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国際秘密警察 火薬の樽

三橋達也扮する国際秘密警察、北見次郎の活躍を描くシリーズ3作目。

ウディ・ アレンがデタラメな吹替編集をした「What's Up, Tiger Lily?」に一部使用されている。

この頃になると、明らかに「007シリーズ」の影響が強く出ており、秘密兵器的な小道具が出て来たり、スぺクターを連想させる組織が登場したりしている。

さらに、監督の趣味もあってか、コメディタッチの演出が増えているのも特長。

主人公北見と相棒役の柳生警部との掛け合いは漫才のようで、全体的に能天気なタッチは、坪島孝監督後年の「ルパン三世 念力珍作戦」(1974)などを連想させる。

特に、竜野博士邸で敵に捕まり、机に結わえられた柳生警部と宮地の二人が、毒ガス攻撃から逃れようと、一致協力して難を逃れるシーン等、「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」での、ナチスに捕らえられたインディ親子を連想させる面白さで監督の冴えを感じる。

特に、本作で、コメディリリーフ的な役柄を演じている宮地こと二瓶正也の存在は楽しい。

基本的には、一匹狼的な存在であったはずの北見が柳生警部というコンビと一緒に活躍する様は、同じスパイものでも「0011 ナポレオンソロ」に近いかも。

東宝脇役陣総出演と言った感じがうれしく、桐野洋雄さんや草川直也さんと言った当時の東宝の常連が比較的重要な役柄を演じているのが楽しい。

女優陣はボンドガールの若林映子さん、可憐な星由里子さん等も出ているが、今回いちばん活躍するのは濃いメイクでバンプ役を演じている水野久美さんだろう。

バスタオルの前をはだけたり、シャワールームでタオルを取るのは後ろ姿だけなので吹替だと思うが、桐野洋雄さんや三橋達也さんとのキスシーンはご本人で、水野久美さん=色っぽいバンプ役と言うイメージを強調したようなキャラクターになっている。

ユーモア性が強調されているため、サスペンスやアクションものとしては若干ものたらなさが残るかも知れないし、細かい事を言い出すとあれこれ疑問も出て来ない訳でもないが、アイデアがたくさん盛り込まれており、お気楽な娯楽映画としてはそう出来は悪くないと思う。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
1964年、東宝、関沢新一脚本、坪島孝監督作品。

トンネルに入る自家用車。

運転しているのは宮地(二瓶正也)、助手席に乗っていたのは警視庁の柳生警部(佐藤允)だった。

トンネルの出口で機関銃を持ち待ち受けている男たち、そこへミキサー車が反対側から近づいて来てトンネルの出口を塞ぐように停まる。

ガスマスクをつける待ち伏せの男たち。

そのトンネル横の土手の草むらには国際秘密警察の北見次郎(三橋達也)が身を臥せじっと事態を見つめていた。

宮地の運転する乗用車がトンネルの出口に近づいた時、ミキサー車が出口を塞いでいることに気付きトンネル内で停車すると、ガスマスクをつけた男2人は前に出て来て、ガス弾を発射して来る。

車を降りた柳生警部は逃げろ!と叫び宮地も車から降りて逃げ出そうとするが、背後からも同じようにガスマスクをつけた男たちがガス弾を撃って来る。

柳生警部と宮地はガスに包まれ、車の側で倒れてしまう。

そこに北見がやって来ると、気絶していたはずの柳生警部もムクリと起き上がり、もうスモークは良いだろう!と周囲に呼びかけ、こう云う訳だ、事件の内容はと北見に語りかけ、隣でまだ倒れた芝居を続けていた宮地に、これで間違いないんだな?と確認する。

そうです、気がついた時には博士が消えていましたと宮地が言うので、電子工学の権威竜野博士がね〜…と北見は納得する。

その竜野博士は誰もいない見知らぬ部屋の中で目覚め、気がつきましたか?博士…と、壁に付いたスピーカーから声が聞こえて来たので、ここはどこだ?と聞くと、その内分かるでしょう…、我々に博士の研究成果を教えていただければ…とスピーカーの声が言うので、君たちは誰だ!と竜野博士はその声の主に向かって聞く。

タイトル

柳生警部が射撃訓練場で訓練をやると言うので、北見も同行していた。

御暇そうだな?と北見は嫌みを言うが、君が本部の司令を受け博士の護衛に日本へ来てみると既に博士は誘拐されていた。

そんな失職しそうな君の手伝いをしているつもりだがね…と柳生は言う。

それがハジキの練習か…、泥縄の腕前ですか?と北見はさらに皮肉るが、相手は少人数ではないと思ってねと言い銃を連射した柳生警部の腕は確かで、泥縄でも一応プロはプロなんでねと軽く自慢する。

なるほど…と、スコープで標的に当たった弾の正確さを見た北見はは感心し、自分も3発撃ってみせる。

弾は三発で十分、残りの三発はいつも空砲を入れているんだ…と北見は言い、柳生が気がつくと、3つの標的が根元から折れる。

北見の三発が確実に標的の根元に当たっていたと言うことだった。

その後、柳生警部の車に乗せてもらった北見だったが、途中で、降ろしてくれ、羽田でとびきりの女捕まえたんだ、ピクニックに約束があるんだと言い出し、竜野博士の屋敷に来ると、北見はさっさと別行動を取ろうとする。

