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THE NEXT GENERATION パトレイバー 第3章

「機動警察パトレイバー」の短編実写版シリーズの一部

何やら、アル・パチーノ主演で知られるシドニー・ルメット監督「狼たちの午後」(1975)や60年代の怪獣映画などのパロディ要素が入っているように見える。

軍事オタクや映画オタクなどをからかうネタが多く…と言うか、基本オタクをいじっているだけの、オタクによるオタクの為のオタクパロディ、オタク風刺と言った印象。

両エピソードとも、巨大ロボを使用する特車二課を舞台にしながらも、なかなかレイバーを使用するにふさわしい大きな事件に恵まれず、活躍の機会を持てないままだらだらとした毎日を送っている隊員たちののんきな日々が描かれている。

それでも、今回の二話は、人質事件と怪獣騒動と言う比較的大きな事件が起きているのが特長。

「エピソード5 大怪獣現わる 前編」の方は前後編の最初の部分であり、取り立てて大きな見せ場は出て来ないが、だらだら感は健在。

作品全体の感想は、後半を観てから改めて書きたい。

「エピソード4 野良犬たちの午後」の方は、だらだらした日常風景から、徐々に特車二課の面々が人質事件に巻き込まれていく様が面白おかしく描かれている。

両者とも、映画用と言うよりは有料TV用に作られたものの特別上映なので、予算をかけた大作映画風の見せ場こそないものの、低予算なりに楽しめる作品にはなっている。

CG表現なども実写と見まごうばかりに巧く行っているシーンもあれば、銃撃シーンなど、合成バレバレで噓っぽい…と言ったシーンが混在している印象。

ヒロイン役の真野恵里菜の愛らしさも、行動のあどけなさと共に、狙いがはっきり見える使い方になっており、特に違和感はない。

正直、観る前は、もっと期待はずれなのでは?と言う危惧感があったが、実際にスクリーンで観てみたら、意外と面白かったと言うのが本音。

次回作も観るつもりだ。

▼▼▼▼▼ストーリーをラストまで詳細に書いていますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼

2014年、「THE NEXT GENERATION -PATLABOR-」製作委員会、ヘッドギア原作、山邑圭脚本、押井守脚本+監督作品。

20世紀の後半、テクノロジーの発展と共に、あらゆる分野に普及した汎用型作業機械「レイバー」

巨大なロボットが日常となった世界で多発する犯罪に供え、警視庁は特化車両二課「パトロールレイバー中隊パトレイバー」を設立した。

2013年、東京…

長過ぎた不況でレイバーもすっかり下火になり、「栄光の初代メンバー」は解散、今や「無能の三代目」と言われているが、それでも特車二課はかろうじて存続していた。

「エピソード4 野良犬たちの午後」

塩原佑馬(福士誠治)は、その日、ずっとふてくされていた。

世界中で戦争や紛争が起こっている中、日本だけが平和過ぎるのが不満なのだと言う。

何にもしてないからだよ〜!と喚く佑馬に、他の隊員たちはあきれ顔。

警官が日がなネットサーフィンしてられるのも、平和な為だろう?などと反論する者も…

しかし、佑馬は何もしない毎日にいら立っていた。

そんな佑馬の態度を観ていた大田原勇(堀本能礼)は、腹でも減ってるんだろ?といなし、そう言えば昼飯時に近かったので、佑馬は泉野明(真野恵里菜)にカップ麺を買って来いと命じる。

明は、何で私が?とふてくされるが、他のメンバーたちもカップ麺の銘柄を指定しだしたので、仕方なく、それをメモし始める。

鶏小屋で幸せそうに横になっており、その場にいない山崎弘道(田尻茂一)は?と明が聞くと、あいつはチキンラーメンとみんなが声を揃える。

その後、明はベスパでコンビニに出かけて行く。

コンビニ「Max Weber」の前にやって来た明に、店長が、まいど!明ちゃん!いつも可愛いなと声をかけて来たので、当たり前でしょう!と返して、明は店内に入って行く。

