白夜館

 

 

 

幻想館

 

ルパン三世

コミックやアニメでお馴染みの「ルパン三世」の二度目の実写映画化

出来はまあまあと言った感じで、びっくりするほど面白い!…と言うほどではないが、まずは普通に楽しめる。

北村龍平監督なので、観る前は若干不安もあったが、観始めると、手堅く…と言うか、無難に作っているな…と言う印象。

最初の実写化映画「ルパン三世 念力珍作戦」(1974)が、ルパンのキャラを使ったナンセンスドタバタ喜劇と言う感じだったのに対し、今回は、普通のアクション映画風で、アニメ版へのオマージュのような感じになっているが、アクションセンスもストーリー展開も、ものすごく斬新と言う感じではなく、何となく、どこかで観た物の焼き直しのような印象を受ける。

ハリウッド辺りの平均的なB級アクションと言った感じだろうか?

アニメとの比較をして突っ込んで行けばきりがないが、最大公約数的なルパン、不二子、次元、五ェ門、銭形のイメージは、それなりに再現してあるような気がする。

アジアロケ中心で、登場人物にもアジア人の起用が多く、日本市場ではアニメファンや原作ファン以外のアジアンアイドルファンを呼び込み、アジアには映画そのものを売り込む戦略と観た。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

2014年、「ルパン三世」製作委員会、モンキー・パンチ原作、山本又一朗+北村龍平+ジョセフ・オブライアンストーリー、水島力也脚本、北村龍平監督作品。

夜のシンガポール

とあるプライベート美術館

最近改築され、警備レベル6になった。(…と電話で指示を出す男)

ピエール!不二子!ジロー!と名前を呼び上げ、各人が返答する中、ルパンとマイケルの2人だけは返事がなかった。

彼は来るわ…と不二子が代わって返事をしたので、彼らが来なくてもゲームは始める。

15分後に美術館に予告の電話を入れる。君たちの活躍を期待している…と電話の男は言って、指示を終える。

ジロー(山口祥行)、峰不二子(黒木メイサ)、ピエール(キム・ジュン)の3人は、早速美術館に侵入開始する。

ピエールは、レーザー探知機の網を得意の体技でかわして奥へと進む。

監視カメラを次々に破壊し、目的の展示室にたどり着いた3人は、部屋の中央に、奪い取るべき「古代オリンピック最初の金メダル」なるお宝を発見するが、床センサーが張り巡らされていることを知っていた不二子は、入口からワイヤー発射装置を使って、天井に貼り付く。

マイケルは、大きくジャンプし、近くにあった柱にしがみつく。

ジローは、ロケット噴射装置を使ってお宝に一番早く到達しそうだったので、不二子は、ジローの首筋に小さな麻酔針を打込み、動きを妨害する。

針を打込まれ気を失って床に落ちかけたジローを、慌ててピエールが足を捕まえ支える。

身動きが取れなくなった2人を他所に、不二子は天井からメダルの真上にワイヤーを使っており、レーザーカッターで、メダルを入れてあるガラスケースの上部を切断、メダルを取ろうと手を伸ばした瞬間、大きな爆発音が響き、メダルを置いたケースの下の床に穴が開く。

不二子が驚いて煙が薄れた穴の中を覗くと、下は地下駐車場になっており、そこでバイクに乗ったルパンがいたので、ルパン!と驚く。

こいつぁ、俺が頂くぜ!とバイクに乗ったルパン三世(小栗旬)は、メダルを手にして上の展示室にいる不二子に笑いかける。

非常ベルのスイッチはあらかじめ切ってあったものの、これだけの爆発音がしては警備員たちが気づかないはずもなく、大勢の警備員が展示室に集結して来たので、不二子たち3人は急いで逃げることにする。

地下駐車場に降りて来た不二子は、そこで待ち構えていたルパンから、一度で良いからちょっとキスしてくれたら、これやるよ!と言われるが、不二子が無視したので、いつか必ず、お前を手に入れてやるからな、不二子ちゃん!と言い残し、バイクのルパンは走り去って行く。

そこに警備員たちがやって来たので、不二子は1人で全員と戦うが、不二子が蹴りあげて暴発した警備員の弾丸が天井のスプリンクラー装置に当たり、水が放射される。

全員を蹴り倒した不二子は、濡れて倒れていた警備員の中に小型放電装置を投げ込んで立ち去ったので、警備員たちは感電し、動けなくなる。

バイクで逃走中のルパンを待っていたのは、マイケル・リー(ジェリー・イェン)だった。

マイケルは、発火装置で道を炎で塞いでルパンを停める。

思った通り、メダルを待ってたか…、俺から奪い取るつもりか?とルパンが苦笑すると、お前の方から俺に差し出すんだと言いながら、マイケルは、持っていたスマホ型発信器にルパンの画像を浮かび上がらせる。

それを観たルパンは、マイケルの意図に気づき、慌てて、耳に入れていたイヤホンを取ると放り投げる。

次の瞬間、そのイヤホンは大爆発を起こす。

さらに、マイケルが発信器に不二子の画像を浮かべで見せたので、次は不二子がやられると感じたルパンは、炎の壁の向こう側にいるマイケルにおとなしくメダルを手渡す。

マイケルは、炎の向こう側に置いてあった車に乗り込んで去って行く。

香港

香港警察では、大勢の警官たちが集合させられており、1時間も待たされていたので文句を言う警官もいたが、そこにやって来たのがインターポールの銭形幸一警部(浅野忠信)で、文句言っていた警官に、黙って資料を渡せ!と言いながら持参した資料の束を手渡す。