ところが、先日はどうも、又少々御うかがいしたいことが…と再訪の理由を述べていた柳生に玄関口で応対に出て来た竜野博士の娘華代(星由里子)の姿を、こっそり戻って来た北見が見ると、いつの間にか柳生と一緒に家の中のソファに座っていた。

早速ですが、博士のご研究とは?と柳生が聞くが、華代は研究に関しては全く聞いたことがないとのことだった。

ではどうして敵は博士の研究を知ったのでしょう?隠しマイクでもあれば簡単ですが…と北見が指摘したので、柳生と一緒に書斎内を調べ始める。

その頃、柳生が外に止めていた車のドアを開いて時限爆弾を仕掛ける男がいたが、柳生たちは気付かなかった。

杖が何本か置いてあったので、お嬢さん、博士は足が不自由だったのですか?と柳生が聞くと、散歩に出かける時だけ持って行きましたと華代は答える。

柳生は、北見が人形のスカートの中を覗いているので、女性の前で何をしている!と注意するが、北見は人形のスカートの中に仕掛けられた隠しマイクを見つけ出す。

それを見た華代は、どうしてこれが?…と戸惑うが、敵は相当力がある事が分かった、誰だか知らんが、必ず見つけ出すぞと北見はマイクにわざと話しかけ、その直後にマイクを破壊する。

そこに、博士の秘書の宮地がやって来て、博士の研究はゼータ戦ですよとあっさり明かす。 宇宙線より強力な電波みたいなものです。

来月ジュネーブで行なわれる科学会議で発表する予定で、完成すれば世界の平和の為にどれだけ役に立つか分かりません。

実は今も犯人を捜していたんですが…などと宮地が言うので、探偵ごっこは止めた方が良いと北見は注意する。

竜野博士の家を出た柳生警部と北見は、柳生の車で帰ることになるが、途中踏切で停まった際、上空をジェット機が轟音とともに飛んで行ったので、衝撃音って凄いなと柳生警部は驚く。

その間、助手席に乗った北見は何かを考えていた。

やがて柳生の車は都心の渋滞に巻き込まれる。

柳生は北見が考えているのは、羽田で捕まえた女の事だと思い込んでいたので、もう諦めるんだな、ピクニックの女はもう待ってないぜ…とからかうが、竜野博士の家に行った時、ドアの鍵はかけたよな?と北見が言い出したので、習慣的に鍵をかけるようにしていると柳生も答える。

でも、さっき乗り込む時はドア開いたぜ…と北見は言い、車の中を見回し始める。

そして、後部座席のソファーの下から時限爆弾を見つけ出した北見は、一旦車を停めさせ、外に降りてそれを取り出した後、又助手席に持ち込んで来る。

何だそれは?と柳生警部が聞くので、時限爆弾らしい、タイマーは今15時5分前だから、おそらく15時に爆発するんだろうと北見が教えると、冗談じゃない、こんな所で爆発したら大変なことになるぞと柳生警部は焦る。

その時、車を停めていたので、パトカーが注意しに来るが、運転手が警部と知ると失礼しましたと敬礼する。

柳生はその警官に、誘導しろ!晴海埠頭まで5分以内で!と命じ、パトカーに先導された後を猛スピードで走り出す。

北見がカーラジオのスイッチを入れると、突然ベート弁の「運命」が響いて来て、するに坂本九ちゃんののんきな歌が始まる。

やがて歌が終わると、スポンサーのポーカー製薬のCMが始まり、ドロンを飲んでドカンと行こう!などと言う嫌なコピーが流れて来る。

そして、間もなく午後3時を御知らせしますとアナウンサーが告げたとき、晴海埠頭に到着したので、車を降りた北見は時限爆弾を海に投げ込み耳を塞ぐ。

しかし爆弾は爆発しなかったので、大丈夫らしい…、3分経った…と柳生警部が北見を睨んだとき、突然大爆発が起こり、大量の水が柳生警部と北見の頭上に降り掛かる。

郷田桜男(中丸忠雄)は、竜野博士邸に仕掛けていた隠しマイクの最期の録音部分を秘密の部屋で聞いていた。

郷田は5号(伊吹徹)の失敗を責めるが、そこに8号(桐野洋雄)が戻って来て失敗しました…と、車の爆破に失敗したことを無念そうに報告する。 うるさい奴らだ、指令者の指示を聞こうと郷田は言い、部屋の電話の受話器を取る。

