TV用作品の劇場版らしいが、どうやら冒頭部分は世界観の説明部分なので、TV版のダイジェストみたいになっているようだ。 この作品も最近多くなって来たようなパラレルワールド設定だが、日本映画のパラレルワールドって、必ず現実よりしょぼい世界観になっているのが特長で、一般の人がほぼいないがらんどうになった渋谷が舞台。 一般人がほぼいない世界が崩壊の危機と言われてもハラハラするはずもない。 TV版では主人公だったヒロインが映画版では脇役扱いになっている為、ヒーローばかりが集まった展開になっており、これが面白いかと言うとそうではないので困ってしまう。 ヒーローとは、それをもり立てる脇役やヒロイン、悪役などがいて初めて輝く者であり、そう云う役目を担うキャラがほとんど登場しないので、ヒーローも輝かないのだ。 一応、敵は登場するのだが、奇抜な着想だとは思うが強そうに見えないため魅力不足。 どう考えても、スーパーヒーローが4人も5人も束になって戦うような相手ではないだろう。 笹岡と言う女性キャラも、その造形も含め、どう見ても魅力に乏しいキャラと言うしかない。 70年代の劇場用編集版「ガッチャマン」の時も感じたことだが、「ガッチャマン」って全員で1つなのであり、ジョー人気だけが突出していると言う幻想みたいな物で再構成している映画版に今ひとつ乗り切れないのは私だけではないような気がする。 確かにジョーは、そのニヒルなキャラで主役の健とは違う魅力があったことは確かだが、何度も繰り返し起用するほどの大人気キャラだったとは思えない。 本作でも、そう言う過剰なジョー人気への幻想がベースになっている分、他のガッチャマンメンバーが登場しないと言う寂しい設定になっているのが最後まで気になってしまう。 CGIキャラは中途半端にリアルな造形にしているものの、全員目が死んでおり、どのキャラにも魅力を感じない所も辛い。 せっかく劇場版としてのパラレルワールドなんだから、クライマックスの一瞬でもガッチャマンが全員揃うとか、フレンダーが助けに来るとか、そう言うサービスが欲しかったような気もする。 明らかに低予算で無理に作ったように見え、全体的に地味で生気に乏しい印象が残った。 |
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼ |
2018年、Infini-T Force 製作委員会、タツノコプロ原作、熊谷純脚本、松本淳監督作品。 日テレのロゴ 雲海を飛ぶ飛行機 G1号と健(声-関智一)が無線に呼びかける。 こちらISO本部との声が帰って来る。 見つけたぞと健が報告すると良くやった、場所は?との本部からの声。 北緯34度東経140度!間違いない、ギャラクターに乗っ取られた原子力空母だ!と健が答えると、確認する、高度を上げて待機せよ!と本部。 しかし、レーダーに複数の敵機を確認した健は、ミサイル攻撃を受け空中で爆破した飛行機から空へ飛び降りる。 空中で左手にはめたブレスレッドを構え、バードGO!のかけ声とともに、ブレスレットから光が発生する。 ガッチャマンに変身した健、戦闘機からの攻撃をかわしながら、複数のバードランを敵機に向けて投げつける。 バードランは、敵船登記の腹部に突き刺さり、その直後爆発して戦闘機を撃破する。 羽を広げ滑空して空母の甲板上に降り立った健は、靴底のスパイクを立て滑走路でスピードを落とす。 その背後で接近した最後の敵戦闘機が大爆発を起こす。 そんな健の周囲に、見たこともないロボットたちが取り囲んだので、何だお前達は?ギャラクターの新兵器か?と身構えるが、次の瞬間、空中に青い光が出現し、ロボット達が空中に吸い込まれ出したので、どう言うことだ、これは?と健は戸惑う。 空母がまっ二つに裂け空中に浮き始めたので、健はスコープのカメラで青い光源の部分を拡大してみると、そこに誰か、マントを翻しマスクをかぶった人影があったので、何者だ、貴様!と呼びかける。 そして、空中でバラバラになっていた空母の破片を足がかりに、その謎の怪人に迫ろうとする健は、逃がすか、悪党!