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ブレードランナー2049

「ブレードランナー」(1982)の続編

「ブレードランナー」との共通性も感じるが、基本的にはかなり違うビジュアル世界になっており、話もシンプルと言うかSFミステリ調になっており、比較的分かりやすい作品になっている。

アクションなどは控えめで比較的静かな雰囲気の作品なので、アート映画のような作風が好きな人向けかも知れない。

アートっぽいと言っても難解と言う訳ではなく、分かりやすいからと言って通俗と言う訳でもない。

独特の雰囲気もあり、完成度の高さを感じる作品で、前作とは違ったテイストの秀作になっていると思う。
▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼
2017年、アメリカ映画、ハンプトン・ファンチャー原案+脚本、 マイケル・グリーン脚本、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。

レプリカントはタイレル社が作った人造人間だったが、永遠に生きられる旧型は反乱を起こす可能性があるとして製造中止になった。

2020年 ウォレス社が台頭し、タイレル社を合併吸収した。

新型レプリカントは寿命が定められ、危険性の高い旧型レプリカントを駆逐するため探索を続けていた。

瞳のアップ

2049年 カルフォルニア

ロサンゼルス市警の捜査官K06-3.7(ライアン・ゴズリング)は、農業地域の上空をスピナーで飛行していた。

水中の蚕のような幼虫を取り出す手 一軒の農家の前に降り立つスピナー そこから降りたKは、スピナーの屋根に付いている探査ユニットを分離し、空中に飛ばす。

農家の中に入ると誰もおらず、キッチンでは鍋がコンロの上で沸騰していた。

作業場で防護服を脱ぐサパー(デイヴ・バウティスタ)が部屋に戻って来ると、部屋の隅の椅子に座って待っていたKが、勝手に入れさせてもらった、靴の泥には十分気を付けたつもりだ…と声をかける。

気に入らん、警官か?とサパーは不快感を示す。

名前は?とKが聞くと、NK-08514、農民だとサパーは答える。

何の農場だ?と聞くと、プロテインだと答えたサパーは、持って来た幼虫を見せる。

この匂いは?と聞くと、自分のために作っているガーリックだ、食ってみるか?とサパーが言うので、結構…、面倒な仕事の前は空腹の方が良いので…とKは断る。

いつからいる?と聞くと、2020年…とサパーが答えたので、配属は?過酷だったんだろう?と過去を問うと、調べるのか?とサパーが言うので、逮捕はせんつもりだ…とKは答える。

誰か来ると分かってたんだ…と言いながら、サパーはナイフをそっとポケットから取り出す。

左上の方を見てくれと言いながら、近づきサパーの右目を小さな装置で調べようとしたKに、いきなり飛びかかったサパーは、壁にKの身体を打ち付け、壁を破壊して隣部屋に2人は転がり込む。

押さえつけたサパーの右目を調べると、どんな気分だ?同類を殺す気分はとサパーが聞いて来たので、殺すのは旧型だけだとKが答えると、奇跡を見た事がないんだろうな…とサパーは嘲るが、Kは問答無用で射殺する。

そして、えぐり出したサパーの右目を水道で洗い、鍋の蓋を開けて中を覗き込む。

スピナーに戻ったKは、空中を飛び回っている探査装置に全て観察しろと命じると、回収した眼球をセットし、上司のマダムことジョシ警部補(ロビン・ライトマダム)に連絡を入れる。