すると、壁にかかったスピーカーから指令者の、わしだと答える声が部屋に響いて来る。

郷田です、不成功でしたと報告すると、成功の結果が出なければならない、最高の適任者を選びたまえと指令者は答える。

郷田は部屋にいた仲間の中から唯一の女性に目を停め、6号(水野久美)、チャンスをやる。

お前がキャップになって来た身を消せ!君の失敗は大き過ぎた…と命じる。

そして5号の処刑が始まる。

14号(草川直也)が5号にナイフを投げて来るが、5号は室内の枯れたトランポリンなどを巧みに利用し必死にそれを交わして行く。

そして自分のベルトの中に仕込んだ金属製の鞭を引き抜いたので、14号は左手に袖口からアンプルを取り出す。

それを見た郷田は14号に硫酸をしまえと命じ、さすがベルリンの本部で鍛えた奴だと5号の腕前を評価し、若いの握手を求める。

5号がその手を握り返そうとした時、郷田の右手の甲の人差し指の根元部分からナイフが飛び出し5号を突き刺す。

5号が死ぬと、8号、君のマイナスは北見を消すことで補え、新しいキャップに接吻して差し上げろと郷田は言う。

8号が6号の頬にキスをすると、急に6号は8号の唇にキスをしてくる。 制裁キスよ、カプセル入りの麻酔薬を吸ったのよと言うと、6号はカプセルの破片を吐き捨てる。

しばらく休むんだな、キスの夢でも見ながらな…と郷田が言うと、麻酔薬が効いて来た8号は昏倒する。

その夜、オープンカーで、北見はお目当ての羽田で拾った女(若林映子)と濃厚なキスをしていた。

女は迷惑そうに、痛いのよ、だって固いものを押し付けているから、何なの?と文句を言って来たので、北見は一瞬何かを想像するが、すぐに銃のことだと気づきスーツの下から取り出し車の外に銃を持った手を伸ばすと、これで痛くないだろう?と言うと、最高!と女は喜ぶ。

しかし、次の瞬間、拳銃を持った手を誰から握って来る。

柳生警部だった。 柳生警部は何かメモを北見に突きつけて来たので、請求書は月末ねととぼけるが、女は邪魔されたことを嫌うように北見を降ろして来るまで去ってしまう。

軽犯罪なんか取り締まっている場合ですか?それよりどうしてここが分かった?と北見は不思議がるが、こっちはプロだとはぐらかせ、請求書読まなくて良いのか!と急かした柳生警部は、ワーゲン博士の捜査指令が本部から警視庁に入ったので、知らせに来たと柳生警部は言う。

ワーゲン博士と言えばナチスの大物で、こいつには1度会ったことがあるろ北見は言う。

その時、ピクニックのお戻りだぜと柳生が近づいて来た車のライトに気付いて言う。

しかし北見は、すぐ逃げろ!エンジンの音が違う!と柳生警部に警告し、道路脇の草むらに飛び込む。

近づいて来た車には銃を持った男たちが乗っており、発砲して来たので、慌てて柳生警部も草むらに飛び込む。

その車はUターンして戻って来ると、今度は火炎放射器を取り出し、草むら一帯を燃やしてしまう。

その直後、黒こげ顔になった柳生警部が道路に出て来て、お〜い旦那!と北見を探す。

すると北見が路上の木の枝から降りて来たので、いつそんな芸当を覚えたんだ?と柳生警部が驚くと、婆やが伊賀の出身だったんだと北見はとぼける。

華代にワーゲン博士の事を聞きに言った柳生警部は、父が若い頃欧州旅行をしたとき教えを受けたことがあるらしく、狂信的な世界統一思想だったとか…と華代は言う。 その頃、敵の本部内では、郷田が竜野博士をワーゲン博士の元に連れて来て対面させていた。

ワーゲン博士は、久しぶりだね、君と会ったのはベルリンのナチス科学会議でだったと言うので、何とか竜野博士の方も思い出し、あなたは死んだはずだと驚く。

しかしワーゲン博士は、ナチス帝国と死んだと思われているが、わしにはまだやらなければいけないことがある、死んではいられない、世界は1つにならなければならない!などと言うので、狂ってる…と竜野博士は呟く。

ワーゲン博士は、自分の目的達成の為にはゼータ線の設計図が抜けていると言い、郷田も、どこに隠した!聞き出す手口はあるんだぞと竜野博士を脅す。

北見と柳生警部は竜野邸を辞去していたが、北見は見送りに出て来た華代に、指輪をプレゼントする。

それを見た柳生警部は、ビッグだね旦那!と北見をからかう。

一緒に見送りに出て来た宮地は、僕が犯人を捕まえても、お二人の手柄ってことにしますよなどと言われ呆れながら帰りかけていたが、又、鍵をかけていたはずの車のドアが半開きになっていたので、また時限爆弾を仕掛けられたのではないかと、2人で必死に車を点検する。

爆弾らしきものは見つからなかったが、ダッシュボードの上に置かれていた「ナイトクラブ ベーゼ」と書かれた見慣れないマッチに気付く。

「ベーゼ」にやって来た柳生警部と北見は同じテーブルで踊子(春名すみれ古)のヌードショーを見るが、柳生警部は下らん!見るに絶えんなどとバカにするので、見なきゃ良いでしょうと北見は呆れる。

そこに6号が近づいて来て、お邪魔?と声をかけて来たので、どうぞどうぞ!と北見は歓迎し、すぐに一緒に踊り出す。

良い音楽ねと6号が言うので、なんて名前?と北見が聞くと、曲名なんて知らないわと言うので、君の名前さと聞き返すと、ルミよと6号は答え、あなたは?と聞いて来たので、北見はジョージとでまかせを言ったので、本当?ルミとジョージなんて国際的ね?とルミが言うので、まあね…と北見はとぼける。