明はすぐにカップ麺の並んだ棚の前に行き、ラ王 背脂コク醤油やどん兵衛、ごんぶとカレー南蛮…など、頼まれていたカップ麺と自分用のスナックを購入。

その時、トイレを借りるよと言いながら、金髪の若者が奥へと向かう。

明は、馴染みの店員浅井がいるレジで精算し、1540円を払う。

浅井は明に焼きミソおにぎりを勧めるが、その時、店長が浅井に後を頼み、店を出て行く。

明の後ろに並んだ客は、明が来ていたユニフォームの背中に書かれた「警視庁」の文字に目を留める。

明が店を出て行った後、男は浅井に、今の人警官?と聞き、この先にパトレイバーと言うトボット部隊があるのだと知る。

スクーターに戻った明だったが、今、店にいた男の顔が気になり、念のため、スマホで「指名手配犯」の顔写真をスクロールしてみて、ドンピシャな該当者を見つける。

そっと店の方を振り返った明は、入口の前でパンを食いながら自分の方を観ている男に気づくが、その場は知らぬ振りをしてスクーターを走らせる。

しかし、男は、去って行く明の背中に、取り出したマシンガンの銃口を向け、ターゲットを定めると発砲する。

タイトル

カップ麺買うのにいつまでかかってんだ!

佑馬は、いつまで経っても帰って来ない明にいら立っていた。

女の買い物が長いのは万国共通!とカーシャ(太田莉菜)が無表情にフォローするが、その時、窓の外に生みたての卵を持った山崎が姿を見せ、いりませんか?と聞いてくる。

それを観た大田原は、カップ麺来たらなと答える。

待ちくたびれた佑馬はチャリでコンビニに出かける。

それを見送った整備班のシバシゲオ(千葉繁)は、なんだかんだ言って、お嬢ちゃん、放っとけない男だからな…と苦笑する。

コンビニ「Max Weber」の前には、明のベスパが横倒しになっていた。

男は、明を始め、店内にいた客たちを人質に閉じこもっていた。

客たちは、男を強盗だと思い込み、娘が生まれたばかりなんだよ!などと命乞いをし始めるが、店内に座らされていた明は冷静に、強盗じゃないよと否定する。

そんな明に銃を持った男は、あんた、俺のこと知ってるんだろう?観たんだろ?手配書…と笑いかけて来る。

そこに、トイレを借りていた金髪の男猿渡八郎(三元 雅芸)が、すんだぜ!一郎!と言いながら店の外からはいって来たので、本名を呼ぶな!と銃を持った男は叱りつける。

明は、銃刀法違反、爆発物所持で全国指名手配中である蜂野一郎の名を全員に教える。

しかし、蜂野一郎(波岡一喜)は、テロリストと呼んで欲しいと口を出して来る。

私が戻らないと、不審がって誰か来るわよと明は睨みつけるが、ベスパ故障、少し遅れる…と蜂野一郎は、明から奪い取ったスマホで佑馬宛に送信するが、その直後、チャリで店に入って来たのがその佑馬だった。

佑馬は店の床にしゃがみ込んでいる明を見つけ、文句を言いかけるが、その時、2人のテロリストに銃を突きつけられていることに気づく。

本部では、御酒屋慎司(しおつかこうへい)が、なかなか戻って来ない佑馬と明のスマホに連絡しようとしていたが、どちらも繋がらないことが分かり、何やってんだ、あの2人!と大田原もいら立つ。

僕が行きましょうか?と山崎が言うと、私が行くとサーシャが立ち上がる。

お前が行ったら2号機が出せないだろうと大田原が注意したので、一応考えてるんだ?とサーシャはからかう。

警察官は任務第一だからな…と大田原はぶすっとしながらも答える。

大田原から車のキーを預かった山崎がコンビニに向かう。

しかし、その山崎もあっさり、小出しにぽろぽろ来やがって!と苛つく犯人等に捕まり、床に座らせられる。

そんな蜂野一郎を観ていた佑馬は、切れるなって、兄ちゃん。犯罪者の末路は刑務所しかないんだと脅してみるが、さぞ面白い所だろうなと蜂野一郎は笑ってみせる。

本部では、大田原が、あのバカども、どうした!と切れかけていた。

15分経っても連絡がなかったら報告して!と言い、カーシャが立ち上がる。

お前が行ったら目だち過ぎるだろう!と大田原は止めるが、整備班の連中が美人に弱いことを知り抜いているカーシャは、彼らが上に報告するはずがないことを確信し、赤いバイクで出発する。

