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劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!

主人公リクに子供的な未熟さを与え、周囲の仲間や大人達が色々アドバイスすることで成長させると言う幼児向けのテーマは分かる。

1人では無理なことでも仲間たちと助け合って一緒に解決するんだ、みんながウルトラマンだと言うテーマも、少年マンガには良くあるパターンで正攻法だし、平成ウルトラマンでは「ティガ」の時から繰り返されて来た言い方のような気もする。

ただそれを変身ヒーローものにストレートに適用すると、ヒーロー側の数の論理と毎回ご都合主義的に登場する過剰武装用玩具を使って少ない敵を徹底的に痛めつけると言う「大日本人」のクライマックスシーンのような弱い者苛めに見えてしまうことも避けられなくなる。

一昔前までの劇場版「ウルトラマン」に昭和ウルトラマンなどが登場して往年のファンを呼ぼうとした戦略には、敵の方もそれなりに懐かし要素を集結させ、ヒーローの方が有利に見えないような工夫がまだあったような気がするが、ここんところの劇場版「ウルトラマン」は予算がドンドン厳しくなって来ているのか、明らかに敵怪獣側が劣勢に見える為、大人目線で見てしまうとウルトラヒーロー達が卑怯では?と疑念を抱いてしまう部分がある。

全体として酷くつまらないと言うほどではないが、玩具を売る為のPR映画に成り下がったと言う印象がなくもない。

格闘好きの坂本監督らしく地上での等身大宇宙人との格闘シーンも多いが、「ウルトラっぽい」かどうかは意見が分かれる所ではないかとも感じる。

今回は映画では「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」(2010)以来、久々にグレンファイヤー、ミラーナイト、ジャンボット、ジャンナインらが登場しながら活躍の場がないので、変だな?と思っていると、最後にジャンボットと朝倉リク(濱田龍臣)が対面するサービスがある。

同じ坂本浩一監督作品だった「破裏拳ポリマー」(2017)の宣伝を手伝っていたジャッキーちゃんも登場している。

沖縄怪獣グクルシーサーが、昭和ゴジラでお馴染みのキングシーサー同様、あまり強くないのも、カプセル怪獣を連想させご愛嬌か?
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2018年、劇場版ウルトラマンジード製作委員会、根元歳三脚本、坂本浩一監督作品。

危ない!

お父様!

アイル・サデルーナ(本仮屋ユイカ)は、突然、ギャラクトロンに襲われた惑星クシアで、これを持って行くのだ、ギガファイナライザーを奪われる訳にはいかぬ!逃げるんだ、早く!と父親ブラン・サデルーナ(宍戸開)から促され、建物から逃げ出す。

次の瞬間、ギャラクトロンが吐く光線で逃げていたアイルの背後が爆発する。

お父様~!絶叫するアイルが宇宙船で惑星を飛び立ったとき、故郷の星はデジタル化してしまう。

アイルが到着したのは太古の地球だった。

まだ噴火する山などがあったが、美しい緑、青い空、きれいな海があり愛流は感激する。

そんなアイルの前の海上に、巨大な獅子聖獣グクルシーサーが出現する。

その時、アイルが首から下げていたペンダントが光り輝いたので、あなたがこの地を守っているのか?とグクルシーサーに尋ねたアイルは、お願いがあるの…と言い出す。 タイトル 宇宙から何かが地球に接近していた。

空に魔法陣のようなものが出現し、そこからロボット怪獣ギャラクトロンが降臨する。

遅くなってごめん!と朝倉リク(濱田龍臣)が駆けつけ戦い始めるが、リクと初対面のジャグラスジャグラー(青柳尊哉)が、あれが噂のウルトラマンジードか…、せいぜい頑張りな…とバカにしていた。 リクが変身したウルトラマンジードもギャラクトロンには敵わなかった。

ウルトラの星では、父や母、兄弟達が、巨大人工頭脳ギルバリスが宇宙中の生命体を次々に消滅させている事態を憂慮していた。

鳥羽ライハ(山本千尋)や愛崎モア(長谷川眞優)と古文書を調べていたリクは、赤い鋼が鉄の悪魔を討ち滅ぼした。

赤い鋼は人の手には負えぬので大地の守り神が封印した…と記されていることを発見し、それが沖縄にあることを知る。

リクは、じーっとしててもどうにもならない!行こう沖縄へ!と決意する。

しかし、到着した沖縄でどこを探せば良いのか見当もつかないで迷っていたライハたちは、地元の人々が踊るエイサーの中に混じって踊っている手みやげを持った伊賀栗レイト(小澤雄太)を発見する。

