

特別なものを探しているとヴァレリアンが言うと、宇宙一のがいる、入ってと客引きは言う。

その頃、ブーラン・バソールに捕まっていたローレリーナは、侍女のような相手から次々に着替えの衣装を勧められ、私を解放して!そんなダサい服着に来たんじゃないの!と必死に断ろうとしていた。

一方、店に入ったヴァレリアンは、腰の見えている方の銃を客引きから取られ、ロープにくくられ保管される。

客は1人だけで席に付いて見ると、客引きがピアノを弾くのに合わせ、ライザ・ミネリ「キャバレー」の衣装を来た女がステージに現れ、次々に色んな衣装に変身しながら踊りを始める。

ヴァレリアンは、この不思議な踊子を気に入る。

踊りが終わると、凄かったけど、探しているものじゃない、ピンチなんだ、助けて欲しいとヴァレリアンが頼むと、4歳から習っているの、何にでも出来ると言う女は、ローレリーヌに化けたので、背中に隠していた銃を取り出し女の側頭部に突きつける。

それに気付いた客引きは銃をどこに隠してた!と驚くが、ヴァレリアンは銃で倒す。

女は、国務大臣に化けたり、10歳の時のヴァレリアンに化けたりしてみせたので、元に戻れと命じると、青いたこのような軟体動物の姿になる。

違う、元の女だ!t言うと、ようやく最初の踊子の姿になったので、名は?と聞くと女はバブル(リアーナ)よと答える。

ある人物を探しに行くんだ、手伝ってくれたら自由にしてやる、ID取ってやるとヴァレリアンは哄笑するが、ジョリーに殺されるとバブルは床に気絶している客引きを見ながら答えるので、ジョリーは目覚めないと教える。

私のダンス気に入った?とバブルが聞くので、最高だったと答えると、ありがとうとバブルは喜ぶ。

結局、ジョリーに化けたバブルで身体を隠し、ヴァレリアンは店の外に出る。

ブーラン・バソールのレストランに入ると知ったバブルは、やったことがないと断ろうとするので、アドリブで良いんだとヴァレリアンは説得し、バブルは不承不承承知してブーラン・バソールに化けるとヴァレリアンの身体に覆い被さる。

レストランの一室では、ローレリーヌが何とか様になる白いドレスを着て、侍女が持って来たつばの広い帽子のようなものを受け取る。

歩きなれないブーラン・バソールの格好でバブルと一体化したヴァレリアンはレストランへ向かう。

店の外にいたブーラン・バソールたちは、ふらつきながら近づくバブルとヴァレリアンが合体したブーラン・バソールを不思議そうに見守るが、何とか無事に店内に潜入できる。

司令室ではオクト将軍にネザ将軍に、ヴァレリアンがブーラン・バソールの宮殿に入りました、誰も入ったことも出たこともありませんと報告していた。

オクト将軍は、大臣に連絡をと指示する。

レストランの中のキッチンのような所へ入り込んだバブルとヴァレリアンの合体は、料理人から睨まれ、側にあったジェリーの上に置かれたタコの料理を頭に乗せて運ぶはめになる。

レストランの大広間では皇帝ブーラン3世が、次々に列をなして運んで来るブーラン・バソール人の料理を、一口食べては吐き出し、文句を言っている最中だった。

バブルとヴァレリアンが運んだタコも、皇帝は一口食べて吐き出す。

やがて、つば広の帽子のようなものをかぶり白いドレス姿のローレリーヌの番が近づくのを、横に整列した給仕の列に紛れ込んだバブルとヴァレリアンは発見する。

皇帝の前に進み出たローレリーヌは、持って来たトレイの上の巨大な柑橘系のフルーツを差し出し、愛想笑いを浮かべる。

すると皇帝はそのフルーツをローレリーヌの頭に絞り、エッグオープナーのような道具を手にしたので、ローレリーヌは皇帝が食べるのは、自分のむき出しになった頭の脳だと言うことに気付く。

慌てて逃げ出したローレリーヌだったが、すぐに家臣に捕まってしまい、エッグオープナーを持ってうれしそうに開閉させる皇帝の側に連れ戻される。

バブルとヴァレリアンは、持っていたと例で隣の給仕を殴り倒し、その隙にローレリーヌも逃げ出す。 バブルとヴァレリアンの合体したブーラン・バソールの給仕は、周囲の護衛が持っていたナイフを奪うと次々に倒し始める。