コンビニ「Max Weber」の近くで双眼鏡を取り出し、店の外観を眺め始めたカーシャは、店がカーテンを閉めて、中を覗けないようになっていることに気づく。

良く観察していると、犯人らしき男がカーテンを閉めている。

カーシャは直ちに本部に連絡を入れる。

犯人の蜂野一郎は、まだか!といら立っていた。

その様子を観ていた佑馬は、最後のメールから10分…、誰かとここで合流するつもりか?と推測しながら、棚に並んでいたパンを取ったので、明が注意すると、空腹で活躍出来るか!などと言う。

その会話を聞いていた店員の浅井は、食べて下さい!僕も食べますから!前からやってみたかったんですまどと人質たち全員に声をかける。

さらに、その様子を見て唖然とする犯人2人にもパンを渡す始末。

そして、テロリストって儲かるの?などと気楽に質問し始める。

明と佑馬は浅井からヤクルトまでもらって何だかピクニックのような雰囲気になって来たので、なるほどな…、これがストックホルム症候群か…、犯人と一緒に長い時間一緒にいると相手の気持ちに同調して来るんだなどと佑馬は感心する。

そんな様子を呆れて観ていた蜂野一郎は、そこ、おしゃべりしない!とやんわり注意する。

カーシャからの報告を受けた後藤田継次(筧利夫)は、パトレイバーの出撃を命じたので、大事になりますよ…と御酒屋が案ずると、大事にするのさと訳ありげに言いながらも。カーシャを出したのは良い判断だったと褒める。