何故、沖縄にいるのかを聞くと、出張で、帰りの飛行機までまだ時間があるのだと言う。

レイトは、リクらとやって来たジャグラーを見て、そちらの方は?と聞くので、ジャグラーさんと紹介する。

レイトが名刺を渡し、大丸商事の伊賀栗レイトですとサラリーマン風の挨拶をするので、パパさんは営業課か…とジャグラーは名刺を見て苦笑する。

さらにレイトはリクに、ニュース見たんだけど大丈夫?と案じ、リク君1人で背負い込まないでと慰めるが、リクは、この地球には今、ウルトラマンジードしかいないんだ!とリクは力む。

沖縄の古い伝説を知らない?とモアが聞くと、沖縄の自然や伝説にとても詳しい人がいると言い出す。

その人物を待っていると、やって来たのはまだ神話研究をやっていると言う比嘉愛流(本仮屋ユイカ)だったので、リク達はちょっと驚く。

リクは朝倉りくですと名乗り愛流と握手をする。

アウトドア系女子!とモアやレイトも愛流に驚くと同時に喜ぶ。 赤き鋼のことを聞かれた愛流は、でんせつのあるばしょを回ってみる?と誘う。

そして愛流は、アマミキヨと言う女神が天から降りて来たと言った風に、琉球王朝時代には伝説が多いのだと解説する。

愛流に連れて来られた場所を見たモアは、こう云う所でお祈りをしたの?と驚くと、多分みんなが幸せになるようにってじゃないかな?とリクも想像する。

沖縄料理店で食事をすることにした一行だったが、愛流は、元々自然が大好きで、大地からたくさんの命がいることを感じるので、この研究をしていると明かす。

食後、彼らは獅子を象った石像のある場所に来る。

その獅子の前には石のダンベルのような物が置いてあったので、赤い鋼ではないかとライハが持ってみるが、石のダンベルは何の変化も起きなかった。

レイトから促されジャグラーも持ってみるが同じだった。 それを見ていた愛流は、これは正しい心を持つ選ばれし勇者にしか使えないのだと言うので、リクは落胆しながらも、愛流さん、どうして赤き鋼のことを…と聞こうとするが、その時、沖縄の上空に魔法陣のような物が出現し、そこからギャラクトロンMK(マーク)2が降臨する。

その時、愛流がグクルシーサー!と呼びかけると、彼女のペンダントから光が飛び出し、聖獣グクルシーサーが出現してギャラクトロンMK2に立ち向かう。

そんな中、ペガッサ星人ペガ(声-潘めぐみ)が乗った宇宙船がリク達を救出しに来る。

ライハらが先に乗り込み、リク!速く!と呼びかける。

やがてギャラクトロンMK2は又空の魔法陣の中に吸い込まれ、戦っていたグクルシーサーも光になり愛流のペンダントに戻ったので、浜辺に残っていたリクは愛流の正体に疑問を持つ。

愛流は頑張ろうね、みんなを守らなきゃ…、リク君、ジードでしょう?とリクに語りかける。 あなたのことずっと見て来たから…、大変だったねと愛流はねぎらう。

リクは、ドンシャインとか色々ヒーローの見本がいたから…と謙遜すると、知ってるよと愛流は笑うと、私の故郷の惑星は、ギルバリスによりたくさんの命を奪われた…、それでも希望を捨てずに、アイテムを開発した人がいた、あなたも良く知っているギガファイナライザーで、赤き鋼とはギガファイナライザーのことなのと教え、リク君ならきっと!と励ます。

リクは、僕に力を貸してくれ!と言い、石のバーベルのようなものを手にしたリクだったが、やはり何の変化も起きなかったので、そんな!と愛流は驚き、リクも、どうして!と絶句する。

仕方ないので、リク達は、ギルバリスの情報を持っている者がいるかもしれない不法移民の宇宙人がたむろしているバーに行ってみる。

カウンターでバーテンにミルクを注文したリクだったが、ミルクだとよ…と店で飲んでいたナックル星人やシャプレー星人が因縁をつけて来る。

ライハやジャグラガーが絡んで来た宇宙人を相手に喧嘩を始める。

ペガも戦い、レイトもバド星人と戦う。 そんな中、どこからともなくハーモニカを音色が聞こえて来て、姿を現したのはクレナイガイ(石黒英雄)だった。

ガイは喧嘩をしているリクに、腕の振りが大きすぎる!もっと肩の力を抜いた方が良いと戦い方のコツを教えると、おれはクレナイガイだと名乗ると、カウンターでラムネを飲み始める。