怪我したの?と聞かれたKは、接着しますと答え、ネクサス8型でした、一緒に逃げた奴がいるとサパーの事を報告する。

署で検査をとマダムが指示した時、御待ちくださいと答えたKは、外に落ちていた黄色い花を見つけ拾い上げると、その匂いを嗅ぐ。

そして、その花を採集用のビニール袋にしまいながら、飛んでいる探査装置に周囲30m調べるよう指示する。

送信された探査画像を見たマダムが、それは何?と聞いて来る。

木の根元に何か箱のような物が埋まっているのが分かる。

ロス警察に戻って来たKは、署内の廊下を歩いていると、人もどき!などと陰口を言われる。

扉に装着された認識装置を前に、いくつかの質問に答え、部屋連結!を許可される。

中に入ると、君は動じない、賞与を受け取ると言われたので、サンキュー、サーと答え、雪が降る中、自分のアパートへ戻る。

K、早かったわねと言う女の声が聞こえる中、シャワールームに入ったKは、傷ついた左手の傷口に接着剤を付けて密着させる。

酒が飲みたい、1杯注いで…と女に語りかけたKは、部屋にかかっていたメロディーのことを、この曲、1966年にリリースされてたのよと言う女の返事を聞く。

窓から外を見ていたKは、部屋に入って来たホログラフムの女ジョイの指先から発する熱で煙草に火を点ける。

大変な1日だった…とKは漏らすと、プレゼントだ、僕たちの記念碑だ、おめでとう!と言ってジョイに見せる、エマネーター!と女は喜ぶ。

「ピーターと狼」の曲が流れる中、その装置を起動させると、これで好きな場所に行けるよとKは言い、実体化したジョイは、Kとともに、雨の降るベランダに出ることが出来る。

ベランダには巨大なカタカナ文字の広告が立っていたが、手には水滴が付着する。

あなたといるときは幸せ!と言いながら、ジョイはKとキスをする。 その時、ジョイの身体が制止し、メッセージが届く。

掘削地点を発見と言う連絡だった。 Kはジョイの映像を消すとロス警察の鑑識ルームへと向かう。

鑑識係ココ(デヴィッド・ダストマルチャン)が木の下に埋まっていた箱の中味の解析映像を見せながら説明する。

入っていたのは骨と髪、30年前に埋葬されたのだと言う。

胎が産道にひっかかった?と呟いていたKは、映像のある地点に気付きズームさせる。

帝王切開したんだ!救おうとしたんだ!と気付く。

子供はどこ?調べた?とジョシ警部補が聞くが、他にない…とKは答える。 そして、映像をさらに拡大していたKは、骨のアップに数字が刻み込まれているのを発見し、あり得ない!と愕然とする。

女はレプリカント! 妊娠していた!とジョシ警部補も呟く。 警察は、女と30年前に逃げた人物の存在を抹殺する? なくてもあなたは大丈夫…、魂よとジョシ警部補は答える。

お前らの仕事は? クソな仕事をしている… 奇跡を見たことがないからだ…と言っていたサパーのことをKは思い出す。

全く灯りが付いてないかつてのタイレル社、今のウォレス社地球本部にKはやって来る。

受付で、確認用DNAは?と聞かれたKは髪があると言い、持参した遺髪を差し出す。

それを調べた受付係は、随分昔のだ…、大停電前だ…、データの大半は消滅したと言う。

アフリカ系の客の応対をしていたラヴ(シルヴィア・フークス)は、受付からの連絡を受け、客に断りを言うと、その場から立ち上がる。

大停電のときはどこに?とデータ室へ案内していた受付係が聞くと、生まれる前だとKは答える。

遺体のナンバーから該当のレプリカントのデータを見つけ出した受付係だったが、破損していると言う。

タイレル社製かね?と聞くと、他にデータがあったはずと言いながら、ラヴがやって来て自己紹介する。

それを聞いたKは、名前があるのか?特別な存在だな…と驚き、旧型レプリカントの名を知りたいと申し出る。

ウォレスが地球外世界用に試作した…、彼女は何年も放置されていた。

部屋に入ると、記号の集積ですと、水晶玉のようなメモリーを解読させて行く。

タイレル社アーカイブから、デッカードさん? 彼女がレプリカントか明かされるのか?とKは聞く。

人々は旧型以外はどこで何をしていたのか? デッカード捜査官は気を惹こうとしているとKは言う。

個人的な質問は感情を動かす 仕事を愛していた? ウォレス氏に宜しく…とラヴに挨拶してKはウォレス社を後にする。

ガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)に会いに行ったKは、あなたはデッカードと仕事をしていたと話しかけると、彼は1人で仕事をしていた…、それを尊重した…と老いたガフは言う。