シバシゲオは、整備班の腕を見せろ!お嬢ちゃんを助けに行くぞ!と発破をかける。

その時、そのカーシャから御酒屋に電話が入り、内容を聞いた御酒屋は、え?あれを!と驚く。

コンビニ「Max Weber」内では、店員の浅井が映画学科に通っているなどと雑談を人質たちとしていた。

佑馬は、鶏を愛している山崎に無理矢理チキンを食わせようとしたりしてからかっていた。

そんな「Max Weber」にパトレイバー運搬車が接近して来る。

窓のカーテンの隙間から外を観てそれに気づいた金髪の相棒は、来た!サツだ!スマホ、取り上げたのに!と狼狽する。

蜂野一郎は相棒に、車の荷物を下ろせと命じる。

店の中に、大きなバッグとアンプを持ち込んで来たテロリストたちは、床に座っていた人質たちに、中味を観たいか?と笑いかけながら、バッグの中味を披露する。

中にはびっしりC4爆薬が詰まっていた。

それに気づいた佑馬は、軍オタクらしく、その性能を詳細に説明しだす。

それに気づいた蜂野一郎は、スピーカーの中味も披露する。

M240汎用機関銃が隠されていたので、佑馬は驚く。

そんな佑馬の反応を楽しむように、この組み合わせで何が出来るか分かるな?と蜂野一郎は笑う。

相棒も、サツなんか怖くねえ!と精一杯の見栄を張る。

ヘビイスモーカーのカーシャがタバコを吸いながら待機していた場所にパトレイバー隊が到着し、降り立った後藤田が状況を聞く。

コルトM8銃にM240機関銃も持っているようですとカーシャが説明すると、まるで戦争だね…と後藤田は呆れる。

パトレイバーがデッキアップされる。

そこに、本庁の機動隊がやって来たので、後藤田は、人質は7名、内3名は警官であり、4人目が偵察に出て事件に気づいたと報告する。

そこへ、自転車に乗った一般市民が近づいて来て、パトレイバーってかっこいいな…と喜ぶが、機動隊によって、あっという間に取り囲まれる。

カーシャは御酒屋に、自分は裏に回るから、2号機は宜しくねと頼んで行く。

後藤田はハンドスピカーで、籠城中の犯人に告ぐ、君たちは完全に包囲されたと告げるが、蜂野一郎は臆せず機関銃を撃って来る。

こら〜!危ないじゃないか!と後藤田が叫んだので、蜂野一郎は呆れて、お前たちの隊長は馬鹿か?と佑馬に聞き、こいつを仲間たちに渡すつもりだったが、こうなったら来ないだろう。車を用意させろと命じるが、そんなこと成功した例はないと佑馬が反論すると、イギリスやドイツじゃ成功していると答える。

しかし、日本の警察は連携悪いな…と呆れた様子の蜂野一郎は、裏口にC4仕掛けといたから、湯でも湧かせや、コーホータイムだと余裕綽々の様子で命じる。

その頃、裏口にたどり着いていたカーシャは、裏口のドアを開けようとしていたが、念のため、小型の鏡を隙間から中に伸ばし、様子を探ってみる。

すると、C4爆薬が仕掛けられているのを発見、クソ!と呟く。

すぐにケイタイを御酒屋にかけ、隊長を呼ばせる。

その連絡を受けた後藤田は、御酒屋に、2号機をコンビニの前まで歩かせろ。遠隔操作だと命じる。

店員の浅井は、熱々のコーヒーを蜂野一郎に渡していた。

猫舌の蜂野は、顔をしかめながらコーヒーを飲み始める。

大田原が危なっかしい手つきで2号機の遠隔操縦を始めるが、プレッシャーに弱いのか、ポケットウィスキーを飲みながらの操縦になり、2号機もよたよた動き始める。

これを観たテロリストたちは、レイバーだ!と緊張し、佑馬も来たぞ!と喜ぶ。

しかし、正面攻撃なんて妙だし、2号機の動きもおかしいと気づいた佑馬は、レイバーは陽動で、助けは裏から来る!と読む。

蜂野等が機関銃を構えて緊張する中、人質たちはゆっくり裏口の方へ移動し始める。

その気配に気づいた蜂野が振り向くたびに、移動していた人質たちは、「ダルマさんが転んだ」のように、ぴたりと動きを止める。

絶対に倒すんじゃないぞ!と声をかけた後藤田の言葉が更なるプレッシャーとなり、大田原は操縦器の操作をミスり、2号機はあろう事かリボルバーカノンを取り出し構えてしまう。

それを観た蜂野は、くそ!と叫び、機関銃をぶっ放し始める。

2号機はその銃弾を浴び、特に顔の部分など大破してしまう。

その時、カーシャが身を隠しながら裏口を開け、爆発が起きる。

その直後、店内に侵入したカーシャは、ナイフを取り出した金髪の猿渡八郎と戦い始める。

それに気づいた蜂野は激怒し、機関銃を店内に向けて撃ち始める。

棚に並んでいたカップ麺の類いが撃たれて飛散し始める。

床に身を伏せていた佑馬たちには、おでんが降り注ぐ。

今まで何もして来なかった明が急に立ち上がり、蜂野にパンチを見舞う。

金髪の猿渡が棚越しに機関銃を撃って来たので、棚の背後に隠れていたカーシャが飛び出し、AKの銃剣で戦う。

金髪の猿渡とカーシャの壮絶な戦いが続くが、最後は、カーシャが銃の台尻で猿渡の頭を強打し、気絶させる。

さらに、蜂野も押し倒し、その股間に銃剣を突きつけて牽制する。

事件後、破損した商品と言うことで、大量のカップ麺やおにぎりをもらった隊員たちは、夜食としてそれを食べるはめになる。

しかも、コンビニはバラバラになってしまったので、当分、近場にコンビニは亡くなり、今後の食料調達には、単車でも20分はかかる遠いコンビニまで行かねばならなくなり、ぼやきながらも、彼らはカップ麺をすするのだった。