と叫びながら飛びかかる。 怪人は健を振り落とそうと、青い光を放つスティックのような物を振りかぶるが、その時、そのスティックが手から離れ、青い光は輝きながら、空母の破片とともに眼下の町に落下して行く。 渋谷駅前交差点 スクーターに乗っていた界堂笑(声-茅野愛衣)は、鎧武士(声-鈴村健一)が運転する車とぶつかりそうになり転倒する。 車を運転していた武士は、ハンドルを切り、車から降りると、倒れていた笑に駆け寄り、大丈夫か?と声をかける。 こんにちはと言いながら笑が立ち上がったので、良かった、どこ見てるんだよ!と安堵と共に呆れたように武士は言う。 空と言いながら上空を笑が指差したので、武士も上を見上げると、青い光の中から、まっ二つに折れた空母の破片とがッチャマンが落下して来たので、危ないぜお嬢さんと呼びかけ、ぼーっと上を見ていた笑の手を引いて武士は逃げようとする。 その時、上空から青い一筋の光が笑の身体を貫通する。 そんな笑の身体を庇うように抱きながら武士は道路に転がる。 大丈夫か?と笑に問いかけながら起き上がった武士は、周囲の様子がおかしいのに気付き、これってあの時と同じじゃないか!と呟くが、笑はいつの間にか自分が大きな鉛筆を持っていたので、何で?と倒れたまま驚く。 その頭上には、まっ二つに切断された原子力空母とガッチャマンが落下して来たので、武は車に積んだヘルメットを見る。 その直後、空母が渋谷の交差点に落下した直後、降り立ったガッチャマン健が見たのは、ポリマーに変身し、大きな落下物を持ち上げて笑を救った姿を見せた武士の姿だった。 怪我ないか?と健が聞きながら近づくと、こんにちは笑が答えたので、怪我はないかと聞いている!と健は苛立たし粗に聞き返す。 武士は、悪い奴じゃなさそうだなと健を見るが、健はバードランを握りしめ、武も手の指先を蠢かす。 次の瞬間、襲って来たロボット達を前に、ガッチャマンは笑を抱えてバードランをロボットに投げつけ、ポリマーはロボットに蹴りを加えて戦う。 ガッチャマンの肩の上からその様子を見た笑は、何?ヒーローショー?と戸惑う。 その時さらに、ペガス!テックセッター!と上空で声がしたかと思うと、空母の破片を破壊しながら、テッカマンがペガスと共に上空から登場したので、誰だ、お前達?と健が聞くが、テッカマンは話は後だと言い、ロボットと対峙する。 すぐに終わるぜ、お嬢ちゃん!と言いながらポリマーも構えて見せ、ガッチャマン、テッカマン共々ロボット軍団に立ち向かって行く。 次の瞬間、笑はバイクに乗って交差点手前で信号待ちしている自分に気付くが、手には大きな鉛筆が握られていた。 横の歩道に目をやると、人間に戻った健とメガネをかけた長身の青年の側で武士が自分を見て手を振っていることに気付く。 どこなんだここは?と健が聞くと、渋谷だよと武士が答える。 渋谷?それで君たちは?と健が聞くので、強いて言えばヒーローかな?と武士が冗談めかして答えたので、ヒーロー?と健は戸惑い、側にバイクを止めてその会話を聞いていた笑は、いないよ、ヒーローなんて…と教える。 何だか分からないけど、ありがとうね、おっさんたち!と立ち上がった笑が言うので、おっさん?と健は考え込むが、あんただよと教えた武士は、こっちだと自分の車に乗るように誘う。 後部座席に笑と一緒に乗り込んだ健は、おい、俺を元の世界に戻してくれと一緒に乗り込んだメガネをかけた青年に頼むが、私たちはもう帰る場所がない…とメガネの青年が答えたので、運転席の武士も、やっぱりそうだったのか…と納得する。 俺も同じ目に遭ったぜ、1年前にな…と武士は呟く。 それを聞いた健は、冗談じゃない、俺には仲間がいる!守るべき人々はいる!と訴えるが、それは私たちも同じだ、力を貸してくれとメガネの青年が話しかけて来る。 彼らは自己紹介しあうことにし、界堂笑、エミは笑うと書くの…とまずは少女が名のると、俺、健、武士と名乗り、メガネをかけた南城二(声-櫻井孝宏)と、先に車に乗っていたちょっと暗めの東鉄也(声-斉藤壮馬)も名乗る。 