この世は長くなかったろう…、彼の目がそう言ってた…、退任したのだと言うガフに、連絡は?とKが聞くと、ないとガフは即答する。 ウォレス社では、ラブがネアンダル・ウォレス(ジャレッド・レト)を出迎えていた。

新型レプリカントをご覧になりますか?とラブは、ウォレスと一緒に、空中に下がっていたビニール袋のようなものから床に落ちて来た女のレプリカントの前に来る。

裸のレプリカントは生まれた瞬間から何かに怯えているようだった。

盲目のウォレスはその女レプリカントを見て、この者が最初に抱くもの、それは恐れだ、命を守るため…と言い、ラブから渡された装置を耳に装着し、機械的な視界を確保すると、女レプリカントの腹をメスで斬り割く。

繁殖を試みるが成功していない… タイレルの最後に繁殖は成功したが継続しなかった… 女レプリカントは出血し死亡する。

巨大なバレリーナのホログラムが浮かび、雨が降りしきる街 モーションフォトを見るK

「おさけ」のCM、ビニール傘をさし人探しを始めたKに街娼が3人近づいて来る。

その内の1人は木を見たことない…、死んでる、死んでる木など誰が大事にする?と街娼は言い、私は殺さないわよね?目を調べてみる?とKをからかうと、本物の女には興味ないのね…と言って去って行く。

Kは、サパーの農場に戻り、立入禁止のテープを切って家の中に入り込むと、ピアノの鍵盤を叩いてみると、音がしない部分に気付く。

弦の上を調べてみると、そこに金属の小箱が隠してあることに気付く。

蓋を開けて見ると、中に入っていたのは、大きな木に横で赤ん坊を抱いた女の写真だった。

木の根元を良く見ると、6-10-21と言う数字が刻まれていたので、Kはおののく。

その後、Kは農家を燃やし、スピナーに戻る。

分析屋に、サパーの所で採取した木の成分を調べる。

ラブと出会った鑑識医ココは、持ち出し禁止だと骨の提出を拒否するが、首筋をラブに殴られ殺害される。

帰還したKは、ココが殺害され、遺骨が紛失したことをジョシ警部補から聞くと、何か分かったことは?と聞かれ、サパーの家は全て燃やしましたと報告しただけで、他はまだ分からないと答える。

ジョシ警部補は危機を感じる…、世界の崩壊を感じる…と、事件の奥にある重大性を指摘するが、あなたは人間のようだけど、部下になる前の記憶はあるの?と聞いて来る。

移植された記憶ですとKは答え、子供の頃の記憶は?と聞かれると、子供だった頃がないんです…と好いながら身、奇怪な記憶はあります。

玩具のような木馬を友達に奪われそうになり、炉のような場所に逃げて来たのですが、燃やすか隠すしかなく、私は炉の一部に隠しましたとKは伝える。

酒を飲みながら聞いていたジョシ警部補が、私が酔ったらどうなる?と意味有りげなことを言い出したので、Kは仕事に戻りますと言い残して立ち去る。 その後、Kは21.6.10生まれの過去データを調べに来る。

数字の羅列がスクロールする画面を見ているKの背後にジョイのホログラムが出現し、あなたの記憶…と言い、木馬のイメージを出すと、その木彫り人形のそこに刻まれていた6.10.21の数字を示し、偶然?と聞く。

危険な偶然だ…とKは呟く。

あなたは特別だと思ってた…、これはその証拠…とジョイは語りかけて来る。

その時、Kは機会にストップをかけ、4847と2181を比べろと指示を出す。

両者は全く同じで男児と女児、ありえない…、なぜ2人はDNAが同じなんだ?どちらかが偽物でコピーだろう…とKは推測するが、女児は死亡し、男児は孤児院に入れられたと機会が言うので、で、場所は?とジョイが聞いて来たので、ドライブするか?とKは答える。

スピナーでやって来たのは、グレーター・ロスアンゼルス、サンディエゴ廃棄処理工場 ここだ、着いたよ…、ベルトを…とジョイに語りかけたKだったが、突如、地上から攻撃を受ける。