「エピソード5 大怪獣現わる 前編」

ベッドの中で蠢いていた女が起き上がり、天井部分の窓を開ける。

ヨットの甲板に上がって来たその女、海洋学者・七海言子(松本圭未)に、船長(丹古母鬼馬二)がやっと起きたか!と声をかけて来たので、後どのくらい?と七海が聞くと、20分だと言う。

丘に上がって真っ先にしたいことは何だ?と船長が聞くと、そりゃあもちろん風呂よ。5日も海に出てたんだからと七海は答える。

その直後、船長が、先生、電話!と言うので七海が出る。

はい、分かりましたと言って電話を切った七海に、市長が何だって?と船長が聞いて来る。

タイトル

上陸後、そのまま熱海市長樺山久蔵(ベンガル)の部屋に駆けつけた七海が目撃したのは、美人秘書(奥田恵梨華)の背中にマッサージを施していた市長の姿だった。

やって来た七海に気づいた樺山は、本日はこれまで!と言い、秘書の背中に「済」のハンコを押す。

網代湾での漁獲高激減の原因調査を市長の依頼で行っていた七海は、この熱海で13人のサーファーが失踪している事件と関わりがあるのではないかと報告する。

しかし、市長は、君はいつから探偵になったんだ?と皮肉を言って来たので、七海は、ラッコの好物は帆立です。2つの事象を合理的に突き詰めて行くと、ある存在が浮かび上がるんですと答える。

証明出来たのかね?と市長が言うので、無念そうに首を振った七海だったが、ただ…、熱海の海には何かがいます…と続ける。

水中のイメージと大漁旗のイメージ

コーヒー!と七海が頼むと、煮詰まったアメリカンしかありませんが?と秘書が言うので、じゃあ、お茶で結構と七海は注文する。

市長は、小津安二郎監督「東京物語」にも登場するように、高度成長期における観光地として圧倒的な人気を誇った熱海が、今ではすっかり廃れてしまっている現状を嘆く。

その時、電話がかかって来たので、それに出た秘書は、熱海署の大塚署長からだと言って受話器を差し出す。

ラッコ(サーファー)が海岸で大量失踪したと言う連絡だった。

海岸にやって来た七海は、顔なじみの刑事に声をかける。

刑事が言うには、犬の散歩に来た人が発見して連絡を入れたと言う。

あのラッコ共は平気でポイ捨てするが、波乗り板まで捨てて行くとは…と刑事は呆れていたが、その眼前の浜辺には、人影もない中、128枚ものサーフボードが置きっぱなしになっていた。

七海を浜辺に案内して来た市役所職員に刑事が、市の方で何とかしろと言うと、うちじゃ無理ですって…と職員は当惑する。

七海は、サーフボードに付着していた粘液上のものを採取する。

自宅アパートに戻って来た七海は、翌朝、古川登志夫と冨永みーながパーソナリティを務める「朝から生ラジオ」を聞きながら、インスタントラーメンと卵と残っていたウィスキーを鍋に入れて、コンロにかけると、チャッカマンでくわえた煙草に火を点ける。