2人が踊っている間、テーブルに置いてあったルミのハンドバッグを改めた柳生警部が、拳銃が入っていることに気付く。

そんな「ベーゼ」の店内に宮地も1人で来ていることに気付いた柳生警部がそのテーブルに移動すると、大変なことが分かったんです、ここの経営者誰だか知ってますか?と言うので、ワールド電器だろう?社長の浅井は小さな町工場を資本金50億の大企業に伸し上げた男だと柳生がすらすらと答えると驚くので、探偵ごっこは止めろと言ったろう?と言い聞かす。

そこにボーイがやって来て、あちら様がこれをと…と請求書を渡して来たので、奴は?と柳生が聞くと、たった今御帰りになられましたと言うので、柳生警部は、あの色魔め…と吐き捨てると、請求書を宮地に渡して席を立って行く。

その請求額を読んだ宮地は、飲みかけていたビールを吹き出してしまう。

「ベーゼ」の外に飛び出した柳生警部だったが、北見はルミと一緒に車でバイバイ!と言って走り出した後だったので、急いでタクシーを停め後を追う。

しかし、そのタクシーの運転手は14号で、そろそろ手を上げていただきましょうか?と助手席に乗っていた11号(大木正司)から銃を突きつけられる。

柳生警部は、前方を見ながら、危ない!と芝居をし、男が油断した隙を狙って、11号と14号の首を同時に背後から締め付ける。 タクシーはバランスを崩して蛇行する。

一方、ホテルに着いた北見は、バスタオル姿になったルミから、キスして!とせがまれるが、何故か唇にキスをせず、頬にしただけだったので、それだけ?とルミは不満そうに言う。

慌てるコ○キは何とかってね…と笑った北見は、ルミのバスタオルの前の部分を外し、ご立派!と褒める。

ルミがシャワーを浴び始めた中、服を脱いで、銃も外してベッド脇に置こうとしたその時、ガラス窓に穴が開き、狙撃されて来たのに気付いた北見は急いで部屋の灯りを消し、銃にサイレンサーをつけ、カーテンを開けて敵の様子を探る。

どうやら向かいのビルの屋上から狙撃しているらしく、狙撃銃を持った黒人の姿が見えたので北見も2発撃ちかえす。

しかし、北見が撃たれてのけぞって倒れる様子を見た黒人狙撃者4号(ハーシー・ジョーンズ)は、数分後、ホテルの部屋に入って来る。

床に倒れていた北見にそっと近づいて来た4号だったが、北見は素早く床に敷いてあったカーペットを引っ張り、足を取られた4号が姿勢を崩すと飛びかかり格闘が始まる。

しかし、まだルミがシャワールームにいるので、静かにやらないとご婦人に失礼だろう?と小声で囁きながら殴っていた北見は、言え、竜野博士はどこだ!と言いながら相手を締め付けるが、4号はナイフを出して来る。

北見はそんな4号の腕をひねり、トイレの便座の中に顔を突っ込むと、顔を上げた4号は、俺は死んでもお前は必ず消されるぞ…と言い残し、息絶える。

立ち上がった北見はバスルームを巻いたルミが銃を突きつけていたので、勝負はもう付いたんだと4号が死んだことを明かすが、まだこれからよとルミが言うので、なるほど…と北見は相手の正体に気付く。

北見!消えてもらうわ、世界統一同盟の為に…と言いながらルミは引き金を引くが弾は出なかった。

どうやら柳生の旦那のいたずららしいと気付いた北見は銃を突きつけながら、可愛がって欲しいのか?と言いながらルミに近づき、キスをする。

やっと差し上げたわね、私の唇…とルミが言うと、どうやらとんでもないものを頂いたらしいな…と言い、1発銃を床に撃ちながら倒れる。

ルミは、北見の銃を拾い上げると、倒れた北見に向けて3発引き金を聞く。

秘密本部では、博士、いつまでも強情張っているのか、しゃべらせてやろうじゃないか…、お嬢さんがどうなるか?と郷田が迫っていた。

そこにルミが戻って来たので、やったか?北見をと郷田が聞くとルミは頷く。

同じ病室の隣同士のベッドに寝ていた柳生警部に北見は、ルミのは時期の弾抜いてもらったんで助かった、最期の3発は空砲だったんだ、イカしてるだろう?旦那の方は?と聞くと、ちょっとした交通事故だと柳生警部は答える。

そんで何が釣れたの?と北見が聞くと、自慢じゃないが、雑魚を二匹逃がしちまったと柳生警部は悔しそうに答える。

「ナイトクラブ ベーゼ」どうやらヒントが当たって来たようだな?と北見が言っている所へやって来たのが宮地で、また大変なんですよなどと言うので、まあ落ち着けと迷惑そうに柳生警部は落ち着かせる。

宮地は見舞のバナナを見つけ、これ頂いて良いですか?と聞くと1本ちぎって椅子に座り、かぶりつきながら、あの〜…、もうお話しして良いですか?電話がかかって来たんです…、そして外出したまま帰って来ないのですと言うので、誰か?と柳生警部が聞くと、お嬢さんですと言うので、柳生警部と北見は一緒に起き上がり、馬鹿野郎!と一緒に怒鳴りつける。