次元移動装置を発明し、世界を破壊している奴がいる。 名前はZと言い、奴が隠しているケースを探している。 ケースは、持ち主の手で燃え盛る太陽で、持ち主の願望を叶える力を持っている。 (回想)交通事故で死んだ娘笑を見て嘆く父親界堂一道(かいどう かずみち) 奴は娘の笑の死を受け入れられず、ケースの力で笑が生きている世界を作り、それ以外の笑がいない世界を消そうとしている。 無数の可能性がある多元宇宙の中から笑が生きている唯一の世界を選んだ父親は、彼女はその世界以外の世界に行けば笑の死は確定していることから、父は娘を死なせたくない…、彼はそんな世界の存在を消したがっていたのだ。 しかし父親と再会した笑は、ここは私が生きる場所じゃない、私は自分の意思で道を歩きたい…と気持を明かすと、持っていた鉛筆が光り出す。 戦うんだ、笑!そして救い出せ、父の孤高を! 武はそう呼びかけポリマーとして戦う。 夕陽の海岸で再び笑の前に姿を現した父が、笑…大きくなったねと語りかけると、やっと見てくれたね、私のこと…、パパはいつでも思ってくれたね、大好きだよパパ… (回想明け)笑、願うんだ、私は取り戻したい…失われた全ての世界を、他の世界も元に戻すんだと健が語りかけると、そろそろ俺たちも元の世界に戻るってか?と武士が聞く。 笑みが良くならないとヒーローが消える… 鉛筆も消える… 渋谷駅前交差点、いつものように笑がスクーターで信号待ちをしていると、対向車線からやって来たトラックが暴走して来る。 世界が変わる。 これって…と笑が戸惑うと、しばらくだな、健、お前の力が必要なんだ、行くぞ!と声を駆けて来た者があった。 作戦は失敗している、ネクサスを使う、今最終調整中だ!と南部博士(声-船越英一郎)が言うので、待って下さい、それは!と健は止めるが、南部博士は、人類の勝利だ!と叫ぶ。 無人の夜の渋谷交差点 空に光が輝き、町が一瞬に凍り付く。 そして氷のロボのような兵士が町を徘徊し出す。 博士!止めて下さい、南部博士!と健はまだ説得していた。 冷凍凝固だ、他にもう手はない…と南部が言うので、あるはずです!諦めなければ必ず!と健が言うと、そう信じて4人の仲間が死んでしまったではないか…と南部博士は、ガッチャマンの他のメンバーのことを言い出す。 俺の仲間たちは人類の未来の為に戦った…、だからあなたにその選択をさせる訳にはいかない!と健が迫ると、いきなり南部博士から撃たれてしまう。 渋谷の空には巨大な球体が出現していた。 健! 氷の兵士達が迫る。 ジョー、降りて来い!と健が呼ぶ。 くそ~!と健が叫ぶ中、南部博士は再び発砲して来る。 タイトル 道玄坂下 若者の町として賑わっていたのが昔のようだ…と、無人化した外の様子を見ながら南部が言うと、人がここへ戻って来るのは不可能です、あれがある限り…、日本の政府高官だけではなく、あなたは人々に取って英雄ですと南部に語りかけていたのは、笹岡(声-遠藤綾)と言う女性政府関係者だった。 6年前無機生命体ギャラクターが出現し、人類は成す術なく抹殺されていたが、ネクサスの完成で、滅びかけていた人類にとって、脅威は既に去ったと考えています。 ネクサスの管理もあなたに一任することが議会で決まったとのことです。 諸外国か…、情報だけ渡しても意味はない、強力な軍事力がここにあり続けねければ…と南部博士は答える。 不満を持つなと言うのは無理で、みんな気付いています…、あの力を…と笹岡は言う。 権限を国交省から分離するのは難しい… 外国の上の方の力でね… 世論が変れば変らざるを得ない… 足下をすくわれないよう… 今日の式典準備できています。 国民の意思統一したいと思っています…と笹岡は言う。 その時、重力場の異常です!第三警護区内!侵入者が突然現れたそうです!と自主が南部博士に知らせに来る。 それを知った笹岡は、何事です!と驚く。 城二、何か分かったか?とドームの側に止めた車の中で健が聞くと、路面より10m下にある何かで、この世界全体の時空が歪んでいると城二は答える。 