全員の前に立ち自己紹介をした銭形は、ルパン三世やマイケルたち、大物盗賊たちの紹介と、彼らがここ一年姿をくらましていたと言う事実を伝える。

そして、イギリスの大富豪トーマス・ドーソン(ニック・テイト)なる人物こそ、ザ・ワークスと言う世界的窃盗組織の首領であり、17年間インターポールが追って来た最重要人物で、ルパンたちその一味全員が今夜、ドーソンの屋敷に集まることを突き止めたこと伝える。

その夜、ドーソンの屋敷にタキシード姿でやって来たルパンは、不二子がマイケルと仲良く話している姿を見かける。

つまらない顔してるわね?どうしたの?と不二子が近づいて聞くので、彼氏に聞けよとルパンは嫌味を言うが、1人で来たの。帰る相手は決めてないわ…と不二子は答え、ルパン、普通、あんな所に爆弾は仕掛けないでしょう?警報ならさないようにした私たちがバカみたいじゃない…と逆に美術館でのことを嫌味で返す。

結果が全て!関係ない!とルパンが答えた時、開始を告げるベルが鳴ったので、集まった仲間たちが続々と奥の部屋に入って行く中、ルパンに近づいたマイケルは、お前は不二子のことが絡むと、役立たずになるってことはみんな知っていると指摘する。

ドーソンは、自分の書斎で、アルセーヌ・ルパンらしき男と、その孫のような少年と一緒に写っている写真立てを眺めていた。

その机の上には「ルパンへ」と書かれた封が付いたファイルが置かれていた。

そんなドーソンの屋敷の外には、ラーメンの屋台車が停まっており、その車の中では、カップラーメンを食いながら、屋敷内を監視するカメラの映像を映し出したモニターを銭形が食い入るように見つめていた。

みんなが集まった部屋に来たドーソンは、良く集まってくれた!と歓迎の挨拶をし、サイクスや上海の女王蜂チュン・ウー・リンら懐かしい面々に言葉をかけて行く。

そして、ドーソンは、盗賊の模範ともなるべき伝説の人物アルセーヌ・ルパンを祖父に持つルパン三世を紹介すると、自分も晩年の彼に教えを受けたと話す。

何故我々は盗むのか?美しい物を一部の富裕層に独占されたくないからだ。貧しい物からは盗むべからず。未来は若者にかかっている。バトンを渡す事にした。私は今日限りザ・ワークスの会長を退くことにした!とドーソンが言い出したので、全員息を飲む。

昨夜、期待の者たちが競い合った。その勝者に全てを譲る!とドーソンが言うと、古代オリンピック最初の金メダルを取り出したのは、何と峰不二子だったので、ルパンは唖然としてマイケルを観る。

結果が全てなんでしょう?と不二子はルパンに笑いかける。

その場にいた全員が、新しいザ・ワークスの会長に就任した不二子に乾杯をし、拍手を送る。

執事から、金庫の前にお進み下さいと促された不二子が立上がって進み出ると、この扉が開くのは、特別な宝が持ち込まれる時だけ…と告げたドーソンは、ルパン三世に近づくと、又彼に勝ちを譲ったのかね?君に勝って欲しかったんだが…と囁きかける。

昨日はマイケルから学びましたよ…とルパンはマイケルのことを当てこする。

君らは無敵だとドーソンが言うと、彼らが組むなんて絶対あり得ませんよと不二子が横から口を挟む。

金庫の中に入って、中のお宝を観たルパンたちは、中央に飾られていた首飾りに注目する。

「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」と言う、古代ローマ帝国のアントニウスがクレオパトラのために作ったと言う首飾りで、その中央に、深紅のルビーをはめて世界一の首飾りとし、世界一の美女クレオパトラに送るはずだったが、アントニウスはオクタビアヌスに破れた結果、完成せず、クレオパトラも自害して果てたと言ういきさつがある首飾りだとドーソンは説明する。

では、ルビーは今どこに?とマイケルが聞くと、君らを呼んだのはそのためだ…とドーソンは答える。

その時、屋敷の門から1台の車が庭先に侵入して来る。

モニターでそれに気づいた銭形は、何ごとかと注視する。

ガードマンたちが集結した中、停まった車の中から2人の男と1人の女が降り立ち、おとなしく手を挙げてガードマンたちに従うような素振りを見せた次の瞬間、着ていた上着の袖口に隠していた銃を発砲、次々にガードマンを倒して行く。

その発砲音を合図に、「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」を取り上げたマイケルは、いきなりドーソンの首筋にナイフを突きつける。

仲間が来たと言いながら、ドーソンを人質に部屋を出ようとするマイケルだったが、その場に最初から控えていたガードマンの次元大介(玉山鉄二)がマイケルに銃を向けると、次元!無駄な殺しはするな!とドーソン自身がたしなめる。

その時、銭形たちが埼玉県警と香港警察の警官たちを引き連れ、入口から屋敷内に入り込んで来る。

侵入して来た女マリア(中山由香)は、短機関銃を乱射していた。

マイケル!何故こんなことを…と連れ出されようとしていたドーソンが聞くと、エドワード・ティと言う男を覚えているか?とマイケルが聞いて来たので、彼は良い男だった…とドーソンは答える。

彼は、あんたを助けようとして命を落とした…とマイケルが言う。

手をあげていたルパンは、ワイシャツの首筋に指を入れ、緊張をほぐしているように見せかけながら、何かをマイケルに飛ばし、マイケルの身体がドーソンから離れた瞬間飛びつき、2人は戦い始める。