病院を出た北見は柳生警部に、旦那、警察無線は150〜160メガサイクルだったな?受信機で妨害電波が引っかかるはずだ、異常発信音をキャッチしたら教えてくれと頼む。

ただちに都内の全パトカーに指令が出て、異常発信音を探知したら本部に連絡するよう指示が出る。

ワーゲン博士は竜野博士に、まだ設計図の在処吐きませんか?我々に与えられている時間は1週間だと知らせ、ヒントがあれば完成まで1日かと思いますと郷田に告げると、組み立て工場へ行って来たまえと郷田はワーゲン博士に命じる。

その頃、パトカーに同乗し、異常電波の発信を探していた柳生警部は、本当に効き目あるのか?あの指輪…,、それにしちゃ網にかかるのは遅い…と疑い始めていた。 秘密の本部のある部屋に連れて来られた竜野博士は華代がベッドに横たえられ縛られていたので驚く。

郷田は、設計図のことはお嬢さんの身体に聞くと言うと、華代の足のすぐ横に置いてあった電動のこのスイッチを入れる。

ワールド電器のビルの前に近づいたパトカーが止まる。

無線機が異常発信音をキャッチしたのだった。

止めるんだ!と竜野博士が頼むと、停めますよ、設計図さえ差し出してくれたら…と業あは答える。

警視庁に、世田谷区日ノ出町ワールド電器から電波が発信されてい、付近のパトは急行せよとの連絡がパトカーから入る。

郷田は、私も技師です、お嬢さんの義足も作ってあげますからなどと竜野博士をからかう。

身動きできない自分の足に電動ノコが迫って来たので、恐怖のあまり華代は気絶してしまうが、その瞬間、華代は、自分を見ながらあざ笑っている14号の右手の小指に、薬品の痕と指輪をしている姿が焼き付く。

ワールド電器会社前に、パトカーやトラックの荷台の乗った警官隊が到着し、第六小隊がビル内に突入する。

設計図はどこだ!と郷田は竜野博士に迫る。

廊下に潜入した警官隊の前に鉄格子が降りて来て前進を阻む。

室内に非情ブザーが鳴り響く中、停めてくれ!全部教える!設計図は書斎の…と竜野博士が白状しかけたとき、警官隊です!と郷田の元に知らせが来る。

その時、入り口に柳生警部と駆けつけた北見が、電動のこのスイッチを拳銃で破壊して止める。

そして、旦那、どうやら危険手当もんですよと北見が言うので、さもしい事を言うな、正義の味方だろう?と柳生警部は答え、室内にいた的と乱闘し始める。

お嬢さんを頼んだぜ!と北見が声を掛けると、柳生警部は任せとけ!と答え、縛られていた華代を救い出す

郷田は竜野博士を連れ、奥の部屋の壁の隠し扉から逃げ出して行く。 鉄格子に進行を阻まれていた警官隊は、ガスバーナーで焼き切ろうとする。

敵と殴り合いながら奥の部屋に入って来た北見は竜野博士たちの姿が消えたので戸惑いながらも子分たちを殴り飛ばす。

吹き飛んだ子分の1人が机の反対側に落ちた時、その子分の後頭部が机の背後にあったスイッチを押したので、廊下の鉄格子が上がり、警官たちが突入して来る。 廊下では、用がなくなったガスバーナー係の警官が立ち尽くす。

ワールド電器のビルから出て来た北見は、数人の子分たちしか捕まえられなかった柳生警部に、たったこれっぽっちの子分しか捕まえられなかたの?と嫌みを言う。

竜野博士はどこにもいませんとの部下の報告を受けた柳生警部は、本社をガサ入れしろ!と命じる。

ワールド電器社長の浅井善次郎(大友伸)は、会社の前で車に乗り込み、黒木さんの所だと運転手に命じて出発する。

その車を見送った秘書は、いつか北見とキスをしていた羽田で拾った女だった。

黒木隼人先生に会わせてもらいたいとやって来た浅井は、自分で火の粉をかぶるのはバカにならん!世界統一同盟の為だと黒木隼人(松本染升)から言われ、先生!とすがろうとするが、その時、背後から近づいた郷田の右手のナイフで刺されその場に倒れる。

不幸な事故が起こるのは防がねばならん…と黒木が言うと、遅かれ早かれ眠ってもらう奴でした…と血まみれのナイフが右手から飛び出した郷田が答える。

華代を入院させた病院で監視していた柳生警部は、面会謝絶の札を無視して入って来た北見に、俺の名を使ったな?と睨みつけるが、その筋のものと言っただけだよと北見はとぼける。

ショックを受けただけだから、5〜6時間も眠れば直ると柳生警部は華代の容体を教える。

ワールド電器は資金面で支えていただけのようで、浅井社長はひょんなことで黒木と関係が出来たらしく、黒木は戦争中、ドイツに行ってナチスにかぶれたそうだと柳生警部は説明していたが、そこに宮地から電話がかかって来て、竜野博士が突然帰宅したと言うので、警官を呼んで警戒させるよう命じ、自分も出かけて行く。

後に残った北見は、黒木隼人の会社の電話を入れ、郷田が出たので、黒木隼人さんですね?と聞き、そうだと言うとすぐに電話を切る。

郷田は黒木に、そろそろ組み立て工場に行かれた方が…と話しかけていたが、その後も何度か同じ電話をかかってきて、郷田が出ると無言で切ることを続けたため、郷田はいら立ち、受話器を外してテーブルの上に乗せたままにしておく。