あのドームは国の管理下にあるらしいと城二は情報を教えていると、車が西から接近したとの鉄也の報告がある。 少し様子を見る…と健は言う。 その車から降り立ったのは南部博士だった。 それに気付いた健は、科学人じゃ体の生みの親のような人だと城二に明かし、車を降りて博士に近づくと、俺はあなたの知っている健ではないですと説明する。 すると南部博士は、そう云うことか…とすぐに事情を察したようだった。 おっさんの同窓会だ…と武士が呆れて見ていると、案の定、特異点はあの中だとドームを見る。 特異点はある種のエネルギーが集中している所だと城二が説明すると、何故それを消そうとしている?と武士が聞くと、世界のバランスを崩すと城二は言う。 ドームの目的を聞いてみろと車の中から無線で健に指示を出すと、あのドームは何の施設ですか?と健がその通りに南部に尋ねる。 すると南部は、どうやら君たちは私の敵らしいと睨んで来る。 すると車で同行していた博士の仲間の若者たちが、一斉にバードGO!と叫び、ブレスレッドを差し出したので、全員ガッチャマンのようなパワードスーツ姿に変身する。 その様子を車の中から見ていた武士は、一応もう一回聞くけど、おっさんの知り合い?と無線で健に南部博士のことを確認する。 その時、反対側からキャシャーンが近づいて来たので、武士もポリマーに変身する。 キャシャーンは新ガッチャマン達と戦い始める。 ポリマーも戦い始めると、健もガッチャマンに変身する。 南部博士が新ガッチャマンたちに、全員Nモード!と指示したのを見た城二は、まさかこの世界にこんな技術が!と驚く。 何なんだ?と武士が聞いて来ると、スーツに動力システムを仕込んでいる!と城二は教える。 そして、ペガス!テックセッター!と叫び、城二もテッカマンに変身する。 それを見た南部博士は、新手が出たか!と気づき、全員フルオートにして、意識の落ちた隊員を復帰させろと命じる。 その時、渋谷109の上にコンドルのジョーが出現する。 ジョーは南部博士に羽を投げつけるが、南部博士の周囲にはバリアが張られており難を逃れる。 ジョー!ジョーなのか!と健は驚くが、その時、笑が敵のガッチャマンたちに捕まったので、離脱しろ!と叫ぶと、全員その場から逃げ出す。 (回想)ジョーが町のチンピラを執拗に殴りつけているので、止めろ!と健が止めに入る。 チンピラが手帳を差し出すと、それを奪い取ったジョーは、この辺りの若いのが敵と繋がってと言うことだと健に教え、なおもチンピラを痛めつけるので、いい加減にしろ、ジョー!と健は止め、2人は殴り合いを始める。 車に戻って来た健の顔を見た南部博士は、派手にやり合ったようだなと言うので、健はすみませんでしたと素直に詫びる。 学校の先生になったようだな…と南部博士が皮肉を言うので、博士はどうしてジョーを科学忍者隊に入れたんです?正義を守る為に最も大事な者を持っていませんと健は聞いてみる。 すると南部博士は、ジョーが手に入れた物があれば捜査しやすい…とジョーの行動を庇いながらも、ガッチャマンの称号を与えたのはお前だけだと健に言い、ジョーは子供の頃、両親を殺されたことが心に残っており、暗い正義だ、お前が正義の為に戦う為には、誰かが影になるしかない…、ジョーはお前にとって必要な男だよと南部博士は言い聞かせる。 (回想明け)気絶していた健が正気付く。 側にいたジョーは、俺も太陽に巻き込まれてここに来てしまった、面食らったぜ、もう1人の俺がいたんだから…、鏡を見ているのと同じさ、この世界の科学忍者隊はみんな死んでしまった、健、お前もな…と言うので、何があった?と健が聞くと、あんたたち、ネクサスを知ってるな?あれは何だ?と逆にジョーは聞いて来る。 それを手にした者が望むと実現するケースと言う奇跡の物質があり、界堂って男に奪われた、俺たちはそのケースを巡って戦ったんだ、ケースは膨大な力を持っている。 ケースを抜き取ると、抜けた箇所に周囲のエネルギーが流れ込んで来る。 そこにエネルギーの塊が生まれる。 