そこに、侵入して来たマリア、ロイヤル(タナーヨング・ウォンタクーン)、サーベル(吉野和剛)が部屋にやって来て、ロイヤルがドーソンに発砲したので、驚いたマイケルは、何故撃った!と叱りつけ、逃げろ!と命じる。

マイケルは、唖然として立っていた不二子にキスをしようと迫るが、不二子が無視したので、そのまま3人の仲間の後を追い部屋を飛び出して行く。

玄関口に出たマリアは、迫り来る警官隊に向けバズーカを発射する。

その爆発で警官隊が動揺する中、車に乗り込んだ4人は門から外へ走り出す。

警察に囲まれた!とピエールが叫ぶ。

ドーソンの死体にすがりついた執事は、ドーソンさん…、何故、こんなことに…と嘆いていた。

数日後、無人になったドーソンの屋敷の前に佇んでいたのは、ルパン、次元、そして不二子の3人だった。

夕べの金メダルを持っていたのはマイケルのはずだ、何故それをお前が持ってた?とルパンは不二子に迫るが、不二子は、さあね…ととぼけ、これからどうするの?と聞く。

ルパンは次元に、お前とはウマが合いそうだ。一緒に組まねえか?とルパンは誘う。

マイケルを探すのか?と次元が聞くと、ネックレスもな…、1つが見つかれば、もう1つも見つかるはずだ、ピエールも呼び戻そうとルパンは答える。

あれだけの首飾りを裁けるブローカーはそう多くないはずだと言うと、私が探してみせると不二子が答える。

その時、この女は止めとけ。信用出来ねえと次元がルパンに忠告する。

しかしルパンは、それには答えず、俺たちは泥棒だ。マイケルが盗んだお宝を盗んでみせる!とルパンは言い、ルパンと不二子は、亡くなったドーソンを偲び、庭先に持って来た花束を置くと、3人揃って立ち去る。

1年後…

ルパンと次元は2人でコンビを組み、「ルパン参上」と書かれたふざけた人形を犯行現場に残して泥棒家業を続けていた。

タイ

不二子から送られて来たマイケル・リーの情報を受け取ったルパンに、次元は、この女は止めとけ、信用出来ねえ、情報は危ねえばかりだ…と再度忠告する。

そこに、当の不二子からの電話が入る。

いつかこっぴどく裏切られると次元はしつこく説得しようとするが、裏切りは女のアクセサリーだろ?と軽く聞き流し、ルパンは出かけて行く。

とあるホテルの一室にいた不二子は、窓側に出現したルパンに、あなたって、普通に玄関から入って来ることないの?と皮肉る。

男と女にはサプライズが必要だろ?と、高級ワインを持参したルパンは気取る。

ルパンは、不二子の後ろにある椅子に誰かが座っており、振り向くと、知らない中年男が座っていたので、あら?と驚く。

男と女にはサプライズが必要なんでしょう?と不二子はとぼける。

あんた、誰?とルパンが聞くと、インターポールの銭形幸一だとその男は名乗る。

この人、あんたを呼ばないと、私を刑務所に連れて行くって言うんですもの…、ごめんねと言いながら、不二子はルパンの頬にキスすると、後は宜しく!と銭形に言い、自分が出て行ってしまう。

呆然と立ち尽くすルパンに近づいた銭形は、その場で手錠をかけたので、そりゃあないだろ〜…とルパンは情けない声を出す。

ルパンが持参したサインを受け取った銭形は、その場で開封し、ルパンと一緒に座り、自分が飲んで見るが、その辺のグラスワインとの違わないだろ…などとのたまう。

ドーソンのことは気の毒だった…と銭形は話しだすと、ドーソンの屋敷で見つかったと言い、「ルパンへ」と書かれた封がされたファイルをルパンに見せる。

「ジ・アーク・ナバロン・セキュリティー」の社長で、裏ではあらゆる悪事に手を染めているモムラーチャオ・プラムックと言う人物に関するファイルだと言う。

プラムックは強力なクライアントに守られており、誰も近づけないと続けた銭形は、マイケルをルパンが探していることも知っており、今では、ジョルジオ・チャンと名乗った投資家としてアジットと言うブローカーに近づいていると言うではないか。

プラムックはマイケルが欲しい物を持っているからだと銭形が話すので、何故俺にこんな話を?とルパンがいぶかしがると、取引しないか?俺にはプラムックを捕まえる証拠が欲しい。それを手に入れるためにお前をスカウトしたいのさ。やってくれたら、お前の過去の犯罪記録を抹消してやる…と銭形は誘う。

しかし、考えとくわ…と言って立上がったルパンの両手から、既に手錠は外れており、驚いた銭形が捕まえようとすると、逆にルパンからその手錠をかけられてしまい、そのままルパンは立ち去って行く。

秘密の隠れ家に戻って来たルパンは、ボクシングの練習をし、ピエールが、超難解なルービック・キューブをいじる中、次元は手料理を作っていた。

そこに不二子がやって来る。

全員集めて何の話か聞かれたルパンは、マイケルの動きが分かったと伝える。

プラムックの話を聞いた次元は、相手が悪くないか?と警戒し、俺はお前を信用しねえぞ!と不二子を睨むが、ピールと並んでソファに座った不二子は、次元が並べた手料理の味見をして、ちょっとナツメグが強いかな?などとやり返す。