そして郷田は黒木に、陸路は危険なのでセスナでの空路を用意しておきましたと伝えると、どのくらいかかる?と黒木が聞いて来たので、岬まで310km、1時間半くらいですと答える。

その会話をテーブルに置きっぱなしになっていた受話器越しに聞いた北見は、東京から310kmの岬か…と呟きながら日本地図を広げる。

竜野邸の近くにやってきた柳生警部は、見張りの警官が外に立っていたので、困るな、博士の側についていないと!と注意すると、博士が側にいるなど言うので…と警官は説明する。

その頃、竜野博士は書斎中を物色中だった。

その時、背後に柳生警部が立っていることに気づいたので、何だ、君は!失礼じゃないか!と怒鳴るので、一応ノックはしたんですけど、先生の方が上の空で御気付きにならなかったので…と柳生は笑いかける。

帰れと言ったら帰れ!と竜野博士は叱りつけるが、宮地さんの姿が見えませんが?と柳生警部が聞くと、帰った時からみとらんよと竜野博士は不機嫌そうに答える。

その宮地さんから連絡を受けて来たんですが?と笑いかけた柳生警部は、竜野さん、近頃は室内でもステッキを使われるんですか?と、たまたまステッキを持っていた竜野博士に聞く。

余計なことを言うな!と竜野博士は起こるが、あなたはさっきから大事なことを聞かない。

今一番気になるのは娘のことじゃないんですか?たった1人の…、しかも危険にさらされている娘のこと…と柳生警部が指摘すると、苛立ったように竜野博士はステッキを振りかぶって来るが、その時、先端が外れ、中から丸まった紙が出て来る。

設計図!と天野博士が驚くと、動くな!と銃を突きつけた柳生警部がそれを拾い上げ、なるほど…これを探していたんだな?と気づき、竜野博士に近づくと、貴様は誰だ!と言いながらマスクを剥がすと、中からで敵高尾は、タクシーで銃を突きつけて来た11号だったので、また会ったな?今日はどっちのご命日かな?と皮肉りが、11号は笑ってどうやらお前さんの方らしいなと言う。

柳生警部は背後から警官に化けた8号から銃を突きつけられ、設計図を奪われる。

どうやら外の警官を倒して奪った制服らしく、柳生警部は後ろ手に手錠をかけられてしまう。

11号は部屋の棚の中から縛って入れていた宮地を出して、部屋の中央の大きなテーブルの両端の足の部分に縛られた柳生と反対側に縛り付けると、口に貼ってあった膏薬を剥がす。

8号はビーカーに入った液体のようなものを見せ、これは麻酔ガスじゃない、青酸ガスと言う奴だと言い、その液体の中に100円ライターを入れ、着火すると白い煙が出て来ると、それをテーブルの上に置いて11号と去って行く。

畜生と呟いた柳生警部は、反対側に縛られていた宮地に声をかけ、ゆっくり立ち上がり、テーブルごとゴミ箱の側に移動すると、ゆっくりテーブルを傾け、青酸ガスのビーカーをゴミ箱に落す事に成功する。

立ち上がる際ズボンが脱げ、真っ赤なパンツ姿になっていた宮地は、やった!と喜ぶ柳生警部に、蓋はどうするんですか?と聞くと、バックして中腰になれ!ほっとするな、ガスの出が止まった訳ではないからなと命じる。

中腰になった柳生警部は、床に落ちていたナイフを拾い上げ、それで両手をテーブルの足に縛っているロープを切り始める。

その頃、北見は、サングラス姿にアタッシュケースを下げ、とある岬に歩いて来ていた。

ジープが背後から近づいて来たので、草むらに身を隠しやり過ごした北見は、そのジープが向かった先に研究所らしき建物があるのを発見する。

研究所は組立工場で、その中では郷田と黒木がルミを前に、6号!君は確か北見のハジキでとどめを刺したと言っていた。君のミスは私たちを危険にさらしたと追求している所だった。

何か言うことはないかね?と聞かれたルミは、ありません…と答える。

判決はいつか言い渡すと黒木は言う。

そこへ技術者が入って来て、ゼータ線遠隔第一号の実験を始めますから検分願いますと黒木と郷田に声をかけに来る。

出来上がっていた装置の前にいたワーゲン博士は、装置は完成していますが、発信部分がないと鉄くずです。

設計図まだですか?と苛立っていた。

そこに8号と11号が設計図を手に入れました!と戻って来たので、その内容に目を通したワーゲン博士は、これに間違いない!と喜ぶ。 郷田は、君たちは立派に勤めてくれた!と8号たちを褒める。

一方、研究所に近づいた北見は工場内に通じている通風口の金網を切断し始める。 その直後、通風口に侵入者がありますとの報告を受けた郷田は、誰だ?といぶかしむ。

通風口を抜け研究所内に侵入した北見は、銃を持った相手に待ち伏せられていたことに気付いたので、やあ皆さん、お元気で何よりですと丁寧に挨拶する。 宮地と一緒に入院していた柳生警部の部屋に華代が見舞いに来る。