そのエネルギーの移動でやがては空間を均一にしようとするが、今は不安定になっていると城二が説明する。 それで合点がいったぜ、この世界が終わろうとしていることが…とジョーは言う。 ネクサスが現れる以前からこの世界はギャラクターに狙われていた、俺たちとは違うギャラクターだとジョーが言うと、多次元世界ではあり得ることだと城二は解説する。 南部はエネルギーの集合体をネクサスと言う武器にした、あの新型スーツはギャラクターのスーツを研究して使っているらしいぜ、ネクサスを使えば他の部分が狂って来るらしいとジョーは教える。 確かにギャラクターの殲滅には成功した…、しかしそのせいで新生児が生まれなくなった…、このままでは滅びるしかない、反対したさ、俺と健は…、結局、健は南部博士に殺されちまった… ギャラクター殲滅後も南部博士は停まらなかった… ネクサスを使い続けてん、だから俺が終わらせるしかないんだ、南部を殺しててんとジョーは打ち明けどこかへ向かおうとするので、どこに行く?と健が聞くと、奴が教育場所へ行って片をつけたい…と言うので、南部博士はずっと俺たちの面倒を見た…健は言う。 そうやって正義面していたせいで、この世界のお前は殺されたんだ。 TVでは、ギャラクターの犠牲者を偲ぶ追悼記念式会場の様子が映し出され、一般の立ち入りは禁止されていますと報道されていた。 その会場近くのビルの一室に捉えた笑を縛り付け、南部博士が話しかけていた。 安息を手に入れた今、人々は失った人達を思い出し追悼しているが、その本心は何も出来なかったことへの後悔ではないだろうか。 美しく見えるが本当の気持は怒りだと思う。 次に同じような敵が現れた時、人々は立ち向かえるのか? 来てからでは遅い! 戦う意思を育んでいる必要がある! 真の敵が現れるまで、私が偽りの敵になるのだ、これはギャラクターが出現すると、自動的に迎撃するシステムだ。 初期で誤作動することもあり、予算計上されず、かと言って撤去もされず、放置されている。 その話を聞いていた笑は、あんた頭おかしい!と言うと、君はネクサスは自然現象なので消せると言った、それでもし消せるとしたら奇跡でしかない、その時は君の命をもらうことになる…と南部博士は言う。 その後、式典が行われる記念碑前では黙祷が行なわれる。 壇上に立った南部博士は、1年前人類の脅威ギャラクターは潰え去った。 それを勝利と叫べないこともないが、勝利とは何か?と集まった参加者を前に挨拶を始める。 私は科学忍者隊を作って彼らは戦い、そして命を失われた。 ギャラクターを倒した所で彼らが戻って来るはずもありません、私に取って勝利など消えてしまったのです。 こんな想いをする人がこれ以上増えないことを願います。 だから私に力が必要なのです。 ネクサスを軍事兵器として利用するべきであることを我々は知っているのです。 ギャラクターは宇宙から突然やってきました。 戦いはまだ終わってないのです。 我々には力が必要なのです!大きな意思が! 皆さんがここに集まって故人達に誓ったのです! 今必要なのは前を向くことです! バードGO!南部の助手達が変身してみせる。 私には皆さんに力を与えることが出来ます。 ギャラクターの氷の戦士が出現し、追悼式典会場に迫って来る。 ネクサス発射!椅子に縛られていた笑のすぐ横にあるネクサス発射装置が起動し目標の方へゆっくり宝刀が位置修正し始める。 停まって!お願い、停まって!と笑みは焦るが、その時あの鉛筆画転がってしまう。 停まって!笑みは絶叫するが、その時駆けつけたガッチャマン健が必死にネクサス発射砲を押さえつける。 健!と笑は喜ぶ。 お守り代わりの発信器だ…と健は言うが、渋谷の交差点で初めて笑に会った時、さりげなく笑の身体に装着していたものだった。 我々は脅威に抗うんです!その意思がある人は前に!と式典会場で南部が呼びかけると、数人の若者たちが前にやって来る。 その者達に変身ブレスレッドを渡して行く。 このスーツで戦うには、特別な訓練は必要ない!と呼びかけると、ブレスレッドを腕にはめて変身した一般人達は張り切り出す。 