部屋に置いてあるホワイトボードには、「魚群の減少 巨大海棲生物→G」などと書かれていた。

煮上がったラーメンを鍋から直接すすり始めた七海だったが、その時、ケイタイの着信音が鳴り始めたので、慌ててテーブルの上のケイタイを探し始める。

ようやく見つけたケイタイに出た七海は、後藤田?先輩がどうして熱海に!と驚く。

七海は後藤田から指定されたスナックで、久々の再会を喜ぶが、後藤田は牛乳を注文していた。

休暇でこの地にやって来たと言う後藤田から、熱海にいる訳を聞かれた七海は、市の臨時海洋調査を頼まれた。ちょっとしたことで大学にいづらくなったので…と答える。

それを聞いた後藤田は、もしかして、芹沢博士?と聞き返す。

そこに、塩原佑馬、大田原勇、山崎弘道、御酒屋慎司らがやって来て、テーブル席に陣取ると、思ったより美人だな…、熟年の男と女…などと七海の品定めを始める。

今回の慰安旅行には、明やカーシャは参加していなかったので、呼べば良かったなどと佑馬たちは浮かれる。

ぐいぐい酒を飲み荒れ始めた七海は、謎のサーファー失踪事件のことも後藤田に教える。

そんな七海を観ていたママ(森若香織)は、今日、首になって荒れてるのよと、牛乳のストレートをお代わりをした後藤田に教える。

佑馬たちが、熱海の海と言うので、カッパ〜♪と歌い始めると、目が座っていた七海は、へたくそ!私が歌う!と言い出し、カラオケのマイクを持つと、フォスターの「夢路より帰りて」を歌い始める。

それを聞いていた大田原が、酔った勢いで七海に近づきながら、歌巧いな、おばちゃん!と言ったので、切れた七海は、このオタク共!と罵倒し、暴れ始める。

すっかり泥酔した七海は、スナックを後にして海に向かう後藤田に、もう一軒!と絡みながらついて行く。

その後を佑馬たちも付いて行く。

海辺に来た彼らは、突如、地鳴りを聞き、海面が七色に発光するのを目撃する。

酔った七海はそんなことに気づかず、まだ後藤田に絡んで抱きついて来るが、その時、海面に巨大なカッパのような怪獣の頭部が浮上する。

佑馬たちはそれを観て、ガッ☆出た!と騒ぎだすが、ガッパって何よ!と1人七海だけ置いてきぼり状態になっていた。

翌朝、怪獣出現の記事が新聞に載る。

市長はマスコミに囲まれて出所、急遽「巨大海棲生物対策本部」が出来、七海もオブザーバーとして呼び戻される。

休暇中の後藤田たちも協力を要請され、一緒に会議に参加することになる。

佑馬は、ガッ☆対策本部で決まりましたね。何なんだ?「G」って…と七海の仮説に登場する仮称を揶揄する。

まさか、ゴ☆ラとか…?と明は惚け、いくら何でも、科学者なんだから、そんな訳ないでしょうと御酒屋も皮肉るが、当の七海は無視する。

七海は、芹沢博士を費用は対策本部持ちで招聘することを提案する。

その後、市長に随行していた秘書は、怪獣の出現騒ぎで熱海市の旅館ホテルの予約が2週間先まで埋まり、このまま推移すれば市の財政が黒字に転換する可能性もあると報告する。

それを聞いた市長の顔が悪魔のようになっていることに秘書は気づく。

レイバー1号機を搭載したトランスポーターが渋滞中の一般道を熱海にやって来る。

自衛隊の方が…と秘書は助言するが、市長は、戦争は最後の切り札だ。役者が揃ってはいけない。お祭りはこれからだ…と市長室で答える市長の顔はまた悪魔のようになっていた。

熱海に到着したレイバー1号機はリフトアップして野次馬たちが集まって来るが、隊員たちは取りあえず待機状態になる。

東京から駆けつけた泉野明など、弁当を食べながら、怪獣なんているのかな〜と半信半疑の様子。

俺は覚えとらん…と、当夜、泥酔状態だった大田原も言うので、信じられない!第一管轄外じゃないの?と明は首を傾げる。

佑馬も、本庁も半信半疑らしい…と言いながら言葉を飲み込んだので、何ごとかと明が佑馬の視線を追うと、水着姿の娘たちが前を通り過ぎて行ったので呆れる。

自衛隊を避けたんだろう。特車2課を潰す格好の口実になる…と佑馬は解説するが、その横で大田原は、野次馬の中で声高にレイバー部隊をしたり顔で解説しているデブオタク2人にいら立っていた。

所詮、第一世代を改良し、延命に腐心しているだけだろうとか、リボルバーカノンの性能まで知ったかでバカにされたのを聞いた大田原は、何だと、このやろう!と怒鳴りながら、オタクたちに飛びかかって行く。