宮地さん御気分はいかが?と話しかけた華代の身体を、恐る恐る宮地が触り出したので、横のベッドで見た柳生警部が偽者ノイローゼなんですよと説明する。

華代は柳生警部に近づくと、これ北見さんから預かりました、旅に出かけるからって…と言いながら日本地図を渡す。

地図を見ながら、あの旦那のことだから、どっかで良い格好してやがるんでしょうと柳生警部はぼやくが、当の北見は郷田に捕まり、持っていたアタッシュケースを前に、英国情報部でこんなものを使っていたな?などと尋問を受けていた。

連れて行かれようとした北見がそのバッグを!と要求するが断られたので、ちょっと洗面道具だけでも…と言うので、郷田は8号にアタッシュケースを開けさせてみることにする。

及び腰の8号が恐る恐るアタッシュケースを開けようとするので、仕掛けはないんだけどな…と北見は呆れたように言う。

確かに何の仕掛けもなく、衣類と一緒に入っていた中のポシェットに洗面道具が入っていたので、歯磨きクリームやアフターシェーブローション、電気剃刀、パジャマなどを北見は貰い受け牢に連れて行かれる。

同じ牢内にはルミがいたので、よお、又会いましたな、まあお互いゆっくりやりましょうと挨拶した北見だったが、竜野博士もいることに気付くと、博士、ご無事でしたか!お嬢さんはお元気ですよと伝えたので、華代が!と喜んだ博士だったが、しかしもうダメだ…、奴らは設計図を手に入れてしまった…と力なく言う。

ゼータ線の説明を乞われた博士は、遠隔操縦で爆発を自由にできる装置で、核爆弾の爆発も自在だし、格納庫の中の水爆も思いのままに操作できるのだと言う。

今の電波の範囲は100kだが、その家に海の向こうまで届くようになる、今や地球事態が核爆弾になったようなもので、キチガイが持てば無限の力を秘めた凶器になるんだと言う博士の説明を聞いた北見は、なるほど、世界統一同盟と言うキ○ガイがそれを握った訳だ…と納得する。

組立工場内では、完成した装置をターレットトラックで運搬していた。

その場に連れて来られた竜野博士に、どうです博士、うれしくないですか?あなたの計画が成功するんですよと郷田は笑いかける。

牢に残っていた北見はルミに、何で君のような人がキ○ガイの仲間になったんだ?給料が良いのか?と皮肉ると、あなたも給料が良いからやってるの?と聞かれたので、安すぎるな…、暇つぶしに姫の打ち明け話でも聞こうか…、気を落すなって…、そんなに威張らなくても良いよ、似たような物同士だぜ、俺に裸を見せといて…と言いながらのんきにはを磨く。

そこに竜野博士が戻って来たので、どうでしたか?と北見が聞くと、だめだった、装置は完成した…、奴らは夢の超特急を爆発しようとしていると計画を明かす。

東京発9時のひかり号に爆弾の入ったスーツケースを持ち込み、豊橋を通過した2〜3分間だけここから電波が届くので爆発させると言うのだ。

それを聞いた北見は、スーツケースを持ち込む奴は一緒に死ぬ気なのか?と首を傾げると、死を恐れるものは世界統一同盟にはいないわとルミが言う。

そこへ、6号出ろ!判決が決まった郷田が迎えが来る。

彼女は何をやったんだ?と北見が聞くと、君の暗殺に失敗したんだ、装置の実験をする、6号はそれと共に消えるんだと郷田が言うので、麻酔ガス抜きのキスがしたいんだと言い、ルミを抱き寄せキスをした北見は、こっそり自分の歯ブラシをルミの縛られていた後ろ手に握らせる。

ルミが連れて行かれると、博士、実験がすんだら我々も殺されます、逃げましょうと言い、このアフターシェービングローションは実はニトログリセリンなんですと明かす。

こいつの本物は最初のうちだけですぐ赤いクリームが出てきますと歯磨きクリームを出すと、これは急速に金属を腐食させるクリームですと説明し、鉄格子の一部に塗り始める。

それを見ていた竜野博士は、間に合わんかもしれんぞと焦る。

6号は木箱に入った爆薬とともにモーターボートに乗せられ、岬から海に走らされていた。

ゼータ線発射まで1分前!研究所内の装置の前にはワーゲン博士が座っており、秒読みが続いていた。

後ろ手に縛られていたルミは、北見から渡された歯ブラシの絵に仕込まれた小型のこぎりでロープを切ろうとしていた。

発射30秒前! パラボラアンテナのアップ。

光線発射! やがて、海の彼方でモーターボートが爆発する。

東京駅では、9時発のひかり号にトレンチコートの男がスーツケースを持って乗り込んでいた。

自宅に戻っていた華代は、やって来た柳生警部から竜野博士の居場所が分かったと聞き驚いていた。

鳥羽付近にワールド電器の無線研究所があるんです。

9時発のひかり号で行きましょう。 あいつスタンドプレイしやがって、警視庁を嘗めるなって!と柳生警部は北見にライバル心をむき出しにする。

君さえ警察に捜査を依頼していたら!と柳生が宮地に文句を言うと、博士が殺されていたでしょう?それまで変に動けなかったんですよと宮地も言い返す。

装置の前に連れて来られた竜野博士に、博士、最高の結果を見る為に見ていただきましょうか?と郷田が迫る。

特急ひかりに宮地と柳生警部と乗り込んだ華代は、帰りにはここにお父さん、座ってますよ柳生警部から言葉をかけられる。

実験開始15分前!装置作動! 牢に1人残っていた北見はクリームを塗った鉄格子を押し広げようとしていた。

新幹線の柳生警部は、近づいて来た車掌から女から今電話があって、社内の爆弾が仕掛けられていると言って来たが、デマかも知らないので…と聞かされ、後5分だ!と腕時計を見て焦る。