ブレスレッドでガッチャマンのようなスーツ姿に変身した一般人は、迫って来たギャラクター相手に戦い始める。 その様子を監視していたジョーは、あのギャラクターは冷凍保存に失敗した標本だ、完全に自作自演だな…と南部の策略を見破り、健に教える。 今朝の奴が現れましたと助手が知らせたので、南部博士はレールガンの発射準備!と命じる。 ブルーアース号でその様子をモニターしていた城二は、鉄也も至近距離だ、注意しろと指示を出す。 城二は、ネクサスからハードスーツにどうやってエネルギーを供給しているのか分からないと悩む。 隠れていた健が式典会場へ向かったので、隠れていたジョーはお人好しが…と嘲りながらも自分も後に付いて行く。 2人の姿を見た式典参加者達は、ガッチャマンだ、ギャラクターに殺されたんじゃないのか?と動揺するが、奴らは異世界からの侵入者です、近づくと危険です!と南部博士は警告する。 レールガンを使用!射殺するんだ!スーツをフルオートに!設定をG1とG3に設定!と南部博士は、スーツを着て新ガッチャマンになった者達に命じる。 しかし、その直後、博士!エネモードがダウンしました!と助手が報告する。 そこに、キャシャーンとテッカマンも来る。 すぐに停止しろ!と目地ながらジョーが南部博士を殴りつける。 そして羽で突き刺そうとするが、それは俺たちのやり方じゃない!それに子供がいる、正義を見失うな!と健はジョーを諌める。 近くには式典に参加していた家族の子供が一部始終を見ていたからだ。 さすがだよリーダーとジョーは皮肉り南部から離れる。 そこに現れたのが笹岡とその仲間たちで、それを見た南部博士は、俺のスポンサーだよと言う。 国連の安全委員会が動いていますと笹岡が言うので、なるほど、私を止める為か…と南部博士は察するが、あなたは数々の不正行為の為解任されました、南部の加賀らは我々が引き取ります、日本政府との話し合いもすんでいると笹岡は南部に言う。 その場で南部博士は手錠をかけられ逮捕される。 健が助け出した笑の鉛筆が光り出すが、何も起きないじゃないかと武士は戸惑う。 出力不足だ、ケース本来の力は閉ざされたと城二が言うので、特異点からエネルギー抽出している方を止めると鉄也は言う。 揺り戻しの拡散が始まるんだ…、特異点を小さくすれば今の笑も戻れるかも…と城二は言う。 ハードスーツの量産が可能になり、脅威には人間も遭わなくなるが、その後、侵略側に回った時のはね、そんな敵を他国が放っておく訳がない…、しかし某国はあなたと協力する用意がある、国連は関係ない、このまま拘束されるか?話は簡単だ、と笹岡は言い出していた。 私は人間が弱くなく、誰もが力を持つべきだと考えた…と南部は答える。 今、何か聞こえなかった?とネクサスの装置があるドームの地下に来た笑が言いながらきょろきょろしていた時、脇腹を装置にぶつけてしまったので、ちょっとぶつけちゃったと言う。 そこへ出現したのは南部博士だった。 バードGO!と南部はブレスレッドを掲げて叫ぶと、バードスーツ姿に変身したので、何をする気だ?と武士達は戸惑うが、しまった!直接エネルギーを!と城二は気付く。 鉄也も南部の意図に気付く。 ペガス!テックセッター!と叫んだ城二はテッカマンに変身し、ガッチャマン化した南部博士と戦い始める。 良し、しばらく動くな…と健は笑を床に横たえ、ジョー、お前は行くな、お前は殺すことしか考えてないと健は命じるが、ジョーは、馬鹿野郎!言ってる場合か!ネクサスを使われたらこの世界はどうなる!もう何を言ってもムダだ!と反論し、バードGO!と叫んで変身する。 私は何も変わってない、私には力がなかったから失ってしまった、仲間を…と南部博士が言うので、だとしても、あなたは俺たちに正しいことを教えてくれたと健が呼びかけると、正しさか…、正しさにどんな価値がある!お前に分かるのか、目の前で殺された無力さが!と南部博士は言い返す。 力さえあれば…と南部が呟くので、正に破壊光線…とキャシャーンは言い戦う。 ポリマーが南部博士に倒される。 