レイバー隊員が一般市民に暴行に及び、熱海署が介入を求めていますと秘書が市長に報告す中、又電話がかかって来る。

駅前に金星人が出現したとの知らせだった。

アララ…アラアラ…、地球人よ、悔い改めよ!ガッ☆に生け贄を与えよ!と怪し気な説教をしていたケバい格好の3人女は、すぐに警察に連行されて行く。

その直後の熱海駅前には、白髪に全身黒マント姿に黒の眼帯と言う異様な姿の男が降り立つが、それを急いで車に誘導したのは七海だった。

その怪し気な風体の男こそ、七海が東京から呼び寄せた異端の海洋学者芹沢八郎太(嶋田久作)だった。

クジラが上陸して人類を滅ぼすと言う学説を発表した男だった。

一般市民ともめ事を起こしたレイバー隊員たちは、初島で待機するよう命じられる。

嵐の前の静けさか、彼らが現れたのをあざ笑うかのように怪獣はその後、姿を見せなかった。

トランスポーターの維持費もかかると言うので、1号機搭載のトランスポーターは一旦東京へ戻ることになる。

すると、それを待っていたかのように、ガッ☆は頭部を出現させる。

トランスポーターは、それを知り熱海に引き返すが、すると、ガッ☆は鳴りを潜める。

又、東京へ帰還しようとすると出現する…、熱海に戻ると、ガッ☆は沈んで姿を消すと言うことを7回繰り返し、その後、怪獣の姿はふっつり消えた。

じれた七海はクルーザーで海に出て行く。

そもそも直径200mもある怪獣が深度50mしかない網代湾に棲息出来るのか?と言う疑問があったからだ。

一方、対策本部では、後藤田が、仮称ガッ☆に対する意見を隊員たちに求めていた。

最初に明が立上がったので、何か意見があるのか?と聞いた後藤田だったが、いいえと言うので、じゃあ、おとなしく座って聞いてなさいと言い聞かせる。

佑馬は、簡易CG画像を使い、深度50mを越えない網代湾にガッ☆が棲息しているとすれば、平泳ぎのような体勢でいるに違いないと説明。幼稚園のプールか!と突っ込まれる。

カーシャは、バカみたいと吐き捨てる。

あれは、実は巨大な頭部に足がたくさんついたタコのようなものではないかとの意見に対しては、アメリカ人が好きそうだわと皮肉を述べる。

会場に姿を現した巨大怪獣の頭部は、初島や真鶴など三カ所の地点から同じように見えたとの報告があり、そこから推測するに、3つの頭を持った怪獣ではないかとの意見が出ると、明から、それって、ドラクエのエ☆ルスピリットじゃ?との指摘があり、後藤田も、危ないネタだなとの呟きが漏れる。

もう良い、もう十分だ!と聞いていた市長が止めさせる。

怪獣の正体などどうでも良い!知りたいのは、奴を自由に呼び寄せる方法だ!と市長は、怪獣を観光目的の客寄せしか考えていない発言をするので、佑馬は、海底ケーブルに電流を流したらどうか?と提案するが、魚が全滅してしまうと反対意見が出る。

すると、大田原が餌撒いたらどうだ?と思いつきで言い出す。

美人が風呂に入っていると怪獣が現れると言うのが良くあるパターンだが…と佑馬が乗り、幸いここには美人が4人もいるし、予算もかからないので、それで行こうと言うことになる。

その申し出を渋々受けた七海は、覗いたら殺す!と息巻きながらも、海が見える露天風呂に、明、カーシャ、市長秘書等と共に入る。

その露天の横手には、佑馬や大田原らが隠れて、覗きの機会をうかがっていたが、先に隠れていた市長や後藤田の姿を発見し驚く。

七海は、風呂の中でビールを飲んでいたが、突然、海の方を観て、あっ!と叫ぶ。

他の美女と露天風呂の下に隠れていた男共も、一斉に海の方に目をやる。

以下、後編に続く…


 

 

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