柳生警部は華代に、この中に世界統一同盟の誰かが乗っています。急いで見つけて下さいと頼む。

鉄格子の切断に成功した北見は牢から抜け出すと、近づいて来た見張りを殴り倒す。

華代は車掌と一緒に車内を見て回るが、ちょうど新聞を読んで顔が隠れていた14号を見逃してしまう。

華代が通り過ぎると、新聞を降ろした14号の方は華代に気付いたので反対側の車両へ移動する。

実験開始13分前! パトカーのサイレンが聞こえて来たので装置の前にいた郷田は驚くが、実験が終わるまで1人も入れるな!と部下たちに命じる。

部下たちは一斉に部屋の外に飛び出し、1階に下りた所で床に落ちていた小さな装置に気付く。

その装置を開けて見ると、マイクロテープレコーダーで、パトカーのサイレンはそこから聞こえて来たと気づく。

急いでエレベーターで元の実験室へ戻ろうとするが、次郎はエレベーターの電源を斬ってしまったので、子分たちは全員エレベーター内に閉じ込められてしまう。

新幹線内のビュッフェで待っていた柳生警部は戻って来た華代に、お嬢さん、いませんでしたか?と聞き、華代が首を振ると、畜生!後2分しかない!と悔しがる。

その時、華代は、右手の外側に薬品の痕がある男を見つけ、あの人!と指差す。

柳生警部は14号に飛びかかり、11号が出したナイフを落させる。

首筋を締め付けながら柳生警部は、言え!スーツケースはどこにあるんだ!と聞く。

実験室に乗り込んで来た北見は、実験開始1分前!と言う声と、どうやら勝負は我々の勝ちらしいな…、刻代秘密警察君…とあざ笑う郷田の声を聞く。

14号は左手に袖口から青酸ガス入りのアンプルを出すが、柳生警部がスーツケースはどこだ!言うんだ、馬鹿野郎!と揺さぶる中、舌を噛んでそのまま息絶える。

側に来た車掌が、後30ビュしかありません!と柳生警部に伝える。

北見は装置の前に座っていたワーゲン博士を撃ち殺すと、床に飛び込みその場に残っていた子分たちを撃つ。

その時、動くな!と銃を持って部屋に来たのはルミだった。

郷田は竜野博士を殴りつけ部屋から逃げ出す。

ルミは北見に、ねえ早く逃げて!火薬庫に火を点けて来たわと言うので、落ちていた機関銃を拾い上げた北見は、ゼータ線装置を徹底的に破壊し尽くす。

新幹線では予定時刻を3分過ぎても何も起こらなかったので、やったぞ!3分過ぎたぞ!と喜ぶ。

北見はルミとともに車で逃走し始めるが、8号の運転するジープで郷田も追って来る。

やがて研究所の門の所へやって来た北見は、閉まっている門に向かってアフターシェービングクリームの瓶を投げつけてニトログリセリンを爆発させる。

外へ逃げ出した北見の車から、ルミが背後に向けて撃っていたが、ジープが接近して来たので、パジャマを燃やせ!と北見は運転しながら命じる。

火がないわ!とルミが言うので、その紐を強く引くんだ!と教える。

すると、パジャマから濃厚なスモークが噴射し始めたので、ルミは窓から背後に向けて差し出す。

スモークで視界を塞がれた8号は、ハンドルさばきが怪しくなるが、郷田は、スピードを落とすなと命じる。

やがて、海岸沿いのカーブに差し掛かったジープは、崖から落下し炎上する。

それに気付き車を停めて、降りて来た北見とルミは、崖下で死んでいる8号と郷田の死体を確認する。 その時、今逃げ出して来た岬の研究所が爆発するのが見える。

東京駅 待機していた刑事が、柳生警部からルミの身体を受け取りパトカーに乗せる。

それを見送る北見が、早く出て来るんだなと声をかけると、出て来るまで待ってるあなたじゃないわね…とルミは寂しそうに答える。

これから私のうちに御出でになりませんか?と華代が誘って来るが、次の仕事が待っているんでね…と断るが、柳生さんは来てくれるんでしょう?と華代から誘われた柳生警部はもちろん!と即答するので、どうなってるの?と北見が不思議がると、こうなってるのと柳生警部は華代と仲良く手を繋いでいた。

その時、羽田で拾った女が柳生警部に挨拶して去って行ったので、御同業だったの?と北見が驚くと、うちの課きっての腕利きですよと柳生警部が笑顔で言うので、厳しいですねプロは…、では皆さん!と挨拶し、北見は路面電車が通る通りの方へ向かい1人歩いて行くのだった。


 


 

 

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