あんたは臆病者だ!うすなう恐怖に耐えられないから自分から壊しているだけだ!とジョーが南部を罵る。 情けけねえ、お前に従っていたなんて…と嘆くジョーに、あんたが今弱いのはともかく、俺にガッチャマンの名を与え、正義の為に戦えと言ったあなたはどこへ行った!と健も南部に詰め寄る。 黙れ!と南部は答えるが、健、誰なの?と問いかけながら立ち上がった笑は、いつの間にか脇腹の傷が治っていることに気付く。 そして、ネクサス装置を被っていたバリアに手を触れようとするので、何やってるんだ、止めろ!とポリマーが笑を止めに来る。 しかし笑がバリアに穴を明けたので、無茶するな!どうする気だ?とポリマーが聞くと、分かんないけどケースはそれを望んでいるようなの…と笑は答え、大丈夫だからと言いながら、ネクサスの中央部に入って行く。 何かいる!と同行したポリマーはネクサスの中央部を飛んでいる小さな影に気付く。 鳥が飛んでる?いや違う!ガッチャマンのバードランだ!と気付く。 それは、南部博士に撃たれたこの世界の件が最後に投げたバードランだった。 博士を止めてくれ!と言うこの世界の健の声が聞こえたような気がした。 あの光は!バードランにケースの力が宿ったのか!とポリマーは驚く。 次の瞬間、ネクサスは爆発し、中に封じ込められたまま飛んでいたバードランが室内に飛び出して来る。 それを見た南部博士は、あり得ない!と呟く。 健!あのバードランを撃て!とジョーが叫んだので、ジョーがバードランに飛びつこうとするが南部も一瞬早く飛びつきバードランを掴む。 すると、南部の変身ぶれスレッドが壊れる。 南部が逃げ出したので、待て!とジョーが後を追う。 ネクサスが爆発したため、急激にエネルギーの逆流が起こっていた。 それに気付いた城二は、エネルギーの流れが早すぎる!と緊張する。 空間がゆがみ、渋谷の町が崩壊し始める。 揺り戻しはすぐに収まると城二は予測するが、式典会場に人が残っているんだけどと笑が気付く。 渋谷の町に逃げ出した南部博士を追うジョー。 南部は銃撃して来るが、そこまでにしてもらおう…と出て来たのは笹岡だったので、始めから目的はネクサスだったんだな?と南部博士は気付く。 変換は南部にしか出来ない、世界の秩序には必要だと笹岡は言うので、ろくな者じゃねえ、力に支配された人間って正義か?とジョーは聞く。 次の瞬間、ジョーは笹岡のガードマン達に撃たれる。 撃ち方止め!大佐!と笹岡が命じるが、倒れたジョーは手を延ばして笹岡の足にしがみつく。 その時、以前一部が破損して脆くなっていたビルが倒壊する。 その前に到着していたヒーロー達が逃げ後れていた式典参加者達を救出する。 健はジョーの姿が見えないので探していたが、バードサインに気付き、ジョー、どこだ!とそのサインの元へ急ぐ。 南部の側で倒れていたジョーに気付いた健は、ジョー!と呼びかけ抱き起こそうとする。 ジョーは、まぶしいな…と太陽を手で覆い隠すように延ばし息絶える。 しっかりしろ!ジョー!ジョー!健は必死に呼びかける。 渋谷の駅前交差点 本当にも狐狼のか、この世界に?と武士達が聞くと、ネクサスを消すことが出来なかった、いずれ悪用する奴が出て来る、何年先になるか分からない、人々が安息の日を迎えるまで、俺も自分の世界へ戻らない…と健が言うので、お前の世界は俺たちが何とかするとタケシは答え、笑、お前も何かないのか別れの挨拶?と聞くと、 別に…とふて腐れたように答えた笑だったが、あんた、それで良いの!と聞くと、みんな1人で背負ってるんだ…と健は答え、笑と握手する。 巨大モニターに映ったTVニュースでは、内閣府がネクサス消滅を発表したと報じていた。 その後、 笹岡はトランクとともに専用ジェット機で帰国していた。 そこにいきなり犬が飛び込んで来たので、殺すのか?私を…と笹岡が聞くと、ふん!それは俺のやり方じゃないと言うと、トランクを明け、ハードスーツ変身装置が入っているのを確認するとトランクとともに空中へ飛び出す。 ガッチャマンが投げ捨てたトランクは空中で爆発して消滅する。 |