あいつのせいでジローは撃たれた。俺はマイケルを許さない!とピエールが言うと、他にもけりをつけなければいけない事がある…とルパンが付け加える。

叔父貴を殺されたし、極上の女不二子ちゃんに伝説のブレスレッドをかけてやりたいだろ?とルパンが不二子に振ると、うおなたっら、私の全てはあなたのものよ…と不二子も答える。

ピエールには、ドーソンがルパンに遺した「プラムック・ファイル」を渡すと、プラムックと「ジ・アーク」、そしてマイケルのことを全部知りたいとルパンは頼む。

銭形の言いなりになるのか?と聞かれたルパンは、どうせ、勝手に動くだろ?と答えたルパンは、強力な相手と戦うなら、こっちにも強力な仲間がいると言い、日本に向かうことを告げる。

じゃあ、坊や…と言いながら、いじっていたルービック・キューブをピエールに返し去って行った不二子だが、キューブが完全にデフォルトに戻されていたので、ピエールは、噓だろ…?と呟き唖然とする。

その頃、とあるビルの屋上ヘリポートで待ち受けていたマイケルとロイヤルの元に降り立ったヘリから、ブローカーのアジット(デイビット・アサバノンド)とプラムックの秘書ミス・ヴィー(ラター・ポーガーム)が降りて来る。

ミス・ヴィーが時間がないと言うので、マイケルはアジットが差し出した契約書類にすぐさまサインする。

アジットは、リスクがあることは承知して下さいと釘を刺し、では31日に…と告げる。

タイ陸軍本部

突然やって来た銭形は、剣道を教えていたナローン司令官(ウィッタヤー・パンシリガーム)に会う。

旧知の2人は、剣道の試合をしながら話し合う。

タイに何しに来た?と聞いた名ローンは、プラムックの名を聞くと、奴に近づくことは、エリア51やケネディ暗殺の秘密と同じように危ない。自分には太った女房と2人の娘がいる。

これまでもプラムックを調べようとした刑事はいたが、ことごとく失敗した。何かネタは掴んでいるのか?とナローンが聞くので、その内…と銭形が曖昧に答えると、何か証拠を持って来い。そうしたら動いてやるとだけ、ナローンは答える。

日本

山の上にある寺に向かう長い階段を登っていたのはルパンと次元だった。

目的の寺の前に着いた次元は、刀振り回して役に立つのか?刀なんて、銃の敵じゃないだろう?とルパンに話しかけるが、その時、何と言った?と、2人の背後に突然出現した見知らぬ侍のような男がいた。

その男、石川五ェ門(綾野剛)は、今、何と言った?と言っておるのだ…ともう一度次元に問いただしたので、刀なんて銃の敵じゃないとと言ったのさと答えると、試してみるか?と五ェ門が言うので、次元も上等じゃねえか!と勝負に挑むことを宣言する。

ルパンは、お前ら落ち着け!と一応止めるが、両者とも聞く耳持たぬと分かると、お堂に座って、2人の対決を見物することにする。

次元が銃を抜いた時、五ェ門も大きくジャンプし、居合い抜きの刀を次元の首筋に突きつける。

両者互角の勝負だった。

何しに来た…、勝負後、3人揃ってお堂に腰掛けた中、五ェ門が聞くと、仕事だ。力を貸してくれとルパンは頼み、これでも喰おうぜ、好きだろう?と持って来たみたらし団子を差し出す。

高いぞと五ェ門が言うので、いくらだ?と聞くと、月500万と答えると、いや、2000万だ。命の保障は自分の腕で保障するんだな…とルパンは条件を言う。

五ェ門は黙って、ルパンが食べていた団子も奪って去って行ったので、ルパンは次元に巧く行ったとウィンクしてみせる。

タイ

屋上プールから水着姿で出て来たミス・ヴィーは、ずっとプールサイドで待っていた銭形に、熱くない?お巡りさん?と聞く。

俺は警部だ!と訂正した銭形は、31日に「ナバロン・セキュリティ」がある会場を押さえたらしいですな?と聞くが、お答え出来ませんとミス・ヴィーは素っ気なく答える。

この男、プラムックを狙っており、ルビーが目当てらしいんですが知ってるか?とマイケルの写真を見せても、何のことですか?とミス・ヴィーはとぼける。

泥棒同士が当品の取引かてん、嘗められたもんだな、俺たちも…と銭形は悔しがるが、その銭形とミス・ヴィーの会話を、近くのデッキチェアに座っていた女がこっそり小型カメラで撮影し、マイケルに見せなくちゃ…と喜んでいた。

それは、マリアだった。

その頃、次元とルパンは旅客機で移動中だったが、ルパンは美人キャビンアテンダント(山田優)に見とれていた。

ルパンが運転するに乗り込んだピエールは、調べは付いている…と、「プラムック・ファイル」の分析が終わった事を知らせる。

それを聞いたルパンは、入るのは問題なさそうだな…と安堵する。

その車には、五ェ門も同乗していた。

その時、お客さんだと、背後から接近して来る車に気づく。

ハイウェイを接近して来た車に乗っていたのは、ロイヤルとサーベルだった。

ロイヤルは、自分たちの車をルパンの車にぶつけて来る。

スピンターンして、ロイヤルたちの車をやり過ごし、自分たちが背後に付けると接近し、今度はルパンの方が相手の車に側面をぶつける。

ロイヤルたちが銃撃して来たので、助手席に乗っていたピエールに運転を替われ!と命じたルパンは、並走するロイヤルたちの車に乗り移ろうとする。

いきなり運転を頼まれたピエールだったが、アクセルとブレーキを手で押さえるのが精一杯。

ハンドルは、後部席に座っていた次元が握っていた。

サーベルを車の外に引きづり落としたルパンは、元の自分の車の中に入り込む。

その間、後部座席に座っていた五ェ門はルーフ部分から外に出ると、相手の車の天井に飛び乗り、居合いを見せると、又、詰まらぬ物を斬ってしまった…と呟き、元の車に飛び移る。