どうやら排気工場の建物の屋上から数人のゲリラのような連中が攻撃しているようだった。

ジョイのホログラムが消え、スピナーは地上に落下する。

ジョイのホログラムが、スピナーの外に出現し、同じ動作を繰り返しながら、K!と操縦席の中に呼びかける。

そこに、ゲリラのような連中が集まって来て、スピナーの窓を破ろうとする。

ブラスターを抜いたKが出て来て、スピナーの周辺で爆発が起きる。

ウォレス社にいたラブはモニターでスピナー周辺の様子を見ながら、撃て!撃て!と命じていた。

60m東!北へ!撃て!などとKにもその声は聞こえて来たので、その声の指示通りに動くと、しっかりして!立って!仕事して!とラブは命じて来る。 ゲリラのような連中は反撃を受け姿を消す。

やがて、子供の姿を見つけたKは、スピナーの天井に着いた監視装置を浮上させると、車を見張れと命じる。

Kはドーム型の建物に入ってみる。 そこには子供たちがおり、Kの姿を見ると珍しそうに触って来る。

建物の中では、大勢の子供たちがアフリカ系の男の監視下働かされていた。

Kを見たアフリカ系の男は、地球外の暮らしを学ばせているんだと説明し、大きな部屋の中を案内し、言ってくれ、どんな子が欲しい?何体揃える?と聞いて来たので、買うんじゃないと答えたKは警察手帳を取り出す。

30年前1人の子がいた。

記録を見せろとKが迫ると、古い記録はない、すまん、役に立てんとアフリカ系の男は言う。 そうか?と答えたKはその場でアフリカ系の男を殴りつける。

記憶が欲しいんだと言いながらもう一度相手の鼻を殴りつけたKは、頭に穴を空けても覗くぞ!と脅すと、アフリカ系の男は諦めたように、Kを第二工場内に案内する。

資料がおさめられた部屋にやって来たアフリカ系の男だったが、当時の資料が書かれた本を開き、なくなっている!その年の分が全部…、俺じゃない!と言い訳しながらページの一部が破り取られているのを見せる。

Kは、テーブルの上の灰皿に残っていた吸い殻を注目する。

そして、その部屋を後にしたKは、来る時にも気になっていた工場の奥へ向かう。 そこには子供の頃の記憶にあった炉があった。

恐る恐る記憶の隠し場所に手を差し込んだKは、確かに自分が隠しておいた布に包んだ木馬人形を見つける。

そこを見ると6.10.21の数字が刻み込まれていた。

いつも言ってる、あなたは私にとって特別な存在…、潜在意識の奥深くに隠されていた… 本当の名前は?とスピナーに戻り、ジョイから聞かれたKはジョー…と思い出す。

しかしKは、ストップ!と言うと、移植された記憶かも…と疑う。 Kはその後、ガラスの部屋の中で、ホログラムの森の中を観察していたアナ・ステリン博士に会いに来る。

ようこそK06-3.7!とアナ博士はガラス越しに挨拶する。

ごめんなさい、免疫不全なの…、両親は私をガラスの中に入れたのとアナ博士が言うので、捜査に協力していただきたいとKが申し出ると、仕事しながら聞いても良い?と言うので、もちろんとKは答える。

あなたは最高の記憶の創造者だと言われているが、何故腕が良い?とKが問いかけると、私の経験が生かされているから…、8才の時にガラスに入れられたので想像するしかなかったのとアナ博士は言う。

本当らしい記憶があるんだが…とKは打ち明ける。

詳細な記憶は本物だと思いがちだけど違う、やってみましょうか?とアナ博士は言い、Kに検査機の前に座るように指示する。

そして、私に見て欲しい記憶を思い出してと言うので、Kが思い浮かべると、それを検査機越しに見ていたアナ博士は、泣き出し、これは誰かの記憶、実際の記憶よと断定したので、Kも泣き出し、本物だと思った…、本物だと…、畜生!と呟くと、椅子を蹴って帰って行く。