ジャグラーはそんなガイに気付くと、久しぶりでないかい?などと言葉をかけながら喧嘩を続ける。

一通り相手を倒したリクは、あなたはウルトラマンオーブ!と気付いて挨拶すると、俺の方が先輩か…とガイも戸惑う。 やがて、彼らは店にいた情報屋ジャキ星人アーロン(ジャッキーちゃん)に出会う。

アーロンは金を要求して来たが、誰も持ち合わせがなかったので、レイトに頼むことにする。 やむなくレイトが500円玉を差し出すと、惑星クシアを滅ぼしたギルバリスであり…と言った所で馬立を差し出しレイトから500円もらうと、全宇宙の生命体はお邪魔虫になるので、クシア人は大したアイテムを作り上げた…、それが…と又金を要求するので、怒ったライハが横から金を奪い、アーロンを締め上げる。

やむなくアーロンは、それが伝説の赤い鋼であり一人娘のクシア人最後の生き残りに托されたと教えたので、それが愛流さん?とライハは驚く。

その頃、店の外にガイと一緒に出て来たリクは、大丈夫、僕が設定に地球を守ってみせます!と我を張るが、俺も随分長い間1人で旅をしていた…、誰かと関わり合い、それを失うことを恐れていたからだ…とガイは話す。

でもウルトラマンだって完璧じゃない、1人で出来ないことだってあるさ…、言っただろう?肩の力を抜けって、この近くに風呂屋があるから一緒に行かないか?風呂上がりのラムネは格別だぜとガイは誘うが、風呂は又にします、みんなのこと守ってみせますとリクは答える。

サイバー惑星になったクシアが地球に接近、地球と合体する。

それに気付いたウルトラの星のウルトラの父は、ウルティメイト・フォースゼロを向かわせようと決断する。

地球を被い尽くしたサイバー惑星クシアから、私はギルバリス!宇宙に永遠の平和を作るため、一切の生命体を削除し、リセットするしかないと呼びかけ、沖縄に大量のギャラクトロンMK2が降臨して来る。

リク!行くぞ!と呼びかけたガイは、光の力お借りします!と叫ぶとウルトラマンオーブに変身し、さらにフュージョンアップしてサンダーブレスターにモードチェンジすると、ウルトラマンジーグに変身したリクは、似てる!と驚く。

サンダーブレスターは、気にするな!行くぞ!とジードに呼びかける。

地球に飛んで来たウルティメイト・フォースゼロだったが、地球上にバリアが張られていることに気付き、ウルトラマンゼロだけが果敢に閉じて行く隙間から地球の体験内に飛び込むが、ミラーナイト、グレンファイヤー、ジャンボット、ジャンナインたちは宇宙から様子を見守ることにする。

その直後、沖縄の町が消え始める。

ジードの戦い振りを見ていたライハは、リク!冷静になって!と呼びかけ、その声が届かないと知ると、ガイさんの力でジードを救出して下さい!と頼む。 そこに登場したゼロは、待たせたな!主役は遅れて来るって言うからな!などとリクとオーブに語りかける。

さらに沖縄の住民も消滅して行く。

しっかりしろ!ジード!オーブさん! 沖縄以外の地域とはサイバー浸食され連絡が取れなくなっています!沖縄の皆さん、頑張って下さい!と地元TVのレポーターが報道する。

やがてリクは、ゼロとガイの姿が見えなくなっていることに気付く。

僕のせいでガイさんが…、忠告してくれてたのに…、それを忘れて…、ウルトラマン失格だ!僕はヒーローなんかじゃない!とリクは自分を責める。

僕1人じゃ地球を守れない!と嘆くリクに、リク君、聞いて…、この星のように、平和を願っていても時に過ちを犯したこともある。

でもここならギガファイナライザーを使える人が、あなたがいると思っていたのと愛流は説得する。

しかしリクは、僕は選ばれなかった…と悔しがるが、あなたしかいないの、ギルバリスから地球を守れるのは!と愛流は言い聞かす。

愛流がペンダントからグクルシーサーを出現させようとした時、ジャグラーが寄って来て、おい、そのペンダントを貸せ、こいつは生命の力を増幅させるんだろう?リク!てめえは戦わねえのか?臆病者は引っ込んでろ!と罵ると、ジャグラーもペンダントの力でジャグラー魔人態に変身する。