次の瞬間、ロイヤルの車は横転する。

そこに、走って追いついて来たサーベルが、あいつ、スゲエ!サイコー!と五ェ門の事を興奮しながら絶賛したので、このバカ!と車の下から這い出して来たロイヤルは叱りつける。

その頃、泡風呂に入っていた不二子は、浴室の外に人の気配を感じ、バスタオルを巻き出てみると、そこにはいつの間にかマリアが侵入しており、マイケルが会いたいって…と言う。

連れて行くわ、力づくでも…とマリアが挑発して来たので、出来るの?と苦笑する不二子。

その直後、2人の女の戦いが始まる。

部屋の外では、ルパンがその様子を注意深く監視していた。

ひとしきり戦った後、どのみち彼に会いたかったから…、着替えてくるわ…と言い、不二子はマリアに付いて行くことにする。

その後、マリアに連れられ、とある建物の中で待っていたマイケルに会った不二子は、騙したのね!仲間は殺さないって言ったでしょう?とマイケルを責める。

あれは予測出来なかった…とマイケルは無念そうに答える。

全部話すって約束よ!エドワード・ラムって誰?と不二子が聞くと、良い男だったってドーソンが言ってただろう?

その言葉通りの男で、俺らの父さんだ。ザ・ワークスのメンバーだった。

エジプト政府から「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」を盗む時、一緒に行動したが、ドーソンをかばって父さんは撃たれた。

その後、ドーソンは1人で首飾りを持ち出し、それを今、プラムックが盗んだ。

父さんは古代ローマを愛していた。いつも「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」の話をしていたよ。何時の日かお前の胸にかけてやるって…

俺がやって来たことは全部、父さんとお前のためなんだ…とマイケルは打ち明ける。

取引で全部プラムックが首飾りを手に入れれば手放すはずがない…と不二子が不安がると、それはあの男が決めることではない。俺の要求を断れないはずだとマイケルは言う。

兄妹だって?マジか?…そう言いながら、銃を突きつけて物陰から出て来たのは、不二子をずっと尾行して来たルパンだった。

詳しく聞かせろよ。道理で肩入れする訳だ、不二子ちゃんが…とルパンが銃を突きつけると、騙したのね!と不二子は怒りだす。

ドーソンがはめたと思ってるなら分かっちゃいないぜ…とルパンが言うと、マイケルも素早く銃を取り出し、ルパンに向ける。

しかし、ルパンはそのままその場を去って行く。

31日、とある大きなホールには、厳重な監視が付く中、オーディションを観ようと、大勢の観客が集まっていた。

銭形は、いつものように、外の監視車からモニター越しに会場の様子を監視していた。

銭形は、マローン司令官に軍の出動を頼んでいたが、証拠を持って来いの一点張りだった。

会場で席に座っていた不二子の隣にやって来たのは、金ぴかの服に大きなメガネかけた派手な男で、もちろんそれはルパンの変装だった。

まさかお前が中国人とのハーフだとは思わなかったよ…と、ルパンは不二子に囁きかける。

その時、ステージに司会者が現れ、世紀の取引へようこそ!と挨拶を始める。

そして、取引をする、Mr.チャンとMr.プラムックをステージ上に呼びだすと、ステージ中央に設置してあるガラス張りのグラスルームの中に誘う。

そのグラスルームは、真ん中も防弾ガラスで仕切られており、そこでの会話は外には漏れない仕組みになっていると言う。

ルパンは、そのグラスルームに入ったMr.チャンことマイケルの唇をデジタルで解析して読む「読唇メガネ」で、会話を盗み聞いていた。

プラムックは、深紅のルビーを取り出し、マイケルの方は持参して来た「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」の首飾りを差し出す。

ジョルジオ・チャン…、マイケルか?とプラムックはいきなり見抜く。

その唇を客席から読んだ不二子は、バレてるわ!と焦る。

脇に控えた鑑定士が、「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」をその場で本物と判定、チャンことマイケルに入札して下さい!と司会者が呼びかける。

マイケルが要求した金額は2億ドルだった。

金額が発表されると、会場内がどよめく。

私も、かつてはザ・ワークスだった。あの日、エジプトにいた…、君の父親を殺した日…と、突然プラムックが言い出したので、それを聞いたマイケルは唖然とする。

ドーソンを狙ったのに、君の父親が身替わりになった。良い男だったよ、そう思うだろう?とプラムックは笑いかけて来る。

ドーソンはネックレスを持って逃げたので、奴が君の父さんを撃ったように偽装した。インターポールがドーソンをやると思っていたが、まさか、お前がやるとは…、さらに、こうしてネックレスまで私の所に届けてくれたと苦笑しながら、2億円の小切手を書きだしたので、止めろ!書くな!と制したマイケルは、持参したケースの四隅には非常に強力な爆弾が仕掛けられている。お前が小切手を書けば、俺をこいつを爆破すると言いながら、起爆スイッチ付きのペンを右手で握りしめる。

それを聞いたプラムックは、全く意に介さないと言う風に小切手を書き終えると、どうした?押さないのか?と挑発する。

マイケルは覚悟を決め、起爆スイッチを押すが、何故かケースは爆破しなかった。

お前の小細工などとっくにお見通しだ。ロイヤルが解除してくれた。奴は私の部下だ。ずっと昔から…と言いながら立上がったプラムックに、その背後に現れたロイヤルがドアを開けてやる。