外は雪が降っており、掌で雪を受け止めたKだったが、そこに別のスピナーが降りて来る。

降りてきた警官は、マダムが出頭しろと…と言い、Kを逮捕する。

ロス警察本部に連行されて来たKは、ドアの認識マシンに又答えて行くが、その応答の様子をジョシ警部補はモニター上でじっと観察していた。

入室を許可されたKにジョシ警部補は、どう言う事?とKが勝手な行動をとっている事を責める。

今日は帰すから、48時間以内にもとに戻りなさいと指示するジョシ警部補に、サンキュー、マームとKは答え、警察署を後にする。

雪の中を歩いて自宅に戻って来たKは、君は正しかった…、何もかも正しかったとジョイに語りかける。

その時、先日外で知り合った街娼が部屋に入って来る。

良いわ、始めようと街娼が言うと、ジョイが街娼に身体に自分を溶け込ませ、合体する。

Kは、街娼の身体を使って具現化したジョイを抱く。 街娼とジョイは2人が合体したような仕草でKに抱きつき、服を脱ぐ。

ベッドイン後、起きた街娼は、口から何かの装置を取り出すと、それをKの上着のポケットに忍び込ませる。

その時、街娼は、Kが置いていた木馬の人形を発見する。

あなたの用事はすんだ、帰ってと言うジョイに、あなたの中を覗いたけど、大した中味なかった…と言い残し、街娼へ帰って行く。

起きたKは、ジョイから乞われアンテナを折る。 ラヴは、発進が切れたと苛立つ。

Kは木馬人形を持って、街の分析屋に分析を頼む。

木馬に付着していたトリチウムを発見する。

その頃、ラヴはKのアパートに侵入していた。

そして、メモリーを発見する。 Kはスピナーで、分析屋が発見したトリチウムがある地域にやって来る。 そこは今や無人の廃墟になっている立入禁止地域で、大きな女性の像が建っていたりする場所だった。

ラブはジョシ警部補に会いに来ると、ジョシが持っていたグラスごと握りしめ、グラスを割った破片で掌が傷つくような拷問をするが、ジョシがモニターのデータを消してしまったので、ナイフで刺し殺すと、ジョシの眼球を使ってパソコン認識をし、警察のデータを入手する。

データ上、K06-3.7は停職扱いになっていた。

Kは、立入禁止区域の中の養蜂箱の後を発見する。

まだ蜂は飛び回っていた。

Kは、巨大な宮殿のような建物に入る。

ピアノがあったので、鍵盤を叩いてみると音がする。

その時、あんた、もしかして、チーズかなんか持ってないか?と「宝島」のセリフを話しかけて来たのは、銃を構えた リック・デッカード(ハリソン・フォード)だった。

「宝島か?」とKが聞くと、本を読むのか?良い事だとデッカードは、感心したように答える。

最近この辺はこんなでね、俺はチーズの夢を見た。

こんがり焼いた奴の夢だ…と続けたデッカードは、何しに来た?ピアノが聞こえた…、警官だな?とデッカードが警戒するので、逮捕はしないとKは答えて落ち着かせようとする。

聞きたい事があるんだ?と言うと、どんな事だ?と言った途端、デッカードは発砲する。

Kは2階から落下するが、急いで降りて来てKの身体を探したデッカードだったが、Kの姿はなかった。

連れていた犬に、ここにいろ!と命じたデッカードはKを探し始める。

逃げていたKは、トラップに引っかかり、爆発が起きる。

デッカードは電気を点ける。

Kはバーのような部屋で、プレスリーのホログラム映像を見ていたが、デッカードが撃って来たので、飛びかかり2人は戦う。

部屋の中には古いショーの映像が映写されていた。

その内、この曲が好きだった…と、デッカードは、プレスリーの「好きにならずにいられない」が流れているのを指摘し、まだやるか?それとも一杯やるか?と聞いて来たので、酒にしようとKも答える。

デッカードは傷ついたKの腕にハンカチをまいてくれる。

名前は?とデッカードが聞いて来たので、K06-3.7と答えると、それは名前じゃない、シリアルナンバーだとお言うので、ジョーだと答える。 何の用だ、ジョーとデッカードが聞いて来る。

質問する、彼女の名は?あんたの子の母だ、どんな女性だった?ここで生きていたのか?とKが矢継ぎ早に聞くと、質問が多すぎると困惑しながらも、彼女の名はレイチェルと答える。