倒れたブーラン・バソールの死体をジャンプ台に飛び上がったヴァレリアンは二刀流のナイフで皇帝の頭部を切断すると、ローレリーヌに近づく。

しかし、ヴァレリアンが変装したブーラン・バソールとは気付かないローレリーヌは近づかせまいと威嚇して来たので、ヴァレリアンが俺だ!と語りかけると、何?とローレリーヌは驚くが、その時、背後に座っていた皇帝の頭頂部が落ち、かぶっていた王冠がローレリーヌの頭に直撃し気絶する。

皇帝が頭を切断され死んだと気づいた側近はショックのあまり気絶する。

バブルはヴァレリアンから分離し、ヴァレリアンに化けてローレリーヌを起こすと、ヘイ、ベイビー!と嫌らしい笑顔で挨拶するが、気付いたローレリーヌは、本物のヴァレリアンがナイフで戦っている姿が見えたので、自分を抱き起こしたヴァレリアンの顔を殴ると、バブルが青い顔を現し、これぞ相棒ねと感心する。

ヴァレリアンはナイフで戦っていたが、ローレリーヌにも敵が迫ったので、彼女は女性よと言いながらバブルが立ちふさがり敵を妨害する。

その隙に、ローレリーヌも死体からナイフを取ると戦い始める。

そして、最後の敵を倒し終えたヴァレリアンを感心したように笑顔で見る。

ヴァレリアンもそれに気付きて笑顔になり近づいて来る。

2人はキスしようとするが、そこに又新たなブーラン・バソールの大群が駆けつけて来たので、ローレリーヌは首ビルの前に人差し指を入れ、それを背後に向けてヴァレリアンに知らせる。

ナイフを手にしたローレリーヌとヴァレリアン、そしてバブルは大群に向かって突撃するが、広間の中央に開いた鉄柵付きの穴の中に飛び込む。 そこは巨大なゴミ捨て場だった。

司令室では、第3連隊接近!と報告が入る。

通信して来た国務大臣から、パール人からの身代金の要求は?と聞かれたオクト将軍はありません!と答え、ミュールに関する情報へのアクセス許可をと願い出る。 国務大臣はしばし考え許可を出す。

大臣との通信を終えたオクト将軍は、早速ミュールの情報をコンピューターで探り始める。

しかし、ミュール星への作戦を調べようとすると、更なるアクセス拒否が設定されていた。

ゴミ捨て場に落ちたヴァレリアンとローレリーヌは、バブルの様子がおかしいことに気付く。

逃げる時に怪我をした…、もう出来ることはない…と、ヴァレリアンに抱き上げられたバブルは絶望的に言う。

バブルは踊子の姿に戻り、あなたの前で踊れて光栄…、今大切なのは彼女を守ること…とローレリーヌのことを言うと、身体が砂のように崩れて消えてしまう。

「アルファ」に接近した第3連隊の戦艦はドッキングする。

ヴァレリアンはプリンセスが僕の中にいる、ずっと彼女と会っていた…と言い出したので、つまり、あなたの中に女がいるってこと?と複雑な表情でローレリーヌは聞く。

しかしヴァレリアンは先へ進もうと言うので、良いわよ、レディ・ファースト!とローレリーヌは冗談めかし、プリンセスが中に入ると言ったヴァレリアンを先に行かせようとするので、ヴァレリアンは笑えると答える。

僕らは始めから操られていたんだ、ここいらは危険地域のはずなのに普通に呼吸が出来る…と奥へ進んだヴァレリアンが指摘する。

接岸した戦艦から第3連隊がアルファ内に乗り込んで来て、オクト将軍と連絡を取り合う。

誰もいない秘密の区域に入り込んだヴァレリアンとローレリーヌは、虹色に輝く壁の前に到着する。

何なの?とローレリーヌが聞くと、壁の中から槍を持った人物が1人出て来る。

パール人だとヴァレリアンは指摘する。

皇帝の息子ツウリだとパール人は言い、壁の中に誘うように先に中に入る。

ヴァレリアンはローレリーヌの肩を叩き、将軍に連絡しろ、中に入ると指示すると、たまには自分が連絡したら?とローレリーヌは言い返し、先に壁の中に入り込んだので、信じられないとヴァレリアンは苦笑しながら自分も後に続く。