両者の会話は聞こえず、ただグラスケースの外で様子を見守っていただけの司会者は、取引が成立しました!と嬉しそうに客席に向かって報告する。

ルパンは小型シーバーで、待機していた次元に中止だ!と伝える。

何故だ?と聞かれたルパンは、後で説明する!と言い、その目には、プラムックに対する怒りが燃えていた。

観客たちが退場した後、ルパンと2人残っていた不二子は、グラスルームから出て来るマイケルの打ちのめされた姿を観る。

マイケルは、今手にした2億ドルの小切手を、その場で悔しそうに破り捨てる。

一方、ルパンがいないと思い込んでいた銭形は、このままでは逃げられると判断、ケースを持ってミス・ヴィーと共に会場を後にしようとしていたプラムックの前に立ちふさがると、止まれ!と制止する。

又あなたですか…と銭形に気づき、一緒に付いて来たマローン司令官に、どう言うことですか?と聞いたミス・ヴィーは、令状を見せて下さい。今日は司令官に免じて告訴しませんと銭形に告げる。

そう言われては動きようがなくなった銭形の肩を叩き、愉快そうにプラムックは、その場から立ち去って行く。

その時、銭形の携帯が鳴り、かけて来た相手はルパンだと分かったので、貴様、何故動かなかった!と怒鳴りつけると、気が乗らなかったんだよ、協力するなんて言ってないだろと言うだけ出来れてしまったので、銭形は激怒して、ルパ〜〜ン!と叫ぶ。

市内に戻った銭形は、マローンとやけ酒を飲み始める。

これが俺の定めなんだ…と酔った銭形が愚痴るので、そんなに簡単に捕まると思ったかとマローンは言い聞かせる。

不二子もいたルパンたちのアジトにマイケルがやって来たので、良くもその面出せたな…と次元は嫌味を言う。

許してもらおうとは思わない…、けじめはつけるつもりだ…と、マイケルは打ちひしがれたようにうなだれて答え、プラムックと戦うのなら俺が必要だろう?と問いかける。

ドーソンもそう思ってたんだろう。だから俺たちを集めたんだろうな…とルパンは答える。

こいつ、信用できるのか?と次元がマイケルのことを疑い、今回はドーソンに止められることもないからな…と言いながら拳銃をマイケルに突きつける。

マイケルは、それを避けるどころか、自ら額を銃口に押し当てて来る。

次の瞬間、銃声が響き、次元の銃が弾き飛ばされる。

撃ったのはルパンだったが、次元は銃を握っていたのとは反対の左手を開き、そこからあらかじめ抜いておいた弾がこぼれだす。

ルパンが黙って右手を差し出したので、マイケルもその手を握りしめる。

こうして、プラムックからのお宝奪還計画は始まり、各人、最終トレーニングに入る。

竹林にやって来た石川五ェ門は、走りながら剣を抜いて行く。

不二子は、ルパン相手にパンチングの練習に励む。

五ェ門が刀を鞘に納めると、背後の竹が次々に倒れて行く。

そんな中、全員をとあるアジトに集めたピエールは、世界最大のパソコン「サターン」を購入したと披露する。

いくらで買った?と聞くと、170億だと言うので、一体どうやってそんな金を作ったんだ!とルパンは驚く。

すると、不二子が、私が払ったの。400億の小切手を拾ったの…などと言うので、ルパンは唖然とする。

マイケルは、不二子…、まさかお前…と目で問いかける。

その時、いきなり甲高い声で笑う小男が出現したので、みんなが唖然としていると、ヨゼフ(ジャエンプロム・オンラマイ)と言う天才プログラマーだとピエールが紹介する。

ピエールは、ホログラフで、空中に「ジ・アーク」の全体図を浮かび上がらせ、「ジ・アーク」の本部は孤島の中にあり、金庫はその最上段にあると説明する。

レーザーで侵入経路は塞がれており、そのレーザーの動きは完全にランダムだとピエールは言う。

五ェ門は、そのレーザーパターンのシミュレーションを前にあぐらを組み、瞑想状態に入る。

金庫の鍵はアナログとデジタルの2本同時に回さないとシャットダウンしてしまう特殊な物。

シミュレーションを前にした瞑想状態の五ェ門は、3日3晩レーザーパターンを見続けていた結果、見えた!と叫び、握り飯を頬張ると、その場に失神してしまう。

72時間に一度、2人だけが抜けられる穴が出来ると五ェ門は見抜いたのだった。

次にその穴が出来るまでには70時間ちょっとあった。

なら、そこを狙って行くぞ。メッセージ残しておく。それこそ完全な復讐だ!とルパンは決意する。

その後、ビルの屋上でメンバーみんなで食事をすることにする。

シャンパンをみんなのグラスに注ぎ分けていたマイケルは、最後の自分のグラスの分がなくなったことに気づく。

すると、隣に座っていたルパンが自分のグラスのシャンパンをマイケルのグラスに注いでやる。

それを観た不二子は、絶対あり得ないことができちゃった!2人揃えば無敵になる…と驚く。

その時、ピエールが、「ドーソン・ファイル」にルパンの本名も書いてあったと言いだしたので、知りたい!と不二子は言うが、1人近くテーブルで飲んでいた五ェ門は、拙者は昔から名前は知っている…と呟く。