リク、行きましょう!と愛流が走り出そうとすると、敵の戦闘員達が複数出現する。

愛流は、守ってみせる!とリクを庇おうとすると、そこにライハやモア達が駆けつけて来て一緒に戦う。

レイトも戦う。 宇宙線に乗っていたペガは、掩護射撃始めますと言い、攻撃を開始する。

おまえら、遅えよ!とジャグラーがぼやく中、ジャグラーさん!とオーブが戻って来て、どうしたんです?宇宙の平和を守るんじゃなかったんですか?と皮肉る。

レイトがそんな様子を見ながら、ゼロさん、無事だったんだな!と喜ぶ。 お前ら待ってたんだ!頼むぞ、レイト!と言うので、レイトはゼロに変身する。

みんなリクを信じている!とライハは呼びかけ、勇気を持って頑張ろう!とシャドー星人ゼナも励ます。 あなたに限界はない!とモアも呼びかける。

リクは、みんな…と感激する。 リク君、君は1人じゃない!たくさんの素敵な仲間がいることを忘れないで!と愛流が呼びかけると、愛流さん、僕、間違っていた!みんなのこと守ろうとばかり考え、周りが見えなくなっていた…とリクは気付く。

ギャラクトロンMK2に果敢に立ち向かうグクルシーサー 君は1人じゃない…、あなたなら出来る!と言い残し、愛流は光になって消えて行く。 その場には石の赤き鋼が残されていた。

ライハさん!と呼びかけたリクに、立って、リク!愛流さんが相した地球を守るのよ!立ち上がって、リク!と言い聞かす。

それを聞いたリクは、僕は…、僕は強くなる!と叫び、石の赤き鋼を持つと、遂に封印が解け、赤き鋼が姿を現す。

じーっとしてても始まらない!ジード!ウルティメイトファイナル!と叫び変身する。

リミットがなくなった?とオーブは驚き、ようやく主役登場だ、行くぞジード!とゼロも呼びかける。

ジードも加わり、ギャラクトロンMK2は次々と倒れて行く。

エメリウムスラッガー! そんな中、人間の姿に戻ったジャグラーは、飽きた…、宇宙の平和なんて知るか!と悪態を付く。 お願いリク!とライハが祈る。

ギルバリスは不要な生命体を全て抹殺する! と言うので、やれるもんならやってみろ! 宇宙の平和を守るんだ! 知的生命体もミスを犯すこともある、だから宇宙の平和の為にリセットする! お前のような奴に本当の平和は築けない!とギルバリスは嘲って来る。

確かに僕達にも欠点はある、ままはつまみ食いはするなって言うくせに自分はしょっちゅう食べているし、ペガはすぐに陰に隠れるし、ベータさんは仕事をさぼる…、でもみんなが僕を信じてくれる!僕はみんなと生きている!とリクは答える。

ウルトラマンジードはリミットがない最終形態に変身したので、それを見たセロもオーブも驚く。 ジードには愛流も頷いてくれた姿が見えた。

僕らはみんなでウルトラマンなんだ! 戦闘ファイナルモード! すると、地球を被っていたバリアが消える。

ジードとウルトラマン達が沖縄を救ってくれました!とTVの女性レポーターが報道する。

これにて一件落着!とゼロが決める。

バリアが解けたので、沖縄の海にやって来たウルティメイト・フォースゼロだったが、そんな中、リクを見たジャンボットが首を傾げ誰かに似てるんだよな…、ジャンファイト!って言ってみてくれと言うので、リクがジャンファイト!とポーズとともに言って見るが、なんか違うんだよな…とジャンボットは不満そうだった。

そしてウルティメイト・フォースゼロが帰って行った後、レイトがたくさんの紙袋を持って駆けつけ、皆さんのお土産買って来たのに!と残念がるが、ペガがみんな食べちゃうよとペガは喜ぶ。

リクには浜辺に愛流の幻影を又見る。

僕らは仲間なんだ!僕たちがみんなでウルトラマンなんだ!とリクは気付く。

また旅に出ようとしていたガイは、沖縄土産の可愛いシーサー人形を抱えたジャグラーとであったので、ジャグラー、そんな趣味だったんだ?と驚くと、あばよ!と別れを告げ去って行く。

石のシーサー像の所にやって来たリクたちはありがとうと感謝を祈りを捧げる。
 


 

 

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