子供はどうなった?孤児院に入れたのはあんたか?と聞くと、俺はとうに会ってないとデッカードが言うので、子供に会ってない?何故だ?とKは聞く。

そう云う計画だった…、やがて大停電で全てが消えた…とデッカードは言う。

俺たちが会えば逮捕され、調べ尽くされるだろう、他人でいた方が良い…とデッカードは悟ったような言い方だった。

部屋を出てジュークボックスのスイッチを入れると、シナトラの画像が浮かび上がり歌い出す。

Kは、テーブルの上に置かれた木彫りの犬やライオンの人形を発見する。

そして、レイチェルの写真を見ていたとき、スピナーが数台、その地域に接近していた。

Kが椅子に腰掛けていると、ジェイが出現し、側にいた犬に気付く。

そこにやって来たデッカードが、何をした?誰にここを?と聞いて来たので、Kは、誰にも…と否定する。

スピナーの操縦者たちは、目標補足!と連絡し合う。

お前を追って来た!とスピナーの接近に気付いたデッカードが責めるが、俺は1人で来た!とKは言い訳する。

しかし、双眼鏡で覗くと、確かにスピナーが接近していた。

Kは自分のスピナーに戻ろうとするが、外から撃たれて爆破されてしまう。

Kはデッカードを助け逃げようとするが、そこに新型スピナーが進入して来る。

マスクをした2人がスピナーから降りて近づいて来るが、穢して倒れていたKは起き上げれない。

デッカードは2人に連行されそうになり抵抗しようとするが銃を突きつけられる。

Kが発砲すると、ラブが蹴って来る。

ジョイは、止めて!と訴えるが、ラブは、うちの製品にご満足と皮肉りながらKのホログラム発生器を踏みつぶしてしまう。

デッカードを乗せたスピナーが建物から飛び立つ。

取り残された犬が去って行く3機のスピナーを見送る。

銃を拾う手… 上着のポケットから追尾装置を見つけ目覚めたKは、焚き火を囲んで以前会った街娼がいる事に気付く。

スピナーが一台到着する。

街娼はKの身体をなでて来て、あなたに会いたい人がいるの、信用して…と語りかけ、そこにサングラスをかけた女が近づいて来る。

私の目をスキャンしたい?と皮肉って来たその女性はフレイザー(ヒアム・アッバス)と名乗る。

サッパーを見たはずだと言うので、子供を隠したのか?とKが聞くきながら、サッパーの農場で見つけた、木の横に赤ん坊を抱いて経つ女性の写真を見せる。

運命の時が来た、仲間を解放したい、自由になりたいなら仲間になってとフレイザーは頼む。

来るべき嵐の前に、デッカードを殺して!と言う。

その頃、デッカードもウォレス社の室内で目覚めていた。

ウォレスが近づいて来て、会いたかった…、あなたは驚異だ、デッカードさん…と言いながら、耳の装置を外しデッカードの手を掴んで来る。

そしてしゃれこうべを見せると、それを解く為の鍵が必要だ… もしあなたが作られたのなら、愛か想像か? イエス?ノー? 俺は何がリアルか分かる…と言いながらデッカードは泣き出す。