そこに、過去は過去だ…と言いながらドーソン家の執事がやって来て、新たな旅立ちへ!ジローとドーソンに!ザ・ワークスに!と言うと全員乾杯をする。

いよいよ、「ジ・アーク」の本拠地の孤島上空から、落下傘で降下し侵入するメンバーたち。

地雷原の中、地雷探知機付きのジープに乗り、「ジ・アーク」の本部にやって来たのは銭形とナローン司令官だった。

2人を出迎えたミス・ヴィーは中へと通すと、確かな証拠がなかったら来なかったとナローンが言い、ルパンがプラムックを狙っているのは間違いない!これを観てくれとパソコンのモニターを開いてみせる。

そこには、ルパンのアニメが映し出され、ルパンの犯行予告だと分かる。

次の瞬間、島の監視カメラが異常をきたしたので、ミス・ヴィーはウィルスだわ!と気づく。

その頃、アジトでパソコンを操作していたヨゼフは、ネットワークに侵入した!と喜ぶ。

一方、「ジ・アーク」の本部内にいた銭形とナローンが急に暴れだす。

用心棒のロイヤルが撃って来たので、マスクを取って逃げ出した銭形とナローンは、実はルパンとマイケルの変装だった。

その頃、タイ陸軍本部のパソコン画面も、ルパンのウィルスに汚染されていた。

それに気づいたナローンは、ソファで仮眠していた銭形を起こす。

モニター画面を見た銭形は、奴だ!ルパンだ!さ、行くぞ!と叫ぶ。

ミス・ヴィーは、極秘情報が流出すると焦りながら、パソコンの修復を始める。

その頃、不二子は、ロケットランチャーで、「ジ・アーク」本部前の金網門を破壊していた。

モニターでそれに気づいたプラムックは、全員、ミイラにでもして美術館に飾ってやろう…とうそぶく。

ルパン、マイケル、次元、五ェ門らは本部内に侵入し、警備兵たちと戦い始める。

そんな中、何故こんなにかかるのか?!とパソコン修復の遅さにいら立つ。

分厚い鉄の扉の前に来た五ェ門は、居合いで斬り裂き、侵入口を確保すると、中に入るルパンとマイケルに、ここは拙者に任せろ!と声をかける。

そんなルパンたちに、ロイヤルが機銃を乱射して来る。

建物の入口を守っていた五ェ門は、警備兵たちの機銃を斬り裂いていた。

入ったぞ!不二子!そっちはどうだ?と建物内を走りながらルパンがシーバーで聞くと、敷地内のドラム缶の陰に装置の設置をしていた不二子が、もうすぐよ、慌てないで!と返事する。

五ェ門の前に出現したのは、剣を持ったサーベルだった。

サーベルは二刀流になって五ェ門に挑んで来るが、やがて、二本の剣の柄同士を結合させ、両刃の長刀状にして攻めて来る。

それでも、五ェ門に頭を叩き斬られると、笑いながら倒れる。

不二子は、装置の設置とパソコンによる操作で、軌道通信衛星をロック。

その時、マリアが撃って来たので、不二子も応戦する。

次元は、ドラム缶の陰で弾を入れ替えていたが、それに気づいたロイヤルが、弾切れか?俺のを貸してやろう。5秒与えてやるから拾え!と声をかけて来るが、いらねえよと言いながら、投げて来た銃を蹴り返した次元は、近づいて来る絵追いやるの横で死んでいた警備兵の機銃がロイヤルの方に向いていることに気づくと、その引き金目がけて発砲する。

死んだ兵士の機銃の引き金に弾が命中し、その機銃が暴発し、ロイヤルを撃ち抜いたので、次元はロイヤルにとどめを刺す。

マリアは不二子と素手で戦おうとするが、不二子はそんなマリアに対し、躊躇することなく銃を撃ち込む。

今、私を撃った?マジで!と撃たれたマリアは予想外と言う風に呻きながら倒れたので、大げさね。そのくらいのことじゃ死なないから…と不二子は言葉をかける。

油断するな!と廊下で待機していた警備兵たちは銃を構えるが、姿を見せたルパンと次元に発砲すると、それは人形だった。

マイケルとルパンは、発砲しながら前進を続け、エレベーターに乗り込むと最上階を目指す。

最上階に到達した2人は、金庫室へと向かうが、パソコン画面で親友を見守っていたピエールは、レーザーの廊下にまだ2人が来てないので、間に合わないぞ!と焦っていた。

いよいよ、レーザーの通路に2人分の空間が開く時間が来る。

何とか、そこを通り抜けたルパンとマイケルは、目的の金庫室の前に到達する。

2人は、金庫扉の両脇にある2つの鍵穴に、何やら注射器で注入しだす。

それを監視カメラで観ていたプラムックは、あの場で鍵を作っているだ!とミス・ヴィーに教えると、ブランクキーを作っても、あの金庫は破れない!とミス・ヴィーは答える。

ヨゼフ!準備はどうだ?いつでも良いぞ!とルパンはシーバーに話しかける。

ヨゼフ!チャンスは一回きりだ!とキーボード操作しているヨゼフに、ピエールも声をかける。

猛烈なスピードでキーボードを叩いていたヨゼフが、今だ!と叫ぶ。

片方のブランクキーにデジタル暗号が入力され、デジタルとアナログの2本の鍵が完成したので、金庫の扉が開く。

しかし、その中を覗いたルパンは唖然とする。

そこには、さらに、マンガニーズ金庫と言う古風な金庫があったからだ。

まだ残っていたのか…とぼやきながら近づいたルパンは、こいつはハッキングどころじゃないか…と言いながら、鍵を慎重に回し始める。

その様子をモニターで見ていたプラムックは、伝説は本当だったようだな…、アルセーヌ・ルパンの孫…と微笑む。

爺様は昔良く言ってた…、金庫も女も同じようなもんだって…、どっちも誰かが鍵を開けるのを待っているもんだ…とルパンは呟きながら、鍵を回す。

爺様はこうも言ってた…、金庫も女も結局最後は運次第ってね!