中は殺風景な空間の中に大勢のパール人がいた。 赤ん坊を抱いた母親もいる中、誘拐されたアルン・フィリット司令官は外に置かれたベッドに寝かされていた。

ヴァレリアンとローレリーヌを待ち構えていたのは、パール人の皇帝ハバン=リマイと皇后アロイだった。

ようこそ、君の中に私たちの娘のリホイ=ミホがいる。

彼女が君を選んだのだ、我々は死の瞬間、意思を継ぐに相応しい人物をあらゆる時間帯から見つけるのだと皇帝が言う。

我が娘…とアロイもヴァレリアンに近づき身体に触れると、あなたに会えてうれしいわと喜ぶ。

何があったんですか?とローレリーヌが聞くと、我々のミュール星は本当のパラダイスだった、海から採れる真珠を年に3度海に返していた…、破滅の日まで…と皇帝は語り出す。

我々の星の上で他の惑星の連中同士が戦争を始めた。

(回想)地球軍の宇宙船に乗っていた司令官は、核ミサイルの発射を部下に命じる。

部下は、神のご加護を…と呟きながら核ミサイルのスイッチを押す。

ミサイルは敵の巨大宇宙船に命中し、ミュール上に落下して惑星をも壊滅させる。

(回想明け)娘さんはその時死んだ…とヴァレリアンが指摘すると、そう、600万に仲間と一緒に…と皇帝は答える。

その後は何があったんですとヴァレリアンが聞くと、破壊された宇宙船に乗り込んでいたため自分たちは生き残り、その後何年もかかって新しい環境に慣れて行った。

宇宙船に残されていたデータから人間の言葉や科学も学んだ。

我々が知らない惑星や宇宙も無数にあることを知った。

しかし、我々を滅ぼした人間への怒りは消えることがなかった。

そしてある時、宇宙のスクラップ業者が我々の宇宙船を拾い上げこの「アルファ」に持ち込んだ。

我々は数百年に渡り知識を蓄積させ、人間の文化をコピーできるようになった、密かに材料も集め、自分たちの手で宇宙船を作れるまでになった…と皇帝は説明する。 信じられない!とヴァレリアンは感嘆する。

ミュールが滅びる前、ツウリがこっそり真珠を1つ隠し持っていた…、我々は生存者であり過去に絶滅した者ではない、人間はそれを隠していると皇帝は言う。

だからサイラスを使った…とヴァレリアンは気付く。

アイゴン・サイラスからコンバーターを手に入れようとした奴がいる。

我々の運命はあなたたちの手に委ねられていると皇帝はヴァレリアンたちに助力を依頼する。

そして皇帝は眠っていたアルン・フィリット司令官の額に手を添えると提督は目覚める。

周囲のパール人とヴァレリアンに気付いた提督は逮捕しろ!パール人たちを逮捕しろ!と命じる。

あなたはミュール星上の戦いにいましたね?とヴァレリアンが聞くと、あっさりアルン提督は肯定する。

あの時50万の兵士を失ったんだ、少佐、野蛮人どもに立ち塞がせるな!とアルン提督は苛つくが、あなたは生存者がアルファにいると知り消そうとした…とヴァレリアンは指摘する。

あなたは当時のことを知るサルク少佐を殺した!とローレリーヌが責めると、どうすれば良かった!ミスを認めれば損害賠償を求められる、「アルファ」は経済的に壊滅する、それで良かったのか?歴史を千年後戻りさせる!と将軍は逆ギレする。

あなたの敵はあなた自身だ!とヴァレリアンが迫ると、命令だ、逮捕しろ!と将軍は喚くので、2人だけで話があると言い出したヴァレリアンは、話せて良かった…と言うと、いきなり将軍を殴り倒す。

そんなパール人の区域に軍隊が迫って来る。

ヴァレリアンは持っていたパールを皇帝に返すが、ローレリーヌが身につけていたコンバーターを入れたバッグを取ろうとすると、ローレリーヌを連れ皇帝たちの前から離れると、それを渡すと自分たちの任務に違反すると言い聞かせる。

しかしローレリーヌは、連邦はミスを認めないと…、今、それを正すのが私たちの任務でしょう?とローレリーヌは反論する。

ローレリーヌの言葉をかみしめたヴァレリアンが分かった…、渡してやれと承知すると、ありがとうと言ってキスしたローレリーヌは持っていたコンバーターを皇帝に返す。

皇帝は、メリーマナと感謝し、ヴァレリアンがその意味をローレリーヌに教える。

バリアの外には第3連隊が迫っていた。

皇后アロイがパールをコンバーターに食べさせ、小さな水槽の上にかざすと、コンバーターは大量の真珠を生み出し、水槽に落ちた真珠は大量のエネルギーを床に拡散する。

すると、パール人たちがいたみすぼらしい空間が見る見る変化して行き、元のミュールの海岸のような青空の下のパラダイスに変化する。

その浜辺を目の当たりに下ローレリーヌは、念願のビーチねと呟く。

アロイはヴァレリアンとローレリーヌの前に来ると、娘は良い人を選びましたと言い、あなた方が幸せであるように…と言いながらヴァレリアンの頭を触ると、ミホの魂が彼の心から離れる。