恐れなくて良いとフォレスが言うと、デッカードの眼前にあの若き日に出会ったままのレイチェルが近づいて来る。

会いたかった?と言いながらレイチャルはデッカードの顔を触って来る。

愛してないの?とレイチェルが問いかけると、すまないと言いレイチェルの手を払い、側から離れたデッカードは、彼女の瞳はグリーンだと答える。

ウォレスが軽く頷いた瞬間、ラブは偽レイチャルを撃ち殺す。

あなたはまだ痛さを知らない…、直に分かる…とウォレスは言う。

雨が降る中、Kが町のビルの外の通路を歩いていると、ハロー!ハンサム!と巨大な裸の女のホログラムが声をかけて来る。

大変な1日だった?寂しそうね? Kは、鼻に貼っていた絆創膏を剥がすと銃を取り出す。

大義の為に死ぬの?何より人間らしい…Kの脳裏に女の声が聞こえて来る。

奇跡を見た事がないから…、Kはサッパーが言っていた言葉を思い出す。

夜の町を3機のスピナーが飛び立つ。

中央の機内には、ラブ監視のもと手錠をかけられたデッカードが乗っていた。 どこへ行く?とデッカードが聞くと、ホーム…とラブは答える。

3機のスピナーを密かに追尾していたKは、スピナーの天井から探査ユニットを発信させる。

デッカードは、雨の暗闇の中、接近して来る探査ユニットの灯りが護衛していた傍らの1機のスピナーに衝突し墜落するのを目撃する。

同乗していたラブも突然の事態に驚き、立ち上がると、輸送機の操縦士の1人もやられていた。

デッカードとラブを乗せた輸送スピナーは海に墜落し、波打ち際に停止する。

その側に着陸したスピナーからKが降りて来る。

ラブが銃を取り出しながらドアを開けさせると、Kが撃って来て、もう1人の操縦士の頭部を射抜く。

ラブも撃ちかえして来る中、Kの銃弾を受けて機内に倒れ込む。

Kも腹を撃たれていた。

大きな波が打ち付ける、雨の波打ち際の外に飛び出したラブはKに回し蹴りを加えて来る。

Kも反撃するが、ナイフを取り出したラブは執拗に斬りつけて来る。

そうした中、ドアを開けたまま放置していた輸送スピナーの機内に雨や海水が浸水し、椅子に手錠で固定されたデッカードの足下に水が上がって来る。

ラブのナイフを掴んだ右手を防いだKだったが、ラブは左手でももう1本ナイフを取り出しKの身体に刺すと、急にKにキスをし、そのままヨロヨロと後退し、海の中に倒れ込む。

輸送スピナーは海に沈みかけ、デッカードは溺れかけていたが、そこに泳いで入って来たのはラブだった。

ラブはオフワールドが待っていると言いながらデッカードの顔に両手をかけるが、その時、水中からラブの首を絞めて持ち上げたのはKだった。

ラブは必死に水中にあるKの顔を上から押さえつけて抗うが、Kは渾身の力を込め水面に顔を出すと、逆にラブの顔を水中に沈めて押さえ込む。 水面はさらに上昇し、デッカードは溺れかけていた。

水中で必死に抵抗していたラブの表情が静止し、動かなくなる。

Kはデッカードの手錠を力で外し、デッカードを水面に持ち上げ呼吸をさせると、2人一緒に外へ泳ぎ出る。

暗い海の中、デッカードは、ジョー!と呼びかけ、Kの手を取って、スピナーが着陸していた波打ち際までたどり着く。

見ると、輸送スピナーは完全に海の中に沈んでいた。

死なせて欲しかった…とデッカードが言うと、死んだよ、俺は死んだ…とKは答え、娘に会いに行こうと誘う。

雪が降る中、ステリン研究所に降り立ったスピナーから、Kとデッカードが降りて来る。

コートのポケットの中から木の人形を取り出したKは、それをデッカードに手渡す。

デッカードは木馬の裏面を見て驚くが、Kは最高の記憶だ、彼女のだったと言うので、俺は君にとって何だ?とデッカードは問いかける。

Kは、娘さんに会えとだけ答える。

大丈夫か?とデッカードは案じるが、軽く頷いたKは顔を振ってデッカードに建物に入るように促す。

デッカードが建物の中に入ると、Kは雪が積もった玄関前の階段に座り込む。

腹からは大量の出血をしていた。

それを確認したKは、降って来る雪を掌に受け止め、空を見上げるように階段に身を横たえる。

研究所のガラスの中では、アナ博士がホログラムの雪の感触を味わっていた。

ドアからデッカードが入って来ると、後ろ向きに雪を浴びていたアナ博士は、お待ちください、きれいでしょう?と言って来る。

デッカードは、ガラスの壁面に近づいて来たアナ博士の顔を凝視すると、右手をガラスの表面に触れ、微笑む。

メインのキャスト、スタッフ名

タイトル

エンドロール
 


 

 

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