ルパンがそう言い終えると、金庫の扉が開き、中に入れてあった、深紅のルビーをはめ込んだ「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」を発見する。

マイケルが、その首飾りを手に取ると、背後の金庫室の扉が閉まってしまう。

天井のファンが廻りだし、金庫室内は空気がどんどん抜けて行く。

真空チャンバーだと気づいたルパンは、3分で窒息かな?と予想する。

これ、覚えているか?とルパンが取り出したのは、前に美術館からメダルを盗み出した時に使用した爆弾だった。

こんなに大量に使ったことないけど、やってみるか…と言うと、4個扉の下に並べて置く。

空気が少なくなるだけ、爆発の威力は大きく伝わるので、失神する直前まで粘るんだとルパンは言う。

その時、突然、マイケルはルパンを殴り気絶させると、マンガニーズ金庫の中にルパンを入れ、扉を閉めると、起爆スイッチを手にぎりぎりまで辛抱する。

ネックレスを彼女にかけてやってくれ…、そう呟いて、マイケルは起爆スイッチを押す。

爆発が起き、金庫室の扉の下に穴が開く。

やがて、マンガニーズ金庫の扉が開き、ルパンは出て来るが、そこに爆死したマイケルの死体を発見する。

それをモニターで見ていたプラムックは笑い出し、これは素晴らしい!ヴィー、奴を連れて来い。直々に会ってみたくなった…と命じる。

金庫室の外に出たルパンは、警備兵と共に待ち構えていたミス・ヴィーから、さすが、やるわね…、ネックレスを返しなさい!と言われる。

建物の外に連れ出されたルパンは、そこに捕まっていた次元、五ェ門、不二子の姿を見つけ、アラララ…と驚く。

大きな勝利を手にするには、大きな犠牲が必要だ。その価値はあったかね?と外で待っていたプラムックがルパンに聞く。

敵ながら立派な相手だった。私には敵の動きが読めるんだ…と自慢するプラムックの前で、手をあげていたルパンは腕時計にちらり目をやり、もうちょっと早く来るかと思ってたが、、あ。こんなもんか…と呟く。

その時、山の稜線からヘリコプターが飛んで来るのが見え、タイの陸軍が接近して来ることが分かる。

着陸したヘリから降り立った銭形警部は、唖然として立ち尽くしていたプラムックの前に来ると、令状を持って来いと言ったな?と言いながら、逮捕状を差し出すと、プラムック!不正取引、脅迫、密漁…と罪状を読み上げて行く。

同行して来たマローン司令官も、今度ばかりは…とプラムックを睨みつける。

全く読めねえ奴だな…とルパンの前に来た銭形がぼやくと、協力しねえとも言ってねえぜとルパンは笑う。

しかし、こんだけ派手にやっちまったんだから、犯罪記録を抹消することは出来んな…と銭形が言い、ルパン、お前とは又すぐに会いそうだな…と言い残し、「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」の入ったケースを受け取り、逮捕したプラムックらと共に、ヘリに乗り込む。

飛び立ったヘリの中で、ケースを開けてみた銭形は、深紅のルビーがやけに大きくなっていることに気づく。

その根本を触れると、ルビーを模したカバーが開き、中から「ごくろうさん」と書かれたルパン人形が飛び出して来る。

すり替えられたと気づいた銭形は、ルパ〜〜ン!と叫ぶ。

ヘリと軍隊が引き上げた後、ルパン、不二子、五ェ門と共に残っていた次元は、俺ら、どうやって帰るんだ?とぼやく。

日本のとある波止場

叔父貴…、マイケル…、ジロー…、亡くなった3人の名を口にしたルパンは、「クリムゾンハート・オブ・クレオパトラ」を不二子に渡す。

なあ不二子…、お前、マイケルの妹なんかじゃなかったんだろう?俺はお前のことなら何でも知ってるさ…、利用しただけだろ?このネックレスを手に入れるために…とルパンは不二子に聞く。

それでもお前は、生き別れた妹を捜していたマイケルに夢を与えたんだ。この世でたった一人の家族を演じたんだ…、やるせねえぜ…、お前、やっぱりマイケルのこと好きだったんだろ?とルパンがひがむと、美化し過ぎよ、私は私よ、峰不二子…と不二子は答える。

ま、いっか!世界最高の宝石と美女を手に入れたんだから…とルパンが言うと、何のこと?と不二子がとぼけたので、約束しただろう?首輪をかけたら全部俺のものになるって…とルパンはいら立つ。

その時、パトカーに乗った銭形が接近して来る。

それを観た不二子は、友達に会いたいんじゃないかなって思って…、メールしといたの…と言った不二子は、バイクに股がり走り去って行く。

だから言ったろ?あの女は止めとけって!と次元はルパンに話かける。

そりゃ、ないぜ!不二子ちゃ〜〜ん!と去って行った不二子を見送るルパン。

そんなルパンを笑い飛ばした五ェ門は、では拙者はこれで…と言うと、次の瞬間には消え去っていた。

銭形のパトカー隊がますます接近して来たので、ルパンと次元はフィアット500に乗り込み、愉快そうに笑いながら逃げ出す。


 

 

inserted by FC2 system