バリアの外にいた第3部隊の大尉はバリアに爆薬を設置し、司令部からの爆破指令を待つ。

オクト将軍は4分後に爆破すると伝えて来る。

バリアの中では、ツウリが皇帝とアロイに、壁の外に軍隊がいますと知らせに来る。

ヴァレリアンは司令部と連絡してみると申し出るが通信機器がない。

その時、ローレリーヌが浜辺に残されていた古い宇宙カプセルを見つける。

ヴァレリアンとローレリーヌは皇帝に断って、それに乗り込むと古い通信機器で司令部に連絡を取ろうと試みる。

バリアの外で待機していた第3部隊の大尉は、何か出て来る!とバリアの方に注目する。

バリアから3人のパール人が出て来ると、次々と他のパール人たちも横並びに姿を現し、バリアの前に人の壁のように立ちふさがり、メロイと挨拶して来る。

武装はしていませんと第3部隊の大尉はオクト将軍に連絡して来る。

その時、オクト将軍の元に、2005年の通信機から呼びかけがありましたとの知らせが届く。

驚きながらもヴァレリアンの声を聞いたオクト将軍は、DNAで身分確認できないと…と言い出す。

パール人は司令官が一度滅ぼした人物ですとヴァレリアンは説明するが、司令官はそこに?とオクト将軍は聞いて来る。

ヴァレリアンとローレリーヌは気絶していたアルン・フィリット司令官をカプセル内に引きずって来ると、頬を叩いて目覚めさせ、通信に出るよう命じる。

司令官ですか?オクト=バーです、爆破の準備はできています、何かおっしゃりたいことは?との質問に対し、アルン将軍は、私は兵士だ、屈辱を受けるくらいなら死を選ぶ、殲滅せよと答える。

その指令を聞いた黒いロボット兵士K-トロンは、バリアの外で待機していた第3部隊に発砲して来る。

バリアの前に立ちふさがっていたパール人も動揺する。

K-トロンは司令部の中まで攻撃して来る。

宇宙カプセルの中では、この野郎!と言いながら、ローレリーヌがアルン将軍の首を絞め、顔を殴りつける。

パール人たちは全員バリアの内側に逃げる。

司令部では、K-トロンの攻撃から身を隠しながらオクト将軍がネザ軍曹に爆破を止めろ、急げ!と命じる。

ヴァレリアンはアレックスを呼びかけながらバリアの外に飛び出すとK-トロンと戦い始める。

ローレリーヌはまだ将軍の顔を殴り続けていた。

爆破まで後10秒! 急げ!と急かすオクト将軍 ヴァレリアンはバリアの中に飛び込む。

次の瞬間、パール人たちは全員宇宙船で「アルファ」から脱出する。

ネザ軍曹は、1秒前で何とか爆破装置を止めることに成功していた。

生存者の確認を!とオクト将軍がバリア前の第3部隊の大尉に指示する。

状況確認できました、宇宙船もヴァレリアンたちもいませんと大尉は答えるが、その時、何か声が聞こえたので、双眼鏡を除いた大尉は、蔦で縛られて吊るされていたアルン・フィリット司令官がわめいている姿を確認、司令官は生きてます!と報告する。

それを聞き、良かった…と安堵したオクト将軍は、逮捕しろ!と大尉に命じる。

宇宙を漂う古い宇宙カプセルの中、ここはどこ?とローレリーヌが聞くと、救難信号は出した、任務も終わったし、例の話を…、君と俺たちの未来の話…とヴァレリアンが言い出したので、未来の話?とローレリーヌが聞き返すと、お誕生日おめでとう!と言いながら、ヴァレリアンは隠していた指輪をローレリーヌに差し出す。

ありがとう!と感激したローレリーヌに、君は大した人だ、ローレリーヌとヴァレリアンが感謝し、俺の妻になってくれないか?と求婚すると、良いときも悪いときも?とローレリーヌが確認して来たので、悪いときは止してくれとヴァレリアンは断る。

ダメよとローレリーヌが言うので、分かったと受け入れたヴァレリアンにローレリーヌはキスする。

今のはイエスなんだな?とヴァレリアンが念を押すと、私はこう云う人間なのとローレリーヌはとぼける。

過去に女は色々いたけど、俺のリストに乗せたいのは君だけだとヴァレリアンは告白し、2人は熱いキスを交わす。

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